JPH06172681A - 絵の具 - Google Patents

絵の具

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JPH06172681A
JPH06172681A JP22780993A JP22780993A JPH06172681A JP H06172681 A JPH06172681 A JP H06172681A JP 22780993 A JP22780993 A JP 22780993A JP 22780993 A JP22780993 A JP 22780993A JP H06172681 A JPH06172681 A JP H06172681A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温水中に浸漬しても着色料が溶出せず、衛生
上安全であるのみならず、児童幼児が衣服などを汚すこ
とのないステンドグラス風の造形物の形成用に使用する
ことのできる絵の具を提供する。 【構成】 アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン10
0重量部、コロイド分散水系ウレタン樹脂液7〜20重
量部、着色料0.1〜10重量部とからなることを特徴
とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色料が脱離すること
のないステンドグラス風の造形物の形成用に使用される
絵の具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にステンドカラー(登録商標)など
と称されている絵の具は、ガラス板、透明合成樹脂板等
の透明な板上に塗布することにより、ステンドグラス風
の彩色の造形物を制作することができる着色合成樹脂液
であって、近年、特に児童幼児向けに多く市販されるよ
うになっている。
【0003】特に、アクリル酸エステル系樹脂を主成分
とする合成樹脂液からなる絵の具においては、その主成
分であるアクリル酸エステル系樹脂が、極めて美しい透
明性被膜を形成するので、児童幼児でも容易に美しいス
テンドグラス風の造形物を形成することができ、しかも
色の異なる絵の具の混合により自在に彩色ができるの
で、市場は広がりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アクリル酸エ
ステル系樹脂を主成分とする絵の具のみならず、従来の
他の樹脂を主成分とする絵の具を使用して得られた造形
物は、試験的に、例えば水温40℃の温水に10分間浸
漬すると、含有されている着色料がかなり溶出するなど
の着色料が脱離し易い難点があり、衛生上安全でないの
みならず、児童幼児にいたっては衣服などを汚すなどの
欠点があり、未だ満足できるものではなかった。
【0005】本発明は、かかる現状に鑑み、温水中に浸
漬しても着色料が溶出せず、衛生上安全であるのみなら
ず、児童幼児が衣服などを汚すことのないステンドグラ
ス風の造形物の形成用に使用することのできる絵の具を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る絵の具は、アクリル酸エステル系樹
脂エマルジョン100重量部、コロイド分散水系ウレタ
ン樹脂液7〜20重量部、着色料0.1〜10重量部と
からなることを特徴とするものである。
【0007】本発明に使用するアクリル酸エステル系樹
脂エマルジョンは、アクリル酸エステル系樹脂を必要に
応じて乳化剤等の助剤の使用により均一に水に分散させ
たアクリル酸エステル系樹脂液であって、これに使用す
るアクリル酸エステル系樹脂は、アクリル酸エステルま
たはその誘導体からなる樹脂、アクリル酸エステルまた
はアクリル酸エステルの誘導体と他のモノマーとの共重
合体、これらの混合物などである。
【0008】上記のアクリル酸エステル系樹脂として
は、具体的に例示すると、ポリメチルアクリレート、ポ
リエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ
2ーエチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ2ーエチル
ヘキシルメタクリレート等のアクリル酸エステル誘導体
樹脂、メチルアクリレートースチレン共重合体、エチル
アクリレートースチレン共重合体等のアクリル酸エステ
ルースチレン共重合体、メチルメタクリレートースチレ
ン共重合体、エチルメタクリレートースチレン共重合体
等のアクリル酸エステル誘導体ースチレン共重合体、メ
