JPH0614877B2 - 光学活性を有するエポキシドの製造方法 - Google Patents
光学活性を有するエポキシドの製造方法Info
- Publication number
- JPH0614877B2 JPH0614877B2 JP13943986A JP13943986A JPH0614877B2 JP H0614877 B2 JPH0614877 B2 JP H0614877B2 JP 13943986 A JP13943986 A JP 13943986A JP 13943986 A JP13943986 A JP 13943986A JP H0614877 B2 JPH0614877 B2 JP H0614877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxide
- reaction
- genus
- optically active
- ether
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、微生物を利用して芳香環を有するラセミ体の
エポキシドから光学活性を有するエポキシドを製造する
方法に関する。
エポキシドから光学活性を有するエポキシドを製造する
方法に関する。
光学活性を有するエポキシドは、医薬、農薬、強誘電性
液晶をはじめとする種々の有用物質の製造原料或は中間
体として広範囲に利用されている。
液晶をはじめとする種々の有用物質の製造原料或は中間
体として広範囲に利用されている。
従来技術とその問題点 エポキシドの加水分解としては、従来、ヒト、ラット、
ブタの肝ミクロソーム起源のエポキシドハイドロラーゼ
(Epoxide hydrolase、EC3.3.2.3)が知られており、ま
た、このエポキシドハイドロラーゼはその基質特異性が
広く、かつ立体選択的な加水分解を行うことも報告され
ている(J.M.Sayer et al.、「ジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリイ」〔J.Biol.Chem.、260、1630
(1985)〕。しかし、上記エポキシドハイドロラーゼはそ
の入手が容易ではなく、エポキシドの加水分解を工業的
に行うには実用的でない。
ブタの肝ミクロソーム起源のエポキシドハイドロラーゼ
(Epoxide hydrolase、EC3.3.2.3)が知られており、ま
た、このエポキシドハイドロラーゼはその基質特異性が
広く、かつ立体選択的な加水分解を行うことも報告され
ている(J.M.Sayer et al.、「ジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリイ」〔J.Biol.Chem.、260、1630
(1985)〕。しかし、上記エポキシドハイドロラーゼはそ
の入手が容易ではなく、エポキシドの加水分解を工業的
に行うには実用的でない。
一方、微生物起源のエポキシド加水分解酵素にトランス
-2,3-エポキシコハク酸加水分解酵素(trans-Epoxy succ
inate hydratase、EC4.2.1.37)があり、該加水分解酵
素はシユードモナス(Pseudomonas)属、アスペルギルス
属(Aspergillus)属、フラボバクテリウム(Flavobacteri
um)属に属する微生物により産生されることが知られて
いる。また、シス-2,3-エポキシコハク酸の加水分解に
ついては、アクロモバクター・タータロゲネス(Achromo
bacter tartarogenes)が上記エポキシコハク酸よりL−
酒石酸を、アルカリゲネス・レボタ−タリカス(Alcalig
enes levotartaricus)がD−酒石酸を産生することも報
告れさている。
-2,3-エポキシコハク酸加水分解酵素(trans-Epoxy succ
inate hydratase、EC4.2.1.37)があり、該加水分解酵
素はシユードモナス(Pseudomonas)属、アスペルギルス
属(Aspergillus)属、フラボバクテリウム(Flavobacteri
um)属に属する微生物により産生されることが知られて
いる。また、シス-2,3-エポキシコハク酸の加水分解に
ついては、アクロモバクター・タータロゲネス(Achromo
bacter tartarogenes)が上記エポキシコハク酸よりL−
酒石酸を、アルカリゲネス・レボタ−タリカス(Alcalig
enes levotartaricus)がD−酒石酸を産生することも報
告れさている。
しかし、これらの従来知られている微生物起源のエポキ
