JPH06164968A - ダイナミックフォーカス電圧調整回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラウン管におけるダイナミックフォーカス
に必要な水平および垂直周期のパラボラ電圧を水平ブラ
ンキング期間および垂直ブランキング期間それぞれのレ
ベルを他のレベルに切り換えることによりフォーカス電
圧を調整する。 【構成】 走査期間では、第１の切換回路３は水平パラ
ボラ波生成部１よりの水平パラボラ波を取り出し、第２
の切換回路６は垂直パラボラ波生成部４よりの垂直パラ
ボラ波を取り出す。制御部７は、水平帰線期間では第１
の切換回路３を水平ブランキング信号側（ｂ側）へ切り
換え、垂直帰線期間では第２の切換回路６を垂直ブラン
キング信号側（ｂ側）へ切り換える。制御部７によるこ
の切り換えタイミングは水平および垂直の各同期信号
（S1）を基準にして定められる。各ブランキング信号の
振幅を変えることにより、平均値レベルに対する各パラ
ボラの瞬時値が変わるのでフォーカス電圧を調整するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブラウン管におけるい
わゆるダイナミックフォーカスにおいて、該ダイナミッ
クフォーカスに必要な水平および垂直周期のパラボラ電
圧を水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間
それぞれのレベルを他のレベルに切り換えることにより
フォーカス電圧を調整するようにしたダイナミックフォ
ーカス電圧調整回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３（Ａ）は従来のダイナミックフォー
カス電圧生成の一実施例を示す要部ブロック図、同図
（Ｂ）はダイナミックフォーカス電圧を示す図である。
以下、図３につき概略説明する。図３（Ａ）において、
垂直パラボラ電圧生成回路31および水平パラボラ電圧生
成回路32で生成した垂直パラボラ電圧と水平パラボラ電
圧は合成回路33で合成し、出力回路34で所定電圧に増幅
後、コンデンサC1を介してブラウン管35のフォーカス電
極へ印加される。一方、水平出力回路36と接続されたフ
ライバックトランス（ＦＢＴ）の高圧巻線（N2）からは
高圧の他、フォーカス電圧（直流）が得られる。このフ
ォーカス電圧は調整用ボリューム（VR１）を介してブラ
ウン管35のフォーカス電極へ印加される。従って、ブラ
ウン管35のフォーカス電極にはVR１で調整した直流フォ
ーカス電圧VfとC1を介した前記垂直および水平のパラボ
ラ電圧との合成電圧が印加される。この合成電圧の原理
波形図は同図（Ｂ）のようになる。図示のように、画面
中心から垂直および水平両方向とも離れる程（周辺
部）、フォーカス電圧をパラボラ状に高くする。これに
より、画面中心部と周辺部全域のフォーカスを適正にす
ることができる。一般に、パラボラ電圧の波形は固定に
し、直流電圧VfをVR１で個々に調整して最適のフォーカ
ス状態に設定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】適正フォーカス電圧
は、アノード高圧値と一定の関係があり（例えば、アノ
ード高圧値の30〜40％）、電圧としては高い部類に属す
る。このような高い電圧をボリュームで調整する場合、
微調整の段階では相当の注意力をもって調整する必要が
あった。特に、パラボラ波形を変えて調整する方法を併
用した場合、変化して欲しくない部分もフォーカスが変
わってしまい、これを補正するために前記ボリュームの
再調整を要することになり、調整が容易ではない。本発
明は、フォーカス調整をより容易なものとするため、垂
直および水平各パラボラ波の帰線期間のレベルを変える
ことでフォーカス調整するようにしたダイナミックフォ
ーカス電圧調整回路を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記ダイナミ
ックフォーカス回路において、水平周期のパラボラ電圧
を生成する水平パラボラ波生成部と、振幅を可変できる
水平ブランキング信号を生成する水平ブランキング信号
生成部と、前記水平周期のパラボラ電圧と水平ブランキ
ング信号とを切り換える第１の切換回路と、垂直周期の
パラボラ電圧を生成する垂直パラボラ波生成部と、振幅
を可変できる垂直ブランキング信号を生成する垂直ブラ
ンキング信号生成部と、前記垂直周期のパラボラ電圧と
垂直ブランキング信号とを切り換える第２の切換回路
と、入力された水平および垂直の同期信号に基づき、水
平帰線期間のみ前記第１の切換回路を水平ブランキング
信号側に切り換え、また垂直帰線期間のみ前記第２の切
換回路を垂直ブランキング信号側にそれぞれ切り換える
制御部とを備え、前記水平ブランキング信号および垂直
ブランキング信号それぞれの前記振幅を調整することに
より所要の水平パラボラ波および垂直パラボラ波を得る
ようにしたダイナミックフォーカス電圧調整回路を提供
するものである。

