JPH0564336U - 手摺ブラケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は手摺ブラケットに関し、手摺笠木への
負荷に対して高い変形抵抗力をもたせることを目的とす
る。 【構成】手摺ブラケットは、支持パイプ３の上端に挿入
される差込み部４と、手摺笠木１の支持部２を上下端に
有して形成され、差込み部４の下端面には周縁に圧接片
５を備えたプッシュナット６が固定される。上方に向っ
て拡開するプッシュナット６の圧接片５は、差込み部４
の支持パイプ３への挿入により僅かに撓んで支持パイプ
３の内周壁に楔状に圧接し、抜け止めが行われ、かつ、
上方への荷重に対する抜け方向の変位は、初期において
殆どないために、ずれ等の発生が完全に防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、手摺ブラケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の手摺ブラケットを図８に示す。この従来例において、手摺ブラケットは 図示しない設置基部に立設される支持パイプ３の上端に固定され、その上端に形 成された支持部２を保持溝１ａに挿入して手摺笠木１を支持する。このブラケッ トは、下端に差込み部４を有し、支持パイプ３への装着は、上記差込み部４を支 持パイプ３の中空部に挿入して接着することにより行われる。なお、図８におい て８は接着剤を示す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した従来例において、ブラケットは接着剤８を使用して支持パイ プ３に固定され、しかも接着剤８は、その靱性により初期応力に対して容易に追 随して変形（伸び）が生じやすいために、手摺笠木１に上方への負荷が加えられ た際には、接着剤８の靱性により脱離方向にずれて支持パイプ３とブラケットの 鍔部９との間に隙間が生じ、美観を損なうという欠点を有するものであった。

【０００４】 本考案は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、手摺笠木への負荷 に対して高い変形抵抗力を有する手摺ブラケットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば上記目的は、実施例に対応する図１に示すように、 手摺笠木１の支持部２と、 支持パイプ３の上端に挿入される差込み部４と、 前記差込み部４の下端面に固定され、上方に向けて拡開する複数の圧接片５、 ５・・を周縁に備えたプッシュナット６とを有し、 前記プッシュナット６は差込み部４の支持パイプ３への挿入時に弾性的に縮径 して圧接片５が支持パイプ３内壁に圧接し、差込み部４の支持パイプ３からの脱 離を阻止する手摺ブラケットを提供することにより達成される。

【０００６】

【作用】

手摺ブラケットは、支持パイプ３の上端に挿入される差込み部４と、手摺笠木 １の支持部２を上下端に有して形成され、差込み部４の下端面には周縁に圧接片 ５を備えたプッシュナット６が固定される。

【０００７】 上方に向って拡開するプッシュナット６の圧接片５は、差込み部４の支持パイ プ３への挿入により僅かに撓んで支持パイプ３の内周壁に楔状に圧接し、抜け止 めが行われ、かつ、上方への荷重に対する抜け方向の変位は、初期において殆ど ないために、ずれ等の発生が完全に防止される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の望ましい実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。 本考案による手摺ブラケットが使用された手摺を図６に示す。この手摺は階段 、踊り場に設置される階段手摺であり、設置基部１０上に立設された手摺子（支 持パイプ３）により手摺笠木１を支持して構成され、支持パイプ３に手摺笠木１ を固定するために、支持パイプ３の上端に手摺ブラケットＡが装着される。

【０００９】 手摺ブラケットは、アルミニウム、あるいは亜鉛等のダイカスト成型品であり 、図１、図２に示すように、上端部に平板状の手摺支持部２を有し、該手摺支持 部２を手摺笠木１の下端に形成された保持溝１ａに挿入させた後、金台１１にね じ止めされる。なお、図１、図２において１２は金台１１の外周に被覆される合 成樹脂製の被覆材を示す。

【００１０】 上記手摺支持部２の付け根部には、鍔部９が形成される。この鍔部９は、支持 パイプ３の外周に等しい径で形成され、該支持パイプ３の上端開口３ａを閉塞し 、その裏面に差込み部４が突設される。

