JPH06130714A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH06130714A
JPH06130714A JP4280352A JP28035292A JPH06130714A JP H06130714 A JPH06130714 A JP H06130714A JP 4280352 A JP4280352 A JP 4280352A JP 28035292 A JP28035292 A JP 28035292A JP H06130714 A JPH06130714 A JP H06130714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
wax
softening point
weight
linear polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4280352A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatake Inoue
雅偉 井上
Koichi Tsuyama
浩一 津山
Takeshi Arakawa
健 荒川
Yoshiteru Hatase
芳輝 畑瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP4280352A priority Critical patent/JPH06130714A/ja
Publication of JPH06130714A publication Critical patent/JPH06130714A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着性にすぐれ、しかも十分な耐オフセ
ット性、流動性を有する電子写真用トナーを提供する。 【構成】 低温定着性にすぐれた線状ポリエステルを定
着用樹脂として使用するとともに、離型剤として、上記
線状ポリエステルと同レベルの軟化点を有するワックス
と、線状ポリエステルより軟化点の高いワックスとを、
所定の割合で併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、より詳細には、静電式複写機やレーザービームプリ
ンタ等の、電子写真法、静電印刷法、静電記録法を応用
した画像形成装置に使用される電子写真用トナーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記画像形成に際しては、まず電子写真
用トナーを含む現像剤を、内部に磁極を備えた現像スリ
ーブの外周に保持させて、いわゆる磁気ブラシを形成す
る。つぎにこの磁気ブラシを、帯電、露光によって表面
に静電潜像が形成された感光体に摺接させる。そうする
と、電子写真用トナーが静電潜像に静電付着して、静電
潜像がトナー像に顕像化される。つぎにこのトナー像
を、感光体表面から紙上に転写し、さらに定着ローラに
よって加熱、加圧して紙上に定着させると、静電潜像に
対応した画像が紙の表面に形成される。
【0003】上記画像形成に使用される電子写真用トナ
ーとしては、定着用樹脂中に、カーボンブラック等の着
色剤や電荷制御剤、離型剤等を配合し、これを所定の粒
度に造粒したものが用いられる。電子写真用トナーに要
求される特性として、紙への定着温度が比較的低いこと
(低温定着性にすぐれること)、定着ローラに付着しな
いこと(耐オフセット性にすぐれること)、凝固したり
固着したりしないこと(耐ブロッキング性にすぐれるこ
と)、キャリヤや現像スリーブに融着しないこと(耐ス
ペント性にすぐれること)、感光体表面に融着しないこ
と(耐フィルミング性にすぐれること)等があげられ
る。
【0004】このうち低温定着性と、その他の特性とは
相反しており、低温定着性は、定着用樹脂のガラス転移
温度等の熱的特性を低温化する程、また定着用樹脂の分
子量を低分子量化する程に向上するが、他の特性は、定
着用樹脂の熱的特性を高温化する程、また定着用樹脂の
分子量を高分子量化する程に向上する。したがって従来
のトナーにおいては、上記の相反する特性を両立させる
べく、定着用樹脂として、高分子量の成分と低分子量の
成分とを含むいわゆるダブルピークの定着用樹脂を使用
することが、一般的に行われている。
【0005】また、トナーの耐オフセット性を向上する
ため、従来のトナーには、低分子量ポリプロピレンやポ
リエチレンといったポリオレフィンワックスが、離型剤
(オフセット防止剤)として配合されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近の動向として、複
写機のより一層の高速化、省エネルギー化が要請され、
これに対処すべく、従来よりさらに低温定着性にすぐれ
たトナーの開発が求められている。低温定着性に優れた
トナーを得るには、定着用樹脂の軟化点を低下させれば
よいが、その場合には、たとえ前記ポリオレフィンワッ
クス等の離型剤が配合されていても、トナーの耐オフセ
ット性が低下してオフセットが発生するおそれがある。
【0007】離型剤の含有量を増加させて耐オフセット
性の低下を補おうとすると、非常に多量の離型剤を添加
する必要があり、その場合には、トナーの流動性が低下
して現像性の低下やトナーの凝集・固着等の不具合を生
じ、形成画像に悪影響を及ぼす。このため、上記各特性
のバランスをとることを考慮すると、定着温度を十分に
下げられないのが現状である。
【0008】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、低温定着性にすぐれ、しかも十分な耐オフセ