シド加水分解酵素は、エポキシコハク酸にのみ作用する
酵素であって、他のエポキシドの加水分解に用いること
はできない。
シド加水分解酵素は、エポキシコハク酸にのみ作用する
酵素であって、他のエポキシドの加水分解に用いること
はできない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上述したエポキシドの加水分解に関する問題
点に鑑みなされたものであって、微生物を利用して芳香
環を有するラセミ体のエポキシドから、光学活性を有す
る相当するエポキシドを製造するための方法を提供する
ことを課題とする。
点に鑑みなされたものであって、微生物を利用して芳香
環を有するラセミ体のエポキシドから、光学活性を有す
る相当するエポキシドを製造するための方法を提供する
ことを課題とする。
また、本発明は、光学純度の低い芳香環を有するエポキ
シドから光学純度の高いエポキシドを製造するための方
法を提供することも課題とする。
シドから光学純度の高いエポキシドを製造するための方
法を提供することも課題とする。
本発明では、芳香環を有するエポキシド類を不斉加水分
解する能力を有する微生物を見出し、これらの微生物を
上記エポキシドに作用させることにより、上記課題を解
決し得た。
解する能力を有する微生物を見出し、これらの微生物を
上記エポキシドに作用させることにより、上記課題を解
決し得た。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の構成上の特徴は、ミクロコツカス(Micrococcu
s)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、マイコバク
テリウム(Mycobacterim)属、コリネバクテリウム(Coryn
ebacterim)属、ロドコツカス(Rhodococcus)属、ノカル
デイア(Nocardia)属及びブレビバクテリウム(Brevibact
erim)属から成る群から選択されるエポキシドの不斉加
水分解能を有する微生物を、芳香環を有するエポキシド
に作用させ、生成する光学活性なエポキシドを分解、採
取することにある。
s)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、マイコバク
テリウム(Mycobacterim)属、コリネバクテリウム(Coryn
ebacterim)属、ロドコツカス(Rhodococcus)属、ノカル
デイア(Nocardia)属及びブレビバクテリウム(Brevibact
erim)属から成る群から選択されるエポキシドの不斉加
水分解能を有する微生物を、芳香環を有するエポキシド
に作用させ、生成する光学活性なエポキシドを分解、採
取することにある。
課題を解決するための手段 本発明で用いられる微生物は上掲の各属に属するエポキ
シドの不斉加水分解能を有するものであって、これらの
微生物として第1表に示す菌株を例示し得る。なお、こ
れらの菌株はアメリカン・タイプ・カルチュアー・コレ
クション(American Type Culture ATCC)に下記番号で寄
託されていて容易に入手が可能である。
シドの不斉加水分解能を有するものであって、これらの
微生物として第1表に示す菌株を例示し得る。なお、こ
れらの菌株はアメリカン・タイプ・カルチュアー・コレ
クション(American Type Culture ATCC)に下記番号で寄
託されていて容易に入手が可能である。
本発明において、上掲の各微生物を利用して光学活性を
有するエポキシドを生産するための反応基質として用い
られる芳香環を有するエポキシドとしては、スチレンオ
キサイド、o-,m-,又はp-クロロスチレンオキサイド、o
-,m-,又はp-メチルスチレンオキサイド、フエニルグリ
シジルエーテル、o-,m-,又はp-メチルフエニルグリシジ
ルエーテル、o-アリルフエニルグリシジルエーテル、o-
アリロキシフエニルグリシジルエーテル、ベンジルグリ
シジルエーテル、α−ナフチルグリシジルエーテル等を
例示し得る。
有するエポキシドを生産するための反応基質として用い
られる芳香環を有するエポキシドとしては、スチレンオ
キサイド、o-,m-,又はp-クロロスチレンオキサイド、o
-,m-,又はp-メチルスチレンオキサイド、フエニルグリ
シジルエーテル、o-,m-,又はp-メチルフエニルグリシジ
ルエーテル、o-アリルフエニルグリシジルエーテル、o-
アリロキシフエニルグリシジルエーテル、ベンジルグリ
シジルエーテル、α−ナフチルグリシジルエーテル等を
