JPH06156893A - エレベーターの群管理制御装置 - Google Patents

エレベーターの群管理制御装置

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JPH06156893A
JPH06156893A JP5195793A JP19579393A JPH06156893A JP H06156893 A JPH06156893 A JP H06156893A JP 5195793 A JP5195793 A JP 5195793A JP 19579393 A JP19579393 A JP 19579393A JP H06156893 A JPH06156893 A JP H06156893A
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JP
Japan
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elevator
simulation
time
call
data
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Pending
Application number
JP5195793A
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English (en)
Inventor
Soshiro Kuzunuki
壮四郎 葛貫
Kotaro Hirasawa
宏太郎 平沢
Kenichi Kurosawa
憲一 黒沢
Takashi Kaneko
隆 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】交通需要の変化に即応した効率の良いエレベー
ターサービスの可能なエレベーター群管理制御装置を提
供する。 【構成】実際の交通需要を収集し、収集されたデータを
用いて群管理制御を行うためのエレベーター割当て評価
式中の運転制御パラメータの値を複数の異なる値を変え
て、群管理制御をシミュレーションし、待ち時間,消費
電力等を求め目標とする待ち時間,消費電力を満足する
制御パラメータを選択して、そのパラメータをもつ評価
式によってエレベーターのホール呼び割合てを行う。 【効果】交通需要が変化しても、その需要を基にシミュ
レーションを行うので目標とする待ち時間,消費電力を
満足する制御パラメータが得られ、効率の良いエレベー
ターサービスが行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベーター群管理制
御装置に係り、特にコンピュータを利用したエレベータ
ー群管理制御に好適な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、マイクロコンピュータ(以下マイ
コンと称す)が各種産業に応用されてきており、エレベ
ーターの分野においても、複数のエレベーターを効率良
く管理する群管理制御装置や、個々のエレベーターを制
御する号機制御装置に適用されている。こうした試み
は、マイコンの持つ、小型,高機能,高信頼性,低コス
トの特徴のため、エレベーター制御装置に大きな貢献を
もたらしている。
【0003】たとえば、群管理制御の場合、発生するホ
ール呼びを個々にオンラインで監視し、全体のホール呼
びのサービス状況を加味して、最適なエレベーターを選
択し割当てることが可能となり、待時間短縮に大きく寄
与している。また、乗客の多く発生したホールには複数
台のエレベーターをサービスさせたり、重役階には待時
間の短いエレベーターをサービスさせるなどの優先サー
ビス制御が可能となり、きめ細かな制御が行い得るよう
になってきている。
【0004】一方、エレベーターの監視装置では、コン
ピュータのかなり進んだ利用形態として、群管理を制御
するシステムプロセッサと中央監視局のプロセッサを電
話回線で接続し、効率良い監視を行う方式も提案されて
いる。すなわち、この方式では、エレベーターシステム
の運転の必要のない夜間等において、システムプロセッ
サをエレベーターシステムと切り離して、中央監視局の
プロセッサ内のかご応答をシミュレートする装置と接続
され、システムプロセッサの機能および動作状況を効率
良く監視することを行っている。
【0005】以上のように、マイコン等のコンピュータ
利用により、ランダムロジック構成に比して大幅な性
能,機能の向上が図られてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでのエ
レベーター群管理制御装置では、あらかじめ決められた
固定化された制御機能およびパラメータにより運転制御
されているため、時々刻々と変化するビル環境に必ずし
も適応したシステムとなっていない。たとえば、ビル完
成時の交通需要と、その後のテナント変更や、業務変更
等があった場合の交通需要では、行先交通需要が異なっ
てくる。また、一日の交通需要の中でも、出勤,昼食,
退勤,平常というような行先交通需要が大幅に変化す
る。
【0007】このように、交通需要が大幅に変化する
と、効率的な管理制御が困難となり、サービス低下を招
くことになる。
【0008】また、エレベーター納入時等、ビルの交通
需要が把握されていない場合も、交通需要に応じた制御
が困難となっていた。
【0009】本発明の目的は、交通需要に即応した効率
の良いエレベーターサービスの可能なエレベーター群管
理制御装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、ホール
