JPH0763635B2 - 収穫米の処理方法 - Google Patents

収穫米の処理方法

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JPH0763635B2
JPH0763635B2 JP1149836A JP14983689A JPH0763635B2 JP H0763635 B2 JPH0763635 B2 JP H0763635B2 JP 1149836 A JP1149836 A JP 1149836A JP 14983689 A JP14983689 A JP 14983689A JP H0763635 B2 JPH0763635 B2 JP H0763635B2
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harvested
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悟 赤田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、収穫米の水分を調整して処理する収穫米の処
理方法に関する。
(従来の技術) 先ず、本発明の理解を容易にするために、収穫米の処理
に関する一般的な事項について説明する。収穫米の品質
および処理(貯留、籾摺り等)は、収穫米の含有水分
(重量%)に大きく影響される。例えば、品質について
は水分が高いほど食味が向上する。また、処理の面から
は逆に水分が高いと貯留中にかびが発生したり、また籾
摺り時の脱ップ率(籾殻除去法)が低下する。
このような理由により、農林水産省では食味の観点から
籾摺り時の水分を16%以下と規定し、貯留に関しては無
通風に水分17%、貯留期間35日以内というように定めら
れている。すなわち、貯留中の収穫米の水分と貯留日数
との間には、収穫米がかびない一定の条件が定められて
いる。
次に収穫米の一粒について、水分の多い部分と少ない部
分があると、胴割れを起こして、時には粉になることが
あり、搗精歩留が低下する。また、籾摺り時における籾
殻の脱ップは、適度の水分と籾のノゲ(毛)が残ってい
る方が良い。そこで、水分が高い場合には、籾摺り時の
こすりにより玄米の肌に傷がつき易く(肌ずれとい
う)、また籾のノゲが少ないと脱ップ率が低下する。
次に乾燥手段について説明する。原始的な初期の乾燥手
段としては一般的にいわれている常温通風乾燥(自然通
風乾燥)が行われていた。この常温通風乾燥において、
外気の湿度は晴天の時には低く雨天の時には高くなり、
また、晴天でも日中は外気温度が高いので湿度(相対湿
度)が低く、夜間には外気温度が下がるので湿度(相対
湿度)が高くなる。
このように、外気の湿度は天候および時間により変動す
るので、このような外気を使用して常温通風乾燥をした
場合に、雨天や夜間において湿度の高い外気が通風され
ることになって、かえって穀物の水分が多くなることが
あり、穀物にかびが発生したり、またひどい場合には穀
物が腐ってしまうという欠点がある。
この常温通風乾燥の欠点を補う乾燥手段として現在では
火力乾燥が主流をなしている。
この火力乾燥は乾燥用空気の温度を非常に高く(一例を
示せば略50℃)することによって、乾燥用空気の相対湿
度を低くするようにしたものであり、乾燥に使用される
空気の湿度が、天候や時間によって変動する外気の湿度
(相対湿度)に影響されないようにするために、十分
に、かつ、余裕をもって相対湿度を低くし、穀物のかび
発生や腐りを防止するようにしたものである。
更に、この火力乾燥の他のねらいは、温度を十分に高く
して低い相対湿度の空気を通風することにより、乾燥速
度を上げて乾燥時間を短縮し、刈取収穫した穀物をその
日の内に確実に乾燥処理して、農繁期の処理渋滞を解消
することであり、火力乾燥機はそのような乾燥の処理能
力を備えるように設計されている。
しかしながら、火力乾燥の原理は熱風にて収穫米の温度
