JPH061502A - 枠替方法 - Google Patents

枠替方法

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JPH061502A
JPH061502A JP4160966A JP16096692A JPH061502A JP H061502 A JPH061502 A JP H061502A JP 4160966 A JP4160966 A JP 4160966A JP 16096692 A JP16096692 A JP 16096692A JP H061502 A JPH061502 A JP H061502A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続走行する紙シートの巻取を所定巻取量に
達した旧スプールから新スプールへ転換する枠替方法と
して、極めて簡素な装置構成により、腰の強いシートで
あってもシート折れを生じることなく円滑に枠替でき、
欠陥部分の極めて少ない巻取が安定して得られる方法を
提供する。 【構成】 回転ドラム1に接して連続的に送られてくる
シート6をエアージェットによりシートカットして、そ
のシート始端部を待機している新スプール2Bに巻き込
んで枠替を行う方法において、シートカットの直前にシ
ート6の表面中央部に回転輪12を接触して回転させる
ことにより、回転輪12の周面に設けた切込み刃18に
よりシート幅方向に沿う切れ目を入れると共に、回転輪
12の周面に被着している粘着材料20を切れ目の後方
のシート表面に転着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙の連続巻取りにおい
て、巻取り量が所定量に達したスプールより紙を切り離
して新スプールに巻き付けるための枠替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工場においては様々な形式の巻取機
が用いられているが、例えば原紙を製造する抄紙機、塗
料を塗布して塗被紙を製造するコーター装置、抄紙から
塗被紙の製造まで連続して行うオンラインコーティング
方式の抄紙機等のリールパートでは、主として水平レー
ル型巻取機が汎用されている。
【0003】この水平レール型巻取機(以下、巻取機と
いう)においては、リールドラムに接して連続的に送ら
れてくるシートが水平レール上で該ドラムに接圧しつつ
回転するスプールに巻き取られるが、この巻取り量が所
定量に達して枠替を行う段階になった際、プライマリー
アームに保持されて待機する新スプールを該プライマリ
ーアームの傾動によりリールドラムに当接すると共に、
通常ではエアージェットの噴出圧によりシートカットを
行い、切断されたシートの始端部を新スプールに巻き付
かせて巻取りを開始する一方、巻取りを終えた旧スプー
ルをセカンダリーアームにて水平レール上で後退させ、
巻取り中の新スプールをプライマリーアームにて水平レ
ール上まで降下させ、セカンダリーアームにてリールド
ラムに押し付けるようにしている。
【0004】しかるに、上記のエアージェットによりシ
ートカットを行う方法では、破断されたシートの始端部
が極めて不規則な形状になるため、新スプールへの巻付
けがスムーズに行われず、巻き始めの部分で幾重にも折
り重なるようなシート折れを生じる上、シートの性状に
よってはうまく切断できなかったり巻き付け始めて直ぐ
にシート切れを発生して枠替に時間がかかる場合があっ
た。
【0005】そして、上述のようなシート折れがある
と、巻取の下層部(下巻部)に膨れや皺等の欠陥がで
き、その上にシートが連続的に巻き重ねられて層を形成
するため、シート折れ状態で巻き込んだ部分では内方向
への圧縮力が強くなって層の潰れを生じると共に、巻取
の端面(所謂鏡面)が菊形状(花咲き、Ster、星型
等とも称される)になり易く、これらにより製品として
使えない不良部分の割合が非常に多い巻取となる。ま
た、上述のように枠替に時間がかかれば、例えば抄紙機
においては枠替の間に前工程から連続的に送られてくる
シートを全部除去することになるため、膨大な損失を生
じて製品の生産効率が悪くなる上、除去作業と除去後の
欠陥シートの処理に多大な労力を必要とする
【0006】そこで、本出願人は先に、ドラムの上流側
でシートの中央部に幅方向に沿う切れ目を入れ、この切
れ目にエアージェットを吹き込むことによってシートを
破断する方法を提案している(実開平1ー129163
号公報)。この方法において、特に回転輪の周面に設け
