JP4385808B2 - 静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法に関する。
電子写真法は、潜像担持体(感光体)表面に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー画像を被記録体表面へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するために転写残存トナーがクリーニングされるものである。このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。さらに、一成分現像剤は、磁性粉を用い磁気力により現像剤担持体で搬送され、現像する磁性一成分現像剤と、磁性粉を用いず帯電ロール等の帯電付与により現像剤担持体で搬送され、現像する非磁性一成分現像剤とに分類することができる。
1980年代の後半から,電子写真の市場ではデジタル化をキーワードとして小型化、高機能化の要求が強く、フルカラー画質に関しては、高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。また、白黒画質についても同様に高画質を望まれるのと同時に高生産性、小型化、低コストが要求されている。高画質を達成する手段としては、デジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理を高速で行えることが挙げられている。これにより、文字と写真画像とを分離して制御することが可能となり、両品質の再現性が、アナログ技術に比べ大きく改善されている。
特に写真画像に関しては、階調補正と色補正とが可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。画像出力としては、光学系で作成された静電潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み、忠実再現を狙った活動が加速されている。また、一方では小型化のための部品点数の抑制、低コスト化のための消耗品の延命化も要求され、現像剤への高機能化、高信頼性が命題である。さらに、高生産性を達成するために、潜像担持体の速度は高速化が進んでおり、安定的な高画質を得るためには、現像、転写、定着、クリーニングの各プロセスの改善が非常に重要となってきている。また同時にトナー成分による他消耗品の延命機能など高機能化も重要となってきている。
特に転写工程においては、高画質化のために、現像されたトナー画像を忠実に転写する必要があるが、トナーを小径化することにより、転写性能が低下してしまう。そのため、小径トナーを使いこなすための様々な技術が報告されている。例えば、トナーを球形に近づけることで転写性能を向上させることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、確かにトナーを球形化することで転写効率は向上するが、一方で、僅かながら発生する転写残トナーによりクリーニング不良が発生してしまう。
上記に対し、これまで球形トナーをクリーニングさせる様々な手段が提案されている。例えば、ブレードを用いてクリーニングする場合では、転写残トナーが介在した状態での、感光体表面のブレードニップ部摩擦力をいかに抑制するかが重要であることから、ブレード表面に滑剤粒子を含有させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、確かに初期的にはクリーニング性が向上するが、長期使用においてブレードの表面の滑剤粒子は枯渇し、その結果クリーニング不良が発生してしまうことがある。また、クリーニングブレードに直流及び交流バイアス電圧を印加することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、転写残トナーの帯電量は、現像トナーの帯電量、転写条件、使用環境あるいは画像の種類によって異なってくるため、これだけでは完全にクリーニングすることはできない。むしろこのクリーニングバイアスによって、感光体表面の劣化が促進され、感光体ライフが低下してしまうことがある。
さらに、クリーニングブレードの感光体に対する圧接力を大きくすることが提案されているが(例えば、特許文献4参照)、初期的なクリーニング性能はこれで大きく向上するものの、ブレードの材質あるいは物性を考慮しなければ、逆にブレードの欠けが発生し、そこからクリーニング不良が発生してしまう。また、感光体として有機感光体を用いる限り、感光体の摩耗量が増加し、感光体ライフが低下してしまうことがある。
また、前記のように高画質化のためにトナー小径化による転写性能の向上を図るべくトナーの形状を球形に近づけた場合、よりクリーニングが困難になる為に、ブレードの線圧を高くすることで、より感光体上の転写残トナーを除去しやすくしている。しかしこれは、感光体やブレードの磨耗が著しく増加させる。
したがって、現像剤の帯電性能や維持性を低下させることなく、さらなるクリーニング性能の向上が必要である。特に、カラー画像においては、画像を転写させる方法として、中間転写体を用いる方法があるが、この場合、潜像担持体から中間転写体への1次転写、及び中間転写体から被記録体への2次転写と、2回の転写が必要となると同時に潜像担持体だけでなく、中間転写体に残存するトナーのクリーニング性能も重要になってくる。特に中間転写体は数色分の残存トナーをクリーニングする必要があるため要求は厳しくなる。さらにトナー4色それぞれに応じて潜像担持体及び現像剤担持体を置き、そこから中間転写体を介在し或いは直接被記録体へ転写するタンデム方式が、トータル転写効率やプリント速度といった点で有利である。しかしそれは同時に高速適性を有するクリーニング工程を有する必要がある。
そのため、現像剤側からも種々の検討がなされてきている。例えば、トナーに脂肪酸金属塩を添加することが提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法は、クリーニングブレードと感光体とのニップ部の摩擦力低減には効果を発揮するが、脂肪酸金属塩を添加することでトナーの帯電量が大きく低下し、その結果、現像時のかぶり、トナー飛散が発生しやすくなり、その結果画質が低下してしまうことがある。
また、トナーに高分子アルコールや高分子脂肪酸を添加する方法も提案されており、には炭素数30〜300の高分子アルコールを添加し、トナースポットの抑制が検討されている(例えば、特許文献6参照)。また、ブレードクリーニングにおいて高分子アルコールを種々の方法で添加することで感光体へのトナーや、トナーの構成材料の付着の抑制が検討されている(例えば、特許文献7、8参照)。これらはクリーニング時に高分子アルコールや高分子脂肪酸が感光体表面に潤滑皮膜を形成し、その皮膜により感光体上へのトナーやトナー構成材料のフィルミングを抑制していると説明されている。
しかし、この方法では十分な潤滑皮膜を形成させるには多量の添加量を要し、その場合はトナーの帯電不良や環境安定性の低下が新たに発生することが示されている(例えば、特許文献9参照)。その為、この方法においては使用する高分子アルコールや高分子脂肪酸の炭素数21〜29の範囲で使用することにより、少量の添加で感光体への潤滑皮膜の形成を容易にすることが提案されている。しかし、この方法においては該高分子アルコールや高分子脂肪酸は軟化しやすいため潤滑皮膜は形成されやすいが、同時に2成分現像剤のキャリアや1成分現像剤の現像スリーブ、帯電ブレードなどへの汚染が顕著になり、現像剤の帯電維持性が劣ってしまう。
そのため、少量の添加でより効果的にクリーニング助剤の機能を発現する方法が提案されている。例えば、添加するクリーニング助剤としての不定形粒子の帯電量をトナーよりも著しく低い帯電量に規定することで画像背景部に積極的に供給することが提案されている(例えば、特許文献10参照)。また、近年では経済性、省資源、環境安全の観点からクリーニング工程で回収されたトナーを現像器内にもどし、再度現像用トナーとして再利用する、いわゆるトナーリクレーム方式が注目されてきており、例えば、外部添加剤の粒径と個数比を規定することでリクレームにおける画質向上が提案されている(例えば、特許文献11参照)。
しかし、上記方法では、高画質化の為にトナー粒子の形状を球形に近づけた場合、充分なクリーニング補助機能を得られずにクリーニング不良が発生してしまう。また、脂肪酸金属塩を外添したトナーをリクレーム方式で使用することが提案されているが(例えば、特許文献12参照)、この方式は初期的にはクリーニング性と現像性を両立しているが、経時的な使用により徐々にトナーから脱離した脂肪酸金属塩が現像器内で蓄積、濃縮され、現像剤の帯電性が著しく低下し、カブリを発生してしまう。
そのため、高画質化のためにトナー粒子を球形に近づけたトナーを用いたリクレーム方式におけるクリーニング適性と長期にわたる現像性を両立することが問題となっている。
