JPH06165524A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH06165524A
JPH06165524A JP4315231A JP31523192A JPH06165524A JP H06165524 A JPH06165524 A JP H06165524A JP 4315231 A JP4315231 A JP 4315231A JP 31523192 A JP31523192 A JP 31523192A JP H06165524 A JPH06165524 A JP H06165524A
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snubber
inverter
inverter device
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秀治 斎藤
Takashi Tsuboi
孝 坪井
Satoru Horie
堀江  哲
Takeshi Ando
安藤  武
Eiichi Toyoda
豊田  瑛一
Takayuki Matsui
孝行 松井
敏彦 ▲高▼久
Toshihiko Takaku
Kiyoshi Nakamura
中村  清
Kiyoshi Nakada
仲田  清
Yoshio Tsutsui
筒井  義雄
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁騒音を低減できる高周波駆動可能な半導
体スイッチ素子を用い、スナバコンデンサや冷却器など
を小形化してインバータ装置全体を小形化すること、お
よび保守の容易性を確保する。 【構成】 スナバコンデンサCS1,CS2とスナバダイ
オードDS1〜DS4を半導体スイッチモジュールSM1
〜SM4に対向する位置に階層状に配置し、それらの間
の配線インダクタンスを小さくして、スナバコンデンサ
CS1,CS2の容量を小さくし、装置全体の小形化を図
る。電気車のインバータ動作の特性に鑑み、半導体スイ
ッチモジュールSMの正側アーム素子SM1,SM2と負
側アーム素子SM3,SM4の組みを少なくとも同一の受
熱板31,32に取付け、受熱板の熱負荷を平均化し
て、冷却器53,54を小形化する。1相分のインバー
タ主回路ごとにパワーモジュール化し、保守時には必要
なパワーモジュールを筐体から取外して保守可能にし、
保守性の容易性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ装置に係
り、例えば電車又は電気機関車等の電気車に好敵なイン
バータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気車を駆動する動力システムとして、
インバータ装置により誘導電動機を可変速駆動する方式
が実用されている。
【0003】このような電気車用インバータ装置は、例
えば複数の車軸に電動機を分散して設けた電車の場合、
床下の限られたスペースに艤装しなければならないこと
から、できるだけ小形な装置にすることが要望されてい
る。同様に、電気機関車の場合にあっても、1台の機関
車に搭載するインバータ装置群の合計容量を大きくする
ために、個々のインバータ装置を小形にすることが要望
されている。
【0004】このような要望を満たすため、従来、電気
車駆動用のインバータ主回路の半導体スイッチ素子とし
て、実開平2−75738号公報又は文献:ジー・ティ
ー・オー −ストロムリヒター フュア バーネン(GT
O-Stromrichter fuer Bahnen:SIEMENS, Sonderdruck a
us ZEV-Glasers Annalen113(1989)Nr.6/7 juni/juliペ
ージ259〜272)に記載されているように、ゲートターン
オフ・サイリスタ(GTOサイリスタ)が用いられてい
る。その理由は、バイポーラトランジスタ(BT)やゲ
ート絶縁型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の半
導体スイッチ素子に比べて、耐電圧及び電流容量が比較
的大きいのでインバータ主回路部分を小形化できるから
である。
【0005】一方、出力波形の高調波成分を低減するた
め、前記文献(GTO-Stromrichterfuer Bahnen)に記載
されているように、3レベルの直流電圧をスイッチング
して交流出力を発生するいわゆる3レベル・インバータ
(又は、中性点クランプ・インバータとも称される)が
提案されている。この3レベル・インバータは、インバ
ータの1相分の主回路が、直流電源に接続される一対の
直流入力端子と、直流電源の中性点に接続される中性点
端子と、一対の直流入力端子間に接続された第1乃至第
4の半導体スイッチ素子の直列接続回路と、第1と第2
の半導体スイッチ素子の接続点と中性点端子との間に、
また第3と第4の半導体スイッチ素子の接続点と中性点
端子との間にそれぞれ接続されたクランプダイオード
と、第2と第3の半導体スイッチ素子の接続点に接続さ
れた交流出力端子とを含んだ構成とされている。
【0006】また、GTOサイリスタはスイッチング損
失が大きいことから、冷却効率を高めるために、上記公
報や文献に記載されているようにGTOサイリスタを円
盤状に形成し、その円盤の両面を主電極とし、それらの
主電極に導電性の冷却ブロックをそれぞれ圧接し、その
冷却ブロックの内部に沸騰性の冷媒を通流する構成の冷
却器が用いられている。冷媒としては、GTOサイリス
タを挟む両側の冷却ブロック相互間、及び冷媒の凝縮部
とGTOサイリスタとの間の絶縁を確保するために、絶
縁性を有する冷媒が用いられる。このような要件を満た
す冷媒として、従来は、主に、冷却性能に優れかつ絶縁
性を有するフロンが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、GTOサイリ
スタは、素子のスイッチング損失が大きいこと、またタ
ーンオフ時の電圧上昇を抑制するためのスナバコンデン
サとスナバ抵抗の容量が大きいこと等の理由により、ス
イッチング周波数を高くできず、従来実用されているも
のは、高々500Hz程度である。したがって、電動機
駆動用のインバータ装置をGTOサイリスタを用いて構
成すると、前記の3レベル・インバータを用いても出力
波形の高調波歪の低減に限界があり、電動機電流のリッ
プルが大きくなって、電動機の電磁騒音が大きいという
問題がある。
【0008】そこで、スイッチング周波数を高くできる
バイポーラトランジスタ、ゲート絶縁型バイポーラトラ
ンジスタ(IGBT)、MOSゲートで制御されるサイ
リスタ等、高周波パルスのゲート信号により駆動可能な
半導体スイッチ素子(以下、高周波半導体スイッチ素子
と総称する)を適用することが考えられる。
【0009】しかし、これらの高周波半導体スイッチ素
子として実用されている素子は、一般に耐電圧レベルが
低いから(例えば、汎用のIGBTは、1200vレベ
ル)、架線電圧が直流1500vの電気車用には複数の
素子を直列接続して用いることになる。また、実用され
ている高周波半導体スイッチ素子は、一般に、電流容量
が比較的小さいから、これらを電気車用の大容量インバ
ータ装置(例えば、単機容量が200kW以上の電動機
駆動用)に適用すると、複数の素子を並列接続して用い
ることになる。
