JPH06167826A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH06167826A
JPH06167826A JP4320968A JP32096892A JPH06167826A JP H06167826 A JPH06167826 A JP H06167826A JP 4320968 A JP4320968 A JP 4320968A JP 32096892 A JP32096892 A JP 32096892A JP H06167826 A JPH06167826 A JP H06167826A
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fine particles
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photoconductor
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啓一 谷田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の画像不良を発生するおそれがなく、し
かも安定したクリーニング性能を有する電子写真用トナ
ーを提供する。 【構成】 トナーを処理する無機微粒子の量を、トナー
量の0.1〜1.0重量%に限定するか、または、トナ
ー表面に付着した無機微粒子の凝集物の、単位面積あた
りの個数で表される無機微粒子の分散度を10〜100
個/μm2 に限定し、かつトナーの平均付着力を1.0
×10-7N以下に限定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、より詳細には、トナー像転写後の感光体表面のクリ
ーニングに、当該感光体表面に当接させたクリーニング
ブレードを用いる電子写真法に使用される電子写真用ト
ナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真法による画像形成に際して
は、まず帯電させた感光体の表面を露光して、当該感光
体の表面に静電潜像を形成する。つぎにこの静電潜像
を、電子写真用トナーを含む現像剤で現像してトナー像
に顕像化する。そしてこのトナー像を、感光体表面から
紙等の転写材上に転写して定着させれば、露光像に対応
した画像が転写材の表面に形成される。またトナー像転
写後の感光体は、その表面に当接させたクリーニングブ
レードによって残留トナーが除去され、クリーニングさ
れて、次回の画像形成への準備がなされる。
【0003】上記画像形成においては、トナー像の転写
材への転写効率と、像転写後の感光体表面のクリーニン
グ性が、形成画像の画質、トナー消費量、装置のメンテ
ナンス等の点で重要な要素となる。通常のトナーにおい
ては、シリカ等の無機微粒子を外添してトナー粒子の表
面に分散付着させることで、トナーと感光体との間の接
触面積を減少させて両者間の付着力を低減し、それによ
って転写効率やクリーニング性を確保している。
【0004】この方法は、簡単かつ確実な効果が得られ
るため、現在一般に実施されている方法であるが、その
効果が不十分であったり、あるいは無機微粒子の添加量
を一定にしているにも拘らず特性にばらつきが生じたり
するという問題があり、さらなる改善が求められてい
る。とくに近時、画質のより一層の向上を目的として、
4〜10μm程度の小粒径のトナーが使用されることが
多くなってきているが、このような小粒径のトナーは、
従来のものよりもブレードによるクリーニングが難しい
ため、より一層のクリーニング性の向上が望まれてい
る。
【0005】クリーニング性を向上させるためにまず考
えられるのは、ブレードの感光体への圧接力を高めるこ
とであるが、この場合には、感光体がブレードによって
削られて、感光体の寿命が短くなるという問題がある。
そこで上記の要望に応えるべく、トナー側および感光体
側の両方から種々の提案がなされている。たとえば特開
平1−126660号公報には、前記無機微粒子に加え
て、トナー粒子より少粒径の有機微粒子を外添すること
で、トナーの物理的、静電気的な付着力を弱め、それに
よってトナーのクリーニング性を改善しようとする試み
が開示されている。
【0006】また感光体側からのアプローチとしては、
ゴム製のブレードを使用する際のクリーニング性を向上
するため、感光体の表面粗さを0.3〜5.0μmに限
定することが提案されている(特開平1−99060号
公報)。上記の表面粗さを有する感光体は、トナーに外
添させた潤滑剤やトナー粒子の粉砕物、あるいは感光体
の削り粉等の微小な粒子が、表面の凹凸に入り込み、い
