JPH0616527A - 化粧品組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】人間の皮膚に局部的に施して紫外線に対する過
度の暴露から保護する組成物を提供する。 【構成】水分散性の超微細な二酸化チタンと油分散性の
超微細な二酸化チタンとからなる有効量の日焼け止剤
と、この日焼け止剤ののための化粧上許容しうるビヒク
ルとを一緒に含む組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、人間の皮膚に局部的に
施して日光の損傷作用に対して向上した保護を与える組
成物に関するものである。

【従来の技術】人間の皮膚に対する日光の損傷作用が古
くから観察されており、この損傷から皮膚を保護するた
め多くの処置法が提案されている。一般的に、上方の大
気に浸透して地球表面に達する有害な紫外線（ＵＶ）、
特に日光から生ずる紫外線は、次のように分類すること
ができる： （ｉ） 皮膚に対し強力な生理病理学的作用を有するエ
ネルギーリッチなＵＶ−Ｂ線（２９０〜３２０ｎｍの波
長）。これらは真皮の直ぐ上で吸収されて紅斑および皮
膚色素沈着の原因となる、（ｉｉ） 皮膚中に深く浸透
する（真皮までまたはそれを越えて）ＵＶ−Ａ線（３２
０〜４００ｎｍの波長）。そのエネルギーはずっと低
く、これらが示す光生物学的作用はずっと長時間に及
び、たとえばこれらは皮膚の老化を促進する。分子が有
害な紫外線を吸収する或る種の有機物質（日焼け止剤）
が、紫外線の悪作用を緩和すべく使用するために提案さ
れている。これら物質の幾種かはＵＶ−Ａ範囲でより効
果的に吸収して、この範囲内でＵＶ線のフィルター作用
を発揮する一方、他の物質はＵＶ−Ｂ範囲でより効果的
である。しかしながら、如何なる有機日焼け止剤を選択
するにせよ、どの紫外線の波長からも保護するには共通
の問題が存在する。これは、有害な紫外線を効果的に遮
へいするのに必要な量でこれら日焼け止剤を局部的に施
した後に人体に対し生理学的損傷が生じうることであ
る。このような使用に対し安全であると思われる有機日
焼け止剤についても、皮膚に施す量に対する安全限界が
必然的に存在し、その結果有害な紫外線に対して充分な
保護が得られない。紫外線に対する皮膚の暴露を物理的
に阻止する日焼け止剤として使用するため、或る種の無
機物質も提案されている。これらのうち注目すべきもの
は、極めて小さい粒子寸法を有する二酸化チタンであ
る。超微細ＴｉＯ_２と称するこの種の二酸化チタンは、
通常の顔料グレード（粒子寸法＞３００ｎｍ）でみられ
る許容しえない皮膚白色化作用を示すことなく良好な遮
光能力をもたらす。たとえば、ドイツ特許出願公開第
３，８２４，９９９号公報（ザ・ブーツ・カンパニー
社）には、日焼け止用製剤としての油中水型エマルジョ
ンにおいて＜１００ｎｍの平均一次粒子寸法を有する二
酸化チタンを使用することが提案されている。さらに、
この引例はたとえばｐ−アミノ安息香酸およびそのエス
テル、メトキシシンナメート、ベンゾフェノン、ジベン
ゾイルメタンもしくはサリチレートのような有機日焼け
止剤をも含ませて保護を向上しうることを示唆してい
る。この提案およびその他の従来の提案にも拘らず、Ｕ
Ｖ領域にて広範囲の保護（すなわちＵＶ−ＡおよびＵＶ
−Ｂの両方）を与える極めて効率的かつ充分安全な日光
保護組成物に対するニーズがまだ存在する。

【発明の概要】今回、皮膚上に局部使用するのに適した
組成物に２種の異なる超微細な二酸化チタンを使用する
ことにより、紫外線に対する相乗的に向上した保護が得
られることを本出願人は突き止めた。

【発明の定義】したがって、本発明は紫外線に対する過
度の暴露から保護するために人間の皮膚に局部的に施す
組成物を提供する。この組成物は、 ａ． 水分散性の超微細な二酸化チタンと油分散性の超
微細な二酸化チタンとの混合物からなる有効量の日焼け
止剤と、 ｂ． 日焼け止剤用の化粧上許容しうるビヒクルとから
なることを特徴とする。

