JPH06160986A - 写真プリント方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影情報の記録されたフィルムと、記録され
ないフィルムとが混在しても、効率良く１つのシステム
で写真焼付処理が確実に、収率良く行なう写真プリント
方法を提供する。 【構成】 写真フィルムに記録された付帯情報を読取る
手段と、該フィルムを一方向に送りながら付帯情報を記
憶し、フィルム１本分の読取りを終了したら、該フィル
ムを逆方向に送りながら、各画像コマについて、当該画
像コマに対応する付帯情報を呼び出して、該情報にもと
づいて焼付制御を行なう写真プリント方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、写真焼付処理に関
し、特にフィルムに主画像以外に付帯記録がなされてい
る場合の、該情報を活用した写真プリント方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】フィルムから焼付処理する場合、従来
は、当該フィルムに写し込まれた画面（主画像）から、
カラーバランスや明るさ等のデータをセンサーをもって
検出し、予め莫大なテストによって経験的に作成してお
いたデータ集（テーブル）と比較し、一致するデータに
対する焼付条件を選択して焼付処理を行なうという方法
が実施されてきた。

【０００３】しかし、莫大なデータをもとにしても多様
なユーザーの撮影条件には適用出来ない場合があって、
ユーザーの意図に反したカラーバランスの悪い、明るさ
の合わないプリントが出来てしまうとか、時には、プリ
ントに適さない不良ネガという判定が出てしまうことが
あった。

【０００４】このような変化に、対応し易くする方法と
して、撮影時点で、撮影条件等を当該フィルムに記録し
ておいて、焼付処理時点で、該記録情報を利用するシス
テムが提案されている。

【０００５】撮影時点で、撮影条件等を当該フィルムに
記録するには、撮影画面を害さない部分に、撮影手段
（カメラ）に特殊な記録手段を設けて記録しなければな
らず、記録情報量も限定されるとか、記録手段付きのカ
メラの普及が進まないとかの理由から、焼付処理を業と
しているラボでは、大変面倒な対応を迫られている。

【０００６】撮影情報が確実に利用出来るようになれ
ば、ユーザーの意図に容易に合わせたプリントが得られ
るという利点は大きい。

【０００７】焼付処理装置も、莫大なデータ集を背負っ
て、個々のフィルムとの比較により、適正焼付条件を探
索するよりは、より簡易なシステムで安価に供給できる
焼付処理装置で、充分に適正プリントを得られるという
利点も考えられる。

【０００８】しかし、従来の焼付処理装置においては、
一駒ずつのフィルム送りを行なうように構成されている
ため、記録情報を読み取る際、フィルムの停止、搬送に
よるフィルムの搬送スピードに大きな変化が生じるので
読み取り精度が得られない問題があった。また、撮影情
報記録手段を有しないカメラを保有するユーザーが多
く、かつ、カメラの耐用年数が長いことからして、上記
の如き新システムはいくら便利でも、いっせいに切り換
えてしまうわけにはいかない。従って、旧タイプ、新タ
イプ混在の時期にどう効果的に対応するかということが
サービス性の向上につながる問題である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の如
き従来技術の欠点に鑑みて撮影情報の読み取りが正確に
行なえる写真プリント方法を提供することを目的とす
る。また、撮影情報の記録されたフィルムと記録されな
いフィルムとが混在しても、効率良く、１つのシステム
で、写真焼付処理が確実に収率良く行なうことのできる
写真プリント方法を提供することを課題目的とするもの
である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的は、現像済みフ
ィルムを支持し、焼付露光部を通って搬送するフィルム
搬送手段と、該フィルムに光源をもって透過照明し該透
過光による光像を印画紙に結像する露光部と、前記フィ
ルムに主画像とは別に付帯的に記録されている情報を読
み取る付帯情報読取り手段と、該付帯情報に応じて焼付
け条件を制御する制御手段とを有し、前記フィルム搬送
手段によって、一方向にフィルム全長を搬送しながら、
全付帯情報を一括して読取り記憶し、続いて前記フィル
ムを逆送しながら、前記付帯情報と、当該画像コマとの
対応をつけて、当該画像コマに関する情報に基づいて焼
付け条件を制御して焼付処理を行なうことを特徴とする
写真プリント方法によって達成される。