特開昭62−184469号公報 特開平4−212190号公報 特開平5−265360号公報 特開平4−001773号公報 特開2000−89502号公報 特開昭63−188158号公報 特開平6−282096号公報 特開平9−6049号公報 特開2001−42562号公報 特開2001−236384号公報 特開2002−196526号公報 特開2002−14488号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の課題を達成することを目的とする。すなわち、本発明は、クリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器内にもどし、トナーを再利用するトナーリクレーム方式において、長期に亘り、高転写効率による高画質の画像を得ることを目的とし、再利用トナーが含まれていても、クリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラやカブリなどの画質欠陥を防止できる静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像する現像剤、さらにそのような現像剤を用いた画像形成方法として、以下のような現像剤及び画像形成方法を用いることで、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。すなわち、
<1> 潜像担持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、該トナー画像を転写する転写工程、及び潜像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程により画像が形成され、該クリーニング工程で除去されたトナーを前記現像工程にもどすトナーリクレーム方式に用いる静電荷像現像用現像剤において、
前記静電荷像現像用現像剤はトナーとキャリアとから構成され、該キャリアの体積固有抵抗が1×10 12 〜1×10 16 Ω・cmであり、該トナーが形状係数SF1が120以上140未満のトナー粒子と、形状係数SF1が140以上である不定形粒子とからなり、前記不定形粒子の体積平均粒径が1〜10μmの範囲であり、該不定形粒子とキャリアとの間の帯電量をX、トナーとキャリアとの間の帯電量をYとするとき、0.5≦X/Y≦1.4であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
ここで、形状係数SF1は下記式(1)で表される粒子の形状係数の平均値である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)において、MLは各々の粒子の最大長を表し、Aは各々の粒子粒子の投影面積を表す。
<2> 前記不定形粒子が樹脂粒子であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用現像剤である。
<3> 前記不定形粒子が高分子アルコール粒子であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用現像剤である。
<4> 前記不定形粒子の添加量が0.5重量%以上20重量%以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の静電荷像現像用現像剤である。
<5> 前記不定形粒子の表面がトナー粒子表面と同一の外添剤を有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の静電荷像現像用現像剤である。
<6> 潜像担持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、該トナー画像を転写する転写工程、潜像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程、及び該クリーニング工程で除去されたトナーを現像工程にもどすトナーリクレーム工程を有する画像形成方法において、
前記現像剤が<1>に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
上記手段の作用効果について、説明すると以下のようになる。
トナーリクレーム方式に必要なトナー特性として重要なのは、リクレームトナーと現像器内のトナーとの間の帯電特性、粉体特性との差がある範囲内であることである。帯電特性差が大きい場合、現像器内におけるトナーと添加されたリクレームトナーとの相互帯電等の影響により帯電量分布が拡大し、トナーの飛び散り、カブリなどを生じる場合があり、粉体特性差が大きい場合には、現像器内における現像剤とリクレームトナーとの混合性が悪く、リクレームトナーが現像器外へ出てしまい、結果としてトナーの飛び散り、カブリなどを生じてしまう。
またトナーは一般に、大粒径トナーのほうが選択的に現像され、かつ転写されやすい。さらに転写工程においてはトナーは球形に近いほど転写されやすい。したがって、リクレームトナーは、現像器内のトナーに対し、小粒径であり、また不定形のものが多くなる傾向にある。このトナーを現像器に添加すると、現像剤中の現像、転写されやすいトナーは減少してしまうために、経時変化により転写性が低下する。従って、トナーリクレーム方式においては高転写効率を有するトナーが必要となる。
高転写効率を達成するためには、トナーを形状係数SF1を140未満にすることが有効であるが、該トナーには以下のような問題がある。すなわち、クリーニングブレードを用いてクリーニングを行う場合、転写されずに潜像担持体上に残存するトナー(転写残トナーという場合がある)が、クリーニングブレードによりブレードニップ部でせき止められて、該残存トナーによる積層部を形成する。その積層部においては、該残存トナーが粒径分離されており、ブレードに近づくほど、粒径が細かくなる。このため残留トナーは、ブレードニップ部で形状が揃いやすくなるために最密配置されやすく、ブレードニップ部での微小単位感光体表面あたりのトナー接触点数が多くなり、かつ、その1粒1粒のトナー摩擦力は同じ方向に向くため、クリーニング時にブレードが受ける力の総量はかなり大きくなる。その結果、ブレードが押し上げられたり、あるいはブレードエッジが欠けてトナーがブレードをすり抜けたりして、クリーニング不良が発生してしまう。
これに対し、前記トナーのクリーニング不良を発生させないように、例えばクリーニングブレードの線圧を上げることが考えられるが、クリーニングブレードと感光体との摩擦力はさらに大きくなるため、感光体表面の磨耗も著しくなり、感光体の寿命が短くなってしまう場合がある。
このため、形状係数SF1が140未満のトナーをクリーニングする為には、このトナーよりも不定形度の高い、具体的には形状係数SF1が140以上の不定形粒子をトナーとともにクリーニングブレードに進入させれば、トナーの最密配置を防止し、クリーニングブレード押し上げ力を抑制することができる。不定形粒子は不定形であることから転写されずに感光体上に残りやすく、そのためブレードニップ部に不定形粒子を配置できることから、トナーの転がりによるブレードの通過を防止することが可能であり、該トナーを用いてもクリーニング性能を確保することができ、結果としてクリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラやカブリなどの画質欠陥を防止できる。
さらに、クリーニングブレードニップ部でのトナーと感光体との摩擦力を低減させることにより、トナーを長期にわたり安定的にクリーニングすることができる。通常、クリーニングブレード表面に潤滑剤を供給し、感光体表面に潤滑面を形成させようとするには、トナーにその潤滑剤粒子を外部添加することが一般的であるが、ブレードニップ部での摩擦力を低減する効果を発揮させるためには、トナーへの潤滑剤粒子の添加量をかなり多くする必要があり、その結果トナーの帯電性を大きく低下させてしまう場合がある。
そこで、特定の不定形粒子に感光体とブレードニップ部との摩擦力を低減できる効果を付与すれば、トナーをより長期にわたり安定的にクリーニングすることができる。本発明者らは、トナーと不定形粒子の帯電量の関係を規定することで、リクレーム方式においても長期に渡って帯電特性に影響がなく、クリーニング不良の起こらない現像剤を見出した。
すなわち、不定形粒子は、クリーニングブレードによりトナーと共に回収され現像器中に戻り現像剤と共に攪拌される。そのときに現像剤中のトナーに含有される該不定形粒子と現像剤内のキャリアとの帯電量が現像器内のトナーとキャリアとの帯電量に対して低い、すなわちX/Y<0.5の場合、現像剤の帯電量を下げてしまい、機械内に飛散、非画像部へのカブリを生じてしまう。
また、現像剤中のトナーに含有される不定形粒子と現像剤内のキャリアとの帯電量が、現像器内のトナーとキャリアとの帯電量に対して高い、すなわちX/Y>1.4の場合、現像剤の帯電量を引き上げてしまい、結果として転写効率を低下させてしまう。
好ましくは、トナーと不定形粒子との表面外添構造をそろえることが好ましい。具体的には、トナーと同一の外添組成を表面構造が揃うよう、すなわち不定形粒子に同一の外添剤種を外添したものを混合して使用することが望ましい。これにより、不定形粒子が樹脂などの電荷交換能の低い材料であったとしても、他の外添剤によって十分に電荷交換することが可能となり、リクレームにより現像剤中に回収トナーと回収不定形粒子が追加されても現像剤の電荷分布が拡大されることなく、良好な画像品質を安定的に得ることができる。
その際、各表面積あたりの各外添剤被覆率がほぼそろうようにすることが好ましい。これらの構成により、現像剤中トナーとリクレームトナーとの相互帯電による電荷分布拡大を抑制するができ、さらに安定した帯電量推移による安定した画像品質を得ることができる。
ここでトナーと不定形粒子との各表面積あたりの各外添剤被覆率がほぼそろうように同一の外添剤種を外添するとは、下記式(2)で示されるCの値を外添するそれぞれの外添剤において、トナーと不定形粒子とでほぼそろうようにすればよい。すなわちトナーのCの値を1としたとき不定形粒子のCの値は0.8〜1.2が好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.1である。
