JPH06156149A - グローブボックス構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車検証等の書類とその他の小物（荷物）とを
別々に収納でき、書類の汚れや破損を防止できると共に
グローブボックスからの書類の取り出しを容易に行うこ
とができるようにする。 【構成】 グローブボックス本体５の前面開口６を覆う
グローブボックスリッド７を、一端部（下端部８ａ，９
ａ）を中心にそれぞれ回動可能に配設されかつ他端部
（上端縁８ｂ，９ｂ）が互いに着脱可能に係着されるよ
うに構成された外蓋８と内蓋９との二重構造にして、外
蓋８と内蓋９との間に形成される空間を書類収納部２１
とし、外蓋８と内蓋９との係着状態を解除する第１のリ
リースノブ１８、及び、グローブボックス本体５と内蓋
９との係着状態を解除する第２のリリースノブ２５をそ
れぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のインストルメ
ントパネルに配設されるグローブボックス（小物入れ）
の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、自動車の車室内のインス
トルメントパネルには、通常、小物類を収納しておくた
めにグローブボックスが設けられている。自動車のグロ
ーブボックスとしては、従来より、インストルメントパ
ネルに固着された箱状のグローブボックス本体に対して
グローブボックスリッド（蓋体）だけをヒンジ軸を中心
に回動させて開閉するタイプのものと、グローブボック
ス本体及びグローブボックスリッドから成るボックスの
全体をヒンジ軸を中心に回動させて開閉するタイプのも
のとがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
グローブボックスにあっては、何れのタイプのグローブ
ボックスの場合でも、次のような不具合があった。

【０００４】すなわち、グローブボックス内には、通
常、工具等の小物類と共に車検証、高速券、サービスノ
ート等の如き書類を一緒に混在状態で収納しているのが
実状である。そのため、書類のみをグローブボックスか
ら取り出しにくい上に、書類に他の小物類が触れて書類
に汚れが付いたり、書類が破れたりする等の不具合を生
じる。また、自動車の点検時等に車検証等の書類を他人
に提示する必要がある場合、その書類をグローブボック
スから取り出す際に他の小物類や書類も他人に見られて
しまうおそれがある。

【０００５】本発明は、このような不具合を解消するた
めになされたものであって、その目的は、車検証等の書
類とその他の小物（荷物）とを別々に収納でき、書類の
汚れや破損を防止できると共にグローブボックスからの
書類の取り出しを容易に行うことができるようなグロー
ブボックス構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、グローブボックス本体の前面開口を
覆うグローブボックスリッドを、一端部を中心にそれぞ
れ回動可能に配設されかつ他端部が互いに着脱可能に係
着されるように構成された外蓋と内蓋との二重構造にし
て、前記外蓋と内蓋との間に形成される空間を書類収納
部とし、前記外蓋と内蓋との係着状態を解除する第１の
リリースノブ、及び、前記グローブボックス本体と内蓋
との係着状態を解除する第２のリリースノブをそれぞれ
設けるようにしている。また、本発明では、前記グロー
ブボックス本体に対する前記内蓋の係着状態をロックす
るロック機構を配設し、前記ロック機構のロック解除用
キーが差し込まれるキー孔を前記内蓋に設けるようにし
ている。

【０００７】

【作用】グローブボックス本体とグローブボックスリッ
ドとで構成される収納空間に工具等の小物を収納し、こ
れとは別に、グローブボックスリッドの外蓋及び内蓋と
の間の空間（書類収納部）に大切な車検証等の書類を収
納しておくことが可能となり、書類の保管を良好な状態
で行うことができると共に、書類の取り出しも容易とな
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。

【０００９】図１は、本発明に係るグローブボックス構
造を備えた四輪自動車１を示すものであって、この四輪
自動車１の車室２の前部には図２に示すようなインスト
ルメントパネル３が配設されている。そして、インスト
ルメントパネル３には、助手席（図示せず）の前方側に
グローブボックス４が設けられている。

