JP3549225B2 - ダイナミックフォーカス回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、CRTのフォーカス特性を改善するダイナミックフォーカスに関するものであり、特に任意の複数の水平周波数に対応するマルチ同期型CRTディスプレイ及びマルチ同期型投射式ビデオプロジェクター装置に適するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ダイナミックフォーカス回路は、ダイナミックフォーカス電圧として水平パラボラ波を増幅したものを得ているが、増幅回路により位相の遅れを生じる。よって、位相遅れを補正するために振幅一定の水平ノコギリ波を加えている。
【0003】
以下、従来のダイナミックフォーカス回路について説明する。
図4は、従来のダイナミックフォーカス回路の構成ブロック図である。図4において、4は重畳回路、5は増幅出力回路である。6はCRT、7はフォーカス電極である。
【0004】
以上のように構成されたダイナミックフォーカス回路について、以下その動作について説明する。まず、重畳回路4によって水平パラボラ波に振幅一定の水平ノコギリ波を重畳させる。その後、上記重畳回路4より出力される重畳波形を増幅出力回路5によって増幅出力して、ダイナミックフォーカス電圧とする。上記ダイナミックフォーカス電圧をコンデンサ結合によりCRT6のフォーカス電極7に供給している。
【0005】
このとき、重畳させた振幅一定の水平ノコギリ波により、増幅回路による位相の遅れを補正している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ダイナミックフォーカス電圧の位相遅れは水平周波数に応じて異なる。従って、上記回路では、位相の遅れを一意的にしか補正することができないため、任意の複数の水平周波数を入力とする装置においては、ダイナミックフォーカス電圧の位相遅れを最適に補正できない欠点を有していた。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、任意の複数の水平周波数に対応して最適な位相遅れの補正を行い、常に最適な位相及び振幅特性を有するダイナミックフォーカス電圧を得る回路を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のダイナミックフォーカス回路は、任意の複数の水平周波数の信号が入力される装置において、水平周波数の変化に対応して増加関数的に変化する電圧(以下FV電圧と記す)を発生する周波数−電圧変換回路と、前記入力信号の任意の水平周波数に対応する水平パラボラ波と前記FV電圧とが入力され前記水平パラボラ波を前記FV電圧により前記入力信号の水平周波数に応じた振幅制御する第1の振幅制御回路と、前記入力信号の任意の水平周波数に対応する水平ノコギリ波と前記FV電圧とが入力され前記水平ノコギリ波を前記FV電圧により前記入力信号の水平周波数に応じた振幅制御する第2の振幅制御回路と、前記第1の振幅制御回路から出力された波形と前記第2の振幅制御回路から出力された波形を重畳する重畳回路と、前記重畳回路の出力を入力とする増幅出力回路とを備えた構成にして、前記入力信号の任意の水平周波数に応じて前記水平ノコギリ波の振幅を制御して位相遅れを補正するとともに、前記水平ノコギリ波の振幅変化に伴う重畳波形の変化を前記水平パラボラ波の振幅制御により補正し、前記増幅出力回路により出力されたダイナミックフォーカス電圧をコンデンサ結合によりCRTのフォーカス電極に供給するようにして、任意の複数の水平周波数に対応して、ダイナミックフォーカス電圧の位相とともに振幅を最適に制御するようにしたものである。
【0009】
【作用】
本発明は、上記構成により任意の複数の水平周波数に対応して、常に最適な位相及び振幅特性を有するダイナミックフォーカス電圧を得ることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1において、1は周波数−電圧変換回路、2及び3は振幅制御回路、4は重畳回路、5は増幅出力回路、6はCRT、7はフォーカス電極である。
【0012】
以上のように構成されたダイナミックフォーカス回路について、以下その動作について説明する。いま、周波数−電圧変換回路1により得られたFV電圧を振幅制御回路2、3に入力する。振幅制御回路2、3にはそれぞれ水平パラボラ波、水平ノコギリ波を入力しており、振幅制御回路2よりFV電圧によって振幅制御された水平パラボラ波、振幅制御回路3によりFV電圧によって振幅制御された水平ノコギリ波を得る。上記2つの波形を重畳回路4により重畳させ、さらに増幅出力回路5を介して得たダイナミックフォーカス電圧をコンデンサ結合によりCRT6のフォーカス電極7に供給する。