C=A×(2π/√3)×(da/dt)×(ρa/ρt)÷100 ・・・式(2)
上記式(2)における記号は、各々以下の通りである。
C:外添剤重量/粒子重量
A:外添剤のトナー表面被覆率 [%]
da:外添剤の体積平均粒径 [μm]
dt:粒子の体積平均粒径(D50) [μm]
ρa:外添剤の真比重
ρt:粒子の真比重
またさらに、ブレードニップ部でのトナーと感光体との摩擦力を低減させることにより、形状係数SF1が120〜140のトナーを効率的にクリーニングすることができる。それには、前記不定形粒子に潤滑性を有する粒子を使用することが望ましい。潤滑剤は、ブレードエッジ部で堆積しクリーニング助剤として作用すると同時に感光体表面に潤滑面を形成し、ブレードニップ部での摩擦力を低減する効果を発揮する。
前記潤滑性を有する粒子としては、高分子アルコール等のアルコール類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリアルキレン類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸とアルコールとのエステル類、高級脂肪酸と金属塩との高級脂肪酸金属塩類等が挙げられ、好ましくは炭素数が50〜250の高分子アルコール類が潤滑性と、クリーニング性の面から好ましい。
上記により、クリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器内に戻し、トナーを再利用するトナーリクレーム方式においても、クリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラなどの画質欠陥を引き起こさせず、ブレードと感光体との摩擦低減による信頼性向上を、バランスよく達成できる電子写真用現像剤を得ることができた。
本発明によれば、上記のようにクリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラなどの画質欠陥を引き起こさせず、ブレードと感光体との摩擦低減による信頼性向上を、バランスよく達成できる。特にクリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器内にもどし、トナーを再利用するトナーリクレーム方式においても前記高画質画像を得るために、クリーニング性と長期にわたる現像性とを両立させることにより、画像ムラなどの画質欠陥を引き起こさせないようにする目的をバランスよく達成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<静電荷像現像用現像剤>
(トナー)
本発明に用いられるトナーは、トナー粒子と外部添加剤とからなり、該外部添加剤として、体積平均粒径1〜10μm、形状係数SF1が140以上の不定形粒子を含む。
−トナー粒子−
トナー粒子の製造方法の具体例としては、例えば結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を構成する重合性単量体を乳化重合し、形成された結着樹脂粒子分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を液中に分散させた各材料分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を構成する重合性単量体中に、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を溶解、分散させた後、水系媒体に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
これらの中で、形状制御性、粒度、および粒度分布の制御性、特に造粒時にせん断を伴わないため、粗微粉の発生を制御できる乳化重合凝集法が最適である。
以下、上記乳化重合凝集法について説明する。
乳化重合凝集法は、粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、及び着色剤を分散した着色剤分散液等を混合し、樹脂粒子、着色剤をトナー粒径に凝集させる工程(以下、「凝集工程」と称することがある)、樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し凝集体を融合しトナー粒子を形成する工程(以下、「融合工程」と称することがある)を含む。
上記凝集工程においては、互いに混合された樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び必要に応じて離型剤分散液中の各粒子が凝集して凝集粒子を形成する。該凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、該凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物が添加される。
前記融合工程においては、前記凝集粒子中の樹脂粒子が、そのガラス転移点以上の温度条件で溶融し、凝集粒子は不定形から球形へと変化する。このとき凝集粒子の形状係数SF1は140以上であるが、球形になるに従い小さくなり、所望の形状係数になった段階でトナーの加熱を中止することにより形状係数SF1を120以上140未満に制御することができる。その後、凝集物を水系媒体から分離、必要に応じて洗浄、乾燥させることによって、トナー粒子を形成する。
本願に用いられる好ましい結着樹脂の具体例としては、公知の樹脂材料が挙げられる。例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類:ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類:などの単量体の単独重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等が挙げられる。
これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
本発明におけるトナーには、キャリアとの帯電性を向上させるため、解離性ビニル系単量体を結着樹脂を構成する単量体とともに結着樹脂の重合時に含有させても良い。前記解離性ビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなど高分子酸、高分子塩基の原料となる単量体をいずれも使用することができる。重合体形成反応の容易性などから高分子酸が好適であり、中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を有する解離性ビニル系単量体が帯電量の制御性の観点から好ましい。なおこれら解離性ビニル系単量体は通常結着樹脂重合時に、共重合して、用いることができる。
本発明におけるトナーは、結着樹脂の重合時に連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましく、特に分子量分布が狭く、そのため高温時のトナーの保存性が良好になる点で好ましい。
本発明における前記結着樹脂には、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。
このような架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類;等が挙げられる。
本発明において、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。また、上記架橋剤のうち、本発明における架橋剤としては、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類などを用いることが好ましい。
前記架橋剤の好ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.1〜1.0重量%の範囲がより好ましい。
本発明におけるトナーに用いる樹脂は、重合性単量体のラジカル重合により製造することができる。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2'−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス-4-シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
また、トナー粒子の着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
また、本発明に用いられるトナー粒子には、必要に応じて離型剤や帯電制御剤が添加されてもよい。離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
ここで、乳化重合凝集法の凝集工程において、凝集剤として二価以上の電荷を有する無機金属塩を使用することができるが、具体的には塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硫酸銅、ポリ塩化アルミニウム等が挙げられる。
以上のようにして製造したトナー粒子の粒径は、体積平均粒径で2〜12μmの範囲であることが好ましく、3〜9μmの範囲であることがより好ましい。
