JPH06166915A - ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー - Google Patents

ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー

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JPH06166915A
JPH06166915A JP34316392A JP34316392A JPH06166915A JP H06166915 A JPH06166915 A JP H06166915A JP 34316392 A JP34316392 A JP 34316392A JP 34316392 A JP34316392 A JP 34316392A JP H06166915 A JPH06166915 A JP H06166915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
furnace
guide bar
fiber bundle
based carbon
Prior art date
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Pending
Application number
JP34316392A
Other languages
English (en)
Inventor
Kikuji Komine
喜久治 小峰
Yoshimasa Chiba
喜政 千葉
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉を一日以上
の長時間連続運転を行なっても、ピッチ繊維中に含有さ
れる軽質分の沈積を防止し、不融化時の、ピッチ繊維束
の融着や膠着、延いては糸切れや毛羽立ちを防止するこ
とのできる、ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガ
イドバーを提供する。 【構成】 不融化炉1内の、ピッチ繊維束を案内するた
めの炉内ガイドバー2は、少なくともその表面が、ピッ
チ繊維束に含有されたピッチの軽質分と親和性のない材
料、例えばテトラフルオロエチレン或はアルミナセラミ
ックにて作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般には、ピッチ系炭
素繊維の製造技術に関するものであり、特に、ピッチ系
炭素繊維製造用不融化炉においてピッチ繊維束を案内す
るための炉内ガイドバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油系ピッチ、石炭系ピッチ等の炭素質
ピッチから製造されるピッチ系炭素繊維は、現在最も多
量に製造されているレ−ヨン系やPAN系の炭素繊維に
比較して炭化収率が高く、弾性率等の物理的特性も優れ
ており、更に低コストにて製造し得るという利点を有し
ているために近年注目を浴びている。
【0003】現在、ピッチ系炭素繊維は、(1)石油系
ピッチ、石炭系ピッチ等から炭素繊維に適したピッチを
調製し、該ピッチを加熱溶融して紡糸機にて紡糸し、得
られたピッチ繊維を収束して繊維束となした後、(2)
前記ピッチ繊維束を不融化炉にて酸化性雰囲気下にて最
高温度250〜350℃までに加熱して不融化し、
(3)得られた不融化繊維を予備炭化炉で不活性ガス雰
囲気中にて最高温度400〜1500℃まで加熱して予
備炭化し、(4)予備炭化された繊維を更に黒鉛化炉に
て不活性ガス雰囲気下に3000℃以下にまで加熱して
黒鉛化すること、により製造されている。
【0004】又、上記の不融化、予備炭化、更には黒鉛
化の各工程は、繊維束とされたピッチ繊維をテンション
下で連続不融化し、連続予備炭化し、連続黒鉛化する方
法が用いられている。
【0005】このとき、不融化工程は、図1に示すよう
に、所定の温度に加熱された不融化炉内へとピッチ繊維
束を連続的に供給することにより実施されているが、不
融化炉は、その長さが10mにも達することがあり、そ
のために炉内には、未だ脆弱なピッチ繊維束を担持し案
内するためのガイドバーが0.5〜2m間隔にて配置さ
れている。ガイドバーは、従来、炉に回転自在に担持さ
れた黒鉛製、ステンレススチール製又はアルミニウム製
の、直径100mm程度のローラとされた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
構成の不融化炉は、一日以上の長時間連続運転を行なう
と、ピッチ繊維中に含有される軽質分が次第にガイドバ
ーに沈積し、ピッチ繊維束の融着や膠着がひどくなり、
糸切れや毛羽立ちが著しくなるという問題があった。
【0007】本発明者らは、この問題を解決するべく多