た切込み刃により切れ目を入れる手段では、装置構成が
極めて簡素となり、設備コストが少なくて済み、しかも
走行するシートに回転輪が接して回転し、その周速とシ
ートの送りが略同調した状態で切込みを行うため、無理
なく確実にシート幅方向の切れ目が入り、エアージェッ
トの吹き込みによる切断性がよく、シート始端が整った
形状になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように回転輪の切込み刃でシートに切れ目を入れてエア
ージェットによるシートカットを行う手段でも、シート
折れを確実には防止できず、特にシートが紙力の強い厚
地の原紙に多量の塗液を塗布した厚物の塗被紙である場
合は、エアージェットによる切断後のシート始端の腰が
強いため、新スプールへの巻付けが円滑に行われず、巻
き始めの部分が幾重にも折り重なった状態になることが
避けられなかった。
【0008】本発明の目的は、上述の状況に鑑み、極め
て簡素な装置構成により、厚物の塗被紙のように腰の強
いシートであっても、エアージェットにより整った形状
に確実に切断して、この切断後のシート始端を続いて新
スプールにシート折れを生じることなく綺麗に巻き付け
させることができ、もって円滑な枠替を行えると共に、
欠陥部分の極めて少ない巻取が得られ、製品の生産効率
を著しく高め得る枠替方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、回転ドラムに接して連続的に送
られてくるシートを該ドラムに押し付けられて回転する
スプールに巻取り、この巻取り量が所定量に達したスプ
ールを前記ドラムから離すと共にエアージェットにより
シートカットを行い、カットされたシート始端部を待機
している新スプールに巻き込んで枠替を行う方法におい
て、新スプールの待機位置の上流側で且つシート中央部
の上方に、周面にシート幅方向に沿う切込み刃を備える
と共に粘着材料を有する回転輪を昇降自在に配置し、こ
の回転輪を前記シートカットの直前にシート表面に当接
して回転させることにより、シートに上記切込み刃で切
れ目を入れると共に、この切れ目の後方に前記粘着材料
を転着させることを特徴とする構成を採用したものであ
る。
【0010】同様目的において、請求項2の発明は上記
回転輪がその保持部材に遊転自在に取付られてなる構
成、請求項3の発明は上記回転輪の周面にスパイクピン
が設けられてなる構成、請求項4の発明は上記粘着材料
が回転輪のシート当接時の回転方向における切込み刃の
直後に被着されてなる構成、請求項5の発明は切込み刃
と粘着材料とが回転輪の一周回転途上の後方寄りに位置
するように回転輪に錘が取り付けられなる構成、請求項
6の発明は切込み刃の直後に粘着材料の一端部が被着さ
れると共に他端部は剥離材を介して回転輪より離れた適
所に仮止めされてなる構成、及び請求項7の発明は上記
粘着材料が両面粘着フィルムからなる構成、をそれぞれ
採用したものである。
【0011】
【作用】請求項1によれば、枠替に際し、回転輪をシー
トカットの直前に下降させ、シート表面に当接させて回
転させることにより、その周面の切込み刃がシートに切
り込み、該シートの中央部にシート幅方向の切れ目が入
り、続いて回転輪の周面に有する粘着材料が前記切れ目
の後方に転着する。次にエアージェットが上記の切れ目
に吹き込まれることにより、当該シートは切れ目の両側
よりシート両側縁へ破断が進行して切断される。しかし
て、切断後のシート始端は上記の切れ目を頂きとする等
脚台形状をなし、その頂き部分つまり尖端部に近い位置
に粘着材料が被着した状態になるため、該粘着材料によ
ってシートの尖端部は待機している新スプールの表面に
直ちに貼着し、この貼着部より引き込まれる形で新スプ
ールの回転と共にシートが当該スプールに確実に巻き付
いてゆき、以降は新プールによって巻取が続行されるこ
とになる。
【0012】請求項2によれば、回転輪が走行するシー
トとの摩擦抵抗によって自動的に回転し、この回転周速
がシートの走行速度と略同調した状態で切込み刃による
切り込みと粘着材料の転着がなされる。
【0013】請求項3によれば、保持部材に遊転状態に
保持させた回転輪をシートに接触させた際、スパイクピ
ンがシートに突き刺さった段階で、回転輪の周速がシー
トの送りに完全に同調する。
【0014】請求項4によれば、シートが非常に高速で
走行していても、常に切れ目から近い位置に粘着材料が
被着されることになる。
【0015】請求項5によれば、回転輪の切込み刃と粘
