JP2579438Y2 - 排水用竪樋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、排水用竪樋に関し、特
に、ストレイナー及び樋部材の着脱作業を確実且つ迅速
に行うための新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の排水用竪樋としては図３に示すよ
うなものがある。この排水用竪樋は、家屋のベランダ等
で排水が必要な床面１ａに露出するように配置されたス
トレイナー２と、このストレイナー２に接続されると共
に連接されて一本の排水用竪樋を形成する円筒形の樹脂
製樋部材３とから構成されている。前記ストレイナー２
は、床面１ａから露出し床面１ａを流れるゴミを捕獲す
るために、床面１ａから露出するように配置されるゴミ
除去部２ａを備え、このゴミ除去部２ａには、樋部材３
と連接する円筒形の連接管２ｂが一体に設けられてい
る。また、この連接管２ｂの先端部には、樋部材３の端
部との嵌め込みを可能にするように、外方へ僅かに膨出
した連結部２ｃが形成されている。ここで、ストレイナ
ー２と樋部材３とを組付けるにあたって、先ず、複数の
樋部材３を連接させて、ベランダの床１から所定の排水
場所まで樋部材３を延設する。この場合、各樋部材３の
連接は、単なる嵌め合わせにより行われているので、連
接部分を接着するか、又は建築物の壁面に固定すること
が好ましい。樋部材３を設置した後、ベランダの床１に
形成した開口部４内にストレイナー２の連接管２ｂを挿
入して、樋部材３の最上端に連接部２ｃを嵌め合わせ、
ゴミ除去部材２ａのみを床面１ａから露出させる。この
場合、ストレイナー２と樋部材３とは単なる嵌め合わせ
により行われているので、ストレイナー２の抜け防止の
ために、前述の樋部材３同志の連接と同様に、連接部分
を接着するか、又はストレイナー２を適当な締結部材又
は接着剤により床面１ａにしっかりと固定しなければな
らない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の排水用竪樋は、
以上のように構成されていたため、次のような課題が存
在していた。すなわち、ストレイナー２と樋部材３との
連接、及び樋部材３同志の連接に接着剤を用いた場合に
おいて、例えば、床面１ａ上に露出するストレイナー２
が、腐食したり、外部からの衝撃により変形したときな
ど、補修のためにストレイナー２を交換する必要があ
る。この場合、ストレイナー２と樋部材３との接着部分
を壊さなければならない。しかし、このような接合部分
は、建築物から露出しない場合が多く、従って、この交
換作業は、手間と時間がかかると共に、建築物との関係
において実質的に不可能なこともあった。また、接着剤
を利用しない場合でも、部材同志の抜けを防止するため
に、建築物の壁等に特殊な固定手段を利用しなければな
らず、従って、建築物の構造上、取付作業や取外し作業
が極めて困難な場合があり、仮に作業が可能であるとし
ても、作業時間がかかるといった問題点があった。

【０００４】本考案は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、ストレイナー及び樋部材の
着脱作業を確実且つ迅速に行うようにした排水用竪樋を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案による排水用竪樋
は、ストレイナーを円筒形の樋部材に接続し、前記樋部
材を前記樋部材と一体に形成した雌ねじ部と第１雄ねじ
部により複数本連接して、建築物の床面に設けるよう構
成した排水用竪樋において、前記ストレイナーの上部に
設けられ複数の排水孔及び逆Ｖ形状を有する係止片を有
するゴミ除去用キャップと、前記ゴミ除去用キャップに
設けられたフランジ部及び連接管と、前記連接管に形成
され前記雌ねじ部と螺合する第２雄ねじ部とを有し、前
記フランジ部は前記床面に接合し、前記係止片の下端は
前記第２雄ねじ部の内壁面に係合した構成であり、さら
に、前記ストレイナー及び樋部材は、ステンレスよりな
る構成であり、さらに、前記フランジ部と連接管とは別
体よりなり、前記フランジ部の段部に前記連接管及び樋
部材の上端が接合している構成である。

【０００６】

【作用】本考案による排水用竪樋においては、ストレイ
ナーの先端部と樋部材の端部とにそれぞれ設けた螺合部
によって、ストレイナーと樋部材、及び樋部材同志を連
結することができると共に、ゴミ除去用キャップを逆Ｖ
形状の係止片によって着脱自在とできるので、建築物に
対する排水用竪樋の設置作業／撤去作業を迅速且つ確実
に行うことができる。

【０００７】

【実施例】以下、図面と共に本考案による排水用竪樋の
好適な実施例について詳細に説明する。なお、従来例と
同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。

【０００８】図１，２において、符号２で示すものは、
ベランダ等の床面１ａから露出するように配置されるス
テンレス製のストレイナーである。このストレイナー２
は、円筒形で所定の長さを有するステンレス製の樋部材
３に対して着脱自在をなし、また、各樋部材３同志も着
脱自在に構成されている。

【０００９】前述の着脱を達成するために、前記樋部材
３の一端には、螺合部としての雌ねじ部１０がこれと一
体に形成され、この雌ねじ部１０は、樋部材３の内壁面
に所望のピッチをもって設けられている。また、樋部材
３の他端には、螺合部としての第１雄ねじ部１１が形成
され、この第１雄ねじ部１１は、樋部材３の外壁面に前
記雌ねじ部１０と略同じピッチをもって設けられてい
る。従って、樋部材３の第１雄ねじ部１１と、他の樋部
材３の雌ねじ部１０との螺合が可能であり、複数本の樋
部材３を連結して所望の長さの竪樋を形成することがで
きる。