わば潤滑剤として作用して、ブレードに対する潤滑性が
向上する。このため、感光体との摩擦が生じやすいゴム
製のブレードを、粒径の大きい通常のトナーのクリーニ
ングに適した面圧で感光体の表面に圧接させても、摩擦
による感光体表面の摩耗等を生じることがなくなり、ク
リーニング性が改善される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、有機微粒子
を外添した場合には、当該有機微粒子の分だけ製造工程
が増加し、製造コストが上昇するだけでなく、外添され
た有機微粒子が、トナーの微粉砕物やキャリヤのコーテ
ィングレジンの剥離物等と同様に、画像形成に寄与しな
い成分として作用して、種々の画像不良を発生させる原
因になるという問題がある。
【0008】一方、感光体の表面粗さを所定の範囲に規
定する方法では、安定したクリーニング性が得られない
という問題がある。つまり実際の画像形成時に、感光体
とトナーとの間には、感光体表面に吸着した吸着水、ト
ナーの電荷の漏洩、ファンデルワールス力等、種々の要
因が複雑に絡み合って作用するため、ただ単に感光体の
表面粗さを規定しただけでは、到底、安定したクリーニ
ング性能は得られないのである。
【0009】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、種々の画像不良を発生するおそれがなく、し
かも安定したクリーニング性能を有する電子写真用トナ
ーを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、種々の画像不良発生の原因
となる有機微粒子等を外添剤として使用せず、従来より
一般的に使用されている無機微粒子のみを使用して、し
かもクリーニング性を向上し、安定させるべく検討を行
った。
【0011】その結果、無機微粒子の添加量、または上
記無機微粒子のトナー表面における分散の程度を規定
し、かつ無機微粒子で処理されたトナーの付着力を所定
の範囲内に規定すれば、種々の画像不良を発生すること
なく、常に安定したクリーニング性能を確保できること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明
の電子写真用トナーは、トナー量の0.1〜1.0重量
%の無機微粒子で表面を処理してなり、遠心分離による
粒子付着力測定法により、下記計算式: fad=M・r・(2n50π/60)2 〔式中Mはトナー粒子1個あたりの平均質量(kg)、r
は回転半径(m)、n50は遠心力による分離率が50%
の時の毎分回転数(r.p.m.)を表す。〕で求められる平
均付着力(fad)が1.0×10-7N以下であることを
特徴とする。
【0012】また本発明の他の電子写真用トナーは、無
機微粒子で表面を処理してなり、トナー表面に付着した
無機微粒子の凝集物の、単位面積あたりの個数で表され
る、無機微粒子のトナー表面における分散度が10〜1
00個/μm2 で、かつ遠心分離による粒子付着力測定
法により、前記計算式から求められる平均付着力
(f ad)が1.0×10-7N以下であることを特徴とす
る。
【0013】なお本発明のうち前者において、トナー表
面における無機微粒子の分散度の範囲はとくに限定され
ず、後者において無機微粒子の添加量の範囲はとくに限
定されないが、より一層の作用効果を得るには、両者の
特徴をともに兼ね備えたもの、すなわち無機微粒子の添
加量がトナー量の0.1〜1.0重量%で、かつ分散度
が10〜100個/μm2 で、しかも平均付着力
(fad)が1.0×10-7N以下のものが最も好まし
い。
【0014】本発明において、トナーの平均付着力(f
ad)が1.0×10-7N以下の範囲に限定されるのは、
上記範囲を超えた場合、感光体に対する付着力が大きす
ぎ、クリーニング性が悪化してクリーニング不良が発生
するという問題があるからである。なお上記平均付着力
(fad)の下限は、本発明では特に限定されないが、平
均付着力(fad)が1.0×10-8N未満では、感光体
に対する付着力が小さ過ぎて、トナー飛散等の画像不良
を生じるおそれがあるので、平均付着力(fad)は1.
0×10-8N以上であるのが好ましい。
【0015】本発明においてトナーの付着力(fad)を
規定するために採用される、遠心分離による粒子付着力
測定法は、概略以下の手順で行われる。まずガラス基板
等の適当な基板の表面に、トナー粒子を自然落下させて
付着させる。つぎに上記基板Sを、図1に示すように、
トナーTが付着した面を外側に向けた状態で、遠心分離
機のロータRの、回転中心から寸法rだけ離れた位置に
セットする。つぎに、ロータRを一定の回転数n(r.p.