【０００５】

【作用】走査期間では、第１の切換回路は水平パラボラ
波を取り出し、第２の切換回路は垂直パラボラ波を取り
出す。制御部は、水平帰線期間では第１の切換回路を水
平ブランキング信号側へ切り換え、垂直帰線期間では第
２の切換回路を垂直ブランキング信号側へ切り換える。
制御部によるこの切り換えタイミングは水平および垂直
の各同期信号を基準にして定められる。各ブランキング
信号の振幅を調整して変えることにより、平均値レベル
に対する各瞬時値が変わる。このことは、最終的なダイ
ナミックフォーカス電圧を変えることを意味する。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明によるダイナミ
ックフォーカス電圧調整回路を説明する。図１は本発明
によるダイナミックフォーカス電圧調整回路の一実施例
を示す要部ブロック図、図２は図１の英字を付した箇所
（水平パラボラ波）の原理波形図である。図１におい
て、１は水平周期のパラボラ電圧を生成する水平パラボ
ラ波生成部、２は振幅を可変できる水平ブランキング信
号を生成する水平ブランキング信号生成部、３は水平パ
ラボラ波生成部１よりの水平周期のパラボラ電圧と、水
平ブランキング信号生成部２よりの水平ブランキング信
号とを切り換える第１の切換回路、４は垂直周期のパラ
ボラ電圧を生成する垂直パラボラ波生成部、５は振幅を
可変できる垂直ブランキング信号を生成する垂直ブラン
キング信号生成部、６は垂直パラボラ波生成部４よりの
垂直周期のパラボラ電圧と、垂直ブランキング信号生成
部５よりの垂直ブランキング信号とを切り換える第２の
切換回路、７は入力された水平および垂直の同期信号S1
に基づき、水平帰線期間のみ前記第１の切換回路３を水
平ブランキング信号側に切り換え、垂直帰線期間のみ前
記第２の切換回路６を垂直ブランキング信号側にそれぞ
れ切り換える制御部、８は第１の切換回路３および第２
の切換回路６それぞれよりの信号を合成する合成部、９
は合成部８よりの合成パラボラ波を所定のレベルに増幅
する増幅部、C1はカップリングコンデンサ、VR１はフラ
イバックトランス（図示せず）よりの直流フォーカス電
圧を所要の電圧に調整するフォーカス調整ボリュームで
ある。

【０００７】次に、本発明の動作について説明する。水
平パラボラ波生成部１および垂直パラボラ波生成部４に
おける各パラボラ波は水平又は垂直の各偏向電流を積分
等することで生成される。水平パラボラ波形例を図２
（Ａ）の（イ）（ロ）に示す。垂直パラボラについては
水平パラボラと周期Ｔおよびブランキング期間ｔの点で
相違するが、波形的には共通するので水平のみ描いてあ
る。つまり、（Ａ）と（Ｄ）、（Ｂ）と（Ｅ）、（Ｃ）
と（Ｆ）とは対応する。従って、下記説明で垂直関係は
周期Ｔとブランキング期間ｔとを水平から垂直に置き換
えればよい。尚、（イ）と（ロ）は説明（後述）の便宜
上から分けたもので両者は同一のものである。水平ブラ
ンキング信号生成部２で生成されるブランキング信号の
波形例を図２（Ｂ）の（イ）（ロ）に示す。垂直ブラン
キング信号は垂直ブランキング信号生成部５で生成す
る。その波形は（Ｂ）の周期Ｔが垂直周期になったもの
であって、その他ブランキング期間ｔが相違したもので
る。各ブランキング信号の振幅（V1）は調整により可変
できる。その可変範囲は機器の設計仕様上から決めれば
よいが、図示のように極性が反転する範囲まで拡げて可
変するようにしてもよい。Ｂ図において、（イ）を正極
性とすれば、（ロ）が負極性を示す。

【０００８】制御部７には同期信号S1（水平、垂直）が
入力される。この同期信号から、制御部７は水平ブラン
キング期間に同期した切換信号S2および垂直ブランキン
グ期間に同期した切換信号S3を出力し、第１の切換回路
３と第２の切換回路６をそれぞれ切り換える。これら切
り換えは、水平、垂直の各ブランキング期間のみ各ブラ
ンキング信号側（各切換回路ｂ側）になり、その他の期
間はａ側にする。この結果、各切換回路は図２（Ｃ）に
示す波形の電圧を出力することになる（垂直はＦ）。即
ち、各パラボラ波のブランキング期間が各ブランキング
信号生成部（２、５）よりのブランキング信号に入れ替
わる。（Ｃ）ー（イ）はブランキング信号を前記の正極
性（イ）とした場合であり、同（ロ）は負極性（ロ）と
した場合を示したものであり、パラボラ波（イ）と
（ロ）は同一のものである。各切換回路よりの水平パラ
ボラ波（Ｃ）と垂直パラボラ波（Ｆ）とは合成部８で合
成する。合成部８の出力波形を図２（Ｇ）（イ）に示
す。同図（ロ）は水平パラボラ波の拡大図である。合成
部８の出力は増幅部９で所定レベルに増幅し、コンデン
サC1を介して、フォーカス調整ボリュームVR１よりの直
流電圧V5に重畳する。この重畳は合成パラボラ波の平均
レベルがVR１よりの直流電圧V5に一致するように重な
る。

