JPH06172543A - 微粒子状塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

微粒子状塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH06172543A
JPH06172543A JP32395492A JP32395492A JPH06172543A JP H06172543 A JPH06172543 A JP H06172543A JP 32395492 A JP32395492 A JP 32395492A JP 32395492 A JP32395492 A JP 32395492A JP H06172543 A JPH06172543 A JP H06172543A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
particles
shear stress
solubility parameter
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Application number
JP32395492A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishimatsu
博史 石松
Toshio Kamisaka
外志夫 上坂
Manabu Okubo
学 大久保
Toru Kurita
亨 栗田
Hideki Inoue
秀樹 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水懸濁重合により重合された塩化ビニル樹脂
と、溶解度パラメーターが9.1〜10.5であり、融
点が130℃以下である化合物よりなる組成物に、0.
5×108 〜5.0×108 dyne/cm2 の剪断応力を105
〜130℃で0.5〜2分間加えることを特徴とする微
粒子状塩化ビニル樹脂の製造方法。 【効果】 水懸濁法により重合された塩化ビニル樹脂か
ら、殆どの粒子径が0.1〜2μmである微粒子状塩化
ビニル樹脂が得られる。そして、樹脂が破砕される過程
で粒子表面のスキン層も破断されて除去される。こうし
て得られた塩化ビニル樹脂は、安定剤、滑剤、充填剤等
添加剤と混合され易く、可塑剤の吸収性が良く、ゲル化
特性も良くなり、塩化ビニル樹脂の特性が十分に発揮さ
れる。また、乳化重合法によるものと違って不純物が少
ないので熱安定性や加工性が低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子径が0.1〜2μ
mの微細な微粒子状塩化ビニル樹脂の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂の製造は種々の方法があ
る。乳化剤を用いる乳化重合法によれば、粒子径が0.
1〜2μm程度の塩化ビニル樹脂を製造することができ
るが、製造コストが高く、製造された塩化ビニル樹脂は
不純物が多いため、熱安定性や加工性も悪く、加工後の
諸物性も悪いといった問題があった。
【0003】そのため、塩化ビニル樹脂は水懸濁重合法
により製造されることが多いが、この方法で重合された
塩化ビニル樹脂の粒子は、グレイン粒子と呼ばれる10
0〜200μm程度の比較的粒の大きい粒子径を有して
いる。また、粒子表面には、水懸濁重合時に用いられる
ポリビニルアルコール、セルロースなどの分散剤を主成
分とするスキン層で覆われている。
【0004】このため、塩化ビニル樹脂に通常添加され
る安定剤、滑剤、充填剤等が十分に混合されない、可塑
剤の吸収性が悪い、ゲル化特性が悪く塩化ビニル樹脂の
特性が十分に発揮されない等の問題を有している。
【0005】樹脂粒子を微細化するには機械的に粉砕す
る方法によることが多く、合成樹脂の粉砕方法としては
冷凍粉砕法が知られている(「便覧ゴム・プラスチック
加工機械」第405頁、ラバーダイジェスト社、197
6年)が、冷凍粉砕法では、塩化ビニル樹脂を0.1〜
2μm程度に迄細かく粉砕することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
に鑑み、乳化重合法によらずに、粒子径が0.1〜2μ
mと微細であって、スキン層がない微粒子状塩化ビニル
系樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で使用される塩化
ビニル樹脂は水懸濁重合法によって重合された塩化ビニ
ル樹脂であり、その平均重合度は500〜1500のも
のが好ましい。又、その粒子径は、小さくなったり、大
きくなりすぎると破壊しにくくなるので30〜200μ
mである。
【0008】本発明で使用される化合物は、溶解度パラ
メーターが9.1〜10.5であり、融点が130℃以
下のものである。溶解度パラメーター(σ)とは、例え
ば、POLYMER ENGINEERING AND
SIENCE,1974,Vol.14,NO2,P
147−154(ROBERT F.FEDORS)に
記載の如く、下記式によって求められる値である。 σ=(△Ev/V)1/2 式中、△Evは蒸発エネルギー、Vはモル体積を示す。
溶解度パラメーターはこの範囲をはずれると、塩化ビニ
ル樹脂粉末と化合物のぬれ性が低下するのでこの範囲に
限定される。
【0009】又、上記化合物の融点は、130℃を越え
ると破壊する際に、溶解しなくなり、塩化ビニル樹脂粉
末を剪断破壊しにくくなるので、130℃以下に限定さ
れる。好ましい化合物としては、例えばステアリン酸、
ラウリン酸、パルミチン酸、ベフェニルアルコール、ス
テアリルアルコール、ジオクチルフタレート等が挙げら
れる。化合物の添加量は少なくなると剪断破壊しにくく
なり、多くなると得られる成形品の物性が低下するの
で、塩化ビニル樹脂100重量部に対し0.1〜10重
量部であり、好ましくは0.3〜5.0重量部である。
【0010】本発明においては、上記塩化ビニル樹脂粉
末と化合物よりなる組成物が、下記条件で機械的に剪断
破壊される。 (a)樹脂温度が105〜130℃、(b)剪断応力(τ)が
0.5×108 〜5.0×108 dyne/cm2、(c)混練時
間(t)が0.5〜2分
【0011】樹脂温度(a)は、105℃より低い温度で
行うと、剪断による摩擦熱により発熱して、速やかに1
30℃より高くなり、グレイン粒子自体が柔らかくなっ
て剪断がかかりにくくなり破壊されにくくなるので10
