JPH061680A - プライマー用水性液 - Google Patents
プライマー用水性液Info
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- JPH061680A JPH061680A JP4159374A JP15937492A JPH061680A JP H061680 A JPH061680 A JP H061680A JP 4159374 A JP4159374 A JP 4159374A JP 15937492 A JP15937492 A JP 15937492A JP H061680 A JPH061680 A JP H061680A
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Abstract
で低粘度の樹脂液にすることにより、溶剤系プライマー
と同等の基材浸透性、基材補強性、耐水性、耐久性を有
するプライマー用水性液を提供する。 【構成】 水性媒体中に、下記の(A),(B)および
(C)成分を主原料とする共重合体が含有され、上記
(A)成分から誘導される構造単位、上記(B)成分か
ら誘導される構造単位および上記(C)成分から誘導さ
れる構造単位がそれぞれ所定割合を示すよう設定されて
いる。 〔R:−H,−CH3,−C2H5または−C3H7 −COO−(CH2)m (m=0〜3の整数である。) X:−OCH3,−CO2H5または−OC2H4OC
H3 Y:有機または無機の一価アニオン n:1〜3の整数〕 (C)エチレン性不飽和単量体。
Description
ル等の多孔質アルカリ性無機質基材の表面改質に用いら
れるプライマー用水性液に関するものである。
のセメント系の無機建材は、表面層が脆弱なため、その
補強、ならびに表面仕上げ用の塗装等に対する接着力,
密着力の向上を目的として、その表面にプライマー液を
塗布することが行われている。このようなプライマー液
としては、従来から、合成樹脂を有機溶剤に溶解した溶
剤型のプライマー液が使用されている。しかし、上記溶
剤型のプライマー液は、溶剤が揮発性であるため、引火
しやすく、また吸入によって人体に悪影響を及ぼす等、
安全面,衛生面で問題が多い。そこで、本出願人は、有
機溶剤を用いず、水を媒体とするプライマー用水性液を
開発し、すでに出願している(特願昭62−80694
号)。また、この改良品として、官能基としてジメチル
アミノアルキルアクリルアミドもしくはジメチルアミノ
アルキルメタクリルアミドのエピクロルヒドリン付加物
とアルコキシシラン成分を共重合させてなる一液型のプ
ライマー用水溶液を開発し、基材のアルカリ度に関係な
く架橋して基材表面層の補強効果に優れた水性樹脂とな
るものをすでに出願している。
ライマー用水性液は、酸環境下とアルカリ環境下で架橋
反応を行って優れた耐水性皮膜を形成するものである
が、樹脂濃度を上げると粘度が高くなって、放置安定性
が悪くなる。また、液の粘度の上昇により、無機建材へ
の浸透性が悪くなり、基材補強性と耐水性が低下してし
まうという欠点を有している。このため、上記のような
欠点の改良が望まれている。
もので、架橋反応を低下させることなく、高濃度でかつ
低粘度の樹脂液にすることにより、基材浸透性、基材補
強性、耐水性に優れたプライマー用水性液の提供をその
目的とする。
め、本発明は、水性媒体中に、下記の(A),(B)お
よび(C)成分を主原料とする共重合体が含有され、上
記(A)成分から誘導される構造単位が共重合体の5重
量%以上、上記(B)成分から誘導される構造単位が共
重合体の0.5重量%以上、上記(C)成分から誘導さ
れる構造単位が共重合体の94.5重量%以下を占める
ように設定されているプライマー用水性液を第1の要旨
とする。
オン性単量体。
コキシシラン単量体。
単量体を重合させてなる重合体が分散含有されているプ
ライマー用水性液を第2の要旨とする。
の樹脂液にすることで、基材(無機建材)の種類にかか
わらず耐用性ある強固な皮膜を形成し、しかも耐水性に
極めて優れたプライマー用水性液を見いだすべく、水溶
性樹脂、なかでもアクリル系樹脂を中心に一連の研究を
行った。その結果、前記一般式(1),(2)で表され
る特殊な単量体(A成分,B成分)とエチレン性不飽和
単量体(C成分)を特定の割合で共重合させると、得ら
れる鎖状重合体は水に対して良好な溶解性を示し、しか
もその水溶液が基材の表面層に良好に浸透し、基材表面
を高強度に補強すると同時に、優れた耐水性および耐ア
ルカリ性を有する皮膜を形成することを見出した。ま
た、前記一般式(1)で表されるカチオン性単量体を用
い共重合することにより、従来に比べて架橋反応速度を
低下させることなく、高濃度でかつ低粘度の樹脂液とす