ット性、流動性を有する電子写真用トナーを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、定着用樹脂および離型剤の
物性と、トナーに要求される各特性との関係について種
々検討を行った。その結果、定着用樹脂として、軟化点
が80〜120℃(従来は115〜140℃程度)、ガ
ラス転移点が45〜65℃と低く、低温定着性にすぐれ
た線状のポリエステルを使用するとともに、離型剤とし
て、上記線状ポリエステルと同程度の軟化点を有するワ
ックスと、線状ポリエステルより軟化点の高いワックス
とを併用すると、この2種類のワックスが互いの欠点を
補いあって、低温定着性にすぐれ、しかも十分な耐オフ
セット性、流動性を有する電子写真用トナーが得られる
ことを見出した。
【0010】すなわち線状ポリエステルと同程度の軟化
点を有するワックスはトナーの耐オフセット性を向上さ
せるが、これを単独で、離型剤として必要な量だけトナ
ーに含有させると、トナーの流動性が低下する。一方、
線状ポリエステルより軟化点の高いワックスは、トナー
の流動性を低下させるおそれはないが、これを単独で、
離型剤として必要な量だけトナーに含有させると、耐オ
フセット性が不十分になる。
【0011】ところがこの両者を併用し、両者の合計量
が、離型剤としてトナーに必要なワックスの量となるよ
うに、その配合量を調整すると、低温定着性にすぐれ、
しかも十分な耐オフセット性、流動性を有する電子写真
用トナーが得られるのである。そこで本発明者らは、上
記両ワックスの配合割合等についてさらに検討を行った
結果、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明の電子写真用トナーは、軟
化点が80〜120℃、ガラス転移点が45〜65℃の
線状ポリエステルを定着用樹脂として含有するととも
に、離型剤として、軟化点が80〜110℃のワックス
(A)と、軟化点が140〜160℃のワックス(B)
とを重量比でA/B=1/1〜1/5の範囲内で、かつ
上記両ワックスを、定着用樹脂100重量部に対して、
合計量で1〜10重量部の範囲内で含有することを特徴
とする。
【0013】上記構成からなる、本発明の電子写真用ト
ナーは、定着用樹脂として、従来のものより軟化点、ガ
ラス転移点等の熱的特性が低温化された線状ポリエステ
ルを使用しているので、低温定着性にすぐれている。ま
た本発明のトナーは、離型剤として、上記線状ポリエス
テルと同程度の軟化点を有するワックス(A)と、線状
ポリエステルより軟化点の高いワックス(B)とを併用
しているので、前記のように、十分な耐オフセット性、
流動性を有するものとなる。
【0014】本発明においては、前記のように線状ポリ
エステルの軟化点が80〜120℃、ガラス転移点が4
5〜65℃に限定される。線状ポリエステルの軟化点が
80℃未満、またはガラス転移点が45℃未満の場合、
貯蔵中や現像器内部でトナーがブロッキングするという
問題を生じる。また軟化点が120℃を超えるか、また
はガラス転移点が65℃を超えた場合には、トナーの定
着温度を十分に低くできず、低温定着性にすぐれたトナ
ーが得られないという問題を生じる。なお線状ポリエス
テルの軟化点は、上記範囲の中でも90〜110℃の範
囲内であるのが好ましく、97〜102℃前後であるの
がより好ましい。また線状ポリエステルのガラス転移点
は、上記範囲の中でも50〜61℃の範囲内であるのが
好ましく、53〜57℃前後であるのがより好ましい。
【0015】本発明に使用される線状ポリエステルとし
ては、たとえばエチレングリコール等の2価のアルコー
ル成分と、テレフタル酸等の2価の酸成分とを縮合反応
させて得られた、直鎖状構造を有する従来公知の種々の
ポリエステルの中から、平均分子量等を制御すること
で、軟化点が80〜120℃の範囲内、ガラス転移点が
45〜65℃の範囲内に調整された種々の線状ポリエス
テルを使用することができる。
【0016】上記線状ポリエステルの好適な具体例とし
ては、これに限定されるものではないが、たとえば下記
一般式(1) :
【0017】
【化1】
【0018】(式中R1 ,R2 は、同一または異なって
2価の有機基を示す)で表されるアルコール成分と、下
記一般式(2) :
【0019】
【化2】
【0020】で表されるフタル酸誘導体との反応生成物
があげられる。線状ポリエステルの、軟化点、ガラス転
移点以外の他の特性は、本発明ではとくに限定されない
が、たとえば上記一般式(1) で表されるアルコール成分
と、一般式(2) で表されるフタル酸誘導体との反応生成
物の場合、酸価が5〜25程度、水酸基価が15〜40
程度、ゲルパーミェーションクロマトグラフにより求め
られる数平均分子量Mn=4500〜5500程度、重
量平均分子量Mw=10000〜20000程度で、か
つ架橋度を示すゲル分率(クロロホルム不溶分)が0%
であるのが好ましい。
【0021】離型剤のうちワックス(A)の軟化点は8
0〜110℃に限定される。ワックス(A)の軟化点が
80℃未満では、貯蔵中や現像器内部でトナーがブロッ
キングするという問題を生じる。また軟化点が110℃
を超えた場合には、トナーの耐オフセット性が悪化する
という問題を生じる。なおワックス(A)の軟化点は、
上記範囲の中でも90〜100℃の範囲内であるのが好
ましく、95℃前後であるのがより好ましい。
【0022】上記ワックス(A)としては、たとえばフ
ィッシャー・トロプシュ法による石炭からの合成石油の
合成に際する副生成物として得られる、直鎖飽和炭化水
素の混合物等があげられる。ワックス(A)の他の特性
はとくに限定されないが、上記直鎖飽和炭化水素の混合