例示し得る。
本発明では、これらの出発原料としてのエポキシドは、
単純もしくは2種以上の混合物として、或は飽和炭化水
素や芳香族炭化水素のようなエポキシド以外の炭化水素
との混合物として反応基質に用いられる。また、ラセミ
体もしくは光学純度の低いエポキシドも出発原料として
反応基質に用い得る。
単純もしくは2種以上の混合物として、或は飽和炭化水
素や芳香族炭化水素のようなエポキシド以外の炭化水素
との混合物として反応基質に用いられる。また、ラセミ
体もしくは光学純度の低いエポキシドも出発原料として
反応基質に用い得る。
本発明において上記原料エポキシドに前記微生物を作用
させるには、例えば、(a)該微生物を予め培養増殖して
得られる菌体に原料エポキシドを接触させて反応させる
方法、(b)上記微生物を原料エポキシドと他の炭素源に
窒素源、無機塩類、更には必要に応じて成長促進物質を
添加してなる栄養培地中で好気的条件下で培養させる方
法を適用し得る。
させるには、例えば、(a)該微生物を予め培養増殖して
得られる菌体に原料エポキシドを接触させて反応させる
方法、(b)上記微生物を原料エポキシドと他の炭素源に
窒素源、無機塩類、更には必要に応じて成長促進物質を
添加してなる栄養培地中で好気的条件下で培養させる方
法を適用し得る。
上記(a)の増殖菌体に原料エポキシドを接触させて反応
させる方法は、まず炭素源として糖質例えばグルコー
ス、シユクロース、糖密、澱粉加水分解物、セルロース
加水分解物、炭化水素例えばプロパン、ブタン、ドデカ
ン、テトラデカン及びそのほか酢酸の如き菌体増殖作用
の高いものを用い、これに塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素、アンモニア水、アミノ酸及びその他の資化性有機窒
素化合物のような窒素源、リン酸カリウム、リン酸ナト
リウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸第1
鉄、塩化第2鉄、塩化カルシウム、塩化マンガンのごと
き無機塩類、更には必要に応じてビタミン類、酵母エキ
ス、コーンステイープリカーの如き成長促進物質を添加
した培地に、上記各微生物の種菌を接種し、好気的条件
下で培養して菌体を増殖させる。このようにして得られ
た菌体培養物に直接か、又は該培養物から分離した菌体
の懸濁液もしくは菌体を固定化したものに、原料エポキ
シドを供給して反応させる。
させる方法は、まず炭素源として糖質例えばグルコー
ス、シユクロース、糖密、澱粉加水分解物、セルロース
加水分解物、炭化水素例えばプロパン、ブタン、ドデカ
ン、テトラデカン及びそのほか酢酸の如き菌体増殖作用
の高いものを用い、これに塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素、アンモニア水、アミノ酸及びその他の資化性有機窒
素化合物のような窒素源、リン酸カリウム、リン酸ナト
リウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸第1
鉄、塩化第2鉄、塩化カルシウム、塩化マンガンのごと
き無機塩類、更には必要に応じてビタミン類、酵母エキ
ス、コーンステイープリカーの如き成長促進物質を添加
した培地に、上記各微生物の種菌を接種し、好気的条件
下で培養して菌体を増殖させる。このようにして得られ
た菌体培養物に直接か、又は該培養物から分離した菌体
の懸濁液もしくは菌体を固定化したものに、原料エポキ
シドを供給して反応させる。
反応はpH5〜9、好ましくは6〜8のpH領域で20〜50
℃、好ましくは25〜45℃の温度下で数時間ないし数日間
行う。なお、反応中に菌体増殖に用いた炭素源、窒素
源、更にはその他の成分を適宜添加することにより、菌
体と原料エポキシドとの反応の活性を維持し或は高める
ことが出来る。反応は回分方式又は連続方式のいずれで
も実施し得る。原料エポキシドの供給は回分反応の方式
の場合、全量を反応開始時に添加するほか反応中に連続
的に又は間歇的に供給することも可能である。
℃、好ましくは25〜45℃の温度下で数時間ないし数日間
行う。なお、反応中に菌体増殖に用いた炭素源、窒素
源、更にはその他の成分を適宜添加することにより、菌
体と原料エポキシドとの反応の活性を維持し或は高める
ことが出来る。反応は回分方式又は連続方式のいずれで
も実施し得る。原料エポキシドの供給は回分反応の方式
の場合、全量を反応開始時に添加するほか反応中に連続
的に又は間歇的に供給することも可能である。
上記反応により反応液中に生成した光学活性を有するエ