前述のように、本発明に用いられるトナー粒子は、現像性・転写効率の向上、高画質化の観点から形状係数SF1が120以上140未満であることが必須である。トナー粒子の球形化度は、下記式(1)の形状係数ML2/Aを用いて表すことができる。本発明に用いられるトナー粒子の下記係数係数SF1の平均値は、125以上140未満の範囲であることより好ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)において、MLは各々の粒子の最大長を表し、Aは各々の粒子粒子の投影面積を表す。
形状係数SF1の平均値が、140以上になると、転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が発生する。また120未満ではクリーニングが困難となり、クリーニングブレードの寿命が短くなってしまう場合がある。
なお、前記形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した1000個のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
本発明に用いられるトナー粒子は、上記の形状係数SF1と粒径とを満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
トナーに添加される不定形粒子は、体積平均粒径が1〜10μmの範囲であり、形状係数SF1が140以上であり、帯電量がトナーに対して0.5〜1.4の範囲であること以外は特に規定されるものではなく、樹脂粒子や滑剤粒子、研磨剤粒子などが用いられる。
樹脂粒子の樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、代表的な樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。これらを粉砕などにより粒子化されたものを用いることができる。
研磨剤粒子としては、主に無機酸化物粒子が用いられる。材料種としては、公知の無機酸化物材料を用いることができるが、例えば、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、アルミナ、炭化ケイ素、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、窒化ホウ素、ピロリン酸カルシウム、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウム、等の研磨性粒子が挙げることができる。また、これらの複合材料を用いてもよい。
また、滑剤粒子としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪族アルコール、高分子アルコール、脂肪酸金属塩、球形シリカ等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物を併用してもよい。
これらの中でも、特にクリーニング性向上の為に感光体表面に潤滑面を形成する為には好ましくは滑剤粒子、特に好ましくは高分子アルコール粒子が用いられる。
高分子アルコールの炭素数は特に規定はないが、炭素数16〜150の高分子脂肪族アルコール等が好ましく用いられる。より好ましくは20〜120、さらに好ましくは30〜100の範囲である。
これらの粒子は単独で添加されてもよいが、2種以上併用しても良い。また添加量は特に規定されるものではないが、トナー粒子100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部である。
(帯電量比の算出方法)
トナーと不定形粒子との帯電量比X/Yは、不定形粒子を混合前に不定形粒子とキャリアの帯電量、トナーとキャリアの帯電量を測定しておいて算出することもできる。また、後述するチャージスペクトログラフ法により、トナーと不定形粒子を混合し、これにキャリアを混ぜて混合した後に画像解析によって、トナー−キャリア間、不定形粒子−キャリア間の帯電量を測定し、算出することができる。
前者の帯電量測定方法としては特に規定されるものではないが、代表的なものとして東芝社製TB200に代表されるようなブローオフ帯電量測定装置や、ホソカワミクロン社製「E−Spart Analyzer」、チャージスペクトログラフ法などが挙げられる。
また後者の測定は次のように行うことができる。例えば、トナー全体と不定形粒子それぞれの帯電ピークを識別する方法としては、チャージスペクトログラフ法で測定したトナーの軌跡をさらに画像解析によってQ/M分布を求め、その際粒子毎の形状評価も同時に行い、トナー全体のピーク値Q/M(TN)、及び不定形粒子由来のピーク値Q/M(PA)それぞれを求めることができる。
本発明におけるトナーは、不定形粒子を含むが、それ以外に他の粒子を用いることもできる。例えば、粉体流動性、帯電制御等の機能を担う、1次粒径が体積平均粒径で7〜40nmの小径無機酸化物を含むことが好ましい。小径無機酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸化物(酸化チタン、メタチタン酸化物等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カーボンブラック等を挙げることができる。
特に、体積平均粒径が15〜40nmの酸化チタンを用いることが、透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、安定した帯電性が得られる点で好ましい。
また、小径無機微粒子については、表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなる。表面処理としては、具体的に、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤による疎水化処理が好ましく用いられる。
さらに、当該小径無機酸化物及び前記不定形粒子以外に、付着力低減や帯電制御のため、体積平均粒径が20〜300nmの大径無機酸化物を添加することが好ましい。これらの大径無機酸化物微粒子としては、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸化合物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の微粒子が挙げられる。これらの中では、滑剤粒子や酸化セリウムを添加したトナーの精密な帯電制御を行う観点から、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸化合物から選ばれるものを用いること望ましい。
また、特にフルカラー画像などの高転写効率が要求される画像に置いては、上記シリカは、真比重が1.3〜1.9であり、体積平均粒径が80〜300nmである単分散球形シリカであることが好ましい。真比重を1.9以下に制御することにより、トナー粒子からの剥がれを抑制することができる。また、真比重を1.3以上に制御することにより、凝集分散を抑制することができる。当該単分散球形シリカの真比重は、1.4〜1.8の範囲であることがより好ましい。
前記単分散球形シリカの体積平均粒径が80nm未満であると、トナーと感光体との非静電的付着力低減に有効とならない場合がある。特に、現像器内のストレスにより、単分散球形シリカがトナー粒子に埋没しやすくなり、現像性、転写性向上効果が著しく低減しやすい。一方、300nmを超えると、トナー粒子から離脱しやすくなり、前記非静電的付着力低減に有効に働かないと同時に、接触部材に移行しやすくなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こしやすくなる。当該単分散球形シリカの体積平均粒径は、100〜200nmであることがより好ましい。
前記単分散球形シリカは、単分散かつ球形であるため、トナー粒子表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果を得ることができる。上記単分散とは、凝集体を含め体積平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下のものをいう。また、球形とは、Wadellの球形化度で議論することができ、球形化度が0.6以上であるもので、0.8以上であることがより好ましい。
なお、球形化度は、Wadellの球形化度は下記式より求めた。
球形化度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
上記式において、分子(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)は、体積平均粒径から計算により求めた。また、分母(実際の粒子の表面積)は、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用い、BET比表面積より代用させた。
シリカが好ましい理由としては、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP表面への画像採取時のPE値(光透過性の指標)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
前記小径無機酸化物の添加量はトナー粒子100重量部に対し、0.5〜2.0重量部の範囲であることが好ましい。また、前記大径無機酸化物を前記不定形粒子以外に添加する場合、該大粒径無機酸化物の添加量は、トナー粒子100重量部に対し、1.0〜5.0重量部であることが好ましい。