呼びをエレベーターに割当てる群管理制御において、上
記割当てるエレベーターを選択するための評価式に可変
パラメータを挿入し、このパラメータを、上記群管理制
御をシミュレートした結果に応じて可変するようにした
ところにある。すなわち、シミュレータにより交通需要
に対して最適な制御を予め学習演算し、これに応じて上
記割当てのための評価式中のパラメータを可変すること
により、交通需要に即応した効率の良い群管理制御を可
能としたところにある。
【0011】
【作用】実際の交通需要が変化した場合、実測したデー
タを用いて、群管理制御のエレベーター割当て評価式中
の制御パラメータを複数の値に変えて、シミュレーショ
ンにより実測したデータの交通需要における制御パラメ
ータの値と待ち時間,消費電力等の関係を求め、目標と
する待ち時間,消費電力を満す、制御パラメータの値を
選択するので、その値を用いて群管理制御を行えば、目
標とする待ち時間,消費電力を満す制御が行える。
【0012】上記の目的および特徴の外、上記評価式に
消費電力の要素を入れ、また、シミュレートの為に交通
需要の予測演算等をも取り入れ、高機能および高精度の
群管理制御を可能にしているが、これらについては以下
の実施例で詳述する。
【0013】なお、以下の説明では、上記評価式中の可
変パラメータを運転制御パラメータと称し、評価式とし
て待時間および消費電力の関数を主に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図1〜図23に示す具体的一
実施例により詳細に説明する。なお、実施例の説明は、
まず、本発明を実現するハードウエア構成を述べ、次に
全体ソフトウエア構成とその制御概念を述べ、最後に上
記制御概念を実現するソフトウエアをテーブル構成図、
フローを用いて説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例の全体ハードウ
エア構成である。
【0016】エレベーター群管理制御装置MAには、前
記したエレベーター運転制御を司るマイコンM1 と前記
したシミュレーションを司るマイコンM2 があり、マイ
コンM1 とM2 間は直列通信プロセッサSDAC (後
述)により、通信線CMC を介してデータ通信される。
【0017】エレベーター運転制御を司るマイコンM1
には、ホール呼び装置HDからの呼び信号HCを並列入
出力回路PIAを介して接続され、また、ドアの開閉
や、かごの加減速指令等個々のエレベーターを制御する
号機制御用マイコンE1 〜En(ここで、エレベーター
はn号機あるものとする)とは、前記同様の直列通信プ
ロセッサSDA1 〜SDAn と通信線CM1 〜CMn
介して接続される。
【0018】一方、マイコンM2 には、シミュレーショ
ンの最適運転制御パラメータの決定に必要な情報を与え
る設定器PDからの信号PMが並列入出力回路PIAを
介して入力される。
【0019】また、号機制御用マイコンE1 〜En
は、制御に必要なかご呼び情報、エレベーターの各種安
全リミットスイッチや、リレー,応答ランプで構成する
制御入出力素子EIO1 〜EIOn と並列入出力回路P
IAとを信号SIO1〜SIOnを介して接続される。
【0020】図1を用いて本発明の全体的説明をする。
【0021】エレベーター運転制御用マイコンM1
は、呼び割当てを主として運転制御プログラムを内蔵
し、この運転制御プログラムは、各号機制御用マイコン
1〜Enとホール呼びHCより、制御に必要な情報を取
り込む。またこの情報の中でシミュレーションに必要な
情報を直列通信プロセッサSDAC を介して、シミュレ
ーション用マイコンM2 に送信される。さらに、前記運
転制御プログラムは、可変可能な運転制御パラメータを
用いて処理している。たとえば、このパラメータには、
呼び割当ての評価式における待時間と消費電力の評価値
の関係を示す重み係数や、ドアの開閉時間を決定する時
間係数、ならびに、呼び割当ての制御論理すなわち、呼
び割当てのアルゴリズムを選択する制御用パラメータ等
がある。
【0022】これらの運転制御パラメータは、シミュレ
ーション用マイコンM2 により、設定器PDの指令PM
と前記シミュレーション用データを用いて演算される。
この演算は、一定周期毎に実時間で処理され、その時々
でエレベーター群管理に最適な運転制御パラメータを出
力する。
【0023】たとえば、設定器PDを待時間最小となる
ように指令すると、その時の交通需要を予測演算し、こ
のデータによりシミュレーションし、待時間が最小とな
る呼び割当てアルゴリズムとその運転制御係数を演算
し、これを、その時の交通需要状態における最適運転制
御パラメータとする。したがって、本発明によりエレベ
ーターの群管理制御は時々刻々と変化するビルの環境状
態に対応可能であり、エレベーターの群管理性能向上に
大きく寄与する。
【0024】次に、各マイコンの具体的なハードウエア
構成を示すが、これらのマイコンは図2〜図4に示すよ
うに簡単に構成できる。マイコンの中心であるMPU(M
icroProcessing Unit)は、8ビット,16ビット等が用
いられ、特に号機制御用マイコンE1〜Enには余り処理
能力を要しないことから、8ビットMPUが適当であ
る。一方、エレベーター運転制御用マイコンM1 および
シミュレーション用マイコンM2 は複雑な演算を必要と
するため、演算能力のすぐれた16ビットMPUが適当
である。
【0025】さて、各マイコンには、図2〜図4に示す
ようにMPUのバス線BUSに制御プログラムおよびエ
レベーター仕様等を格納するROM(Read Only Memor
y)と、制御データやワークデータ等を格納するRAM
