JPH06155656A - 自動車用表面処理鋼板 - Google Patents

自動車用表面処理鋼板

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JPH06155656A
JPH06155656A JP31524492A JP31524492A JPH06155656A JP H06155656 A JPH06155656 A JP H06155656A JP 31524492 A JP31524492 A JP 31524492A JP 31524492 A JP31524492 A JP 31524492A JP H06155656 A JPH06155656 A JP H06155656A
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Satoshi Ikeda
聡 池田
Nobukazu Suzuki
信和 鈴木
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Nippon Steel Corp
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛または亜鉛合金めっき (例、Zn−Ni、Zn
−Fe) 鋼板上にクロメート皮膜と有機樹脂皮膜とを設け
た有機複合表面処理鋼板において、自動車外装鋼板の内
外面に要求される各種の性能 (耐食性、プレス成形性、
スポット溶接性、カチオン電着塗装性、耐低温チッピン
グ性、塗装後鮮映性) を全て満たす。 【構成】 少なくとも片面側の表面粗度がRaで0.3 μ
m以下のブライト鋼板を基材として使用。最上層は、
0.1〜20重量%のメラミンシアヌル酸付加物と1〜20重
量%のポリオレフィンワックスを含有する、膜厚 0.1〜
2.0 μmの架橋エポキシ系樹脂皮膜とする。シリカを、
クロメート皮膜中にSiO2/Cr重量比で0.05〜4.0 となる
量で含有させるか、および/または有機樹脂皮膜中に5
〜40重量%のSiO2量で含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れたカチオン電着塗
装性を示し、塗装後の鮮映性が著しく改善され、しかも
耐食性、耐低温チッピング性、スポット溶接性、プレス
成形性などの自動車用鋼板に要求される他の特性も良好
な自動車用表面処理鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体の防錆性能への要求は
年を追って厳しさを増しており、この要求に対処すべ
く、多様な表面処理鋼板が開発されてきた。最近、特に
自動車の外装外面に対する防錆性能強化策の一環とし
て、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき(例、Zn−Niもしく
はZn−Fe合金めっき等) 鋼板を母材とし、これにクロメ
ート処理とクリヤー塗料 (例、架橋剤を含有するエポキ
シ系樹脂塗料) による薄い有機樹脂被覆を施した、有機
複合表面処理鋼板の適用が急速に進められている。
【0003】ところが、従来の有機複合表面処理鋼板
は、上層の有機樹脂皮膜の導電性が悪いため、薄膜にし
てもカチオン電着塗装性が十分ではなかった。防錆性能
と並んで自動車外観に対する要求も今後ますます高度化
することが予想されるため、外観に影響する電着塗装性
の改善が急務となっていた。
【0004】有機複合表面処理鋼板の電着塗装性の改善
策として、特公平3−32638 号公報には、上層の有機樹
脂皮膜を、親水性ポリアミド樹脂を含むエポキシ系樹脂
から形成することが提案されている。この表面処理鋼板
は、従来品に比べると確かに優れたカチオン電着塗装性
を示し、自動車内板用として考えた場合には満足できる
性能を備えたものであったが、外板用として使用すると
次のような問題点があり、自動車外装用としては不適で
あると言わねばならなかった。
【0005】即ち、この有機複合表面処理鋼板にカチオ
ン電着塗装を施すと、この表面処理鋼板の母材として用
いた亜鉛系めっき鋼板を裸のまま同一条件下でカチオン
電着塗装した場合に比べて、電着塗装膜厚が1〜8μm
程度厚くなってしまう。このため、自動車用外板として
用いた場合、プレス疵手入れ部のように有機樹脂皮膜や
クロメート皮膜が削り取られている部位では、その周囲