【発明の開示】本発明は、特にＵＶ−ＡおよびＵＶ−Ｂ
の両範囲を網羅する広範囲の波長にわたり紫外線に対す
る過度の暴露に対し保護を与えるべく人間の皮膚に局部
塗布するのに適した組成物に関する。本発明の組成物
は、化粧上許容しうるビヒクルに良好に分散され或いは
分配される２種の異なる超微細な二酸化チタンの特殊混
合物からなっている。組成物の種類に応じ、皮膚に有益
な他の物質および／または化粧品添加物も適宜存在させ
ることができる。二酸化チタン 本発明による組成物は２種の形態の超微細な二酸化チタ
ン、すなわち水分散性の二酸化チタンおよび油分散性の
二酸化チタンからなっている。本発明によれば水分散性
の二酸化チタンは超微細な二酸化チタンであって、その
粒子は未被覆であるか或いは親水性表面特性を粒子に付
与する物質で被覆される。この種の物質の例は酸化アル
ミニウムおよび珪酸アルミニウムを包含する。本発明に
よれば油分散性の二酸化チタンは超微細な二酸化チタン
であって、その粒子は疎水性表面特性を示すと共に、こ
の目的でたとえばステアリン酸アルミニウム、ラウリン
酸アルミニウムもしくはステアリン酸亜鉛のような金属
石鹸により或いは有機シリコーン化合物により被覆する
ことができる。「超徴細な二酸化チタン」という用語
は、１００ｎｍ未満、好ましくは１０〜４０ｎｍ、特に
好ましくは１５〜２５ｎｍの平均粒子寸法を有する二酸
化チタンの粒子を意味する。したがって、水分散性の超
微細な二酸化チタンと油分散性の超微細な二酸化チタン
との両者よりなる混合物を皮膚に局部塗布することによ
り、ＵＶ−Ａ線およびＵＶ−Ｂ線の有害作用に対し相乗
的に向上した皮膚の保護が得られることも突き止めた。
この作用を示す証拠も本明細書中に後記する。この予想
外の利点は皮膚表面の異なる領域に対し各種類の二酸化
チタンが付着することによると思われ、水分散性の二酸
化チタンは皮膚表面の親水性領域によって優先的に保持
されるのに対し、油分散性の二駿化チタンは皮膚表面の
疎水性領域によって優先的に保持される。結合した全体
的作用は皮膚表面の一層効果的な物理的被覆が得られる
ことであり、これは日光保護因子（ＳＰＦ）（すなわち
日焼け止剤の性質）を測定して示すことができ、この測
定については本明細書中に後記する。ここに説明するよ
うに向上した相乗的利点を得るには、水分散性の二酸化
チタンと油分散性の二酸化チタンとの重量比は１：４〜
４：１、好ましくは１：２〜２：１、理想的にはほぼ等
しい重量比とすべきである。本発明の組成物における二
酸化チタンの全量は組成物に対し１〜２５重量％、好ま
しくは２〜１０重量％、理想的には３〜７重量％であ
る。実験的証明が示したところでは、ここに説明した相
乗的利点は約５重量％の全二酸化チタンのレベルにて最
も顕著であり、チタンのレベルが１０重量％に達すると
低下する。この実験では等しい比率で水分散型および油
分散型の二酸化チタンを使用した。同様に、二酸化チタ
ンの全レベルが１重量％未満に低下すると顕著な日光保
護作用が示されない。化粧上許容しうるビヒクル 本発明による組成物は、この組成物中に存在する他の物
質のための希釈剤、分散剤もしくはキャリヤとして作用
する化粧上許容しうるビヒクルをも含んで、組成物を皮
膚および／または毛髪に施こした際に分配を容易化させ
る。水以外のビヒクルは液体もしくは固体の軟化剤、溶
剤、保湿剤、増粘剤および粉末を包含する。単一で或い
は１種もしくはそれ以上のビヒクルの混合物として使用
しうるこの種のビヒクルの例は次の通りである：たとえ
ばステアリルアルコール、グリセリルモノリシノレエー
ト、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イ
ソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、
ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリ
