JPH0617173A - 電気メッキ用通電ロール - Google Patents

電気メッキ用通電ロール

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JPH0617173A
JPH0617173A JP17675192A JP17675192A JPH0617173A JP H0617173 A JPH0617173 A JP H0617173A JP 17675192 A JP17675192 A JP 17675192A JP 17675192 A JP17675192 A JP 17675192A JP H0617173 A JPH0617173 A JP H0617173A
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electroplating
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JP17675192A
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Inventor
Yoshio Hara
良雄 原
Masakatsu Nishida
正克 西田
Marechika Tanaka
希親 田中
Shuichi Sakashita
修一 坂下
Kazuo Akazawa
和夫 赤沢
Masahiko Kai
正彦 甲斐
Kikuo Sawai
菊雄 澤井
Masahiro Kato
昌宏 加藤
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Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用表面処理鋼板の表面処理を行う連続
電気メッキ装置の陰極である電気メッキ用通電ロールと
して、極めて遅い腐食溶解速度と、優れた不動態化皮膜
とを有するものを得ること。 【構成】 Ni-CrMoのマトリックスにNb及びCuを複合
添加することによりオーステナイト一相から成り立って
おり、電気メッキ溶液による腐食溶解速度を遅くし、ま
た、Alを添加することにより不動態化皮膜に強靭性を
与え、更に、選択元素として、Ca、Mg、特に、Re
を添加することにより、速やかに不動態化皮膜を強固に
生成する再生能を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用表面処理鋼板
の表面処理を行う連続電気メッキ装置の陰極である電気
メッキ用通電ロールに関するものである。近年、この種
の表面処理鋼板に対する要求が厳しくなって来ており、
サビ止め性能に優れていることは当然のこととして、プ
レス加工性や、溶接性が良く、しかも、価格が低廉であ
ると言う多様な要求が、なされているのが現状である。
このような多様な要求に答えるために、種々の多層合金
メッキ鋼板が開発されて来ている。
【0002】また、この種の多層合金メッキ鋼板の製造
原価を低下させるために、この鋼板を製造するために使
用される連続電気メッキ装置のメッキラインの速度が向
上されると共にこれに使用される電気メッキ用通電ロー
ルに対する電流密度、メッキ溶液の種類、その濃度など
のメッキ条件が、苛酷となることは、止むを得ないとこ
ろである。
【0003】既に、このような要求に答える電気メッキ
用通電ロールとして、種々の多層合金ロールが開発され
て来ているが、本出願人も、既に、このような苛酷な使
用条件に耐える電気メッキ用通電ロールとして、「電気
メッキ用通電ロール」(特願昭56−91904号)
(昭和55年7月5日特許出願)(特開昭57−198
50号公報)の発明を提案しており、このロールは、ロ
ールの基材としてNi−Mo−Cr系の耐食合金を使用
することを特徴とするものであるが、この提案を契機と
して、この基材であるNi−Mo−Cr系の耐食合金
が、種々提案されるようになって来ている。これらの耐
食合金は、電気メッキ用通電ロールとして、真に、優れ
た効果を発揮していることは、当業界において広く知ら
れているとこころであるが、この耐食合金においても、
特に、多層合金メッキ用通電ロールとして使用する場合
に、酸化性の強い条件下においては、時として、腐食に
よる損耗が、比較的多くなることが発見された。この結
果、ロール表面に生ずる欠陥を修正するために、ロール
表面を再研磨することが必要となり、このためにロール
の寿命が短くなる外、ロールの組み換えが増加し、メッ
キラインの生産性が低下し、これが、延いては、表面処
理鋼板の原単価を上昇する結果ともなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、既
に本出願人により提案されているものを改良し、従来の
亜鉛メッキ鋼板は無論のこと、多層合金メッキ鋼板の表
面処理を行う連続メッキ装置用としても好適である電気