ることが可能となり、高濃度の塗布条件でも無機建材へ
の浸透性が良好で、充分な基材補強性,耐水性を付与す
ることができることも本発明者らは見出した。
独で乳化重合等によって重合させ、これを(A)+
(B)+(C)の共重合体含有液と混合させるようにし
ても、同様の効果が得られることがわかった。
ある。しかし、共重合させるカチオン性単量体の溶解性
を高めたり、あるいは基材に対する浸透性を高めたりす
ることを目的として、水に易溶性の有機溶剤を併用して
も差し支えない。また、水に易溶性の有機溶剤のみを用
いてもよい。このような有機溶剤としては、イソプロピ
ルアルコール,メタノール,エタノール,プロパノー
ル,アセトン,メチルエチルケトン,ジオキサン,エチ
レングリコール,プロピレングリコール,グリセリン,
メチルカルビトール,エチルカルビトール,ブチルカル
ビトール,メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,酢
酸,前記アルコールの酢酸エステル類,前記カルビトー
ルの酢酸エステル類および上記セロソルブの酢酸エステ
ル類等があげられる。このような有機溶剤を併用する場
合には、得られるプライマー用水性液の安全性の観点か
ら、媒体全体の50重量%(以下「%」と略す)以下の
範囲で使用することが好ましく、特に20%以下の範囲
で使用することが好ましい。なお、上記有機溶剤を使用
した場合には、重合反応終了後に、蒸留等によってこれ
を回収するようにしてもよい。
ン性単量体(A成分)としては、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミドの塩化メチル塩,ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミドの酢酸塩,ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルアミドの硫酸塩,ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミドの硝酸塩,ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミドの蟻酸塩,ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミドのプロピオン酸塩,ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルアミドの塩化エチル塩,ジメチルアミノ
プロピルメタクリルアミドの臭化メチル塩,ジメチルア
ミノプロピルメタクリルアミドの臭化エチル塩,ジメチ
ルアミノプロピルメタクリルアミドのヨウ化メチル塩,
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのヨウ化エチ
ル塩,ジメチルアミノプロピルジメタクリルアミドの硫
酸メチル塩,ジメチルアミノプロピルジメタクリルアミ
ドの硫酸エチル塩,ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミドの硫酸ジメチル塩,ジメチルアミノプロピルメタ
クリルアミドの硫酸ジエチル塩,ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミドの塩酸塩,ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミドの臭化水素酸塩,ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルアミドのヨウ化水素酸塩等があげられ
る。
体(A成分+B成分+C成分)に対し5%以上の割合で
配合させることが必要である。すなわち、カチオン性単
量体が5%未満では、得られる皮膜の強度および上塗り
塗料,接着剤との密着性が不充分となるからである。
キシシラン単量体(B成分)としては、3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリメトキシ
シラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキ
シエトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン,ビニルテトラメチレントリメトキシシラ
ン,ビニルオクタメチレントリメトキシシラン,アリル
トリメトキシシラン,アリルトリエトキシシラン等があ
げられる。上記アルコキシシラン単量体は、全単量体
(A成分+B成分+C成分)に対し0.5%以上の割合
で配合することが必要である。すなわち、アルコキシシ
ラン単量体が0.5%未満では、上記カチオン性アルカ