くの研究実験を行なった結果、ガイドバーを、少なくと
もその表面を、ピッチ軽質分と親和性のないもの、例え
ば、テトラフルオロエチレン(米国デュポン社、商標
「テフロン」)或はアルミナセラミックスにて形成する
ことにより、ピッチ繊維中の軽質分の付着量が減少し、
不融化時の糸切れが減少することを見出した。本発明は
斯かる新規な知見に基づきなされたものである。
【0008】従って、本発明の目的は、ピッチ系炭素繊
維製造用不融化炉を一日以上の長時間連続運転を行なっ
ても、ピッチ繊維中に含有される軽質分の沈積を防止
し、不融化時の、ピッチ繊維束の融着や膠着、延いては
糸切れや毛羽立ちを防止することのできる、ピッチ系炭
素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバーを提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバーにて
達成される。要約すれば本発明は、ピッチ系炭素繊維製
造用不融化炉においてピッチ繊維束を案内するための炉
内ガイドバーであって、少なくともその表面が、ピッチ
繊維束に含有されたピッチの軽質分と親和性のない材料
にて形成されたことを特徴とするピッチ系炭素繊維製造
用不融化炉の炉内ガイドバーである。より具体的には、
このガイドバーは、少なくともその表面が、テトラフル
オロエチレン或はアルミナセラミックスにて形成され
る。
【0010】
【実施例】次に、本発明のピッチ系炭素繊維製造用不融
化炉の炉内ガイドバーを図面を参照して説明する。
【0011】図1は、ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉
の一実施例を示す概略構成図であり、不融化炉1内には
単に炉内ガイドバー2のみを図示し、発熱体、その他の
構成部材は省略されている。
【0012】不融化炉1は、その長さが10mにも達す
ることがあり、従って、炉内には、未だ脆弱なピッチ繊
維束fを担持し案内するためのガイドバー2が0.5〜
2m間隔にて配置される。
【0013】本発明のガイドバー2は、炉1に回転自在
に設けても良いが、通常は回転せず、固定的に炉に設置
される。又、ガイドバー2は、直径5〜200mm、通
常は8〜50mmの円筒形状のものとすることができる
が、例えば、直径5〜200mmの円筒形状或は半月形
状として、ステンレススチール製或はアルミニウム製の
支持体に取り付けることもできる。
【0014】更に、本発明によれば、ガイドバー2は、
少なくともその表面が、ピッチ繊維束fに含有されたピ
ッチの軽質分と親和性のない材料にて形成される。より
具体的には、ガイドバーは、少なくともその表面が、テ
フロン或はアルミナセラミックスにて形成される。ガイ
ドバーの表面は、繊維束との親和性を更に低下させるた
め、梨地状に加工することもできる。
【0015】このように構成される不融化炉1内は、最
高温度250〜350℃の酸化性ガス雰囲気とされる。
従って、ピッチ繊維束fは不融化炉内を通糸されること
により、酸化性ガス雰囲気中で加熱して不融化される。
本発明の不融化炉1によれば、不融化時にピッチ繊維束
に含有されたピッチの軽質分がガイドバー表面へと付着
する量が減少し、不融化時の糸切れが防止される。
【0016】ピッチ繊維を不融化して得られた不融化繊
維は、次いで予備炭化炉へと送給され、窒素又はアルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気中で最高温度400〜1500
℃に加熱して予備炭化され、更に、必要に応じて、不活
性ガス雰囲気下で最高温度1500〜3000℃の所定
の一定温度に加熱されて黒鉛化され、炭素繊維(黒鉛繊
維)が得られる。
【0017】次に、本発明を実施例につきより具体的に
説明する。
【0018】実施例1 接触分解タールを原料として、熱分解重縮合により得た
光学的異方性相98%からなる、軟化点280℃の炭素
繊維用ピッチを、500孔の紡糸口金を有する溶融紡糸
機(ノズル孔:直径0.3mm)に通して紡糸した。
【0019】紡糸した500本のフィラメントは、エア
サッカーで略収束してオイルリングローラに導き、糸に
対して約0.1重量%の割合で収束用油剤を供給し、5
00フィラメントからなるピッチ繊維束の糸条を形成し
た。油剤としては25℃における粘度が14cstのメ
チルフェニルポリシロキサンキサンを使用した。
【0020】このピッチ繊維束を、ノズル下部に設けた
高速で回転するボビンに巻取り、約500m/分の巻取
り速度で10分間紡糸した。
【0021】次いで、ピッチ繊維束を巻いた前記ボビン
6個を解舒し、そしてオイルリングローラを使用して耐
熱性油剤を付与しながら合糸して、3000フィラメン
トからなるピッチ繊維束を形成し、他のボビンに巻取っ
た。
【0022】合糸時に油剤として25℃で40cstの