【0010】したがって、IGBTなどの高周波半導体
スイッチ素子を電気車用インバータ装置に適用するにあ
たっては、インバータ主回路の部分が大形化する傾向が
あるので、装置の構成を工夫し、電気車用インバータ装
置を全体として小形化することが要望される。
【0011】また、IGBTなどの高周波半導体スイッ
チ素子の冷却システムを小形化することが要望されると
ともに、公害防止の観点からフロン沸騰冷却方式の代替
冷却方式の採用が要望されている。
【0012】また、単に小形化を図ると、構成部品の配
置及び関連配線が錯綜してしまうから、点検、修理など
の保守性が悪くなるという問題がある。特に、電気車用
のインバータ装置の場合は、電車床下などのように、狭
い場所に設けられることから、保守性を十分に考慮する
必要がある。
【0013】本発明の第1の目的は、スイッチング周波
数を高くして出力電流のリップルを低減し、かつ装置全
体を小形化できるインバータ装置を提供することにあ
る。
【0014】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に
加え、冷却器を小形化可能にするとともに、フロン冷媒
を用いないですむインバータ装置を提供することにあ
る。
【0015】本発明の第3の目的は、第1と第2の目的
に加え、保守の容易性を確保したインバータ装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、以下の手段により構成したことを特徴と
する。
【0017】第1の目的を達成するため、本発明のイン
バータ装置の第1の特徴は、インバータ主回路を形成す
る複数の半導体スイッチ素子に、GTOサイリスタより
も高周波駆動可能な素子を用い、その半導体スイッチ素
子のスナバ回路を形成するスナバコンデンサを、接続対
象の半導体スイッチ素子が取り付けられた支持面に対し
て、その半導体スイッチを挟む位置に配置したことにあ
る。
【0018】第2の目的を達成するため、本発明のイン
バータ装置の第2の特徴は、3相インバータ主回路を形
成する複数の半導体スイッチ素子をそれぞれ伝熱性を有
する基板に絶縁部材を介して載置して半導体スイッチモ
ジュールを形成し、この複数の半導体スイッチモジュー
ルを1相分ごとに分割して導電性を有する同一の受熱板
の一面に取付けたことにある。
【0019】この場合において、受熱板に取り付けられ
る1相分の半導体スイッチモジュールを、相互接続され
る順序に従って配列することが好ましい。
【0020】また、受熱板を介して半導体スイッチモジ
ュールを冷却する冷却器は、水を冷媒とする沸騰冷却型
を用いることが好ましい。
【0021】上記第3の目的を達成するため、本発明の
インバータ装置の第3の特徴は、3相インバータ主回路
の構成部品及びゲートドライバを1相ごとに分割し、1
相ごとに同一の支持枠体に組み込んでパワーモジュール
を形成し、該パワーモジュールを共通の筐体に着脱可能
に組み込んだことにある。
【0022】この場合において、各相のパワーモジュー
ルが、インバータ主回路1相分の直列接続された複数の
半導体スイッチモジュールと、各半導体スイッチモジュ
ール用のスナバ回路を形成するスナバコンデンサ及びス
ナバダイオードと、半導体スイッチモジュールを含む発
熱体を冷却する冷却器と、当該パワーモジュールを構成
する部品以外との関連配線を行う配線端子とを含んでな
るものとすることが好ましい。そして、半導体スイッチ
モジュールを、それぞれ伝熱性を有する基板に絶縁部材
を介して半導体スイッチ素子を載置して形成するととも
に、その基板を介して導電性を有する同一の受熱板の一
面に取付け、この受熱板の他面に冷却器を熱的に接続
し、この冷却器を筐体の外側に位置させて受熱板を当該
筐体に着脱可能に取付けることが好ましい。さらに、ス
ナバコンデンサとスナバダイオードとを、受熱板に対し
て半導体スイッチモジュールを挟む位置で、かつスナバ
コンデンサとスナバダイオードの端子が接続対象の半導
体スイッチモジュールの主電極端子に近接する位置に配
置することが好ましい。
【0023】また、スナバ回路を形成するスナバ抵抗と
インバータ主回路を形成するフィルタコンデンサを、パ
ワーモジュールの支持枠体に支持させることが好まし
い。
【0024】また、受熱板を垂直に筐体に取付けるこ
と、さらにその受熱板に取り付けられる1相分の半導体
スイッチモジュールを、直列接続される順に垂直方向に
配列することが好ましい。
【0025】さらに、インバータ主回路の直流電源に並
列接続されたフィルタコンデンサを各パワーモジュール
に組み込み、半導体スイッチモジュールに対してスナバ
コンデンサを挟む位置に配置することが好ましい。
【0026】
【作用】このように構成することにより、本発明によれ
ば、次の作用により上記各目的が達成できる。
【0027】基本的に、本発明では、GTOサイリスタ
よりも高周波駆動可能な半導体スイッチ素子(以下、高
周波半導体スイッチ素子と略称する)を用いることによ
り、出力電流のリップルを低減して、電磁騒音が改善さ
れる。そして、そのような高周波半導体スイッチ素子を
用いることにより引き起こされる装置の大形化を回避し
て、インバータ装置を小形化する目的は次のようにして
達成される。
【0028】まず、高周波半導体スイッチ素子として
は、バイポーラトランジスタ、IGBT、MOSゲート
で制御されるサイリスタ等が知られている。これらの高
周波半導体スイッチ素子は、GTOサイリスタに比べて
スイッチング損失が小さいので、高周波動作が可能であ
る。例えば、IGBTの場合は、スイッチング周波数を
500Hz〜3kHzの範囲で選定できる。また、IG
BTのスイッチング損失は、500HzのときGTOの
数分の一、3kHzのときGTOの数十分の一である。
【0029】また、高周波半導体スイッチ素子は、GT
Oサイリスタに比べてゲートドライブに要するパワーが
小さいので、ゲートドライバを小形にできるから、装置
全体の小形化に寄与する。
【0030】また、高周波半導体スイッチ素子は、GT
Oサイリスタに比べてターンオフ時の安全動作領域が広
いから(例えば、許容電圧上昇率が高いから)、スナバ
コンデンサの容量を小さくでき、これによりスナバ抵抗
で消費させるスナバ損失も小さくなる。例えば、IGB
Tの場合は、GTOサイリスタに比べてスナバコンデン
サの容量を1/10以下にできる。
【0031】しかし、スナバコンデンサの容量を単に小
さくすると、高周波半導体スイッチ素子は、GTOサイ
リスタよりも電流の遮断速度が速いため、ターンオフ時
に素子に大きなスパイク電圧およびオーバシュート電圧
がかかりやすいという問題がある。特に、IGBTの場
合は、GTOサイリスタよりも電流の遮断速度が1桁以
上も速いから問題になる。
【0032】このスパイク電圧は、インバータ主回路の
主としてスナバ回路の配線インダクタンスに蓄えられた
電磁エネルギによって発生する。したがって、スパイク
電圧を半導体スイッチ素子の安全動作領域内に抑えるた
めに、スナバ回路の配線インダクタンスを小さくするこ
とが肝要である。
【0033】そこで、本発明の第1の特徴によれば、ス
ナバコンデンサを接続対象の半導体スイッチ素子が取り
付けられた支持面に対して、その半導体スイッチを挟む
位置に配置したことから、それらを接続する配線を可能
な限り短くできる。その結果、配線のインダクタンスを
小さくして、スパイク電圧を低減できるので、スナバコ