ン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デ
シル、オクタデカン−２−オール、イソセチルアルコー
ル、エイコサニルアルコール、ベヘニルアルコール、パ
ルミチン酸セチル、シリコーン油（たとえばジメチルポ
リシロキサン）、セバシン酸ジ−ｎ−ブチル、ミリスチ
ン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステア
リン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、コ
コア脂、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム核油、
菜種油、サフラワ油、マツヨイグサ油、大豆油、ヒマワ
リ油、アボカド油、ゴマ油、ヤシ油、落花生油、ヒマシ
油、アセチル化ラノリンアルコール、石油ゼリー、鉱
油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチ
ン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミ
リスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル
などの軟化剤；たとえばプロパン、ブタン、イソブタ
ン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素などの
噴射剤；たとえばエチルアルコール、塩化メチレン、イ
ソプロパノール、アセトン、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロ
フランなどの溶剤；たとえばチョーク、タルク、フラー
土、カオリン、澱粉、ガム、コロイドシリカ、ポリアク
リル酸ナトリウム、テトラアルキルおよび／またはトリ
アルキルアリールアンモニウム、スメクタイト、化学的
に変成した珪酸マグネシウムアルミニウム、有機的に変
成したモンモリロナイト粘土、水和珪酸アルミニウム、
煙霧（ヒュームド）シリカ、カルボキシビニル重合体、
ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチレングリ
コールモノステアレートなどの粉末。一般に、化粧上許
容しうるビヒクルはエマルジョンに対し１０〜９９．９
重量％、好ましくは５０〜９９重量％を構成し、他の化
粧品添加剤の不存在下にエマルジョンの残部を構成する
ことができる。適宜の皮膚有益物質および化粧品添加剤 本発明による組成物の特に便利な形態はエマルジョンで
あって、油または油性物質を一般に乳化剤と共に存在さ
せて油中水型エマルジョンまたは水中油型エマルジョン
を生成させ、これは主として使用する乳化剤の平均親水
−親油バランス（ＨＬＢ）に依存する。油または油性物質 本発明による組成物は、必要に応じ油の性質を有する１
種もしくはそれ以上の油または他の物質を含むことがで
きる。適する油の例は鉱油および植物油、並びにたとえ
ば軟化剤として既に提案したような油性物質を包含す
る。他の油または油性物質はシリコーン油（揮発性およ
び不揮発性の両者）、たとえばポリジメチルシロキサン
を包含する。エマルジョンを形成する目的で存在させる
場合、油または油性物質は一般に組成物に対し９０容量
％まで、好ましくは１０〜８０容量％を構成する。乳化剤 本発明による組成物はさらに必要に応じ１種もしくはそ
れ以上の乳化剤をも含むことができ、その選択は一般に
油中水型もしくは水中油型のいずれのエマルジョンが形
成されるかを決定する。油中水型エマルジョンが必要と
される場合、選択される乳化剤は一般に１〜６の平均Ｈ
ＬＢ値を持つべきである。水中油型エマルジョンが必要
とされる場合、選択される乳化剤は＞６の平均ＨＬＢ値
を持つべきである。適する乳化剤の例を下表１に示し、
ここで乳化剤の化学名を市販入手しうる商品名の例と共
に示し、さらにその平均ＨＬＢ値をも示す。