より電着塗装膜厚が薄くなり、塗装外観が著しく低下す
る。
【0006】これとは別に、従来の有機複合表面処理鋼
板は耐低温チッピング性が十分でないという問題点も指
摘されていた。有機複合表面処理鋼板の防食性は主に最
下層の亜鉛または亜鉛合金めっき皮膜により確保される
が、亜鉛系のめっき皮膜はめっき時に生じた大きな残留
応力を保持したままであるので、低温チッピング (欧州
や北米などの寒冷地で石はね等の衝撃によりめっき層が
鋼板との界面から剥離する現象) を生じ易いという傾向
があった。自動車外装用の表面処理鋼板にとって、自動
車の耐食性を著しく劣化させ、寿命や外観の悪化につな
がる低温チッピングの防止は重要である。
【0007】この問題の対策として、特開昭46−78832
号公報には、亜鉛系めっき表面に緩衝材として有効な軟
質 (ガラス転移点55℃以下) の樹脂皮膜を形成すること
が提案されている。しかし、軟質樹脂は架橋エポキシ系
樹脂などに比べて耐食性が低いので、表面処理鋼板の主
目的である耐食性改善が不十分となる。さらに、上記と
同様、電着塗装の厚膜化による外観不良という問題も免
れえなかった。
【0008】自動車の外観を左右する重要な要素は、塗
装後の鮮映性である。従来から、塗装後の鮮映性を向上
させる手段として、レーザー加工を施したロールで鋼板
を圧延して、ダルパターンを形成する技術が知られてい
る (例、特開昭62−168602号公報など) 。この技術は、
鋼板の平坦をある程度確保しつつ、プレス成形時の潤滑
に必要な油保持性を付与するためにダル化するものであ
る。塗装後の鮮映性にとって、ダルのない、いわゆるブ
ライト鋼板が理想的であると考えられるにもかかわら
ず、ブライト鋼板では油保持性がなく、プレス成形が不
可能であることから、鋼板表面に凹凸のあるダルを形成
せざるを得なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車外装材の内面側および外面側に要求される全ての性能
を満たした、自動車用の有機複合表面処理鋼板を提供す
ることである。
【0010】本発明の具体的な目的は、優れた耐食性、
プレス成形性、スポット溶接性を備えているのは勿論、
カチオン電着塗装性、耐低温チッピング性、塗装後の鮮
映性についても著しく改善された、自動車用の有機複合
表面処理鋼板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鮮映性の
改善に理想的な基材であるRa≦0.3 μmの鋼板 (いわ
ゆるブライト鋼板) を基材として、その表面に潤滑性に
優れた有機樹脂皮膜を形成することにより、プレス成形
可能で、上記の各種の性能を満たす有機複合表面処理鋼
板を得るべく検討を重ねた結果、本発明に到達した。
【0012】ここに、本発明は、少なくとも鋼板の片面
側が、Raで0.3 μm以下の表面粗度を有し、この表面
上に下層から順に 亜鉛または亜鉛合金めっき層、 金属Cr換算で20〜200 mg/m2 のクロメート皮膜、 0.1 〜20重量%のメラミンシアヌル酸付加物および1
〜20重量%のポリオレフィンワックスを含有する架橋エ
ポキシ系樹脂からなる、膜厚 0.1〜2.0 μmの有機樹脂
皮膜、を有し、さらにクロメート皮膜がシリカをSiO2
Cr重量比で0.05〜4.0 となる量で含有するか、および/
または有機樹脂皮膜がシリカを5〜40重量%のSiO2量で
含有することを特徴とする、自動車用表面処理鋼板を要
旨とする。
【0013】本発明の有機複合表面処理鋼板の主要な特
徴は次の (a)〜(e) にある。 (a) 塗装後鮮映性の究極的な改善を目指して、基材鋼板
にブライト鋼板を採用する。 (b) 下地の亜鉛系めっき層と中間のクロメート皮膜に加
えて、最表層の樹脂皮膜を緻密で硬質の架橋エポキシ樹
脂皮膜とし、耐食性を改善する。 (c) この樹脂皮膜中に潤滑性に優れたメラミンシアヌル
酸付加物 (以下、MCAと略記) とポリオレフィンワッ
クスを添加して皮膜に高度の摺動性を付与する。その結
果、ブライト鋼板が基材であっても容易にプレス成形が
可能となる。 (d) 樹脂皮膜中に配合したMCAの効果により、耐食性
やスポット溶接性を低下させずに、電着塗装性も著しく
改善される。 (e) 亜鉛系めっき層の低温チッピングの問題について
は、クロメート皮膜と樹脂皮膜の一方または両方にシリ