(Random Access Memory)および、並列入出力回路PI
A(Peripheral Interface Adapter)、他のマイコンと
直列通信を行う専用プロセッサSDA(Serial Data Ad
apter)が接続される。
【0026】なお、各マイコンM1 ,M2 ,E1〜En
おいて、RAM,ROMはその制御プログラムのサイズ
等により、複数個の素子で構成される。
【0027】図3において、設定器PDは設定用ボリー
ムVRとこのVRのアナログ出力電圧をデジタル値に変
換するA/D変換器により構成され、この出力PMはP
IAよりRAMに取り込まれる。
【0028】図4において、エレベーター制御データと
して、たとえばかご呼びボタンCBや、安全リミットス
イッチSW1 、リレー接点SWRy、かご重量Wight がP
IAよりRAMに取り込まれる。一方、MPUより演算
されたデータはPIAより、応答ランプLampやリレーR
y等の制御出力素子に出力される。
【0029】ここで、図2〜図4に用いられたマイコン
間の直列通信用プロセッサSDAのハード構成は図5に
示すように主として送信用バッファTXB ,受信用バッ
ファRXB ,データのパラレル/シリアル変換を行うP
/Sとその逆変換を行うS/P、ならびにそれらのタイ
ミング等を制御するコントローラCNTにより構成され
る。上記送信バッファTXB ,受信バッファRXB はマ
イコンより自由にアクセス可能でデータの書き込み,読
み出しができる。一方、SDAはコントローラCNTよ
り、送信バッファTXB の内容をP/Sを介して、他の
SDAの受信バッファRXB に自動送信する機能を有し
ている。したがって、マイコンは送受信処理は一切行う
必要がないため、他の処理に専念できる。なお、このS
DAに関する詳細な構成及び動作説明は特開昭56−3797
2 号および特開昭56−37973 号に開示されている。
【0030】次に、本発明の一実施例であるソフトウエ
ア構成を述べるが、まず図6によりソフトウエアの全体
構成から説明する。
【0031】図6に示すように、ソフトウエアは大別し
て運転制御系ソフトウエアSF1とシミュレーション系
ソフトウエアSF2より成り、前者は図1のマイコンM
1 より、後者はマイコンM2 より処理される。
【0032】運転制御系ソフトウエアSF1は、呼びの
割当て処理や、エレベーターの分散待機処理等エレベー
ターの群管理制御を直接的に指令し制御する運転制御プ
ログラムSF14より成る。このプログラムの入力情報
として、号機制御プログラム(図1マイコンE1〜En
内蔵)から送信されてきた、エレベーターの位置,方
向,かご呼び等のエレベーター制御データテーブルSF
11,ホール呼びテーブルSF12,エレベーターの管
理台数等のエレベーター仕様テーブルSF13ならびに
シミュレーション系ソフトウエアSF2で演算し、出力
された最適運転制御パラメータ等を入力データとしてい
る。
【0033】一方、シミュレーション系ソフトウエアS
F2は、下記の処理プログラムより構成される。
【0034】(1)データ収集プログラムSF20……ホ
ール呼び、エレベーター制御データテーブルの内容をオ
ンラインで一定周期毎にサンプリングし、シミュレーシ
ョン用データを収集するプログラムで、特に行先階別交
通需要(以下行先交通量と称す)を主に収集する。
【0035】(2)シミュレーション用データ演算プログ
ラムSF22……データ収集プログラムより収集された
オンラインのサンプリングデータテーブルの内容と過去
の時間帯の上記テーブルの内容とを加味してシミュレー
ション用データを演算するプログラムである。
【0036】(3)シミュレーションによる各種曲線演算
プログラムSF23……シミュレーション用データテー
ブルSF24とエレベーター仕様テーブルSF25を入
力し、所定の複数のパラメータ毎にシミュレーションを
実施して各種曲線データテブルSF26を演算出力す
る。各種曲線データテーブルSF26としてたとえば、
待時間曲線テーブル,消費電力曲線テーブル等がある。
【0037】(4)最適運転制御パラメータの演算プログ
ラムSF27……上記各種曲線テーブルSF26と設定
器PDから設定された目標値テーブルSF28を入力し
て、ビルの環境条件に適応した最適運転制御パラメータ
SF29を演算出力する。なお、最適運転制御パラメー
タSF29には、シミュレーション用データ演算プログ
ラムで演算されたシミュレーションデータテーブルSF
24の一部も付加される。これは、シミュレーション系
ソフトウエアSF2で、実際の運転結果を評価し、その
結果でエレベーターを制御するため、学習機能の1つと
言える。
【0038】以上、本発明の一実施例のソフトウエア全
体構成を説明したが、次に本発明のポイントであるシミ
ュレーションによる最適運転制御パラメータの演算方法
について説明する。
【0039】最近の呼び割当て方法として、個々のホー
ル呼びのサービス状況(待時間)を監視し、全体の呼び
のサービスも加味して、発生したホール呼びをエレベー
ターに割当てるホール呼び割当て方法が用いられてい
る。この方法では、呼び割当ての評価関数に待時間が用
いられている。たとえば、発生したホール呼びの前方階
の割当て済ホール呼びの最も長い待時間を評価値とする
方法、前方の割当て済ホール呼びの待時間の2乗総和を
評価値とする方法、発生ホール呼びの待時間を評価値と
する方法等が考案されている。しかし、これらの評価値
には、エレベーター相互間の位置関係が含まれていない
ため、このままではダンゴ運転となり、性能向上が期待
できなくなる。
【0040】そこで、ダンゴ運転を防止するため、図7
に示すような停止呼び評価関数の概念が提案されている
