JPH06153680A - 穀物の低温乾燥貯蔵方法およびそのシステム - Google Patents

穀物の低温乾燥貯蔵方法およびそのシステム

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JPH06153680A
JPH06153680A JP31156092A JP31156092A JPH06153680A JP H06153680 A JPH06153680 A JP H06153680A JP 31156092 A JP31156092 A JP 31156092A JP 31156092 A JP31156092 A JP 31156092A JP H06153680 A JPH06153680 A JP H06153680A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分差の大きな大量の穀物であっても、発芽
率を低下させず、かつ品質を損なうことなく均一にゆっ
くりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾燥穀物を得る。 【構成】 送風上限温度が略35℃の乾燥空気で穀物を
予備乾燥する屋外用循環型予備乾燥機1,2と、仕上げ
乾燥する仕上げ乾燥貯蔵ビン3とを屋外に設置する。仕
上げ乾燥貯蔵ビン3に、必要に応じて常温風より低温で
かつ15%程度で籾の水分を変化させない平衡湿度の低
温空気を送風する空気室6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分差の大きな大量の
穀物であっても、発芽率を低下させず、かつ品質を損な
うことなく均一にゆっくりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾
燥穀物を得ることができる穀物の低温乾燥貯蔵方法とそ
のシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンバインなどで収穫した穀物の乾燥
は、毎日収穫された籾を乾燥機に張込み、その日の夜か
ら翌日の午前中にかけて乾燥を行い、乾燥を終了し乾燥
穀物の搬出後、次の荷受穀物を搬入して乾燥を繰り返す
方法が一般的である。また、大型のカントリーエレベー
タなどにあっては、荷受した籾を無通風で安全に貯留で
きる水分、例えば17%まで乾燥を行ったうえ、サイロ
等に一時貯留し、収穫終了後に再度仕上げ乾燥を行う、
二段乾燥方式が行われている。また、大型の貯蔵乾燥機
を用いて、荷受けされる籾を順次追加し、混合攪拌しな
がら乾燥を行う累積混合乾燥方法も一部で行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的な穀物の
乾燥方法にあっては、1日1サイクルの作業体系の中
で、荷受された籾を翌日までに乾燥を終了させる必要が
あり、また、カントリーエレベータなどにあっては、荷
受け後速やかに無通風で安全に貯留できる水分まで乾燥
を終了させる必要があるので、高い乾燥能力をもつ乾燥
機を要する。通常、籾の荷受時の水分は24〜25%程
度が多いが、天候によっては27〜28%程度にもなる
ので、1日1サイクルの作業体系で翌日の荷受に対応す
るためには、1時間あたりの乾燥速度は0.7〜0.8
%程度の高速乾燥を行う必要がある。乾燥機の乾燥能力
を高めるには、乾燥熱風の時間あたりの風量を多くする
か熱量を多くし、さらに乾燥熱風を低湿度にすることに
よって達成することができるが、風量を多くするには設
備が大掛かりとなるので、高速乾燥のためには、熱風温
度を高くするのが最も容易で、また経済的でもあり、安
易に実施しやす方法である。
【0004】近年、米に対する食味が消費者のニーズと
して重要視される傾向が高くなり、いわゆる「おいしい
米」の需要が急速に増加しつつあり、籾の乾燥貯蔵にお
いても食味の条件を見過ごすことができない状況となっ
ている。収穫された籾は、その保有する水分が高ければ
高いほど熱の影響を受けやすく、温度が高いことによっ
て米の呼吸量が増えて米のもつ栄養分を消耗し、米の品