カを配合して耐低温チッピング性を改善する。
【0014】以上の総合的な結果として、カチオン電着
塗装性と塗装後鮮映性が著しく改善され、耐食性、耐低
温チッピング性、スポット溶接性、プレス成形性などの
自動車用鋼板の内面および外面に要求される各種の性能
をすべてについて満足できる有機複合表面処理鋼板が得
られるのである。
【0015】
【作用】本発明の有機複合表面処理鋼板において上記構
成を採用した理由をその作用と共に次に説明する。
【0016】(1) 基材鋼板 塗装後の鮮映性確保に理想的材料である表面粗度がRa
≦0.3 μmの鋼板 (ブライト鋼板) を適用する。従来
は、油保持性がなく、プレス成形ができないことから、
ブライト鋼板は基材鋼板として不適当であるとされてい
たが、本発明では上層の有機樹脂皮膜に高度の潤滑性を
付与することにより、ブライト鋼板の適用が可能となっ
た。鋼板の表面粗度がRaで0.3 μmを超えると、塗装
後鮮映性の改善効果が不明確となる。
【0017】鮮映性は外面側に要求される性能であるか
ら、片面のみが上記表面粗度を有していればよいが、製
造工程の都合で両面ともRa≦0.3 μmのブライト鋼板
であってもよい。以下に説明する、めっき+クロメート
皮膜+有機樹脂皮膜からなる多層の表面処理被覆は、基
本的には外面側片面に形成されていれば良く、プレス性
もダイス面側の摺動性を改善することで大幅に向上する
ことから、外面側片面だけで効果は十分発揮されるが、
内面側に要求される耐孔あき性等も改善されることか
ら、両面に適用することもできる。
【0018】(2) 下地めっき 有機複合表面処理の最下層となる下地めっきは、耐食性
確保のため、犠牲防食能に優れた亜鉛または亜鉛合金め
っき (以下、亜鉛系めっきという) の皮膜とする。即
ち、本発明の表面処理鋼板の母材鋼板としては、亜鉛系
めっきが施された亜鉛系めっき鋼板を使用する。この亜
鉛系めっきの目付け量は、耐食性の要求レベルに応じて
選択されるが、耐外面錆性を向上させる目的からは、片
面当たり10g/m2 以上とすることが好ましい。目付け量
が多すぎるとプレス成形性が低下するので、上限は60g/
m2程度とするのが好ましい。
【0019】亜鉛合金めっきの種類は特に限定されず、
Zn−Ni合金めっき、Zn−Fe合金めっき、Zn−Alめっき、
或いはさらにCo、Tiなどを添加した公知の亜鉛系合金め
っきのいずれを適用しても構わない。亜鉛系めっきの方
法も特に制限されない。目付け量が比較的少なくてよい
ことから、電気めっきが好ましいが、溶融めっきや合金
化溶融亜鉛めっきでもよい。また、亜鉛系めっき皮膜
は、2層以上の複層めっき皮膜であってもよい。
【0020】(3) クロメート皮膜 亜鉛系めっき層の上にクロメート皮膜を設ける。クロメ
ート皮膜には、亜鉛系めっき鋼板を基材とする表面処理
鋼板の耐食性をさらに改善する作用がある。また、クロ
メート皮膜にシリカを含有させると、耐低温チッピング
性を向上させる作用も発揮する。クロメート皮膜の形成
方法は、塗布型、反応型、電解型のいずれも可能である
が、耐食性に特に優れた塗布型クロメート皮膜が好まし
い。
【0021】クロメート皮膜中には、任意に添加できる
シリカの他に、従来よりクロメート皮膜に添加されてき
た他の添加剤を配合することもできる。かかる添加剤の
例としては、シランカップリング剤、防錆顔料、リン
酸、フッ化水素酸などがある。
【0022】クロメート皮膜の付着量は、金属Cr換算
で、20〜200 mg/m2 とする。20 mg/m2未満では、自動車
外装用に必要なレベルの耐食性や耐低温チッピング性を
確保することができず、付着量が200 mg/m2 を超える
と、プレス成形性や溶接性が劣化する上、塗装前の脱脂
・化成処理時のCr溶出量が多くなる。クロメート皮膜の
好ましい付着量は、20〜150 mg/m2 である。
【0023】(4) 有機樹脂皮膜 クロメート皮膜の上の有機樹脂皮膜(クリヤー皮膜)
は、表面処理鋼板の脱脂・化成処理時において下層のク
ロメート皮膜からCrが溶出するのを防止し、かつ外部か
ら腐食性物質が侵入するのを妨げるバリアー層として機
能すると同時に、電着塗膜との密着性を確保する作用
と、プレス成形時に摺動性を付与する潤滑皮膜としての
作用も果たす。本発明においては、緻密で耐食性に優れ
たエポキシ系樹脂を主成分とする架橋樹脂皮膜を利用す
る。
【0024】エポキシ系樹脂としては、ビスフェノール
