JPH0446401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建物における横梁、床梁又は柱等に
使用される断面Ｃ型の部材に対して、他の部材等
を取付ける場合において使用する取付金具に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、建物における横梁、床梁又は柱等に使用
される断面Ｃ型部材に対して他の部材を取付ける
場合において使用する取付金具は、第７図〜第８
図に示すように構成されていた。

すなわち、従来の取付金具１は、帯状金属板を
折り曲げて形成し、そのうち断面Ｃ型部材２に接
当する平坦な基端部１ａには、その長手方向の一
側縁側の部位に前記Ｃ型部材２における一方のリ
ツプ部２ａに係合する係止片１ｂを、長手方向の
他側縁側の部位に前記Ｃ型部材２における他方の
リツプ部２ｂの係合する係止片１ｃを各々切り起
し形成する一方、前記取付金具１の先端部１ｄ
に、他の部材３に対するボルト締結用のボルト孔
４を穿設したものに構成している。

そして、この従来の取付金具１は、第９図に二
点鎖線で示すように、Ｃ型部材２の下面に、その
長手方向と傾斜する状態に当てがつたのち、矢印
Ａの方向に回転して、その両係止片１ｂ，１ｃを
Ｃ型部材２における両リツプ部２ａ，２ｂに対し
て係合することにより、Ｃ型部材２に対して固着
し、先端部１ｄに対して他の部材３をボルト５に
て締結するようにして使用される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この従来の取付金具１は、前記したよ
うに、Ｃ型部材２に当てがつたのち、矢印Ａ方向
に回転することによつて、Ｃ型部材２に対して固
着するものであるから、Ｃ型部材２に対する取付
金具１の固着に際して、取付金具１がＣ型部材２
の長手方向にずれ易く、換言すると、Ｃ型部材２
の長手方向における所定の位置に、取付金具１を
固着することが困難であり、Ｃ型部材２の長手方
向における所定の位置に正確に取付金具１を固着
するには、一旦所定の固着位置の付近に前記の要
領で取付金具１を固着したのち、この取付金具１
をハンマー等で叩いて、所定の固着位置までずら
せるようにしなければならないから、これに多大
の手数を必要するのであつた。

しかも、この従来の取付金具１において、Ｃ型
部材２における両リツプ部２ａ，２ｂに係合する
両係止片１ｂ，１ｃは、当該取付金具１における
平坦な基端部１ａを切り起こし形成したもので、
その厚さが薄いので、Ｃ型部材２に対する固着強
度が低いのであり、その上、従来の取付金具１
は、これに前記のようにＣ型部材２に対して固着
するときに回転する方向Ａと逆向きの外力が作用
した場合に、Ｃ型部材２から外れる危険性があつ
た。

本考案は、これらの問題を解消した取付金具を
提供することを目的とするものである。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、断面Ｃ型部
材に固着する基端部と、他の部材に対する取付部
とを備えた金属板製の取付金具において、その基
端部を、断面コ字状に形成し、その断面コ字状に
おける左右両側板に、前記Ｃ型部材における一方
のリツプ部が嵌まる係合溝を設ける一方、前記基
端部に、前記Ｃ型部材における他方のリツプ部に
対して係合する弾性的係止片を設ける構成にし
た。

〔考案の作用・効果〕

この構成において、取付金具をＣ型部材に対し
て固着するに際しては、先づ、取付金具をＣ型部
材に対して、基端部の両側板における係合溝にＣ
型部材における一方のリツプ部が嵌まるように当
がつたのち、取付金具における基端部を、ハンマ
ーの打撃等にてＣ型部材に対して押圧すれば良
く、これにより、当該基端部における弾性的係止
片がＣ型部材における他方のリツプ部に対して係
合するから、取付金具は、Ｃ型部材に対して固着
できるのである。

この固着に際して、取付金具をＣ型部材に対し
て、当該取付金具における両係合溝にＣ型部材に
おける一方のリツプ部が嵌まるように当がつての
ち、基端部をＣ型部材に対して押圧するのみで良
く、前記した従来のように取付金具を回転する必
要がないから、Ｃ型部材の長手方向における所定
の固着位置に取付金具を固着することが至極簡単
に、且つ、正確にできるのである。

しかも、取付金具の基端部を、断面コ字状に形
成し、この両側板に、Ｃ型部材における一方のリ
ツプ部が嵌まる係合溝を設けたことにより、取付
金具における基端部の強度は、前記した従来の場
合よりも遥かに高いのであり、その上、前記両側
板の各々における係合溝にＣ型部材における一方
のリツプ部が嵌まることにより、取付金具を、Ｃ
型部材に対して回転不能の状態に固着できるか
ら、取付金具に対してこれを回転する方向の外力
が作用しても、Ｃ型部材から外れることはないの
である。