【表１】

【表２】

【表３】 乳化剤の上記リストは、本発明により使用するのに適し
た選択乳化剤を限定することを意図せず、単に例示する
ものである。所望ならば２種もしくはそれ以上の乳化剤
を使用しうることを了解すべきである。本発明の組成物
に混入すべき乳化剤またはその混合物の量は、適当には
組成物に対し１〜５０重量％、好ましくは２〜２０重量
％、特に好ましくは２〜１０重量％である。水 本発明の組成物は、さらに通常８０容量％まで、好まし
くは５〜８０容量％の水を含むことができる。シリコーン界面活性剤 さらに本発明の組成物は、上記した適宜の乳化剤の代り
に或いはそれに加えて、同様に乳化剤としても作用しう
る高分子量のシリコーン界面活性剤をも必要に応じ含む
ことができる。シリコーン界面活性剤は、ポリオキシエ
チレンおよび／またはポリオキシプロピレン側鎖を有す
るジメチルポリシロキサンの高分子量重合体であって、
１０，０００〜５０，０００の分子量を有すると共に式

【化１】 ［式中、基Ｒ′およびＲ″はそれぞれ−Ｈ，Ｃ_１−１８
アルキルおよび式

【化２】 の基から選択され、ここでａは９〜１１５の数値を有
し、ｂは０〜５０の数値を有し、Ｘは１３３〜６７３の
数値を有し、ｙは２５〜０．２５の数値を有する］の構
造を有する。好ましくは、ジメチルポリシロキサン重合
体は、ａが１０〜１１４の数値を有し、ｂが０〜４９の
数値を有し、Ｘが３８８〜４０２の数値を有し、ｙが１
５〜０．７５の数値を有し、さらに基Ｒ′およびＲ″の
一方がラウリルであり、他方が１０００〜５０００の分
子量を有するものである。特に好適なジメチルポリシロ
キサン重合体は、ａが１４の数値を有し、ｂが１３の数
値を有し、ｘが２４９の数値を有し、ｙが１．２５の数
値を有するものである。ジメチルポリシロキサン重合体
は便利には揮発性シロキサン中の分散物として提供さ
れ、この分散物はたとえば１〜２０容量％の重合体と８
０〜９９容量％の揮発性シロキサンとで構成される。理
想的には、分散物は揮発性シロキサンに分散された１０
容量％の重合体よりなっている。ポリシロキサン重合体
を分散させうる揮発性シロキサンの例はポリジメチルシ
ロキサン（五量体および／または六量体）を包含する。
特に好適なシリコーン界面活性剤は、たとえばダウ・コ
ーニング社から入手しうるＤＣ３２２５Ｃ配合助剤のよ
うなシクロメチコーンおよびジメチコーンコポリオール
である。他のものは、たとえばＤＣＱ２−５２００のよ
うなラウリルメチコーンコポリオールであって、同様に
ダウ・コーニング社から入手することができる。組成物
中に存在させる場合、シリコーン界面活性剤の量は一般
にエマルジョンの２５重量％まで、好ましくは０．５〜
１５重量％である。有機日焼け止剤 本発明のエマルジョンは必要に応じ有機日焼け止剤をも
含んで、日光に対する過度の暴露の有害作用から保護を
与えるエマルジョンの利点をさらに向上させることがで
きる。上記したように、或る種の有機日焼け止剤は、Ｕ
Ｖ−Ａ範囲もしくはＵＶ−Ｂ範囲のいずれかから効果的
に光線を遮断するのに充分な濃度で皮膚に対し局部的に
施こせば、健康に対し有害となりうる。しかしながら、
広範囲の保護を与えうる超微細な二酸化チタンの存在
は、通常量よりも少ない有機日焼け止剤を用いてエマル
ジョンの全体的な日光保護因子を極めて高いレベルまで
「増大（ｔｏｐ−ｕｐ）」させることができ、しかもよ
り高レベルの有機日焼け止剤のみの使用に伴いうる種類
の皮膚損傷もしくは他の健康問題を生ぜしめる危険がな
い。上記に鑑み、比較的少量の有機日焼け止剤を本発明
のエマルジョンに適宜混入することができる。必要とす
る場合、適する有機日焼け止剤の例は下表２に示すも
の、並びにその混合物を包含する。

