JPH06159242A - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JPH06159242A
JPH06159242A JP10430492A JP10430492A JPH06159242A JP H06159242 A JPH06159242 A JP H06159242A JP 10430492 A JP10430492 A JP 10430492A JP 10430492 A JP10430492 A JP 10430492A JP H06159242 A JPH06159242 A JP H06159242A
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JP
Japan
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refrigerant compressor
refrigerant
scroll
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thickness
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Withdrawn
Application number
JP10430492A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Tsuda
達也 津田
Shinobu Sato
佐藤  忍
Shoichiro Kitaichi
昌一郎 北市
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba AVE Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH06159242A publication Critical patent/JPH06159242A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1-ジ
フルオロエタンを使用する冷媒圧縮機の摺動部、または
スクロール型冷媒圧縮機のスラストリングとオルダムリ
ングの摺動部の耐摩耗性を向上させると共に冷媒圧縮機
の長寿命化を図る。 【構成】 冷媒圧縮機またはスラストリングとオルダム
リングの摺動部を、鉄系金属基材上にビッカース硬度が
400以上で、かつ厚さが 2μm以上の表面硬化層と、そ
の表面硬化層上に厚さが0.01μm以上のFe3 4 から
なる酸化鉄層とを連続的に形成した摺動部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒圧縮機の摺動部材
の改良に係り、特に冷媒として1,1,1,2-テトラフルオロ
エタン(以下、HFC134a と略称する。)または1,1-ジフ
ルオロエタン(以下、HFC152a と略称する。)を使用す
る冷媒圧縮機、およびスクロール型冷媒圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】室内あるいは車内の空気調和機、あるい
は冷蔵庫などには、冷風あるいは温風を送り出すため
に、冷媒圧縮機が使用されている。例えば図1および図
2に示す密閉型冷媒圧縮機や、図3に示すスクロール型
冷媒圧縮機、カーエアコン用の半密閉型冷媒圧縮機(図
示省略)などの冷媒圧縮機が使用されている。これらの
冷媒圧縮機は、その用途が拡大すると共に、耐久性の向
上が要求されている。
【0003】一例として図1に縦断面図を示した代表的
な密閉型回転式冷媒圧縮機を説明する。図1において、
ケーシング1内には図示しない駆動モータが収容され、
このモータにより回転するシャフト2がフレーム3の軸
受に支持されシリンダ4内を貫通し、更にその下端部は
サブベアリング5の軸受に支持されている。前記シャフ
ト2のシリンダ4内の部分はクランク部(偏心部)とな
っており、このクランク部とシリンダ4との間にローラ
6が嵌合され、シャフト2の回転によりローラ6は遊星
運動する。また、シリンダ4を貫通してブレード7が設
けられ、スプリング8の付勢力によりブレード7の一端
側はローラ6の外周に接触し、シリンダ4内を吸込室と
吐出室に分割している。ブレード7はローラ6の遊星運
動に応じて往復運動する。冷媒ガスはローラ6の遊星運
動に応じて、吸込口(図示せず)から吸込まれ、圧縮さ
れ、吐出口(図示せず)から吐出されるが、この摺動部
の動作を円滑にするためケーシング1内には冷凍機油9
が収容されている。この冷凍機油9はシャフト2の回転