(特開昭52−47249 号,特開昭52−126845号)。すなわ
ち、発生ホール呼びHCiの隣近する階床から着目エレ
ベーターEの割当て済ホール呼びHCi−1やかご呼び
CCi,CCi+2を考慮して停止呼び評価関数Tcを
得て、このTcと前記待時間の評価値とを加味した新し
い評価式φとするものである。これを式で表わすと、待
時間の評価値をT、待時間評価値Tと停止呼び評価値T
cとの重み係数をαとするとき、 φ=T−αTc …(1) Tc=ΣβS …(2) となる。ここで、βは発生ホール呼び隣接階の停止呼び
(サービスする呼びを称す)に対する重み係数でたとえ
ば0〜20となる。またSは、停止確率を示し、サービ
スすべき呼びがあれば1.0 となり、予測呼びがあれ
ば、適当な値(01)となる。図7では予測呼び
を無視した値を示している。
【0041】(1)式の評価関数を用いることによっ
て、発生ホール呼びの隣接停止呼びが考慮されエレベー
ターのダンゴ運転が防止される。
【0042】なお、図7の例の停止呼び評価値Tcは、
発生呼び階iの前後2階床を考慮して、 Tc=ΣβS=5×1.0+10×0+20×1.0+1
0×1.0+5×0=35(秒) となる。したがって、待時間評価値Tが各エレベーター
で同一であると仮定するとTcの大きいエレベーターが
最適と判断され、発生ホール呼びをそのエレベーターに
割当てることになる。
【0043】さて、(1)式において、待時間評価値T
と停止呼び評価値Tcとの重み係数αに着目すると、こ
のαは、ダンゴ運転防止に最も効果のある値が存在し、
その時ビル全体の待時間(平均待時間)は最小となり得
る。
【0044】一方、上記αを大きくして行くと、停止呼
びを多く持つエレベーターが優先的に選択されるため、
ある特定のエレベーターの負荷が集中し、平均待時間は
上昇して行くことが理解できる。逆に言えば、他のエレ
ベーターは負荷が軽くなるため、エレベーター全体の停
止回数(起動回数)が減少し、消費電力が小さくなって
行く。
【0045】以上の関係の一例を表1および図8に示
す。これは、ビル階床13階床、エレベーター台数6
台、エレベーター速度150m/mmの条件でシミュレー
ションした例である。ここでは、重み係数αを運転制御
パラメータと称し、α=0,1,2,3,4の5ケース
のシミュレーションを行っている。
【0046】
【表1】
【0047】図8に示すように、運転制御パラメータα
を変化させることにより、平均待時間曲線fT と消費電
力曲線fP が得られる。これらの曲線より、平均待時間
の最小点が存在すること、またαを大きくして行くと消
費電力は減少し、それにつれて平均待時間が増加して行
くことを容易に理解できる。
【0048】以上のシミュレーションは行先交通量があ
る時点のときの結果であったが、前記したように、行先
交通量は時々刻々と変化している。たとえば、平常時の
行先交通量と退勤時のそれとは全くパターンが異なる。
すなわち、平常時は上昇,下降方向とも適当に交通量が
あるが、退勤時では下降方向の交通量がほとんどであ
る。また、ビルのテナント等が変更となると、従来の行
先パターンと異なってくる。したがって、各々の行先交
通量AおよびBのパターンについて前記と同様にシミュ
レーションすると、図9のような平均待時間曲線fTA
TBが求まる。図9より、平均待時間の最小点は
(a),(b)点となり、αは曲線fTAでαA =2.
0、曲線fTBでαB =1.0となり、行先交通量毎に運
転制御パラメータαを変化させた方が、平均待時間を短
縮するためには良策であることが理解できる。このこと
は、呼び割当ての評価関数のアルゴリズムにも関連して
くる。すなわち、(1)式の評価式の待時間の評価アル
ゴリズムによっても、平均待時間曲線が異なってくる。
したがって、平均待時間短縮のためには与えられた行先
交通量に対し、最も適当な運転制御パラメータαと適当
な評価アルゴリズムが存在し得る。
【0049】次に省エネルギー運転の考え方を図10に
より説明する。今、シミュレーションにより、平均待時
間曲線fT と、消費電力曲線fP が与えられたものと
し、かつ、省エネルギー(以下省エネと称す)目標値P
M が10%と設定されたものとする。省エネ目標値が0
%では、運転制御パラメータαは通常平均待時間最小点
(a)の点のα1(=2.0)で運転されるため、消費電
力は(b)点で示される。したがって、(b)点の消費
電力の10%減の設定では、曲線fP 上の(c)点の消
費電力となる。したがって、そのときの運転制御パラメ
ータαはα2 (=3.5)として求まる。すなわち、逆に
言えば、運転制御パラメータαを3.5 に設定しておけ
ば、10%の省エネとなるよう制御が可能であることを
示している。なお、図10において、省エネ目標値を大
きく設定すると、平均待時間がそれに伴い増加するた
め、上限待時間TLMT (たとえば25秒)で目標値に制
限を加えることも肝要である。
【0050】以上述べたように、本発明ではシミュレー
ションにより、平均待時間や消費電力等の各種曲線を演
算しているため、目標値が与えられると、最適な運転制
御パラメータが容易に得られることが理解されるだろ
う。
【0051】図11は、データ収集から最適運転制御パ
ラメータによる実際の制御までの演算,制御タイミング
例で時刻8:00〜8:40間の例を示す。なお演算,
制御は10分間隔で行われるものとする。まず、 時
刻8:00〜8:10の10分間の行先交通量をオンラ
イン計測し、 このオンライン計測データと過去の時
刻8:10〜8:20の時間帯別行先交通量(一日前の
あるいは1週間の平均等の行先交通量)を記憶装置(R
AM等)より読み出す。