【００１０】このグローブボックス４は、図２及び図７
に示すように、インストルメントパネル３の裏面側に一
体成形された箱状のグローブボックス本体５と、このグ
ローブボックス本体５の前面開口６を開閉する回動式の
グローブボックスリッド７とで構成されている。

【００１１】ここで、グローブボックスリッド７の構造
について詳述すると、次の通りである。まず、このグロ
ーブボックスリッド７は、図４及び図５に示すように互
いに対向するように配置された板状部材から成る外蓋８
と内蓋９との二重構造に構成されており、インストルメ
ントパネル３の前面３ａに形成された凹部３ｂ内に収納
配置されるようになっている。そして、上述の外蓋８及
び内蓋９の下端部８ａ，９ａは、共に、グローブボック
ス本体５に対してそれぞれ回動可能に取付けられ、か
つ、これらの外蓋８と内蓋９とは互いに回動し得るよう
に取付けられている。すなわち、図４及び図５に示す如
く、グローブボックス本体５の下端部５ａには支持部材
１０を介してヒンジ軸１１が固定配置されており、この
ヒンジ軸１１にそれぞれ独立して回動自在に取付けられ
たヒンジ部材１２，１３に外蓋８及び内蓋９の下端８
ａ，９ａが固着されている。これにより、外蓋８及び内
蓋９はヒンジ軸１１を中心にグローブボックス本体５に
対してそれぞれ単独で回動し得るように構成されてい
る。

【００１２】また、図３、図４及び図５に明示するよう
に、外蓋８の上端縁８ｂの左右中間部には、その前面箇
所に裏面側に突出する矩形状の窓部１４が形成されてお
り、この窓部１４の片側の半分部分（例えば、右側部
分）に、外蓋８と内蓋９とを互いに着脱可能に係着する
係着機構１５が配設されている。具体的には、図４に示
すように、窓部１４の片側の半分部分の全域に延びる支
軸１６に、係着片１７とリリースノブ１８（第１のリリ
ースノブ）とを一体成形して成る第１の係着部材１９が
回動自在に装着されており、前記係着片１７が内蓋９の
上端縁９ｂに設けられた被係着部２０に係合されるよう
に構成されている。なお、上述の係着部材１９は図外の
巻きばね等の附勢手段にて支軸１６を中心に係着方向
（図４において時計方向）に常時附勢されており、係着
時には前記係着部材１９のリリースノブ１８が外蓋８に
対してほぼ面一になるように構成されている。

【００１３】しかして、前記係着機構１５にて外蓋８と
内蓋９とが図４に示すように互いに係着された場合に、
これらの間には厚みの比較的薄い空間が書類収納部２１
として形成されるようになっている。さらに、外蓋８の
裏面には、書類収納用ポケット２２が一体成形されてい
る。

【００１４】一方、内蓋９の上端縁９ｂには、図５及び
図６に明示する如く、前記窓部１４の他方側の半分部分
（例えば、左側部分）に対応する箇所に、内蓋９をグロ
ーブボックス本体５に着脱可能に係着する係着機構４０
が配設されている。具体的には、内蓋９の開孔２３に挿
通配置される係着片２４とリリースノブ２５（第２のリ
リースノブ）とを一体成形して成る第２の係着部材２６
が、内蓋９の突片２８（図６参照）に固着された支軸２
９（図５参照）に回動自在に装着され、前記係着片２４
がグローブボックス本体５の被係着部２７に係着される
ように構成されている。なお、第２の係着部材２６は図
外の巻きばね等の附勢手段にて係着方向（図５において
時計方向）に常時附勢されている。そして、第２の係着
部材２６のリリースノブ２５は、外蓋８と内蓋９とが互
いに係着された場合に、外蓋８の窓部１４の他方側の半
分部分に入り込んで前記第１の係着部材１９のリリース
ノブ１８の横部に面一状に配置されるようになってい
る。

