JP2557581B2 - 塗膜構造体およびその製法 - Google Patents
塗膜構造体およびその製法Info
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Description
ル等の多孔質アルカリ性無機質基材の表面が上塗り層に
よつて改質された塗膜構造体およびその製法に関するも
のである。
のセメント系の無機建材は、表面層が脆弱なため、その
補強、ならびに表面仕上げ用の塗装等に対する接着力,
密着力の向上を目的として、その表面にプライマー液を
塗布することが行われている。このようなプライマー液
としては、従来から、合成樹脂を有機溶剤に溶解した溶
剤型のプライマー液が使用されている。しかし、上記溶
剤型のプライマー液は、溶剤が揮発性であるため、引火
しやすく、また吸入によつて人体に悪影響を及ぼす等、
安全面,衛生面で問題が多い。そこで、本出願人は、有
機溶剤を用いず、水を媒体とするプライマー用水性液を
開発し、すでに出願している(特願昭62−80694
号)。
ライマー用水性液は、アルカリ環境下で架橋反応を行つ
て優れた耐水性皮膜を形成するものであり、アルカリ度
の高い一般的な基材に対して使用する場合には問題がな
いが、アルカリ度の低い基材、あるいは中性の基材に対
して塗布した場合には、充分に耐用性ある皮膜が得らな
いため、せつかくプライマー層を介して上塗り材による
表面改質を行つても、上記上塗り材がプライマー層もろ
とも基材から剥離してしまう事態が生じる場合がある。
また、プライマー層と上塗り層の間において、上塗り材
の種類によつては、層間剥離が生じる場合もある。この
ため、基材層,プライマー層,上塗り層の三者が強固に
一体化された塗膜構造の実現が強く望まれている。
もので、基材のアルカリ度の高低に関係なく、基材上に
プライマー層を介して強固な上塗り層が形成された塗膜
構造体およびその製法の提供をその目的とする。
め、本発明は、基材面に対し、下記の(A)成分から誘
導される構造単位が共重合体の5〜99.5重量%、下
記の(B)成分から誘導される構造単位が共重合体の
0.5〜95重量%を占めるように設定された共重合体
を含有するプライマー層と、上塗り層とが、順次積層形
成されている塗膜構造体を第1の要旨とし、 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性アルカ
リ架橋型単量体。
単量体。
が共重合体の5重量%以上、上記(B)成分から誘導さ
れる構造単位が共重合体の0.5重量%以上、下記の
(C)成分から誘導される構造単位が共重合体の94.
5重量%以下を占めるように設定された共重合体を含有
するプライマー層と、上塗り層とが、順次積層形成され
ている塗膜構造体を第2の要旨とし、 (C)エチレン性不飽和単量体。媒体中に、下記の
(A)成分が5〜99.5重量%、下記の(B)成分が
0.5〜95重量%の割合で共重合された共重合体を含
有するプライマー用水性液を準備する工程と、上記プラ
イマー用水性液を基材面に塗工し乾燥させてプライマー
層を形成する工程と、このプライマー層の表面に上塗り
材を塗工し乾燥させて上塗り層を形成する工程とを備え
る塗膜構造体の製法を第3の要旨とし、 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性アルカ
リ架橋型単量体。
単量体。
成分が0.5重量%以上、エチレン性不飽和単量体が9
4.5重量%以下の割合で共重合された共重合体を含有
するプライマー用水性液を準備する工程と、上記プライ
マー用水性液を基材面に塗工し乾燥させてプライマー層
を形成する工程と、このプライマー層の表面に上塗り材
を塗工し乾燥させて上塗り層を形成する工程とを備える
塗膜構造体の製法を第4の要旨とする。
種類にかかわらず耐用性ある強固な塗膜構造を形成しう