チルメタクリレートー2- エチルヘキシルアクリレート
共重合体等のアクリル酸エステルと他のアクリル酸エス
テルとの共重合体などが挙げられる。
【0009】本発明で使用するアクリル酸エステル系樹
脂エマルジョンとしては、固形分40〜50重量%のも
のが好ましい。また、本発明で使用するアクリル酸エス
テル系樹脂の分子量( 重量平均分子量) は5万ないし5
0万であることが望ましい。
【0010】本発明で使用するコロイド分散水系ウレタ
ン樹脂液は、ウレタン樹脂粒子を必要に応じて乳化剤等
の助剤の使用により均一に水にコロイド状(セミコロイ
ド状を含む) に分散させた水系ウレタン樹脂液であっ
て、これに使用するウレタン樹脂は脂肪族、脂環族、芳
香族系のジイソシアネートと多価アルコールとの反応に
よって得られる自己乳化型または非自己乳化型のもので
ある。特に、3価以上のアルコールを用いた自己乳化型
のウレタン樹脂(ポリオールウレタン樹脂)が望まし
い。このほか、エーテル型のウレタン樹脂も使用するこ
とができる。
【0011】本発明で使用するコロイド分散水系ウレタ
ン樹脂液としては、固形分28〜40重量%のものが好
ましい。また、本発明で使用するウレタン樹脂の分子量
(重量平均分子量) は5万ないし20万、好ましくは7
万ないし10万であることが望ましい。
【0012】本発明で使用される着色料としては、顔
料、染料が使用し得る。特に顔料としては微粒子顔料
(平均粒径2μm以下、好ましくは0.1 〜2μmの顔
料) が望ましく、染料としては、アルコール系染料、酸
性染料が望ましい。このほか、必要に応じて通常含有さ
れている添加剤、例えば架橋助剤などの造膜助剤や増粘
剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
【0013】アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン、
コロイド分散水系ウレタン樹脂液および着色料の配合割
合は、アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン100重
量部に対して、コロイド分散水系ウレタン樹脂液7〜2
0重量部、好ましくは7.5〜15重量部、着色料0.
1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部である。アク
リル酸エステル系樹脂エマルジョンとコロイド分散水系
ウレタン樹脂液とが含有する各固形分の重量比は、83
〜95:17〜5、好ましくは90〜95:10〜5で
ある。
【0014】上記のアクリル酸エステル系樹脂、ウレタ
ン樹脂および着色料の配合割合を固形分で表現すると、
アクリル酸エステル系樹脂83〜95重量部、好ましく
は90〜95重量部、ウレタン樹脂17〜5重量部、好
ましくは10〜5重量部、着色料0.1〜10重量部、
好ましくは2〜6重量部である。ただし、アクリル酸エ
ステル系樹脂とウレタン樹脂との総重量は100重量部
となるように選択する。これらの固形分に対して水は9
0〜150重量部、好ましくは95〜120重量部とな
るように使用することが望ましい。
【0015】アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン1
00重量部に対してコロイド分散型水系ウレタン樹脂液
が7重量部未満の場合には、着色料の溶出の防止はでき
ず、また20重量部を越えると、コストが高くなり、し
かも被膜厚さが大となり、乾燥時間が長くなって、被膜
を脆弱にするなどのため、適切でない。
【0016】すなわち、アクリル酸エステル系樹脂とウ
レタン樹脂との固形分の総重量100重量部に対してウ
レタン樹脂(固形分)が5重量部未満の場合には、着色
料の溶出の防止はできず、また17重量部を越えると、
コストが高くなり、しかも被膜厚さが大となり、乾燥時
間が長くなって、被膜を脆弱にするなどのため、適切で
ない。
【0017】本発明の絵の具は、適宜の粘度のものを使
用することが可能であり、造形物の本体部に使用する絵
の具として使用する場合には、低粘度のものが好ましい
が、用途によっては高粘度のものを使用することができ
る。
【0018】かようにして、得られた絵の具をガラス
板、透明合成樹脂板等の離型性のある平滑な面を有する
透明な基板上に塗布してステンドグラス調造形物を作
る。このさい、基板の下に描きたい図案をおき、これに
したがって忠実に絵の具を塗布することができる。造形
物を乾燥すれば、容易に基板からはがせるので、下絵に
忠実なステンドグラス風のシールが得られる。このシー
ルは、柔らかいので、なめらかな面に貼ったり、張り替