ポキシドは相分離、抽出、蒸留等の公知の手法を適用し
て分離、採取する。
ポキシドは相分離、抽出、蒸留等の公知の手法を適用し
て分離、採取する。
次に前記(b)の培養による方法は、上記(a)の方法におけ
る菌体増殖時に原料エポキシドを添加し一段階で光学活
性を有するエポキシドの生産を図るものである。培養条
件(pH、温度、圧力等)培養方式及び生成した光学活性
を有するエポキシドの分離、採取は前記(a)の反応条
件、反応方式及び分離、採取方法が同様に用い得る。
る菌体増殖時に原料エポキシドを添加し一段階で光学活
性を有するエポキシドの生産を図るものである。培養条
件(pH、温度、圧力等)培養方式及び生成した光学活性
を有するエポキシドの分離、採取は前記(a)の反応条
件、反応方式及び分離、採取方法が同様に用い得る。
本発明により得られる光学活性を有するエポキシドはさ
きに言及した如き従来知られている種々の用途に供する
ことができる 以下に実施例により本発明を更に具体的に説明する。
きに言及した如き従来知られている種々の用途に供する
ことができる 以下に実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 後記第2、3及び4表に記載した菌体の各3白金耳をNB
G培地(オキソイド社製ラブレンコパウダー10g、バクテ
リオロジカルペプトン10g、グルコース10g及び塩化ナト
リウム5gに水道水を加えて1とし、1N-苛性ソーダ水
溶液でpH7.5に調整した後、オートクレーブ中で、120℃
15分加熱殺菌した液体培地)100mlを収容した500ml容の
坂口フラスコに接種し、30℃で48時間振盪培養した。
G培地(オキソイド社製ラブレンコパウダー10g、バクテ
リオロジカルペプトン10g、グルコース10g及び塩化ナト
リウム5gに水道水を加えて1とし、1N-苛性ソーダ水
溶液でpH7.5に調整した後、オートクレーブ中で、120℃
15分加熱殺菌した液体培地)100mlを収容した500ml容の
坂口フラスコに接種し、30℃で48時間振盪培養した。
上記により得られた培養液10ml、n-ヘキサデカン10ml及
びラセミ体のエポキシドμを500ml容坂口フラスコに
収容し、30℃で24時間振盪して反応させた。次いで反応
液を遠心分離し、上層の油層を取り、残存エポキシド量
をガスクロマトグラフィーで定量した。分析には、シリ
コンSE-30をchromosorb W AW DMCSに3%担持した充填
剤を充填した2mのカラムと、イオン化炎検出器とを有す
るガスクロマトグラフィーを用いた。
びラセミ体のエポキシドμを500ml容坂口フラスコに
収容し、30℃で24時間振盪して反応させた。次いで反応
液を遠心分離し、上層の油層を取り、残存エポキシド量
をガスクロマトグラフィーで定量した。分析には、シリ
コンSE-30をchromosorb W AW DMCSに3%担持した充填
剤を充填した2mのカラムと、イオン化炎検出器とを有す
るガスクロマトグラフィーを用いた。
次に、エポキシド量にして5〜0.5mgとなるように油層
を取り、これをパイレックス製20ml容アンプルに移し、
イソプロパノール4ml、イソプロピルアミン2mlを加え、
封管後80℃で4時間加熱した。反応終了後開封し、溶媒
を除去後残渣を10mlのベンゼンに溶解した1N-HCl 20ml
で2回抽出後、水層に6N-NaOH 20mlを加え、ベンゼン20
mlで抽出した。Na2SO4でベンゼンを乾燥後、乾固し、7m
l容バイアルに残渣を移したあと、100μのビス(トリ
メチルシリル)トリフルオロ−アセトアミド〔bis(trim
ethylsilyl)trifluoro-acetamide〕を加え60℃で15分加
熱した。冷後、N-ヘプタフルオロブチリル-L-プロリル
クロライド(N-heptafluorobutyryl-L-prolylchloride)
の1M塩化メチレン溶液100μを加え15分放置後、2μ
を液相をOV225とする60mのガラス製キャピラリ−カ
ラムで分析した。
を取り、これをパイレックス製20ml容アンプルに移し、
イソプロパノール4ml、イソプロピルアミン2mlを加え、
封管後80℃で4時間加熱した。反応終了後開封し、溶媒
を除去後残渣を10mlのベンゼンに溶解した1N-HCl 20ml
で2回抽出後、水層に6N-NaOH 20mlを加え、ベンゼン20
mlで抽出した。Na2SO4でベンゼンを乾燥後、乾固し、7m
l容バイアルに残渣を移したあと、100μのビス(トリ
メチルシリル)トリフルオロ−アセトアミド〔bis(trim