を昇温し水分を蒸発して乾燥するので、短時間に乾燥す
ることができるという利点があるが、その反面収穫米の
品質の観点から次のような欠点がある。
すなわち、収穫米の含有水分は収穫の時期、天候、ある
いは稲一株の内でも開花および成熟のバラツキにより異
なる。そこで、このように水分の含有量が異なる収穫米
を火力乾燥した場合には、水分が多い籾も水分が少ない
籾も一律に昇温して水分を一律に蒸発させるので、水分
が多い籾は乾燥不足になり水分が少ない籾は過乾燥にな
る。
そして、乾燥不足になっている籾は温度が高く、かつ、
水分が高いので、生き物である籾はある温度と水分との
関係から発芽しなくなって(いわゆる死ぬ)腐りが発生
し、また、過乾燥になった籾は胴割れが発生するという
欠点を有する。
次に、この火力乾燥の他に除湿乾燥がある。この除湿乾
燥の原理は常温に近い空気の潜熱を利用して水分を吸収
除去するものである。
この除湿乾燥は、火力乾燥のように空気温度を高くしな
いで(ほぼ常温に近い温度)、湿度のみを低くした空気
を生成し、この空気を収穫米に通風して、水分の多い籾
からは大量の水分を吸収し、水分が低い籾からは少ない
水分を吸収するようにしている。
しかしながらこの除湿乾燥は、水分が高い籾も水分が低
い籾も均一に乾燥することができるという利点がある
が、その反面、火力乾燥に比べて乾燥速度が遅いので、
除湿乾燥のみでは農繁期の処理渋滞を解消するのが困難
であるという問題が内在してる。
以上のように、乾燥手段には常温通風乾燥、火力乾燥お
よび除湿乾燥があるが、常温乾燥は穀物の品質および乾
燥時間の両方の点で問題があるので別として、火力乾燥
および除湿乾燥には穀物の品質および乾燥速度の点でそ
れぞれに利点と欠点を有する。
なお、農林水産省では収穫米の処理計画水分として24%
を設定している。
さて、従来の収穫米の処理方法として、第7図に示すも
のがあり、刈取り脱穀した収穫米を荷受け工程1に受け
た後に、この収穫米を火力乾燥工程2にて水分24%から
農林水産省で定められた水分17%にまで乾燥する。次に
この17%にまで乾燥した収穫米を一次貯留槽3に貯留す
る。このように一次貯留した収穫米を次に仕上火力乾燥
工程4により、規定水分16%以下にまで仕上乾燥し、サ
イロ5に貯留される。そして、需要量に応じてサイロ5
から所要量払い出しながら籾摺り工程6を行い出荷する
ようにしていた。
第8図に示す処理方法は、荷受け工程1に荷受けした収
穫米を、自然通風されている受け入れ貯留槽7にて受け
入れする。したがって、受け入れ貯留槽7内の収穫米の
水分は24%である。次に受け入れ貯留槽7から収穫米を
払い出して、仕上火力乾燥工程8にて水分24%から16%
以下にまで乾燥した後に、籾摺り工程6にて籾摺りし出
荷するようにしていた。
次に第9図に示す処理方法は、荷受け工程1に荷受けし
た水分24%の収穫米を、次に仕上火力乾燥工程9にて水
分16%以下にまで乾燥して籾摺り工程6にて籾摺りし、
出荷するようにしていた。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の処理方法において、第7図に示すものは次の
ような問題がある。先ず、火力乾燥工程2では、水分24
%から17%にまで一気に乾燥するので、収穫米の中には
過乾燥になるものが存在して胴割れを来すものがあり、
搗精歩留が低下するという問題がある。
また、火力乾燥工程2で、籾を昇温し、かつ、掻き混ぜ
ながら乾燥するので、籾のノゲが落とされてしまい、籾
摺りによる脱ップ率が低下するという不具合がある。
次に、仕上火力乾燥工程4で水分16%以下まで仕上乾燥
した後にサイロ5に貯留するのであるが、火力乾燥の原
理上、一粒一粒の籾の水分が蒸発量が異なり、籾の水分
含有量が必ずしも一定しない。そこで、サイロ5内に貯
留された籾間において、水分を多く含む籾から水分の少
ない籾に水分が移行して平衡状態(以下水分移行とい