【００１５】また、本例においては、内蓋９の係着部材
２６に関連してロック機構（図示せず）が設けられ、こ
のロック機構によりグローブボックス本体５に対する内
蓋９の係着状態が保持されるように構成されている。そ
して、図３に示すように、外蓋８の窓部１４に対応する
箇所であってリリースノブ２５の側部にはキー孔３０が
設けられ、このキー孔３０に図外のロック解除用キーを
差し込んで開鍵操作することにより、前記ロック機構を
ロック解除し得るようになっている。

【００１６】次に、このような構成のグローブボックス
４の機能について述べると、以下の通りである。まず、
グローブボックス本体５の前面開口６をグローブボック
スリッド７にて閉蓋する場合には、外蓋８と内蓋９とを
係着手段１５によりこれらの上端縁８ｂ，９ｂを互いに
係着状態にして二重構造のグローブボックスリッド７を
構成し、このグローブボックスリッド７をヒンジ軸１１
を中心に回動させて第２の係着部材２６の係着片２４を
図５に示すようにグローブボックス本体５の被ロック部
２７に係着する。これにより、グローブボックス本体５
とグローブボックスリッド７とで囲まれた小物収納用空
間３１が形成されると共に、外蓋８と内蓋９との間に書
類収納部２１が形成される（図４及び図５参照）。な
お、車検証等の書類３３は書類収納用ポケット２２内に
差し込んで安定良く収納し、工具等の小物類は小物収納
用空間３１内に収容する。

【００１７】図５に示す如き閉蓋状態の下で、第１の係
着部材１９のリリースノブ１８を操作することによりこ
の係着部材１９を回動させて外蓋８と内蓋９との係着状
態を解除すると、外蓋８だけがヒンジ軸１１を中心に回
動可能な状態になる。従って、外蓋８だけを図６に示す
開蓋位置に配置し、内蓋９はグローブボックス本体５の
前面開口６を覆う閉蓋状態のままに配置して、書類収納
部２１を開いた状態にすることにより、書類収納用ポケ
ット２２からの書類３３の取り出し或いは書類収納用ポ
ケット２２への書類３３の差し込みを行うことができ
る。

【００１８】そして、この状態の下で、第２の係着部材
２６のリリースノブ２５を操作して内蓋９とグローブボ
ックス本体５との係着状態を解除すると、内蓋９も外蓋
８と同様にヒンジ軸１１を中心に回動可能な状態にな
る。従って、内蓋９を図７に示すように外蓋８と同様に
開蓋位置に配置して前面開口６を開放することにより、
グローブボックス本体５内に収容されている小物類の取
り出し或いはグローブボックス本体５内への小物類の収
納を行うことができる。

【００１９】なお、キー孔３０にキーを差し込んでロッ
ク機構をロック状態にしておけば、リリースノブ２５を
操作してもグローブボックス本体５に対する内蓋９の係
着状態は解除されず、従って、内蓋９を開蓋することは
できない。一方、キー孔３０にキーを差し込んでロック
機構のロック解除を行えば、リリースノブ２５の操作に
より内蓋９を単独で開蓋することができ、或いは、係着
機構１５にて互いに係着された外蓋８と内蓋９とを一体
結合状態のまま第２のリリースノブ２５の操作により閉
蓋位置から開蓋位置に回動でき、これによりグローブボ
ックス本体５の前面開口６を開放することができる。

【００２０】上述の如きグローブボックス構造によれ
ば、グローブボックスリッド７を外蓋８と内蓋９との二
重構造にしたことにより、書類３３と他の小物類とを別
々に収納して保管でき、書類３３の収納や取り出しを容
易に行うことができると共に、書類３３が他の小物類と
の接触により破損されたり汚れが付いたりするような事
態を生じるのを防止できる。