物の場合、平均的な分子式がC57116 、凝固点が86
〜90℃程度、ワックスの硬度を示す針入度(100
g、54℃、5sec.)が3mm以下程度であるのが好まし
い。
【0023】一方、ワックス(B)の軟化点は140〜
160℃に限定される。ワックス(B)の軟化点が14
0℃未満では、トナーの流動性が低下するという問題を
生じる。また軟化点が160℃を超えた場合には、トナ
ーの耐オフセット性が悪化するだけでなく、トナーの定
着温度を十分に低くできないため、低温定着性にすぐれ
たトナーが得られないという問題を生じる。なお、ワッ
クス(B)の軟化点は、上記範囲の中でも145〜15
5℃の範囲内であるのが好ましく、151℃前後である
のがより好ましい。
【0024】上記ワックス(B)としては、たとえば低
分子量ポリプロピレンやポリエチレンといった通常のポ
リオレフィンワックスがあげられる。ワックス(B)の
他の特性はとくに限定されないが、ワックスの硬度を示
す針入度(100g、54℃、5sec.)が3mm以下であ
るのが好ましい。本発明においては、上記ワックス
(A)とワックス(B)の配合割合が、重量比でA/B
=1/1〜1/5の範囲内に限定される。ワックス
(A)がワックス(B)より多くなって、両者の配合割
合A/Bが1/1を超えた場合にはトナーの流動性が低
下し、逆にワックス(B)の量がワックス(A)の5倍
を超え、両者の配合割合A/Bが1/5未満となった場
合には、トナーの耐オフセット性が低下し、トナーがオ
フセットし易いものになるという問題を生じる。
【0025】離型剤としてのワックス(A)とワックス
(B)の合計の配合量は、定着用樹脂100重量部に対
して、1〜10重量部の範囲内に限定される。離型剤の
合計の配合量が1重量部未満ではトナーの耐オフセット
性が不十分となり、10重量部を超えると貯蔵中や現像
器内部でトナーがブロッキングするという問題を生じ
る。
【0026】本発明の電子写真用トナーは、上記の定着
用樹脂と離型剤に、さらに着色剤、電荷制御剤等の添加
剤を配合し、これを適当な粒度に造粒することで製造さ
れる。着色剤としては、種々の着色顔料、体質顔料、導
電性顔料、磁性顔料、光導電性顔料等があげられる。こ
れらは用途に応じて、1種または2種以上の組み合わせ
で使用される。
【0027】着色顔料としては、以下にあげるものが好
適に使用される。黒色 ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマル、
ガスブラック、オイルブラック、アセチレンブラック等
のカーボンブラック、ランプブラック、アニリンブラッ
ク。
【0028】白色 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。赤色 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマ
ネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッド
D、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロー
ダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカー
ミン3B。
【0029】橙色 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK。黄色 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
プルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエ
ローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエロー
G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレー
キ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ。
【0030】緑色 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。青色 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
【0031】紫色 マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ。 体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワ
イト等があげられる。導電性顔料としては、導電性カー
ボンブラックやアルミニウム粉等があげられる。
【0032】磁性顔料としては、各種フェライト、たと
えば、四三酸化鉄(Fe3 4 )、三二酸化鉄(γ−Fe2
3 )、酸化鉄亜鉛(Zn Fe24 )、酸化鉄イットリウ
ム(Y3 Fe5 12)、酸化鉄カドミウム(Cd Fe
24 )、酸化鉄ガトリニウム(Gd3Fe5 4 )、酸化鉄
銅(Cu Fe24 )、酸化鉄鉛(Pb Fe12 19)、酸化鉄
ネオジム(Nd Fe O3 )、酸化鉄バリウム(Ba Fe12
19)、酸化鉄マグネシウム(Mg Fe24 )、酸化鉄マン
ガン(Mn Fe24 )、酸化鉄ランタン(La Fe O3 )、
鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等があげられる。
【0033】光導電性顔料としては、酸化亜鉛、セレ