【００１０】前記ストレイナー２は、その先端部で樋部
材３の雌ねじ部１０と螺合させるための連接管１２と、
この連接管１２に対して着脱自在に設けられたゴミ除去
用キャップ１３とを備えている。この連接管１２の一端
には、樋部材３の雌ねじ部１０と略同じピッチをもった
螺合部としての第２雄ねじ部１４が形成され、この第２
雄ねじ部１４は、連接管１２の外壁面に設けられてい
る。また、連接管１２の他端には、フランジ部１５が溶
接により固定されて、このフランジ部１５は、床面１ａ
に当接配置されると共に、ストレイナー２を床１にしっ
かりと固定するための段部１５ａを有している。さら
に、この段部１５ａには前記樋部材３と連接管１２の上
端が接合している。

【００１１】前記ゴミ除去用キャップ１３の周縁部に
は、複数の排水孔１３ａが設けられ、ゴミによる樋部材
３の詰まりを有効に回避することができる。また、前記
キャップ１３内には、連接管１２の第２雄ねじ部１４の
内壁面に対して係合自在に設けられた逆Ｖ形状の係止片
１６がビス７を介して取付けられている。この係止片１
６は、ばね材によりなり、くちばし状に形成されてキャ
ップ１３から下方に突出している。従って、キャップ１
３をフランジ部１５に対して当接配置させた場合、波形
に形成された第２雄ねじ部１４の内壁面に、係止片１６
が引っ掛かるように係合するので、キャップ１３の抜け
を有効に防止することができる。また、キャップ１３
は、例えば樋の点検や補修が必要な場合、引張り上げる
ことにより、簡単に取り外すこともできる。

【００１２】ここで、排水用竪樋を組み立てるにあたっ
て、先ず、各樋部材３同志を螺合させて、ベランダの床
１から所定の排水場所まで樋部材３を延設する。その
後、連接管１２を床面１ａの上方から開口部４内に挿入
し、連接管１２の雄ねじ部１４を樋部材３の雌ねじ部１
０に捩込みながら、フランジ部１５と床面１ａとを当接
させて、ストレイナー２の基端部をなす連接管１２を床
１に対して固定する。その後、キャップ１３の係止片１
６を連接管１２内に挿入し、キャップ１３の底面とフラ
ンジ部１５の上面とを当接させると共に、係止片１６と
雄ねじ部１４の波状の内壁面とを係合させ、係止片１６
の弾性力によるキャップ１３の抜け防止を達成する。従
って、ストレイナー２の露出部を形成するキャップ１３
を、連接管１２に対して有効に固定することができる。

【００１３】なお、前記ストレイナー２及び樋部材３
は、錆びにくいステンレスに限定されるものではなく、
樹脂や、鉄によって成形してもよいことは言うまでもな
いことである。

【００１４】

【考案の効果】本考案による排水用竪樋は、以上のよう
に構成されているため、次のような効果を得ることがで
きる。すなわち、ストレイナーの先端部と樋部材の端部
とにそれぞれ設けた螺合部によって、ストレイナーと樋
部材、及び樋部材同志を連結することができるので、従
来のように接着剤や特殊な固定手段を利用することな
く、建築物に対する排水用竪樋の設置作業／撤去作業を
簡単且つ確実に、しかも迅速に行うことができるという
優れた効果を有する。また、ストレイナーはフランジ部
によって床面に確実に接合し、ゴミ除去用キャップは逆
Ｖ形状の係止片によって連接管に対して確実な着脱がで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の排水用竪樋を一実施例を示す分解斜視
図である。

【図２】本考案の排水用竪樋の縦断面図である。

【図３】従来の排水用竪樋を示す断面図である。

【符号の説明】

１ａ 床面 ２ ストレイナー ３ 樋部材 １０ 雌ねじ部（螺合部） １１，１４ 雄ねじ部（螺合部） １２ 連接管 １３ ゴミ除去用キャップ １５ フランジ部 １６ 係止片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平３−50123（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−165024（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−110582（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04D 13/04

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストレイナー(2)を円筒形の樋部材(3)に
   接続し、前記樋部材(3)を前記樋部材(3)と一体に形成し
   た雌ねじ部(10)と第１雄ねじ部(11)により複数本連接し
   て、建築物の床面(1a)に設けるよう構成した排水用竪樋
   において、 前記ストレイナー(2)の上部に設けられ複数の排水孔(13
   a)及び逆Ｖ形状を有する係止片(16)を有するゴミ除去用
   キャップ(13)と、前記ゴミ除去用キャップ(13)に設けら
   れたフランジ部(15)及び連接管(12)と、前記連接管(12)
   に形成され前記雌ねじ部(10)と螺合する第２雄ねじ部(1
   4)とを有し、前記フランジ部(15)は前記床面(1a)に接合
   し、前記係止片(16)の下端は前記第２雄ねじ部(14)の内
   壁面に係合していることを特徴とする排水用竪樋。
2. 【請求項２】 前記ストレイナー(2)及び樋部材(3)は、
   ステンレスよりなることを特徴とする請求項１記載の排
   水用竪樋。
3. 【請求項３】 前記フランジ部(15)と連接管(12)とは別
   体よりなり、前記フランジ部(15)の段部(15a)に前記連
   接管(12)及び樋部材(3)の上端が接合していることを特
   徴とする請求項１又は２記載の排水用竪樋。