るプライマー用水性液を見いだすべく、水溶性樹脂、な
かでもアクリル系樹脂を中心に一連の研究を行つた。そ
の結果、前記一般式(1),(2)で表される特殊な単
量体(A成分,B成分)を特定の割合で共重合させる
と、得られる鎖状重合体は水に対して良好な溶解性を示
し、しかもその水溶液が基材の表面層に良好に浸透して
耐水性,耐アルカリ性に優れたプライマー層を形成する
ことを見いだした。また、このようにして得られたプラ
イマー層は、基材表面を高強度に補強すると同時に、上
塗り塗料の塗膜や接着剤層との接着性,密着性に優れて
いることもわかり、本発明に到達した。
度となるのは、つぎのような理由によると考えられる。
すなわち、本発明の、前記一般式(1)で表されるカチ
オン性アルカリ架橋型単量体(A成分)に由来する重合
体構成成分が、アルカリ環境下で基材中のアルカリによ
つて活性化され、鎖状重合体相互間に架橋反応を生じ、
三次元網状構造体皮膜を形成させる。また、前記一般式
(2)で表されるアルコキシシラン単量体(B成分)に
由来する重合体構成成分が、水性液中に存在する水分に
よつて加水分解され、この加水分解生成物が、この水性
液塗布後の乾燥時に、水の蒸発に伴つて架橋反応を生
じ、やはり三次元網状構造体皮膜を形成させる。したが
つて、本発明のプライマー層は、中性に近い基材面に対
しては、上記アルコキシシラン単量体に由来する成分に
よつて架橋反応を生じて耐水性,耐アルカリ性に優れた
皮膜を形成し、またアルカリ度の高い基材に対しては、
上記カチオン性アルカリ架橋型単量体に由来する成分に
よる架橋反応とアルコキシシラン単量体に由来する成分
による架橋反応との相乗効果によつて、架橋密度が増大
し、耐水性,耐アルカリ性に極めて優れた皮膜を形成す
るのである。このため、基材表面が高強度に補強され
る。しかも、この皮膜は、上記カチオン性アルカリ架橋
型単量体に由来するカチオン性の構成単位を有している
ため、このプライマー層の上に塗布されうる上塗り塗料
や接着剤等の上塗り材に対しても、優れた接着性,密着
性を発揮する。なお、上記2種類の特殊な単量体(A成
分,B成分)と、エチレン性不飽和単量体とを共重合さ
せると、一層プライマー層と上塗り層の密着性,接着性
が向上することがわかつた。また、上記エチレン性不飽
和単量体は、単独で乳化重合等によつて重合させ、これ
を(A)+(B)の共重合体含有液もしくは(A)+
(B)+エチレン性不飽和単量体の共重合含有液と混合
させるようにしても、同様の効果が得られることがわか
つた。
ように、コンクリート等の基材層1の上に、プライマー
層2を介して上塗り層3が形成されたものであり、基材
層1の脆弱な粗面がプライマー層2によつて改質され、
塗料,接着材等の上塗り層3が、プライマー層2の表面
に強固に一体化されている。なお、上記プライマー層2
は、基材層1の表面から内部に一部浸透している。
外、モルタル,スレート板,ケイカル板,ALC板等、
各種の無機建材をあげることができる。なお、従来は、
アルカリ度が低いか中性の基材に対してはプライマー用
水性液を用いても大した補強効果が得られなかつたのに
対し、本発明では特殊なプライマー用水性液を用いるた
め、基材のアルカリ度の高低にかかわらず、各種の基材
を対象とすることができる。
(A)成分と(B)成分の共重合体を含有させ、あるい
はこれに、エチレン性不飽和単量体を共重合成分として
加えるか、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体を
分散含有させてなる、特殊なプライマー用水性液の塗膜
によつて構成されている。 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性アルカ
リ架橋型単量体。
単量体。
ては、水を用いるか、水と水に易溶性の有機溶剤を併用
するか、あるいは水に易溶性の有機溶剤を用いるのが望