【0052】 前記2つの行先交通量より、時刻8:
10〜8:20間の行先交通量を予測演算する。この予
測行先交通量をもとにシミュレーションを時刻8:10
〜8:20間に実行する。
【0053】 そして、シミュレーションによって得
られた最適運転制御パラメータにより、実際に運転が行
われる。
【0054】本発明の一実施例では、過去の時間帯別行
先交通量の時間帯を時刻8:10〜8:20としたが、
これを時刻7:50〜8:00として、予測行先交通量
を演算しても良い。この場合、一日の時間帯のデータを
記憶している必要がなくメモリサイクルが少なくて良い
利点がある。
【0055】次に、本発明の一実施例で用いられるテー
ブル構成を図12,図13により説明する。図12は運
転制御系ソフトウエアのテーブル構成で、大別して、エ
レベーター制御テーブルSF11,ホール呼びテーブル
SF12,エレベーター仕様テーブルSF13のブロッ
クで構成される。各ブロック内のテーブルは下記に述べ
る運転制御プログラムを説明するとき、その都度述べ
る。
【0056】図13は、シミュレーション系ソフトウエ
アのテーブル構成で、最適運転制御パラメータSF2
9,各種曲線データテーブルSF26,目標値テーブル
SF28,サンプリングデータテーブルSF21,シミュレ
ーション用データテーブルSF24およびエレベーター仕様
テーブルSF25(図12と同様のため図示せず)のブ
ロックで構成される。
【0057】次に、本発明のソフトウエアの一実施例を
述べる。
【0058】最初に運転制御系のプログラムを説明し、
次にシミュレーション系のプログラムを説明する。な
お、以下に説明するプログラムは、プログラムを複数の
タスクに分割し、効率良い制御を行うシステムプログラ
ム、すなわちオペレーティングシステム(OS)のもと
に管理されるものとする。したがって、プログラムの起
動はシステムタイマーからの起動や、他のプログラムか
らの起動が自由にできる。
【0059】さて、図14〜図17に運転制御プログラ
ムのフローを示す。運転制御プログラムの中で特に重要
なエレベーター到着予測時間テーブル演算プログラムと
呼び割当てプログラムの2つについて説明する。
【0060】図14は、待時間評価値演算の基礎データ
となるべき、エレベーターの任意の階までの到着予測時
間を演算するプログラムのフローである。このプログラ
ムはたとえば1秒毎に周期起動され、エレベーターの現
在位置より任意の階までの到着予測時間を全階床につい
て、かつ全エレベーターについて演算する。
【0061】図14においてステップE10とE90
は、全てのエレベーター台数についてループ処理するこ
とを示す。ステップE20でまず、ワーク用の時間テー
ブルTに初期値をセットし、その内容を図12の到着予
測時間テーブルにセットする。初期値として、ドアの開
閉状態より、あと何秒で出発できるかの時間や、エレベ
ーター休止時等における起動までの所定時間が考えられ
る。
【0062】次に、階床を1つ進め(ステップE3
0)、階床がエレベーター位置と同一となったかどうか
比較する(ステップE40)。もし、同一となれば、1
台のエレベーターの到着予測時間テーブルが演算できた
ことになり、ステップE90へジャンプし、他のエレベ
ーターについても同様の処理をくりかえす。一方、ステ
ップE40において、“No”であれば、時間テーブル
Tに1階床走行時間Trを加算する(ステップE5
0)。そして、この時間テーブルTを到着予測時間テー
ブルにセットする(ステップE60)。次に、かご呼び
あるいは割当てホール呼び、すなわち、着目エレベータ
ーがサービスすべき呼びがあるかどうか判定し、もしあ
れば、エレベーターが停止するため、1回停止時間TS
を時間テーブルに加算する(ステップE80)。次にス
テップE30へジャンプし、全ての階床について、上記
処理をくり返す。
【0063】なお、ステップE50とステップE80に
おける1階床走行時間Trと1回停止時間TS は、シミ
ュレーション系のソフトウエアより最適運転制御パラメ
ータの1つとして、与えられる。
【0064】図15は、呼び割当てプログラムのフロー
でこのプログラムはホール呼び発生時起動される。本プ
ログラムでは、呼び割当てのアルゴリズムは2つ有り、
1つはステップA60に示すように長待ち呼び最小化呼
び割当てアルゴリズム(図16で後述)であり、もう一
方は、ステップA70に示すように到着予測時間最小呼
び割当てアルゴリズム(図17で後述)である。これら
のアルゴリズムの選択は、図13に示す最適運転制御パ
ラメータの中のアルゴリズム選択パラメータAS により
切換えられる。
【0065】図15にもどり、まずステップA10で発
生ホール呼びを外部よりよみこむ。そして、ステップA
20とA100,ステップA30とA90とで以下の処
理をループ演算する。すなわち、発生ホール呼びがあれ
ば、いずれかの呼び割当てアルゴリズムで演算し、この
呼びを選択された最適エレベーターに割当てる(ステッ
プA80)。
【0066】図16は、長待ち呼び最小化呼び割当てア
ルゴリズムの処理フローである。どのエレベーターが最
適かを判定するため、ステップA60−1とA60−6
によりエレベーター台数でループ処理する。ループ内の
処理は、まずステップA60−2で、発生ホール呼びを
含む前方階の割当てホール呼びの最大予測待時間Tmax
を演算する。なお、予測待時間とはホール呼びが発生し
てから現在までの経過時間を示すホール呼び経過時間と
到着予測時間(図12参照)を加算したものである。次
のステップA60−3では、図7で前述したように発生
ホール呼びを含む前後所定階床の停止呼びから停止呼び