A系、ビスフェノールF系、ノボラック型、臭素化エポ
キシ等の任意のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、並
びにこれらのエポキシ樹脂中のエポキシ基およびヒドロ
キシル基を乾性油脂肪酸中のカルボキシル基と反応させ
たエポキシエステル樹脂、イソシアネートと反応させる
ことにより得られるウレタン変性エポキシ樹脂などの各
種変性エポキシ樹脂も使用できる。さらには、2価フェ
ノール (例、レゾルシンおよび/またはビスフェノール
類) をアルカリ触媒の存在下にほぼ等モル量のエピハロ
ヒドリンと重縮合させて得られるポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂と総称される樹脂も、本発明のエポキシ系樹
脂に含まれる。
【0025】このエポキシ系樹脂には、少量であれば、
他の樹脂 (例、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、各種水溶性樹
脂)を配合してもよい。
【0026】樹脂皮膜を緻密化して耐食性を改善するた
めに、架橋剤によりエポキシ系樹脂を塗膜の加熱乾燥中
に架橋させ、架橋樹脂皮膜とする。架橋剤としては、エ
ポキシ樹脂用硬化剤として公知の、フェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、ポリアミド、アミノポリアミド、アミン、ブ
ロックイソシアネート、酸無水物などが使用できる。架
橋剤の添加量は、架橋したエポキシ系樹脂皮膜の可撓性
が過度に失われないように選択する。
【0027】本発明においては、この架橋エポキシ系樹
脂皮膜中にMCAとポリオレフィンワックスを含有させ
る。耐低温チッピング性の改善を図るために、さらにシ
リカを含有させてもよい。その他の任意添加成分もエポ
キシ系樹脂皮膜中に含有させることができる。例えば、
シランカップリング剤、シリカ以外の無機充填材 (例、
各種ケイ酸塩鉱物、アルミナ、炭酸カルシウムなど) 、
金属クロム酸塩系防錆顔料 (例、クロム酸バリウムもし
くはストロンチウム) の1種もしくは2種以上を、有機
樹脂皮膜の性能に悪影響を与えない範囲で添加すること
ができる。
【0028】また、表裏の識別性を付与するなどの目的
で、有機樹脂皮膜に有機もしくは無機着色顔料または染
料を含有させて皮膜を着色してもよい。例えば、鋼板の
片面のみに本発明の有機複合表面処理を施す場合 (例、
自動車外装用の外面側のみを表面処理する場合) には、
有機樹脂皮膜を着色することによって、表裏の識別が一
目瞭然となって、ユーザーでの作業が容易となる。
【0029】有機樹脂皮膜の膜厚は 0.1〜2.0 μmとす
る。膜厚が0.1 μm未満では、上述した有機樹脂皮膜の
作用効果が十分に得られない。膜厚が2.0 μmを超える
と、この皮膜の絶縁性が大きくなって、スポット溶接性
が低下し、溶接時のチップの損傷や通電不能を引き起こ
す恐れがある。
【0030】有機樹脂皮膜の形成は、エポキシ系樹脂を
必要であれば適当な有機溶剤で希釈して樹脂液を調製
し、この樹脂液に架橋剤、MCA、ポリオレフィンワッ
クスと、必要であれば他の添加成分 (例、シリカゾル、
シランカップリング剤など) を不揮発分 (溶剤以外の全
成分) の合計重量に対して所定の配合量となるように添
加して溶解ないし分散させ、クロメート皮膜の上に適当
な手段で塗布することにより行う。この塗膜を次いで焼
付けて乾燥およびエポキシ樹脂の架橋を行うと、目的と
する架橋した有機樹脂皮膜が得られる。焼付温度は一般
に80〜290 ℃、好ましくは 120〜200 ℃程度である。但
し、適正な焼付温度は、添加する架橋剤とベース樹脂の
組み合わせによる架橋反応温度により決定される。基材
鋼板が焼付硬化型 (BH) 鋼板である場合には、焼付硬
化性を阻害しないように、焼付温度を150 ℃以下とする
ことが好ましい。
【0031】(5) MCA (メラミンシアヌル酸付加物) MCAは有機樹脂皮膜中に含有させる。MCAは平均一
次粒径1〜2μm程度の白色微粉末結晶であり、添付の
図1に示す化学構造を有すると考えられている。この化
合物が潤滑特性を有し、固体潤滑剤として有用であるこ
とは従来より知られていたが、電着塗装性の改善にも有
効であることは知られていなかった。
【0032】MCAを有機樹脂皮膜中に含有させると、