5〜130℃に限定される。
【0012】剪断応力(τ)は、塩化ビニル樹脂粒子を
互いに異なる速度差を有するスリット間を通過させるこ
とにより機械的に与えられるものであり、その速度差を
v(cm2 /sec)、スリット両面間の距離をh(c
m)とすると、その剪断応力τ(dyne/cm2
は、次式により求められる。 τ=η×v/h 式中、ηは樹脂の粘性係数(poise)を示す。機械
的剪断を加える具体的手段としては、ロールによる混練
法、スクリューによる混練法、ミキサーによる混練法等
があげられる。
【0013】本発明において、塩化ビニル樹脂粒子にか
けられる剪断応力(τ)は、0.5×108 dyne/cm2
り小さくなると グレイン粒子を破壊しにくくなり、
5.0×108 dyne/cm2より大きな剪断応力が加えられ
ると、発熱し、樹脂が溶融して破壊しにくくなるので、
剪断応力は上記範囲に限定される。
【0014】本発明において、この剪断応力が加えられ
る混練時間(t)が0.5〜2分に限定されるのは、
0.5分未満では十分な破壊が行われないため0.1〜
2μmの微粒子のものが得られず、逆に2分を超えると
粉砕はそれ以上に進まず熱劣化するようになるからであ
る。
【0015】本発明においては、塩化ビニル樹脂粉末に
剪断応力を加えるにあたり、組成物に、必要に応じて、
ブチル錫マレート、オクチル錫マレート等の錫系安定
剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸亜鉛等の有機金属塩系安定剤、金属石ケン
系安定剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等の
有機エポキシ化合物系安定剤などの熱安定剤、ポリエチ
レンワックス、パラフインワックス等の脂肪族炭化水素
系滑剤、ステアリルアルコール等の高級脂肪族アルコー
ル系滑剤、ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸系滑
剤、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤等の
滑剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、アクリル系加工
助剤、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤等の難燃剤、炭
酸カルシウム、クレー、マイカ等の充填剤、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料などの、本発明で使用す
る化合物に該当しない添加物が添加されてもよい。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。なお、
部とあるのは重量部を意味する。
【0017】実施例1〜9、比較例1〜6 表1に示した所定量の、水懸濁法により重合された、平
均重合度1050、粒子径100〜150μmの塩化ビ
ニル樹脂、ステアリン酸(溶解度パラメーター9.1
5、融点71℃)、ジオクチルフタレート(溶解度パラ
メーター9.57、融点71℃)、パルミチン酸(溶解
度パラメーター9.18、融点62.7℃)、ラウリン
酸(溶解度パラメーター9.35、融点44℃)、ベフ
ェニルアルコール(溶解度パラメーター9.30、融点
65℃)、ステアリルアルコール(溶解度パラメーター
9.45、融点60℃)、エチレングリコール(溶解度
パラメーター17.8、融点−12.6℃)、ステアリ
ン酸エチレンビスアミド(溶解度パラメーター−9.6
0、融点140℃)、コレストロールステアレート(溶
解度パラメーター8.70、融点84℃)及び錫系安定
剤(三共有機社製、ONZ−142F)0.5部をヘン
シェルミキサーに供給し、混合して得られた組成物をラ
ボプラストミキサー(R−90、Haake社製)に供
給し、表1に示した条件で剪断破壊し、塩化ビニル樹脂
粉末を得た。得られた塩化ビニル樹脂粉末の粒子径0.
1〜2μmの粉末の比率を走査電子顕微鏡によって観察
し、結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明の構成は上述の通りであり、水懸
濁法により重合された、粒子径30〜200μmの塩化
ビニル樹脂粉末は、容易に、粒子径が0.1〜2μmの
微粒子状に粉砕され、粉砕過程で粒子表面のスキン層も
破断除去される。こうして得られた微粒子塩化ビニル樹
脂粉末は、スキン層がなく、0.1〜2μmの微粒子状
であり、また、乳化重合法によるものと違って不純物が
少なく、安定剤、滑剤、充填剤等の添加剤とよく混合さ
れ、可塑剤の吸収性及びゲル化特性も良くなり、熱安定
性や加工性が向上し、塩化ビニル樹脂の特性が十分に発
揮される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水懸濁重合により重合された、粒子径が
    30〜200μmの塩化ビニル樹脂100重量部と、溶
    解度パラメーターが9.1〜10.5であり、融点が1
    30℃以下である化合物0.1〜10重量部よりなる組
    成物を、(a)樹脂温度が105〜130℃、(b)剪断応力
    (τ)が0.5×108 〜5.0×108 dyne/cm2
    (c)混練時間(t)が0.5〜2分の条件で機械的に剪
    断破壊することを特徴とする微粒子状塩化ビニル樹脂の
    製造方法。
JP32395492A 1992-12-03 1992-12-03 微粒子状塩化ビニル樹脂の製造方法 Pending JPH06172543A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1050620C (zh) * 1995-03-06 2000-03-22 中国石油化工总公司 低聚合度聚氯乙烯的制备方法
JP2019073651A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 東ソー株式会社 ホットメルト接着剤樹脂組成物、ガラス又は有機ガラス用接着剤、及び積層体
CN113583524A (zh) * 2021-09-16 2021-11-02 金川集团股份有限公司 一种涂料级氯化聚氯乙烯树脂的制备方法

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