【００１１】 差込み部４は、上記支持パイプ３の内周形状に対応して円形の一般断面を有し ており、両側方に肉抜き部１３が凹設される。肉抜き部１３は、差込み部４の長 手方向に沿って形成されており、材料の節約に加え、支持パイプ３に鋼管を使用 する場合には、鋼管の継ぎ目部分３ｂをかわす機能をも有する（図２参照）。

【００１２】 また、上記差込み部４の鍔部９との境界から下方にかけて複数の突条１４、１ ４・・が形成されている。この突条１４の外周部は、上方に行くに従って徐々に 径寸法が大きくなる傾斜面であり、上端部において支持パイプ３の内径よりやや 大径とされる（図３ないし図５参照）。

【００１３】 さらに、上記差込み部４の下端面の中心には、縦孔１５が形成されるとともに 、該縦孔１５から放射状に段部１６が形成され、該縦孔１５に螺入されるタッピ ンスクリュー１７によりプッシュナット６が固定される。

【００１４】 プッシュナット６は、バネ鋼から形成される板状部材であり、中心部にネジ挿 通孔１８ａを有する主体部１８と、該主体部１８の周縁から放射状に配置される 複数の圧接片５、５・・とからなり、圧接片５は上方に向かって拡開状に屈曲さ れている。

【００１５】 また、上記圧接片５の外周は、支持パイプ３の内径よりやや大径とされ、差込 み部４を支持パイプ３内に挿入した際に僅かに撓んで支持パイプ３の内周に圧接 し、該支持パイプ３からの抜けを防止する。この場合、支持パイプ３の内周壁へ の当接縁にバリが出るようにプッシュナット６の抜き方向を設定することにより 、支持パイプ３への保持力をより高くすることができる。

【００１６】 また、上記プッシュナット６のネジ挿通孔１８ａの周縁は差込み部４の段部１ ６に対応して切り起こされて係止爪１９が形成され、タッピンスクリュー１７に より固定された際に段部１６に係止して回り止めがなされる。

【００１７】 したがってこの実施例において、手摺ブラケットは、差込み部４を支持パイプ ３に圧入することにより抜け止めされ、かつ、該差込み部４は、上下端が突条１ ４とプッシュナット６とにより支柱に圧接しているので、倒れ方向のがた付が完 全に防止される。

【００１８】 本考案の他の実施例を図７に示す。なお、この実施例の説明において、上述し た実施例と同一の構成部材は図中に符号を付して説明を省略する。この実施例に おける支持パイプ３は角パイプにより形成されており、これに対応して手摺ブラ ケットの差込み部４も断面矩形に形成される。

【００１９】 また、この実施例におけるプッシュナット６は平面視略矩形に形成されており 、上述した実施例と同様にタッピンスクリュー１７により差込み部４に固定され るが、差込み部４、およびプッシュナット６が矩形に形成され、支持パイプ３内 壁との間の空転が生じないために、プッシュナット６、および差込み部４には係 止爪１９、および段部１６が形成されない。

【００２０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案による手摺ブラケットによれば、支持 パイプへの差込み部の下端にプッシュナットを固定し、該プッシュナットを弾性 的に撓ませて支持パイプに装着するようにしたので、装着作業が簡単な上に、支 持パイプへの固定強度を高めることができる。

【００２１】 さらに、プッシュナットの圧接片は上方に向かって拡開されているために、支 持パイプへの装着状態においては、上方、すなわち抜け方向への変形がほとんど 生じず、鍔部と支持パイプとの境界部に隙間等が生じるのを確実に防止すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】図１の分解斜視図である。

【図３】手摺ブラケットを示す分解斜視図である。

【図４】差込み部の挿入状態を示す断面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】本考案が適用された手摺の全体図である。

【図７】本考案の他の実施例を示す分解斜視図である。

【図８】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 手摺笠木 ２ 支持部 ３ 支持パイプ ４ 差込み部 ５ 圧接片 ６ プッシュナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】手摺笠木の支持部と、 支持パイプの上端に挿入される差込み部と、 前記差込み部の下端面に固定され、上方に向けて拡開す
   る複数の圧接片を周縁に備えたプッシュナットとを有
   し、 前記プッシュナットは差込み部の支持パイプへの挿入時
   に弾性的に縮径して圧接片が支持パイプ内壁に圧接し、
   差込み部の支持パイプからの脱離を阻止する手摺ブラケ
   ット。