により、シャフト2下端に設けられているポンプ10に
沿って吸い上げられ、摺動部を潤滑する。
【0004】上記のような構成を有する冷媒圧縮機内に
発生する摩耗は、ブレード7とシャフト2を中心とした
2種類の原因により発生する。第1の原因は、ブレード
7はシャフト2の回転に伴い往復運動するが、この際分
割されたシリンダ4内の2室の圧力差によりシリンダ4
の貫通孔内面にこすりつけられながら往復運動する点に
ある。すなわち、この往復運動においては、ブレード7
はシリンダ4の貫通孔とのクリアランス分だけ片あたり
しながら摺動するため、ブレード7とシリンダ4の貫通
孔の摺動面部に極圧(大荷重)が発生し、また、ブレー
ド7の往復摺動は、摺動速度が 0になる 2か所の停止点
が発生する。この 2つの要因により、摺動部品表面の塑
性的変形や潤滑油膜の破断が発生して、摺動部品どうし
は金属接触を起こし易くなる。従って、ブレード7、シ
リンダ4はともに摩耗し易い。また、ブレード7はスプ
リング8によりその端部がローラ6に押付けられている
ためローラ6の外周も摩耗し易い。第2の原因は、シャ
フト2は、ローラ6を介してスプリング8やシリンダ4
内の圧力を受け、フレーム3とサブベアリング5に押付
けられて若干湾曲した形状となって高速回転する点にあ
る。すなわち、このとき潤滑油膜の破断が発生して、シ
ャフト2の表面がフレーム3やサブベアリング5と金属
接触を起こし易くなる。従って、シャフト2の外面、フ
レーム3およびサブベアリング5の内面が同様に摩耗し
易い。
【0005】ところで、このような密閉型冷媒圧縮機に
は従来から冷媒としてジクロロジフルオロメタン(以下
CFC12 と略称する。)やモノクロロジフルオロメタン
(以下CFC22 と略称する。)が主に用いられており、ま
た封入される冷凍機油としては、CFC12 やCFC22 に相溶
性を示すナフテン系やパラフィン系鉱油が用いられてい
る。 冷媒としてCFC12 を用いた場合、CFC12 中の塩素
(Cl)原子は金属基材の鉄(Fe)原子と反応して塩
化鉄からなる潤滑膜を形成する。この塩化鉄からなる潤
滑膜は、自己潤滑性を有し耐摩耗性に優れ、極圧(大荷
重)負荷時や摺動速度が 0となる時にも金属接触を防止
して摩耗防止に有効に作用する。加えて従来の冷媒CFC1
2 と従来の冷凍機油はともに無極性であるため、吸湿性
が低い。従って、鉄系金属基材上に形成される塩化鉄層
は加水分解を起こさずに安定した膜としての存在が可能
であった。
【0006】ところで、最近、上述したCFC 系冷媒など
からのフロンの放出がオゾン層の破壊に繋がり人体や生
物系に深刻な影響を与えることが明らかになったため、
オゾン破壊係数(ODP)の高いCFC12 などは段階的に
使用が削減され、将来的には使用しない方針が国際的に
決定している。
【0007】このような状況に対応するため、CFC12 の
代替冷媒として、HFC134a やHFC152a 等の冷媒が開発さ
れており、これらの冷媒に適した圧縮機用材料の開発が
望まれている。HFC134a やHFC152a は、いずれもその分
子内に塩素(Cl)原子を含んでおらずオゾン破壊係数
(ODP)が 0であり、しかも熱的特性がCFC12 に近似
しているため圧縮機構部の設計を大幅に変更する必要が
ない。従って、CFC12の代替冷媒として非常に有用であ
る。
【0008】また、冷媒圧縮機の運転中は、冷凍サイク
ル内に冷凍機油の残留を防止し、確実に冷凍機油を冷媒
圧縮機の圧縮機構部に戻し、機構部の潤滑および冷却を
保持する必要がある。このため、冷媒圧縮機の冷媒とし
てHFC134a やHFC152a を用いる場合、冷媒との相溶性を
有することが冷凍機油の特性として必要である。しか
し、HFC134a およびHFC152a は従来の冷凍機油である鉱
油にはほとんど溶解しない。そこで、HFC134a およびHF
C152a と相溶性を有するポリエーテル系油、ポリエステ
ル系油、フッ素系油などの使用が試みられている。
【0009】一方、近年注目されているスクロール型冷
媒圧縮機の構造と摩耗部位について図3を参照して説明
する。密閉容器11の内部はフレーム12により連通し
た 2つの空間に分けられる。フレーム12の中央部には
円形の開口12aがあり、この開口に接触するように主
軸13が支えられている。主軸13には密閉容器11の
底部に貯えられている潤滑油を圧縮機構部にくみ上げる
ための遠心ポンプ13aが設けられている。旋回スクロ
ール14は、アルミニウム合金(AC8C)を用いて作
製され、鏡板14aとその表面に直立するインボリュー