得られる有機複合表面処理鋼板は、良好な耐食性とスポ
ット溶接性を保持したまま、従来の同種の表面処理鋼板
に比べてカチオン電着塗装性が著しく改善され、裸のめ
っき鋼板に電着塗装した場合とほぼ同じ厚みで電着塗装
することができるようになることが判明した。その理由
は次のように考えられる。
【0033】MCAは親水性が非常に強く、電着塗料の
有機樹脂皮膜への浸透を容易にし、電着塗装時に有機樹
脂皮膜の電気抵抗を低下させる効果を発揮できる。しか
も、MCAは有機樹脂皮膜中に微粒子状で分散して存在
するため、親水性ポリアミドのような有機樹脂塗料に可
溶な親水性樹脂に比べて、電着塗装時に電着塗料を樹脂
皮膜中に浸透させる効果は格段に大きく、より多くの通
電パスを確保できることから、電着塗装性が著しく改善
される。
【0034】その結果、例えば、プレス疵手入れ部など
のような有機樹脂皮膜やクロメート皮膜が削り取られて
いる部位が存在していても、この部位との差が認められ
ない程度に均一な厚さで電着塗膜が形成され、自動車外
装外面用として十分に満足できる塗装外観を得ることが
可能となる。
【0035】しかも、MCAが本来有する潤滑性能によ
り、有機樹脂皮膜のプレス成形時の摺動性 (プレス成形
性) も大幅に改善することができる。本発明では、MC
Aに加えてポリオレフィンワックスを有機樹脂皮膜に含
有させることで、基材がそのままではプレス成形不可能
なブライト鋼板であるにかかわらず、容易にプレス成形
することが可能な有機複合表面処理鋼板が得られるので
ある。
【0036】有機樹脂皮膜中におけるMCAの配合量
は、乾燥皮膜の重量に対して 0.1〜20重量%の範囲内
とする。MCAの配合量が0.1 重量%未満では所望
の電着塗装性および摺動性の改善効果が得られず、20重
量%を超えると、塗布に用いる樹脂液中でのMCAの分
散安定性に問題が生じ、MCAを皮膜中に均一に分布さ
せることが困難となる上、経済的にも不利である。好ま
しいMCAの添加量は 0.5〜15重量%である。
【0037】(6) ポリオレフィンワックス 基材鋼板がブライト鋼板であるため、有機樹脂皮膜にM
CAを配合するだけでは、得られる有機複合表面処理鋼
板はプレス成形に必要な摺動性を確保することができな
い。そのため、プレス成形時の摺動性をさらに改善する
ために、MCAに加えてポリオレフィンワックス (例、
ポリエチレンワックス) も有機樹脂皮膜に配合する。
【0038】有機樹脂皮膜中におけるポリオレフィンワ
ックスの配合量は、乾燥皮膜重量に対して1〜20重量
%、好ましくは1〜15重量%の範囲内である。1重量%
未満では、MCAとの併用でも表面処理鋼板のプレス成
形が困難であり、20重量%を超えると、電着塗膜の密着
性が低下するようになる。
【0039】(7) シリカ 前述したように、亜鉛系めっき鋼板を基材とする本発明
の表面処理鋼板の耐低温チッピング性を改善するため
に、クロメート皮膜とその上の有機樹脂皮膜の一方また
は両方にシリカを含有させる。シリカの含有により得ら
れる有機複合表面処理鋼板の耐低温チッピング性が著し
く改善されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、
シリカ粒子が存在することによって何らかの衝撃エネル
ギーの分散・吸収が起こるからではないかと考えられ
る。
【0040】クロメート皮膜中のシリカ クロメート皮膜中に配合するシリカとしては、シリカゾ
ル (水性コロイダルシリカ) とヒュームドシリカ (気相
コロイダルシリカ) のいずれでもよい。使用するシリカ
は粒子の平均一次粒径が5〜50mμのものが好ましい。
【0041】クロメート皮膜にシリカを配合する場合、
皮膜中のシリカ含有量がSiO2/Cr重量比で0.05〜4.0 、
好ましくは 0.1〜3.0 となる量とする。この比が0.05未
満では、耐低温チッピング性の改善効果が十分でなく、
一方4.0 を超えると、クロメート皮膜の絶縁性が大とな
って、スポット溶接性が低下する (溶接時のチップ損傷
や通電不能が起こり易くなる) 。
【0042】有機樹脂皮膜中のシリカ 有機樹脂皮膜中にシリカを配合する場合には、シリカゾ
ル、ヒュームドシリカのいずれも適用できるが、特に溶
接性、耐食性に優れたシリカゾルを使用する方が好まし
い。好ましいシリカゾルは、シリカ粒子の平均一次粒径