質が劣化するといわれている。また、籾の発芽率の良い
ものほど、食味が優れているとの研究結果もあり、乾燥
籾の発芽率により食味を判定することができるとされ、
発芽率の良い乾燥を行うことが「おいしい米」作りに叶
うことにもなる。種子用といての籾は、発芽率が高いこ
とを要することは当然であるが、種子籾の乾燥について
は、特に乾燥温度に留意が払われ、籾の水分に応じて許
容される送風温度が、経験や研究結果として明らかにさ
れており、それによれば、籾の水分が20%未満では乾
燥温度の上限が45℃、20〜25%では40℃、26
%以上では35℃である。一方、乾燥機に要求される性
能は、荷受けされる籾の水分が高いほど早く乾燥する必
要性があるところから、これまでに行われている籾の乾
燥は、いわば「おいしい米」作りに逆行するものであ
る。収穫された籾は、圃場によっても水分がまちまちで
あるが、1本の稲穂から得られる籾であっても、穂の先
と元では予想以上に大きい水分差があり、そのうち高水
分の籾が乾燥により最も品質が劣化することになる。
【0005】本発明は、叙上のような種々の課題に対処
するものであり、水分差の大きな大量の穀物であって
も、発芽率を低下させず、かつ品質を損なうことなく均
一にゆっくりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾燥穀物を得る
ことができる穀物の低温乾燥貯蔵方法とそのシステムを
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための技術的手段として、次のように構成した。
すなわち、その1は、送風上限温度が略35℃の低温空
気を発生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾燥
機に収穫直後の穀物を投入し、略20%前後に乾燥せし
めた後、仕上げ乾燥貯蔵ビンに移動搬入し、常温通風に
て所定の仕上げ水分、略15%前後となった後、必要に
応じて常温風より低温でかつ15%程度の籾の水分を変
化させない平衡湿度の空気を送り、一定温度以下の穀物
温度を維持する穀物の低温乾燥貯蔵方法である。
【0007】その2は、送風上限温度が略35℃の乾燥
空気を発生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾
燥機と、攪拌装置付き仕上げ乾燥貯蔵ビンとを設置する
と共に、前記循環型予備乾燥機および仕上げ乾燥貯蔵ビ
ンには内部に穀物の仕上げ水分と平衡状態を維持する低
温空気を発生させる冷気発生機を具備した空気室を設け
て、送風ダクトおよびダンパーを介してそれぞれ切替え
接続せしめた穀物の低温乾燥貯蔵システムである。
【0008】その3は、上記その2の構成のものにおい
て、仕上げ乾燥貯蔵ビンの外壁面を断熱構成とした穀物
の低温乾燥貯蔵システムである。
【0009】その4は、前記その2またはその3の構成
において、循環型予備乾燥機と仕上げ乾燥貯蔵ビンは、
その一方が単数基で他方が複数基、または両方が複数基
である穀物の低温乾燥貯蔵システムである。
【0010】
【作用】本発明に係る穀物の低温乾燥貯蔵方法およびそ
のシステムによれば、収穫された穀物は、送風上限温度
が略35℃の低温空気を発生させる送風装置を備えた屋
外用循環型予備乾燥機に投入され、略20%前後に予備
乾燥される。予備乾燥後の穀物は、仕上げ乾燥貯蔵ビン
で、常温通風により所定の仕上げ水分である略15%前
後まで乾燥される。その後、必要に応じて常温風よりも
低温でかつ15%程度の籾の水分を変化させない平衡湿
度の空気を送り、乾燥後の穀物が貯蔵される。
【0011】仕上げ乾燥貯蔵ビンの外壁面を断熱構成と
したものにおいては、外気温度の変化に対して内部温度
の変化が少ないので、良好な穀物の貯蔵状態が維持され
る。また、循環型予備乾燥機と仕上げ乾燥貯蔵ビンを、
その一方を単数基、他方が複数基または両方を複数基と
することにより、穀物の荷受、予備乾燥、仕上げ乾燥お
よび貯蔵各部における穀物の流れが円滑になる。