ましい。このような有機溶剤としては、メタノール,エ
タノール,プロパノール,アセトン,メチルエチルケト
ン,ジオキサン,エチレングリコール,プロピレングリ
コール,グリセリン,メチルカルビトール,エチルカル
ビトール,ブチルカルビトール,メチルセロソルブ,エ
チルセロソルブ,酢酸,前記アルコールの酢酸エステル
類,前記カルビトールの酢酸エステル類および上記セロ
ソルブの酢酸エステル類等があげられる。このような有
機溶剤を併用する場合には、得られるプライマー用水性
液の安全性の観点から、媒体全体の50重量%(以下
「%」と略す)の範囲で使用することが好ましく、特に
20%以下の範囲で使用することが好ましい。なお、上
記有機溶剤を使用し、重合反応終了後に、蒸留等によつ
てこれを回収することにより、完全水系にすることも可
能である。
ン性アルカリ架橋型単量体(A成分)としては、ジメチ
ルアミノメチルアクリルアミドエピクロルヒドリン付加
物のハロゲン化塩,ジメチルアミノメチルメタクリルア
ミドエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化塩,ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミドエピクロルヒドリン付
加物のハロゲン化塩およびアルキルスルホン酸塩,ジメ
チルアミノプロピルメタクリルアミドエピクロルヒドリ
ン付加物のハロゲン化塩およびアルキルスルホン酸塩,
ジメチルアミノメチルアクリルエステルエピクロルヒド
リン付加物のハロゲン化塩,ジメチルアミノメチルメタ
クリルエステルエピクロルヒドリン付加物のハロゲン化
塩,ジメチルアミノプロピルアクリルエステルエピクロ
ルヒドリン付加物のハロゲン化塩,ジメチルアミノプロ
ピルメタクリルエステルエピクロルヒドリン付加物のハ
ロゲン化塩およびアルキルスルホン酸塩,あるいはそれ
らに対応するエポキサイド体(前記一般式《1》におい
てQがエポキシ基である化合物)があげられる。そし
て、上記カチオン性アルカリ架橋型単量体は、全単量体
に対し5%以上の割合で配合させることが必要である。
すなわち、カチオン性アルカリ架橋型単量体が5%未満
では、得られる皮膜の強度および上塗り塗料,接着剤と
の密着性が不充分となるからである。
コキシシラン単量体(B成分)としては、ビニルトリエ
トキシシラン,ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)
シラン,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン等があげられる。上記アルコキシシラン単量体は、全
単量体に対し0.5%以上の割合で配合することが必要
である。すなわち、アルコキシシラン単量体が0.5%
未満では、上記カチオン性アルカリ架橋型単量体の場合
と同様、得られる皮膜の強度および上塗り塗料,接着剤
との密着性,接着性が不充分となるからである。
ことのできるエチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビ
ニル,アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アル
キルエステル類,スチレン,アクリロニトリル,メタク
リロニトリル等の疎水性単量体があげられる。これらは
単独で用いても2種以上を併用するようにしてもよい。
なお、上記エチレン性不飽和単量体によつて重合体を作
製する場合には、上記疎水性単量体とともに、アクリル
酸,メタクリル酸,アクリル酸またはメタクリル酸のア
ミド類,メチロール化アミド類,アルコキシメチル化ア
ミド類,アルキルアミノエステル類,前記一般式(1)
で表されるカチオン性アルカリ架橋型単量体,モノクロ
ル酢酸ビニル,1−クロロ−2−ヒドロキシプロピルア
クリレート等の親水性単量体が併用される。これらも、
