JPH0616576U - 手摺ブラケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は手摺ブラケットに関し、手摺笠木への
負荷に対して高い変形抵抗力を発揮させることを目的と
する。 【構成】手摺ブラケットは、支持パイプ３の上端に挿入
され、基端部に支持パイプ内壁３ａへの圧接部４を備え
た差込み部５と、差込み部５の下端面に固定されるプッ
シュナット６とを有し、圧接部４とプッシュナット６の
圧接片６ｂとを支持パイプ３の内壁３ａに圧接させた状
態で支持パイプ３に装着される。プッシュナット６の圧
接片６ｂは、支持パイプ３の内壁３ａに楔状に圧接して
抜け止めが行われる。また、プッシュナット６は、平板
部６ａに設けられた矩形孔９を差込み部５側の回り止め
突起７に嵌合させた状態で固定されて位置決めされ、タ
ッピンネジ１０による固定作業時の位置ずれ等が防止さ
れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、手摺ブラケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の手摺ブラケットを図６に示す。この従来例において、手摺ブラケットは 図示しない設置基部に立設される支持パイプ３の上端に固定され、その上端に形 成された支持部２を保持溝１１に挿入して手摺笠木１を支持する。このブラケッ トは、下端に差込み部５を有し、支持パイプ３への装着は、上記差込み部５を支 持パイプ３の中空部に挿入して接着することにより行われる。なお、図６におい て１２は接着剤を示す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した従来例において、ブラケットは接着剤１２を使用して支持パ イプ３に固定され、しかも接着剤１２は、その靱性により初期応力に対して容易 に追随して変形（伸び）が生じやすいために、手摺笠木１に上方への負荷が加え られた際には、接着剤１２の靱性により脱離方向にずれて支持パイプ３とブラケ ットの鍔部１３との間に隙間が生じ、美観を損なう上に、接着剤１２の塗布量も 正確に管理することができないために、接着強度にもばらつきが生じるという欠 点を有するものであった。

【０００４】 本考案は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、手摺笠木への負荷 に対して高い変形抵抗力を有し、かつ、高い設置強度を得ることのできる手摺ブ ラケットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば上記目的は、実施例に対応する図１に示すように、 手摺笠木１の支持部２と、 角パイプ状の支持パイプ３の上端に挿入され、基端部に該支持パイプ内壁３ａ への圧接部４を備えた差込み部５と、 差込み部５の下端面に固定される平板部６ａの側縁から複数の圧接片６ｂを突 設して形成され、支持パイプ３への挿入時に圧接片６ｂを上方に向けて弾性変形 させて支持パイプ３の内壁３ａに圧接するプッシュナット６とを有し、 前記差込み部５は、下端面に突設される平面視矩形状の回り止め突起７と、該 回り止め突起７の中央に穿孔される縦孔８とを備えるとともに、プッシュナット ６の平板部６ａには、前記回り止め突起７に嵌合する矩形孔９を設け、 矩形孔９を回り止め突起７に嵌合させたプッシュナット６を、縦孔８にねじ込 まれるタッピンネジ１０により固定した手摺ブラケットを提供することにより達 成される。

【０００６】

【作用】

手摺ブラケットは、支持パイプ３の上端に挿入され、基端部に支持パイプ内壁 ３ａへの圧接部４を備えた差込み部５と、差込み部５の下端面に固定されるプッ シュナット６とを有し、圧接部４とプッシュナット６の圧接片６ｂとを支持パイ プ３の内壁３ａに圧接させた状態で支持パイプ３に装着される。プッシュナット ６の圧接片６ｂは、支持パイプ３の内壁３ａに楔状に圧接して抜け止めが行われ る。

【０００７】 また、プッシュナット６は、平板部６ａに設けられた矩形孔９を差込み部５側 の回り止め突起７に嵌合させた状態で固定されて位置決めされ、タッピンネジ１ ０による固定作業時の位置ずれ等が防止される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の望ましい実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。 本考案による手摺ブラケットが使用された手摺を図５に示す。この手摺は階段 、踊り場に設置される階段手摺であり、設置基部１４上に立設された角パイプ状 の手摺子（支持パイプ３）により手摺笠木１を支持して構成され、支持パイプ３ に手摺笠木１を固定するために、支持パイプ３の上端に手摺ブラケットＡが装着 される。

【０００９】 手摺ブラケットＡは、アルミニウム、あるいは亜鉛等のダイカスト成型品であ り、図１、図２に示すように、上端部に平板状の手摺支持部２を有し、該手摺支 持部２を手摺笠木１の下端に形成された保持溝１１に挿入させた後、金台１５に ねじ止めされる。なお、図１において１６は金台１５の外周に被覆される合成樹 脂製の被覆材を示す。

【００１０】 上記手摺支持部２の付け根部には、鍔部１３が形成される。この鍔部１３は、 支持パイプ３の外形に等しい断面形状に形成され、該支持パイプ３の上端開口を 閉塞し、その裏面に差込み部５が突設される。

【００１１】 差込み部５は、鍔部１３下端、すなわち基端部に支持パイプ３の中空部への圧 接部４を備えており、圧接部４が支持パイプ３内に確実に圧接されるように、該 圧接部４の各外壁面には突条１７が形成されている。