m.)で回転させて、その際の、トナー粒子Tの基板S表
面からの分離率を測定し、回転数と分離率との関係を求
める(図2参照)。そして、分離率が50%のときの回
転数n50(r.p.m.)を求め、下記計算式: fad=M・r・(2n50π/60)2 〔式中Mはトナー粒子1個あたりの平均質量(kg)、r
は回転半径(m)、n50は遠心力による分離率が50%
の時の毎分回転数(r.p.m.)を表す。〕により、平均付
着力(fad)を算出する。
【0016】トナー粒子Tの、基板S表面からの分離率
を測定するには種々の方法が考えられるが、遠心分離処
理前後の基板Sを画像解析装置にかけて、表面に付着し
ているトナーTの個数を計数し、遠心分離処理前のトナ
ーTの個数t0 と遠心分離処理後のトナーTの個数t1
とから、下記計算式により分離率を求めるのが、簡単か
つ確実である。
【0017】分離率(%)=(t0 −t1 )/t0 前者の発明において、トナーの付着力(fad)を上記範
囲内に調整するには、無機微粒子の添加量をトナー量の
0.1重量%以上にするとともに、そのトナー表面への
付着力を向上させればよい。無機微粒子の添加量がトナ
ー量の0.1重量%未満である場合にはその添加効果が
不十分であり、たとえ無機微粒子のトナー表面への付着
力が強くても、トナーの付着力(fad)を上記範囲内に
することができず、クリーニング性が悪化してクリーニ
ング不良が発生するという問題がある。
【0018】一方、無機微粒子の添加量がトナー量の
1.0重量%を超えた場合には、帯電に寄与しない無機
微粒子が過剰に含まれることになるので、トナー飛散や
画像濃度の不足等の画像不良を生じる他、画像形成を繰
り返した際に、凝集した無機微粒子が形成画像上に白斑
として現れる、いわゆるシリカボタルという画像不良を
生じる。
【0019】したがって前者の発明においては、無機微
粒子の添加量がトナー量の0.1〜1.0重量%に限定
される。前者の発明において、無機微粒子のトナー表面
への付着力を向上させるためには、無機微粒子のトナー
表面への付着を阻害する吸着水をできるだけ除去すべ
く、処理前の無機微粒子およびトナーを、予め低湿条件
下で調湿するとともに、トナーの無機微粒子による処理
を、低温、低湿条件下で行うのが好ましい。
【0020】調湿および処理の条件についてはとくに限
定されないが、調湿条件としては、湿度30%RH以
下、調湿時間24時間程度が好ましい。またトナーの無
機微粒子による処理の条件は、23℃以下、湿度35%
RH以下程度が好ましい。上記調湿、処理条件下で、ト
ナーの無機微粒子による処理を行うと、無機微粒子がト
ナー表面に強固に付着し、それによって、トナーの付着
力(fad)が1.0×10-7N以下に調整される。
【0021】一方、調湿をしなかったり、あるいは上記
範囲を上回る温度や湿度の条件下で処理を行った場合に
は、無機微粒子のトナー表面への付着力が不十分で、ト
ナーの付着力(fad)が1.0×10-7Nを上回るの
で、前記のようにクリーニング性が悪化してクリーニン
グ不良が発生するおそれがある他、無機微粒子がトナー
から離脱しやすいため、画像形成を繰り返した際に前記
シリカボタルを生じるおそれもある。
【0022】後者の発明において、トナーの付着力(f
ad)を前記範囲内に調整するには、トナー表面に付着し
た無機微粒子の凝集物の、単位面積(1μm2 )あたり
の個数で表される、無機微粒子のトナー表面における分
散度を10個/μm2 以上に限定すればよい。分散度が
10個/μm2 未満では、トナー粒子表面への無機微粒
子の分散性が悪く、その添加効果が不十分で、トナーの
付着力(fad)が前記範囲を超えるため、クリーニング
不良が発生するという問題がある。
【0023】一方、分散度が100個/μm2 を超えた
場合には、帯電に寄与しない無機微粒子が過剰に含まれ
ることになるので、トナー飛散等の画像不良を生じる。
したがって後者の発明においては、無機微粒子のトナー
表面における分散度が10〜100個/μm2 に限定さ
れる。分散度は、たとえば画像解析法により測定され
る。
【0024】トナーを無機微粒子と混合して処理する際
には、その混合時間が長くかつ混合速度が低いほど分散
度が高くなり、逆に混合時間が短くかつ混合速度が高い
ほど分散度が低くなる傾向にある。また無機微粒子の添
加量が多いほど分散度が高くなり、逆に添加量が少いほ
ど分散度が低くなる傾向にある。したがって分散度を上
記範囲内に調整するには、トナーと無機微粒子の処理条
件(混合時間、混合速度、添加量等)を調整すればよ
い。但し、分散度を前記範囲内に調整できる混合時間、
混合速度、添加量は、処理に使用する混合装置の種類、
トナーおよび無機微粒子の種類や粒径等によって大きく
違ってくるので、これらの要因を考慮しつつ設定する必
要がある。
【0025】後者の発明においては、分散度が前記範囲
内であれば、無機微粒子のトナーへの付着力は多少小さ
くても構わない。しかし、あまりに付着力が小さいと、
画像形成時の攪拌混合等によって無機微粒子がトナー表
面から脱落して、分散度が上記範囲を下回るおそれがあ
る。これを防止するには、先の発明と同様に、処理前の
無機微粒子およびトナーを、予め低湿条件下で調湿する
とともに、処理を、低温、低湿条件下で行うのが好まし