従つて本考案によると、Ｃ型部材に対して他の
部材を、所定の位置に正確に取付けることに要す
る手数を著しく軽減できると共に、その取付け強
度を向上できる効果を有する。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面（第１図〜第４図）
について説明するに、図において符号１０は、建
物における断面Ｃ型の横梁部材を、符号１１は、
天井板取付け用の野縁部材を、そして、符号１２
は、前記横梁部材１０に対して前記野縁部材１１
を取付けるための取付金具を各々示す。

前記取付金具１２は、金属板製で、前記横梁部
材１０に対して固着する基端部１２ａと、前記野
縁部材１１に対してボルト１６にて締結される取
付部１２ｂと、その間を一体的に連結する連結部
１２ｃとから成り、前記基端部１２ａ及び連結部
１２ｃは、断面コ字状に形成されている、また、
前記取付部１２ｂには、前記ボルト１６が螺合す
るナツト１３が固着されている。

前記基端部１２ａの断面コ字状における左右両
側板１２ｄには、前記連結部１２ｃに近い部位に
前記横梁部材１０における両リツプ部１０ａ，１
０ｂのうち一方のリツプ部１０ａが嵌まる係合溝
１２ｅを各々設ける一方、前記基端部１２ａの先
端には、板ばねにて逆向きＵ状に形成した弾性的
係止片１４を、ねじ１５にて固着することによつ
て設け、この弾性的係止片１４の外側面１４ａ
と、前記係合溝１２ｅの溝底との間を距離L1を、
前記横梁部材１０における両リツプ１０ａ，１０
ｂ間の間隔L2よりも大きくすることにより、前
記弾性的係止片１４が、横梁部材１０における他
方のリツプ部１０ｂに対して係合し得る構成にす
る。

この構成において、取付金具１２を断面Ｃ型の
横梁部材１０に対して、第５図に示すように、基
端部１２ａの両側板１２ｄにおける係合溝１２ｅ
に横梁部材１０における一方のリツプ部１０ａが
嵌まるように当がつたのち、取付金具１２におけ
る基端部１２ａを、ハンマーにて矢印Ｂの方向に
打撃する等して横梁部材１０に対して押圧するこ
とにより、当該基端部１２ａにおける弾性的係止
片１４が、横梁部材１０における他方のリツプ部
１０ｂに対して第６図に示すように係合するか
ら、取付金具１２は、横梁部材１０に対して固着
できるのであり、次いで、この取付金具１２にお
ける取付金具１２ｂに、野縁部材１１を、ボルト
１６にて連結することにより、野縁部材１１を、
取付金具１２を介して横梁部材１０に対して取付
けることができるのである。

なお、前記実施例は、弾性的係止片１４を、基
端部１２ａと別体に構成して、これを基端部１２
ａに対してねじ１５にて固着する場合であつた
が、この弾性的係止片１４は、基端部１２ａに一
体的に造形するように構成しても良いのであり、
また、本考案は、前記実施例のように横梁部材１
０に対して野縁部材１１を取付ける場合に限ら
ず、他の場所にも使用できることは云うまでもな
い。更にまた、前記基端部１２ａには、前記係合
溝１２ｅに対する補強のための突条１２ｆが造形
されている。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本考案の実施例を示し、第１
図は取付金具の斜視図、第２図は取付金具の一部
切欠正面図、第３図は第２図の−視断面図、
第４図は第２図の−視断面図、第５図及び第
６図は取付け状態を示す図、第７図は従来の取付
金具の斜視図、第８図は従来の取付金具の取付け
状態を示す図、第９図は第８図の−視断面図
である。 １０……断面Ｃ型の横梁部材、１０ａ，１０ｂ
……リツプ部、１１……野縁部材、１２……取付
金具、１２ａ……基端部、１２ｂ……取付部、１
２ｄ……側板、１２ｅ……係合溝、１４……弾性
的係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面Ｃ型部材に固着する基端部と、他の部材に
   対する取付部とを備えた金属板製の取付金具にお
   いて、その基端部を、断面コ字状に形成し、その
   断面コ字状における左右両側板に、前記Ｃ型部材
   における一方のリツプ部が嵌まる係合溝を設ける
   一方、前記基端部に、前記Ｃ型部材における他方
   のリツプ部に対して係合する弾性的係止片を設け
   たことを特徴とする建物における断面Ｃ型部材へ
   の取付金具。