着フィルムを一周回転途上の後方定位置で常時待機させ
ることにより、該回転輪の回転がシートの送りに出来る
だけ同調する状態で切込みを行わせることができる。
【0016】請求項6によれば、走行速度の速いシート
に接することによって回転輪が急速回転し切込み刃の直
後の粘着材料がシートに充分に被着されない恐れがあっ
ても、一端部が切込み刃の直後に被着された粘着材料の
他端部が剥離材を介して回転輪より離れた適所に仮止め
されることによって、粘着材料を長く取ることができる
と共に、シートの送り速度と回転輪の回転速度とが出来
るだけ同調する位置に粘着材料を備えることができ、こ
れによってシートに切込みの直後に確実に粘着材料を被
着させることができる。
【0017】請求項7によれば、粘着材料が両面粘着フ
ィルムであるため、回転輪の周面に容易に被着でき、そ
の被着面を離型性表面としてシートへ確実に転着させる
ことができ、またシート始端の新スプールに対する貼着
性が高くなる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の枠替方法の一実施例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明方法を適用す
る水平レール型巻取機を示しており、1は機台10に設
置されて図示しない駆動機構により一定速度で回転駆動
するリールドラム、2Aは基台10より後方へ延出され
た水平レール10a上に載置されたスプール、2Bはリ
ールドラム1の両側に配置するプライマリーアーム3に
保持されて該ドラム1上に待機するスプール、4はスプ
ール2Aの巻取をリールドラム1へ押し付けるセカンダ
リーアーム、5はリールドラム1の前方に配置したガイ
ドロールであり、抄紙工程やコーティング工程より送ら
れてくるシート6がリールドラム1を介してスプール2
Aに連続的に巻き取られるように構成されている。な
お、スプール2Aはリールドラム1との接触によって従
動回転している。
【0019】7は先端にノズル口7aを有する下向きに
湾曲したエアージエット用回動アームであり、該ノズル
口7aに高圧エアーを供給する管路を構成しており、基
端側においてガイドロール5の上方でシート6の幅方向
に沿う水平フレーム8aに枢支されて、基端に連結した
シリンダー9の作動によって上下回動するが、枠替時以
外は図示の如く先端を上方に位置させた待機姿勢に設定
される。しかして、水平フレーム8aの左右両側の垂直
フレーム8b,8b間に水平ガイドバー11,11が架
設されており、両ガイドバー11,11には回転輪12
を保持するスライダー13がシート6の幅方向に移動可
能に嵌装されている。
【0020】図3及び図4に示すように、スライダー1
3には昇降用シリンダー14がピストンロッド14aを
下向きとして取り付けられ、このロッド14aの先端に
下向き開放コ字形の保持枠15が連結され、前記の回転
輪12が該保持枠15の両側下端部間に架設した水平枢
軸15aを介して遊転自在に保持されている。またスラ
イダー13には対向する内面側に上下方向のガイド凸条
13aを有する左右一対の昇降ガイド枠13b,13b
が垂設され、両ガイド凸条13a,13aに保持枠15
の両側のガイド部15b,15bが跨嵌しており、昇降
用シリンダー14の作動によって回転輪12がリールド
ラム1とガイドロール5との間で昇降動作するようにな
されている。なお、回転輪12の回転軸心はシート6の
幅方向に一致している。
【0021】しかして、各昇降ガイド枠13bの下端に
は下方側からストッパーボルト16が螺挿され、その上
端が保持枠15のガイド部15aの下端に当接するよう
になされており、その螺挿量の調整によって回転輪12
は下降限位置で図4の仮想線の如くシート6の上面に接
するように設定される。なお、スライダー13は水平ガ
イドバー11,11間に配置したロッドレスシリンダー
17の駆動によってシート6の幅方向に移動するように
構成されている。
【0022】回転輪12は軽量のアルミ合金製であり、
ゴム張りされた外周面12aには、一か所に幅方向に沿
う鋸刃状の切込み刃18がシート6との接触時の回転方
向(図4の時計回り方向)で若干前方へ倒れる状態に固
設されると共に、該切込み刃18の同回転方向における
直後の位置に、離型性シートの貼着等によって形成した
剥離面19を有しており、この剥離面19に両面粘着フ
ィルム20を被着するように設定され、更に切込み刃1
8とは周方向で離れた位置にスパイクピン21が植設さ
