JPH0616254A - 給紙カセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユニバーサルカセットにおいて、用紙のサイ
ズが変化する場合でも、用紙を支持するボトムプレート
に対して、用紙の両側の部分でのスプリングによる押し
上げ力を均衡させ、半月ローラによる給紙に際して、斜
め送り等が生じないようにする。 【構成】 給紙カセット１０の給紙部側には、多数の半
月ローラ３……を駆動軸２に取り付けた給紙ローラを配
置し、ボトムプレート１２に支持された用紙Ｐを送り出
す機構を構成する。前記ボトムプレート１２の下部に
は、２つのスプリング２０、２０ａを配置し、該スプリ
ングの下部を斜めガイド１７、１８により案内する。前
記２つのスプリングは、サイドガイド１３を移動させる
動作に追従して相互に離接する方向に移動され、任意の
サイズの用紙に対して、その両側での押上力を均衡させ
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等の画
像形成装置の給紙部に装着され、用紙を送り出すための
給紙カセットに関し、特に、ユニバーサルタイプの給紙
カセットにおいて、収容する用紙のサイズが変化して
も、用紙の両側での押し上げ力を一定に維持できるよう
にする給紙カセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やプリンタ等の画像形成
装置においては、給紙部に給紙トレイや給紙カセット等
の用紙収容装置を装着し、それ等の用紙収容装置にカッ
ト紙を収容して、用紙を画像記録部に向けて送り出す機
構を設けている。前記用紙収容装置のうち、給紙カセッ
トとしては、例えば、特開昭６０−４８８３９号公報
や、特開昭６０−４８８４３号公報等に示されるような
機構を有するものが用いられる。

【０００３】前記従来例に示される給紙カセットにおい
ては、用紙をボトムプレートの上に載置し、給紙側の先
端部で該ボトムプレートを押し上げて、用紙と給紙ロー
ラとの間に、所定の接触圧力を設定できるように構成
し、給紙ローラによる用紙の送り出しの作用を良好に発
揮させることができるようにしている。また、前記従来
例の装置では、ボトムプレートを押し上げるために、ス
プリング等の弾性部材により付勢されるレバー部材を用
い、スプリングの力によって、ボトムプレートを一定の
力で給紙ローラに向けて付勢することができるようにさ
れる。

【０００４】前述したような機構を有する給紙カセット
において、定型サイズの用紙のみを収容するものと、任
意のサイズの用紙を収容可能に構成したものとが用いら
れる場合とがある。一般に、任意のサイズの用紙を収容
可能な給紙カセットは、ユニバーサルカセット等と呼ば
れているもので、そのカセット本体の内部で、用紙の側
部をサイドガイドにより規制して位置決めを行い、給紙
の動作に対応させることができるようにされる。また、
前記ユニバーサルカセットにおいても、ボトムプレート
を介して、用紙を給紙ローラに向けて押圧し、給紙ロー
ラによる用紙の送り出しの作用を良好な状態で行い得る
ようにしている。

【０００５】前述したように、ボトムプレートにより用
紙を上方に付勢する構成を設けた給紙カセットは、例え
ば、実開平１−１５９６４５９号公報等に示される給紙
装置のように、用紙の送り出し側の一方の側部に偏らせ
た位置に、半月ローラにより構成される給紙ローラを配
置し、該給紙ローラを用いて、画像形成装置の用紙搬送
路に向けて給紙する機構を構成することができる。そし
て、前述したような構成を有する給紙機構は、前記半月
ローラによる給紙作用を、用紙のサイズに対応させて適
正に設定することにより、用紙が斜め送りの状態となっ
たりすることなしに、給紙の動作を行うことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記給紙カセットと、
給紙ローラとして用いられる半月ローラとを組み合わせ
て、給紙カセットから用紙を送り出す機構を構成する場
合に、定型サイズの用紙のみを収容する給紙カセットに
対しては、半月ローラによる送り出しの作用を、比較的
正確に行うことができる。また、半月ローラを用いる給
紙装置では、用紙の送り出し部に対して、用紙の巾方向
（用紙の送り方向に直角な方向）に複数の半月ローラを
配置し、給紙カセットから送り出される用紙のサイズが
異なる場合でも、その用紙の巾方向に対応する複数の半
月ローラが、用紙の先端部に当接する状態で、給紙の作
用を行い得るようにする機構が用いられる。そして、従
来の給紙カセットでは、例えば、ボトムプレートの両側
の先端部に対して、スプリング等の押し上げ機構を配置
しており、大サイズの用紙の場合は、ボトムプレートの
上面全体に用紙が載っているために、給紙ローラを構成
する各半月ローラと、用紙の間の押圧力が一定の値に維
持される。