本発明に用いられるトナー粒子は、形状係数SF1が120以上140未満であることから、上記無機酸化物を添加した効果も、不定形のトナー粒子の場合より優れたものとなる。すなわち、トナー粒子に同一量の無機酸化物を添加した場合、不定形のトナー粒子の場合に比べ、形状係数SF1が120以上140未満のトナー粒子のトナーの粉体流動性はかなり高いものとなり、その結果、トナー帯電量として同程度であっても、トナーは高い現像性、転写性を示すこととなる。
本発明に用いられるトナーは、前記トナー粒子及び不定形粒子を含む上記外部添加剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。また、不定形粒子とそれ以外の外部添加剤を混合した不定形粒子外添品と、トナー粒子と不定形粒子以外の外部添加剤を混合したトナー粒子外添品とをさらに混合してトナーとすることもできる。
(キャリア)
本発明の静電荷像現像用現像剤に使用し得るキャリアとしては、体積固有抵抗が1×1012〜1×1016Ω・cmのものをリクレームトナーとの電荷交換性による、帯電量分布の安定化の点から用る。より好ましくは5×1013〜1×1016Ω・cmである。体積固有抵抗が1×1012Ω・cm未満であるとキャリアの感光体表面への付着が発生する場合があり、1016Ω・cmを超えると電荷交換性が低く、リクレームトナーの帯電性が安定せず、トナー飛び散り、カブリ等を生じる場合がある。
またキャリアの製法としては特に制限はなく、例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またマトリックス樹脂に磁性粉末などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが好ましく、その抵抗調整のために、導電性微粉末を前記樹脂中に分散させることが好ましい。前記導電性微粉末としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10〜100μmの範囲であることが好ましく、25〜50μmの範囲であることがより好ましい。
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が採られる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材の粉末を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
(静電荷像現像用現像剤)
本発明の静電荷像現像用現像剤は、以上説明したトナーとキャリアとを混合することで製造される。当該現像剤における前記トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)は、トナー:キャリア=1:99〜20:80程度の範囲であることが好ましく、3:97〜12:88の範囲であることがより好ましい。
<画像形成方法>
以下に、本発明の画像形成方法について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を被記録体あるいは中間転写体の表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程と、クリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器へもどすリクレーム工程を含むものであって、前記現像剤として、本発明の静電荷像現像用現像剤を用いることを特徴とするものである。
前記潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよいが、ローラー状部材が好ましい。本発明の画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記現像工程とは、潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、前記潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本発明に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本発明の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
前記転写工程とは、潜像担持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に直接転写、或いは中間転写体に一度転写した画像を被記録体に再度転写して転写画像を形成する工程である。
潜像担持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被記録体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や潜像担持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを潜像担持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
前記クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を潜像担持体表面に直接接触させ、潜像担持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本発明の画像形成方法においては、クリーニング方式については少なくともブレードを有するクリーニング工程が好ましい。
前記リクレーム工程とはクリーニング工程で回収されたトナーを現像器中に添加する工程であれば特に限定されるものではない。例えばクリーニング工程で回収されたトナーを搬送コンベア、搬送スクリュー、空気輸送、自由落下、などを利用して現像器中に投入する工程である。また現像器中への投入方法も特に限定はされないが、例えば直接現像器内に添加してもよいし、補給用トナーホッパー、カートリッジへ添加されトナーと共に現像器中に追加されても良い。或いは補給用トナーと中間室で混合した後現像器中へ供給されても良い。
前記定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。本発明の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
なお、本発明の画像形成方法において、フルカラー画像を作製する場合には、複数の潜像担持体がそれぞれ各色の現像剤担持体を有しており、その複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程からなる一連の工程により、同一の被記録体表面に前記工程ごとの各色トナー画像が順次積層形成され、その積層されたフルカラーのトナー画像を、定着工程で熱定着する画像形成方法が好ましく用いられる。そして、前記電子写真用現像剤を、上記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した現像、転写、定着性能を得ることができる。
トナー画像を転写する被記録体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本発明の静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成方法によると、クリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器内にもどし、トナーを再利用するトナーリクレーム方式において、高転写効率による高画質の画像を得ることができ、クリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラやカブリなどの画質欠陥を引き起こさせず、ブレードと感光体との摩擦低減による信頼性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
<物性の測定方法>−
(トナー粒子、不定形粒子、不定形粒子の粒度分布)
本発明における粒度および粒度分布測定について述べる。本発明において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
また本発明において測定する粒子の粒径が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調製し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの粒径を、粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径(D50という場合がある)とした。
(トナー、樹脂粒子の分子量、分子量分布測定方法)
本発明の静電荷像現像用現像剤において、特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(離型剤の融点、トナーのガラス転移温度の測定方法)
本発明におけるトナーに用いられる離型剤の融点およびトナーのガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
(トナー、不定形粒子の帯電量の算出)
現像剤をチャージスペクトログラフで測定し、まずトナーの軌跡からトナー全体の帯電量Q/M(TN)を算出する。その後、顔料があり着色されているトナー粒子外添品と無白色である不定形粒子を画像解析により分離し、不定形粒子由来のもののみから不定形粒子の帯電量Q/M(PA)を算出する。