【０００９】ここで、図２（Ｂ）に戻るが、同図の振幅
V1を変化すると、同図（Ｃ）の平均レベルV2からの走査
期間瞬時電圧V3も変化する。V1を小さくするほどV3は小
さくなり、ブランキング信号を前記の負極性にすれば同
図V4のようにさらに小さくなる（V3＞V4）。前述のよう
に、平均レベルV2は直流電圧V5に一致するように重畳す
るので、直流電圧V5を基準とした走査期間の各瞬時の電
圧V6はブランキング信号の振幅V1を変える（調整）こと
により変化させることができることになる。本発明は以
上の説明のように、ブランキング信号の振幅を変えるこ
とでダイナミックフォーカス電圧を調整するものであ
が、パラボラ波自体の波形を変えてフォーカス調整する
機能の場合に特に有効である。即ち、図Ｇにおいて、例
えば、画面中央部のフォーカス電圧をV7（対接地）とし
た場合、VR１で直流電圧V5を変化したときには当然V7も
V5に連れて変化する。このV5を変化した場合にもV7をV5
変化前の電圧に維持したい場合にはブランキング信号の
振幅を変えることでこれを変化前の電圧に維持できる。
ブランキング信号の振幅でV5からのV7ポイントを変える
ことができるからである。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
ラウン管におけるダイナミックフォーカスにおける水平
および垂直の各パラボラ波のレベルを、それぞれのブラ
ンキング信号の振幅可変で調整できるので、フライバッ
クトランスよりの直流フォーカス電圧をボリュームによ
り変化する方法と併用することにより画面全体につき微
細且つ容易に調整をすることができる。特に、水平およ
び垂直の各パラボラ自体を可変するような方法と本発明
による方法とを併用した場合、例えば、パラボラ波形を
変えてもその平均レベル（＝直流フォーカス電圧）から
画面中心部のレベルを、帰線期間レベルを変えることで
前記パラボラ波形を変える以前と同じ電圧値に維持する
ことが容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるダイナミックフォーカス電圧調整
回路の一実施例を示す要部ブロック図である。

【図２】図１における主要箇所の原理波形図である。

【図３】（Ａ）は従来のダイナミックフォーカス電圧調
整回路の一実施例を示す要部ブロック図、（Ｂ）は
（Ａ）を説明するためのダイナミックフォーカス電圧を
示す波形図である。

【符号の説明】

１ 水平パラボラ波生成部 ２ 水平ブランキング信号生成部 ３ 第１の切換回路 ４ 垂直パラボラ波生成部 ５ 垂直ブランキング信号生成部 ６ 第２の切換回路 ７ 制御部 ８ 合成部 ９ 増幅部 C1 カップリングコンデンサ VR１ フォーカス調整ボリューム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フライバックトランス等で生成した直流
   電圧に、水平周期のパラボラ電圧と垂直周期のパラボラ
   電圧とを重畳してなる電圧をフォーカス電圧としたダイ
   ナミックフォーカス回路において、水平周期のパラボラ
   電圧を生成する水平パラボラ波生成部と、振幅を可変で
   きる水平ブランキング信号を生成する水平ブランキング
   信号生成部と、前記水平周期のパラボラ電圧と水平ブラ
   ンキング信号とを切り換える第１の切換回路と、垂直周
   期のパラボラ電圧を生成する垂直パラボラ波生成部と、
   振幅を可変できる垂直ブランキング信号を生成する垂直
   ブランキング信号生成部と、前記垂直周期のパラボラ電
   圧と垂直ブランキング信号とを切り換える第２の切換回
   路と、入力された水平および垂直の同期信号に基づき、
   水平帰線期間のみ前記第１の切換回路を水平ブランキン
   グ信号側に切り換え、また垂直帰線期間のみ前記第２の
   切換回路を垂直ブランキング信号側にそれぞれ切り換え
   る制御部とを備え、前記水平ブランキング信号および垂
   直ブランキング信号それぞれの前記振幅を調整すること
   により所要の水平パラボラ波および垂直パラボラ波を得
   るようにしたことを特徴とするダイナミックフォーカス
   電圧調整回路。