い。
【0026】調湿および処理の条件については先に示し
た範囲が好ましいが、この範囲を外れても構わない。本
発明に使用する無機微粒子としては、疎水性シリカ微粉
末、アルミナ微粉末、酸化チタン微粉末等の、トナーの
外添剤として使用されている従来公知の種々の無機微粒
子を使用することができる。添加量等は、以上で説明し
たとおりである。
【0027】無機微粒子で処理されるトナーとしては、
従来公知の種々の構成のトナーを用いることができる。
好適なトナーの例としては、定着用樹脂中に、着色剤、
電荷制御剤、離型剤(オフセット防止剤)等の添加剤を
配合し、適当な粒径に造粒したものがあげられる。定着
用樹脂としては、たとえばエポキシ系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド樹脂、石油樹脂、シリコーン樹脂、ジエン系樹脂、オ
レフィン系樹脂、酢酸ビニル重合体、ポリエーテル、ポ
リウレタン、パラフィンワックスおよびそれらの共重合
体等を単独でまたは混合して使用することができる。こ
れらの樹脂のうち、スチレン系樹脂、とくにスチレン−
(メタ)アクリル系共重合体を使用するのが好ましい。
【0028】スチレン−(メタ)アクリル系共重合体に
おいて使用するスチレン系モノマーとしては、スチレン
の他に、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が例示
される。また、(メタ)アクリル系モノマーとしては、
たとえばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒ
ドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシメタクリル
酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、γ−N,N
−ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチレングリコ
ールジメタクリル酸エステル、テトラエチレングリコー
ルジメタクリル酸エステル等があげられる。
【0029】着色剤としては、種々の着色顔料、体質顔
料、導電性顔料、磁性顔料、光導電性顔料等があげら
れ、これらは用途に応じて1種または2種以上の組み合
わせで使用される。着色顔料としては、以下にあげるも
のが好適に使用される。黒色 ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマル、
ガスブラック、オイルブラック、アセチレンブラック等
のカーボンブラック、ランプブラック、アニリンブラッ
ク。
【0030】白色 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。赤色 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマ
ネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッド
D、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロー
ダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカー
ミン3B。
【0031】橙色 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK。黄色 黄鉛、亜鉛華、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエ
ローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエロー
G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレー
キ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ。
【0032】緑色 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。青色 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
【0033】紫色 マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ。体質顔料としては、パライト粉、炭酸バ
リウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、
アルミナホワイト等があげられる。導電性顔料として
は、導電性カーボンブラックやアルミニウム粉等があげ
られる。
【0034】磁性顔料としては、各種フェライト、たと
えば、四三酸化鉄(Fe3O4 )、三二酸化鉄(γ-Fe
2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4 )、酸化鉄イットリウム
(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4 )、酸化鉄
ガトリニウム(Gd3Fe5O4)、酸化鉄銅(CuFe2O4 )、酸