ト曲線のラップ14bと鏡板14aの裏面に直立する環
体14cより構成されている。さらに、鏡板14aの裏
面の一部がフレーム12と旋回スクロール14の間に設
けられたスラストリング12bに支持され、環体14c
が主軸13の上部と環合している。固定スクロール15
は、鋳鉄(FC25)を用いて作製され、鏡板15aと
鏡板15aの表面に直立するインボリュート曲線のラッ
プ15bより構成されている。さらに、鏡板15aの裏
面は、フレーム12の外周突起部12cと接触して固定
されている。旋回スクロール14のラップ14bと固定
スクロール15のラップ15bとは、お互いにかみ合っ
ている。旋回スクロール14とフレーム12との間に
は、旋回スクロール14の旋回運動中の自転を防止する
ためのオルダムリング16が旋回スクロール14とフレ
ーム12にかみ合って設けられており、オルダムキー
(図示せず)が鏡板14a裏面に設けられたキー溝14
dの中を運動するようになっている。フレーム12の側
面には吸込孔があり、吸込パイプ17が取付けられてい
る。主軸13の下部にはロータ18が取付けられてお
り、ロータ18の外周部にはステータ19が密閉容器1
1内に圧入されている。そして密閉容器11の側面には
吐出パイプ20が取付けられている。
【0010】スクロール型冷媒圧縮機が運転を開始する
と、ロータ18の回転により主軸13が回転を始め、旋
回スクロール14が旋回運動を始める。吸込パイプ17
より圧縮機構部に入った冷媒は、圧縮され固定スクロー
ル15の中央開口部(図示せず)より密閉容器11内に
吐出され、その一部は、図示しない連通管によりスラス
トリング12bの内周面と鏡板14aの裏面との間にし
きられた空間に導かれ、スラストリング12bの内周面
と外周面との差圧により、旋回スクロールに働くスラス
ト力を制御し、旋回スクロール14が泳動するのを防止
している。そして密閉容器11内に吐出された冷媒は、
吐出パイプ20より密閉容器11の外に出る。密閉容器
11の底部に貯えられている潤滑油は、主軸13内の遠
心ポンプにより汲み上げられ、圧縮機構部摺動面の潤滑
をする。
【0011】このようなスクロール型冷媒圧縮機のスラ
ストリングまたはオルダムリングにそれぞれ以下の摩耗
が発生する。第1に、スラストリング12bは吐出ガス
の一部により鏡板14aの裏面に押付けられながら、旋
回スクロール14が旋回運動するのを支持している。こ
のため潤滑油が供給されにくく、潤滑油膜が破断して金
属接触を起こし、鏡板14aの裏面およびスラストリン
グ12bが共に摩耗しやすい。第2に、オルダムリング
16は、旋回スクロール14を固定スクロール15に対
して一定半径で旋回運動させるために、オルダムリング
16のオルダムキー16aが鏡板14aの裏面に設けら
れたキー溝14dの中を往復運動する。このためオルダ
ムキー16aの摺動面部に極圧(大荷重)が発生するこ
とと、往復運動が 2か所の停止点(摺動速度が 0とな
る)を有するために、摺動部品表面の塑性的変形や潤滑
油膜の破断が発生して金属接触を起こし、キー溝14
d、オルダムキー16aが共に摩耗しやすい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たHFC134a およびHFC152a のようなHFC 系冷媒と、この
HFC 系冷媒との相溶性を有するポリエーテル系油やポリ
エステル系油とを用いた冷媒圧縮機においては、前述し
た圧縮機構の摺動部材として使用されている鋳鉄、炭素
鋼、合金鋼、焼結合金、ステンレス鋼などの耐摩耗性が
低下し、長期間安定して冷媒圧縮機を運転することがで
きないという問題が生じている。
【0013】この原因として次の 2点が考えられる。第
1に、冷媒としてCFC12 を用いた場合、CFC12 中の塩素
(Cl)原子が、金属基材の鉄(Fe)原子と反応して
塩化鉄膜を形成する。この塩化鉄膜は、自己潤滑性を有
し、耐摩耗性に優れる。一方、HFC134a あるいはHFC152
a を用いた場合には、塩素(Cl)原子が存在しないた
めに塩化鉄膜からなる潤滑膜が形成されない。第2に、
鉱油系冷凍機油には、環状化合物が含まれており油膜形
成能力が高い。一方、HFC134a またはHFC152a と相溶性
を有する冷凍機油は、環状化合物を含まない鎖状化合物
であるため油膜形成能力が低く、厳しい摺動条件では油
膜を保持できない。従って、冷媒としてHFC134a または
HFC152a を用い、これらの冷媒と相溶性を有する冷凍機
油として、例えばポリアルキレングリコール系油やポリ
エステル系油を使用する冷媒圧縮機においては極圧(大
荷重)負荷時や摺動速度が 0となった時に摺動部材間の