が2〜20mμの範囲内のものである。有機樹脂皮膜にシ
リカを配合する場合、乾燥皮膜中のシリカ(SiO2)含有量
が5〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の量となるよ
うに含有させる。この量が5重量%未満では、所望の耐
低温チッピング性改善効果が得られず、一方40重量%を
超えると、上記と同様にスポット溶接性の低下を招く。
【0043】(8) シランカップリング剤 先に述べたように、クロメート皮膜と有機樹脂皮膜の一
方または両方に、任意添加成分としてシランカップリン
グ剤を配合することができる。シランカップリング剤を
配合すると、皮膜中のシリカ粒子の皮膜成分との密着性
が高まる結果、めっき/クロメート/有機樹脂の各皮膜
間の密着性や電着塗膜との密着性が向上するので、耐低
温チッピング性の改善に一層の好結果が得られる。従っ
て、クロメート皮膜および/または有機樹脂皮膜にシリ
カを含有させた場合には、併せてシランカップリング剤
を配合してもよい。
【0044】シランカップリング剤の配合量は、クロメ
ート皮膜または有機樹脂皮膜中に含有させたシリカの重
量に対して1×10-5倍以上とすることが好ましい。シラ
ンカップリング剤の種類は、既存のものから適宜選択す
ればよい。
【0045】
【実施例】次に実施例により本発明を例示する。実施例
中、%は特に指定のない限り重量%である。
【0046】実施例1 両面ともRa=0.14μmおよびRa=0.8 μmの2種類
の冷延鋼板(板厚 0.8mm) に対して、両面にZn−13%Ni
合金電気めっき (硫酸塩浴) を施した。このめっき皮膜
の目付け量は片面当たり30 g/m2 であった。
【0047】両面のめっき皮膜上に、SiO2/Cr=1の重
量比で気相シリカ (平均一次粒径15mμ) を含有する塗
布型クロメート液を、金属Cr換算で60 mg/m2のクロメー
ト皮膜が形成されるようにバーコータで塗布し、板温度
が 150℃なるように60秒間加熱して、クロメート皮膜を
形成した。
【0048】このクロメート皮膜上に、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂を主成分とし、架橋剤としてブロックイソシ
アネートを含有する塗布液をバーコータで膜厚を変化さ
せて塗布し、板温度が 150℃となるように60秒間加熱し
て塗膜を乾燥させて樹脂を架橋させ、有機複合表面処理
鋼板を得た。使用した塗布液には、上記樹脂と架橋剤以
外に、不揮発分合計重量に対して4%のMCAまたは20
%の親水性ポリアミド樹脂のいずれかと、10%のポリエ
チレンワックスを配合し、使用前に十分に攪拌して分散
させた。
【0049】得られた各有機複合表面処理鋼板のカチオ
ン電着塗装性を次のようにして試験した。各試験鋼板か
ら150 mm×70 mm の試験片を切り出し、その片面の半分
(75 mm×70 mm)だけを600 番の研磨紙で研磨して、樹脂
皮膜とクロメート皮膜を取り除き、めっき面を露出させ
た。次いで、この面の全体に、塗装下地としてリン酸亜
鉛処理を施した後、市販のカチオン電着塗料を使用し
て、研磨部に膜厚18μmの電着塗膜が形成される条件で
カチオン電着塗装を行い、研磨部に18μm厚の電着塗膜
が形成された時の非研磨部の電着塗膜の厚みを測定し
た。研磨部と非研磨部とで電着塗膜の厚みの差が小さい
ほど、電着塗装性は良好であると評価される。
【0050】試験結果を有機樹脂皮膜厚と非研磨部の電
着膜厚との関係として図2に示す。この図からわかるよ
うに、特公平3−32638 号に提案されている、親水性ポ
リアミド樹脂を有機樹脂皮膜中に含有させた表面処理鋼
板を電着塗装した場合には、研磨部と非研磨部との電着
膜厚差が大きく、この電着膜厚差は、有機樹脂皮膜の膜
厚が大きいほど大きくなった。従って、研磨部に相当す
るプレス疵等の手入れ部では電着塗膜が薄くなり、電着
塗装後に外観ムラが発生することになる。
【0051】これに対し、本発明により有機樹脂皮膜中
にMCAを含有させると、有機樹脂皮膜の膜厚に関係な
く、常に非研磨部でも研磨部と同じ厚みで電着塗装で
き、電着塗装性に優れていた。これは、プレス疵の手入
れ部などがあっても電着塗装後に外観ムラを生じること
がなくなることを意味する。
【0052】なお、基材鋼板のRaの違いは電着塗装性
には影響せず、使用した基材鋼板のRaが0.14μmと0.
