JPH06166451A - 用紙整合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドガイド（基準線）に突き当たったとき
に用紙に発生する回転モーメントを低減し、用紙が回転
しないようにする。 【構成】 斜め送りローラ１３ａ〜１３ｃのうち用紙搬
送方向の最上流側の斜め送りローラ１３ｃは他の２つの
斜め送りローラ１３ａ、１３ｂよりもサイドガイド１１
側に近い位置に配置されている。他の２つの斜め送りロ
ーラ１３ａ、１３ｂはそれぞれサイドガイド１１から同
距離の位置に配置されている。用紙１２がサイドガイド
１１に突き当たったときの回転中心Ａ（用紙１２の先端
面１２の角部）と斜め送りローラ１３ｃにより発生され
る搬送力が働く方向との間隔Ｌが従来の間隔に比べて短
くなり、発生する回転モーメントが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子複写機、プリンタ
等の画像形成装置内の用紙搬送装置に用いられる用紙整
合装置に係り、特に用紙搬送路の側部に用紙送りの基準
線としてのサイドガイド手段を配置するとともに、この
サイドガイド手段に向けて用紙を斜め送りする複数の斜
め送り手段を有し、用紙の一側端面を前記サイドガイド
手段において位置合わせをする用紙整合装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、画像形成装置では、用紙搬送路
に、画像と用紙の位置合わせのための基準線（設計の基
準）がある。すなわち用紙トレイ等の用紙収容部から送
り出されるカット紙は、用紙の側端面を用紙搬送路に設
けられたサイドガイド（基準線）に合わせた状態で搬送
され、画像形成部の直前において側端面が位置合わせさ
れ、その後画像形成部へ送り込まれる。また、この基準
線に合わせて用紙トレイの位置決めをして用紙側面の位
置合わせを行ったりしている。

【０００３】ところで、用紙搬送路には多くのローラが
配置され、これらローラや用紙搬送路を構成するガイド
板等と用紙との摩擦状態によっては、用紙の側端面が前
述の基準線に沿って搬送されない場合がある。

【０００４】そのため、従来の画像形成装置では、画像
形成部の直前位置に、たとえば特開昭５８−１０９３４
４号公報に開示された図９に示すような用紙整合装置を
配置している。

【０００５】この用紙整合装置は、用紙搬送路の側端面
位置に基準線としてのサイドガイド１を配置するととも
に、このサイドガイド１に対して用紙２を斜め送りする
ための複数たとえば３個の斜め送りローラ３ａ〜３ｃを
配置したものである。これら斜め送りローラ３ａ〜３ｃ
はそれぞれサイドガイド１から等距離になるように用紙
搬送方向に沿って１列に配置されている。なお、この距
離Ｌは用紙搬送力とサイドガイド１への突き当て力が適
正にバランスが取れるような値に設定される。

【０００６】この用紙整合装置の用紙搬送方向の上流側
には逆斜め送りローラ４が配置されている。この逆斜め
送りローラ４は用紙搬送方向に対して直交する方向に並
設された２つのローラ４ａ、４ｂにより構成されてお
り、サイドガイド１側の一方のローラ４ａが大径、他方
のローラ４ｂが小径となっている。すなわちこれらロー
ラ４ａ、４ｂを同時回転させることにより、用紙整合装
置の直前部において、用紙２をサイドガイド１から離間
する方向に斜め送りする。これにより用紙２の側端面２
ｂがサイドガイド１よりも外側に突出した状態で用紙搬
送路を搬送された場合に、その先端面２ａの角部Ａがサ
イドガイド１に突き当たり、用紙２が回転したり、その
角部Ａが折り曲げられたりする事態を防止するようにな
っている。

【０００７】この用紙整合装置では、逆斜め送りローラ
４によりサイドガイド１から離間する方向に斜め送りさ
れた用紙２は、斜め送りローラ３ｃにより今度はサイド
ガイド１側に斜め送りされる。ここで、上流部の搬送状
態のバラツキにより、斜め送りローラ３ｃにより斜め送
りされた用紙２の先端面２ａの角部Ａがサイドガイド１
に突き当る場合がある。このような場合、用紙２は斜め
送りローラ３ａ〜３ｃの用紙搬送力によりサイドガイド
１に倣って搬送される。このとき用紙２が座屈して損傷
したり、紙折れが発生しないよう斜め送りローラ３ａ〜
３ｃと用紙２がスリップするように、ローラの摩擦係数
を下げたり、斜め送りローラ３ａ〜３ｃ各々に対応する
図示しないアイドラローラとのニップ圧を下げるように
している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
用紙整合装置においては、上流側の逆斜め送りローラ４
による斜め送りの程度や用紙サイズ、用紙厚等のばらつ
きにより、用紙２の先端面２ａの角部Ａがサイドガイド
１に突き当たった場合に、斜め送りローラ３ａ〜３ｃの
搬送力により角部Ａを中心とした回転モーメントが働
き、その結果用紙２が回転する事態が発生することがあ
るという問題があった。