評価値TC を演算し、この評価値と前述の最大予測待時
間Tmax とは(1)式の評価式φを演算する(ステップA
60−4)。そして、この評価式φの中で最小のエレベ
ーターを選択する(ステップA60−5)。以上の処理
をすべてのエレベーターについて実行すると、ステップ
A60−5の演算により、最適な評価値のエレベーター
が選択されていることになる。
【0067】もう一方の呼び割当てアルゴリズムとし
て、図17に到着予測時間最小呼び割当てアルゴリズム
のフローを示す。図17は図16のフローとほぼ同一で
あるが、ステップA70−2の処理のみ異なる。このア
ルゴリズムでは、発生ホール呼びまでの到着予測時間の
最小の評価値のエレベーターを選択するため、図12の
テーブルから発生ホール呼び階iの到着予測時間Tiを
ロードしている。
【0068】以上、運転制御プログラムの主なプログラ
ムである到着予測時間テーブルの演算プログラムと呼び
割当てプログラムの処理フローを説明したが、この他、
運転制御プログラムには、混雑階への複数台のエレベー
ターをサービスする複数台サービス処理プログラム、交
通需要が閑散時のときエレベーターをあらかじめ決めら
れた階へ待機させる分散待機処理プログラム等がある
が、これらの説明は省略する。
【0069】次に、シミュレーション系ソフトウエアの
プログラムを図18〜図23を用いて説明する。
【0070】図18はデータ収集プログラムのフロー
で、このプログラムは一定周期毎(たとえば1秒)に起
動され、かつ、一定時間(たとえば図11に示すように
10分間)データを収集すると、図13のサンプリング
データテーブルSF21に格納する。データ収集項目に
は種々あるが、本発明のプログラムでは、特に行先交通
量Cij、エレベーターの1階床走行時間tr 、1回停止
時間tS の3項目のデータを収集している。
【0071】まず、ステップSA10,SA20で行先
交通量Cijを収集する。このために、i階の乗客を行先
階j毎に分配する必要があるが、これは、i階での乗り
こみ乗客数(かご重量検出装置等により検出)と次の停
止階へ止まるまでの間に生じたかご呼びにより行先階j
が解るので、適当に乗客を分配することができる。表2
は、このようにしてデータ収集して行先交通量Cijの例
(ビル階床8階の場合)である。ここで、行先交通量Cij
の総和(ΣCij)は、その時間内に生じた乗客数と等し
くすることは言までもない。
【0072】
【表2】
【0073】次に、ステップSA30とSA40は、1
階床走行時間のデータを収集するためのフローで、エレ
ベーターの走行階床数と走行時間を収集し、サンプリン
グタイム終了後、走行時間を走行階床数で除算すれば1
階床の走行時間が演算できる。また、同様に、ステップ
SA50とSA60でも、エレベーターの停止回数とド
ア開中時間(停止時間)をデータ収集して、1回停止時
間を演算できる。
【0074】ステップSA10〜SA60で収集したデ
ータは、サンプリングタイム終了となると前述の演算を
行い、かつ図13のサンプリングデータテーブルSF2
1のオンライン計測テーブルおよび時間帯別テーブルに
各々格納される。なお、オンライン計測のデータテーブ
ルはCnew,trnew,tsnew のように項目名にnewの
添字を付加し、時間帯別テーブルには、Cold
rold,tsold のようにoldの添字を付加して表記して
いる。
【0075】図19はシミュレーション用データ演算プ
ログラムのフローで、このプログラムは周期起動(図1
1のタイミングから10分間毎起動)される。シミュレ
ーション用データは、オンライン計測したデータと過去
のデータとを適当な結合変数γを加味して予測演算して
いる。たとえば、行先交通量ではステップSB20に示
すように、 Cpre=γCnew+(1−γ)Cold …(3) と演算される。したがって、結合変数γが大きいほどオ
ンライン計測の行先交通量のデータの重みが大きくな
る。なお、予測データにはpreの添字を付加してい
る。
【0076】上記と同様に、1階床走行時間および1回
停止時間の予測データtrpre,tspreも演算される(ス
テップSB30)。またこのtrpre,tspreのデータは
図13に示す最適運転制御パラメータSF29のTr
s のテーブルにセットされる(ステップSB40)。
【0077】そして、このプログラムで演算された予測
データをもとにシミュレーションを実行するため、図2
0のシミュレーションによる各種曲線演算プログラム
(タスク)を起動する(ステップSB50)。
【0078】図20はシミュレーションによる各種曲線
演算プログラムのフローで、このプログラムは図19の
ステップSB50より起動される。
【0079】シミュレーションのパラメータとして、呼
び割当てのアルゴリズムを選択するためのアルゴリズム
パラメータAS 、および、(1)式で前述したような重
み係数である制御パラメータαがあり、それぞれのパラ
メータの値についてシミュレーションを実行する。
【0080】まず、行先交通量等のシミュレーション用
データをセットし(ステップSC10)、またアルゴリズム
パラメータをセットする(ステップSC30)。アルゴ
リズムパラメータはAS であり、AS =1で長待ち呼び
最小化呼び割当てアルゴリズムが選択され、AS =2で
到着予測時間最小呼び割当てアルゴリズムが選択される
ようになっている。次に、ステップSC30で制御パラ
メータをセットし、シミュレーションを実行する(ステ
ップSC40)。なお、制御パラメータαは、たとえ
ば、表1,図8に示すように、0,1,2,3,4の5
個の値となる。
【0081】そして、各値毎にシミュレーションされた
その結果は各値毎に記憶される(ステップSC60)。