【表４】

【表５】 したがって、本発明のエマルジョンは０．１〜１０重量
％、好ましくは１〜５重量％の有機日焼け止剤を含むこ
とができる。他の無機日焼け止剤 本発明のエマルジョンは、ここに規定した超微細な二酸
化チタンの他に無機日焼け止剤を適宜含むことができ
る。他の無機日焼け止剤の例は次のものを包含する： 酸化亜鉛，１〜３００ｎｍの平均粒子寸法を有する； 酸化鉄，１〜３００ｎｍの平均粒子寸法を有する； シリカ，たとえば煙霧シリカ、１〜１００ｎｍの平均粒
子寸法を有する。本発明のエマルジョンにおける成分と
して使用する場合、シリカは赤外線からの保護を与えう
ることに注目すべきである。他の化粧品添加剤 適宜使用しうる慣用の添加剤の例は保存料、たとえはｐ
−ヒドロキシ安息香駿エステル；酸化防止剤、たとえば
ブチルヒドロキシトルエン；保湿剤、たとえばグリセリ
ン、ソルビトール、２−ピロリドン−５−カルボキシレ
ート、ジブチルフタレート、ゼラチン、ポリエチレング
リコール（たとえばＰＥＧ２００〜６００）；緩衝剤、
たとえばトリエタノールアミンもしくは水酸化ナトリウ
ムのような塩基を伴なう乳酸；ワックス、たとえば蜜ロ
ウ、地ロウ、パラフィンワックス；植物抽出物、たとえ
ばアロエ・ベラ、コーンフラワー、アメリカマンサク、
ニワトコ、キウリ、増粘剤；活性向上剤；着色料；並び
に香料を包含する。化粧品添加剤は、組成物の残部を構
成することができる。組成物の用途 本発明による組成物は、主として日光に対する過度の暴
露による有害作用から露出皮膚を保護するよう人間の皮
膚に局部塗布するためのサンケア製品として使用され
る。使用に際し、少量（たとえば１〜５ｍｌ）の組成物
を適当な容器もしくはアプリケータから皮膚の露出領域
に施こし、次いで必要に応じて手もしくは指または適当
な器具を用いて皮膚に展延し或いは擦り込む。製品形態および包装 本発明の局部的皮膚および／または毛髪処理組成物は、
４０００〜１０，０００ｍＰａｓの粘度を有するローシ
ョン、１０，０００〜２０，０００ｍＰａｓの粘度を有
する液状クリーム、または２０，０００〜１００，００
０ｍＰａｓもしくはそれ以上の粘度を有するクリームと
して処方することができる。組成物は、その粘度および
消費者による所定の用途に適した適当な容器に包装する
ことができる。たとえば、ローションもしくは液状クリ
ームは壜またはロールボールアプリケータまたは噴射剤
によるエアロゾル器具または指操作に適したポンプを有
する容器に包装することができる。組成物がクリームで
ある場合、これは非変形性の壜または絞り容器、たとえ
ばチューブもしくは蓋付ジャーに単に貯蔵することがで
きる。したがって本発明は、ここに規定した化粧上許容
しうる組成物を含有する密閉容器をも提供する。インビトロにおける日光保護因子（ＳＰＦ）の決定方法 本発明のエマルジョンをインビトロにてＳＰＦ決定する
方法は、拡散透過検出システムを装着したパーキン・エ
ルマー・ラムダ１７型分光光度計を用いて４００〜２９
０ｎｍで角質層を分光光度走査することを含む。人間の
皮膚の代りにモルモットの角質層を用いて次の手順にし
たがう。 ｉ．モルモットの角質層をモルモットの皮膚から微細シ
ートとして分離し、空気乾燥させる。 ｉｉ．角質層の片を１滴の蒸留水により０．５ｃｍの石
英キュベットの外面に貼って、角質層を石英表面に均一
に封止する。 ｉｉｉ角質層の片を支持する石英キュベットを、この目
的で蛍光遮断フィルタを備えた分光光度計の光路に置
く。このフィルタは角質層の自己蛍光を除去すると共に
４００ｎｍより高い透過光を全て濾過除去する。 ｉｖ．角質層を２９０〜４００ｎｍにて走査し、得られ
たスペクトルを比較として用いる。 Ｖ．角質層を有するキュベットを分光光度計から取り外
し、試験物質（すなわち日焼け止剤）を１．５μｌ／ｃ
ｍ^２の割合にて角質層に施し、その際ドイツＤＩＮの手
順にしたがい、さらに指サックをはめた指により皮膚の
全表面にわたって均一に擦る。 Ｖｉ．施した日焼け止剤を室温（２０℃）にて５分間に
わたり静置して乾燥させ、次いで試料を２９０〜４００
ｎｍにて前記と同様に分光光度計で再走査する。このス
ペクトルを試験スペクトルとして用いる。２〜１５分間
の乾燥時間にてスペクトル吸収の変化は観察されなかっ
た。したがって、５分間の乾燥時間を標準として採用し
た。 ｖｉｉ．比較スペクトルを試験スペクトルから引算して
日焼け止剤の試験試料におけるスペクトル吸収率を得、
この吸収率を透過率に変換する。 ｖｉｉｉ．最後に、インビトロにおける日光保護因子
（ＳＰＦ）をジフェイ（Ｄｉｆｆｅｙ）等により「紫外
線スペクトル全体にわたる日焼け止剤保護因子を測定す
るための新規な基質」と題する論文［Ｊ．Ｓｏｃ．Ｃｏ
ｓｍｅｔ．Ｃｈｅｍ．４０，１２７−１３３（１９８９
年５月／６月、特に１３０頁］に記載されたように透過
率測定値から計算する。水分散性および油分散性の超微細な二酸化チタンの両者
を用いる紫外線に対する皮膚の相乗的に向上した保護を
示すための証明 この実験においては、水分散性の二酸化チタンおよび油
分散性の二酸化チタンの日光保護因子（ＳＰＦ）をそれ
ぞれ別々におよび混合物として測定し、その際「Ｄｅｕ
ｔｓｃｈｅｓ Ｉｎｓｔｉｔｕｔ ｆｕｒ Ｎｏｒｍｕ
ｎｇ．ＤＩＮ６７ ５０１、１９８５年１２月」に記載
されたドイツＤＩＮ技術を用いた。この実験における組
成物は次の通りであった：