【0012】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
面は本発明に係る穀物の低温乾燥貯蔵システムを例示す
るものである。図1において、1,2は屋外用循環型予
備乾燥機であって、図示の例では同じのものが2基設置
されている。3は仕上げ乾燥貯蔵ビンであって、予備乾
燥機1,2は、張込用昇降機4を介して仕上げ乾燥貯蔵
ビン3に穀物を搬入することができるように、搬送樋5
によって接続されている。6は送風装置を構成する送風
室である。この送風室6は、予備乾燥機1,2と送風ダ
クト7,7により、仕上げ乾燥貯蔵ビン3に送風ダクト
8によりそれぞれ接続されており、送風室6の各送風ダ
クト7,7にはダンパー9,10が備えられている。ま
た、送風室6はダンパー11により外気に対して開閉自
在となっており、内部には冷却機12が備えられてい
る。送風室6と仕上げ乾燥貯蔵ビン3との間の送風路8
には送風ファン13が備えられている。予備乾燥機1,
2にはバーナ14,14とその吸引ファン15,15が
備えられている。仕上げ乾燥貯蔵ビン3の外周は断熱壁
16による断熱構造となっている。仕上げ乾燥貯蔵ビン
3内には、図2に示すように、螺旋回転体を有する攪拌
装置17が設けられており、この攪拌装置17は仕上げ
乾燥貯蔵ビン3内を旋回して、収容された穀物全体をを
上下方向に反転させるものである。18は穀物の分散張
込装置、19は穀物の螺旋搬出装置である。
【0013】図3には仕上げ乾燥貯蔵ビン3を2基備え
たものが例示されている。図3においては、循環型予備
乾燥機の図示を省略したが、循環型予備乾燥機および仕
上げ乾燥貯蔵ビン3は、その一方が単数基で他方が複数
基、または両方を複数基とすることができ、いずれも屋
外に設置されるものである。なお、図3において、20
は籾摺作業および製品室、21は操作室、22は荷受室
である。
【0014】以上のように構成された穀物の低温乾燥貯
蔵システムにおいて、荷受けされた穀物は、先ず循環型
予備乾燥機1,2のうちの空いているほう、例えば1側
に張込み、バーナ14により発生させた上限温度が略3
5℃の乾燥空気を吸引ファン15の運転により流通させ
て、水分が略20%前後に予備乾燥する。次いで、予備
乾燥された穀物は、循環型予備乾燥機1から仕上げ乾燥
貯蔵ビン3に移し、送風室6から送風される常温風によ
り所定の仕上げ水分である略15%前後まで乾燥され
る。その後、必要に応じて送風室6より常温風よりも低
温でかつ15%程度の籾の水分を変化させない平衡湿度
の空気を仕上げ乾燥貯蔵ビン3に送り、乾燥後の穀物を
貯蔵するが、その空気の温度は、夏期には常温よりかな
り低くし、春期や秋期には常温よりやや低い程度とし、
冬期には常温のままでよい。なお、上記各作業はダンパ
ー9,10,11の開閉操作によりそれぞれ送風方向を
切替えることにより行われる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、水分差の大きな大量の
穀物であっても、発芽率を低下させず、かつ品質を損な
うことなく均一にゆっくりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾
燥穀物を得ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムの一実施例を示す概略平
面図である。
【図2】図1に示した仕上げ乾燥貯蔵ビンおよび送風室
の部分の縦断面図である。
【図3】仕上げ乾燥貯蔵ビンを2基設置した本発明に係
るシステムの例を示す構成平面図である。
【符号の説明】 1,2 循環型予備乾燥機 3 仕上げ乾燥貯蔵ビン 6 送風室 7,7,8 送風ダクト 9,10,11 ダンパー 14,14 バーナ 15,15 吸引ファン 16 断熱壁 19 攪拌装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 穀物の低温乾燥貯蔵方法およびそのシ
ステム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分差の大きな大量の
