JPH0614853Y2 - ビール大麦調整機の風力調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はビール大麦を脱ぷ・選別する調整機において、
容積重即ち比重の軽いビール大麦を除去する為の技術に
関するものである。

（ロ）従来技術 従来から籾摺選別プラントにおいて、プラント全体の流
れをスムーズにする為に、穀粒の流量に応じて各部のシ
ャッターを開閉する自動制御装置に関する技術は公知と
されているのである。

例えば特公昭５７−４６３７３号公報の如くである。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 本考案のビール大麦調整機においては、主としてビール
の原料となるビール大麦を処理するものであり、該ビー
ル大麦の選別においては、粒径よりも容積重即ち比重の
方が重要のファクターとなるのである。

故に、従来の玄米の選別の場合の如く、粒径選別を主と
することができず、脱ぷ後のビール大麦の１粒１粒の比
重を主として選別制御する必要があるのである。

比重選別は選別ファンによる風選と、揺動選別機による
選別があり、本考案においてはビール大麦調整機Ａ内の
風選ファンによる選別の際の選別風量を自動調節して、
該ビール大麦内の比重の小さいものを吹き飛ばすもので
ある。

（ニ）問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成す
る為の構成を説明すると。

ビール大麦を脱ぷ・風選する調整機から揺動選別装置へ
至る供給経路のホッパー６内に比重計８を配置し、該比
重計８により検出したビール大麦の比重検出値に基づ
き、風選装置の風量を自動調節し、脱ぷ・風選後のビー
ル大麦の比重を常時一定化したものである。

（ホ）考案の作用 構成は以上の如くであり、次に作用を説明すると。

ビール大麦調整機Ａにより脱ぷ・風選された後のビール
大麦が揚穀コンベア９により、揺動選別機Ｂの上のホッ
パー６内に投入されるのである。

該ホッパー６の内部に定量タンク７と比重検出センサー
８により構成された比重計が配置されており、該定量タ
ンク７の内部には一定容量のビール大麦が投入されるの
で、内部には常に溢れる程に充填されており、上限レベ
ルセンサー１１がＯＮとなり、揚穀コンベア９からの投
入が停止した際に比重の計測を行うのである。

該ホッパー６内への投入が停止している場合に測定する
事により、後から投入されてくるビール大麦の加速度が
定量タンク７に作用するのを防ぐのである。

そして定量タンク７の一定量の重量を比重検出センサー
８により求めることにより、該ビール大麦の比重を検出
することができるので、該比重値が基準値に対して、大
か小かを比較判断して、調節アクチュエータ１を伸縮操
作し、空気取入口シャッター２を開閉するのである。

該空気取入口シャッター２の開閉により選別流穀板２０
の部分における吸引選別風の風量が変化するので、２番
口４と１番口２１との分岐点となる比重値を変更するも
のである。

（ヘ）実施例 本考案の目的・構成・作用は以上の如くであり、次に添
付の図面に示した実施例の構成を説明すると。

第１図は本考案のビール大麦調整機の風力調節装置を示
す制御ブロック線図である。

該ビール大麦の処理施設は、ビール大麦調整機Ａと揺動
選別機Ｂと揚穀コンベア９とホッパー６により構成され
ている。

ビール大麦調整機Ａは上部のホッパーに図示しない揚穀
コンベアにより刈取・脱穀・乾燥後のビール大麦が投入
されるのである。

そして該ビール大麦調整機Ａの上部に設けた脱ぷローラ
ー５・５によりビール大麦の外部を覆う殻の部分を取り
除くのである。

そして脱ぷ後のビール大麦が、選別流穀板２０の部分を
落下する間に、ファンケース１７とファン羽根３により
構成された、吸引ファン装置により吸引選別されるので
ある。