う)を保つようになり、サイロ5内の収穫米の水分が必
ずしも16%であるという信頼性はない。
そのために、もしも水分が16%よりも多い場合には、か
びが発生したり発酵したりして品質が著しく低下し、ま
た玄米が柔らかくなるので、籾摺り時に肌ずれを起こし
正常な玄米にならないという不具合があり、また16%よ
りも水分が少ない時は、食味に影響するという不具合が
ある。
次に、第8図および第9図に示す処理方法にあっても、
仕上火力乾燥工程8、9にて、一気に水分24%から16%
にまで乾燥するので、胴割れによる搗精歩留の低下、籾
のノゲ落ちによる脱ップ率の低下を来すという問題があ
る。
これらの問題発生の原因は、火力乾燥のみにより急激な
乾燥をしているために起こるのであるが、農繁期の処理
渋滞を避けるために、刈取脱穀された収穫米をその日の
うちに乾燥しなければならないという事情があり、乾燥
速度が速い火力乾燥方式を採用せざるを得ないというの
が実情である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、除湿乾
燥または除湿乾燥と火力乾燥との組み合わせにより、収
穫米を短時間に処理して農繁期の処理渋滞を解消すると
共に、搗精歩留、脱ップ率、肌ずれ等の問題を解決し、
適度の水分を保持しても食味のよい収穫米の処理方法を
提供するものである。
(課題を解決するための手段) 上記の課題を解決するために本発明は、収穫米を乾燥
し、その後籾摺りをする収穫米の処理方法において、収
穫米の水分が22%〜17%になるように一旦中間乾燥した
後に、籾摺り工程前に前記中間乾燥した収穫米を所定の
水分になるように仕上乾燥するようにしたものであり、
上記中間乾燥および仕上乾燥を除湿乾燥にしたもの、ま
たは上記中間乾燥を火力乾燥にし、仕上乾燥を除湿乾燥
にしたものである。
(作用) 本発明はこのように構成したのでつぎの通りの作用があ
る。すなわち、収穫米の処理工程を中間乾燥と仕上乾燥
の二つの工程に分け、中間乾燥の水分を22%〜17%にし
たので、除湿乾燥の最も効率のよい乾減率で乾燥するこ
とができると共に、除湿乾燥によっても短時間に乾燥す
ることができ、一方火力乾燥にあっては乾燥速度を緩や
かにして乾燥することができ、中間乾燥に除湿乾燥と火
力乾燥を処理条件に応じて択一的に使用することが可能
になる。
これにより、除湿乾燥および火力乾燥の欠点をなくして
長所のみを引き出した収穫米の処理をすることが可能と
なる。
(実施例) 以下本発明の一実施例について説明する。先ず、中間乾
燥において、水分を22%〜17%にした根拠は次の通りで
ある。
収穫米の計画水分は一応24%に定められているが、収
穫米の水分は収穫時期、天候あるいは開花成熟の程度に
よって異なる。例えば、同日に収穫した収穫米でも、田
の日当たり、肥料等の土壌の状況により開花成熟が異な
ること、また稲一株の中でも開花成熟が異なることから
当然に籾一粒毎に水分含有量が異なる。したがって、一
律に水分17%にまで乾燥した場合には、当然に水分が極
度に少ない籾(過乾燥)が存在することになる。そこ
で、収穫初期(中間乾燥)の段階では、乾燥に所定の幅
をもたせるようにした。
また従来では、天候や土壌の状況により水分が異なるこ
とから、荷受けする際に水分わけをして荷受けしていた
が、収穫初期の段階での乾燥に所定の幅をもたせること
により、水分わけの荷受けをする必要がなくなり、胴割
れおよび食味低下をなくすと共に、作業を簡略化するよ
うにした。
収穫米の処理は、その日に収穫したものはその日のう
ちに乾燥して貯留中のかび発生や食味低下をなくすよう
にするのが一般的である。したがって乾燥機の乾燥能力
もこれに見合うものでなければならない。
火力乾燥の場合の毎時乾減率(1時間当たりの乾燥割
合)は0.6%/時間〜0.8%/時間であり、農林水産省基
準の一日20時間(一日24時間であるが4時間余裕を見込
んだ時間)で換算すると、水分を一日当たり12%〜16%