ン、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等があげられ
る。着色剤は、定着用樹脂100重量部に対して1〜3
0重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用され
る。電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電性を制御するため
に配合されるもので、正電荷制御用と負電荷制御用の2
種がある。
【0034】正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基
性窒素原子を有する有機化合物、たとえば塩基性染料、
アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合
物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理され
た充填剤等があげられる。負電荷制御用の電荷制御剤と
しては、ニグロシンベース(CI5045)、オイルブラック
(CI26150 )、ボントロンS、スピロンブラック等の油
溶性染料;スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の
電荷制御性樹脂;カルボキシ基を含有する化合物(たと
えばアルキルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染
料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、ナフテン酸金属塩等
があげられる。
【0035】電荷制御剤は、定着用樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量
部の割合で使用される。トナーは、以上の各成分を乾式
ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によっ
て均質に予備混合して得られた混合物を、たとえばバン
バリーミキサー、ロール、一軸または二軸の押出混練機
等の混練装置を用いて均一に溶融混練した後、得られた
混練物を冷却して粉砕し、必要に応じて分級することで
製造される他、懸濁重合法等により製造することもでき
る。
【0036】トナーの粒径は、3〜35μmの範囲内、
好ましくは5〜25μmの範囲内が適当である。得られ
たトナーの表面には、疎水性シリカ微粉末等の無機微粒
子やフッ素樹脂粒子等の従来公知の表面処理剤をまぶし
て、流動性を向上させるようにしてもよい。
【0037】本発明の電子写真用トナーは、一成分現像
剤、二成分現像剤のいずれにも有用である。一成分現像
剤として使用する場合には、前記磁性顔料を配合した、
または配合しないトナーを、上記表面処理剤で処理して
現像剤とする。二成分現像剤として用いる場合には、表
面処理剤で処理したトナーを、キャリヤと混合して現像
剤とする。二成分現像剤のトナー濃度は2〜15重量%
であるのが好ましい。キャリヤとしては、ガラスビー
ズ、酸化または未酸化の鉄粉、フェライト粒子等の未被
覆キャリヤや、鉄、ニッケル、コバルト、フェライト等
の磁性体をアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステ
ル等のコーティングレジンで被覆した被覆キャリア、あ
るいは上記磁性体粉を樹脂中に分散させた分散型キャリ
ヤ等があげられる。キャリヤの粒径はとくに限定されな
いが、一般に50〜2000μm程度が好ましい範囲と
考えられている。
【0038】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例にもとづい
て説明する。実施例1 定着用樹脂としての線状ポリエステル100重量部に、
離型剤としてのワックス(A)1.5重量部、ワックス
(B)2.0重量部、着色剤としてのカーボンブラック
10重量部、および電荷制御剤としての含金属錯体染料
1.5重量部を混合し、溶融混練後、冷却、粉砕、分級
を行って、体積基準のメジアン径が10μmの電子写真
用トナーを作製した。ワックス(A)(B)の配合割合
A/Bは1/1.33であった。なお線状ポリエステル
およびワックス(A)(B)の特性は下記のとおりであ
る。 *線状ポリエステル 軟化点:Tm=97℃ ガラス転移点:Tg=58℃ 重量平均分子量:Mw=17000 数平均分子量:Mn=4800 酸価:9 水酸基価:35 ゲル分率(クロロホルム不溶分):0% *ワックス(A) 軟化点:Tm=95℃ 凝固点:86〜90℃ 針入度(100g、54℃、5sec.):1.4mm 平均分子量:794 *ワックス(B): 軟化点:Tm=151℃ 針入度(100g、54℃、5sec.):1.0mm実施例2 定着用樹脂として、下記の特性を有する線状ポリエステ
ル100重量部を使用したこと以外は、上記実施例1と
同様にして電子写真用トナーを作製した。 *線状ポリエステル 軟化点:Tm=102℃ ガラス転移点:Tg=61℃ 重量平均分子量:Mw=15000 数平均分子量:Mn=5000 酸価:20 水酸基価:18 ゲル分率(クロロホルム不溶分):0%比較例1 離型剤としてワックス(B)を配合せず、ワックス
(A)のみを3.0重量部配合したこと以外は、前記実
施例1と同様にして電子写真用トナーを作製した。
【0039】比較例2 離型剤としてワックス(A)を配合せず、ワックス
(B)のみを3.0重量部配合したこと以外は、前記実
施例1と同様にして電子写真用トナーを作製した。比較例3 離型剤としてのワックス(A)の配合量を2.0重量
部、ワックス(B)の配合量を1.0重量部としたこと