ンデンサの容量を小さくでき、装置の小形化に寄与でき
る。
【0034】この場合において、半導体スイッチ素子を
伝熱性を有する基板に載置し、半導体スイッチ素子の主
電極端子を反基板側に設け、スナバコンデンサを当該ス
ナバコンデンサの端子が接続対象の半導体スイッチ素子
の主電極端子に近接する位置に配置することが好まし
い。これにより、スナバ回路の配線インダクタンスを最
小化できる。
【0035】また、半導体スイッチ素子とスナバコンデ
ンサとを立体的な配置構成にしたことから、つまり同一
面に配置する構成ではなく、2層の階層構造に配置した
ことから、装置全体の小形化に寄与する。
【0036】一方、インバータ主回路の1相分は、直流
電源に接続された上アームと下アームの半導体スイッチ
素子を含んでなる。これらの半導体スイッチ素子は同時
にオン動作することがないから、それら素子の発熱サイ
クルが重ならない。
【0037】そこで、本発明の第2の特徴として、半導
体スイッチモジュールを1相分ごとに分割して同一の受
熱板の一面に取付け、該受熱板の他面に冷却器を熱的に
接続すれば、冷却器の熱負荷量を平均化することができ
る。その結果、冷却器を小形化できるから、装置全体の
小形化に寄与できる。
【0038】また、1相分の半導体スイッチ素子を導電
性を有する同一の受熱板に取付けると、各素子間の絶
縁、さらに受熱板を接地電位にする場合は受熱板との絶
縁をしなければならない。この点、各半導体スイッチ素
子をそれぞれ伝熱性を有する基板に絶縁部材を介して載
置した構成とし、素子間及び対地間の絶縁を確保してい
る。
【0039】このように、半導体スイッチ素子ごとに絶
縁する構成としたことから、沸騰冷媒型の冷却器を用い
ても、その冷媒の絶縁性が問われないから、有害性のな
い水等の冷媒を用いることが可能である。
【0040】特に、受熱板に取り付けられる1相分の半
導体スイッチモジュールを、相互に直列接続される順序
に従って配列することが好ましい。これによれば、主回
路の配線を短縮して配線インダクタンスを小さくできる
から、半導体スイッチ素子のターンオフ時のオーバーシ
ュート電圧を低減でき、結果としてスナバコンデンサの
小形化に寄与できる。すなわち、半導体スイッチ素子の
ターンオフ時に発生するオーバーシュート電圧は、主と
して半導体スイッチ素子からみたインバータ主回路の配
線インダクタンスに蓄えられた電磁エネルギに依存する
からである。
【0041】上述したように、例えば、1相分の半導体
スイッチ素子を同一の受熱板に取り付けるとともに、ス
ナバコンデンサを半導体スイッチ素子に対して階層状に
配置した構成にすると、点検・修理等の保守性が悪くな
る。
【0042】この点、本発明の第3の特徴によれば、1
相分のインバータ主回路ごとにパワーモジュール化し、
そのパワーモジュールを共通の筐体に着脱可能に組み込
んだことから、保守時には必要なパワーモジュールを筐
体から取外すことにより、容易に各部品にアクセスで
き、保守性が向上する。特に、ゲートドライバを組み込
んだものによれば、半導体スイッチ素子の動作試験を簡
単に行うことができる。つまり、試験用のゲートドライ
バを用いて動作試験を行うと、半導体スイッチ素子のゲ
ート特性や容量に対応させて、各種の試験用ゲートドラ
イバを用意しておかなければならないが、本発明によれ
ばそのような各種の試験用ゲートドライバを用意する必
要がない。。
【0043】また、1相単位でモジュール化したことか
ら、一部の部品に故障が発生したときでも、故障したモ
ジュールのみを交換することにより速やかに修復でき
る。しかも、予備品はインバータ装置単位でなく、パワ
ーモジュール単位で用意すればよい。なお、1相単位に
分割したパワーモジュールは、比較的軽量であり、簡単
な運搬具で持ち運びできる。
【0044】また、前述した半導体スイッチ素子のター
ンオフ時のスパイク電圧およびオーバーシュート電圧
は、インバータ主回路の直流電源に並列接続されたフィ
ルタコンデンサと半導体スイッチ素子とを接続する配線
インダクタンスの影響をも受ける。したがって、そのフ
ィルタコンデンサを1相分ごとに分散して各パワーモジ
ュールに組み込み、半導体スイッチモジュールに対して
スナバコンデンサを挟む位置に配置したものによれば、
一層、スパイク電圧を低減でき、スナバコンデンサを小
容量化できる。しかも、そのような配置にすることによ
り、立体的な配置構成の空間の利用率が向上し、装置全
体を小形化することができる。その結果、電気車などの
限られたスペースに設置できる規模に小形化できる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて説明す
る。本発明の一実施例の電車用インバータ装置を図1乃
至図10を用いて説明する。図1は電車用インバータ装
置の1相分の主要部の構成図、図2は図1の矢印 II−I
I から見た構成図である。図3は本実施例の電車用イン
バータ装置の全体系統構成図であり、図4は1相分のイ
ンバータ主回路の構成図である。図5は図3に示した電
車用インバータ装置1の全体外観図の背面図である。図
6は図5の矢印 VI-VI から見た断面図である。図7は
本実施例の電車用インバータ装置を電車の床下に艤装し
た状態を示す図である。図8は本実施例にかかる半導体
スイッチモジュールの構成を一部を破断して示した斜視
図である。図9は半導体スイッチモジュールとクランプ
ダイオードの受熱板上の配置およびそれらの電気的接続
を示す拡大図である。図10は半導体スイッチモジュー
ルとスナバコンデンサとの階層配置の重なり関係を示す
図である。
【0046】まず、図3乃至図7を参照して、本実施例
の電車用インバータ装置の全体的な構成及びインバータ
主回路について説明する。図3に示すように、本実施例
の電車用インバータ装置が適用される電車の駆動装置は
4台の誘導電動機M1、M2、M3、M4を有して構成され
ている。これらの4台の誘導電動機に対して2台の同一
構成のインバータ装置1A,Bを設け、インバータ装置
1Aにより誘導電動機M1、M2を駆動し、インバータ装
置1Bにより誘導電動機M3、M4を駆動するようにして
いる。各インバータ装置1A,Bはそれぞれ3相のイン
バータ主回路を、各相ごとに分割してなるパワーモジュ
ールPU1〜PU3を含んで構成されている。各パワーモ
ジュールPU1〜PU3の一方の直流入力端(P)は、遮
断器3、開放スイッチ4A,B、及びフィルタリアクト
ル5A,Bを介してパンタグラフ2に接続され、他方の
直流入力端(N)は接地されている。
【0047】各パワーモジュールPU1〜PU3の主回路
は、図4に示すように、いわゆる3レベル・インバータ
回路が適用されている。図4は、インバータの1相分の
主回路を示しており、一対の直流入力端子P,Nのう
ち、Pは図3のパンタグラフ2に接続された直流ライン
に接続され、Nは接地される。この一対の直流入力端子
P,Nに2個のフィルタコンデンサCF1,CF2の直列
回路が接続され、フィルタコンデンサCF1とCF2の接
続点は直流電源の中性点であり、中性点端子Oに接続さ
れている。一対の直流入力端子P,N間に4個の半導体
スイッチモジュールSM1〜SM4の直列回路が接続され
ている。各半導体スイッチモジュールSM1〜SM4は、
それぞれIGBT Q1〜Q4とフリーホイーリングダイ
オードDF1〜DF4とを逆並列接続して構成されてい
る。半導体スイッチモジュールSM1とSM2の接続点及