摩耗を防止し、冷媒圧縮機を長期間使用可能とすること
が、早急に解決すべき課題となっている。
【0014】一方、スクロール型冷媒圧縮機において
は、固定スクロールのうず巻状のラップと、旋回スクロ
ールのうず巻状のラップとのかみ合わせ摺動部分の耐摩
耗性の向上が、従来から主に課題とされてきた。その
後、スラストリングまたはオルダムリングのオルダムキ
ー、およびそれぞれと相対する摺動面の耐摩耗性の向上
がスクロール型冷媒圧縮機の耐久性の向上、長寿命化を
図るうえで極めて重要であることがわかった。
【0015】本発明は、これらの課題を解決するために
なされたもので、HFC134a およびHFC152a のようなHFC
系冷媒と、このHFC 系冷媒との相溶性を有するポリエー
テル系油やポリエステル系油とを用いた冷媒圧縮機にお
いて、摺動部の耐摩耗性を向上させ、耐久性の向上、長
寿命化を図ることのできる冷媒圧縮機を提供することを
目的とする。
【0016】また、本発明は、スクロール型冷媒圧縮機
において、スラストリングまたはオルダムリングのオル
ダムキー、およびそれぞれと相対する摺動部の耐摩耗性
を向上させ、耐久性の向上、長寿命化を図ることのでき
るスクロール型冷媒圧縮機を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の冷媒圧縮機は、
密閉された容器内に圧縮機構が収容され、かつ冷媒とし
てHFC134a またはHFC152a の冷媒を使用し、冷凍機油と
して前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用する冷媒
圧縮機において、圧縮機構の相対する摺動部材の少なく
とも一方の表面部が、鉄系金属基材上にビッカース硬度
が 400以上で、かつ厚さが 2μm以上の表面硬化層と、
その表面硬化層上に厚さが0.01μm以上のFe3 4
主成分とする多孔質酸化鉄層とを連続的に形成した摺動
部材を用いることを特徴とする。
【0018】また、本発明のスクロール型冷媒圧縮機
は、固定スクロールのうず巻状のラップに、旋回スクロ
ールのうず巻状のラップをかみ合わせ、前記旋回スクロ
ールの下部に、この旋回スクロールを支持するスラスト
リングと旋回スクロールの自転を防止するオルダムリン
グを設け、旋回スクロールを固定スクロールに対して旋
回運動させるスクロール型冷媒圧縮機において、スラス
トリングまたはオルダムリングの表面部が、鉄系金属基
材上にビッカース硬度が 500以上で、かつ厚さが2μm
以上の表面硬化層が形成され、さらに表面硬化層上に厚
さ0.01μm以上のFe3 4 を主成分とする多孔質酸化
鉄層が連続的に形成されてなる摺動部材を用いることを
特徴とする。
【0019】本発明に係わる冷媒圧縮機の摺動部材や、
スクロール型冷媒圧縮機のスラストリングまたはオルダ
ムリングに使用する鉄系金属基材は、通常の冷媒圧縮機
の摺動部材に用いられる鉄系材料であれば使用できる。
例えば、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、焼結合金、ステンレス
鋼などがある。
【0020】前記鉄系金属基材上に形成する表面硬化層
は、通常の冷媒圧縮機の摺動部品に用いられる表面硬化
層であれば特に制限がない。この表面硬化層は、例え
ば、窒化法、浸炭法、浸硫法、ホウ化法、金属拡散法等
の各種の方法により形成される。 前記各種の表面硬化
方法の中で、特に窒化法は表面処理速度が大で均一な表
面硬化層が多数の部品について得られるために好適であ
る。窒化法により形成される表面硬化層は窒化鉄を主成
分とする。また、アンモニアガスによる窒化法、塩浴に
よる窒化法、イオン窒化法等の窒化鉄を形成するいづれ
の窒化方法も使用できる。
【0021】表面硬化層の硬さは、ビッカース硬度が 4
00以上必要である。ビッカース硬度が 400未満である
と、表面の耐摩耗性が低下するため好ましくない。
【0022】また、スクロール型冷媒圧縮機のスラスト
リングまたはオルダムリングに使用する鉄系金属基材の
表面硬化層の硬さは、特に耐摩耗性が要求されるため、
ビッカース硬度が 500以上必要である。
【0023】さらに、表面硬化層の厚さは 2μm以上必
要である。 2μm未満であると、部品表面の耐力が向上
しない。好ましくは厚さ 5μm以上必要である。
【0024】前記表面硬化層上に形成するFe3 4
主成分とする多孔質酸化鉄層は、酸化鉄を形成させるい
かなる方法で形成させてもよい。前記方法のなかで、溶
融塩酸化法と酸皮処理(加熱水蒸気処理)法は、本発明
の実施にあたり特に適した方法である。溶融塩酸化法