該選別流穀板２０を通過する間に吸引ファン装置により
選別された後の精粒は１番口２１より揚穀コンベア９に
投入されるのである。

該選別流穀板２０を落下する間に、比重が小さく中身の
充実していないビール大麦は、吸引ファン装置により吸
引され２番口４に落下し、また脱ぷ後の殻は吸引ファン
装置内に吸引されて３番口２２から外部に排出されるの
である。

該ビール大麦調整機Ａの構成において、ファンケース１
７とファン羽根３により構成された吸引ファン装置の吸
引通路の一部に空気取入口シャッター２を設け、該空気
取入口シャッター２を調節アクチュエーター１により微
妙な開度で開閉するものである。

該空気取入口シャッター２が開放されると選別流穀板２
０の部分の吸引風量が少なくなり、吸引されるビール大
麦の比重が小となり、また空気取入口シャッター２を閉
じると、選別流穀板２０の部分の吸引風量が大となり、
吸引されるビール大麦の比重が大となるのである。

そして該空気取入口シャッター２を操作する調節アクチ
ュエーター１への操作信号は、揚穀コンベア９から揺動
選別機Ｂへの供給回路上に設けたホッパー６内に設けた
比重計により検出しているのである。

該比重計は、定量タンク７と比重検出センサー８と天秤
杆２３と付勢バネ２５により構成されている。

該比重検出センサー８は、定量タンク７を枢支する天秤
杆２３の枢支部２４にロータリーエンコーダーや可変ボ
リュームがリミットスイッチ等により構成されており、
ロータリーエンコーダーや可変ボリュームにより、比例
的に調節アクチュエーター１をスライドさせても良い
し、またリミットスイッチにより調節アクチュエーター
１をＯＮ−ＯＦＦ制御しても良いものである。

またホッパー６内において、ビール大麦が滞留しすぎ
て、上端が定量タンク７の下面に接触することのないよ
うに、上限レベルスイッチ１１と下限レベルスイッチ１
２が配置されているのである。

該定量タンク７と比重検出センサー８により構成され
た、比重計による計測は常時連続的に計測するのではな
く、計測と休止を一定間隔置きに交互に行うべく構成し
ているのである。

そしてビール大麦が設定した比重基準値に比較して重い
か軽いかにより、風力を強くするか弱くするかを決定し
調節アクチュエーター１を操作するものである。

ホッパー６から落下したビール大麦は揺動選別機Ｂによ
り選別され、該揺動選別機Ｂにより選別した後、精粒取
出口１４・混合粒取出口１５・屑粒取出口１６に分かれ
て取り出されるのである。

（ト）考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏
するものである。

第１に、風選後のビール大麦の比重を一定に保つべく、
風力を自動調節することができるので、ビール大麦の検
査時の品質を一定に保つことができるのである。

第２に、必要以上に風量を大にし過ぎて、精粒までも２
番口４に跳ばしてしまうことにより発生する損失を最小
にすることができるのである。

第３に、揚穀コンベア９から揺動選別機Ｂに投入するホ
ッパー６内に、定量タンク７と回動検出センサー８によ
り構成した比重計を配置したことにより、該定量タンク
７への投入時に飛散しても、穀粒の損失とは成らず、投
入時のビール大麦の流れも該定量タンク７の部分で減速
されるので、ビール大麦の肌を傷めることが無くなった
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のビール大麦調整機の風力調節装置を示
す制御ブロック線図である。 Ａ……ビール大麦調整機 Ｂ……揺動選別機 １……調節アクチュエーター ２……空気取入口シャッター ６……ホッパー ７……定量タンク ８……比重検出センサー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ビール大麦を脱ぷ・風選する調整機から揺
   動選別装置へ至る供給経路のホッパー６内に比重検出セ
   ンサー８を配置し、該比重検出センサー８により検出し
   たビール大麦の比重検出値に基づき、風選装置の風量を
   自動調節し、脱ぷ・風選後のビール大麦の比重を常時一
   定化することを特徴とするビール大麦調整機の風力調節
   装置。