ethylsilyl)trifluoro-acetamide〕を加え60℃で15分加
熱した。冷後、N-ヘプタフルオロブチリル-L-プロリル
クロライド(N-heptafluorobutyryl-L-prolylchloride)
の1M塩化メチレン溶液100μを加え15分放置後、2μ
を液相をOV225とする60mのガラス製キャピラリ−カ
ラムで分析した。
上記方法を用いることにより、ガスクロマトグラフィー
上の面積比から残存エポキシドの光学純度を、また、光
学活性なエポキシドの標品を同様に処理したものとの比
較から残存エポキシドの絶対配置を決定することができ
る。
上の面積比から残存エポキシドの光学純度を、また、光
学活性なエポキシドの標品を同様に処理したものとの比
較から残存エポキシドの絶対配置を決定することができ
る。
以上のようにして決定した残存エポキシド量、残存エポ
キシドの絶対配置及び残存エポキシドの光学純度を、ス
チレンオキサイドを基質とした結果を第2表に、フエニ
ルグリシジルエーテルを基質とした結果を第3表に、ベ
ンジルグリシジルエーテルを基質とした結果を第4表に
それぞれ示した。
キシドの絶対配置及び残存エポキシドの光学純度を、ス
チレンオキサイドを基質とした結果を第2表に、フエニ
ルグリシジルエーテルを基質とした結果を第3表に、ベ
ンジルグリシジルエーテルを基質とした結果を第4表に
それぞれ示した。
なお、第2表では、(+)の旋光度を有するフエニルグ
リシジルエーテルの絶対配置を(s)と仮定して絶対配
置を表示した。また、第2表〜第4表には、培養液のか
わりに、反応培地(K2HPO4、1.74g/;MgSO4・7H2O、1.5
g/;FeSO4・7H2O、50mg/)を用いた場合の結果を参
考例として示した。
リシジルエーテルの絶対配置を(s)と仮定して絶対配
置を表示した。また、第2表〜第4表には、培養液のか
わりに、反応培地(K2HPO4、1.74g/;MgSO4・7H2O、1.5
g/;FeSO4・7H2O、50mg/)を用いた場合の結果を参
考例として示した。
実施例2 実施例1に記載したと同様の方法でコリネバクテリウム
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液100mlを調製し、これにラセミ体のスチレン
オキサイド200μを加えて、30℃で24時間振盪して反
応させた。次いで、反応液を200mlのエーテルで3回抽
出後NaSO4でエーテル溶液を乾燥、エーテルを留去後、
残渣に30mlの水を加えた。ヘキサン50mlで水層を1回洗
浄後、水層を60mlのエーテルで3回抽出し、エーテル溶
液を乾燥後、エーテルを留去し、100mgの白色結晶を得
た。本結晶のIRスペクトルおよびMassスペクトルは標
品のスチレングリコールと一致した。
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液100mlを調製し、これにラセミ体のスチレン
オキサイド200μを加えて、30℃で24時間振盪して反
応させた。次いで、反応液を200mlのエーテルで3回抽
出後NaSO4でエーテル溶液を乾燥、エーテルを留去後、
残渣に30mlの水を加えた。ヘキサン50mlで水層を1回洗
浄後、水層を60mlのエーテルで3回抽出し、エーテル溶
液を乾燥後、エーテルを留去し、100mgの白色結晶を得
た。本結晶のIRスペクトルおよびMassスペクトルは標
品のスチレングリコールと一致した。
実施例3 実施例1に記載した方法で調製したコリネバクテリウム
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液10mlに後記第5表に記載した溶媒10ml及び、
フエニルグリシジルエーテル20μをそれぞれ加え、50
0ml容振盪フラスコ中、30℃で24時間振盪して反応さ
せた。実施例1に記載した方法で定量した残存エポキシ
ド量及び残存エポキシドの光学純度を第5表に示した。
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液10mlに後記第5表に記載した溶媒10ml及び、
フエニルグリシジルエーテル20μをそれぞれ加え、50
0ml容振盪フラスコ中、30℃で24時間振盪して反応さ
せた。実施例1に記載した方法で定量した残存エポキシ
ド量及び残存エポキシドの光学純度を第5表に示した。
なお、第5表には、菌液のかわりに、実施例1に記載し
た反応培地を用いた結果について、溶媒を加えずに行っ
た反応例及びフラスコ中の空気を窒素ガスで置換して行