化鉄鉛(PbFe12O19 )、酸化鉄ネオジム(NdFeO3)、酸
化鉄バリウム(BaFe12O19 )、酸化鉄マグネシウム(Mg
Fe2O4 )、酸化鉄マンガン(MnFe2O4 )、酸化鉄ランタ
ン(LaFeO3)、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等があげ
られる。
【0035】光導電性顔料としては、酸化亜鉛、セレ
ン、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等があげられ
る。着色剤は、定着用樹脂100重量部に対して1〜3
0重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用され
る。電荷制御剤は、トナーの帯電極性によって、正電荷
制御用と負電荷制御用の2種の電荷制御剤がある。
【0036】正電荷制御用の電荷制御剤としては、ニグ
ロシンベース(CI5045)等の油溶性染料や、塩基性窒素
原子を有する有機化合物、たとえば塩基性染料、アミノ
ピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、ア
ミノシラン類、さらには、上記各化合物で表面処理され
た充填剤等があげられる。負電荷制御用の電荷制御剤と
しては、オイルブラック(CI26150 )、ボントロンS、
スピロンブラック等の油溶性染料;スチレン−スチレン
スルホン酸共重合体等の電荷制御性樹脂;カルボキシ基
を含有する化合物(たとえばアルキルサリチル酸金属キ
レート等)、金属錯塩染料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石
鹸、ナフテン酸金属塩等があげられる。
【0037】電荷制御剤は、定着用樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量
部の割合で使用される。離型剤(オフセット防止剤)と
しては、脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪
酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シ
リコーンオイル、各種ワックス等があげられる。なかで
も重量平均分子量が1000〜10000程度の脂肪族
系炭化水素が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロ
ピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、
炭化水素原子数4以上のオレフィン単位からなる低分子
量のオレフィン重合体等の1種または2種以上の組み合
わせが適当である。
【0038】離型剤は、定着用樹脂100重量部に対し
て0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の
割合で使用される。トナーは、以上の各成分を乾式ブレ
ンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によって均
質に予備混練して得られた混合物を、たとえばバンバリ
ーミキサー、ロール、一軸または二軸の押出混練機等の
混練装置を用いて均一に溶融混練した後、得られた混練
物を冷却して粉砕し、必要に応じて分級することで製造
される。この他に、懸濁重合法等の重合法やマイクロカ
プセル重合法、スプレードライ法等の公知の製造方法に
より製造することもできる。
【0039】トナーの粒径は、3〜35μm、好ましく
は5〜25μmであるのが適当であり、小粒径トナーの
場合は4〜10μm程度の粒径で使用される。本発明の
電子写真用トナーの構成は、単独で非磁性1成分現像剤
として使用されたり、磁性キャリヤとともに磁性2成分
現像剤を構成したりする非磁性トナーや、単独で磁性1
成分トナーとして使用される磁性トナー、あるいはそれ
自体が感光性を有する感光性トナー等の、従来公知の種
々のトナーに適用することができる。
【0040】2成分現像剤のトナー濃度は従来と同程度
すなわち2〜15重量%程度が好ましい。本発明の構成
を磁性トナーに適用する場合には、トナー中に前記磁性
顔料を含有させればよい。また本発明の構成を感光性ト
ナーに適用する場合には、トナー中に前記光導電性顔料
を含有させればよい。
【0041】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。実施例1 静電式複写機(三田工業社製の型番DC−4055)用
のトナー粒子(平均粒径10.0μm)と、無機微粒子
としてのシリカ微粉末とを、それぞれ湿度30%RHの
低湿条件下で一昼夜放置して調湿した。つぎに、上記調
湿後のトナー粒子とシリカ微粉末とを、温度20℃、湿
度30%RHの低温、低湿条件下で、シリカ微粉末の添
加量がトナー量の0.1重量%となるように配合し、ヘ
ンシェルミキサーによって攪拌混合処理して電子写真用
トナーを作製した。
【0042】実施例2 調湿後のトナー粒子とシリカ微粉末とを、シリカの添加
量がトナー量の1.0重量%となるように配合し、処理
したこと以外は、上記実施例1と同様にして電子写真用
トナーを作製した。比較例1 調湿後のトナー粒子をシリカ微粉末で処理せずに比較例