の乾燥が可能である。したがって火力乾燥の場合は計画
水分24%に対して、24−12=12%〜24−16=8%にまで
収穫米を乾燥する能力を有する。従来において、火力乾
燥のみに乾燥処理していた根拠はこの点にある。
しかしながら、発明者は収穫米の乾燥にとって除湿乾燥
の優位性に着目し実験を行った。除湿乾燥の優位性と
は、すなわち、収穫米が規定水分以下には乾燥しない湿
度に調節した空気で収穫米の水分を除去することによ
り、水分の少ない籾からの水分の蒸発は少なく、水分の
多い籾からは多くの水分が蒸発する(この現象を水分の
平衡という)ことをいう。
これに対して、火力乾燥は籾を昇温して蒸発させる加熱
蒸発であるので、水分が少ない籾も水分が多い籾も一律
に加熱されて、水分の多少に係らず一律に蒸発される。
したがって、水分の少ない籾は過乾燥になる。除湿乾燥
ではこのような過乾燥はなく、除湿乾燥処理後の籾の含
有水分は平均化される。
除湿乾燥についての実験によれば、毎時乾減率は0.15%
/時間〜0.3%/時間が最適であることが得られた。
すなわち、この時間当たりの乾減率は、貯留している収
穫米に除湿調整した空気を流入させた場合に、収穫米の
乾燥に寄与する空気量に相当する乾減率を求めた実験の
結果得られたものである。収穫米の乾燥に寄与しないで
単に通過していく空気は、除湿乾燥機の損失となり、実
験により求めた0.15%/時間〜0.3%/時間の値は、除
湿乾燥の最も効率の良い値であるということができる。
この除湿乾燥の毎時乾減率を用いて演算すると、除湿乾
燥の一日当たりの乾減は0.15×20時間=3%、0.3×20
時間=6%となり、計画水分24%に対しては、(24−3
=21%)〜(24−6=18%)になる。そこで、上限21%
に対して1%の余裕(仕上乾燥に対する余裕)を見て22
%にした。また下限17%は収穫米の水分にバラツキがあ
り、一次貯留で通風貯留したときの過乾燥防止と仕上乾
燥の基準16%水分とを見込んで定めたものである。
このように、計画水分24%に対して水分22%〜17%の中
間乾燥をすることにより、乾燥速度が速い除湿乾燥の使
用が可能になり、かつ、除湿乾燥にとって最も効率的な
乾燥をすることができる。
また、中間乾燥において水分22%〜17%にすることによ
り、荷受け時において水分わけをする必要がなく、水分
わけ誤りによる胴割れや食味低下が防止される。また、
除湿乾燥の使用により、胴割れや食味低下がより確実に
防止される。
そして、中間乾燥に火力乾燥を用いた場合でも、毎時乾
減率が0.1%/時間〜0.3%/時間になり、{(24−22)
/20時間=0.1%、(24−18)/20時間=0.3%}籾の昇温
速度を緩やかにし、これにより籾の胴割れや食味の低下
が防止される。
次に、籾摺り直前の仕上乾燥においても、一日当たり乾
減率が22%−16%=6%、18%−16%=2%であること
から、毎時乾減率は0.1%〜0.3%になり、中間乾燥とほ
ぼ同一条件で仕上乾燥を行うことができる。
次にこの方法を実施するために直接使用される収穫米の
処理方法について説明する。
第1図において、中間乾燥工程10にて水分が22%〜17%
の範囲で乾燥されることから、刈取し脱穀した収穫米
は、水分わけをすることなしに荷受け工程1にて荷受け
され、水分わけ誤りによる胴割れや食味低下が防止され
る。そして除湿乾燥による中間乾燥工程10にて水分が22
%〜17%の範囲で乾燥するので、短時間に、かつ、除湿
乾燥の最もよい乾燥をすることができる。この除湿乾燥
による中間乾燥工程10において籾は、規定水分以下にな
らないように湿度および温度調節された空気が保有する
潜熱により除湿される。この潜熱による除湿の特徴は、
空気温度が常温に近いので籾粒は昇温されないこと、お
よび籾を掻き混ぜることなく、水分の少ない籾粒からの
水分の蒸発は少なく、水分の多い籾粒からの水分の蒸発
は多くなって、平衡状態を保った状態で乾燥されること