【０００９】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、サイドガイドに突き当たったときに発
生する回転モーメントを低減し、用紙が回転するおそれ
のない用紙整合装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
用紙搬送路の側部に用紙送りの基準線としてのサイドガ
イド手段を配置するとともに、このサイドガイド手段に
向けて用紙を斜め送りする複数の斜め送り手段を配置
し、用紙の一側端面を前記サイドガイド手段において位
置合わせする用紙整合装置において、前記複数の斜め送
り手段のうち、少なくとも用紙搬送方向の最上流部の斜
め送り手段を他の斜め送り手段よりも前記サイドガイド
手段側に近づけて配置したものである。

【００１１】この用紙整合装置では、少なくとも最上流
部の斜め送り手段が他の斜め送り手段よりもサイドガイ
ド手段側に近づけて配置されているため、その分用紙が
サイドガイド手段に突き当たったときの回転中心（用紙
の先端面の角部）と斜め送り手段により発生される搬送
力が働く方向との間隔が短くなり、その結果発生する回
転モーメントが低減される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１３】図１は本発明の一実施例に係る用紙整合装
置の平面構成を表すものである。この用紙整合装置は、
用紙搬送路の側端面位置に基準線としてのサイドガイド
１１を配置するとともに、このサイドガイド１１に対し
て用紙１２を斜め送りするための複数たとえば３個の斜
め送りローラ１３ａ〜１３ｃを配置したものである。図
７はこれら斜め送りローラ１３ａ〜１３ｃを取り出して
表すものである。なお、ローラの代わりに図８に表すよ
うなパドル部材２１を用いても良い。

【００１４】斜め送りローラ１３ａ〜１３ｃのうち用紙
搬送方向の最上流側の斜め送りローラ１３ｃは他の２つ
の斜め送りローラ１３ａ、１３ｂよりもサイドガイド１
１側に近い位置に配置されている。他の２つの斜め送り
ローラ１３ａ、１３ｂはそれぞれサイドガイド１１から
同距離の位置に配置されている。すなわち斜め送りロー
ラ１３ｃとサイドガイド１１との間の距離Ｌ₁ と、斜め
送りローラ１３ａ、１３ｂそれぞれとサイドガイド１１
との間の距離Ｌ（従来のものと同様）との関係がＬ₁ ＜
Ｌの関係に設定されている。なお、これらの距離Ｌ、Ｌ
₁ は用紙搬送力とサイドガイド１１への搬送力（突き当
て力）が適正にバランスが取れるような値に設定され
る。

【００１５】また、この用紙整合装置の用紙搬送方向の
上流側には大径のローラ１４ａおよび小径のローラ１４
ｂからなる逆斜め送りローラ１４が配置されており、用
紙整合装置の直前部において、用紙１２をサイドガイド
１１から離間する方向に斜め送りすることより用紙１２
の側端面１２ｂがサイドガイド１１よりも外側に突出し
た状態で用紙搬送路を搬送された場合に、その先端面１
２ｂの角部Ａがサイドガイド１１に突き当たる状態を防
止するようになっている。

【００１６】この用紙整合装置では、逆斜め送りローラ
１４により、一旦図１において下方向に向けて逆斜め送
りされた用紙１２を、斜め送りローラ１３ｃによりサイ
ドガイド１１方向へ向けて斜め送りする。斜め送りされ
た用紙１２は先端面１２ａの角部Ａがサイドガイド１１
に突き当る場合がある。この場合、用紙１２は、斜め送
りローラ１３ａ〜１３ａの用紙搬送力によりサイドガイ
ド１１に倣って図示しない画像形成部方向へ搬送され
る。

【００１７】図２は本実施例による用紙整合装置におけ
る用紙１２の突き当て時の状態を表すものである。斜め
送りローラ１３ｃによる用紙搬送力をＦ、この用紙搬送
力Ｆが働く方向と回転中心（用紙１２の先端面１２ａの
角部Ａ）との距離をｌ₁ とすると、斜め送りローラ１３
ｃにより用紙１２に働く回転モーメントＭ₁ は、次式で
表される。

【００１８】

【数１】Ｍ₁ ＝Ｆ・ｌ₁

【００１９】一方、図３は従来の用紙整合装置における
用紙２の突き当て時の状態を表すものである。斜め送り
ローラ３ｃによる用紙搬送力をＦ、この用紙搬送力Ｆが
働く方向と回転中心（用紙２の先端面２ａの角部Ａ）と
の距離をｌとすると、斜め送りローラ３ｃにより用紙２
に働く回転モーメントＭは、次式で表される。