【0082】なお、シミュレーション結果の記憶は表1
に示したように、平均待時間と消費電力の2つとしてい
るが、他の評価項目について記憶して、曲線テーブルを
作成しても良い。
【0083】上記全ての値についてシミュレーションを
終了すると、図22に示す最適運転制御パラメータ演算
プログラム(タスク)を起動し(ステップSC80)、
このプログラムは終了する。
【0084】ステップSC40のシミュレーション実行
プログラムの具体的フローは、図21に示す。シミュレ
ーションプログラムは、エレベーターそのものの動作プ
ログラム、たとえば、走行動作,ドア開閉動作プログラ
ム等と、これらのエレベーターを効率良く管理する管理
機能プログラム、たとえば、呼び割当て機能,エレベー
ターの分散待機機能プログラム等に大別される。シミュ
レーション結果が精度良く求まるかどうかは、このシミ
ュレーションプログラムの構成に左右され、出きるだけ
エレベーターシステムと等価となるようにプログラムを
構成することが望まれる。
【0085】さて、図21において、まずシミュレーシ
ョンのための初期値をセットし(ステップSC40−
1)、以下、所定シミュレーション時間(たとえば、1
時間相当分)だけループ処理される(ステップSC40
−2〜SC40−15)。次に乗客発生処理が行われる
(ステップ40−2)。この乗客発生は、図13の予測
行先交通量Cpre のデータをもとに演算される。上記乗
客発生処理により、乗客が発生すると、ステップSC4
0−3〜SC40−5により、発生ホール呼びを検出し
て、呼び割当て処理が行われる。この呼び割当て処理
は、図15で前述した、運転制御プログラムの中の呼び
割当てプログラムと同様なプログラムで処理される。
【0086】呼び割当て処理が終了すると、かごの動作
のシミュレーションに処理が移行する。まず、エレベー
ターの走行処理を行い(ステップSC40−6)、そし
てエレベーターの位置が停止位置になったかどうか判定
し、停止位置であれば、ステップ40−8〜SC40−
13の処理が実行される。
【0087】エレベーターの位置が停止位置であれば、
かご呼びや割当てホール呼び等のサービス呼びが有るか
どうか判定し(ステップSC40−8)、あればサービ
ス呼びのリセットおよび乗客の乗り降り処理が実行され
る(ステップSC40−9)。そして、シミュレーショ
ン結果の評価のために、エレベーターの停止回数の収集
(停止回数は消費電力にほぼ比例しているため、このデ
ータを収集する)、および待時間の収集を行う(ステッ
プSC40−10,SC40−11)。次にドアの開閉
処理(ステップSC40−12)を行ってエレベーター
毎の処理は終了する。なお、ステップSC40−8にお
いて、サービス呼びが無ければ、エレベーターの分散待
機処理が行われる(ステップSC40−13)。
【0088】上記の処理を所定シミュレーション時間に
ついて行うと、シミュレーション結果の評価データであ
る平均待時間、消費電力をステップ40−16にて演算
しこのプログラムは終了する。
【0089】図22は最適運転制御パラメータの演算プ
ログラムのフローで、このプログラムは図20のステッ
プ80より起動される。
【0090】本プログラムは、図21で演算された待時
間曲線データと消費電力曲線データならびに設定器から
入力した省エネ目標値とにより、エレベーター群管理運
転に最適な運転制御パラメータを学習演算するものであ
る。
【0091】まず、省エネ目標値PM を入力する(ステ
ップSD10)。そして、シミュレーションにより得ら
れた曲線データテーブルSF26の内容をもとに、所定
補間法を適用して、図10に示すような待時間曲線
T ,消費電力曲線fP を演算する。ここで、所定補間
法とは、たとえば、周辺のデータ3個により2次曲線近
似するような周知の方法を指す。
【0092】曲線fT ,fP が上記処理で演算されたの
で、この曲線fT を用いて、最小点の運転制御パラメー
タα1 と最小の待時間fT1)を演算する(ステップSD
30)。
【0093】次に、ステップSD10で入力された省エ
ネ目標値PM が0かどうか判定され、もし、0であれ
ば、ステップSD80にジャンプし、このα1 を最適運
転制御パラメータαの候補となる。一方、省エネ目標値
M で0でなければ、消費電力曲線fP を用いて、 fP(α2)=fP(α1)×(1−PM) …(4) となる運転制御パラメータα2 を演算する(ステップS
D50)。このα2 は、省エネ目標値PM たとえば10
%を満足するような運転制御パラメータを与えるもので
ある。
【0094】次に、ステップSD60とSD70によ
り、待時間の上限チェックを行う。すなわち、上記でも
とめたα2 の点の待時間fT(α2)は、所定値T
LMT (上限値)以内かどうか判定し、もしオーバしていれ
ば、サービス性が悪くなるため、待時間上限値TLMT
与える運転制御パラメータα2 を求める。
【0095】以上で、α1 あるいはα2 が求まったが、
他のアルゴリズムのシミュレーションにより求めた曲線
T ,fP についても同様に演算し、これらの中で最も
良い、つまり待時間最小となるアルゴリズムAS と運転
制御パラメータαを選択する(ステップSD80,SD
90)。このAS とαはエレベーターシステムに対し、
最適な運転制御パラメータを与えるものとなる。
【0096】次に本発明の他の実施例を述べる。
【0097】本発明の一実施例では、シミュレーション
の各種曲線として、平均待時間曲線と消費電力線につい
て説明したが、この他に、長待ち曲線を利用してもよ
い。ここで、長待ち曲線は、待時間60秒以上の発生確
率としたり、平均待時間の2〜3倍以上の発生確率とし