から、胴割れ、ノゲ落ち、過乾燥による食味の低下をも
たらすことなく均一に乾燥される。
このように、中間乾燥された収穫米は次に一次貯留槽11
に貯留される。そして必要に応じて通風機13から貯留槽
11内に通風し貯留する。この通風貯留においても、通風
乾燥されるのであるが、一次貯留槽11内の収穫米の水分
は22%〜17%の範囲の、ある水分%であるので、その水
分は通風乾燥による乾減率に対して十分であり、過乾燥
されて食味が低下するようなことはない。
次に、一次貯留槽11に貯留された収穫米は、需要量に応
じて払い出されて、除湿乾燥による仕上乾燥工程12にて
所定の水分に乾燥される。この時の基準水分は16%以下
であるので、食味が最も良い16%水分にするのがよい。
この水分16%の調節は、中間乾燥工程10で除湿乾燥して
いるので、除湿乾燥の原理から、一次貯留槽11内では中
間乾燥されている水分22%〜17%の範囲のうちの、ある
水分例えば22%水分に均一になっており、その水分にバ
ラツキがないので、均一に16%水分になるように乾燥さ
れる。そして、この仕上乾燥工程12においても除湿乾燥
を使用しているので、もみの温度は常温であり、胴割
れ、ノゲ落ち、過乾燥による食味の低下はない。そし
て、籾摺り工程6にて籾摺りが行われる。
この籾摺り工程6において籾は、水分、温度、ノゲ落ち
等の条件がすべて満たされており、脱ップ率および搗精
歩留を低下させることなく、かつ、肌ずれもなく食味の
よい玄米が得られる。この実施例の場合は、中間乾燥工
程10および仕上乾燥工程12共に除湿乾燥を行うので、乾
減負荷を同一にした除湿機を使用して、その日に収穫し
た収穫米をその翌日のうちに籾摺りして処理することも
できるし、中間乾燥工程10にて水分17%にして35日間無
通風にして一次貯留するようにし、仕上乾燥工程12の乾
減負荷を少なくするように制御することも可能である。
次に、第2図に示す実施例について説明すると、この実
施例は、中間乾燥工程15に火力乾燥を用い、仕上乾燥工
程16に除湿乾燥を用いている。この実施例の場合も火力
乾燥を用いた中間乾燥工程15の乾減負荷を少なくするの
が良い。例えば、火力乾燥をみ中間乾燥工程15にて水分
22%にまで乾燥する。
すなわち、荷受1にて受け入れられた収穫米の水分24%
から22%までの2%水分を蒸発すればよいことになる。
毎時乾減率に換算すると0.1%/時間となり、籾の温度
をそれ程高くすることなくその乾燥速度を緩やかにし、
かつ、籾の掻き混ぜも少なくてノゲ落ちをなくすように
する。そして次に一次貯留槽11に貯留する。
一次貯留槽11に貯留された水分22%の収穫米は、その日
の内に仕上乾燥工程に送られれば問題はないが、数日間
貯留される場合は、通風機13にて一次貯留槽11に通風し
貯留する。この通風により、一次貯留槽11内の収穫米の
水分は蒸発するが、水分22%で十分に高いから過乾燥に
なることはない。また、通風貯留により、一次貯留槽11
内の収穫米の水分が不均一であって中間乾燥15が火力乾
燥であっても、仕上乾燥工程16が除湿乾燥であるから、
仕上乾燥水分16%は、均一に調整される。そして、仕上
乾燥工程16が除湿乾燥であっても、中間乾燥工程15で水
分が22%〜17%の範囲で乾燥するので、短時間に、か
つ、除湿乾燥の最も効率のよい乾減率で乾燥することが
できる。
このようにして、搗精歩留、脱ップ率、肌ずれ、食味の
問題はなく籾摺り工程6にて籾摺りされる。この実施例
の場合も第1図に示した実施例と同様に、中間乾燥工程
15にて水分が22%〜17%の範囲で乾燥されることから、
刈取し脱穀した収穫米は、水分わけをすることなしに荷
受け工程1にて荷受けされ、水分わけ誤りによる胴割れ
や食味低下が防止される。
上記第1図および第2図に示した実施例について、最も
可能性の高い処理態様について説明したが、中間乾燥工
程および仕上乾燥工程の乾減負荷の制御は、収穫米の処
理状況、消費エネルギおよび搗精歩留や食味等との関係