えたりすることが自在にできる。このシールは平面のみ
ならず、図を描きにくい曲面を有するおもちゃなどの曲
面やガラス窓の高い場所、水気をふきとった浴室のガラ
ス窓やタイルなどに貼ることができ、これにより図を描
きにくい箇所にも所望の図を描くことができる。
【0019】本発明の絵の具は、厚さを例えば3ミリ内
で自在に調節できる凹凸状のシールを形成することがで
きるので、目の不自由な児童もこの凹凸のあるシールの
図を手触りで確認することができる。
【0020】
【作用】本発明の絵の具は、アクリル酸エステル系樹脂
水系エマルジョンに特定量のコロイド状ウレタン樹脂水
系分散液と着色料を混合してなるので、これをガラス
板、透明合成樹脂板等の透明板上に塗布することによ
り、美麗で、透明度も良好で、塗膜強度も大きいステン
ドグラス風造形物を得ることができ、しかも着色料がウ
レタン樹脂と良好な結合性を有するので、着色料が造形
物より離脱することがない。このため、造形物を幼児な
どが直接なめたり、手に付着し、これをなめたりして口
内に着色料が入ることを未然に防止することができ、衛
生上、安全であるばかりでなく、また衣服等を汚す恐れ
もなく、かつ造形物の美観を損なうこともなく、描かれ
た造形物を永く維持することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン〔高圧ガス工業
株式会社製のぺガール755,固形分46.5重量%,
粘度(B型粘度計,液温30℃,No.1ローター10rpm)
130cps ,PH8,最低造膜温度0℃〕を上皿電子天
秤(以下、すべての計量に使用した)で82.4g(固
形分38.3g)計量して300ccのビーカーに入れ
た。これに、造膜助剤(日本乳化剤株式会社製品ENー
250)を1g滴下して9.3mmφのガラス棒で、約5
分間ゆっくりと攪拌した。
【0023】一方、アニオンタイプコロイド分散水系ウ
レタン樹脂液〔旭電化工業株式会社製品アデカボンタイ
ターHUX232, 固形分30重量%, 粘度(B型粘度
計、液温25℃)20cps ,PH8〕を12g(アクリ
ル酸エステル系樹脂エマルジョン100重量部に対して
14.5重量部,固形分:3.6g)計量して100cc
のビーカーに入れ、これに防腐剤(ICI社製品プロク
セルGXL)0.2g、紫外線吸収剤(日本チバガイギ
ー株式会社製品チバテックスLFN〕0.4g、着色料
〔アルコール染料:ウッドステイン(赤色)和信化学工
業株式会社製〕4gをそれぞれ計量して添加し、9.3
mmφのガラス棒で、約1分間攪拌した。
【0024】次に、前記の造膜助剤混入済みのアクリル
酸エステル系樹脂エマルジョンの入った300ccのビー
カーに、防腐剤、紫外線吸収剤および着色料を混入済み
の水系ウレタン樹脂液を添加し、特殊機化工業株式会社
製の攪拌機(TK HOMODISPER)で約300
rpm にて20分間攪拌後、約1時間静置、脱泡して、1
00ccのポリエチレン容器に入れ、絵の具〔粘度(B型
粘度計, 液温20℃,No.1 ローター5rpm )100〜1
20cps 〕を製造した。
【0025】実施例2,3 表1における実施例2,3に示す配合量とする以外は実
施例1と同様にして絵の具を得た。なお、コロイド分散
水系ウレタン樹脂液の使用量は、アクリル酸エステル系
樹脂エマルジョン100重量部に対して、実施例2では
10.5重量部、実施例3では8.0重量部であった。
【0026】
【表1】
【0027】比較例1〜4 表2における比較例1〜4に示す配合量とする以外は実
施例1と同様にして絵の具を得た。なお、コロイド分散
水系ウレタン樹脂液の使用量は、アクリル酸エステル系
樹脂エマルジョン100重量部に対して、比較例1では
6.7重量部、比較例2では5.5重量部、比較例3で
は3.2重量部、比較例4では2.1重量部であった。
【0028】
【表2】
【0029】表1,表2に示したように、得られた絵の
具につき、造形物を形成し、24時間乾燥後の45℃温
水着色料溶出性、皮膜透明度、造膜状態について検査し
たところ、実施例1,2,3については、いずれも優れ
た効果を示したが、比較例1〜4については良い効果を
示さなかった。実施例1,2,3における絵の具は流動
性がよくて塗り易く、しかも乾燥後における塗膜の表面
は美麗で、透明度も良好であり、膜強度も大きく、衛生
的にも安全であった。
【0030】なお、45℃温水着色料溶出性の判断は、
45℃温水中に20分間浸漬して目視により温水の色変
化が認められるか否かで行い、色変化が認められた場合
は×、わずかに色変化が認められ場合は△、色変化が全
く認められなかった場合は○とした。