単独で用いても2種以上を併用してもよい。上記親水性
単量体は、いうまでもなく、生成重合体が水性媒体に可
溶性とならないような範囲内で使用される。上記エチレ
ン性不飽和単量体を、前記(A)成分と(B)成分とと
もに共重合させるか、前記(A)成分と(B)成分とは
別に、乳化重合させて重合体(エマルジヨン)とし、こ
れを(A)+(B)の共重合体を含有する媒体に混合す
るようにすると、基材表面と、上塗り塗料,接着剤等と
の接着性,密着性が一層向上する。また、(A)+
(B)+上記エチレン性不飽和単量体の共重合体を含有
する媒体に、上記エチレン性不飽和単量体からつくつた
重合体(エマルジヨン)を混合するようにしても、同様
の効果がある。ただし、両者を均一に混合することは容
易でないため、なるべく三者を共重合させる方が好まし
い。
上の媒体および単量体を用い、例えばつぎのようにして
製造することができる。すなわち、まず重合媒体である
水もしくは有機溶剤あるいは水と有機溶剤の混合物中
に、重合開始剤を添加し、酸によつて系を酸性に維持し
ながら、前記カチオン性アルカリ架橋型単量体,アルコ
キシシラン単量体およびエチレン性不飽和単量体を60
〜90℃で1〜5時間かけて滴下して重合させる。な
お、必要であれば、予め、分子量調節を目的として2−
メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を添加する。ま
た、重合後に、必要に応じて、各種の添加剤、例えばブ
チルセロソルブ,ブチルカルビトール,アセテート等の
造膜助剤,消泡剤,顔料,増粘防止剤等を添加すること
ができる。このようにして、目的とするプライマー用水
性液を得ることができる。
化重合する場合には、公知の乳化重合の方法に従えばよ
い。そして、得られたエマルジヨンを、上記共重合体
(A+BもしくはA+B+エチレン性不飽和単量体から
なる共重合体)含有媒体に混合することにより、目的と
するプライマー用水性液を得ることができる。
を疎外しないようなものを選択使用することが必要であ
る。そして、重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスアミ
ノジプロパン塩酸塩,過硫酸アンモン等があげられる。
さらに、上記媒体を酸性に維持するのは、重合中に系が
ゲル化することを防止するために重要で、pH調整用の
酸としては、ギ酸,酢酸,シユウ酸等の有機酸や、塩
酸,硫酸,硝酸等の無機酸があげられる。
る上塗り層3は、各種の上塗り塗料や、あるいは各種の
装飾仕上げを行うための接着剤を用いて形成される。上
記上塗り塗料としては、ポリマー骨格がアニオン性のも
の,ノニオン性のもの,カチオン性のもの,両イオン性
のものの4種類に大別されるが、本発明のプライマー層
2は、A成分に由来するカチオン性を備えているため、
アニオン性の上塗り塗料を用いると、互いに相反する荷
電の効果が加わつて、他の上塗り塗料に比べてプライマ
ー層2との結合が強固になるので好適である。ただし、
ノニオン性,カチオン性,両イオン性のものについて
も、上記アニオン系塗料ほどではないが、良好な接着性
を示す。なお、プライマー層2と強固に結合するアニオ
ン性の上塗り塗料としては、アクリル系骨格を有するも
の、スチレン−アクリル系骨格を有するもの、酢酸ビニ
ル系骨格を有するもの、塩化ビニリデン系骨格を有する
もの等があげられる。
にして得ることができる。すなわち、まず、前記プライ
マー用水性液を、基材層1の表面に塗工し乾燥させてプ
ライマー層2を形成する。このとき、塗工されたプライ
マー用水性液は、媒体の浸透とともに速やかに基材層1
内に浸透し、乾燥過程において、アルカリおよび水分に
よつて活性化された官能基が架橋して、耐水性,耐アル
カリ性に優れた三次元網状構造の強固な皮膜となる。そ
の結果、溶剤系プライマーを用いたと同様の、堅牢で耐
久性のある補強が基材層1の表面になされるようにな