穀物であっても、発芽率を低下させず、かつ品質を損な
うことなく均一にゆっくりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾
燥穀物を得ることができる穀物の低温乾燥貯蔵方法とそ
のシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンバインなどで収穫した穀物の乾燥
は、毎日収穫された籾を乾燥機に張込み、その日の夕方
から翌日の午前中にかけて乾燥を行い、乾燥を終了し乾
燥穀物の搬出後、次の荷受穀物を搬入して乾燥を繰り返
す方法が一般的である。また、大型のカントリーエレベ
ータなどにあっては、荷受した籾を無通風で安全に貯
留できる水分、例えば17%まで乾燥を行ったうえ、サ
イロ等に一時貯留し、収穫終了後に再度仕上げ乾燥を行
う、二段乾燥方式が行われている。また、大型の貯蔵乾
燥機を用いて、荷受けされる籾を順次追加し、混合攪拌
しながら乾燥を行う累積混合乾燥方法も一部で行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的な穀物の
乾燥方法にあっては、1日1サイクルの作業体系の中
で、荷受された籾を翌日までに乾燥を終了させる必要
があり、また、カントリーエレベータなどにあっては、
荷受後速やかに無通風で安全に貯留できる水分まで乾
燥を終了させる必要があるので、高い乾燥能力をもつ乾
燥機を要する。通常、籾の荷受時の水分は24〜25
%程度が多いが、天候によっては27〜28%程度にも
なるので、1日1サイクルの作業体系で翌日の荷受
対応するためには、1時間あたりの乾燥速度は0.7〜
0.8%程度の高速乾燥を行う必要がある。乾燥機の乾
燥能力を高めるには、乾燥熱風の時間あたりの風量を多
くするか熱量を多くし、さらに乾燥熱風を低湿度にする
ことによって達成することができるが、風量を多くする
には設備が大掛かりとなるので、高速乾燥のためには、
熱風温度を高くするのが最も容易で、また経済的でもあ
り、安易に実施しやす方法である。
【0004】近年、米に対する食味が消費者のニーズと
して重要視される傾向が高くなり、いわゆる「おいしい
米」の需要が急速に増加しつつあり、籾の乾燥貯蔵にお
いても食味の条件を見過ごすことができない状況となっ
ている。収穫された籾は、その保有する水分が高ければ
高いほど熱の影響を受けやすく、温度が高いことによっ
て米の呼吸量が増えて米のもつ栄養分を消耗し、米の品
質が劣化するといわれている。また、籾の発芽率の良い
ものほど、食味が優れているとの研究結果もあり、乾燥
籾の発芽率により食味を判定することができるとされ、
発芽率の良い乾燥を行うことが「おいしい米」作りに叶
うことにもなる。種子用といての籾は、発芽率が高いこ
とを要することは当然であるが、種子籾の乾燥について
は、特に乾燥温度に留意が払われ、籾の水分に応じて許
容される送風温度が、経験や研究結果として明らかにさ
れており、それによれば、籾の水分が20%未満では乾
燥温度の上限が45℃、20〜25%では40℃、26
%以上では35℃である。一方、乾燥機に要求される性
能は、荷受けされる籾の水分が高いほど早く乾燥する必
要性があるところから、これまでに行われている籾の乾
燥は、いわば「おいしい米」作りに逆行するものであ
る。収穫された籾は、圃場によっても水分がまちまちで
あるが、1本の稲穂から得られる籾であっても、穂の先
と元では予想以上に大きい水分差があり、そのうち高水
と低水分の籾が乾燥により最も品質が劣化することに
なる。
【0005】本発明は、叙上のような種々の課題に対処
するものであり、水分差の大きな大量の穀物であって
も、発芽率を低下させず、かつ品質を損なうことなく均
一にゆっくりと予備乾燥と貯蔵乾燥を行い、食味良好な
乾燥穀物を得ることができる穀物の低温乾燥貯蔵方法と
そのシステムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための技術的手段として、次のように構成した。
すなわち、その1は、送風上限温度が略35℃の低温空