【表６】 得られた結果を下表３に示す。

【表７】 表３に示した結果は、試験組成物における二酸化チタン
の全量が等重量の各種類の二酸化チタンからなる５％で
あるときに、水分散性もしくは油分散牲の二酸化チタン
のいずれかをそれぞれ５％Ｗ／Ｗレベルで使用した場合
よりもＳＰＦに関し増大した利点が得られたことを確認
する。これは混合物に関する予想外（相乗的）の反応を
示唆する。それぞれ２倍量の二酸化チタンを含有する３
種の他の組成物（１Ａ、２Ａおよび３Ａ）についても同
様に試験した。これら組成物は、二酸化チタンの増量に
応じて水の量を５重量％減少させた以外は上記組成物
１、２および３と同様にした。得られた結果を下表４に
示す。

【表８】 表４に示した結果は２種の形態のＴｉＯ_２の間に相乗作
用が存在しないことを示しているようにみえるが、実際
はそうではない。水分散性ＴｉＯ_２によるＳＰＦ（８．
１）と油分散性ＴｉＯ_２によるＳＰＦ（１２．３）の平
均が算術平均（１０．２）であると仮定するのは正しく
ない。ＳＰＦをｌｏｇ（１／ＳＰＦ）の吸光度値に変換
し、この吸光度値を平均してから平均のＳＰＦに再変換
することにより真の平均が得られる。すなわち、式

【数１】 となる。すなわち、２種類のＴｉＯ_２の混合物は１０．
５−９．９８＝０．５の予想外の付加的ＳＰＦを与え
る。これらの結果は、Ｏ／ＤおよびＷ／ＤのＴｉＯ_２の
混合物がこれら２成分の吸光度を平均して予想されるよ
りも予想外に大きいＳＰＦを与えることを示している。
この作用は、全ＴｉＯ_２濃度が１０％の場合よりも５％
の場合大きく増大するが、両濃度にて存在する。