で任意に制御されるものである。
次に、第3図および第4図に示す実施例について説明す
る。ここに示す実施例は一次貯留槽11内で水分を22%〜
17%に調整するようにしたものである。また、この実施
例は荷受1にて荷受けした収穫米を、直接に一次貯留槽
11に貯留するようにして、農繁期における刈取脱穀、運
搬の渋滞を緩和するように配慮したものである。
第3図において、中間乾燥により水分22%から17%の範
囲で中間乾燥されるので、水分分けをすることなしに、
荷受1に荷受けした収穫米は直接に一次貯留槽11に貯留
される。そして、貯留された水分24%の収穫米は、除湿
乾燥機18から送られる所定の湿度と温度の空気により、
一次貯留槽11内で、水分22%から17%の範囲で中間乾燥
される。この一次貯留槽11内での中間乾燥において、水
分22%から17%の範囲で中間乾燥すればよいので、短時
間に、かつ、除湿乾燥の最も乾燥効率のよい状態で乾燥
することが可能となり、また除湿乾燥の原理により貯留
されている収穫米は、ほぼ常温にて掻き混ぜることな
く、かつ、均一に乾燥される。
これにより、貯留されている収穫米は、過乾燥されず、
胴割れ、食味低下はなく、かつ、ノゲ落ちもない。また
この方式の場合は、一次貯留槽11内に空気を送り込むの
で、通風貯留と中間乾燥の両方を兼ねている。したがっ
て、一次貯留槽11から払い出される収穫米の水分は22%
〜17%の範囲内である水分%になっている。
すなわち、除湿乾燥であるから貯留されている収穫米の
水分のバラツキはなく、例えば水分22%〜17%の範囲内
の20%に均一化された水分となって払い出される。この
ようにして、需要量に応じて払い出された収穫米は、除
湿乾燥を用いた仕上乾燥工程17にて水分16%に乾燥され
て、籾摺り工程6にて籾摺りされる。
この仕上乾燥工程17においても中間乾燥で水分22%〜17
%の範囲で乾燥されているので、除湿乾燥によ乾減負荷
を少なくし、短時間に、かつ、除湿乾燥の最も効率のよ
い乾燥が可能になり、更に胴割れ、食味低下、ノゲ落ち
はなく、水分16%に正確に調整されて籾摺りされる。し
たがって、搗精歩留の低下、肌ずれの発生、食味低下、
脱ップ率の低下をもたらすことなく籾摺りされる。
第4図に示す実施例は、第3図に示した実施例の除湿乾
燥機18の代わりに火力乾燥機19を用いて、一次貯留槽11
内で水分22%から17%の範囲で中間乾燥するようにした
ものである。この実施例の場合においても水分22%〜17
%の範囲で中間乾燥するので、一次貯留槽11内での中間
乾燥の乾減負荷を少なくし、除湿乾燥を用いた仕上乾燥
工程17の乾減負荷を大きくすることが可能となる。
また、この実施例も通風貯留と中間乾燥の両方を兼ねて
いるから、長期間の貯留に適している。すなわち、火力
乾燥機19から送られる空気の温度を低くして、乾減負荷
を十分小さくすることにより、貯留されている籾の温度
を緩やかに昇温し、かつ、掻き混ぜも緩やかにして、過
乾燥により胴割れや食味低下の防止およびノゲ落ちの防
止が可能になる。
また、収穫した翌日に籾摺りする場合でも、中間乾燥に
おける毎時乾減率を0.1%にすることにより処理するこ
とが可能であるから、その乾減速度は緩やかであり、過
乾燥による胴割れ、食味低下、ノゲ落ちは起こらない。
このようにして、一次貯留槽11内で中間乾燥された収穫
米は、次に仕上乾燥工程17で乾燥される。その仕上乾燥
工程17において、中間乾燥で水分22%〜17%に乾燥され
ているので、短時間に、かつ、除湿乾燥の最も効率のよ
い乾燥をすることが可能となる。そして、中間乾燥は火
力乾燥であるので、一次貯留槽11から払い出される収穫
米の水分には多少バラツキはあるが、仕上乾燥工程17は
除湿乾燥であるから、水分16%に均一に、かつ、正確に
乾燥される。
そして、水分16%、ノゲ落ちなし、胴割れなしの状態で
籾摺りされるので、搗精歩留、脱ップ率、肌ずれおよび
食味の点で問題なく籾摺り工程6にて摺籾りされる。