8 μmのいずれであっても、ほぼ同じ結果が得られた。
図2に示したのは、Raが0.14μmの場合である。
【0053】さらに、MCAを含有する有機樹脂皮膜の
膜厚が 0.5μmである試験鋼板について、上記電着塗装
後に市販の自動車用塗料を用いて中塗り塗装 (膜厚35μ
m)および上塗り塗装 (膜厚35μm) を施し、非研磨部
の塗装鮮映性を携帯用鮮明度光沢度計 (PGD IV型) によ
り測定した。その結果、Ra=0.14μmの鋼板を基材と
した場合のPGD 値は0.9 であったのに対し、Ra=0.8
μmの鋼板を基材とした場合のPGD 値は0.7 であった。
明らかに、Raの小さい鋼板を基材とすると、塗装後の
鮮映性は著しく向上した。
【0054】実施例2 Ra=0.14μmの冷延鋼板を基材として、実施例1と同
様に有機複合表面処理鋼板を作製した。ただし、有機樹
脂皮膜にはMCAを種々の割合で含有させ、その膜厚は
1.0 μmと一定にした。得られた有機複合表面処理鋼板
の電着塗装性を実施例1と同様に試験した結果を、有機
樹脂皮膜中のMCA含有量 (塗布液の不揮発分合計量に
対するMCA添加量) に対する非研磨部での電着膜厚の
関係として図3に示す。
【0055】図3に示した結果から、有機樹脂皮膜中に
MCAを0.1 %以上の量で含有させると、研磨部と同じ
膜厚で電着塗装することが可能となり、優れた電着塗装
性を発揮できるようになることが判明した。
【0056】実施例3 両面ともRa=0.14μmの冷延鋼板 (板厚0.7 mm) を基
材とし、実施例1と同様に有機複合表面処理鋼板を作製
した。使用した基材鋼板は、TS=300 N/mm2 、YP=130
N/mm2 、El=47%の引張特性を有していた。Zn−13%Ni
合金めっき皮膜の目付け量は、片面当たり20 g/m2
し、その上にSiO2/Cr=1の重量比でシリカを含有する
クロメート皮膜を金属Cr換算で50 mg/m2の付着量となる
ように形成した。最上層の有機樹脂皮膜層は、MCAお
よびポリエチレンワックスの含有量(塗布液中の不揮発
分合計量に対する添加量) を変化させて形成した。
【0057】得られた有機複合表面処理鋼板のプレス成
形性を、絞り比2.0 の円筒絞り試験による割れ発生の有
無により評価した。また、電着塗膜の二次密着性を評価
するために、各表面処理鋼板の試験片 (未研磨) を、リ
ン酸亜鉛処理後、母材のZn−13%Ni合金めっき鋼板に対
して膜厚20μmの電着塗膜が形成される条件でカチオン
電着塗装を行った。この電着塗装試験片を50℃の温水中
に240 時間浸漬した後、ごばん目試験 (1mm間隔×100
マス、セロファンテープ剥離) に付し、塗膜残存率によ
り二次密着性を評価した。
【0058】試験結果を有機樹脂皮膜中のMCAおよび
ワックスの含有量とともに次の表1に示す。この試験結
果からわかるように、本発明に従って有機樹脂皮膜がM
CA0.1 %以上とポリエチレンワックス1%以上の両者
を含有している場合には、割れのない良好なプレス成形
が可能であったが、これら添加成分の少なくとも一方が
欠けるとプレス成形時に割れが発生した。即ち、ブライ
ト鋼板を基材とする場合には、有機樹脂皮膜がMCAと
ワックスの両者を含有する必要があることがわかる。た
だし、ワックスの含有量が20%の上限を超えると、プレ
ス成形性は確保されるものの、電着塗膜の密着性が低下
した。
【0059】
【表1】
【0060】実施例4 両面ともRa=0.18μmの冷延鋼板(板厚0.8 mm) に対
して、両面に表2に示す目付け量のZn−13%Ni合金めっ
きまたはZn−9%Fe合金めっきを、硫酸塩浴による電気
めっき法で施した。その後、実施例1と同様の方法で、
めっき皮膜上に塗布型クロメート皮膜とエポキシ系樹脂
を主成分とする有機樹脂皮膜とを形成して、有機複合表
面処理鋼板を作製した。クロメート皮膜の付着量 (Cr換
算) と樹脂皮膜の膜厚は、表2に示すように変化させ
た。
【0061】使用したクロメート液には、場合によりコ
ロイダルシリカ (平均一次粒径10mμ) とシランカップ
リング剤 (γ−クリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン)の一方または両方を添加した。シリカの添加量 (SiO
2/Cr重量比) とシランカップリング剤の添加量 (対SiO
2重量比) を表2に示す。
【0062】有機樹脂皮膜の形成に使用した塗布液は、
ビスフェノールA系エポキシ樹脂と架橋剤のブロックイ
ソシアネートを含有する塗料に、不揮発分合計量に対し
て5%のMCAと3%のポリエチレンワックスとを分散
させたものであり、さらに場合によりシリカゾル (平均
一次粒径10mμ) と上と同じシランカップリング剤の一
方または両方を配合した。この塗布液へのSiO2添加量
(不揮発分に対する%)とシランカップリング剤の添加量
(対SiO2重量比) は表2に示す通りである。
【0063】得られた有機複合表面処理鋼板の耐低温チ
ッピング性、Cr溶出量、耐外面錆性、およびスポット溶