は、前記表面硬化層を有する鉄系金属基材を、NO3
オンを含み酸化性を有する溶融塩中に所定の条件下(例
えば、 380℃で10分間)に浸漬する方法である。また、
酸皮処理(加熱水蒸気処理)法は、前記表面硬化層を有
する鉄系金属基材上に加熱水蒸気を約 500℃以下の温度
条件下に吹き付ける方法である。
【0025】上記の二つの方法は、表面硬化層が窒化鉄
を主成分とするものである場合、窒素原子と酸素原子が
連続的に置換され、窒化鉄表面にFe3 4 を主成分と
する多孔質酸化鉄層が、約500 ℃以下の比較的低い温度
で連続して形成されるため、寸法精度が特に優れた摺動
部材を得ることができる。また、上記の二つの方法は、
多数の部品について均一な処理が可能でもある。Fe3
4 を主成分とする多孔質酸化鉄は、潤滑油等を含浸す
ることが可能となっている。
【0026】前記多孔質酸化鉄層の厚さは0.01μm以上
必要である。 0.01 μm未満であると、潤滑油の含浸特
性を広い摺動条件領域で安定して維持することができな
い。また、多孔質酸化鉄層の厚さが厚くなり過ぎると、
摺動面でガスリーク等を起こすため好ましくない。好ま
しい多孔質酸化鉄層の厚さは 0.1μmから 2μmの範囲
である。
【0027】本発明に係わる、HFC134a およびHFC152a
のようなHFC 系冷媒と、このHFC 系冷媒との相溶性を有
するポリエーテル系油やポリエステル系油とを用いた冷
媒圧縮機の摺動部材の一断面図を図4に示す。また、ス
クロール型冷媒圧縮機のスラストリングの一断面図を図
5に、オルダムリングの一断面図を図6に示す。図4、
図5および図6において、鉄系金属基材21の表面には
表面硬化層22が形成され、この表面硬化層22の表面
にFe3 4 を主成分とする多孔質酸化鉄層23が連続
して形成されている。
【0028】本発明の摺動部材を形成する方法として、
表面硬化層22を数10μmと比較的厚く形成し、所定の
厚さに切削後、多孔質酸化鉄層23を形成することもで
きる。この場合、寸法精度が特に優れた摺動部材を得る
ことができる。なお、寸法精度は冷媒圧縮機の摺動部材
にとって特に重要であるため、多孔質酸化鉄層23は約
500℃以下の温度で形成することが好ましい。
【0029】
【作用】上述したような2層構造とした摺動部材は、圧
縮機構部摺動面において下記のような作用をする。第1
に、摺動面への極圧(大荷重)負荷時はその硬化層の存
在による部品表面の耐力向上により相対する双方の摺動
部材の塑性的変形が防止される。第2に、摺動速度が 0
の時に潤滑油膜が破断しても、Fe3 4 からなる多孔
質酸化鉄層内に含浸した冷凍機油が表面に滲みでて潤滑
状態を保持することが可能となる。すなわち部品表面に
硬質な潤滑油層を具備することとなり、Fe系金属基材
よりなる部品間の金属接触を防止することができる。ま
た主成分であるFe3 4 は、自己潤滑性を有していな
いが、ビッカース硬度が1400と高く、また高融点材料で
あるため、前記潤滑油の含浸特性を広い摺動条件領域で
安定して維持することができる。
【0030】またこの摺動部材はFe系金属基材上に基
材そのものを改質した表面硬化層とこの表面硬化層自体
の表面部を酸化して 2層構造の処理層を有する摺動部品
を形成していることから、多孔質酸化鉄層と表面硬化層
および表面硬化層とFe系金属基材の界面の密着性に優
れ、クラックの発生やはくりの問題が発生することがな
い。
【0031】このような摺動部材を、冷媒としてHFC134
a またはHFC152a およびそれと相溶性のある冷凍機油、
例えばポリエーテル系油、ふっ素系油、ポリエステル系
油等を使用する冷媒圧縮機に用いることにより、摺動部
材の耐摩耗性を向上することができる。従って前記の冷
媒圧縮機の耐摩耗性を長期に亘って保持することができ
る。
【0032】また、このような摺動部材を、スクロール
型冷媒圧縮機のスラストリングまたはオルダムリングに
用いることにより、摺動部材の耐摩耗性を向上させるこ
とができる。したがって前記のスクロール型冷媒圧縮機
の耐摩耗性を長期に亘って保持することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 実施例1 本発明の摺動部材を図1に示した密閉型回転式冷媒圧縮
機のブレード7に適用した実施例について説明する。な
お、この実施例の密閉型回転式冷媒圧縮機の構造は図1
に示した従来の密閉型回転式冷媒圧縮機と同一構造であ
るので、図1を援用しながら説明する。
【0034】この実施例におけるブレード7は、次のよ
うにして製造された。すなわち、クロムモリブデン鋼