【０００７】ところが、前記ユニバーサルカセットと半
月ローラとを組み合わせて用いる場合には、給紙ローラ
を一定の位置に配置した状態では、大サイズと小サイズ
の用紙のすべてに対して、良好な搬送状態を設定するこ
とが困難である。つまり、前記給紙装置に用いられる半
月ローラと用紙との摩擦力が、すべてのローラに対して
一定でなければ、用紙の巾方向のローラに接する部分で
の送り力が均一とならず、従って、用紙に斜め送りが発
生する場合がある。例えば、ボトムプレートの両側をス
プリングにより支持する機構を設けた給紙カセットに対
して、小サイズの用紙を収容した場合には、その用紙が
ボトムプレートの一方の端の側に偏っていると、ボトム
プレートを支持する一方のスプリングのみが圧縮され、
他方のスプリングは少しだけ圧縮される状態となる。

【０００８】したがって、給紙カセットのボトムプレー
トに支持される用紙に対して、スプリングによる押圧力
に差異が生じている場合には、半月ローラによる搬送力
が均衡しないために、用紙に斜め送りが発生し、給紙が
不正確になりやすいという問題がある。そして、給紙装
置から送り出された用紙が、最初の段階から斜め送りが
生じている場合には、用紙搬送路内を搬送する際のジャ
ムの発生原因となり、記録部での用紙の整合作用にも支
障が生じたりする原因ともなる。

【０００９】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の給紙装
置の問題を解消するもので、複数の半月ローラを駆動軸
に串刺し状に支持する給紙ローラと、ユニバーサルカセ
ットとを組み合わせた給紙装置において、ユニバーサル
カセット内部に設けたサイドガイドの位置に合わせて、
ボトムプレートを支持するスプリングの位置を変更可能
に構成し、用紙と半月ローラとの押圧力が用紙の巾方向
に一定に設定され得るようにする給紙カセットを提供す
ることを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、用
紙を収容する給紙カセットと、前記給紙カセットの給紙
側の上部に配置され、用紙を送り出す給紙ローラと、前
記給紙カセット内で、用紙の側部を位置決めするサイド
ガイドと、用紙を積載するボトムプレートに、給紙ロー
ラに向けて用紙を押し上げる機構を設けてなる給紙装置
に関する。本発明においては、前記用紙を積載するボト
ムプレートとカセットの底板の間に弾性部材を配置し、
前記弾性部材を、サイドガイドの移動に追従させて用紙
の巾方向に移動する機構を設けている。

【００１１】また、本発明の給紙カセットでは、前記弾
性部材がサイドガイドに追従して移動することにより、
弾性部材の弾性力を変化させる機構を設けており、該弾
性部材の弾性力の変更機構を、底板に設けた斜めガイド
により構成することができる。さらに、本発明のユニバ
ーサルカセットでは、弾性部材としてスプリングを配置
し、サイドガイドとスプリング保持部材とを連動させる
機構を設け、そのサイドガイド側のスプリングのみを移
動させること、または、両側のスプリングを移動させる
機構を、任意に構成することができる。

【００１２】前述したように構成したことにより、本発
明のユニバーサルカセットでは、用紙のサイズが変化し
た場合でも、ボトムプレートを支持するスプリングの力
が用紙の両側で均衡する状態となるので、用紙と給紙ロ
ーラを構成する半月ローラとの間の圧接力が変化するこ
とがなく、用紙が斜め状態で給紙されることを防止でき
る。また、給紙カセットの内部で、スプリングを移動さ
せる動作を、サイドガイドに連動させる機構を用いるこ
とにより、ユニバーサルカセットに収容する用紙のサイ
ズが変化することに容易に対応させることができる。

【００１３】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の給紙カ
セットを説明する。図１および図２に示される例におい
て、給紙カセット１０は、従来のユニバーサルカセット
と同様に、用紙の給紙側先端部を支持するボトムプレー
ト１２を底板１１の上に別体に配置し、弾性部材として
のスプリング２０、２０ａを用いて、前記ボトムプレー
トを上方に付勢する機構を設けている。また、前記給紙
カセット１０においては、ボトムプレートに載置される
用紙Ｐの送り出し側先端の角の部分に対応させて、スナ
バー１５、１６を配置しており、該スナバーにより用紙
をさばくようにしている。