【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。各組成物において、用いた二酸化チタンは１
５〜２５ｎｍの平均粒子寸法を有する超微細な二酸化チ
タンである。実施例１ この実施例は本発明によるローションを例示する。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ シリコーン界面活性剤 １０．００ 揮発性シロキサン １４．００ 鉱 油 １．５０ 二酸化チタン（水分散性） ２．５０ 二酸化チタン（油分散性） ２．５０ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ ブチレングリコール １０．００ 塩化ナトリウム ２．００ １−プロリン ０．１０ 中 和 剤 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 香 料 ｑｓ 水 ｑｓ実施例２ この実施例は本発明による液状クリームを例示する。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ 揮発性シロキサン（ＤＣ３４５） ８．２０ シリコーン界面活性剤 １２．００ 石油ゼリー ０．５０ 鉱 油 １．５０ パルソルＭＣＸ（オクチルメトキシシンナメート） ３．００ 二酸化チタン（油分散性） ２．００ 二酸化チタン（水分散性） ２．００ 塩化ナトリウム ２．００ ブチレングリコール １０．００ １−プロリン ０．１０ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ 中 和 剤 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 香 料 ｑｓ 水 ｑｓ実施例３ この実施例は本発明によるクリームを例示する。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ 揮発性シロキサン（ＤＣ３４５液体） ８．２ シリコーン界面活性剤（ＤＣ３２２５Ｃ） １２．０ 鉱 油 １．５ 石油ゼリー ０．５ パルソルＭＣＸ（オクチルメトキシシンナメート） １．５ 二酸化チタン（油分散性） １．０ 二酸化チタン（水分散性） １．０ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．０ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．０ 塩化ナトリウム ２．０ ブチレングリコール １０．０ １−プロリン ０．１０ 中 和 剤（水相を４．５にする） ｑ．ｓ． 保 存 料 ｑ．ｓ． 香 料 ｑ．ｓ． 水 １００まで実施例４ この実施例は本発明によるローションを例示する。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ シリコーン界面活性剤（ＤＣ３２２５Ｃ） １０．００ 揮発性シロキサン（ＤＣ３４５） １４．００ 鉱 油 １．５０ パルソルＭＣＸ ３．００ 二酸化チタン（油分散性） ２．００ 二酸化チタン（水分散性） ２．００ ブチレングリコール １０．００ 塩化ナトリウム ２．００ １−プロリン ０．１０ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ 中 和 剤 ｑｓ 香 料 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 水 ｑｓ実施例５ この実施例は本発明による日焼け止クリームを例示す
る。 成 分 ％ ＷＷ ポリオキシエチレン（２）ステアリルアルコール ３ ポリオキシエチレン（２１）ステアリルアルコール ２ セチルアルコール １．５ 軟質白色パラフィン １．５ シリコーン流体２００ ５ 液体パラフィン ８ グリセリン ２ 保 存 料 ０．５ 二酸化チタン（水分散性） ２．５ 二酸化チタン（油分散性） ２．５ 水 １００実施例６ この実施例も本発明による日焼け止クリームを例示す
る。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ セチルジメチコーンコポリオール） セチルジメチコーン ）^＊ ５ ポリグリセリル−３−オレエート） ヘキシルラウレート ） イソプロピルミリステート １３．５ 蜜ロウ ３ シリコーン流体２００ ５ 保 存 料 ０．５ 二酸化チタン（水分散性） ２．５ 二酸化チタン（油分散性） ２．５ 水 １００まで^＊ 入手しうるものはＧｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔ社製のア
ビル（ＡＢＩＬ）Ｗ５０８である。実施例７ この実施例は本発明によるローションを例示する。 成 分 ％ Ｗ／Ｗ シリコーン界面活性剤 １０．００ 揮発性シロキサン １４．００ 鉱 油 １．５０ 超徴細な二酸化チタン（水分散性） ２．５０ 超微細な二酸化チタン（油分散性） ２．５０ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ ブチレングリコール １０．００ 塩化ナトリウム ２．００ アミノ酸 ０．１０ 中 和 剤 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 香 料 ｑｓ 水 ｑｓＳＰＦデータ インビトロで試験したローションは１０．０のＳＰＦを
与えた（＋／−標準偏差（ＳＥＭ）＝０．７）。比較実験 実験１ 油分散性の超微細な二酸化チタン（２．５％Ｗ／Ｗ）を
省略し、その代りに等しい量の追加の水分散性二酸化チ
タンを用いることにより、実施例７に示した組成物と類
似の組成物を作成した。したがって新たな組成物は全量
で５％Ｗ／Ｗの水分性の超微細な二酸化チタンを含有し
ていた。すなわち、実験１の組成物の組成は次の通りで
ある： 成 分 ％ Ｗ／Ｗ シリコーン界面活性剤 １０．００ 揮発性シロキサン １４．００ 鉱 油 １．５０ 超微細な二酸化チタン（水分散性） ５．００ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ ブチレングリコール １０．００ 塩化ナトリウム ２．００ アミノ酸 ０．１０ 中 和 剤 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 香 料 ｑｓ 水 ｑｓＳＰＥデータ インビトロで試験したローションは７．８のＳＰＦを与
えた（＋／−標準偏差（ＳＥＭ）＝０．３）。実験２ 水分散性の超微細な二酸化チタン（２．５％Ｗ／Ｗ）を
省略し、その代りに等しい量の追加の油分散性二酸化チ
タンを用いて、実施例７に示した組成物と類似の組成物
を作成した。したがって新たな組成物は全量で５％Ｗ／
Ｗの油分散性の超徴細な二酸化チタンを含有していた。
実験２の組成物の組成は次の通りである： 成 分 ％ Ｗ／Ｗ シリコーン界面活性剤 １０．００ 揮発性シロキサン １４．００ 鉱 油 １．５０ 超微細な二酸化チタン（油分散性） ５．００ ２−ヒドロキシオクタン酸 １．００ ２−ヒドロキシプロパン酸 ５．００ ブチレングリコール １０．００ 塩化ナトリウム ２．００ アミノ酸 ０．１０ 中 和 剤 ｑｓ 保 存 料 ｑｓ 香 料 ｑｓ 水 ｑｓＳＰＦデータ インビトロで試験したローションは７．９のＳＰＦを与
えた（＋／−標準偏差（ＳＥＭ）＝０．４）。結 論 本発明による実施例７の組成物のＳＰＦデータを、水分
散性の超微細な二酸化チタンまたは油分散性の超微細な
二酸化チタンのいずれかを含有する（したがって本発明
によらない）実験１および２の組成物のＳＰＦデータと
比較すれば明らかなように、各組成物に同量（すなわち
５重量％）の二酸化チタンが存在する場合、実施例７の
組成物におけるＳＰＦ値は実験１または実験２のＳＰＦ
値よりも顕著に大である。これは、同じ組成物において
所定割合の油分散性の超微細な二酸化チタンを所定割合
の水分散性の超微細な二酸化チタンと組合せた際の優秀
性を示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イアン・リチヤード・スコツト イギリス国、ノーザンプトンシヤー・エ ヌ・エヌ・８・３・エヌ・ゼツト、ウエリ ンバラ、グレニーグルズ・ドライブ、ホイ レイク・６