【００２０】

【数２】Ｍ＝Ｆ・ｌ

【００２１】ここで本発明の斜め送りローラ１３ｃとサ
イドガイド１１との間の距離Ｌ₁ と、従来の斜め送りロ
ーラ３ｃとサイドガイド１との間の距離Ｌとの関係がＬ
₁ ＜Ｌの関係に設定されているため、ｌ₁ ＜ｌの関係と
なっている。したがってＭ₁＜Ｍの関係が成立する。す
なわち用紙１２に働く回転モーメントＭ₁ がＭに比べて
低減され、上流側の逆斜め送りローラ１４による斜め送
りの程度や用紙サイズ、用紙厚等にばらつきがあって
も、用紙１２が回転するようなことがなくなる。

【００２２】以上実施例を挙げて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要
旨を変更しない範囲で種々変形可能である。たとえば上
記実施例においては、斜め送りローラ１３ａ〜１３ｃの
うち最上流側の斜め送りローラ１３ｃのみをサイドガイ
ド１１に近づけて配置したが、図４に表すようにさらに
中間の斜め送りローラ１３ｂもサイドガイド１１に近づ
けて配置するようにしてもよい。また、斜め送りローラ
１３ａ〜１３ｃはそれぞれ同軸上の左右に１対設けられ
ているが、図５に表すように１対の斜め送りローラ１３
ｃをそれぞれサイドガイド１１に近づけるようにしても
よい。勿論、片方だけを近づけるようにしてもよい。

【００２３】また、図６は斜め送りローラ１３ｃを図２
の状態よりもさらにサイドガイド１１側へ近づけたもの
であり、この状態では用紙搬送力Ｆが働く方向と回転中
心（用紙１２の先端面１２ａの角部Ａ）との距離をｌ₂
とすると、用紙１２に作用する回転モーメントＭ₂ は次
式で表される。

【００２４】

【数３】Ｍ₂ ＝Ｆ・ｌ₂

【００２５】ここで、ｌ₂ はマイナスの値であるため、
回転モーメントＭ₂ もマイナスとなり、用紙１２が回転
することはない。但し、斜め送りローラ１３ｃをサイド
ガイド１１に近づけ過ぎると、その搬送力が低下するの
で、斜め送りローラ１３ｃとサイドガイド１１との間の
距離は回転モーメントが負にならない程度に設定するこ
とが好ましい。

【００２６】なお、上記実施例においては本発明を用紙
（カット紙）を搬送する用紙搬送装置に適用した例につ
いて説明したが、カット紙の他に原稿を搬送する原稿搬
送装置についても適用できるものであり、本明細書にお
いては「用紙」の用語には原稿も含むものとする。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、用
紙搬送路の側部に用紙送りの基準線としてのサイドガイ
ド手段を配置するとともに、このサイドガイド手段に向
けて用紙を斜め送りする複数の斜め送り手段を配置し、
用紙の一側端面を前記サイドガイド手段において位置合
わせする用紙整合装置において、複数の斜め送り手段の
うち、少なくとも用紙搬送方向の最上流部の斜め送り手
段を他の斜め送り手段よりもサイドガイド手段側に近づ
けて配置するようにしたので、その分だけ用紙に発生す
る回転モーメントが低減され、用紙の回転を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る用紙整合装置の構成
を表す平面図である。

【図２】 図１の用紙整合装置における回転モーメント
の発生状態を説明するための図である。

【図３】 従来の用紙整合装置における回転モーメント
の発生状態を説明するための図である。

【図４】 本発明の他の実施例を表す平面図である。

【図５】 本発明のさらに他の実施例を表す平面図であ
る。

【図６】 図２の用紙整合装置の変形例を説明するため
の平面図である。

【図７】 図１の用紙整合装置に用いる斜め送りローラ
を取り出して表す斜視図である。

【図８】 パドル部材を表す図である。

【図９】 従来の用紙整合装置の構成を表す平面図図で
ある。

【符号の説明】

１１…サイドガイド、１２…用紙、１３ａ〜１３ｃ…斜
め送りローラ、１４…逆斜め送りローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙搬送路の側部に用紙送りの基準線と
   してのサイドガイド手段を配置するとともに、このサイ
   ドガイド手段に向けて用紙を斜め送りする複数の斜め送
   り手段を配置し、用紙の一側端面を前記サイドガイド手
   段において位置合わせする用紙整合装置において、 前記複数の斜め送り手段のうち、少なくとも用紙搬送方
   向の最上流部の斜め送り手段を他の斜め送り手段よりも
   前記サイドガイド手段側に近づけて配置したことを特徴
   とする用紙整合装置。