【００１４】前記給紙カセット１０の給紙側の上部に
は、複数のローラ部材としての半月ローラ３……を、駆
動軸２に対して串刺し状に設けた給紙ローラを配置して
おり、前記給紙ローラと給紙カセットに設けたスナバー
とにより、用紙を１枚ずつさばいて送り出す機構を構成
している。なお、本発明の給紙装置１に設けられる半月
ローラは、用紙のサイズが異なる場合でも、各サイズの
用紙の両側側部の所定の位置に対応して、半月ローラが
位置する状態に配置されたものを用いている。そして、
例えば、Ａ３サイズの用紙の場合には、４個の半月ロー
ラが用紙に接する状態となり、Ａ４サイズの場合には、
３個の半月ローラが対応する状態に構成する。

【００１５】前述したような給紙ローラに対応して、用
紙を位置決めできるように構成した給紙カセットにおい
て、用紙Ｐの給紙方向Ｙに直角な側部の一方が、給紙カ
セットの側板に押圧され、他方の側部がサイドガイド１
３により規制される状態で用紙が収容される。本発明の
給紙カセット１０においては、前記サイドガイド１３を
移動させる動作に追従させて、２つのスプリング２０、
２０ａを連動させて移動する機構を設けている。また、
給紙カセットの底板１１には、スプリングの移動経路に
沿って、斜めガイド１７、１８を配置しており、該斜め
ガイドの斜面は、図１に示されるように、給紙カセット
の中央部よりも固定ガイドとして用いられる側板の側に
偏った位置を谷にして、その谷の両側に上り方向に傾斜
した状態に設けられる。

【００１６】前記スプリングの移動のために、ボトムプ
レート１２の下部に上部支持部材２２、２２ａを配置し
て、２つのスプリング２０、２０ａの上部をそれぞれ支
持し、一方の上部支持部材２２はサイドガイド１３に対
して接続アーム１４を介して接続し、２つの上部支持部
材２２、２２ａの間には、ラックとピニオンとによる連
動機構を設けている。前記２つの上部支持部材の連動機
構は、図２に示されるように構成することができ、両側
の上部支持部材からアーム部材２３、２３ａを対向させ
る位置に突出させて設け、該アーム部材の対向面にラッ
ク２５、２５ａをそれぞれ設け、その対向するラック２
５、２５ａの間に、ピニオン２６を配置している。

【００１７】そして、それ等の歯車の噛み合わせ機構に
より、サイドガイド１３を移動させて用紙の位置決めを
行うことに連動させて、スプリングの位置が自動的に移
動する機構を構成している。なお、前記スプリングの下
部が斜めガイドの表面に沿って移動する動作を補助する
ために、滑り性の良い下部摺動部材２４、２４ａを、そ
れぞれのスプリングの下部に配置しており、該スプリン
グの移動の動作を良好に行わせることを可能にする。し
たがって、前述したような連動機構を設けることによ
り、スプリング２０、２０ａを、矢印Ｘ方向に移動させ
ることができ、２つのスプリングを相互に離接させる状
態で、スプリングによる押上力を調整することができ
る。

【００１８】前述したように構成される本発明の給紙カ
セットにおいて、用紙をセットする場合には、ボトムプ
レート１２の上に用紙を載置し、その用紙の一方の側部
を給紙カセットの側板に押圧した状態で、他方の側部に
サイドガイド１３を押圧して、その用紙の位置決めを行
う。前記サイドガイド１３を用いて用紙の位置決めを行
う動作に追従して、スプリング２０、２０ａは、ボトム
プレート１２の上にセットされた用紙の両側の所定の位
置に移動され、そのスプリングがセットされた位置で、
用紙を給紙ローラに向けて押し上げる作用を発揮する。
なお、そのスプリングを位置決めする際には、給紙カセ
ットの左右の部分で、用紙を押し上げる力が等しくなる
ように、２つのスプリングの特性と、斜めガイドの傾斜
角度を設定している。

【００１９】前述したように、本発明の給紙カセット１
０においては、任意のサイズの用紙を収容した場合で
も、ボトムプレートに載置される用紙に対して、その用
紙の両側の給紙部近傍でのスプリングによる押し上げ力
が均衡する状態が設定される。したがって、その用紙の
両側給紙部付近に対して接する半月ローラと、用紙の中
央部に接する１つまたは複数の半月ローラとが、それぞ
れ同一の送り出しの力を用紙に対して付与することがで
き、送り出される用紙が斜め送りの状態を生じたりする
ことが防止される。