び半導体スイッチモジュールSM3とSM4の接続点は、
それぞれクランプダイオードDC1とDC2を介して中性
点端子Oに接続されている。そして、半導体スイッチモ
ジュールSM2とSM3の接続点が交流出力端子Mに接続
されている。スナバ回路は、スナバコンデンサCS1
CS2とスナバダイオードDS1〜DS4とスナバ抵抗R
1〜RS3とから構成されている。スナバコンデンサC
1、CS2はそれぞれ3つのコンデンサC11〜C13、C
21〜C23をデルタ型に接続して構成されている。スナバ
コンデンサCS1、CS2はそれぞれ3つのコンデンサを
スター型に接続しても等価に構成できる。また、各半導
体スイッチモジュールSM1〜SM4の各ゲートにはゲー
トドライバGDにより増幅されたゲートパルスが入力さ
れるようになっている。
【0048】本実施例の電車用インバータ装置1の全体
は、図5に示すように、共通の筐体6に制御ユニットC
U−A,B及び付属装置AU−A,Bを中心に、インバ
ータ装置1A,BのパワーモジュールPU1〜PU3を両
側に対称的に配置して構成されている。図6に示す電車
用インバータ装置1の断面図のように、冷却器53,5
4の部分が筐体6の正面側の外部に突き出して設けられ
ている。このように構成された電車用インバータ装置1
は、図7に示すように、その長手方向を電車の走行方向
に合わせ、筐体6の上部に設けられた複数の吊り金具7
を介して電車の車両8の中央部の床下に吊り下げること
により取り付けられる。また、冷却器53,54側を車
両8の外側に向けて取り付けられる。
【0049】次に、パワーモジュールPUの具体的な構
造を図1と図2を参照して説明する。図1は、1つのパ
ワーモジュールを側面から見た主要部の構成図である。
図2は、図1の矢印 II−II から見た構成図である。
【0050】それらの図に示すように、半導体スイッチ
モジュールSM1〜SM4はそれぞれ2つの半導体スイッ
チモジュールを並列接続してなり、それらの半導体スイ
ッチモジュールは横に並べて配置されている。正側アー
ムの半導体スイッチモジュールSM1とSM2は第1の受
熱板31の表面に縦に並べて取り付けられ、負側アーム
の半導体スイッチモジュールSM3とSM4は第2の受熱
板32の表面に縦に並べて取り付けられている。また、
各受熱板31,32の表面に、クランプダイオードDC
1とDC2が取り付けられている。クランプダイオードD
1、DC2も、2つのダイオードを並列接続して構成し
ている。
【0051】半導体スイッチモジュールSM1〜SM
4は、同一の構成であり、図8に一部を破断して示した
斜視図のような構造に形成されている。すなわち、銅等
の伝熱性に優れた材料により形成された基板61の上に
アルミナ等の絶縁板62を載置し、その絶縁板62の上
に導電性を有する銅板等の第1の主電極63を載置し、
その主電極63の上に導電性を有するモリブデン等の熱
応力緩和板64を複数載置し、各熱応力緩和板64の上
にIGBT素子65を載置し、また第1の主電極63の
上に導電性を有する銅板等の第2の主電極66を載置
し、これら全体を絶縁ケース67でカバーした構造とな
っている。絶縁ケース67の外面に一対の主電極端子6
8と、ゲート端子69が露出して設けられている。ま
た、図示していないが、IGBT素子(Q)65に逆並
列接続されるフリーホィーリングダイオードDFも第1
の主電極63上に載置されている。そして、基板61に
設けられたボルト穴70により第1,第2の受熱板3
1,32に密着させて取り付けるようになっている。受
熱板31,32上の配置は、図9に示すように、半導体
スイッチモジュールSM1〜SM4とクランプダイオード
DC1、DC2とを配置し、図4の回路構成にしたがって
導体11〜16により接続されている。
【0052】第1と第2の受熱板31,32はアルミニ
ュウム等の伝熱性に優れた材料で形成されている。各受
熱板31,32は矩形枠状に形成されたパワーモジュー
ル支持枠33にボルト34により固定して取り付けられ
ている。
【0053】このパワーモジュール支持枠33の周辺部
に鍔部35が設けられている。また、筐体6の側面に形
成された開口部の周辺に枠状の取付け座37が形成され
ている。そして、パワーモジュール支持枠の鍔部35を
パッキン39を介して取付け座37にボルト38で固定
し、パワーモジュール支持枠33を筐体6に取り付けて
いる。すなわち、受熱板31,32及びパワーモジュー
ル支持枠33により筐体6の側面の一部が形成され、パ
ッキン39により気密が確保されている。
【0054】受熱板31,32に対し半導体スイッチモ
ジュールSM1〜SM4を挟む位置に部品支持部材40が
設けられている。この部品支持部材40は腕部材41に
よりパワーモジュール支持枠33に固定されている。こ
の部品支持部材40にスナバコンデンサCS1、CS2
びスナバダイオードDS1〜DS4を半導体スイッチモジ
ュールSM1〜SM4に対向させて取り付けられている。
これらの構成部品の配置の重なり関係は図10に示すよ
うに、接続対象の端子を近接させるように定められてい
る。これにより、スナバ回路の配線を最短距離で実装で
きるようにしている。
【0055】この部品支持部材40の反対側の位置に、
エポキシ樹脂等の絶縁材からなる端子台42〜45が取
り付けられ、これらの端子台42〜45に直流入力端子
P,N、中性点端子O、交流出力端子Mが支持されてい
る。また、端子台42〜45の横に電流変成器CTとゲ
ートドライバGD(GD1、GD2)が部品支持部材40
に取り付けられている。これらのCTとGDの下側の空
間に、フィルタコンデンサCF1、CF2が配置されてい
る。なお、ゲートドライバGD1とGD2は、それぞれ半
導体スイッチモジュールの正側と負側に対応するもので
ある。
【0056】受熱板31,32には、それぞれ複数のヒ
ートパイプ51とそのヒートパイプ51に取り付けられ
た放熱フィン52からなる冷却器53,54が熱的に取
り付けられている。ヒートパイプ51は銅等の伝熱性及
び加工性に優れた材料で形成されており、パイプ内部に
沸騰冷媒としての水が封入され、低い温度で沸騰を容易
にするためや、非凝縮性のガスが混入しないようにする
ために、負圧に調整されている。
【0057】本実施例の場合は、ヒートパイプ51をL
型に曲げ、一方の直管部を受熱板31,32に埋め込ん
で熱的に接続して蒸発部51aとするとともに、ヒート
パイプ51を受熱板に支持させている。他方の直管部を
水平面に対して少し上方向に傾けて設け、この部分に複
数の放熱フィン52を取り付けて凝縮部51bとしてい
る。また、凝縮部51bの先端を振れ止め55で連結
し、これを受熱板31,32又はパワーモジュール支持
枠33に固定し、ヒートパイプ51の振れをインバータ
装置本体と同一の振動系にしている。
【0058】このように構成される電車用インバータ装
置の動作について、本発明の特徴部を中心に次に説明す
る。
【0059】本実施例の電車用インバータ装置を駆動制
御するゲートパルスは、制御ユニットCUの図示してい
ないPWM制御装置により周知の3レベル・インバータ
の基本動作に従って生成される(参考文献:ア ニュー ニ
ュートラル ポイント クランプド PWM インバータ (A N
ew Neutral-Point-Clamped PWM Inverter, IEEE Tra
nsactions on industry applications ,vol.1A-17,No.