れている。また該回転輪12の内周部の一か所には錘2
2が取り付られ、これにより、当該回転輪12がシート
6から離れた状態において、切込み刃18と両面粘着テ
ープ20とが常に上記回転の一周回の後方寄りに位置す
るように設定している。
【0023】この回転輪12は、枠替の前に、スライダ
ー13をガイドバー11,11の一旦側へ寄せた位置で
剥離面19に両面粘着フィルム20を被着させた上で、
該スライダー13を移動してシート6の中央位置の上方
で待機させておく。
【0024】しかして、スプール2Aの巻取り量が所定
量に達して枠替を必要とする段階になれば、準備とし
て、まず待機しているスプール2Bを図示しない駆動機
構によりシート6の送り速度に同調するように回転さ
せ、シリンダー9の駆動によりエアージエット用回動ア
ーム7をノズル口7aが図2の如くリールドラム1の周
面に近接する位置まで下方へ回動させる。次に、図2に
示すように、プライマリーアーム3をリールドラム1の
回転方向へ若干傾動させ、スプール2Bの周面をリール
ドラム1に接圧させることにより、該スプール2Bがリ
ールドラム1の回転力により従動回転するように設定す
る。
【0025】上記の準備を終えれば、昇降用シリンダー
14の駆動により回転輪12を下降させ、これと略同時
にエアージエット用回動アーム7のノズル口7aよりエ
アージェットを噴射させる。しかして、回転輪12は錘
22の位置で走行するシート6に接触し、その摺接抵抗
により該シート6に引っ張られて直ちに回転を開始し、
先ずスパイクピン21がシート6に突き入った時点で回
転周速が完全にシート6の送りと同調し、この同調状態
で切込み刃18がシート6に切り込み、その直後に両面
粘着フィルム20が周面より剥離してシート6の表面に
転着する。これにより、シート6は、図5に示すよう
に、中央部に幅方向の切れ目23が形成されると共に、
その後方に粘着フィルム20が被着した状態となる。
【0026】続いて、切れ目23にノズル口7aからの
エアージェットが吹き込まれることにより、該切れ目2
3の両端から2本の破断線24がシート6の両側縁に向
かって斜めに走り、該シート6は切れ目23を頂きとす
る等脚台形状の切断線で切断されると同時に、その尖端
状のシート始端がエアージェットによって吹き上げら
れ、粘着フィルム20が先ずスプール2Bの表面に貼着
し、この貼着した始端側から引っ張り込まれ形で連続的
に該スプール2Bに巻き付いて行き、シート折れを殆ど
生じることなく枠替される。
【0027】なお、回転輪12はタイマー設定による昇
降用シリンダー14の退入作動で極短時間の接触の後に
シート6より上方へ離脱させるが、この短時間の接触中
にも数回転するためにシート6には定間隔に複数の切れ
目23が形成されることになるが、最初の切れ目23で
シート6が切断された後のエアージェットの圧力はスプ
ール2Bへのシート6の巻付けを助長するように作用し
ていることから、2番目以降の切れ目23でシート6の
破断を生じる恐れはない。
【0028】かくして巻取を終えたスプール2Aは機台
10の水平レール10a上を後方へ移動してウインチ等
で運び出される。一方、巻取を開始したスプール2B
は、プライマリーアーム3の傾動により巻取を続けなが
ら水平レール10a上へ降ろされ、該プライマリーアー
ム3からセカンダリーアーム4に受け渡され、旧のスプ
ール2Aと同様に所定量の巻き取りを終えるまでセカン
ダリーアーム4によってリールドラム1に押し付けられ
て回転する。
【0029】なお、粘着材料として両面粘着フィルムの
代わりに液状ないしペースト状の接着剤を回転輪12の
周面に塗着させ、この接着剤をシート6の表面に転着さ
せてもよい。しかして、これら粘着材料の回転輪12の
周面に被着させる手段は、適当な供給装置によって自動
化することも容易であるが、枠替は通常数十分置きであ
って充分な時間的余裕があるため、枠替の都度に人手に
よって被着させる体制でも支障はない。また回転輪12
は、上記粘着材料の被着操作に差支えなければ、実施例
の如きスライダー13を介さずにシート6の中央部上で
昇降のみ可能に設置することもできる。更に、回転輪1
2の昇降手段として、実施例の如きシリンダー以外の種
々の昇降方式を採用可能である。
【0030】また、上記実施例では回転輪12の切込み
刃18と粘着フィルム20を一周回の後方定位置で常時
待機させることにより、該回転輪12の回転がシート6
の送りに出来るだけ同調する状態で切込みを行わせると
共に、粘着フィルム20が切込みの前にシート6に先に