メッキ用通電ロールを得ることを、その課題とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この課題を解
決するために、 〔1〕 重量%で C 0.05 以下 Si 1.0 以下 Mn 1.0 以下 Cr 22.0 以上 30.0 以下 Mo 12.0 以上 20.0 以下 Nb及びTa 2.0 以下 Cu 2.0 以下 を含み、残部 Ni及び不可避的不純物から成ることを
特徴とする電気メッキ用通電ロール 〔2〕 追加して、重量%で Ti 0.2 未満 Al 0.2 未満 Re(希土類元素のミッシュメタル、Ce、Laなど) 0.1 以下 Ca 0.05 以下 Mg 0.05 以下 Zr 1.0 以下 V 1.0 以下 W 3.0 以下 Fe 3.0 以下 の一種又は二種以上を含んでいることを特徴とする電気
メッキ用通電ロールを提案するものである。
【0006】このように、本発明においては、ロールの
基材として、Ni−Mo−Cr系の耐食合金を採用し、
そのマトリックスに、Nb及びCuを添加して構成され
たことを特徴とするものである。このように、Ni−M
o−Cr系の基材に、NbとCuとを複合して添加する
ことにより、腐食溶解速度を遅くし、不動態化皮膜に優
れた保護作用を与えることが出来るものである。更に、
本発明においては、この基本構成を有するロール材に、
追加して、Al、Tiを添加し、これに選択元素とし
て、Crの多いものには、Zr、Re(希土類元素のミ
ッシュメタル、Ce、Laなど)を添加する外、同様
に、溶体化処理(1,180℃×4hの水冷)の効果を
最大とし、オーステナイト(γ)一相の組織とするもの
である。
【0007】また、Al、Tiは、不動態化皮膜に優れ
た保護作用を与え、特に、Reは、不動態化皮膜を速や
かに且つ強固に生成する再生能を発揮するものである。
【0008】以上のように、本発明の特徴は、Crの含
有量を26.0±4.0重量%とし、これにNbとCu
とを複合添加することにより耐食性を与え、原子間元素
であるO,Nを低減させることにより、微細な且つ均一
なオーステナイト一相の組織を得ることを容易とし、更
に、Reの添加により、不動態化皮膜に迅速な再生性能
を持たせたことにあるものである。
【0009】また、本発明による電気メッキ用通電ロー
ルの製造に当たっては、その円筒状のロール素材は、配
合元素を不活性ガス・脱ガス・真空環境の下において溶
解し、あるいは、エレクトロスラグ溶解法(ESR溶解
法)により溶解し、これを鋳造し、又は、遠心鋳造した
後、鍛造による伸鍛、あるいは、ガス噴射法(ガスアト
マイズ法)により粉状とし、これを高温ガス圧成形法
(HIP)などによることが出来るものである。
【0010】連続メッキ装置においては、添付図面の図
1に示すように、通電ロールの表層には、その表層と、
被メッキ鋼帯(ストリップ)とが、ある圧力により押し
付けられることにより電流が流れる活性域と、被メッキ
鋼帯との接触の無い不活性域とが連続的に交互に現れる
こととなる。この場合、活性域においては、この表面の
不動態化皮膜を通して電流が流れ、あるいは、その一部
を通電腐食することにより電気が流れ、あるいは、擦過
摩耗により破壊することにより電流が流れるが、これら
の破壊部分は、通電ロールが不活性域に到達した時に、
不動態化皮膜再生能により、不動態化皮膜を再生する。
このような過程が、ロールの回転と共に繰り返し行われ
るものである。
【0011】本発明によると、たとえ、通板中に、ロー
ル表面の不動態化皮膜が破壊され、あるいは、剥離する
ことがあっても、不活性域において、NbとCuとの複
合添加の効果により、腐食速度が遅く、また、Crの2
6.0±4.5重量%の含有並びにNb及びCuの複合
添加による不動態化皮膜により、優れた保護作用が与え
られる。更に、Reの添加により、速やかに不動態化皮
膜を強固に生成する再生能を発揮するものである。この
ように、本発明による電気メッキ用通電ロールは、従来
考えられていなかった新規な構想による構成を有してい
るものである。
【0012】次ぎに、本発明によるロールを構成する主
要構成元素について、その選択理由及び含有量の限定理
由を説明する。 C: Cは、出来る限り少量が含有されることが、望ま
しい。その含有により、炭化物が析出し、耐食性の劣化
があるので、0.05重量%以下に限定する。 Si: Siは、金属間化合物の析出を促す働きがある
ので、可能な限り少ない方が良い。しかしながら、製造
方法によっては、脱酸、湯流れを良好にする必要があ
る。従って、1.0重量%以下に限定する。 Mn: Mnは、脱酸及び脱硫の効果がある。製造方法
によっては、必要である。従って、1.0重量%以下に
限定する。 Ni: Niは、基本成分として、マトリックスをオー
ステナイト組織として安定化し、更に、Niそのもの
は、金属のイオン化傾向から貴であるので、腐食溶解速