(SCM435)基材を所定形状に切り出し、シアン化
ナトリウム(NaCN)を主成分とする 550℃の溶融塩
浴中に30分間浸漬し、その表面に約 5μmの窒化鉄層を
形成した。次いでこのブレードを 350〜450 ℃に加熱
し、ブレード温度が安定した後水蒸気を吹き付け、ブレ
ード表面に約 0.2μmのFe3 4 を主成分とする多孔
質酸化鉄層を形成した。
【0035】得られたブレードについて、その一部を切
出して断面方向において走査型オージェ電子分光分析法
(AES)とX線光電子分光分析法(XPS)による解
析を行い、本実施例における表面構造を調べた。図7は
本実施例における走査型オージェ電子分光分析の深さ方
向におけるプロファイル、図8は本実施例におけるX線
光電子分光分析のFe2 p 光電子のスペクトルである。
図7において、ブレード表面に窒化鉄層と酸化鉄層との
2層構造よりなる表面処理層が、図8においてブレード
表面のFe3 4 を主成分とする多孔質酸化鉄層が確認
され、この実施例が図4に示すような鉄系金属基材21
上に、表面硬化層22と多孔質酸化鉄層23とが連続し
て存在する表面構造を有することが認められた。
【0036】さらに図9に示す装置を用いて、本実施例
の耐焼付性、摩擦力(動摩擦係数)を評価した。この装
置は、ブレード24をFC25製ディスク25に対向さ
せて、ディスク25を回転させて所定の摺動速度に設定
しながらブレード24の後方から圧力発生装置により荷
重を発生させて摺動するよう構成されており、この荷重
値を連続的に変化させ、このときの摩擦力(動摩擦係
数)の変化と焼付を発生する荷重値を計測するようにな
っている。耐焼付性試験では、摺動速度を 4m/s 一定、
荷重上昇速度を10kgf/cm2 /2min.として、最大荷重350k
gf/cm 2 の設定条件で、荷重と摩擦力(動摩擦係数)の
関係および焼付荷重値を調べた。この試験条件は、摺動
速度の高速化により、潤滑油膜の破断を促進させるため
の条件である。
【0037】耐焼付性、摩擦力(動摩擦係数)の評価結
果を図10に示す。なお、図10に示されている比較例
は、実施例1と同一の密閉型回転式冷媒圧縮機のブレー
ド7の材料を以下のように代えたものである。比較例1
はSCM435に、比較例2はSCM435に窒化処理
のみを施したものに、比較例3はSCM435に酸化処
理のみを施したものにブレード7の材料を代えたもので
ある。図10において、摩擦力(動摩擦係数)の評価
は、荷重を増加させても摩擦力が増大しないものが良好
である。また、耐焼付性の評価は、曲線が右下の領域に
あるものほど焼付を発生しないため、摺動部材として良
好である。図10から比較例のブレード材は、比較例1
で40kgf/cm 2、比較例2で 100kgf/cm 2、比較例3で 6
0 kgf/cm 2で焼付を発生し、耐焼付性に劣ることが認め
られた。一方、実施例1では、比較例に比して摩擦力
(動摩擦係数)が全荷重範囲で小さく、かつ焼付荷重値
も比較例2に比べても2倍以上に向上している。
【0038】さらに、同装置を用いて 70 kgf/cm 2の一
定荷重条件下での摩耗試験を行った。 その結果、実施
例1は比較例2に比して、摩耗量が10%以下と大幅に良
好な耐摩耗性を示し、実施例1の摺動部材が耐摩耗性向
上に寄与することが明らかになった。
【0039】さらに実施例1の摺動部材を用いて図1に
示す冷媒圧縮機を組み立て、冷媒としてHFC134a および
冷凍機油としてHFC134a と相溶性のあるポリエステル系
冷凍機油を用いて実機試験を行ったところ、4000時間の
長時間運転を行った後でも摩耗傾向は認められず、良好
な耐摩耗性を示した。
【0040】実施例2 本発明の摺動部材を図2に示す密閉型往復式圧縮機のピ
ストン26に適用した実施例について説明する。なお、
この実施例の密閉型往復式冷媒圧縮機の構造は図2に示
した従来の密閉型往復式冷媒圧縮機と同一構造であるの
で、図2を援用しながら説明する。このピストン26は
相対するFC25製シリンダ27に対してピストン26
のトップ面に変動する圧力を受けながら往復運動する部
品であり、ピストン26とシリンダ27のクリアランス
内で実施例1と同様に片あたりを発生させながら摺動す
る。ピストン26は、S15C鋼材を基材として、実施
例1と同じ方法で表面処理が施されている。
【0041】この冷媒圧縮機に、冷媒としてHFC134a お
よび冷凍機油としてHFC134a と相溶性のあるポリエステ
ル系冷凍機油を用いて実機試験を行った。その結果、20
00時間の長時間運転を行った後でも摩耗は認められず良
好な耐摩耗性を示した。