メチルフェニルポリシロキサン(フェニル基45モル
%)を使用した。付与量は糸に対して0.5%であっ
た。
【0023】このようにして得たボビン巻きのピッチ繊
維束をボビンから解除しつつ、酸化性ガス雰囲気として
酸素/窒素=60/40の富酸素雰囲気の、炉入口温度
190℃、最高温度300℃の温度勾配を持った、長さ
1.8mとされる不融化炉に連続的に線状で送給して、
ピッチ繊維束を不融化した。
【0024】不融化時の通糸速度は0.1m/分であ
り、不融化の時間は18分であった。不融化の際、ピッ
チ繊維は1フィラメント当たり0.007gのテンショ
ンが掛けられた。
【0025】この不融化に際し、不融化炉内の繊維束の
ガイドバーとして、直径16mmのテフロン製のガイド
バーを使用した。
【0026】本実施例では、5時間の連続運転を行なっ
たが、通糸時に毛羽立ちは見られなかった。得られた不
融化繊維の糸切れ状態を顕微鏡で調べたところ、測定長
5cm長さの繊維束の中には糸切れは全くなかった。
【0027】又、ガイドバーを取り出して調べたとこ
ろ、ガイドバーにはピッチ軟質分の付着及び蓄積は見ら
れなかった。
【0028】実施例2 不融化炉内のピッチ繊維束のガイドバーとして、直径1
6mmのアルミナセラミック製のガイドバーを使用した
以外は、実施例1と同様に処理した。
【0029】この場合、5時間の連続運転中において通
糸時の毛羽立ちは見られなかった。得られた不融化繊維
の糸切れは、測定長5cm中に2本見られた。
【0030】ガイドローラを取り出して調べたところ、
ガイドローラにピッチ中の軟質分の付着が極く僅かに見
られた。
【0031】比較例1 不融化炉内のピッチ繊維束のガイドバーとして、直径1
6mmの、表面が研磨された滑らかな黒鉛製ガイドバー
を使用した以外は、実施例1と同様に不融化処理を行な
った。
【0032】この場合、5時間の連続運転において、次
第に毛羽立ちが見られるようになった。得られた不融化
繊維の糸切れは、測定長5cm中に61本見られた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の炉内ガイ
ドバーは、少なくともその表面が、ピッチ繊維束に含有
されたピッチの軽質分と親和性のない材料にて形成され
るので、不融化炉を一日以上の長時間連続運転を行なっ
ても、ピッチ繊維中に含有される軽質分の沈積を防止
し、不融化時の、ピッチ繊維束の融着や膠着、延いては
糸切れや毛羽立ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するピッチ系炭素繊維製造用不融
化炉の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 不融化炉 2 ガイドバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉におい
    てピッチ繊維束を案内するための炉内ガイドバーであっ
    て、少なくともその表面が、ピッチ繊維束に含有された
    ピッチの軽質分と親和性のない材料にて形成されたこと
    を特徴とするピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガ
    イドバー。
JP34316392A 1992-11-30 1992-11-30 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー Pending JPH06166915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34316392A JPH06166915A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー

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JP34316392A JPH06166915A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー

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JPH06166915A true JPH06166915A (ja) 1994-06-14

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JP34316392A Pending JPH06166915A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ピッチ系炭素繊維製造用不融化炉の炉内ガイドバー

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