上記第3図および第4図に示した実施例について、最も
可能性の高い処理態様について説明したが、中間乾燥工
程および仕上乾燥工程の乾減負荷の制御は、収穫米の処
理状況、消費エネルギおよび搗精歩留や食味等との関係
で任意に制御されるものである。また、第3図における
仕上乾燥工程17の除湿機を除湿機18の代わりに共用させ
ることも可能である。
次に、第5図および第6図に示す実施例について説明す
る。この実施例は、荷受1にて荷受けした収穫米を受け
入れ貯留槽21に受け入れて水分を平均化する前工程を設
けたものである。この実施例の場合は、農繁期の刈取、
脱穀および運搬の渋滞の緩和と、天候等による水分のバ
ラツキ、および長期全量貯留を配慮したものである。受
け入れ貯留槽21では通風貯留と水分平均化乾燥の両方を
兼ねるようにしている。
第5図において、収穫米の水分が平均化されることか
ら、荷受1に受け入れた収穫米は、水分分けをすること
なく直接に受け入れ貯留槽21に受け入れられる。そし
て、除湿乾燥機22で湿度および温度調節した空気を受け
入れ貯留槽21に送気して、水分24%〜22%の範囲で除湿
乾燥する。
これにより、受け入れ貯留槽21内の収穫米の水分は平均
化されると共に通風貯留される。次に、収穫米は除湿乾
燥を用いた中間乾燥工程10にて水分22%から17%の範囲
で乾燥されることにより、短時間で、かつ、除湿乾燥の
最も効率のよい状態で乾燥されて一次貯留槽11に貯留さ
れる。
そして、需要量に応じて払い出し、除湿乾燥を用いた仕
上乾燥工程12にて水分16%にまで、乾減負荷を小さくし
た状態で乾燥し、籾摺り工程6にて籾摺りされる。この
処理工程において、例えば、全量の収穫米を35日間貯留
する場合は、除湿乾燥を用いた中間乾燥工程10で水分17
%まで乾燥し、無通風にて全量一次貯留槽11で貯留する
のが消費エネルギ上好ましく、また中間乾燥工程10は除
湿乾燥であるので、籾粒についての水分は均一であり、
一次貯留槽11での水分の移動はない。
したがって、一次貯留槽11内に貯留されている収穫米の
水分17%は信頼性が高く、長期間貯留してもかび発生の
管理が容易になる。また、35日間以上更に長期間貯留す
る場合は、受け入れ貯留槽21にて通風貯留し、水分16%
以下の過乾燥にならないように、貯留日数に対する除湿
乾燥機22の乾減負荷を制御する。
また、受け入れ貯留槽21、中間乾燥工程10および仕上乾
燥工程12は、いずれも除湿乾燥であるので、籾摺り工程
6での搗精歩留、脱ップ率、肌ずれおよび食味は、前に
説明した第1図に示す実施例と同じであるのでその説明
は省略する。
次に第6図に示す実施例は、第5図に示した実施例のう
ち、除湿乾燥機22に代えて火力乾燥機23を設けたもので
ある。すなわち、受け入れ貯留槽21内に直接に受け入れ
られた収穫米は、火力乾燥機23から送気される温風によ
り、水分24%から20%の範囲で火力乾燥すると共に通風
貯留する。
そして、乾減負荷を少なくして乾燥することにより過乾
燥はなく、胴割れ、ノゲ落ち、食味低下はなく、水分が
均一化される。また、受け入れ貯留槽21内では、長期間
の貯留により水分の移動が行われて、水分の均一化に寄
与する。
このように前工程として水分を均一化することは後の中
間乾燥工程、仕上乾燥工程および籾摺り工程の制御、例
えば、後の乾減負荷を少なくして、搗精歩留、脱ップ
率、肌ずれおよび食味を損なうことなく、需要に対して
その対応を速やかに行うことが可能になると共に、長期
貯留あるいは短期処理など多種の処理態様への適用が可
能である。
なお、除湿乾燥機22および火力乾燥機23に代えて自然通
風してもよい。
(発明の効果) 以上詳述した通り本発明によれば、収穫米の処理工程を
中間乾燥と仕上乾燥の二つの工程に分け、中間乾燥の水
分を22%〜17%にし、除湿乾燥の使用を可能にして除湿
乾燥の長所を引き出し、かつ、火力乾燥の欠点をなくす
ようにしたので、その日に収穫したものを数日のうちに