る。しかも、上記プライマー用水性液は、親水性の媒体
を用いているため、有毒な溶剤が揮発するようなことが
なく、安全性、公害防止の点で優れており、実用性が極
めて高い。しかも、得られたプライマー層は、構成成分
の一部がカチオンになつているため、そのカチオン性に
起因して、さらにその上に塗工された上塗り層3に対す
る親和性,密着性が高く、上塗り層3を強固に基材に一
体化させることができる。
明する。
還流冷却器を取り付けた四つ口フラスコに、イソプロピ
ルアルコールを40重量部(以下「部」と略す)、水1
0部を投入し、これに重合開始剤であるアゾビスイソブ
チロニトリル1部と連鎖移動剤であるラウリルメルカプ
タン0.7部を添加した。そして、滴下ロート中に、下
記の表1,表2に示す組成からなる単量体原料を投入
し、攪拌下、イソプロピルアルコールの還流温度で3時
間かけて滴下することにより重合反応を行い、さらに3
時間完結反応を行つた。このようにして得られた重合体
含有液a〜jは、いずれも均一な溶液で、重合体濃度は
50%、粘度は500〜2000cps(BM型粘度
計、30℃)、pH=4であつた。
て用いられているアクリル系エマルジヨンプライマーk
(アクリセツトEMN−17E,日本触媒工業社製)、
アルカリ架橋型ポリアクリル酸エステルエマルジヨンl
(プライマールE−1126,ローム&ハース社製)を
用意した。
液a〜lを、石綿セメントケイ酸カルシウム板(pH=
9、比重0.7)および中性化石綿セメントケイ酸カル
シウム板(上記石綿セメントケイ酸カルシウム板をドラ
イアイス中に密封して1週間放置し、pHを9から7に
下げたもの)のそれぞれに、約120g/m2 の割合で
塗布し、室温下で30分間放置して乾燥させた。そし
て、その上から、アクリル系塗料(上塗り塗料)を約1
30g/m2 の割合で塗布し、室温下で1週間放置して
充分に乾燥させた。つぎに、この塗装面を2mm間隔の
碁盤目状に区画分けして1cm平方の正方形内に25個
の微小区画をつくつた。そして、その表面に粘着テープ
(ニチバンセロハンテープ、幅24mm)を圧着したの
ち剥離して、基材側に残留した微小区画の数(残留区画
数)を数えた。これによつてプライマー層と上塗り塗料
との密着性を評価した。ただし、評価は、下記の4段階
評価に従つた。 ◎…残留区画数23以上 ○…残留区画数20〜2
2 △…残留区画数10〜19 ×…残留区画数9以下
に、試料を20℃の水中に24時間浸浸したのち、上記
と同様にして密着性を評価した。これらの結果を下記の
表3,表4に示す。
例品,対照例品に比べて優れた性能を有していることが
わかる。
(エマルジヨンC)を作製し、上記プライマー液dと、
後記の表5に示す組成で混合することにより、4種類の
プライマー用水性液を得た。 <エマルジヨンCの一般性状> 不揮発分 38.2% 粘度 200cps pH 2.8 最低造膜温度 5℃
マー用水性液について、実施例1と同様にしてその特性
を評価した。その結果を下記の表5に併せて示す。
ンを別途作製し、前記実施例品と混和させるようにして
も、良好なプライマーが得られることがわかる。
体(エマルジヨンD〜F)を作製し、エマルジヨン50
部、酸化チタン(タイベークR−630,石原産業社
製)25部、増粘剤(HEC SP400 5%,ダイ
セル化学工業社製)3部、水20部を加えて均一に攪拌
混合することにより、上塗り塗料を作製した。このよう
にして得られた上塗り塗料の性状を表7に示す。つぎ
に、前記プライマー液aを石綿セメントケイ酸カルシウ
ム板(PH=9 比重1.0)に120g/m2 塗布
し、温度120℃の熱風乾燥機で3分間乾燥させた。放
冷後、その表面に上塗り塗料をゴムロールで塗工し、温
度120℃の熱風乾燥機で3分乾燥させた。評価は、上
塗り塗料の塗工時の塗工性と密着性とを評価した。これ
らの結果を後記の表8に示す。なお、上記密着性は、前
