JPH0615920U

JPH0615920U - 座ぐりカッター

Info

Publication number: JPH0615920U
Application number: JP6057792U
Authority: JP
Inventors: 幸雄新開
Original assignee: 有限会社新開工具製作所
Priority date: 1992-08-04
Filing date: 1992-08-04
Publication date: 1994-03-01

Abstract

(57)【要約】【目的】ボルト穴上端部の座ぐり穴の加工と同時に、
その座ぐり穴底部とボルト穴との角部を傾斜状に切り落
としできるようにした座ぐりカッターを提供する。【構成】外周に形成した複数条の刃部のうち、一部の
刃部先端（₁₅）を軸芯Ｐに対して略直角とし、他の一部
の刃部先端（₁₆）を傾斜状として、その傾斜状部の軸芯
Ｐ側を直角な先端（₁₅）より突出させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば、ボルトの頭部が突出しないよう沈み込ませるため、ボルト穴入口に座ぐり穴を形成するのに用いられる座ぐりカッター（沈めフライスとも言う）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来におけるこの種の座ぐりカッターは、図４で示すように、先端のガイド部（１）と、そのガイド部（１）の後部側の複数条の刃部（２）とから構成されるとともに、その各刃部（２）の先端（３）を、軸芯Ｐ方向に対して直角に切り落とした形状となっている。このようにして、図５で示すように、ボルト穴（４）の入口部周囲に凹状の座ぐり穴（５）を形成するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、従来の座ぐりカッターにおいては、刃部（２）の先端（３）が軸芯Ｐに対して直角となっているため、図５で示すように、ボルト穴（４）の入口と座ぐり穴（５）の底面（６）との間に直角なエッジ（７）が形成される。このため、このエッジ（７）にバリや返り等が残る場合があり、これらがボルト穴（４）に入ってボルト（８）の挿入を不可能にしたり、或いは、ボルト（８）の座面である底面（６）に残って、ボルト（８）の座りを悪くするといった不都合があった。

【０００４】このような不都合は、図６で示すように、このボルト穴（４）と底面（６）とのエッジ（７）を傾斜状に切り落とし（９）することによって解消することができるが、従来においては、前記のような座ぐりカッターで座ぐり加工を行うと同時に、再び別のカッターによってこの切り落しを行わなければならず、二回の加工が必要であるという欠点があった。

【０００５】即ち、この考案は、ボルト穴上端部の座ぐり穴の加工と同時に、その座ぐり穴底部とボルト穴との角部を傾斜状に切り落としできるようにした座ぐりカッターを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案では、外周に複数条の刃部を備えた座ぐりカッターにおいて、前記の刃部のうち一部の刃部先端をカッター軸芯に対して略直角とし、他の一部の刃部先端を傾斜状として、この傾斜状先端部のカッター軸芯側を前記直角な先端部よりも更に先端側に突出させたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

傾斜状先端部の直角な先端部よりも突出した部分によって、座ぐり穴の底部に傾斜状の切り落し部が形成される。

【０００８】

【実施例】

図１〜３は、この考案の座ぐりカッターを示し、軸部（₁₁）の下側に、軸芯_P に対して円周方向に傾斜したねじれ溝（₁₂）によって分割された４条の刃部（₁₃ ）（₁₃）（₁₄）（₁₄）を備え、更に、その刃部（₁₃）（₁₃）（₁₄）（₁₄）の先端に、円周溝（₁₈）を介して小径のガイド部（₁₀）を備えている。そして、上記刃部（₁₃）（₁₃）（₁₄）（₁₄）のうち、軸芯Ｐを挟んで互いに対向する２個の刃部（₁₃）（₁₃）の先端（₁₅）（₁₅）は、図１で示すように、軸芯Ｐに対して略直角な切り落とし状とされている。同じく、軸芯Ｐを挟んで互いに対向する他の２個の刃部（₁₄）（₁₄）の先端（₁₆）（₁₆）は、その刃部（₁₄）（₁₄）外径側が先端に対して軸部（₁₁）側に後退した傾斜状とされている。その際、この傾斜状先端部（₁₆）は、その軸芯Ｐ側が長さＬに亙って、直角な先端部（₁₅）よりも先端側に突出している。

【０００９】従って、先端ガイド部（₁₀）を予め形成されたボルト穴に挿入し、この状態で回転させながら座ぐり加工を行うと、まず傾斜状先端部（₁₆）の突出部（₁₇）によって、ボルト穴をテーパ状に拡大させた後、次いで、直角な先端部（₁₅）が所定の座ぐり穴形状に拡大させ、最終的に前記図６のような傾斜状の切り落とし部（９）を備えた座ぐり穴が形成されることになる。

【００１０】上記において、座ぐり穴先端の傾斜状切り落とし部の角度は、前記傾斜状先端部（₁₆）の角度によって決まり、またその外径は、直角な先端部（₁₅）に対して突出した突出部（₁₇）の最大外径部によって決る。また、このような傾斜状先端部（₁₆）は、実施例のように直角な先端部（₁₅）に対して交互に形成する場合に限らず、適当な刃部（₁₃）（₁₃）（₁₄）（₁₄）を選択して形成してもよい。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、ボルト穴周辺の座ぐり穴は、その先端を直角に切り落とした部分の刃によって形成されるが、更にそれよりも突出した傾斜したの刃部先端によって、ボルト穴との間に傾斜状の切り落とし部を形成することになり、これによって、座ぐり穴の加工とこのような切り落とし部の加工を一本のカッターによって同時に行うことができるという効果がある。もちろん、かかる傾斜状の切り落とし部を設けることによって、この部分にバリや返り等が形成されるのを防止でき、そのようなバリや返り等によってボルトの挿入が困難になったり、或いは、ボルト座面の座りが悪くなったりという不都合が解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の座ぐりカッターの刃部先端の要部拡
大断面図である。

【図２】同じく座ぐりカッター全体の側面図である。

【図３】同じく座ぐりカッターの先端の端面図である。

【図４】従来の座ぐりカッターの側面図である。

【図５】従来の座ぐりカッターで形成されるボルト穴の
形状を示す要部の縦断面図である。

【図６】傾斜状切り落とし部を形成したボルト穴口部の
縦断面図である。

【符号の説明】

（₁₂）溝（₁₃）刃部（₁₄）刃部（₁₅）直角な先端部（₁₆）傾斜状先端部Ｐ軸芯

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】外周に複数条の刃部を備えた座ぐりカッ
ターにおいて、前記の刃部のうち一部の刃部先端をカッ
ター軸芯に対して略直角とし、他の一部の刃部先端を傾
斜状として、この傾斜状先端部のカッター軸芯側を前記
直角な先端部よりも更に先端側に突出させたことを特徴
とする座ぐりカッター。