度は遅く、しかも、不動態化皮膜は緻密であるので、保
護作用が大きく、優れた不動態化能を持たせるものであ
る。 Co、Fe: 不純分として含まれるものは、いずれも
含まれない方が良い。しかしながら、不純分として最小
限に止めることが必要である。いずれも不動態化皮膜を
剥離し易くする。 Mo: Moは、腐食溶解速度を遅くして、不動態化能
を増し、耐食性を改善する。Moを増量すると、金属間
化合物б相あるいはρ相を析出する可能性が出て来、減
量すると耐食性の劣化があるので、12.0重量%以上
20.0重量%以下に限定する。 W: Wは、腐食溶解速度を遅くして不動態化能を増
し、耐食性を改善する。しかしながら、3重量%以上で
あると、金属間化合物ρ相を析出する可能性がある。そ
こで、3.0重量%以下に限定する。
【0013】Cr: Crは、著しい不動態化能を有し
ている。酸化性の強い溶液では、22重量%以上の含有
により、安定した効果が現れる。また、Nb、Cuとの
共存で、不動態化皮膜を一層強靭にする。更に、完全に
固溶する限度以下のAl、Tiの添加により、一層強化
され、これにRe(希土類元素のミッシュメタル、C
e、Laなど)を添加することにより、著しい不動態皮
膜の再生能を有するようになる。しかし、30重量%以
上の含有では、この効果が飽和し、金属間化合物б相あ
るいはρ相の析出の恐れが出るので、Crの含有量は2
2.0重量%以上30.0重量%以下に限定する。 Nb(Ta): Cr、Ti、Cuと共存することによ
りマトリックスの中に固溶し、腐食速度を著しく遅くす
ると共に不動態化皮膜を強靭にする外、Cを固定する効
果もある。しかし、2.0重量%以上ではもろくなり、
逆に腐食速度が増すので、2.0重量%以下に限定す
る。 Cu: Cr、Nbと共存することにより、マトリック
スの中に固溶し、腐食溶解速度を著しく遅くすると共に
不動態化皮膜を強靭にする。しかしながら、2重量%を
越えると、これらの効果は飽和する一方、メッキ溶液に
悪影響を与える。そこで、Cuの含有量は、2重量%以
下に限定する。
【0014】Al、Ti: Al、Tiは、脱酸及び脱
窒の効果がある外、原子間化合物であるO,Nを除くこ
とにより、溶体化処理における拡散が容易となる。ま
た、不動態化皮膜の強靭化の一役を担っている。しかし
ながら、0.2重量%を越えると、介在物の増加及び不
動態化皮膜の電気抵抗を増加し、ロール表面にメッキ皮
膜を作り、作業能率の低下を来す。そこで、これらの元
素の含有量は、0.2重量%未満に限定する。 Re(希土類元素のミッシュメタル、Ce、Laな
ど): Reは、脱酸、脱硫に著しい効果がある。原子
間元素であるOを除くことにより、溶体化処理による拡
散を容易にすると共にSを除くことにより、靭性の向上
がある。また、殊に、著しい酸化性を有しているので、
不動態化皮膜に再生能を与えることが出来る。しかしな
がら、その含有量が0.1重量%を越えると、ぜい化す
る。Ceの場合には、Ni5Ce相を析出する。そこ
で、この元素は、0.1重量%以下に限定する。
【0015】Ca、Mg: これらの元素は、脱酸及び
脱硫に著しい効果がある。原子間元素であるOを除くこ
とにより、溶体化処理における拡散を容易にすると共に
Sを除くことにより靭性の向上がある。しかしながら、
0.05重量%を越えると、ぜい化するので、これらの
元素の含有量は、0.05重量%以下に限定する。 Zr: 脱窒の効果がある。すなわち、Nを固着するこ
とにより、ぜい化の防止に役立つ。しかしながら、その
効果は、0.1重量%を越えると低下するので、その含
有量は、0.1重量%以下に限定する。 V: 結晶粒を微細化するが、その添加は、1.0重量
%以下の添加で十分であるので、その含有量は1.0重
量%以下と限定する。
【0016】
【実施例】次に、本発明による電気メッキ用通電ロール
の実施例と、これを従来のロール材と比較するために行
われた実験結果とを説明する。本実験の供試材は、真空
高周波溶解炉により溶解し、次いで、遠心鋳造法により
ロールスリーブを作成し、これを1,180℃×4hの
水冷による溶体化処理を施し、これをロール状に切削
し、試験ロールとした。
【0017】このようにして作成された試験ロールを、
図2に略図により示すような試験装置により試験を行っ
た。この試験装置は、図2に示すように、容器1の中に
PH≒1.0の 30%ZnSO4+3%H2SO4+0.5%Fe の溶液Fを収容し、この溶液の中に試験ロール2を水平
に回転自在に浸漬し、下部に押さえロール7を、圧力2
0kg/cmにより密着させた。また、容器1の外部に
は、ブレーキロール3と、駆動ロール4とを配置し、更
に、容器1の内部には、試験ロール2の斜め下方に、そ
の軸心に平行に且つその表面から間隔を置いて陽極5を
配置することにより、構成されている。このような試験
装置により、試験ロール2の試験を実施する際には、被