転着して持ち去られることを防止するように設定してい
るが、この切込み刃18を回転輪12の周面の例えば3
ヵ所等の複数箇所に設け、各切込み刃18の直後にそれ
ぞれ粘着材料を被着させる構成としてもよい。すなわ
ち、この後者の構成では、回転輪12が何れの周面位置
でシート6との接触を開始してもシートカットする切れ
目23の後に粘着材料が転着することになるから、実施
例のように錘22等で待機時の回転輪12を定回転姿勢
に保持する必要がない。なお、スパイクピン21は回転
輪12の回転をシート6の送りにより早く同調させるた
めに設けているが、これは省略可能である。
【0031】図5は、他の実施例を示すもので、回転輪
12に両面粘着テープ20を被着する際に、(a)に示
すように、該粘着テープ20の一端部を回転輪12の一
周回転間の下流側に位置する切込み刃18の直後に被着
し、その他端部を上方側に折り返すようにして剥離テー
プ19を介して回転輪12を保持する保持枠15にクリ
ップや適当な粘着材によって仮止めしてなるものであ
る。このように粘着テープ20の他端部を回転輪12か
ら遠ざかった適当の個所に仮止めすることによって、粘
着テープ20の長さを長く取ることができ、且つ回転輪
12が一回転する際の最も下流側の位置に粘着テープ2
0を持ってくることができる。
【0032】即ち、(b)に示すように回転輪12が下
降して走行するシート6に接することによって、回転輪
12が急速に一回転する後半において可能な限りシート
6の送りと同調して、切込み刃18によるシート6への
切込みの直後のシート6に、該剥離テープ19上の粘着
テープ20が被着されることになる。なお、回転輪12
の回転に伴って、剥離テープ19の仮止め部分が外れて
回転輪12の外周面に沿いながら、粘着テープ20はシ
ート6に被着されるが剥離テープ19は回転輪12の外
周面に残存することになる。前記実施例のように、回転
輪12の外周面に直接に粘着テープ20を被着する場合
にあっては、粘着テープ20の長さをあまり長く取るこ
とができないため、走行速度の速いシート6に回転輪1
2が接することによって、粘着テープ20がシート6に
充分に接する前に回転輪12が急速回転して粘着テープ
20をシート6に被着することができない場合がある。
【0033】これに対して、この実施例によれば、粘着
テープ20を回転輪12の一周回転の下流側から、且つ
長いテープ20がシート6に接するようになるため、例
えシート6の走行速度、従って回転輪12の回転速度が
速くても確実に粘着テープ20をシート6に被着させる
ことができる。
【0034】更に前記実施例の回転輪12は昇降用シリ
ンダー14に遊転自在に保持されてシート6との接触に
より回転を開始するものとしているが、例えば該回転輪
12を側方からのエアー吹き付けによって回転し得る羽
根車状の構造としたり、適当な回転駆動機構を付設する
こと等により、枠替に際して該回転輪12をシート6へ
接触させる前に回転させておき、シート6への当接時の
ショックを少なくしたり、予め回転周速をシート6の送
りに同調させて切込み刃18による切込みと粘着材料の
転着をより円滑に行わせるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、枠替に際し、
エアージェットによりシートを容易に確実に切断でき、
且つ切断されたシート始端が新スプールに巻き込まれ易
い等脚台形状となり、しかも粘着材料によりシート始端
が新スプールの表面に貼着して当該スプールの回転と共
に引き込まれる形で巻き付けが開始されることから、厚
物の塗被紙のように腰の強いシートであってもシート折
れを生じず、綺麗に成層する状態で巻き取りでき、もっ
て円滑な枠替を行えると共に、欠陥部分の極めて少ない
巻取が得られ、製品の生産効率が著しく高められる。
【0036】また、特にこの枠替方法では、シート表面
に接触させる回転輪により、シートカットを確実に行わ
せるためにシート中央部に幅方向の切れ目を入れる機能
と、この切れ目の後方に粘着材料を被着させる機能とが
担われることから、両機能を付与するための装置構成が
極めて簡素となり設備コストも安くつく上、上記の切れ
目の形成と粘着材料の被着は回転輪がシートに接触して
回転する過程で無理なく確実になされることから、シー
トに過度な力がかからずシートカット前の破断を回避で
きると共に、切れ目の形や方向の乱れを生じず粘着材料
の被着状態も安定するため、機能的に高い信頼性が得ら
れるという利点がある。