以外は、前記実施例1と同様にして電子写真用トナーを
作製した。ワックス(A)(B)の配合割合A/Bは1
/0.5であった。
【0040】比較例4 離型剤としてのワックス(A)の配合量を1.0重量
部、ワックス(B)の配合量を6.0重量部としたこと
以外は、前記実施例1と同様にして電子写真用トナーを
作製した。ワックス(A)(B)の配合割合A/Bは1
/6であった。比較例5 定着用樹脂として、下記の特性を有する低架橋型ポリエ
ステル100重量部を使用したこと以外は、前記実施例
1と同様にして電子写真用トナーを作製した。 *低架橋型ポリエステル 軟化点:Tm=128℃ ガラス転移点:Tg=58℃ 重量平均分子量:Mw=19000 数平均分子量:Mn=217000 酸価:16 水酸基価:30 ゲル分率(クロロホルム不溶分):2%比較例6 定着用樹脂として、下記の特性を有するスチレン−アク
リル系共重合体100重量部を使用したこと以外は、前
記実施例1と同様にして電子写真用トナーを作製した。 *スチレン−アクリル系共重合体 軟化点:Tm=125℃ ガラス転移点:Tg=60℃ 重量平均分子量:Mw=80000 数平均分子量:Mn=10000 上記各実施例、比較例のトナーについて、以下の各試験
を行った。
【0041】擦り定着率測定 各実施例、比較例で製造したトナーを、それぞれ、平均
粒径80μmのフェライトキャリヤ〔三田工業(株)製
のDC4585用〕と、トナー濃度が3.5%となるよ
うに配合して2成分系の現像剤を作製した。つぎにこの
現像剤を、定着ローラタイプの複写機〔三田工業(株)
製のDC4585〕に使用し、定着ローラの温度を13
0℃、150℃、170℃および190℃に設定して黒
べた原稿の複写を行った。
【0042】そして、得られた黒べた画像の画像濃度を
反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)によって
測定した後、この黒べた画像に、下記定着治具の綿布面
をあてがい、定着治具の自重によって綿布を黒べた画像
に圧接させつつ、当該定着治具を1秒間に10cmの間を
1往復の速度で5往復の擦り動作を行った。*定着治
具:直径50mmの軟鉄円柱(自重400g)の底面に、
綿布(マルセマ社製の商品名日光カラシ)を貼り付けた
もの。
【0043】そして、黒べた画像の、上記擦り動作を行
った部分の画像濃度を、上記反射濃度計で再度測定し
て、下記式により、トナーの擦り定着率(%)を求め
た。
【0044】
【数1】
【0045】画像濃度測定 各実施例、比較例で製造したトナーを、それぞれ、平均
粒径80μmのフェライトキャリヤ〔三田工業(株)製
のDC4585用〕と、トナー濃度が3.5%となるよ
うに配合して2成分系の現像剤を作製した。つぎにこの
現像剤を、定着ローラタイプの複写機〔三田工業(株)
製のDC4585〕にスタート現像剤として使用すると
ともに、現像剤に使用したのと同じトナーを補給用トナ
ーとして使用して、8万枚の連続複写を行った。なお定
着ローラの温度は170℃に設定した。
【0046】そして、複写1枚目と8万枚目の画像の黒
べた部の濃度を、前記反射濃度計によって測定した。トナー飛散の観察 上記8万枚の連続複写を行った後の複写機の内部を観察
し、トナー飛散量を目視にて判断して、下記の3段階で
評価した。
【0047】○:トナー飛散なし △:トナー飛散僅かにあり ×:トナー飛散ありトナー落下量測定 三田工業(株)製複写機の現像装置に使用されるトナー
ホッパを改造した、図1に示すトナー落下量試験機を使
用してトナーの落下量を測定し、その流動性を評価し
た。
【0048】図の装置は、試料トナーを載せるホッパ1
と、このホッパ1の底部開口11に配置されたトナー補
給ローラ2と、これらの下方位置に設けられた受皿3と
を有している。またトナー補給ローラ2は、表面に凹凸
を設けた直径20mmの金属製の円筒体であり、回転する
ことで、試料トナーをホッパ1から受皿3に落下させる
ように構成されている。そして、所定量のトナーをホッ
パ1上に載せ、トナー補給ローラ2を一定速度で回転さ
せて、一定時間の間に受皿3に落下するトナー量を求
め、トナーの流動性を評価するものである。今回の測定
では、ホッパ1上に載せるトナー量を20g、トナー補
給ローラ2の回転速度を毎分3回転、測定条件を20±
5℃、65%RH以下に設定し、5分間に受皿3に落下
するトナーの量を秤量した。
【0049】以上の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1のトナー落下量の結果より、離型
剤としてワックス(A)のみを配合した比較例1、およ
びワックス(A)(B)の配合割合A/Bを1/1より
ワックス(A)が多い側にシフトさせた比較例3のトナ
ーは、他のものに比べて流動性が悪いことがわかった。
また上記比較例1,3のトナーは、8万枚の連続複写に
よって画像濃度が著しく低下するとともに、トナー飛散
が発生した。この原因を検討するため複写機内部を観察
したところ、複写機の現像装置内でトナーが凝集してい
るのが観察された。そしてこのことからも、比較例1,
3のトナーが流動性に劣るものであることが確認される
とともに、流動性の低下にともなってトナーの現像性が
低下することも確認された。
【0052】さらに、擦り定着率の結果より、定着用樹
脂として軟化点が128℃の低架橋型ポリエステル使用
した比較例5、および軟化点が125℃のスチレン−ア
クリル系共重合体を使用した比較例6は、他のものに比
べて、定着温度130℃および150℃における擦り定
着率が悪く、このことから低温定着性が十分でないこと
がわかった。また離型剤としてワックス(B)のみを配