【００１１】

【作用】この発明における、フィルムに、主画像とは別
に付帯的に記録されている情報とは、主画像としてのフ
ィルムに撮影された画像とは別に、記録手段をもって記
録された情報であって、光学的書きこみ手段をもってフ
ィルムの周縁部分に記録される文字、記号を用いた情報
であるか、又はフィルム面に磁気記録層を設けて、該磁
気記録層に、磁気記録手段をもって記録した情報などで
ある。

【００１２】光学的書きこみ手段をもって記録された該
情報は、光電読取り手段で読取り、磁気記録手段をもっ
て記録した情報は、磁気読取り手段で読取る。

【００１３】上記読取った情報は、比較、演算処理を行
なう制御手段に送られ、当該情報に対して、適正な焼付
処理条件を選定して、カラーバランス、明るさ（濃度）
の制御を行なうために使用される。この発明において上
記付帯情報読取は、焼付露光を行なう部位の近傍に該読
取手段を設けて読取ってもよいが、情報記録が主画像に
近接し、又は重複している場合に、該付帯情報読取手段
で、主画像に欠落部分を生じさせることがあり好ましく
ないから、上記露光を行なう部位ではないところで、予
め、付帯情報の読取りを行なって、当該画像コマの整合
を行なう。

【００１４】更に、付帯情報が記録されていないフィル
ムや、同一フィルムの中でも、付帯情報が記録されてい
ない部分については、読取り動作を省略する如くして、
読取り、焼付処理の作業効率を向上する如くした。

【００１５】上記の如く作業効率に寄与する手段とし
て、フィルム搬送手段を使用した。フィルム搬送手段に
当該フィルムを支持し、間隔を決めて間欠的にフィルム
を搬送して、焼付露光すべき画像コマに至って該フィル
ムを停止し焼付露光を行なう。

【００１６】更に、上記付帯情報を当該フィルム１本分
につき、焼付露光を待たずに次々に読取り、記憶手段に
情報収納しておいて、別々に焼付露光を連続して行なう
如く構成して、いちいち、付帯情報読取りと、焼付露光
を各画像コマ毎に行なうときの作業の切換えに要する時
間のロスを低減すると共に、未だ、付帯情報が記録され
ないフィルムが混在するため、付帯情報が記録されない
フィルムについては、付帯情報読取り手段を不作動とし
て作業効率の向上に寄与するためにも、該フィルム搬送
手段によって、一方向にフィルム全長を搬送しながら、
全付帯情報を一括して読取り記憶し、続いて該フィルム
搬送手段を逆転して該フィルムを逆送しながら、該付帯
情報に基づいて、該付帯情報が対応しているところの画
像コマについて焼付け条件を制御して、焼付処理を行な
う如くした。

【００１７】上記の如く、付帯情報と当該付帯情報が対
応する画像コマとの整合は、該付帯情報に当該画像コマ
のコマ番号を付加しておく方法と、又は、該付帯情報を
順に記憶するときに当該フィルムの画像コマ間隔に応じ
て、当該フィルム先端からの距離情報を作成し、合せて
記憶しておき、上記の如くフィルムを逆送するにあたっ
て、該距離情報を制御手段で減算処理して当該付帯情報
を逆方向の位置に換算して、該逆送りしたフィルムとの
整合をはかる方法とがある。

【００１８】なおこの発明では、付帯情報は撮影条件ば
かりでなく、撮影者が意図的に付加した焼付け条件、プ
リントサイズ情報、プリント形状情報、日付け情報等で
あってもよい。

【００１９】

【実施例】以下、この発明を添付図面に示す実施例に基
づいて説明する。

【００２０】図１は、写真焼付装置の正面図で、フィル
ム搬送手段１は、透過照明用光源２と、光源光を均質に
するミラートンネル３とを内蔵した本体９の上にあっ
て、フィルム巻取手段６，７と、搬送ローラ10，11及び
アキュームローラ８等によりフィルムＦを左右方向に搬
送する。フィルムＦは露光部４でネガキャリア５に挟持
され停止して光源２による透過照明を受けて、焼付用レ
ンズ12で、蛇腹13を経て暗箱21の中に張られた印画紙Ｐ
に結像し、焼付露光される。