【0013】
振幅制御回路3はダイナミックフォーカス電圧の位相遅れを補正するために必要な水平ノコギリ波の振幅を決定する回路であり、FV電圧と振幅一定の水平ノコギリ波を掛け合わせることにより、水平周波数に応じた振幅に制御された水平ノコギリ波を出力している。振幅制御回路2は水平ノコギリ波の振幅の変化に伴う重畳波形の振幅変化を、水平パラボラ波の振幅を可変制御することによって、調整している回路であり、FV電圧と振幅一定の水平パラボラ波を掛け合わせ、更に振幅一定の水平パラボラ波と減算することにより、水平周波数に応じた振幅に制御された水平パラボラ波を出力している。
【0014】
ところで、ダイナミックフォーカス電圧の位相遅れは水平周波数によって変化する。ここで、水平ノコギリ波の振幅を水平周波数に応じて制御すればダイナミックフォーカス電圧の位相遅れの補正を最適に行うことが可能となる。従って、任意の複数の水平周波数に応じて水平ノコギリ波の振幅を振幅制御回路2により制御すれば、任意の複数の水平周波数に応じた位相遅れの補正を行い、常に最適な位相特性を有するダイナミックフォーカス電圧を得ることができる。
【0015】
上記ダイナミックフォーカス回路の出力電圧波形の関係図を図2、図3に示す。図2は水平周波数の高い場合(例えば、水平周波数が65kHzの場合)、図3は水平周波数の低い場合(例えば、水平周波数が15.75kHzの場合)である。
【0016】
しかし、ダイナミックフォーカス電圧の位相遅れの補正は、水平パラボラ波に水平ノコギリ波を重畳して行うため、水平パラボラ波が振幅一定であれば、水平ノコギリ波の振幅変化に伴い重畳波形の振幅が変化する。よって、水平周波数に応じてダイナミックフォーカス電圧の振幅が変化してしまう.従って、振幅制御回路2により水平パラボラ波の振幅も任意の複数の水平周波数に応じて制御して、重畳波形の振幅制御を行っている。
【0017】
以上のように本実施例によれば、周波数−電圧変換回路1、振幅制御回路2及び3を設けることにより、任意の複数の水平周波数に対して、常に最適な位相及び振幅特性を有するダイナミックフォーカス電圧を得ることが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明は、FV電圧を発生する回路と、FV電圧によって振幅制御を行う回路を設けることにより、任意の複数の水平周波数に対して常に最適な位相及び振幅特性を有するダイナミックフォーカス電圧を得ることができる優れたダイナミックフォーカス回路を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるダイナミックフォーカス回路の構成ブロック図
【図2】図1における水平周波数が高い場合の各部の波形図
【図3】図1における水平周波数が低い場合の各部の波形図
【図4】従来のダイナミックフォーカス回路の構成ブロック図
【符号の説明】
1 周波数−電圧変換回路
2 振幅制御回路(水平パラボラ波)
3 振幅制御回路(水平ノコギリ波)
4 重畳回路
5 増幅出力回路
6 CRT
7 フォーカス電極

Claims (1)

  1. 任意の複数の水平周波数の信号が入力される装置において、水平周波数の変化に対応して増加関数的に変化する電圧(以下FV電圧と記す)を発生する周波数−電圧変換回路と、前記入力信号の任意の水平周波数に対応する水平パラボラ波と前記FV電圧とが入力され前記水平パラボラ波を前記FV電圧により前記入力信号の水平周波数に応じた振幅制御する第1の振幅制御回路と、前記入力信号の任意の水平周波数に対応する水平ノコギリ波と前記FV電圧とが入力され前記水平ノコギリ波を前記FV電圧により前記入力信号の水平周波数に応じた振幅制御する第2の振幅制御回路と、前記第1の振幅制御回路から出力された波形と前記第2の振幅制御回路から出力された波形を重畳する重畳回路と、前記重畳回路の出力を入力とする増幅出力回路とを備え、前記入力信号の任意の水平周波数に応じて前記水平ノコギリ波の振幅を制御して位相遅れを補正するとともに、前記水平ノコギリ波の振幅変化に伴う重畳波形の変化を前記水平パラボラ波の振幅制御により補正し、前記増幅出力回路により出力されたダイナミックフォーカス電圧をコンデンサ結合によりCRTのフォーカス電極に供給するようにしたことを特徴とするダイナミックフォーカス回路。
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