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人間の皮膚に局部的に施して紫外線に対
   する過度の暴露から保護する組成物において、 ａ．水分散性の超微細な二酸化チタンと油分散性の超微
   細な二酸化チタンとの混合物からなる有効量の日焼け止
   め剤と、 ｂ．化粧上許容しうる日焼け止め剤用のビヒクルとから
   なることを特徴とする人間の皮膚に局部的に施す組成
   物。
2. 【請求項２】 二酸化チタンの全量が１〜２５重量％で
   ある請求項１に記載の組成物。
3. 【請求項３】 二酸化チタンの全量が１〜１０重量％で
   ある請求項１に記載の組成物。
4. 【請求項４】 二酸化チタンの全量が３〜７重量％であ
   る請求項１に記載の組成物。
5. 【請求項５】 水分散性の二酸化チタンと油分散性の二
   酸化チタンとの重量比が１：４〜４：１である請求項１
   〜４のいずれか１項に記載の組成物。
6. 【請求項６】 水分散性の二酸化チタンと油分散性の二
   酸化チタンとの重量比が１：２〜２：１である請求項１
   〜５のいずれか１項に記載の組成物。
7. 【請求項７】 エマルジョンである請求項１〜６のいず
   れか１項に記載の組成物。
8. 【請求項８】 さらにシリコーン油を含む請求項１〜７
   のいずれか１項に記載の組成物。
9. 【請求項９】 さらにシリコーン界面活性剤を含む請求
   項１〜８のいずれか１項に記載の組成物。
10. 【請求項１０】 さらに有機日焼け止め剤を含む請求項
    １〜９のいずれか１項に記載の組成物。
11. 【請求項１１】 有機日焼け止め剤がオクチルメトキシ
    シンナメートである請求項１０に記載の組成物。
12. 【請求項１２】 紫外線への暴露による損傷から人間の
    皮膚および毛髪を保護する際の、皮膚もしくは毛髪に局
    部的に施すことによる請求項１〜１１のいずれか１項に
    記載の組成物の使用。
13. 【請求項１３】 超微細な二酸化チタンのための多量割
    合の化粧上許容しうるビヒクルを含む人間の皮膚に局部
    的に施して紫外線に対する過度の暴露から保護するため
    の組成物における、少なくとも１重量％の水分散性の超
    微細な二酸化チタンと油分散性の超徴細な二酸化チタン
    との混合物の使用。