合した比較例2は、いずれの定着温度でもオフセットが
発生して、画像を形成することができなかった。さらに
ワックス(A)(B)の配合割合A/Bを1/5よりワ
ックス(B)が多い側にシフトさせた比較例4のトナー
は、低温での定着性か良かったが、定着温度が高くなる
とオフセットが発生して、画像を形成することができな
かった。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
温定着性にすぐれた線状ポリエステルを定着用樹脂とし
て使用するとともに、離型剤として、上記線状ポリエス
テルと同レベルの軟化点を有するワックス(A)と、線
状ポリエステルより軟化点の高いワックス(B)とを、
所定の割合で併用することにより、低温定着性にすぐ
れ、しかも十分な耐オフセット性、流動性を有する電子
写真用トナーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの流動性を評価する装置の概略斜視図で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 畑瀬 芳輝 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点が80〜120℃、ガラス転移点が
    45〜65℃の線状ポリエステルを定着用樹脂として含
    有するとともに、離型剤として、軟化点が80〜110
    ℃のワックス(A)と、軟化点が140〜160℃のワ
    ックス(B)とを重量比でA/B=1/1〜1/5の範
    囲内で、かつ上記両ワックスを、定着用樹脂100重量
    部に対して、合計量で1〜10重量部の範囲内で含有す
    ることを特徴とする電子写真用トナー。
JP4280352A 1992-10-19 1992-10-19 電子写真用トナー Pending JPH06130714A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4280352A JPH06130714A (ja) 1992-10-19 1992-10-19 電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4280352A JPH06130714A (ja) 1992-10-19 1992-10-19 電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06130714A true JPH06130714A (ja) 1994-05-13

Family

ID=17623810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4280352A Pending JPH06130714A (ja) 1992-10-19 1992-10-19 電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06130714A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0718703A2 (en) 1994-12-21 1996-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner for developing electrostatic image
EP0743565A2 (en) * 1995-05-16 1996-11-20 Tomoegawa Paper Co. Ltd. Electrophotographic toner and process for the production thereof
US6203959B1 (en) 1999-03-09 2001-03-20 Canon Kabushiki Kaisha Toner
WO2001037054A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-25 Mitsui Chemicals, Incorporated Composition de resine pour toners et toner
US7157199B2 (en) 2002-11-29 2007-01-02 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer including the toner, container containing the toner or the developer and method of producing the toner
JP2007316190A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法
JP2010142805A (ja) * 2009-12-22 2010-07-01 Mitsubishi Chemicals Corp 粉体分級方法
JP2012135760A (ja) * 2012-01-17 2012-07-19 Mitsubishi Chemicals Corp 粉体分級方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0718703A2 (en) 1994-12-21 1996-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner for developing electrostatic image
US5707771A (en) * 1994-12-21 1998-01-13 Canon Kabushiki Kaisha Toner for developing electrostatic image