5,september/october1981))。すなわち、3レベル・イ
ンバータの基本動作は、半導体スイッチモジュールSM
1〜SM4のQ1〜Q4を次の3通りの導通モードに従いオ
ン・オフさせ、交流出力端子Mに3レベルの電圧を選択
的に出力する。ここでは、直流全電圧をEdとし、中性
点電圧をEd/2vと仮想して示す。
【0060】 1 2 3 4 出力電圧 第1の導通モード オン オン オフ オフ Ed 第2の導通モード オフ オン オン オフ Ed/2 第3の導通モード オフ オフ オン オン 0 このような3レベル・インバータによれば、通常の2レ
ベル・インバータに比べて、図11に示すように出力電
圧パルスの電圧レベルのステップ数が増加し、見かけ上
のスイッチング周波数が高められるので、高調波が低減
される。また、半導体スイッチ素子としてIGBTを用
いていることから、スイッチング周波数を500Hz〜
3kHZの範囲に高くでき、この点からも高調波を抑制
して電磁騒音を減少できる。
【0061】次に、スナバコンデンサCS1、CS2と、
スナバダイオードDS1〜DS4を、それぞれ接続対象の
半導体スイッチモジュールSM1〜SM4に近接させて、
かつ対向させた位置に配置することにより、スナバ回路
の配線インダクタンスを小さくしてスパイク電圧を低減
させ、これによりスナバコンデンサを小形化して、装置
全体を小形化できることについて説明する。
【0062】図12は、図4の半導体スイッチモジュー
ルSM1とスナバ回路の一部を取り出して示したもので
ある。半導体スイッチモジュールSM1とスナバ回路に
はそれぞれ配線インダクタンスL1,L2が存在するもの
とする。IBGT Q1がオン状態にあり、電流Iが配線
インダクタンスL1とIGBT Q1に流れているときに
IGBT Q1をオフすると、電流は配線インダクタンス
2、スナバダイオードDS1、スナバコンデンサC11
らなるスナバ回路に移って、スナバコンデンサC11に電
荷が蓄えられて、電流が遮断される。
【0063】このときのIGBT Q1の電圧Vと、IG
BT Q1の電流I1と、スナバ回路の電流I2の波形を図
13に示す。図中VDPで示した電圧がスパイク電圧とい
われるもので、この電圧をIGBT等の半導体スイッチ
素子の安全動作領域から定まるある値以下にしないとI
GBTが破損する。
【0064】このスパイク電圧VDPは配線インダクタン
スL1,L2の内の主としてL2と、IGBT等の半導体
スイッチ素子のターンオフ時の電流変化率で決まる。I
GBT等の高周波半導体スイッチ素子はターンオフが高
速であるから、電流変化率が大きくなるので、スパイク
電圧VDPを低く抑えるためには、配線インダクタンスL
1,L2を小さくすることが重要である。
【0065】そこで、本実施例では、図1,2,10に
示したように、スナバコンデンサCS1,CS2、及びス
ナバダイオードDS1〜DS4を半導体スイッチモジュー
ルSM1〜SM4に近接させて対向配置し、それらの部品
間の接続配線を最短距離で実現するようにして、配線イ
ンダクタンスL1、L2を極力小さくするようにしたので
ある。その結果、小容量のスナバコンデンサCS1,C
2を用いても、スパイク電圧VDPを低く抑えることが
可能となり、装置の小形化に寄与する。
【0066】しかも、本実施例では、スナバコンデンサ
CS1,CS2を構成する3つのコンデンサを一体型に形
成したことから、一層配線インダクタンスを低減できる
とともに、コンデンサを小形化できる。
【0067】次に、本実施例の半導体スイッチモジュー
ルを冷却する冷却システムの特徴について説明する。
【0068】PWM制御装置は上記3つの導通モード及
び指定される電車の目標速度及び走行モードに従ってゲ
ートパルスを生成し、ゲートドライバを介して各半導体
スイッチモジュールをPWM制御し、インバータ装置の
出力電圧及び周波数を可変制御するとともに、電車の走
行モード(力行、惰行、制動)に従ってインバータ装置
を制御する。
【0069】半導体スイッチモジュールSM1〜SM4
オン動作時の損失により発熱する。本実施例ではその熱
を受熱板31,32と冷却器53,54からなる冷却シ
ステムにより放熱し、所定の許容温度以下に保持するよ
うにしている。すなわち、まず、半導体スイッチモジュ
ールSM1〜SM4の熱は、基板21を介して受熱板3
1,32に伝わり受熱板31,32の温度が上昇する。
次に、受熱板31,32の温度上昇によりヒートパイプ
51の蒸発部51a内の水が沸騰して蒸発し、その蒸発
熱により受熱板31,32が冷却される。ヒートパイプ
51内の蒸発した水は凝縮部51bに導かれ、放熱フィ
ンを介して電車の走行風(基本的に、紙面に直角な方向
の風)と熱交換して凝縮する。その凝縮した水はヒート
パイプ51の内壁を伝わって蒸発部51aに還流し、上
述した冷却動作が繰り返される。
【0070】ところで、3レベル・インバータを形成す
る半導体スイッチモジュールSM1〜SM4の損失(発熱
量)は、図14(a),(b)に示す半導体素子発熱サ
イクルのように、電気車の走行モード(力行、惰行、制
動)に関連することが判明した。つまり、半導体スイッ
チモジュールSM1とSM4の損失は力行時にピークがあ
り、半導体スイッチモジュールSM2とSM3の損失は制
動時にピークがある。
【0071】このことに鑑み、図1等に示したように、
本実施例では、損失のピークがずれているSM1とSM2
の対を同一の受熱板31に取付け、同様にSM3とSM4
の対を同一の受熱板32に取付けている。これにより、
力行時と制動時における受熱板への入熱量が均等化さ
れ、半導体スイッチモジュールSM1〜SM4に対して冷
却器を個別に設けた場合よりも、冷却器53,54の熱
負荷量が平均化されるから、冷却器を小形化することが
できる。
【0072】また、図8に示したように、IGBTと同
一の基板上にフリーホィーリングダイオードDFを載置
して半導体スイッチモジュールSMを形成し、発熱する
半導体素子とその冷却系統を集約しているから、装置全
体の小形化に寄与する。
【0073】この場合、スナバダイオードDSも半導体
スイッチモジュールSMに一体化して形成することがで
き、これによれば前述した配線インダクタンスを一層低
減できるとともに、冷却系統を一層集約でき、装置の小
形化に寄与しうる。
【0074】同様に、クランプダイオードDC1とDC2
を半導体スイッチモジュールSMと同一の受熱板31,
32に取り付けているので、発熱半導体素子とその冷却
系統を一層集約でき、装置全体の小形化に寄与する。ま
た、クランプダイオードDC1、DC2の損失は電車の走
行モードに対応して図7(c)のように変化するから、
冷却器を個別に設ける場合に比較して、冷却器の熱負荷
量をある程度平均化できる。
【0075】一方、図8に示したように、半導体スイッ
チモジュールSMを構成するIGBT及びフリーホイー
リングダイオードDFを、絶縁板62を介して基板61
に載置し、半導体素子の対地絶縁をモジュール内部で確
保する構成としたことから、受熱板31,32を大地電
位にすることが可能になる。これにより、受熱板31,
32及び冷却器53,54の対地絶縁が不要になるか
ら、冷却システムの構成を簡単化でき、装置全体の小形
化に寄与するとともに、受熱板31,32と冷却器5