リ架橋型単量体の場合と同様、得られる皮膜の耐水性,
強度および上塗り塗料,接着剤との密着性,接着性が不
充分となるからである。
ることのできるエチレン性不飽和単量体(C成分)とし
ては、酢酸ビニル,アクリル酸アルキルエステル,メタ
クリル酸アルキルエステル類,スチレン,アクリロニト
リル,メタクリロニトリル等の疎水性単量体があげられ
る。これらは単独で用いても2種以上を併用するように
してもよい。なお、上記エチレン性不飽和単量体によっ
て重合体を作製する場合には、上記疎水性単量体ととも
に、アクリル酸,メタクリル酸,アクリル酸またはメタ
クリル酸のアミド類,メチロール化アミド類,アルコキ
シメチル化アミド類,アルキルアミノエステル類,モノ
クロル酢酸ビニル,メチルメタクリレート,ブチルアク
リレート,2−エチルヘキシルアクリレート等の親水性
単量体が併用される。これらも、単独で用いても2種以
上を併用してもよい。上記親水性単量体は、いうまでも
なく、生成重合体が水性媒体に可溶性とならないような
範囲内で使用される。上記エチレン性不飽和単量体
を、前記(A)成分と(B)成分とともに共重合させる
と、基材表面と、上塗り塗料,接着剤等との接着性,密
着性が一層向上する。また、(A)+(B)+上記エ
チレン性不飽和単量体の共重合体を含有する媒体に、上
記エチレン性不飽和単量体からつくった重合体(エマル
ジョン)を混合するようにしても、同様の効果がある。
ただし、両者を均一に混合することは容易でないため、
なるべく三者を共重合させる方が好ましい。そして、上
記の場合、上記エチレン性不飽和単量体は、全単量体
(A成分+B成分+C成分)に対し94.5%以上の割
合で配合することが必要である。また、の場合、エチ
レン性不飽和単量体からつくった重合体(エマルジョ
ン)(X)は、上記A成分+B成分+C成分の共重合体
を含有する媒体に対して(Y)、X/Y=0/100〜
90/10の割合で配合することが好ましい。
体および各単量体を用い、例えばつぎのようにして製造
することができる。すなわち、まず重合媒体である水も
しくは有機溶剤あるいは水と有機溶剤の混合物中に、重
合開始剤を添加し、酸によって系を酸性に維持しなが
ら、前記カチオン性単量体,アルコキシシラン単量体お
よびエチレン性不飽和単量体を60〜90℃で1〜5時
間かけて滴下して重合させる。なお、必要であれば、予
め、分子量調節を目的としてラウリルメルカプタン,2
−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を添加する。ま
た、重合後に、必要に応じて、各種の添加剤、例えばブ
チルセロソルブ,ブチルカルビトール,アセテート等の
造膜助剤,消泡剤,顔料,増粘防止剤等を添加すること
ができる。このようにして、目的とするプライマー用水
性液を得ることができる。
化重合する場合には、公知の乳化重合の方法に従えばよ
い。そして、得られたエマルジョンを、上記共重合体
(A+B+エチレン性不飽和単量体からなる共重合体)
含有媒体に混合することにより、目的とするプライマー
用水性液を得ることができる。
を阻害しないようなものを選択使用することが必要であ
る。そして、上記重合開始剤としては、アゾビスイソブ
チロニトリル、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビス
アミノジプロパン塩酸塩,過硫酸アンモン等があげられ
る。さらに、上記媒体を酸性に維持するのは、重合中に
系がゲル化することを防止するために重要で、pH調整
用の酸としては、ギ酸,酢酸,シュウ酸等の有機酸や、
塩酸,硫酸,硝酸等の無機酸があげられる。
マー用水性液は、コンクリート,モルタル,スレート
板,ケイカル板,ALC板等の無機基材表面にプライマ
ーとして塗布される。この塗布液は、媒体の浸透ととも
に速やかに基材の表面層に浸透し、乾燥過程において、
アルカリおよび水分によって活性化された官能基が架橋
して、耐水性,耐アルカリ性に優れた三次元網状構造の
強固な皮膜となる。その結果、溶剤系プライマーを用い
たと同様の、堅牢で耐久性のある補強が基材になされる
ようになる。しかも、本発明のプライマー用水性液は、
親水性の媒体を用いているため、有毒な溶剤が揮発する
ようなことがなく、安全性、公害防止の点で優れてお
り、実用性が極めて高い。さらに、本発明のプライマー
用水性液は、構成成分の一部がカチオンになっているた
め、そのカチオン性に起因して、プライマー塗布層の上
にさらに塗布される上塗り塗料や接着剤等に対しての親
和性,密着性が高く、表面仕上げ層を強固に基材に一体
化させることができる。
明する。
還流冷却器を取り付けた四つ口フラスコに、イソプロピ
ルアルコールを86重量部(以下「部」と略す)投入
