JPH0518008Y2

JPH0518008Y2 -

Info

Publication number: JPH0518008Y2
Application number: JP1987089501U
Authority: JP
Priority date: 1987-06-10
Filing date: 1987-06-10
Publication date: 1993-05-13
Anticipated expiration: 2002-06-10
Also published as: JPS63197014U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、各種鋼材、鋳鉄、アルミ合金などの
溝削り加工または切断加工に適用されるサイドカ
ツター用のスローアウエイチツプに関する。

（従来の技術）従来、この種のサイドカツター用のスローアウ
エイチツプとしては、例えば実公昭61−31777号
公報にみられるものが開示されている。そして、
この公報にみられるスローアウエイチツプは、工
具本体の環状側面に対し、両側から交互に取付け
たいわゆる千鳥刃式のものである。

また、これらのスローアウエイチツプは、切削
上の外周切刃稜側に逃げ面を形成しているため、
正面切刃稜側には、中凸の傾きが形成されるもの
である。したがつて、いわゆる直角溝を切削する
ことができないことから、粗削りに採用されてい
るものである。

（考案が解決しようとする問題点）このようなことから、この種のサイドカツター
用のスローアウエイチツプでは、直角溝の切削が
できるように切刃構成からの改善が問題点となつ
ている。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、正
面側の切刃稜を構成する逃げ面側には、直角溝を
切削できるようにした切欠段部面を構成するよう
にしたものである。そして、この切欠段部面は、
外周逃げ面側に位置する一方の多角面から他方の
多角面に向かう厚み方向では、直線状の切刃稜
が、切削すべき直角溝の底面と平行関係にあつ
て、切欠段部の形成前の外郭側面を基準にしたと
きには、傾斜角θ₃を構成するものである。また、
厚み方向に対する辺方向では、切欠段部面がブレ
ーカ溝の深さよりも大きく延びるようになつてい
るものである。

（作用）本考案のサイドカツター用のスローアウエイチ
ツプは、正面側の逃げ面には、直角溝の切削に必
要な切欠段部面が形成されているものである。そ
して、切欠段部面の形成に伴つて、直線状を呈す
る正面切刃稜が切削すべき直角溝の底面と平行関
係にあることから直角溝の切削に適用できるもの
である。

（実施例）以下、本考案サイドカツター用のスローアウエ
イチツプにおける一実施例について図を参照しな
がら説明する。

第１図および第２図において、１は略正多角形
板状をなすサイドカツター用のスローアウエイチ
ツプであり、その中央には、中央取付け穴２を穿
設されている。

そして、このスローアウエイチツプ１は、第３
図および第４図で明示されているように、円板状
をなす工具本体３の円形側面の両側から交互に設
けられたチツプ座４内に取付けられ、いわゆる千
鳥刃のサイドカツター５を構成する。この場合、
スローアウエイチツプ１の取付けは、中央取付け
穴２を利用して止めねじ６により行なわれる。な
お、このサイドカツター５は一般的には、刃先外
径φDがＤ＝50〜100mm、刃幅ＷがＷ＝４〜13mm、
刃数ＺがＺ＝８〜20枚である。また角度関係につ
いては、アキシヤルレーキアングルARが1°〜4°、
ラジアルレーキアングルRRが5°〜18°、外周逃げ
角LRが１〜4°の範囲内で設定される。

しかして、このスローアウエイチツプ１は、切
削上略正多角形面７で外周側の逃げ面を構成し、
またその外郭側面８ですくい面および正面側の逃
げ面を構成する。またこれに伴つて、正面切刃稜
９および外周切刃稜１０がそれぞれ形成される。

そして、このスローアウエイチツプ１のすくい
面には、チツプブレーカ溝１１が形成される。こ
の場合、このチツプブレーカ溝１１は、例えば第
５図および第６図で拡大して明示されているが、
幅狭なランド１２、傾斜角θ₁を有する下りの傾斜
面１３、接続斜面１４、底面１５および傾斜角θ₂
を有する上りの傾斜面１６により形成される。

なお、前記ランド１２は、すくい面側にある外
郭側面８に対し、幾分低位にあるもので、これに
より正面切刃稜９の耐欠損性を高めている。ま
た、この正面切刃稜９は、第７図および第８図の
切削軌跡で判るように、切欠段部面１７の形成に
より直角溝に関与できるものである。すなわち、
この切欠段部面１７は、第１０図で示されている
ように、外周逃げ面側に位置する一方の多角形面
７から他方の多角形面７に向かう厚み方向で、切
欠段部１７の形成前の外郭側面８を基準にしたと
きには、傾斜角θ₃を構成する。この結果、直線状
の正面切刃稜９は、切削すべき直角溝の溝底面と
平行する関係になるものである。また、この切欠
段部面１７は、厚み方向に対する辺方向では、ブ
レーカ溝１１の深さよりも大きく延びるようにな
つているものである。これは、直角溝の形成を良
好にする配慮である。そして、第１０図の場合で
は、前記切欠段部面１７の長さは、チヤンフアー
面１８の長さと略一致する。