たりすることで簡単に演算できる。この長待ち曲線は、
平均待時間曲線の代用としても良いし、併用しても良
い。たとえば、併用する場合、図10に示すように、上
限待時間とともに新たに上限長待ちを設け、それぞれの
論理和で省エネ運転時の運転制御パラメータに制限を加
えることができる。また、図15において、呼び割当て
アルゴリズムは2つとしたが、これ以外の呼び割当てア
ルゴリズムを付加しても良い。しかし、アルゴリズムが
多くなると、シミュレーションのケースが増大するの
で、マイコン1個では処理能力が不足するため、複数の
マイコンを設けるか、あるいは、高速の汎用中型コンピ
ュータ等を使用する必要もでてくる。
【0098】以上述べたように、本発明の群管理制御に
よれば、交通需要に即応した非常に効率的なエレベータ
ーサービスを提供することができる。
【0099】
【発明の効果】以上、本発明の一実施例を詳細に説明し
たが、以下に本発明の一実施例の効果を述べる。
【0100】まず第1の効果として、マイコンM2 によ
り、時々刻々と変化するビル環境状況をオンラインでデ
ータ収集し、このデータをもとに、エレベーターのシミ
ュレーションを行って待時間曲線、消費電力曲線を得、
この曲線と目標値により最適運転制御パラメータを学習
演算しているので、ビル環境変化に容易に群管理制御装
置が適応可能であり、このことにより平均待時間短縮、
消費電力の削減に大きく寄与する。
【0101】第2の効果として、呼び割当ての評価関数
として待時間評価値と停止呼びの評価値を用い、それら
の評価値間の重み係数αを変化させることにより、平均
待時間最小となるように制御可能であるとともに、省エ
ネルギー運転も可能で、制御が簡単に行い得る。
【0102】第3の効果として、呼び割当てアルゴリズ
ムを複数個有しているので、そのときの行先交通量に最
適なアルゴリズムをシミュレーションにより選択可能
で、このことにより、より一層平均待時間の性能向上が
図れる。
【0103】第4の効果として、オンラインでデータ収
集しているまで、エレベーターシミュレーションに必要
なパラメータを学習演算でき、シミュレータの精度向上
が図れる。
【0104】第5の効果として、本発明のハードウエア
構成として、群管理制御装置内にマイコンM1 とマイコ
ンM2 の2つのマイコンを有し、この両マイコンで群管
理機能を分散処理しているため、呼び割当ての応答性が
良くかつ、オンラインによるシミュレーションも可能で
ビル環境変化に短時間に適応可能である。
【0105】第6の効果として、各マイコン間の通信に
直列通信専用プロセッサSDAを活用しているので、通
信線が削減でき信頼性,経済性に寄与できるとともにマ
イコンの負荷軽減にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】群管理制御装置の全体構成図。
【図2】群管理運転制御系の構成図。
【図3】シミュレータ系の構成図。
【図4】号機制御系の構成図。
【図5】SDAのブロック構成図。
【図6】ソフトウエアの全体構成を説明するための図。
【図7】評価関数の説明図。
【図8】パラメータと待時間および消費電力曲線との関
係説明図。
【図9】パラメータと待時間および消費電力曲線との関
係説明図。
【図10】パラメータと待時間および消費電力曲線との
関係説明図。
【図11】演算タイミング説明用タイムチャート。
【図12】群管理運転制御系のテーブル構成図。
【図13】シミュレータ系のテーブル構成図。
【図14】到着予測待時間テーブルの算出用フローチャ
ート。
【図15】呼び割当て演算用フローチャート。
【図16】長待ち最小化呼び割当て演算用フローチャー
ト。
【図17】到着予測待時間最小呼び割当て演算用フロー
チャート。
【図18】データ収集用フローチャート。
【図19】シミュレーション用データ演算フローチャー
ト。
【図20】シミュレーションによる各種曲線作成用フロ
ーチャート。
【図21】シミュレーション実行用フローチャート。
【図22】最適運転制御パラメータ演算用フローチャー
ト。
【符号の説明】
MA…エレベーター群管理制御装置、HC…ホール呼び
信号、M1…エレベーター群管理運転制御用マイコン、
M2…シミュレーション用マイコン、SDA…マイコン
間の直列通信専用プロセッサ、E1〜En…号機制御用マ
イコン、PM …目標設定器出力信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 隆 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多階床間に就役する複数台のエレベーター
    と、上記階床に設けられたエレベーターを呼び寄せるた
    めのホール呼び装置と、エレベーターケージ内に設けら
    れた行先階を指示するためのケージ呼び装置と、評価式
    に従ってホール呼びをサービスするエレベーターを選択
    する手段とを備え、上記複数台のエレベーターのうち選
    択されたエレベーターにホール呼びを割当て群管理制御
    を行うものにおいて、実測の交通需要を収集する手段
    と、この収集された交通需要を用い上記評価式に含まれ
    るパラメータを複数の異なる値に変えて上記群管理制御
    をシミュレートして制御目標に適うパラメータを決定す
    る手段を備え、上記制御目標に適うパラメータをもつ評
    価式に従って選択されたエレベーターにホール呼びを割
    当てることを特徴とするエレベーターの群管理制御装
    置。
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