【0042】また、実施例1における比較例2と同一の
材質のピストンを用いて前記の実機試験を行った。その
結果、潤滑性の不足からピストン26とシリンダ27の
摺動面に摩耗の発生が認められた。
【0043】実施例3 本発明の摺動部材を図3に示すスクロール型冷媒圧縮機
のスラストリング12bに適用した実施例について説明
する。なお、この実施例のスクロール型冷媒圧縮機の構
造は図3に示した従来のスクロール型冷媒圧縮機と同一
構造であるので、図3を援用しながら説明する。スラス
トリング12bは、鋳鉄(FC25)を所定の形状に切
出し、シアン化ナトリウム(NaCN)を主成分とする
550℃の溶融塩浴中に30分間浸漬し、その表面に約 5μ
mの窒化鉄層を形成した。ついでこのスラストリング1
2bを 350〜450 ℃に加熱し、スラストリング12bの
温度が安定した後水蒸気を吹き付け、スラストリング1
2b表面に約 0.2μmのFe3 4 を主成分とする多孔
質酸化鉄層を形成した。
【0044】得られたスラストリング12bについて、
その一部を切出して断面方向において走査型オージェ電
子分光分析法(AES)とX線光電子分光分析法(XP
S)による解析を実施例1と同様の条件で行い、本実施
例における表面構造を調べた。 その結果、スラストリ
ング12b表面にFe3 4 を主成分とする多孔質酸化
鉄層が確認され、この実施例が図5に示すような鉄系金
属基材21上に、表面硬化層22と多孔質酸化鉄層23
とが連続して存在する表面構造を有することが認められ
た。
【0045】さらに、実施例1と同一の装置を用い、同
一の測定条件で本実施例の耐焼付性、動摩擦係数を評価
した。なお特性比較ピン材料として、鋳鉄(FC25)
製ピンを比較例4、鋳鉄(FC25)に窒化処理のみを
おこなったピンを比較例5、鋳鉄(FC25)に酸化処
理のみをおこなったピンを比較例6として用いた。この
結果を図11に示す。図11からわかるように比較例の
ブレード材は、比較例4で40kgf/cm2 、比較例5で 100
kgf/cm2 、比較例6で60kgf/cm2 で焼付を発生し、耐焼
付性に劣ることが認められた。一方、実施例3では、比
較例に比して動摩擦係数が全荷重範囲で小さく、かつ焼
付荷重値も比較例5に比しても 2倍以上に向上する。
【0046】さらに、同装置を用いて 70 kgf/cm 2の一
定荷重条件下での摩耗試験を行った。 その結果、実施
例3は比較例5に比して、摩耗量が10%以下と大幅に良
好な耐摩耗性を示し、実施例3の摺動部材が耐摩耗性向
上に寄与することが明らかになった。
【0047】さらに実施例3の摺動部材を用いて、図3
に示すスクロール型冷媒圧縮機を組み立て、冷媒として
HCFC22および冷凍機油として鉱油を用いて実機試験を行
ったところ、4000時間の長時間運転を行った後でも摩耗
傾向は認められず、良好な耐摩耗性を示した。
【0048】実施例4 本発明の摺動部材を図3に示すスクロール型冷媒圧縮機
のオルダムリング16に適用した実施例について説明す
る。なお、実施例3と同様、図3を援用する。このオル
ダムリング16のオルダムキー16aも相対するアルミ
ニウム合金(AC8C)製鏡板14aのキー溝14dに
対して、極圧を受けながら往復運動する部品であり、偏
摩耗を発生させながら摺動する。この図3に示すスクロ
ール型冷媒圧縮機に、冷媒としてHCFC22および冷凍機油
として鉱油と、実施例3の比較例5のオルダムリングを
用いて実機試験を行うと、潤滑性の不足からオルダムリ
ング16のオルダムキー16aとキー溝14dの摺動面
に摩耗の発生が認められた。このオルダムリング16に
鋳鉄(FC25)を基材として、実施例3と同様の処理
を行ったオルダムリングを作成し、図3に示すスクロー
ル型冷媒圧縮機を組み立て、冷媒としてHCFC22および冷
凍機油として鉱油を用いて実機試験を行ったところ、20
00時間の長時間運転を行った後でも摩耗傾向は認められ
ず、良好な耐摩耗性を示した。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上の実施例からも明らかな
ように、冷媒としてHFC134a またはHFC152a を、冷凍機
油として前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用する
冷媒圧縮機の圧縮機構の相対する摺動部材の少なくとも
一方の表面部を、鉄系金属基材上にビッカース硬度が 4
00以上で、かつ厚さが 2μm以上の表面硬化層と、その
表面硬化層上に厚さが 0.01 μm以上のFe3 4 を主