記と同様である。
プライマー層が、特殊なカチオン性アルカリ架橋型単量
体(A成分)に由来する重合体成分と、特殊なアルコキ
シシラン単量体(B成分)に由来する重合体成分とを有
するため、中性に近い基材面に対しては、上記アルコキ
シシラン単量体に由来する成分によつて架橋反応を生じ
て耐水性,耐アルカリ性に優れた皮膜を形成し、またア
ルカリ度の高い基材に対しては、上記カチオン性アルカ
リ架橋型単量体に由来する成分による架橋反応とアルコ
キシシラン単量体に由来する成分による架橋反応との相
乗効果によつて、架橋密度が増大し、耐水性,耐アルカ
リ性に極めて優れた強固な結合を形成する。このため、
基材表面が高強度に補強される。しかも、上記プライマ
ー層は、上記カチオン性アルカリ架橋型単量体に由来す
るカチオン性の構成単位を有しているため、このプライ
マー層の上に塗布される上塗り塗料や接着剤等の上塗り
材、特にアルカリ性の上塗り材に対して優れた接着性,
密着性を発揮する。したがつて、水性のプライマー液を
使つて従来では実現できなかつた強固な塗膜構造体を得
ることができる。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材面に対し、下記の(A)成分から誘
導される構造単位が共重合体の5〜99.5重量%、下
記の(B)成分から誘導される構造単位が共重合体の
0.5〜95重量%を占めるように設定された共重合体
を含有するプライマー層と、上塗り層とが、順次積層形
成されていることを特徴とする塗膜構造体。 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性アルカ
リ架橋型単量体。 【化1】 (B)下記の一般式(2)で表されるアルコキシシラン
単量体。 【化2】 - 【請求項2】 基材面に対し、請求項1記載の(A)成
分から誘導される構造単位が共重合体の5重量%以上、
請求項1記載の(B)成分から誘導される構造単位が共
重合体の0.5重量%以上、下記の(C)成分から誘導
される構造単位が共重合体の94.5重量%以下を占め
るように設定された共重合体を含有するプライマー層
と、上塗り層とが、順次積層形成されていることを特徴
とする塗膜構造体。 (C)エチレン性不飽和単量体。 - 【請求項3】 プライマー層に、エチレン性不飽和単量
体を重合させてなる重合体が分散含有されている請求項
1または2に記載の塗膜構造体。 - 【請求項4】 媒体中に、下記の(A)成分が5〜9
9.5重量%、下記の(B)成分が0.5〜95重量%
の割合で共重合された共重合体を含有するプライマー用
水性液を準備する工程と、上記プライマー用水性液を基
材面に塗工し乾燥させてプライマー層を形成する工程
と、このプライマー層の表面に上塗り材を塗工し乾燥さ
せて上塗り層を形成する工程とを備えることを特徴とす
る塗膜構造体の製法。 (A)下記の一般式(1)で表されるカチオン性アルカ
リ架橋型単量体。 【化3】 (B)下記の一般式(2)で表されるアルコキシシラン
単量体。 【化4】 - 【請求項5】 媒体中に、請求項4記載の(A)成分が
5重量%以上、請求項4記載の(B)成分が0.5重量
%以上、エチレン性不飽和単量体が94.5重量%以下
の割合で共重合された共重合体を含有するプライマー用
水性液を準備する工程と、上記プライマー用水性液を基
材面に塗工し乾燥させてプライマー層を形成する工程
と、このプライマー層の表面に上塗り材を塗工し乾燥さ
せて上塗り層を形成する工程とを備えることを特徴とす
る塗膜構造体の製法。 - 【請求項6】 プライマー用水性液として、共重合体成
分中にエチレン性不飽和単量体を重合させてなる重合体
成分を分散含有するものを用いる請求項4または5に記
載の塗膜構造体の製法。
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