3,54とを熱的に接続する伝熱部材として、絶縁性を
有しない水等の冷媒を用いたヒートパイプを適用でき
る。したがって、冷却能力を損なうことなく、有害なフ
ロンを用いない冷却システムを実現できる。
【0076】また、受熱板を接地電位にできることにと
もない、受熱板31,32を筐体6に直接取り付けるこ
とができる。そこで、本実施例では、図1,2に示した
ように、受熱板31,32を筐体6の垂直外壁に形成さ
れた開口部に、半導体スイッチモジュールSMを内側に
して、着脱可能に取付けたことから、受熱板31,32
の片方の面が筐体6の外部に露出する。その結果、従来
のように受熱板全体を筐体内に設置した場合に比べて、
露出した受熱板の表面も放熱面として有効に作用するか
ら、その放熱量の分だけ筐体内部の温度上昇を抑えるこ
とができ、しかも冷却器の放熱容量を低減して小形化で
きる。
【0077】なお、上記の実施例では、インバータ主回
路の半導体スイッチ素子としてIGBTを適用した例を
示したが、これに限らず、バイポーラトランジスタやM
OSゲートにより制御されるサイリスタ等のように、G
TOよりも高周波駆動可能な半導体スイッチ素子を適用
しても同一の効果が得られる。
【0078】また、上記の実施例では、受熱板を受熱板
31と32に分割し、それぞれに冷却器53,54を取
り付けた例を示したが、受熱板31,32を一体化して
も上記の効果は変わらない。しかし、受熱板に予め冷却
器を取り付けた後、組立てすることを考慮すると、受熱
板を2つに分割した方が、組立て時の取り扱いが容易で
ある。
【0079】また、受熱板31,32を半導体スイッチ
モジュール側と冷却器側とに2つ割りして接合した2層
構造にしてもよい。これによれば、更に製作、組立てが
容易になる。しかし、2層の受熱板の接合面の伝熱抵抗
により冷却効果が低下するおそれがある。
【0080】上記実施例では、冷却器としてヒートパイ
プと放熱フィンを組み合わせたものを示したが、本発明
はこれに限らず、受熱板31,32の外面に放熱フィン
を熱的に直接接合する構成、または受熱板に放熱フィン
を一体形成する構成にすることができる。
【0081】上述したように、1相分の半導体スイッチ
素子を同一の受熱板に取り付けるとともに、スナバコン
デンサやスナバダイオードを半導体スイッチ素子に対向
させて階層状に配置した構成にすると、点検・修理等の
保守性が悪くなるが、この点本実施例によれば、1相分
のインバータ主回路ごとにパワーモジュール化したこと
から、点検・修理等の保守性を改善できる。
【0082】すなわち、インバータ主回路を1相分ごと
にパワーモジュール化して共通の筐体に着脱可能に組み
込んだことから、保守時には必要なパワーモジュールを
筐体から取外すことにより、容易に各部品にアクセスで
き、保守性が向上する。
【0083】特に、ゲートドライバGDを組み込んだこ
とから、半導体スイッチ素子の動作試験等を簡単に行う
ことができる。つまり、試験用のゲートドライバを用い
て動作試験を行うと、半導体スイッチ素子のゲート特性
や容量に対応させて、各種の試験用ゲートドライバを用
意しておかなければならないから煩雑である。これに対
し、本実施例では半導体スイッチ素子に適合した所定の
ゲートドライバGDを利用できるので、簡単にかつ適正
な動作試験を行うことができる。
【0084】また、1相単位でユニット化したことか
ら、一部の部品に故障が発生したときでも、故障したパ
ワーモジュールのみを交換することにより速やかに修復
できる。しかも、予備品はインバータ装置単位でなく、
パワーモジュール単位で用意すればよい。なお、1相単
位に分割したパワーモジュールは、比較的軽量であり、
簡単な運搬具で持ち運びできる。
【0085】また、前述した半導体スイッチ素子のター
ンオフ時のスパイク電圧およびオーバーシュート電圧
は、インバータ主回路の直流電源に並列接続されたフィ
ルタコンデンサCFと半導体スイッチ素子とを接続する
配線インダクタンスの影響をも受ける。本実施例では、
図1に示すように、そのフィルタコンデンサCFを1相
分ごとに分散してコンデンサユニットとして組み込み、
半導体スイッチモジュールに対してスナバコンデンサC
Sを挟む位置に配置している。したがって、一層、スパ
イク電圧を低減でき、スナバコンデンサCSを小容量化
できる。しかも、そのような配置にすることにより、立
体的な配置構成の空間の利用率が向上し、装置全体を小
形化することができる。その結果、電気車などの限られ
たスペースに設置できる規模に小形化できる。
【0086】なお、フィルタコンデンサCFをパワーモ
ジュール支持枠33に取付け、パワーモジュールPUと
一体構成にすることができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果がある。
【0088】高周波半導体スイッチを用いるとスパイク
電圧が高くなるが、スナバコンデンサとスナバダイオー
ドを接続対象の半導体スイッチ素子が取り付けられた支
持面に対して、その半導体スイッチを挟む位置に配置し
たことから、それらを接続する配線を可能な限り短くで
きる。その結果、配線のインダクタンスが小さくなり、
スパイク電圧が低減されるので、スナバコンデンサの容
量を小さくでき、装置の小形化に寄与できる。さらに、
半導体スイッチ素子とスナバコンデンサを含む構成部品
を、立体的な階層構造の配置構成にしたことから、装置
全体の小形化に寄与する。
【0089】また、高周波半導体スイッチ素子は、GT
Oサイリスタに比べてゲートドライブに要するパワーが
小さいので、ゲートドライバを小形にできるから、装置
全体の小形化に寄与する。
【0090】さらに、半導体スイッチモジュールを1相
分ごとに分割して同一の受熱板の一面に取付け、該受熱
板の他面に冷却器を熱的に接続した構成としたことか
ら、冷却器の熱負荷量を平均化することができ、その結
果、冷却器を小形化して、装置全体を小形化できる。
【0091】また、クランプダイオードを半導体スイッ
チモジュールと同一の受熱板に取り付けたものによれ
ば、発熱半導体素子とその冷却系統を一層集約できるの
で、装置全体の小形化に寄与できる。
【0092】また、半導体スイッチ素子ごとに受熱板と
絶縁する構成としたことから、受熱板を大接地電位にで
き、冷却器の冷媒の絶縁性が問われないから、有害性の
ない水等の冷媒を用いることが可能である。
【0093】1相分のインバータ主回路ごとにパワーモ
ジュール化し、そのパワーモジュールを共通の筐体に着
脱可能に組み込んだことから、保守時には必要なパワー
モジュールを筐体から取外すことにより、容易に各部品
にアクセスでき、保守性が向上する。
【0094】特に、ゲートドライバを組み込んだものに
よれば、半導体スイッチ素子の動作試験を簡単に行うこ
とができる。
【0095】また、1相単位でモジュール化したことか
ら、一部の部品に故障が発生したときでも、故障したモ
ジュールのみを交換することにより速やかに修復でき
る。しかも、予備品はインバータ装置単位でなく、パワ
ーモジュール単位で用意すればよい。
【0096】また、フィルタコンデンサを1相分ごとに
分散して各パワーモジュールに組み込み、半導体スイッ
チモジュールに対してスナバコンデンサを挟む位置に配
置すれば、半導体スイッチ素子のターンオフ時のスパイ