成分とする多孔質酸化鉄層とを連続的に形成したので、
冷媒圧縮機の圧縮機構の耐摩耗性が長時間に亘って安定
して保たれ、耐久性に優れた冷媒圧縮機が得られる。
【0050】また、スクロール型冷媒圧縮機において、
旋回スクロールを支持するスラストリングと旋回スクロ
ールの自転を防止するオルダムリングを、鉄系金属基材
上にビッカース硬度が 500以上で、かつ厚さが 2μm以
上の表面硬化層と、その表面硬化層上に厚さ0.01μm以
上のFe3 4 を主成分とする多孔質酸化鉄層とを連続
的に形成した摺動部材を用いたので、スラストリングや
オルダムリングの耐摩耗性が長期間にわたって安定して
保たれ、耐久性に優れたスクロール型冷媒圧縮機が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】密閉型回転式冷媒圧縮機の縦断面を一部破断し
て示す図である。
【図2】密閉型往復式冷媒圧縮機の縦断面を示す図であ
る。
【図3】スクロール型冷媒圧縮機の断面を示す図であ
る。
【図4】本発明に係わる冷媒圧縮機の摺動部材の一断面
を示す図である。
【図5】本発明に係わるスラストリング摺動部材の一断
面を示す図である。
【図6】本発明に係わるオルダムリング摺動部材の一断
面を示す図である。
【図7】実施例1における走査型オージェ電子分光分析
の深さ方向におけるプロファイルを示す図である。
【図8】実施例1におけるX線光電子分光分析のFe
2 p 光電子のスペクトルを示す図である。
【図9】耐焼付性、摩擦力(動摩擦係数)を評価する装
置の概要図である。
【図10】実施例1における耐焼付性、摩擦力(動摩擦
係数)の評価結果を示す図である。
【図11】実施例3における耐焼付性、動摩擦係数の評
価結果を示す図である。
【符号の説明】
1……ケーシング、2……シャフト、3……フレーム、
4……シリンダ、5……サブベアリング、6……ロー
ラ、7……ブレード、8……スプリング、9……冷凍機
油、10……ポンプ、11……密閉容器、12……フレ
ーム、12a……開口、12b……スラストリング、1
2c……外周突起部、13……主軸、13a……遠心ポ
ンプ、14……旋回スクロール、14a……鏡板、14
b……ラップ、14c……環体、14d……キー溝、1
5……固定スクロール、15a……鏡板、15b……ラ
ップ、16……オルダムリング、17……吸込パイプ、
18……ロータ、19……ステータ、20……吐出パイ
プ、21……鉄系金属基材、22……表面硬化層、23
……多孔質酸化鉄層、24……ブレード、25……ディ
スク、26……ピストン、27……シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北市 昌一郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された容器内に圧縮機構が収容さ
    れ、かつ冷媒として1,1,1,2-テトラフルオロエタンまた
    は1,1-ジフルオロエタンの冷媒を使用し、冷凍機油とし
    て前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を使用する冷媒圧
    縮機において、 前記圧縮機構の相対する摺動部材の少
    なくとも一方の表面部が、鉄系金属基材上にビッカース
    硬度が 400以上で、かつ厚さが 2μm以上の表面硬化層
    と、前記表面硬化層上に厚さが0.01μm以上のFe3
    4 を主成分とする多孔質酸化鉄層とを連続的に形成した
    摺動部材を用いることを特徴とする冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 固定スクロールのうず巻状のラップに、
    旋回スクロールのうず巻状のラップをかみ合わせ、前記
    旋回スクロールの下部に、前記旋回スクロールを支持す
    るスラストリングと前記旋回スクロールの自転を防止す
    るオルダムリングを設け、前記旋回スクロールを前記固
    定スクロールに対して旋回運動させるスクロール型冷媒
    圧縮機において、前記スラストリングまたは前記オルダ
    ムリングの表面部が、鉄系金属基材上にビッカース硬度
    が 500以上で、かつ厚さが 2μm以上の表面硬化層と、
    前記表面硬化層上に厚さが0.01μm以上のFe3 4
    主成分とする多孔質酸化鉄層とを連続的に形成した摺動
    部材を用いることを特徴とするスクロール型冷媒圧縮
    機。
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