1のトナーとした。
【0043】比較例2 調湿後のトナー粒子とシリカ微粉末とを、シリカの添加
量がトナー量の3.0重量%となるように配合し、処理
したこと以外は、前記実施例1と同様にして電子写真用
トナーを作製した。上記各実施例、比較例の電子写真用
トナーについて以下の各試験を行い、その特性を評価し
た。
【0044】付着力測定 前述した遠心分離による粒子付着力測定法により、実施
例、比較例の電子写真用トナーの平均付着力(fad)を
測定した。測定の条件は以下のとおり。 基板:ガラス基板 トナー粒子:1個あたりの平均質量M=4.356×1
-18kg 遠心分離機:回転半径r 91×10-3m 最大回転数 20000r.p.m. 最大加速度 40700G(r=91×10-3mのと
き)連続複写試験 上記各実施例、比較例の電子写真用トナーを、前記静電
複写機DC−4055用のキャリヤと、トナー濃度が
3.5重量%となるように配合して2成分現像剤を作製
した。そして各現像剤を、上記静電複写機DC−405
5にスタート現像剤として使用するとともに、各現像剤
に使用したのと同じ実施例、比較例のトナーを補給用ト
ナーとして使用しつつ、5万枚の連続複写を行った。な
おクリーニングの条件は、クリーニングブレードの感光
体への圧接力10g/cm、圧接角度30°とした。
【0045】そして、複写1枚目、1千枚目、2千枚
目、5千枚目、1万枚目、2万枚目および5万枚目の複
写画像における画像不良の有無を観察するとともに、感
光体表面におけるクリーニング不良の有無を観察した。
以上の結果を表1に示す。なお表1において連続複写試
験欄の符号は、それぞれ以下の状態を表す。
【0046】○:複写画像良好、クリーニング不良な
し。 ×1 :クリーニング不良発生。 ×2 :複写画像または感光体にトナー飛散あり。 ×3 :複写画像の画像濃度不足。 ×4 :シリカボタル発生。
【0047】
【表1】
【0048】上記表1の結果より、シリカ微粉末で処理
しなかったため平均付着力が1.0×10-7Nを上回っ
た比較例1のトナーは、画像形成1枚目からクリーニン
グ不良を生じ、それが感光体表面に蓄積されて徐徐に悪
化したため、2千枚目で連続複写を中止せざるをえなく
なってしまった。またシリカ微粉末の添加量が1.0重
量%を超えた比較例2のトナーは、平均付着力が1.0
×10-7N以下であるためクリーニング不良は発生しな
かったが、連続複写1万枚目あたりから、帯電特性の低
下に伴うとみられるトナー飛散および画像濃度不足が発
生した。そしてさらに連続複写を続けたところ、連続複
写5万枚目あたりで、過剰のシリカ微粉末の凝集による
シリカボタルが発生した。
【0049】これに対し、シリカ微粉末の添加量が0.
1〜1.0重量%の範囲内で、かつ平均付着力が1.0
×10-7N以下である実施例1,2のトナーは、いずれ
も連続複写1枚目から5万枚目までつねに良好な複写画
像を形成でき、しかもクリーニング性も最後まで良好で
あった。実施例3 静電式複写機(三田工業社製の型番DC−4055)用
のトナー粒子(平均粒径10.0μm)と、無機微粒子
としてのシリカ微粉末とを、それぞれ湿度30%RHの
低湿条件下で一昼夜放置して調湿した。つぎに、上記調
湿後のトナー粒子とシリカ微粉末とを、温度20℃、湿
度30%RHの低温、低湿条件下で、シリカ微粉末の添
加量がトナー量の0.3重量%となるように配合し、ヘ
ンシェルミキサーによって攪拌混合処理して電子写真用
トナーを作製した。
【0050】比較例3 処理の条件を温度25℃、湿度60%RHとしたこと以
外は、上記実施例3と同様にして電子写真用トナーを作
製した。比較例4 調湿していないトナー粒子とシリカ微粉末とを使用した
こと以外は、上記実施例3と同様にして電子写真用トナ
ーを作製した。
【0051】比較例5 処理の条件を温度20℃、湿度90%RHとしたこと以
外は、上記実施例3と同様にして電子写真用トナーを作
製した。上記各実施例、比較例の電子写真用トナーにつ
いて前記各試験を行い、その特性を評価した。結果を表
2に示す。なお表2において連続複写試験欄の符号は、
それぞれ前記表1と同様の状態を表す。
【0052】
【表2】
【0053】上記表2の結果より、低温、低湿条件を外
れた条件下で処理を行った比較例3,5および調湿しな
かった比較例4のトナーは、いずれも、初期の平均付着
力が1.0×10-7Nを上回っており、連続複写1〜2
万枚目あたりから、クリーニング性が急激に悪化してク
リーニング不良が発生した。これは、シリカ微粉末のト
ナー粒子への付着力が弱いため、連続複写を行うこと
で、シリカ微粉末がトナー粒子の表面から脱落して、平
均付着力が初期値よりさらに上昇したためと考えられ
る。また比較例4,5においては、連続複写2万枚目あ
たりから、脱落したシリカ微粉末の凝集に伴うとみられ
るトナーボタルも発生した。
【0054】これに対し低温、低湿条件で処理を行っ
た、平均付着力が1.0×10-7N以下である実施例3
は、連続複写1枚目から5万枚目までつねに良好な複写
画像を形成でき、しかもクリーニング性も最後まで良好
であった。実施例4 静電式複写機(三田工業社製の型番DC−4055)用
のトナー粒子(平均粒径10.0μm)と、無機微粒子