【0037】請求項2の発明によれば、回転輪がシート
との接触により自動的に回転するため、格別な回転駆動
機構及び制御機構を要さずにシートに対する切れ目の形
成と粘着材料の被着を確実に行うことができ、それだけ
設備コストが低減されると言う利点がある。
【0038】請求項3の発明によれば、保持部材に遊転
状態に保持させる回転輪をシートに接触させた際、その
回転周速が直ちにシートの送りに同調するから、切れ目
の形成と粘着材料の被着をより安定した状態で行えると
いう利点がある。
【0039】請求項4の発明によれば、シートが非常に
高速で走行していても、切れ目から近い位置に粘着材料
が被着され、それだけ切断後のシート始端の新スプール
に対する巻き付きの確実性が増すという利点がある。
【0040】請求項5の発明によれば、回転輪の回転が
シートの送りに出来るだけ同調する状態で切込みが行わ
れるため、切込み刃の抵抗によってシートに対する切込
みが不正確になるというようなことがなく、より一層正
確に切込むことができる。
【0041】請求項6の発明によれば、粘着材料を回転
輪の一周回転の出来るだけ下流側に持ってくることがで
きると共に、粘着材料の長さを長く取ることができ、こ
れによってシートの送り速度が速くても確実に粘着材料
をシートに被着させることができる。
【0042】請求項7の発明によれば、回転輪の周面に
対する粘着材料の被着操作が容易となり、またシート始
端の新スプールに対する貼着性がよく、シート折れをよ
り完全に防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を適用した水平レール型巻
取機の枠替前の状態を示す概略側面図。
【図2】 同巻取機の枠替時の状態を示す概略側面図。
【図3】 同巻取機における回転輪とその取付部の正面
図。
【図4】 同回転輪とその取付部の側面図。
【図5】 同他の実施例の要部を示すもので、そのうち
(a)は回転輪に粘着テープを被着する状態を示し、
(b)はその作動状態を示す。
【図6】 シートカット直前のシートの平面図。
【符号の説明】
1 リールドラム(回転ドラム) 2A スプール(旧スプール) 2B スプール(新スプール) 6 シート 7 エアージエット用回動アーム 7a ノズル口 12 回転輪 14 昇降用シリンダー 15 保持枠(保持部材) 18 切込み刃 20 両面粘着テープ 21 スパイクピン 22 錘 23 切れ目

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラムに接して連続的に送られてく
    るシートを該ドラムに押し付けられて回転するスプール
    に巻取り、この巻取り量が所定量に達したスプールを前
    記ドラムから離すと共にエアージェットによりシートカ
    ットを行い、カットされたシート始端部を待機している
    新スプールに巻き込んで枠替を行う方法において、新ス
    プールの待機位置の上流側で且つシート中央部の上方
    に、周面にシート幅方向に沿う切込み刃を備えると共に
    粘着材料を有する回転輪を昇降自在に配置し、この回転
    輪を前記シートカットの直前にシート表面に当接して回
    転させることにより、シートに上記切込み刃で切れ目を
    入れると共に、この切れ目の後方に前記粘着材料を転着
    させることを特徴とする枠替方法。
  2. 【請求項2】 回転輪がその保持部材に遊転自在に取付
    られてなる請求項1記載の枠替方法。
  3. 【請求項3】 回転輪の周面にスパイクピンが設けられ
    てなる請求項2記載の枠替方法。
  4. 【請求項4】 粘着材料が回転輪のシート当接時の回転
    方向における切込み刃の直後に被着されてなる請求項1
    〜3のいずれかに記載の枠替方法。
  5. 【請求項5】 切込み刃と粘着材料とが回転輪の一周回
    転途上の後方寄りに位置するように回転輪に錘が取り付
    けられなる請求項1〜4のいずれかに記載の枠替方法。
  6. 【請求項6】 切込み刃の直後に粘着材料の一端部が被
    着されると共に、他端部は剥離材を介して回転輪より離
    れた適所に仮止めされてなる請求項1〜5のいずれか記
    載の枠替方法。
  7. 【請求項7】 粘着材料が両面粘着フィルムからなる請
    求項1〜6のいずれかに記載のシート巻取りの枠替方
    法。
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