った反応例を併せて記載した。溶媒を加えずに行った反
応例では、反応終了後、残存エポキシドを20mlのエーテ
ルで抽出した。
た反応培地を用いた結果について、溶媒を加えずに行っ
た反応例及びフラスコ中の空気を窒素ガスで置換して行
った反応例を併せて記載した。溶媒を加えずに行った反
応例では、反応終了後、残存エポキシドを20mlのエーテ
ルで抽出した。
実施例4 実施例1に記載した方法で調製したコリネバクテリウム
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液10mlに、n-ヘキサデカン10mlと後記第6表に
記載したラセミ体の各エポキシド20μを基質としてそ
れぞれ加え、500mlの坂口容フラスコ中、30℃で24時
間振盪しつつ反応させた。実施例1に記載した方法と同
様の方法で定量した残存エポキシド量及び残存エポキシ
ドの絶対配置と光学純度を第6表に示した。
・フジオケンス(Corynebacterium fujiokense)ATCC 214
96の培養液10mlに、n-ヘキサデカン10mlと後記第6表に
記載したラセミ体の各エポキシド20μを基質としてそ
れぞれ加え、500mlの坂口容フラスコ中、30℃で24時
間振盪しつつ反応させた。実施例1に記載した方法と同
様の方法で定量した残存エポキシド量及び残存エポキシ
ドの絶対配置と光学純度を第6表に示した。
第6表には、培養液のかわりに、実施例1に記載した反
応培地を用いた結果も併せて示した。また、絶対配置の
うちo-およびp-メチルフエニルグリシジンエーテルの絶
対配置は(+)の旋光度を有するものを(s)と仮定し
て記載した。
応培地を用いた結果も併せて示した。また、絶対配置の
うちo-およびp-メチルフエニルグリシジンエーテルの絶
対配置は(+)の旋光度を有するものを(s)と仮定し
て記載した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:32) (C12P 41/00 C12R 1:15) (C12P 41/00 C12R 1:365) (C12P 41/00 C12R 1:13) (C12P 41/00 C12R 1:01)
Claims (1)
- 【請求項1】ミクロコツカス(Micrococcus)属、アルス
ロバクター(Arthrobacter)属、マイコバクテリウム(Myc
obacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterim)
属、ロドコツカス(Rhodococcus)属、ノカルデイア(Noca
rdia)属及びブレビバクテリウム(Brevibacterim)属から
成る群から選択されるエポキシドの不斉加水分解能を有
する微生物を、芳香環を有するエポキシドに作用させ、
生成する光学活性を有するエポキシドを分解、採取する
ことを特徴とする光学活性を有するエポキシドの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13943986A JPH0614877B2 (ja) | 1986-06-16 | 1986-06-16 | 光学活性を有するエポキシドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13943986A JPH0614877B2 (ja) | 1986-06-16 | 1986-06-16 | 光学活性を有するエポキシドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62296888A JPS62296888A (ja) | 1987-12-24 |
JPH0614877B2 true JPH0614877B2 (ja) | 1994-03-02 |
Family
ID=15245222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13943986A Expired - Lifetime JPH0614877B2 (ja) | 1986-06-16 | 1986-06-16 | 光学活性を有するエポキシドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0614877B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69432576T2 (de) * | 1993-02-15 | 2004-03-18 | Daicel Chemical Industries, Ltd., Sakai | Verfahren zur Herstellung von optischaktiven Epoxiden |