としてのシリカ微粉末とを、それぞれ湿度30%RHの
低湿条件下で一昼夜放置して調湿した。つぎに、上記調
湿後のトナー粒子とシリカ微粉末とを、温度20℃、湿
度30%RHの低温、低湿条件下で、シリカ微粉末の添
加量がトナー量の0.3重量%となるように配合し、ヘ
ンシェルミキサーによって、攪拌速度2000r.p.m.、
攪拌時間7分の条件で攪拌混合処理して電子写真用トナ
ーを作製した。
【0055】実施例5 ヘンシェルミキサーによるトナー粒子とシリカ微粉末の
攪拌混合処理の条件を、攪拌速度3000r.p.m.、攪拌
時間5分としたこと以外は、上記実施例4と同様にして
電子写真用トナーを作製した。比較例6 シリカ微粉末の添加量を、トナー量の0.1重量%とし
たこと以外は、上記実施例5と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0056】比較例7 シリカ微粉末の添加量を、トナー量の0.5重量%とし
たこと以外は、上記実施例4と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。上記各実施例、比較例の電子写真用ト
ナーについて、前記各試験と、以下の測定とを行い、特
性を評価した。
【0057】分散度測定 シリカ微粉末で処理したトナーの表面を電子顕微鏡を用
いて写真撮影し、その写真を画像解析装置によって解析
して、トナー表面1μm2 あたりのシリカ微粉末の凝集
物の個数を計数し、分散度とした。結果を表3に示す。
なお表3において連続複写試験欄の符号は、それぞれ前
記表1と同様の状態を表す。
【0058】
【表3】
【0059】上記表3の結果より、分散度が10個/μ
2 未満である比較例6は、初期の平均付着力が1.0
×10-7Nを上回っており、連続複写5千枚目あたりか
ら、クリーニング性が急激に悪化してクリーニング不良
が発生した。また分散度が100個/μm2 を上回って
いる比較例7のトナーは、平均付着力が1.0×10 -8
N未満で、感光体に対する付着力が小さ過ぎるため、連
続複写2千枚目あたりからトナー飛散が発生した。
【0060】これに対し、分散度が10〜100個/μ
2 の範囲内で、かつ平均付着力が1.0×10-7N以
下である実施例4,5のトナーは、いずれも連続複写1
枚目から5万枚目までつねに良好な複写画像を形成で
き、しかもクリーニング性も最後まで良好であった。
【0061】
【発明の効果】上記構成からなる本発明によれば、種々
の画像不良を発生するおそれがなく、しかも安定したク
リーニング性能を有する電子写真用トナーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの平均付着力を測定するための、遠心分
離による粒子付着力測定法を説明する概略図である。
【図2】上記遠心分離による粒子付着力測定法におい
て、遠心力による分離率(%)と毎分回転数(r.p.m.)
との関係を一例を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー像転写後の感光体表面のクリーニン
    グに、当該感光体表面に当接させたクリーニングブレー
    ドを用いる電子写真法に使用される電子写真用トナーで
    あって、トナー量の0.1〜1.0重量%の無機微粒子
    で表面を処理してなり、遠心分離による粒子付着力測定
    法により、下記計算式: fad=M・r・(2n50π/60)2 〔式中Mはトナー粒子1個あたりの平均質量(kg)、r
    は回転半径(m)、n50は遠心力による分離率が50%
    の時の毎分回転数(r.p.m.)を表す。〕で求められる平
    均付着力(fad)が1.0×10-7N以下であることを
    特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】トナー像転写後の感光体表面のクリーニン
    グに、当該感光体表面に当接させたクリーニングブレー
    ドを用いる電子写真法に使用される電子写真用トナーで
    あって、無機微粒子で表面を処理してなり、トナー表面
    に付着した無機微粒子の凝集物の、単位面積あたりの個
    数で表される、無機微粒子のトナー表面における分散度
    が10〜100個/μm2 で、かつ遠心分離による粒子
    付着力測定法により、前記計算式から求められる平均付
    着力(fad)が1.0×10-7N以下であることを特徴
    とする電子写真用トナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000221726A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Tomoegawa Paper Co Ltd 電子写真用トナー
JP2009109815A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Canon Inc トナー
JP2019168531A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法

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