気を発生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾燥
機に収穫直後の穀物を投入し、略20%前後に乾燥せし
めた後、仕上げ乾燥貯蔵ビンに移動搬入し、常温通風に
て所定の仕上げ水分の略15%前後まで乾燥した後、必
要に応じて常温風より低温でかつ15%程度の籾の水分
を変化させない平衡湿度の空気を送り、一定温度以下の
穀物温度を維持する穀物の低温乾燥貯蔵方法である。
【0007】その2は、送風上限温度が略35℃の乾燥
空気を発生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾
燥機と、攪拌装置付き仕上げ乾燥貯蔵ビンとを設置する
と共に、前記循環型予備乾燥機および仕上げ乾燥貯蔵ビ
ンには内部に穀物の仕上げ水分と平衡状態を維持する低
温空気を発生させる冷気発生機を具備した空気室を設け
て、送風ダクトおよびダンパーを介してそれぞれ切替え
接続せしめた穀物の低温乾燥貯蔵システムである。
【0008】その3は、上記その2の構成のものにおい
て、仕上げ乾燥貯蔵ビンの外壁面を断熱構成とした穀物
の低温乾燥貯蔵システムである。
【0009】その4は、前記その2またはその3の構成
において、循環型予備乾燥機と仕上げ乾燥貯蔵ビンは、
その一方が単数基で他方が複数基、または両方が複数基
である穀物の低温乾燥貯蔵システムである。
【0010】
【作用】本発明に係る穀物の低温乾燥貯蔵方法およびそ
のシステムによれば、収穫された穀物は、送風上限温度
が略35℃の低温空気を発生させる送風装置を備えた屋
外用循環型予備乾燥機に投入され、略20%前後に予備
乾燥される。予備乾燥後の穀物は、仕上げ乾燥貯蔵ビン
で、常温通風により所定の仕上げ水分である略15%前
後まで乾燥される。その後、必要に応じて常温風よりも
低温でかつ15%程度の籾の水分を変化させない平衡湿
度の空気を送り、乾燥後の穀物が貯蔵される。
【0011】仕上げ乾燥貯蔵ビンの外壁面を断熱構成と
したものにおいては、外気温度の変化に対して内部温度
の変化が少ないので、良好な穀物の貯蔵状態が維持され
る。また、循環型予備乾燥機と仕上げ乾燥貯蔵ビンを、
その一方を単数基、他方が複数基または両方を複数基と
することにより、穀物の荷受、予備乾燥、仕上げ乾燥お
よび貯蔵各部における穀物の流れが円滑になる。
【0012】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
面は本発明に係る穀物の低温乾燥貯蔵システムを例示す
るものである。図1において、1,2は屋外用循環型予
備乾燥機であって、図示の例では同じのものが2基設置
されている。3は仕上げ乾燥貯蔵ビンであって、予備乾
燥機1,2は、張込用昇降機4を介して仕上げ乾燥貯蔵
ビン3に穀物を搬入することができるように、搬送樋5
によって接続されている。6は送風装置を構成する送風
室である。この送風室6は、予備乾燥機1,2と送風ダ
クト7,7により、仕上げ乾燥貯蔵ビン3に送風ダクト
8によりそれぞれ接続されており、送風室6の各送風ダ
クト7,7にはダンパー9,10が備えられている。ま
た、送風室6はダンパー11により外気に対して開閉自
在となっており、内部には冷却機12が備えられてい
る。送風室6と仕上げ乾燥貯蔵ビン3との間の送風路8
には送風ファン13が備えられている。予備乾燥機1,
2にはバーナ14,14とその吸引ファン15,15が
備えられている。仕上げ乾燥貯蔵ビン3の外周は断熱壁
16による断熱構造となっている。仕上げ乾燥貯蔵ビン
3内には、図2に示すように、螺旋回転体を有する攪拌
装置17が設けられており、この攪拌装置17は仕上げ
乾燥貯蔵ビン3内を旋回して、収容された穀物全体を上
下方向に反転させるものである。18は穀物の分散張込
装置、19は穀物の螺旋搬出装置である。
【0013】図3には仕上げ乾燥貯蔵ビン3を2基備え
たものが例示されている。図3においては、循環型予備
乾燥機の図示を省略したが、循環型予備乾燥機および仕
上げ乾燥貯蔵ビン3は、その一方が単数基で他方が複数
基、または両方を複数基とすることができ、いずれも屋