【００２１】また、本例によれば、内蓋９のロック機構
及びロック解除用のキー孔３０を設けるようにしたの
で、内蓋９はキーを持っている特定の者しか開けること
ができない。従って、大事な物とそうでない物、或いは
必要な物とそうでない物とに分類し、グローブボックス
本体５内の小物収納用空間３１又は書類収納部２１に選
択して収納することが可能となる。また、エンジンの始
動及び車両ドアの開錠のみに使用でき、内蓋９のロック
機構の開錠ができないキーを車両検査時に作業員等に預
け、車検証を書類収納部２１内に入れておくようにすれ
ば、車両検査に必要な車検証は作業員が外蓋８を開くこ
とにより自由に取り出して見ることができるものの、内
蓋９は開蓋することができないためグローブボックス本
体５内に収納してある大事な物（他人に見られたくない
物）が作業員の目に触れるのを防止できる。

【００２２】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、第１及び第２の係着部材１９、２６の配設
箇所は、既述の如く横並びである必要はなく、任意に変
更可能である。また、係着機構１５，４０の構成も必要
に応じて変更可能である。さらに、第１の係着部材１９
は内蓋９の側に設けるようにしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上の如く、本発明は、グローブボック
ス本体の前面開口を覆うグローブボックスリッドを外蓋
と内蓋との二重構造としてこれらの間に形成される空間
を書類収納部としたものであるから、グローブボックス
本体とグローブボックスリッドとにより形成される小物
収納部、及び、外蓋と内蓋との間に形成される書類収納
部の２つに区画された収納空間を有することとなる。従
って、本発明のグローブボックス構造によれば、車検証
等の書類を前記書類収納部に収納し、他の小物類を前記
小物収納部に収納することにより、書類と他の小物類と
を別々に収納して保管できる。そのため、書類の収納や
取り出しを単独で容易に行うことができて実用上非常に
便利となり、しかも書類が他の小物類との接触により破
損されたり汚れが付いたりするような事態を生じるのを
防止できるという利点がある。また、大事なものとそう
でないものとに仕分けした収納が可能となる。さらに、
内蓋のみをグローブボックス本体に対して着脱可能に係
着するように構成することも可能となり、この場合に
は、書類の収納や取り出し時に内蓋を閉蓋状態にしてお
くことにより、グローブボックス本体内に収納されてい
る小物類が人目に触れるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るグローブボックス構造を備えた四
輪自動車の斜視図である。

【図２】図１の矢印Ｘ方向から見たインストルメントパ
ネルの斜視図である。

【図３】図２において符号Ａで示す箇所の拡大図であ
る。

【図４】図３におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】図３におけるＣ−Ｃ線断面図である。

【図６】グローブボックスリッドの外蓋のみを開蓋位置
に配置した状態を示す斜視図である。

【図７】グローブボックスリッドの外蓋及び内蓋を開蓋
位置に配置した状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

３ インストルメントパネル ４ グローブボックス ５ グローブボックス本体 ６ 前面開口 ７ グローブボックスリッド ８ 外蓋 ８ａ 下端部 ８ｂ 上端縁 ９ 内蓋 ９ａ 下端部 ９ｂ 上端縁 １１ ヒンジ軸 １５ 係着機構 １８ 第１のリリースノブ １９ 第１の係着部材 ２１ 書類収納部 ２５ 第２のリリースノブ ２６ 第２の係着部材 ３０ キー孔 ３１ 小物収納用空間 ３３ 書類 ４０ 係着機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グローブボックス本体の前面開口を覆う
   グローブボックスリッドを、一端部を中心にそれぞれ回
   動可能に配設されかつ他端部が互いに着脱可能に係着さ
   れるように構成された外蓋と内蓋との二重構造にして、
   前記外蓋と内蓋との間に形成される空間を書類収納部と
   し、前記外蓋と内蓋との係着状態を解除する第１のリリ
   ースノブ、及び、前記グローブボックス本体と内蓋との
   係着状態を解除する第２のリリースノブをそれぞれ設け
   るようにしたことを特徴とするグローブボックス構造。
2. 【請求項２】 前記グローブボックス本体に対する前記
   内蓋の係着状態をロックするロック機構を配設し、前記
   ロック機構のロック解除用キーが差し込まれるキー孔を
   前記内蓋に設けたことを特徴とする請求項１に記載のグ
   ローブボックス構造。