メッキ帯鋼である軟鋼ストリップ6を、ロール3→ロー
ル2→ロール4の順に、それらの表面を矢印Xの方向に
通し、この場合、ストリップ6には一定の張力を加え、
陽極5から試験ロール2に溶液Fを経て50A/dm2
の電流密度で電流が流れるようにして行い、試験ロール
2の耐食・耐摩耗性の測定を行った。なお、耐食・耐摩
耗性試験は、5日間通電使用の後の試験ロール2の腐食
摩耗量を、試験ロール2の半径の減耗量として、最大減
耗深さ、最小減耗深さ、平均減耗深さにより測定した。
【0018】すなわち、最大減耗深さは、試験ロール2
の表面の軟鋼ストリップ6の耳部の通板部の位置におい
て、また、最小摩耗深さは、軟軟鋼ストリップ6の幅方
向の中央部の通板部において、それぞれ、測定した。更
に、平均減耗深さは、試験ロール2の全長に渡って減耗
深さを測定し、その平均値を採った。更に、この測定値
は、従来品の最大摩耗深さを1.0とし、これに対する
割合により現し、また、寿命比として、従来品の最大減
耗量を1.00として各供試試験ロール2の最大減耗量
の割合から、それぞれの寿命比を求めた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】試験結果が、表1及び表2に示されている
が、表1には、供試験材の化学成分が示されており、本
発明ロールは、I−1〜I−15に示すように、Crを
22.0重量%以上30.0重量%以下まで増量するに
従って、Moを20.0重量%以下12.0重量%以上
まで減量させて変化させた。更に、Ca、Mg、ZR、
Vを単独、あるいは、複合添加したものを示す。また、
従来品と、比較ロール用合金C−1〜C−6との化学成
分も、示されている。
【0022】次に、表2には、従来品、本発明ロール用
合金及び比較ロール用合金の通電電気耐食・耐摩性及び
機械的性質が示されている。この表2から明らかである
とおり、寿命比については、本発明ロール用合金は、従
来品の1.000に対して、1.230〜1.458と
なっており、20%強〜50%弱の増となっている。特
に、I−6,I−7,I−8が優れている。機械的性質
は、いずれも十分な引張り強さ及び伸びを示しており、
製造中における割れの心配も無く、極めて容易に製造す
ることが出来ることが、判断されるところである。
【0023】Zrについては、特にCrの高いものであ
るI−11及びI−12に添加してある。Nの含有量を
他に比較して低くして、充分な伸びを確保することが出
来ることを示している。このことは、Zrの有効である
ことを現すものである。Vについては、I−8に添加し
ているが、あらゆる点において優れていることは、確か
なところである。Feについては、I−2,I−5に意
識的に添加してあるが、顕著な劣化は現れないが、有効
性は認められる。Al、Ti、Ca、Mgについては、
I−1、I−3、I−5、I−6、I−7、I−8、I
−9、I−11に添加した。これらを添加していないも
のに比較し、Oの含有量が低いことが分かり、このこと
から、これらの元素が脱酸に効果があり、溶体化処理に
よる拡散を容易とすることにより、潜在的な効果の得ら
れることは、期待することが出来るところである。
【0024】比較ロール用合金については、C−1は、
Crを本発明における上限値以上に添加したものである
が、耐食性に劣化が認められる。また、C−2は、Cr
が本発明における下限値を下回ったものであるが、不動
態化皮膜が弱く、耐食性に劣るものである。C−3は、
Moを本発明の上限値を越えているものであるが、多少
ρ相の析出が認められ、耐食性に劣るものとなってい
る。C−4は、Moを本発明における下限を下回ったも
のであるが、腐食溶解速度が速く、耐食性に劣るもので
ある。C−5は、Nbを本発明における上限を越えるも
のであるが、Ni3Tiを析出し、ぜい化している。C
−6は、Cuを添加しないものであるが、Crが高く、
金属間化合物が析出していないのにも拘わらず、不動態
化皮膜も弱く、耐食性に劣る劣るものである。
【0025】
【発明の効果】以上に説明をしたように、本発明による
電気メッキ用通電ロールは、Ni−Cr−Moのマトリ
ックスに、Nb及びCuを複合添加することにより、腐
食速度を極めて遅くすると共に優れた不動態化皮膜を得
ることが出来るものである。また、脱酸及び脱窒を行
い、拡散を容易にし、均一で微細なオーステナイト(γ
相)一相の組織とし、また、Re(希土類元素のミッシ
ュメタル、Ce、Laなど)の添加により、不動態化皮
膜の再生能を持たせたものである。このように、本発明
による電気メッキ用通電ロールは、従来の亜鉛メッキ鋼
板は無論のこと、Zn系合金メッキ鋼板と多層合金メッ
キ鋼板の表面処理を行う連続メッキ装置用通電ロールと
して開発されたものであり、PH 0.6〜2.0、電
流密度40A/dm2以上の条件の下で、高速に通板さ
せる電気メッキラインに組み込むことに適している電気