(画像濃度)
画像濃度計(X−Rite404A:X−Rite社製)を用いて測定した。
(キャリア体積固有抵抗)
キャリアの試料をセル(100mmφ、厚み1.0mm)の下部電極上に充填し、上部電極をセットし、その上から3.43kgの荷重を加えダイヤルゲージで厚みを測定した。次に、電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
<トナー粒子の製造>
(樹脂微粒子分散液の調製)
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、及びドデカンチオール24部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成社製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸ナトリウム3.5部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら、内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径が154nmであり、ガラス転移温度Tgが59℃、重量平均分子量Mwが15700の樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液が調製された。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液(1)の調製)
カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)60部、ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成社製)6部、及びイオン交換水240部を混合して溶解したものを、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散液(1)を調製した。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋社製、融点85℃)100部、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王社製)5部、及びイオン交換水240部を混合し、95℃に加熱して、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
(トナー粒子K1、トナー粒子外添品K1Aの作製)
樹脂微粒子分散液234部、着色剤分散液(1)30部、離型剤分散液40部、ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S)1.9部、及びイオン交換水600部を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら55℃まで加熱した。55℃で40分保持した後、体積平均粒径D50が5.0μmの凝集粒子が生成していることを確認した。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で2時間保持したところ、凝集粒子の体積平均粒径D50は6.2μmとなった。
その後、この凝集粒子を含む分散液に34部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を51℃にして30分間保持した。この凝集粒子を含む分散液に、1N水酸化ナトリウム液を加えることにより系のpHを7.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、3.5時間保持した。冷却後、反応生成物を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子K1を作製した。トナー粒子K1の体積平均粒径D50は6.6μm、形状係数SF1の平均値は134、真比重1.1であった。
このトナー粒子K1に外添処理すべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように下記式(2)で添加量を算出した。
C=A×(2π/√3)×(da/dt)×(ρa/ρt)÷100 ・・・式(2)
上記式(2)における記号は、各々以下の通りである。
C:外添剤重量/粒子重量
A:外添剤のトナー表面被覆率 [%]
da:外添剤の体積平均粒径 [μm]
dt:粒子の体積平均粒径(D50) [μm]
ρa:外添剤の真比重
ρt:粒子の真比重
すなわちトナー粒子K1:100部に対し、シリカ0.88部、酸化チタン0.42部である。これらトナー粒子K1:100部、シリカ0.88部、酸化チタン0.42部を5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K1Aを得た。
(トナー粒子K2、トナー粒子外添品K2Aの作製)
樹脂微粒子分散液234部、着色剤分散液(1)30部、離型剤分散液40部、ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Poso2S)1.0部、及びイオン交換水600部を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、体積平均粒径D50が4.7μmの凝集粒子が生成していることを確認した。さらに、加熱用オイルバスの温度を上げて55℃で1時間保持したところ、凝集粒子の体積平均粒径D50は5.3μmとなった。
その後、この凝集粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃にして30分間保持した。この凝集粒子を含む分散液に、1N水酸化ナトリウム液を加えることにより、系のpHを7.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、反応生成物を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子K2を作製した。トナー粒子K2の体積平均粒径D50は5.7μm、形状係数SF1の平均値は131、真比重1.1であった。
このトナー粒子K2をK1A同様に外添処理すべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように式(2)で添加量を算出した。それぞれの算出量を表1に示す。
トナー粒子K2:100部に対しシリカ、酸化チタンを表1のとおり添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K2Aを得た。
(トナー粒子K3、トナー粒子外添品K3Aの作製)
ポリエステル樹脂(テレフタル酸とビスフェノールAエチレンオキサイド付加物とシクロヘキサンジメタノールとから得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:62℃、数平均分子量Mn:13000、重量平均分子量Mw:34000)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)4部、及びカルナウバワックス7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機ターボクラシファイヤー(日清製粉製)で分級し、体積平均粒径D50が6.3μm、形状係数SF1の平均値が141、真比重1.1のトナー粒子K3を作製した。
このトナー粒子K3をK1A同様に外添処理すべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように式(2)で添加量を算出した。それぞれの算出量を表1に示す。
トナー粒子K3:100部に対しシリカ、酸化チタンを表1のとおり添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K3Aを得た。
(トナー粒子K4、トナー粒子外添品K4Aの作製)
ポリエステル樹脂(テレフタル酸とビスフェノールAエチレンオキサイド付加物とシクロヘキサンジメタノールとから得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:62℃、数平均分子量Mn:13000、重量平均分子量Mw:34000)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)4部、及びカルナウバワックス7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工製)で実施した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径D50が6.4μm、形状係数SF1の平均値が128、真比重1.1のトナー粒子K4を作製した。
このトナー粒子K4をK1A同様に外添するべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように式(2)添加量を算出した。それぞれの算出量を表1に示す。
トナー粒子K4:100部に対しシリカ、酸化チタンを表1のとおり添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K4Aを得た。
(トナー粒子K5、トナー粒子外添品K5Aの作製)