JP4648691B2 (ja) * | 2004-12-02 | 2011-03-09 | 長瀬産業株式会社 | 光学活性な化合物の製造方法 |
-
1986
- 1986-06-16 JP JP13943986A patent/JPH0614877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62296888A (ja) | 1987-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0149674B1 (en) | Process for biochemical optical resulution of cyclopentenolone derivative | |
EP0488999A1 (en) | A method for producing optically active cyclopropane carboxylic acid | |
US4705752A (en) | Process for the enzymatic hydrolysis of D-α-amino-acid amides | |
JPH066069B2 (ja) | (十)‐トランス‐シクロプロパンカルボン酸の製造方法 | |
EP0237983B1 (en) | Process for the biotechnological preparation of l (-)-carnitine chloride | |
US5155030A (en) | Process for preparing optically active (R)-(-)-3-halo-1,2-propanediol from an epihalohydrin by a strain of corynebacterium or microbacterium | |
US5457051A (en) | Enantioselective hydrolysis of ketoprofen esters by beauveria bassiana and enzymes derived therefrom | |
JPH0614877B2 (ja) | 光学活性を有するエポキシドの製造方法 | |
EP0434393B1 (en) | Process for preparation of R-(-)-3-halogeno-1,2-propanediol by treatment with microorganism | |
US4415657A (en) | Process for preparation of an optically active monoalkyl ester of β-(S)-aminoglutaric acid | |
JPS5847495A (ja) | シクロペンテノロン誘導体の生化学的光学分割法 | |
US4461835A (en) | Process for preparing optically-active isoprenoid intermediates | |
JPH02195897A (ja) | 光学活性1,3―ブタンジオールの製造法 | |
US5288620A (en) | Process for the production of optically active 2-hydroxy-4-phenyl-3-butenoic acid | |
JP2698627B2 (ja) | 光学活性アミン及びその誘導体の製造方法 | |
JP3146640B2 (ja) | ベンゾイルギ酸の製造方法 | |
JPH0379996B2 (ja) | ||
JPS63237796A (ja) | 光学活性1−メチル−3−フエニルプロピルアミンの製造法 | |
JP3741758B2 (ja) | 光学活性グリセロール誘導体の製法 | |
JPH0532035B2 (ja) | ||
JPH0559718B2 (ja) | ||
JPH03183499A (ja) | 光学活性3―ヒドロキシ酪酸の製造法 | |
JP3659123B2 (ja) | 4−ハロゲノ−3−アルカノイルオキシブチロニトリルの光学分割方法 | |
JPS58212790A (ja) | (S)−(−)−α−シアノ−3−フエノキシベンジルアルコ−ルの生化学的製造法 | |
JPH06261786A (ja) | 光学活性エピハロヒドリンの製造法 |