し、これに重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリ
ル0.9部と、連鎖移動剤であるラウリルメルカプタン
1.0部と、PH調整剤である酢酸1.0部とを添加し
た。そして、滴下ロート中に、下記の表1〜表3に示す
組成からなる単量体原料を投入し、撹拌下、イソプロピ
ルアルコールの還流温度で4時間かけて滴下することに
より重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリ
ル0.1部を添加して2時間完結反応を行った。これ
に、水240部を投入して、樹脂を均一に溶解した後、
65℃、減圧下でイソプロピルアルコールを回収した。
このようにして得られた重合体含有液は、いずれも均一
な溶液で、重合体濃度は30%、粘度は50〜100c
ps(BM型粘度計、30℃)、pH=3.5〜4.0
であつた。
石綿セメントケイ酸カルシウム板(pH=9とpH=
7、ともに比重0.7)に、15%conc.で100
g/m 2 の割合で塗布し、室温下で7日間放置して乾燥
させた。その後、4mm×4mmの碁盤目状に区画分け
して25個の微小区画をつくった。そして、その表面に
粘着テープ(ニチバンセロハンテープ、幅24mm)を圧
着したのち剥離して、基材側に残留した微小区画の数
(残留区画数)を数えた。これによってプライマー層と
上塗り塗料との密着性を評価した。また、乾燥後、塗装
面に区画分けを施す前に、試料を60℃の温水中に7日
間浸浸したのち、上記と同様にして耐温水密着性を評価
した。上記密着性試験の結果、残存区画数が23個以上
のものを◎、20〜22個のものを○、10〜19個の
ものを△、9個以下のものを×とした。そして、これら
の結果を下記の表4〜表7に示す。
レート板に15%conc.で100g/m2 の割合で
塗布し、室温下で7日間放置して乾燥させた。その後、
JISA−6910に準拠して防水性試験を実施した。
そして、1日後の透水量が1cc以下のものを◎、3c
c以下ものを○、5cc以下のものを△、5cc以上の
ものを×とした。これらの結果を下記の表4〜表7に併
せて示した。
いずれも比較例品に比べて優れた性能を有していること
がわかる。
体(エマルジョンA)を作製し、上記実施例2品と、後
記の表8に示す組成で混合することにより、プライマー
用水性液を得た。 <エマルジョンAの組成> ブチルアクリレート 50 部 メチルメタアクリレート 48 〃 ジメチルジアリルアンモニウムクロライド 2 〃 エマルゲン935(花王社製) 4 〃 水 156 〃 過硫酸アンモニウム 0.3〃
マー用水性液について、実施例1と同様にしてその特性
(常態と温水の密着性試験,防水性試験)を評価した。
その結果を下記の表8に併せて示す。
ルジョンを別途作製し、前記実施例品と混和させるよう
にしても、良好なプライマーが得られることがわかる。
性液は、2種類の特殊な単量体(A成分およびB成分)
とエチレン不飽和単量体(C成分)を特定の割合で配合
してなる共重合体を含有しており、基材のアルカリ度に
かかわらず架橋反応を生じて耐水性,耐アルカリ性に優
れた強固な皮膜を形成する。さらに、従来に比べて架橋
反応速度を低下させることなく高濃度でかつ低粘度の樹
脂液とすることが可能となり、高濃度の条件で基材への
浸透性に優れ、充分な基材補強性および防水性を備えて
いる。したがって、水性でありながら、従来の溶剤タイ
プのプライマーと同等以上の優れた基材補強効果を奏
し、しかも安全で公害源にもならない。さらに、上塗り
塗料や接着剤等に対する親和性を発揮し、これらからな
る仕上げ剤層を、基材表面に強固に一体化させるという
優れた効果を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 水性媒体中に、下記の(A),(B)お
よび(C)成分を主原料とする共重合体が含有され、上
記(A)成分から誘導される構造単位が共重合体の5重
量%以上、上記(B)成分から誘導される構造単位が共
重合体の0.5重量%以上、上記(C)成分から誘導さ
れる構造単位が共重合体の94.5重量%以下を占める
ように設定されていることを特徴とするプライマー用水
性液。 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性単量
体。 【化1】 (B)下記の一般式(2)で表されるアルコキシシラン
単量体。 【化2】 (C)エチレン性不飽和単量体。 - 【請求項2】 請求項1記載の水性液中に、エチレン性
不飽和単量体を重合させてなる重合体が分散含有されて
いることを特徴とするプライマー用水性液。
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