ポリエステル樹脂(テレフタル酸とビスフェノールAエチレンオキサイド付加物とシクロヘキサンジメタノールとから得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:62℃、数平均分子量Mn:13000、重量平均分子量Mw:33000)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)4部、及びカルナウバワックス7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機ターボクラシファイヤー(日清製粉製)で分級し、体積平均粒径D50が9.3μm、形状係数ML2/Aの平均値が140、真比重1.1のトナー粒子K5を作製した。
このトナー粒子K5をK1A同様に外添処理するべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように式(2)で添加量を算出した。それぞれの算出量を表1に示す。
トナー粒子K5:100部に対しシリカ、酸化チタンを表1のとおり添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K5Aを得た。
(トナー粒子K6、トナー粒子外添品K6Aの作製)
ポリエステル樹脂(テレフタル酸とビスフェノールAエチレンオキサイド付加物とシクロヘキサンジメタノールとから得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:62℃、数平均分子量Mn:13000、重量平均分子量Mw:33000)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)4部、及びカルナウバワックス7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工)で実施した後、風力式分級機ターボクラシファイヤー(日清製粉製)で分級し、体積平均粒径D50が9.0μm、形状係数ML2/Aの平均値が130、真比重1.1のトナー粒子K6を作製した。
このトナー粒子K6をK1A同様に外添処理するべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように式(2)で添加量を算出した。それぞれの算出量を表1に示す。
トナー粒子K6:100部に対しシリカ、酸化チタンを表1のとおり添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー粒子外添品K6Aを得た。
<不定形粒子の調製>
(不定形粒子A)
高分子アルコール(平均炭素数85の直鎖アルコール)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が8.1μm、真比重が1.0の不定形粒子Aを得た。
(不定形粒子A1)
前記不定形粒子Aを45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し不定形粒子A1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値は147、体積平均粒径D50は8.0μmであった。
(不定形粒子A2)
前記不定形粒子Aを外添処理するべく、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)について、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように前記式(2)で添加量を算出した。
すなわち不定形粒子A:100部に対し、シリカ0.40部、酸化チタン0.19部である。これら不定形粒子A:100部、シリカ0.40部、酸化チタン0.19部を5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し不定形粒子A2を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子A3〜A13)
前記不定形粒子A:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子A3〜A13を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子B)
高分子アルコール(平均炭素数120の直鎖アルコール)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が9.9μm、真比重が1.0の不定形粒子Bを得た。
(不定形粒子B1,B2)
前記不定形粒子B:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子B1〜B2を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子C)
高分子アルコール(平均炭素数50の直鎖アルコール)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が12.1μm、真比重が1.0の不定形粒子Cを得た。
(不定形粒子C1)
前記不定形粒子C:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子C1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子D)
高分子アルコール(平均炭素数210の直鎖アルコール)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が19.1μm、真比重が1.0の不定形粒子Dを得た。
(不定形粒子D1)
前記不定形粒子D:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子D1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子E)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体(モノマー比8:2、Tg=58℃、重量平均分子量=Mw:12500)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が8.2μm、真比重が1.1の不定形粒子Eを得た。
(不定形粒子E1)
前記不定形粒子Eを45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し不定形粒子E1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値は、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子E2〜E4)
前記不定形粒子E:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子E2〜E4を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子F)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体(モノマー比8:2、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=12500)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が5.2μm、真比重が1.1の不定形粒子Fを得た。
(不定形粒子F1)
前記不定形粒子Fを45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し不定形粒子F1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値は、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子F2〜F3)
前記不定形粒子F:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子F2〜F3を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子G)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体(モノマー比8:2、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=12500)80部とステアリン酸亜鉛20部とをバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して、体積平均粒径D50が5.2μm、真比重が1.1の不定形粒子Gを得た。
(不定形粒子G1)
前記不定形粒子Gを45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し不定形粒子G1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値は、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子G2〜G3)
前記不定形粒子G:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子G2〜G3を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子H)
高分子アルコール(平均炭素数100の直鎖アルコール)をバンバリーミキサーで混練したのち、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工製)で実施し、体積平均粒径D50が8.0μm、真比重が1.0の不定形粒子Hを得た。