【００２１】印画紙Ｐは、元巻マガジン16から巻取マガ
ジン17にかけて、搬送ローラ18，19とアキュームローラ
20とによって張設されており、焼付部15において平面性
良く保たれている。

【００２２】図２は、フィルム搬送手段と付帯情報読取
り手段の実施例の斜視図であり、搬送ローラ10で左方に
送られたフィルムＦはフィルム巻取手段６に巻取られ
る。フィルムが左方に送られるときに付帯情報読取り手
段22ａ，22ｂによってフィルム側端縁に記録された付帯
情報を読取り、制御手段23に情報を送る。このときの搬
送スピードの許容変動幅は、平均搬送スピードの±10％
の範囲であればよい。次々に読取り情報が制御手段23に
記憶され、該フィルムの１本分が終了すると、逆送りの
指令を制御手段23から搬送手段に送り、搬送ローラ10は
逆転してフィルムＦを右方へと搬送する。そして制御手
段23により、該フィルムの画像コマ毎の搬送停止、位置
決めに続いて、当該画像コマに対応した付帯情報が呼び
出され、焼付条件の制御をして焼付処理される。

【００２３】図３は、上記の一連の動作を示すフローチ
ャートである。即ち、スタートして、フィルムの一方向
送りが行なわれると共に付帯情報読取りと、フィルム画
像コマの距離情報が付加されて当該フィルム１本分につ
きデータ記憶が行なわれ、１本分完了すると、フィルム
距離逆算して、フィルム逆送りされ、上記記憶された付
帯情報を呼び出して、該付帯情報に基づき、当該画像コ
マの焼付処理が行なわれる。そして１本分が終了する
と、次のフィルムの順送り（一方向送り）に移行し、繰
返す。なお、上記の如き付帯情報が記録されていないフ
ィルムについては、まず、付帯情報読取り手段22ａ，22
ｂによって、情報無しが確認されるから、制御手段23に
よって切り換えられ、図示しない読取り手段により画像
コマの画像そのものから画像情報読取りが行なわれる。

【００２４】このように付帯情報が記録されたフィルム
と記録されていないフィルムとが混在しても、同一の焼
付装置で自動切換でそれぞれに対応した焼付制御が円滑
に効率良く行なわれる。

【００２５】

【発明の効果】上記の如く構成したから、主画像の他に
付帯情報として撮影情報等の記録されたフィルムと、記
録されてないフィルムが混在しても、効率良く１つのシ
ステムで写真焼付処理が確実に、収率良く行なわれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】写真焼付装置の正面図。

【図２】フィルム搬送手段と付帯情報読取り装置の斜視
図。

【図３】フィルム付帯情報読取動作を示すフローチャー
ト。

【符号の説明】

１ フィルム搬送手段 ２ 透過照明用光源 ３ ミラートンネル ４ 露光部 ５ ネガキャリア ６，７ フィルム巻取手段 ８ アキュームローラ ９ 本体 10，11 搬送ローラ 12 焼付用レンズ 13 ジャバラ 15 焼付部 16 元巻マガジン 17 巻取マガジン 18，19 搬送ローラ 20 アキュームローラ 21 暗箱 22ａ，22ｂ 付帯情報読取手段 23 制御手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現像済みフィルムを支持し、焼付露光部
   を通って搬送するフィルム搬送手段と、該フィルムに光
   源をもって透過照明し該透過光による光像を印画紙に結
   像する露光部と、前記フィルムに主画像とは別に付帯的
   に記録されている情報を読み取る付帯情報読取り手段
   と、該付帯情報に応じて焼付け条件を制御する制御手段
   とを有し、前記フィルム搬送手段によって、一方向にフ
   ィルム全長を搬送しながら、全付帯情報を一括して読取
   り記憶し、続いて前記フィルムを逆送しながら、前記付
   帯情報と、当該画像コマとの対応をつけて、当該画像コ
   マに関する情報に基づいて焼付け条件を制御して焼付処
   理を行なうことを特徴とする写真プリント方法。