【0031】皮膜透明度は、絵の具を透明板上に塗布し
て形成された皮膜が透明の場合には○とし、僅かに白濁
した場合には△、白濁の場合には×とした。造膜状態
は、同様にして形成された造膜が亀裂したり、しわがあ
る場合には、×、僅かに亀裂、しわがある場合には△、
美麗な場合には○とした。
【0032】実施例4 アクリル酸エステルースチレン共重合体水系エマルジョ
ン〔昭和高分子株式会社製のポリゾールAP4710,
固形分50重量%,粘度(B型粘度計,液温30℃,N
o.1ローター2.5rpm)6000cps ,PH9,最低造
膜温度30℃〕を63g(固形分31.5g)計量して
300ccのビーカーに入れた。これに、造膜助剤(日本
乳化剤株式会社製品ENー250)を2g滴下して、
9.3mmφガラス棒で約5分間ゆっくりと攪拌した。
【0033】一方、タック調整剤(ブチルセロソルブ)
6g、水6gを計量して内径13mm、長さ150mmの試
験管に加え、よく振って混合した。
【0034】さらに、実施例1で用いたコロイド分散水
系ウレタン樹脂液(旭電化工業株式会社製品HUX23
2)を9g(固形分2.7g)計量して100ccのビー
カーに加え、これに水9g、実施例1で用いた防腐剤
0.2g、紫外線吸収剤0.2g、着色料(アルコール
染料)4.6gをそれぞれ計量して滴下し、9.3mmφ
のガラス棒で、約1分間攪拌した。
【0035】上記造膜助剤を混入処理済みのアクリルエ
マルジョンを入れたビーカーに前記のタック調整剤液を
滴下し、さらに9.3mmφのガラス棒で約3分間よく攪
拌した。
【0036】次に、造膜助剤とタック調整剤を混入済み
のアクリルエマルジョンの入ったビーカーに、防腐剤、
紫外線吸収剤、色素混入済みのコロイド分散水系ウレタ
ン樹脂を添加し、実施例1と同様にして攪拌して100
ccのポリエチレン容器に入れ、絵の具〔粘度(B型粘度
計、液温20℃、 No.2 ローター100rpm )52cps
〕を製造した。
【0037】得られた絵の具につき、実施例1と同様に
して造形物を形成し、24時間乾燥後の45℃温水色素
溶出性、皮膜透明度、造膜状態について検査したとこ
ろ、いずれも実施例1と同様の優れた効果を示した。
【0038】実施例5 着色料として超微粒子顔料〔ハイミクロンカラー(赤
色)御国色素株式会社製〕を使用する以外は実施例1と
同様にして絵の具〔粘度(B型粘度計、液温20℃、 N
o.1 ローター5rpm )120cps 〕を製造した。得られ
た絵の具につき、実施例1と同様にして造形物を形成
し、24時間乾燥後の45℃温水色素溶出性、皮膜透明
度、造膜状態について検査したところ、いずれも実施例
1と同様の優れた効果を示した。
【0039】溶出試験 実施例1および5で得られた絵の具をポリプロピレンシ
ート上に1cm×cmに塗布した。得られた造形物をそれぞ
れ湿度の低い(40℃、RH40%)ところに24時間
放置して十分乾燥した。造形物(0.04g)を剥がし
てプラスチックカップに入れ、45℃の温水10ccを加
え、15分後に上澄液を取り出し、常温に冷却してガラ
スセルに入れ、自記分光光度計(UV2200島津製作
所社製)を用いて吸光度を測定した。波長562nmにお
ける吸光度はそれぞれ0で、両方とも着色料は溶出して
いないことが吸光度測定からも確認することができた。
なお、比較例1の絵の具による造形物の場合には、波長
562nmにおける吸光度は0.012で、着色料が溶出
することが吸光度測定からも確認することができた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、 アクリル酸エステル
系樹脂エマルジョンにコロイド分散水系ウレタン樹脂液
と着色料を混入することにより、温水中に浸漬しても着
色料が溶出せず、衛生上安全であるのみならず、児童幼
児が衣服などを汚すことのないステンドグラス風の造形
物を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステル系樹脂エマルジョン
    100重量部、コロイド分散水系ウレタン樹脂液7〜2
    0重量部、着色料0.1〜10重量部とからなることを
    特徴とする絵の具。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002088310A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Sakura Color Prod Corp 水性絵の具組成物
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