(不定形粒子H1)
前記不定形粒子H:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子H1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
(不定形粒子I)
前記不定形粒子Hをさらにもう一度、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工製)で実施し、体積平均粒径D50が8.0μm、真比重が1.0の不定形粒子Iを得た。
(不定形粒子I1)
前記不定形粒子I:100部に対するシリカ、酸化チタンの被覆率と、その被覆率より式(2)を用いて算出された量を表2のようにした以外はA2の調整同様に不定形粒子I1を得た。そのときの形状係数SF1の平均値、体積平均粒径D50を表2に示す。
Figure 0004385808
Figure 0004385808
<キャリアの作製>
トルエン17部、スチレン−メタクリレート共重合体(成分比:25/75)3部、及びカーボンブラック(R330:キャボット社製)0.4部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて、カーボンブラックが分散した被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(体積平均粒径:38μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1015.5Ωcmであった。
<比較例1>
前記トナー粒子外添品K1A:100部に前記不定形粒子A1を0.5部を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速5m/sで1分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを作製した。また、上記キャリア92部と、このトナー8部とをV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで3Hzで5分振動篩にて篩分することにより電子写真用現像剤を作製した。
トナー全体の帯電量は53.9μC/g、不定形粒子A1の帯電量は2.7μC/gであった。
<実施例1〜17、比較例2〜17>
前記比較例1におけるトナー粒子と添加する不定形粒子とその添加量とを、表3のようにした以外は比較例1のようにしてトナーを作製し、それぞれ上記キャリア92部と、このトナー8部と、をV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより静電荷像現像用現像剤を作製した。そのときのトナー全体の帯電量と不定形粒子の帯電量とその比を表3に示す。
<実施例18>
前記トナー粒子K1:100部に、シリカ(気相酸化法により作製、体積平均粒径40nm、真比重2.2、シリコーンオイル処理)、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm、真比重4.2、n−デシルトリメトキシシラン処理)、それぞれ被覆率がシリカ20%、酸化チタン10%となるように前記式(2)で添加量を算出した。
すなわちトナー粒子K1:100部に対し、シリカ0.88部、酸化チタン0.42部である。これらトナー粒子K1:100部、シリカ0.88部、酸化チタン0.42部とさらに不定形粒子A0.5部を5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナーを作成した。このトナー8部と上記キャリア92部とをV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより電子写真用現像剤を作製した。そのときのトナー全体の帯電量と不定形粒子の帯電量とその比を表3に示す。
Figure 0004385808
<実機評価>
上記それぞれの現像剤を用い、クリーニング工程で回収されたトナーが現像器に戻るように回収されたトナーをためる回収ボックスから現像器までオーガーによって搬送、現像器へ投入されるように改造したDocu Centre Color 400CP(富士ゼロックス社製)を用い、以下の方法によりそれぞれの評価を行った。
(初期現像性及び初期転写性の評価)
低温低湿(10℃、20%RH)の環境下にて、各色ごとに5cm×2cmのソリッドパッチを現像させ、感光体表面の現像トナー画像を、テープ表面の粘着性を利用して転写し、その重量(W1)を測定した。次に、同様の現像トナー像を、紙(J紙:富士ゼロックスオフィスサプライ社製)表面に転写させ、その転写画像の重量(W2)を測定した。これらより、以下の式により転写効率を求め、転写性を評価した。
転写効率(%)=(W2/W1)×100
また、現像性はこの時のW1の重量により評価した。
−初期現像性評価基準−
・○:W1が4.5g/m2以上6.0g/m2未満
・△:W1が6.0g/m2以上6.5g/m2未満
・×:W1が6.5g/m2以上或いは4.5g/m2未満
−初期転写性評価基準−
・○:転写効率が90%以上
・△:転写効率が85%以上90%未満
・×:転写効率が85%未満
−初期転写ムラ評価基準−
・○:ハーフトーン画像に目視上ムラ無し
・×:ハーフトーン画像に目視できるムラ有り
結果を表4に示す。
(リクレーム時、クリーニング性/現像性/転写維持性の評価)
低温低湿(10℃、20%RH)環境にて、J紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)を使って画像密度10%で100000枚のプリントをとった後、前記同一方法、下記評価基準で現像性維持性/転写ムラ維持性の評価を行った。また、1〜100000枚プリント中のクリーニング不良発生有無や感光体の磨耗による画質劣化を確認した。さらに高温高湿(30℃、80%RH)環境で10000枚のプリントをとった後にトナークラウドを下記評価基準で確認した。
−現像性維持性評価基準−
・○:W1が4.5g/m2以上6.0g/m2未満
・△:W1が6.0g/m2以上6.5g/m2未満
・×:W1が6.5g/m2以上或いは4.5g/m2未満
−転写ムラ維持性評価基準−
・○:ハーフトーン画像に目視上ムラ無し
・×:ハーフトーン画像に目視できるムラ有り
−トナークラウド評価基準−
・○:帯電器や機内も汚れてなく、プリントサンプルも汚れていない。
・×:帯電器や機内も汚れが著しく、プリントサンプルも汚れていることが目視できる。
結果を表4に示す。
Figure 0004385808
上記のように、クリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラなどの画質欠陥を引き起こさせず、ブレードと感光体との摩擦低減による信頼性向上を、バランスよく達成できた。特にクリーニング工程で回収された転写残トナーを現像器内にもどし、トナーを再利用するトナーリクレーム方式においても前記高画質画像を得るために、クリーニング性と長期にわたる現像性とを両立させることにより、画像ムラなどの画質欠陥を引き起こさせないようにする目的をバランスよく達成できた。

Claims (2)

  1. 潜像担持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、該トナー画像を転写する転写工程、及び潜像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程により画像が形成され、該クリーニング工程で除去されたトナーを前記現像工程にもどすトナーリクレーム方式に用いる静電荷像現像用現像剤において、
    前記静電荷像現像用現像剤がトナーとキャリアとから構成され、該キャリアの体積固有抵抗が1×10 12 〜1×10 16 Ω・cmであり、該トナーは形状係数SF1が120以上140未満のトナー粒子と、形状係数SF1が140以上である不定形粒子とからなり、前記不定形粒子の体積平均粒径が1〜10μmの範囲であり、不定形粒子とキャリアとの間の帯電量をX、トナーとキャリアとの間の帯電量をYとするとき、0.5≦X/Y≦1.4であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  2. 潜像担持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、トナー画像を転写する転写工程、潜像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング工程、該クリーニング工程で除去されたトナーを現像工程にもどすトナーリクレーム工程を有する画像形成方法において、
    前記現像剤がトナーとキャリアとから構成され、該キャリアの体積固有抵抗が1×10 12 〜1×10 16 Ω・cmであり、該トナーは形状係数SF1が120以上140未満のトナー粒子と、形状係数SF1が140以上である不定形粒子とからなり、前記不定形粒子の体積平均粒径が1〜10μmの範囲であり、不定形粒子とキャリアとの間の帯電量をX、トナーとキャリアとの間の帯電量Yとするとき、0.5≦X/Y≦1.4である静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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