処理するという処理態様に対しても除湿乾燥の使用を可
能にすることができると共に、除湿乾燥の乾減率が最も
良い状態で収穫米の処理をすることができ、更に長期貯
留も可能にして農繁期における刈取、荷受け、乾燥、籾
摺り等の労働力集中化を分散し、労力軽減を図ることが
できる。
また、このように除湿乾燥の使用が可能になることによ
り、搗精歩留の向上、脱ップ率の向上、肌ずれの低減お
よび食味の維持が達成されると共に、除湿乾燥と火力乾
燥の組み合わせにより、上記搗精歩留等の向上を図ると
共に、あらゆる処理態様への対応が可能になる等の優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明の一実施例であり、第1図
は中間乾燥および仕上乾燥に除湿乾燥を用いた場合の模
式図、第2図は第1図の中間乾燥に火力乾燥を用いた場
合の模式図、第3図は除湿乾燥機を用いて一次貯留しな
がら中間乾燥し、仕上乾燥に除湿乾燥を用いた場合の模
式図、第4図は第3図の除湿乾燥機の代わりに火力乾燥
機を用いた場合の模式図、第5図は除湿乾燥機を用いて
受け入れ貯留するようにした模式図、第6図は第5図の
除湿乾燥機の代わりに火力乾燥を用いた場合の模式図で
ある。 第7図は従来の収穫米の処理方法を示す模式図、第8図
は他の従来例の模式図、第9図は更に他の従来例の模式
図である。 1……荷受 6……籾摺り工程 10……中間乾燥工程 11……中間乾燥工程 12……仕上乾燥工程 14……仕上乾燥工程 16……仕上乾燥工程 17……仕上乾燥工程 18……中間乾燥工程 19……中間乾燥工程 20……仕上乾燥工程

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収穫米を乾燥し、その後籾摺する収穫米の
    処理方法において、収穫米の水分が22%〜17%になるよ
    うに除湿乾燥により一旦中間乾燥した後に、籾摺り工程
    前に前記中間乾燥した収穫米を所定の水分になるように
    除湿乾燥により仕上乾燥することを特徴とする収穫米の
    処理方法。
  2. 【請求項2】荷受けした収穫米を水分が22%〜17%まで
    除湿乾燥により中間乾燥した後に、一次貯留することを
    特徴とする請求項1記載の収穫米の処理方法。
  3. 【請求項3】中間乾燥を火力乾燥にしたことを特徴とす
    る請求項1および2項記載の収穫米の処理方法。
  4. 【請求項4】荷受けした収穫米を受け入れ貯留し、この
    受け入れ貯留中に収穫米の水分を22%〜17%になるよう
    に除湿乾燥により中間乾燥することを特徴とする請求項
    1記載の収穫米の処理方法。
  5. 【請求項5】受け入れ貯留中に収穫米の水分を22%〜17
    %になるように火力乾燥により中間乾燥することを特徴
    とする請求項4記載の収穫米の処理方法。
  6. 【請求項6】荷受けした収穫米を受け入れ貯留し、この
    受け入れ貯留中に収穫米の水分平均化乾燥を行い、この
    受け入れ貯留し水分が平均化された収穫米の水分を22%
    〜17%になるように中間乾燥して一次貯留したことを特
    徴とする請求項1記載の収穫米の処理方法。
  7. 【請求項7】水分平均化乾燥を除湿乾燥にしたことを特
    徴とする請求項6記載の収穫米の処理方法。
  8. 【請求項8】水分平均化乾燥を火力乾燥にしたことを特
    徴とする請求項6記載の収穫米の処理方法。
  9. 【請求項9】水分平均化乾燥を自然通風乾燥にしたこと
    を特徴とする請求項6記載の収穫米の処理方法。
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二瓶貞一「精米と精穀(昭16−3−25)西ヶ原刊行会P.87、201〜202

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