メッキ用通電ロールを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロールを装備された連続メッキ装
置を、通板中の被メッキストリップと共に示す略図であ
る。
【図2】本発明によるロールを試験するための試験装置
を示す略図である。
【符号の説明】
1 容器 2 試験ロール 3 ブレーキロール 4 駆動ロール 5 陽極 6 軟鋼ストリップ 7 押えロール F 溶液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】すなわち、最大減耗深さは、試験ロール2
の表面の軟鋼ストリップ6の耳部の通板部の位置におい
て、また、最小摩耗深さは、軟鋼ストリップ6の幅方向
の中央部の通板部において、それぞれ、測定した。更
に、平均減耗深さは、試験ロール2の全長に渡って減耗
深さを測定し、その平均値を採った。更に、この測定値
は、従来品の最大摩耗深さを1.0とし、これに対する
割合により現し、また、寿命比として、従来品の最大減
耗量を1.00として各供試試験ロール2の最大減耗量
の割合から、それぞれの寿命比を求めた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】試験結果が、表1及び表2に示されている
が、表1には、供試験材の化学成分が示されており、本
発明ロールは、I−1〜I−12に示すように、Crを
22.0重量%以上30.0重量%以下まで増量するに
従って、Moを20.0重量%以下12.0重量%以上
まで減量させて変化させた。更に、Al,Ti,Ce,
Ca、Mg、ZR、Vを単独、あるいは、複合添加した
ものを示す。また、従来品と、比較ロール用合金C−1
〜C−6との化学成分も、示されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】Zrについては、特にCrの高いものであ
るI−11及びI−12に添加してある。Nの含有量を
他に比較して低くして、充分な伸びを確保することが出
来ることを示している。このことは、Zrの有効である
ことを現すものである。Vについては、I−8に添加し
ているが、あらゆる点において優れていることは、確か
なところである。Feについては、I−2,I−5に意
識的に添加してあるが、顕著な劣化は現れないが、有効
性は認められる。Al、Ti、Ce,Ca、Mgについ
ては、I−1、I−3、I−5、I−6、I−7、I−
8、I−9、I−11に添加した。これらを添加してい
ないものに比較し、Oの含有量が低いことが分かり、こ
のことから、これらの元素が脱酸に効果があり、溶体化
処理による拡散を容易とすることにより、潜在的な効果
の得られることは、期待することが出来るところであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 希親 栃木県宇都宮市平出工業団地1番地 三菱 製鋼株式会社宇都宮製作所内 (72)発明者 坂下 修一 栃木県宇都宮市平出工業団地1番地 三菱 製鋼株式会社宇都宮製作所内 (72)発明者 赤沢 和夫 東京都江東区東雲一丁目9番31号 三菱製 鋼株式会社技術開発センター内 (72)発明者 甲斐 正彦 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 澤井 菊雄 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 加藤 昌宏 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C 0.05 以下 Si 1.0 以下 Mn 1.0 以下 Cr 22.0 以上 30.0 以下 Mo 12.0 以上 20.0 以下 Nb及びTa 2.0 以下 Cu 2.0 以下 を含み、残部Ni及び不可避的不純物から成ることを特
    徴とする電気メッキ用通電ロール。
  2. 【請求項2】 追加して、重量%で Ti 0.2 未満 Al 0.2 未満 Re(希土類元素のミッシュメタル、Ce、Laなど) 0.1 以下 Ca 0.05 以下 Mg 0.05 以下 Zr 1.0 以下 V 1.0 以下 W 3.0 以下 Fe 3.0 以下 の一種又は二種以上を含んでいる請求項1の電気メッキ
    用通電ロール。
JP17675192A 1992-07-03 1992-07-03 電気メッキ用通電ロール Pending JPH0617173A (ja)

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EP0693565A3 (en) * 1994-07-22 1996-10-16 Haynes Int Inc Ni-Cr-Mo alloys containing copper
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