【００２０】本発明の給紙カセットでは、前記図１に示
されるように、２つのスプリングを連動させて移動する
機構を用いることの他に、図３に示されるように、一方
のスプリングのみを、用紙サイズに対応させて移動させ
るような機構を用いることもできる。前記図３に示され
る給紙カセットの例では、用紙Ｐを支持するボトムプレ
ート１２に対して、２つのスプリング２０、２１を配置
しており、一方のスプリング２０はサイドガイド１３に
追従して移動可能に設けるが、他方のスプリング２１は
固定位置に設けられている。

【００２１】そして、サイドガイド１３を移動させる位
置に対応させて、底板１１の上に斜めガイド１７を配置
し、スプリング２０の上下に上部支持部材２２と下部摺
動部材２４とを設けている。また、前記図３に示される
給紙カセットでは、図４にも示されるように、前記スプ
リング２０の上部に配置される上部支持部材２２は、接
続アーム１４を介してサイドガイド１３に接続されてお
り、前記サイドガイド１３が用紙のサイズに応じて移動
されることにともない、スプリング２０の長さを変化さ
せることができるようにしている。したがって、前述し
たような構成を有する給紙カセット１０においても、収
容される用紙のサイズに応じて、サイドガイド１３を移
動させると、その用紙を支持するボトムプレート１２に
対して、スプリングによる押上力が変化するので、半月
ローラによる給紙の動作を良好な状態で行うことを可能
にする。

【００２２】なお、前記図３に示される機構を用いる給
紙カセットでは、例えば、Ａ３サイズからＢ５サイズの
ように、用紙の巾が大きく変化する場合には、多少の難
点が生じることはさけられない。そこで、前記ユニバー
サルカセットを用いる場合は、Ａ３、Ｂ４サイズ等のよ
うに、大サイズの用紙を専用に収容する給紙カセット
と、Ａ４、Ｂ５サイズのような小サイズの用紙を、専用
に収容する給紙カセットとを使い分けることにより、２
つのスプリングによる押し上げ力を良好な状態で発揮で
きる給紙カセットを構成することができる。

【００２３】また、前記実施例では、給紙装置に半月ロ
ーラを用いる場合で説明したが、前記給紙ローラを通常
の円形断面のもので構成することも可能である。さら
に、弾性部材として、本発明の実施例では、圧縮スプリ
ングを用いる例で示しているが、該弾性部材としては、
圧縮スプリングと同様な作用を発揮できるものであれ
ば、任意の部材を用いることができる。そして、前述し
たような弾性部材と給紙ローラとを組み合わせることに
より、用紙の送り出し性能と、さばき性能を良好な状態
で発揮させることが可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明の給紙カセットは、前述したよう
に構成したことにより、ユニバーサルカセットに収容さ
れる用紙のサイズが変化した場合でも、ボトムプレート
を支持するスプリングの力が用紙の両側で均衡する状態
となるので、用紙と半月ローラとの間の圧接力が変化す
ることがなく、用紙が斜め状態で給紙されることを防止
できる。また、給紙カセットの内部で、スプリングを移
動させる動作を、サイドガイドに連動させる機構を用い
ることにより、給紙カセットの内部でスプリングを容易
に位置決めすることができる。そして、ユニバーサルカ
セットに収容する用紙のサイズが変化しても、用紙の両
側の部分で、ボトムプレートによる用紙を押し上げる力
を一定に維持することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の給紙カセットの構成を示す正面方向
の説明図である。

【図２】 図１に示される給紙カセットの先端部の平面
図である。

【図３】 本発明の給紙カセットの別の実施例の説明図
である。

【図４】 図３に示される給紙カセットの先端部の平面
図である。

【符号の説明】

１ 給紙装置、 ３ 半月ローラ、 １０ 給紙
カセット、１１ 底板、 １２ ボトムプレート、
１３ サイドガイド、１４ 接続アーム、 １５
・１６ スナバー、１７・１８ 斜めガイド、 ２
０、２１ スプリング、２２ 上部支持部材、 ２
３ アーム部材、 ２４ 下部摺動部材、２５ ラ
ック、 ２６ ピニオン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を収容する給紙カセットと、 前記給紙カセットの給紙側の上部に配置される用紙を送
   り出す給紙ローラと、 前記給紙カセット内で、用紙の側部を位置決めするサイ
   ドガイドと、 用紙を積載するボトムプレートに、給紙ローラに向けて
   用紙を押し上げる機構を設けてなる給紙装置において、 前記用紙を積載するボトムプレートと、カセットの底板
   の間に弾性部材を配置し、 前記弾性部材を、サイドガイドの移動に追従させて用紙
   の巾方向に移動する機構を設けるとともに、前記弾性部
   材の移動に対応して、弾性部材の弾性力を変化させる機
   構を設けたことを特徴とする給紙カセット。