外に設置されるものである。なお、図3において、20
は籾摺作業および製品室、21は操作室、22は荷受室
である。
【0014】以上のように構成された穀物の低温乾燥貯
蔵システムにおいて、荷受けされた穀物は、先ず循環型
予備乾燥機1,2のうちの空いているほう、例えば1側
に張込み、バーナ14により発生させた上限温度が略3
5℃の乾燥空気を吸引ファン15の運転により流通させ
て、水分が略20%前後に予備乾燥する。次いで、予備
乾燥された穀物は、循環型予備乾燥機1から仕上げ乾燥
貯蔵ビン3に移し、送風室6から送風される常温風によ
り所定の仕上げ水分である略15%前後まで乾燥され
る。その後、必要に応じて送風室6より常温風よりも低
温でかつ15%程度の籾の水分を変化させない平衡湿度
の空気を仕上げ乾燥貯蔵ビン3に送り、乾燥後の穀物を
貯蔵る。なお、上記各作業はダンパー9,10,11
の開閉操作によりそれぞれ送風方向を切替えることによ
り行われる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、水分差の大きな大量の
穀物であっても、発芽率を低下させず、かつ品質を損な
うことなく均一にゆっくりと貯蔵乾燥し、食味良好な乾
燥穀物を得ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステムの一実施例を示す概略平
面図である。
【図2】図1に示した仕上げ乾燥貯蔵ビンおよび送風室
の部分の縦断面図である。
【図3】仕上げ乾燥貯蔵ビンを2基設置した本発明に係
るシステムの例を示す構成平面図である。
【符号の説明】 1,2 循環型予備乾燥機 3 仕上げ乾燥貯蔵ビン 6 送風室 7,7,8 送風ダクト 9,10,11 ダンパー 14,14 バーナ 15,15 吸引ファン 16 断熱壁 19 攪拌装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風上限温度が略35℃の低温空気を発
    生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾燥機に収
    穫直後の穀物を投入し、略20%前後に乾燥せしめた
    後、仕上げ乾燥貯蔵ビンに移動搬入し、常温通風にて所
    定の仕上げ水分、略15%前後となった後、必要に応じ
    て常温風より低温でかつ15%程度の籾の水分を変化さ
    せない平衡湿度の空気を送り、一定温度以下の穀物温度
    を維持することを特徴とする穀物の低温乾燥貯蔵方法。
  2. 【請求項2】 送風上限温度が略35℃の乾燥空気を発
    生させる送風装置を備えた屋外用循環型予備乾燥機と、
    攪拌装置付き仕上げ乾燥貯蔵ビンとを設置するととも
    に、前記循環型予備乾燥機および仕上げ乾燥貯蔵ビンに
    は内部に穀物の仕上げ水分と平衡状態を維持する低温空
    気を発生させる冷気発生機を具備した空気室を設けて、
    送風ダクトおよびダンパーを介してそれぞれ切替え接続
    せしめたことを特徴とする穀物の低温乾燥貯蔵システ
    ム。
  3. 【請求項3】 仕上げ乾燥貯蔵ビンの外壁面は断熱構成
    としたことを特徴とする請求項2記載の穀物の低温乾燥
    貯蔵システム。
  4. 【請求項4】 循環型予備乾燥機と仕上げ乾燥貯蔵ビン
    は、その一方が単数基で他方が複数基、または両方が複
    数基であることを特徴とする請求項2または請求項3記
    載の穀物の低温乾燥貯蔵システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008092868A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 保存庫
CN105935018A (zh) * 2016-06-08 2016-09-14 四川省农业科学院农产品加工研究所 多功能农产品贮藏保鲜库

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