また、スローアウエイチツプ１は、通常８〜16
mmロ程度のもので、前述した第５図および第６図
によるチツプブレーカ溝１１は、通常以下の範囲
内で設定される。

ランジ１２の幅 ₁＝0.05〜0.3mm 低位置ｈ＝0.2〜0.8mm 傾斜角 θ₁＝10°〜20° 外郭側面８から底面１５までの深さＨ＝0.5〜1.5mm チツプブレーカ溝１１の幅Ｌ＝2.5〜５mm 傾斜面１３の幅 ₂＝0.8〜2.5mm さらに、第８図は、別の切削軌跡を示したもの
で、この場合には、第９図で示されるように、ス
ローアウエイチツプ１の略正多角形面７によつて
構成される外周側の逃げ面には、直角溝の溝巾を
正確に出すため三角形状のチヤンフアー面１８が
形成されるようにしたものである。

次に、本考案サイドカツター用のスローアウエ
イチツプについて、サイドカツターに組込んだ場
合の切削例を説明する。

切削例は、S55C（HB 280以下）をダウンカツ
トで切削したもので、切削溝幅Ｗ＝５〜８mm、切
削速度Ｖ＝100m／minとし、工具仕様について
は刃先外径Ｄ＝160φmm、刃数Ｚ＝16枚として、
スローアウエイチツプ１を２列の千鳥刃として取
付けた。この場合、スローアウエイチツプは、
12.7mmロ、厚さ2.78mmを基本形状とし、チツプブ
レーカ溝１１については、第５図および第６図に
みられるものを適用した。したがつて、この形状
は、幅Ｌ＝4.5mm、ランド１２の幅₁＝0.2mm、傾
斜面１３の巾₂＝1.2mm、低位量ｈ＝0.3mm、外郭
側面８から底面１５までの深さＨ＝0.8mmとし、
接続斜面１４は半径0.8mmの凹曲面とした。また、
正面切刃稜９については、正面側の逃げ面にある
切欠段部面１７により形成されたが、そのときの
傾斜角θ₃は、2°30′とした。なお、この傾斜角θ₃
は、スローアウエイチツプ１の取付け角により異
なるが、通常1°〜4°の範囲の内で設定される。さ
らに、外周側の逃げ面には、第９図に示されるよ
うなチヤンフアー面１８を形成した。

この結果、本考案品を取付けたサイドカツター
５は、刃形から判るように直角溝の切削りがで
き、溝幅の精度、粗さが向上した。

すなわち、本考案品では、溝幅の精度が±0.03
mmで、粗さが10S以下であつた。これに対し、第
１１図で示されるような正面切刃稜９を直角溝用
にしていない従来品では、溝幅の精度が±0.1mm
で粗さが20Sであつた。

（効果）本考案は、以上説明したように、すくい面に
は、チツプブレーカ溝１１、正面側の逃げ面に
は、正面切刃稜９を直角溝用に適用できるように
した切欠段部面１７をそれぞれ形成したものであ
る。したがつて、直角溝の切削が可能となり、仕
上げ用のものとして適用できるものである。この
場合、チヤンフア１８の形成を配慮すれば、直角
溝の精度、粗さも向上できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案サイドカツター用のスローア
ウエイチツプにおける一実施例を示す正面図、第
２図は、その側面図、第３図は、サイドカツター
を示す一部正面図、第４図は、その一部平面図、
第５図は、チツプブレーカの形状を示す一部拡大
正面図、第６図は、その一部平面図、第７図は、
切削軌跡を示す説明図、第８図は、他の切削軌跡
を示す説明図、第９図は、本考案サイドカツター
用のスローアウエイチツプにおける変形例を示す
正面図、第１０図は、要部の斜視図、第１１図
は、従来例における切削軌跡を示す説明図であ
る。１……スローアウエイチツプ、２……中央取付
け穴、３……工具本体、７……略正多角形面、８
……外郭側面、９……正面切刃稜、１０……外周
切刃稜、１１……チツプブレーカ溝、１７……切
欠段部面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】中央取付け穴２を備えた略正多角形板からな
り、その中央取付け穴２を利用して工具本体３の
円形側面の両側から交互に取付けられ、その略正
多角形面７が切削上の外周側の逃げ面を構成し、
また、その外郭側面８が切削上のすくい面および
正面側の逃げ面をそれぞれ構成することにより、
正面切刃稜９および外周切刃稜１０がそれぞれ形
成され、しかも前記すくい面には、チツプブレー
カ溝１１が形成されるようにしたサイドカツター
用のスローアウエイチツプにおいて、前記正面側の逃げ面には、切欠段部１７が形成
され、しかも、この切欠段部１７により構成され
る直線状の正面切刃稜９が外周逃げ面側に位置す
る一方の多角面７から他方の多角面７に向かう厚
み方向では、切削すべき直角溝の底面と平行関係
にあつて、切欠段部１７の形成前の前記外郭側面
８を基準にしたときには、傾斜角θ₃をもつように
構成されており、また、厚み方向に対する辺方向
では、切欠段部１７の長さが前記ブレーカ溝１１
の深さよりも大きくなつていることを特徴とする
サイドカツター用のスローアウエイチツプ。