ク電圧を更に低減でき、スナバコンデンサを小容量化で
きる。しかも、そのような配置にすることにより、立体
的な配置構成の空間の利用率が向上し、装置の奥行きま
たは幅を小形化することができる。その結果、電気車な
どの限られたスペースに設置できる規模に小形化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる一実施例の電気車用イン
バータ装置の主要部の構成図である。
【図2】図1の実施例を矢印 II−II から見た構成図で
ある。
【図3】電車のインバータ装置の動力系統構成図であ
る。
【図4】本発明にかかる3レベル・インバータの1相分
の主回路構成図である。
【図5】図3に示したインバータ装置を組み込んでなる
電車用インバータ装置の全体外観図である。
【図6】図5の矢印 VI-VI から見た矢視図である。
【図7】図5の電車用インバータ装置を電車の床下に艤
装した状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施例にかかる半導体スイッチモジ
ュールの構成を一部を破断して示した斜視図である。
【図9】受熱板上における半導体スイッチモジュールと
クランプダイオードの配置と接続関係を示す拡大図であ
る。
【図10】半導体スイッチモジュールに対するスナバコ
ンデンサとスナバダイオードの配置の重なり関係を示す
図である。
【図11】図4のIGBT Q1〜Q4のオン・オフ動作
と出力電圧との関係を説明する図である。
【図12】半導体スイッチ素子のターンオフ時に発生す
るスパイク電圧を説明するための主要部回路図である。
【図13】半導体スイッチ素子のターンオフ時に発生す
るスパイク電圧を説明するための、各部の電圧、電流波
形図である。
【図14】インバータの運転モードに対応させて、半導
体スイッチモジュールとクランプダイオードとの損失を
示した線図である。
【符号の説明】
1A,B インバータ装置 6 筐体 11〜23 導体 31,32 受熱板 33 パワーモジュール支持枠 35 鍔部 37 取付け座 39 パッキン 40 部品支持部材 41 腕部材 42〜45 端子台 51 ヒートパイプ 52 放熱フィン 53,54 冷却器 55 振れ止め 61 基板 62 絶縁板 63 主電極 64 熱応力緩和板 65 IBGT素子 67 絶縁ケース 68 主電極端子 69 ゲート端子 PU1〜PU3 パワーモジュール SM1〜SM4 半導体スイッチモジュール Q1〜Q4 IGBT DF1〜DF4 フリーホィーリングダイオード CS1〜CS2 スナバコンデンサ DS1〜DS4 スナバダイオード RS1〜RS3 スナバ抵抗 DC1、DC2 クランプダイオード CF1、CF2 フィルタコンデンサ CT 電流変成器
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 25/18 (72)発明者 安藤 武 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 豊田 瑛一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 松井 孝行 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 ▲高▼久 敏彦 茨城県勝田市堀口832番地の2 日立シス テムプラザ勝田 日立水戸エンジニアリン グ株式会社内 (72)発明者 中村 清 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 仲田 清 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 筒井 義雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の半導体スイッチ素子により形成さ
    れたインバータ主回路と、前記各半導体スイッチ素子に
    接続されたスナバ回路とを含んでなり、前記各半導体ス
    イッチ素子にGTOサイリスタよりも高周波駆動可能な
    素子を用いてなるインバータ装置において、前記各スナ
    バ回路を形成するスナバコンデンサを接続対象の半導体
    スイッチ素子が取り付けられた支持面に対して前記半導
    体スイッチ素子を挟む位置に配置したことを特徴とする
    インバータ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記半導体スイッチ
    素子を伝熱性を有する基板上に載置し、各半導体スイッ
    チ素子の主電極端子を当該半導体スイッチ素子の反基板
    側に設け、該基板を介して前記支持面上に取り付け、前
    記スナバコンデンサを当該スナバコンデンサの端子が接
    続対象の半導体スイッチ素子の前記主電極端子に近接す
    る位置に配置したことを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記半導体スイッチ
    素子が高周波駆動可能なバイポーラトランジスタとゲー
    ト絶縁型バイポーラトランジスタとMOSゲートで制御
    されるサイリスタのいずれか1つを用いて形成されたこ
    とを特徴とするインバータ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記スナバ回路を形
    成するスナバダイオードを接続対象の半導体スイッチ素
    子に近接させて配置したことを特徴とするインバータ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記半導体スイッチ
    素子は、該各半導体スイッチ素子に逆並列接続されるフ
    リーホィーリングダイオードと共に、同一の基板に載置
    してなる半導体スイッチモジュールとして一体化されて
    なることを特徴とするインバータ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記半導体スイッチ
    モジュールに、前記スナバ回路を形成するスナバダイオ
    ードを一体に組み込んでなることを特徴とするインバー
    タ装置。
  7. 【請求項7】 3相インバータ主回路を形成する複数の
    半導体スイッチ素子を、それぞれ伝熱性を有する基板に
    絶縁部材を介して載置して半導体スイッチモジュールを
    形成し、該複数の半導体スイッチモジュールを1相分ご
    とに分割して導電性を有する同一の受熱板の一面に取付
    けたことを特徴とするインバータ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記受熱板に取り付
    けられる1相分の前記半導体スイッチモジュールを、相
    互に接続される順序に従って配列したことを特徴とする
    インバータ装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、前記受熱板の
    他面に冷却器を熱的に接続したことを特徴とするインバ
    ータ装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記冷却器が、ヒ