【００１２】 また、図３に示すように、支持パイプ３のシーム部１８との干渉を避けるため に、差込み部５には、シーム逃げ部１９が凹設される。シーム逃げ部１９は、シ ーム部１８が支持パイプ内壁３ａのいずれの位置に設けられていても、シーム部 １８をかわすことができるように、隣接する一対の隅部に設けられる。すなわち 、支持パイプ内壁３ａとの間には、支持パイプ３の隅部から一辺の中心をやや越 える範囲にシーム逃げ部１９が形成されることとなり、図３（ａ）に示すように 、支持パイプ内壁３ａの中心にシーム部１８があっても、あるいは図３（ｂ）に 示すように、隅部にシーム部１８があっても、両図のようにシーム部１８とシー ム逃げ部１９との相対位置を、例えば９０°、あるいは１８０°回転させて調節 することにより、シーム部１８をシーム逃げ部１９により避けることが可能とな る。

【００１３】 上記差込み部５の下端には、プッシュナット６の保持部２０が形成される。保 持部２０は、下端辺縁に面取部２０ａを備えるとともに、下端面に矩形の回り止 め突起７を突出させて形成されており、その中央部に縦孔８を備える。

【００１４】 プッシュナット６は、バネ鋼から形成される板状部材であり、図２、図４に示 すように、中心部に上記回り止め突起７に合致する矩形孔９を有する正方形状の 平板部６ａと、該平板部６ａの辺縁から上方に向かって拡開状に屈曲される複数 の圧接片６ｂ、６ｂ・・とからなり、矩形孔９を回り止め突起７に嵌合させて位 置決めした後、縦孔８にねじ込まれるタッピンネジ１０により差込み部５に固定 される。

【００１５】 また、上記回り止め突起７の突出高さｈは、図４（ａ）に示すように、プッシ ュナット６の板厚ｔよりやや小寸にされており、タッピンネジ１０を締め付ける ことにより、プッシュナット６が差込み部５の保持部２０に強圧され、がたつき を完全に防止される。

【００１６】 なお、この場合、図４（ｂ）に示すように、回り止め突起７の立上り壁面をテ ーパ状にして、かつ、付け根部を矩形孔９より大きくしておくことも可能であり 、かかる構成を取れば、プッシュナット６の矩形孔９の内周が回り止め突起７の テーパ面に押圧され、上述したと同様の効果が得られる。

【００１７】 上記圧接片６ｂの自由端縁を結ぶ線分により構成される正方形は、支持パイプ ３の内壁３ａ断面よりやや大きくされ、差込み部５を支持パイプ３内に挿入した 際に僅かに撓んで支持パイプ３の内壁３ａに圧接し、該支持パイプ３からの抜け を防止する。この場合、支持パイプ３の内壁３ａへの当接縁にバリが出るように プッシュナット６の抜き方向を設定することにより、支持パイプ３への保持力を より高くすることができる。

【００１８】

【考案の効果】 以上の説明から明らかなように、本考案による手摺ブラケットによれば、支持 パイプへの差込み部の下端にプッシュナットを固定し、該プッシュナットを弾性 的に撓ませて支持パイプに装着するようにしたので、装着作業が簡単な上に、支 持パイプへの固定強度を高めることができる。

【００１９】 さらに、プッシュナットは楔状に支持パイプに圧入されるために、支持パイプ から抜けることがなく、しかも、差込み部は、上下端が圧接部とプッシュナット とにより支柱に圧接されるので、倒れ方向のがた付が完全に防止される。

【００２０】 その上、プッシュナットは、矩形孔を回り止め突起に嵌合させた状態で差込み 部に固定されるので、タッピンネジの締め付け等により、プッシュナットが回転 して取り付けられたり、あるいは、プッシュナットが傾いて取り付けられること が防止される。

【００２１】 この結果、支持パイプに挿入する際にプッシュナットと支持パイプ内壁面との カジリ等が防止され、作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】手摺ブラケットの分解斜視図である。

【図３】図１の圧接部における嵌合状態を示す説明図
で、（ａ）は中央にシーム部がある支持パイプに圧接部
を圧入した状態を示す図、（ｂ）は隅部にシーム部があ
る支持パイプへの圧入状態を示す図である。

【図４】プッシュナットの固定状態を示す断面図であ
り、（ａ）は図１の要部拡大図、（ｂ）はその変形例を
示す要部拡大図である。

【図５】本考案が適用された手摺の全体図である。

【図６】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 手摺笠木 ２ 支持部 ３ 支持パイプ ３ａ 支持パイプ内壁 ４ 圧接部 ５ 差込み部 ６ プッシュナット ６ａ 平板部 ６ｂ 圧接片 ７ 回り止め突起 ８ 縦孔 ９ 矩形孔 １０ タッピンネジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】手摺笠木の支持部と、 角パイプ状の支持パイプの上端に挿入され、基端部に該
   支持パイプ内壁への圧接部を備えた差込み部と、 差込み部の下端面に固定される平板部の側縁から複数の
   圧接片を突設して形成され、支持パイプへの挿入時に圧
   接片を上方に向けて弾性変形させて支持パイプの内壁に
   圧接するプッシュナットとを有し、 前記差込み部は、下端面に突設される平面視矩形状の回
   り止め突起と、該回り止め突起の中央に穿孔される縦孔
   とを備えるとともに、プッシュナットの平板部には、前
   記回り止め突起に嵌合する矩形孔を設け、 矩形孔を回り止め突起に嵌合させたプッシュナットを、
   縦孔にねじ込まれるタッピンネジにより固定した手摺ブ
   ラケット。
2. 【請求項２】前記回り止め突起は、プッシュナットの平
   板部における板厚よりやや低く形成される請求項１記載
   の手摺ブラケット。
3. 【請求項３】前記回り止め突起は、基端部において矩形
   孔よりやや大きく、先端部において矩形孔より小さな側
   面視台形状に形成される請求項１または２記載の手摺ブ
   ラケット。