接性を次の試験方法により調査した。試験結果も表2に
合わせて示す。
【0064】(耐低温チッピング性)試験片に電着塗装30
μm、自動車上塗り塗料40μmの2コート2ベークの塗
装を施した後、−20℃に冷却してグラベロテスターで小
石の衝撃を与え、この箇所をセロファンテープで剥離し
た。剥離後のめっき/鋼板界面での剥離径を測定した。
【0065】(Cr溶出量)試験片を40℃のアルカリ脱脂液
(日本パーカライジング社製FC4410) 中に2分間浸漬し
て脱脂を行い、その前後における試験片のCr付着量を蛍
光X線により測定し、Cr溶出量を算出した。
【0066】(耐外面錆性)試験片に電着塗装30μm、自
動車上塗り塗料40μmの2コート2ベークの塗装を施し
た後、カッターナイフで基材鋼板に達する深さのクロス
カット疵を入れ、週2回の塩水散布を含む屋外暴露を3
カ月実施した後、カット部からの赤錆発生の有無を目視
で判定した。
【0067】(スポット溶接性)同じ有機複合表面処理鋼
板の試験片2枚を重ねあわせ、先端径6mmのCu−Cr合金
製電極チップを備えた交流シングルスポット溶接器 (50
Hz)を用いて、溶接電流10 kA 、スクイズ時間20サイク
ル、通電時間12サイクル、保持5サイクル、加圧力200
Kgの条件でスポット溶接連続打点試験を行った。剪断引
張りで溶接剥がれが生じた打点数をもって、スポット溶
接性を評価した。
【0068】
【表2】
【0069】表2から分かるように、本発明による有機
複合表面処理鋼板は、試験したいずれの性能にも優れて
いた。これに対し、比較例には、クロメート皮膜の付着
量または有機樹脂皮膜の膜厚が本発明の範囲外である
か、クロメート皮膜と有機樹脂皮膜の両方がシリカを含
有しないか、あるいはそのシリカの含有量が本発明の範
囲外である例を示した。これらの比較例では、耐低温チ
ッピング性、Cr溶出量、耐外面錆性、スポット溶接性の
少なくとも一つの性能が劣り、全ての性能を満たす有機
複合表面処理鋼板を得ることができなかった。なお、本
実施例で作製した有機複合表面処理鋼板の電着塗装性は
いずれも良好であった。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の有機複合
表面処理鋼板は、鮮映性の改善には理想的であるが、プ
レス成形が困難であるためこれまで利用されてこなかっ
たRa≦0.3 μmのブライト鋼板を基材とし、最上層の
有機樹脂皮膜にMCAとポリオレフィンワックスの両者
を含有させることによって、ブライト鋼板を基材として
も良好なプレス成形が可能な程度まで皮膜の摺動性を高
めることに成功したものである。これにより、ブライト
鋼板に由来する、従来レベルを超えた優れた塗装後の鮮
映性を達成することが可能となった。
【0071】しかも、架橋エポキシ系樹脂からなる有機
樹脂皮膜中に存在するMCAとこの樹脂皮膜または下層
のクロメート皮膜の少なくとも一方に含有させるシリカ
の作用によって、優れた耐食性やスポット溶接性を保持
したまま、カチオン電着塗装性と耐低温チッピング性も
著しく改善され、自動車外装用鋼板の内外両面に要求さ
れる性能をすべて満たすことができる自動車用有機複合
表面処理鋼板が得られる。従って、本発明の表面処理鋼
板から自動車車体を製造すると、自動車の外観と耐久性
の著しい向上が期待でき、産業上極めて有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MCA (メラミンシアヌル酸付加体) の化学構
造を示す。
【図2】親水性ポリアミドまたはMCAを含有する有機
樹脂皮膜を有する有機複合表面処理鋼板の電着塗装性
を、有機樹脂皮膜厚と非研磨部の電着膜厚との関係とし
て示すグラフである。
【図3】MCAを含有する有機樹脂皮膜を有する有機複
合表面処理鋼板の電着塗装性を、有機樹脂皮膜中のMC
A含有量と非研磨部の電着膜厚との関係として示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/00 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも鋼板の片面側が、Raで0.3
    μm以下の表面粗度を有し、この表面上に下層から順に 亜鉛または亜鉛合金めっき層、 金属Cr換算で20〜200 mg/m2 のクロメート皮膜、 0.1 〜20重量%のメラミンシアヌル酸付加物および1
    〜20重量%のポリオレフィンワックスを含有する架橋エ
    ポキシ系樹脂からなる、膜厚 0.1〜2.0 μmの有機樹脂
    皮膜、を有し、さらにクロメート皮膜がシリカをSiO2
    Cr重量比で0.05〜4.0 となる量で含有するか、および/
    または有機樹脂皮膜がシリカを5〜40重量%のSiO2量で
    含有することを特徴とする、自動車用表面処理鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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