    ートパイプの一端を前記受熱板に熱的に結合し、該ヒー
    トパイプの他端に放熱部を形成し、該ヒートパイプの作
    動流体として水を用いてなることを特徴とするインバー
    タ装置。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8において、前記半導体
    スイッチ素子が高周波駆動可能なバイポーラトランジス
    タとゲート絶縁型バイポーラトランジスタとMOSゲー
    トにより制御されるサイリスタのいずれか1つであるこ
    とを特徴とするインバータ装置。
  12. 【請求項12】 3相インバータ主回路を形成する少な
    くとも半導体スイッチ素子とスナバコンデンサとゲート
    ドライバおよび関連配線を1相ごとに分割し、1相ごと
    に1つの支持枠体に組み込んでパワーモジュールを形成
    し、3相分のパワーモジュールを共通の筐体に着脱可能
    に組み込んでなる電気車用インバータ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記各相のパワーモジュールが、インバータ主回路1相
    分の直列接続された複数の半導体スイッチモジュール
    と、該各半導体スイッチモジュール用のスナバ回路を形
    成するスナバコンデンサ及びスナバダイオードと、前記
    半導体スイッチモジュールを含む発熱体を冷却する冷却
    器と、当該パワーモジュールを構成する部品以外との関
    連配線を行う配線端子とを含んでなり、 前記半導体スイッチモジュールを受熱板の一面に取付
    け、 該受熱板の他の面に前記冷却器を熱的に接続し、該冷却
    器を前記筐体の外側に位置させて前記支持枠体を当該筐
    体に着脱可能に取付け、 前記受熱板に対して前記半導体スイッチモジュールを挟
    む位置に前記スナバコンデンサを取り付けたことを特徴
    とする電気車用インバータ装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記半導体スイ
    ッチモジュールの主電極端子を当該半導体スイッチモジ
    ュールの反基板側に設け、前記スナバコンデンサを当該
    スナバコンデンサの端子が接続対象の半導体スイッチモ
    ジュールの前記主電極端子に近接する位置に配置したこ
    とを特徴とするインバータ装置。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14において、前記受
    熱板に取り付けられる1相分の前記半導体スイッチモジ
    ュールを、直列接続される順に配列したことを特徴とす
    る電気車用インバータ装置。
  16. 【請求項16】 請求項13において、前記パワーモジ
    ュールが、前記スナバ回路を形成するスナバ抵抗を含ん
    でなり、該スナバ抵抗が前記支持枠体の冷却器側に取付
    けられたことを特徴とする電気車用インバータ装置。
  17. 【請求項17】 請求項13において、前記パワーモジ
    ュールが、前記スナバ回路を形成するスナバ抵抗を含ん
    でなり、該スナバ抵抗が前記受熱板の冷却器側に取付け
    られたことを特徴とする電気車用インバータ装置。
  18. 【請求項18】 請求項13において、前記インバータ
    主回路を形成するフィルタコンデンサを前記パワーモジ
    ュールの前記支持枠体に支持させたことを特徴とする電
    気車用インバータ装置。
  19. 【請求項19】 複数の半導体スイッチ素子とフィルタ
    コンデンサを含んで形成されたインバータ主回路と、前
    記各半導体スイッチ素子に接続されたスナバ回路とを備
    えてなり、前記各半導体スイッチ素子にGTOサイリス
    タよりも高周波駆動可能な素子を用いてなる電気車用イ
    ンバータ装置において、前記各スナバ回路を形成するス
    ナバコンデンサを接続対象の半導体スイッチ素子が取り
    付けられた支持面に対して前記半導体スイッチ素子を挟
    む位置に配置し、前記フィルタコンデンサを前記半導体
    スイッチ素子に対して前記スナバコンデンサを挟む位置
    に配置したことを特徴とする電気車用インバータ装置。
  20. 【請求項20】 3相インバータの構成部品を1相ごと
    に分割しそれぞれ1つの支持枠体に組み込んでパワーモ
    ジュールを形成し、電車車両の床下に車両の長手方向に
    沿って取り付けられる筐体に、該筐体の長手方向に沿っ
    て3相分の前記パワーモジュールを並べて組み込んでな
    り、 前記各相のパワーモジュールを構成する部品が、インバ
    ータ主回路1相分の直列接続された複数の半導体スイッ
    チモジュールと、前記各半導体スイッチモジュール用の
    スナバ回路を形成するスナバコンデンサおよびスナバダ
    イオードと、出力電流を検出する電流変成器と、前記半
    導体スイッチモジュールをオン・オフ駆動するゲートド
    ライバと、前記半導体スイッチモジュールを含む発熱素
    子を冷却する冷却器と、当該パワーモジュールを構成す
    る部品以外との関連配線を行う配線端子とを含んでな
    り、 前記各半導体スイッチモジュールは、それぞれ伝熱性を
    有する基板に絶縁部材を介して半導体スイッチ素子を載
    置し、主電極端子を反基板側に配置して形成され、 前記スナバダイオードは、伝熱性を有する基板に絶縁部
    材を介してダイオード素子を載置して形成され、 前記各半導体スイッチモジュールと前記スナバダイオー
    ドとをそれぞれ前記基板を介して導電性を有する受熱板
    の一面に取付け、 該受熱板を前記支持枠体に取付けるとともに該受熱板の
    他面に前記冷却器を熱的に接続し、 前記受熱板に対して平行にかつ前記半導体スイッチモジ
    ュールを挟む位置に支持部材を設け、 該支持部材の前記半導体スイッチ素子側に前記スナバコ
    ンデンサを取り付け、 前記フィルタコンデンサを前記半導体スイッチモジュー
    ルに対して前記スナバコンデンサを挟む位置に、かつ当
    該スナバコンデンサの端子が接続対象の半導体スイッチ
    モジュールの前記主電極端子に近接する位置に配置し、 該フィルタコンデンサの上方に位置させて前記電流変成
    器と前記ゲートドライバとを前記支持枠体に取り付け、 前記パワーモジュールを前記筐体の車両側面側に形成さ
    れた開口部に、前記支持枠を介して前記冷却器を外側に
    位置させて着脱可能に取り付けたことを特徴とする電気
    車用インバータ装置。
  21. 【請求項21】 請求項20において、前記3相分のパ
    ワーモジュール群を2組備え、該2組のパワーモジュー
    ル群を該各パワーモジュール群の制御モジュールを中心
    にして前記筐体の長手方向に並べて配置したことを特徴
    とする電気車用インバータ装置。
  22. 【請求項22】 請求項20において、前記フィルタコ
    ンデンサを前記支持枠体に支持させたことを特徴とする
    電気車用インバータ装置。
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