EP0743565A2 (en) * 1995-05-16 1996-11-20 Tomoegawa Paper Co. Ltd. Electrophotographic toner and process for the production thereof
US5780197A (en) * 1995-05-16 1998-07-14 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Electrophotographic toner and process for the production thereof
EP0743565A3 (en) * 1995-05-16 1998-09-09 Tomoegawa Paper Co. Ltd. Electrophotographic toner and process for the production thereof
US6203959B1 (en) 1999-03-09 2001-03-20 Canon Kabushiki Kaisha Toner
WO2001037054A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-25 Mitsui Chemicals, Incorporated Composition de resine pour toners et toner
US6733941B1 (en) 1999-11-16 2004-05-11 Mitsui Chemicals, Inc. Resin composition for toner and toner
CN100395667C (zh) * 1999-11-16 2008-06-18 三井化学株式会社 用于调色剂的树脂组合物和调色剂
US7157199B2 (en) 2002-11-29 2007-01-02 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer including the toner, container containing the toner or the developer and method of producing the toner
US7323281B2 (en) 2002-11-29 2008-01-29 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer including the toner, container containing the toner or the developer and method of producing the toner
JP2007316190A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法
JP2010142805A (ja) * 2009-12-22 2010-07-01 Mitsubishi Chemicals Corp 粉体分級方法
JP2012135760A (ja) * 2012-01-17 2012-07-19 Mitsubishi Chemicals Corp 粉体分級方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04313762A (ja) 静電荷像用トナーの製造方法
US20060147830A1 (en) Electrophotographic toner containing polyalkylene wax or high crystallinity wax
JP5286842B2 (ja) 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH06332235A (ja) 電子写真用トナー
JPH06130714A (ja) 電子写真用トナー
JP2006267248A (ja) 静電荷像現像用トナー、およびその製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法
JP2780173B2 (ja) トナー
JP3863054B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH025070A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3157037B2 (ja) 電子写真用トナー及び製造方法
JP4035040B2 (ja) トナー及び二成分現像剤
JPH06118700A (ja) 電子写真用トナー
JPH058430B2 (ja)
JP3290273B2 (ja) 電子写真用トナー
JP3225093B2 (ja) 電子写真用二成分系トナー
WO2004077167A1 (ja) 電子写真用トナー及びそれを用いた現像方法
JP2604893B2 (ja) 電子写真用現像剤
JP3253379B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH04280255A (ja) 電子写真用トナー
JPS62196671A (ja) 静電荷像用トナ−
JPH0562327B2 (ja)
JPH0534966A (ja) 電子写真用トナー
JP2679516B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
JPH04280254A (ja) 電子写真用トナー
JP2644926B2 (ja) 電子写真用トナー