JPH06145Y2 - パチンコ機における遊技盤の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パチンコ機における遊技盤の固定装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の遊技盤の固定装置としては、例えば本出
願人による実開昭62-39775号公報に記載のものが知られ
ている。この従来固定装置の締付具101は、第６図およ
び第７図に示すように枠体102に軸103により回動自在に
枢支されたレバー104と、平面形状がコ字状に折曲げら
れ、その両端が前記レバー104の両側に枢支された針金
状の引掛杆105とにより構成され、その引掛杆105のコ字
状の空間部106を固定具108に臨ませて該固定具108の係
止溝107に係止させると共に、レバー104を回動し、それ
によって固定具108を引き寄せるように作用して締付力
を生じさせるようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕 この従来固定装置の締付具101では、引掛杆105が単にレ
バー104に枢支されているだけであるから、レバー104を
早く回動すると引掛杆105が固定具108の係止溝107を通
り越えてしまって係合し得ないという不都合があった。
また、引掛杆105は針金状のもので形成されているた
め、短期間で変形したり伸びたりして締付力がなくなる
等の問題があった。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、その目的とする
ところは、締付具と固定具との係合が容易かつ確実にな
し得ると共に、長期間に亘って強固な締付力が維持でき
るようなパチンコ機における遊技盤の固定装置を提供す
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の遊技盤の固定装置
は、ガイド用の長孔を有する一対の支持壁を左右両側に
対設して断面コ字状に形成された枠体の底部に開孔を設
けると共に、支持壁間にレバーを軸により回動自在に枢
支し、該レバーには、先端に係合部を備え、かつ両側に
突設した突起を長孔に挿通して移動自在に支持される係
合部材の基端を枢着して成る締付具と、この締付具の開
孔から前面に突出位置し、前記係合部材の係合部が係合
する係合溝を備えた固定具から構成されたものである。

また、前記長孔の一端にレバーを締付解除位置に保持す
るための係止用凹孔部を形成することもできる。

〔作用〕

締付具のレバーを締付解除位置に回動した状態で枠体の
開孔に固定具を臨ませる。そして、レバーを締付位置に
回動させることによって、まず係合部材がガイド用の長
孔に沿って移動して先端の係合部が固定具の係合溝に係
合し、さらにレバーを回動させることによって係合部材
が固定具を引き寄せるように作用する。これによって、
大きい締付力を生じさせることができる。

〔実施例〕

本考案の一実施例について図面を参照して説明する。第
１図は本考案が適用されるパチンコ機の概略裏面図であ
る。パチンコ機１は側枠２の前面に前面枠３が開閉自在
に取付けられる。前面枠３の裏面には、取付枠４が固着
される。取付枠４には遊技盤５が着脱自在に装着され
る。遊技盤５の裏面には入賞球集合部６、景品球タンク
７、景品球放出機構８などの裏部品を形成した機構板９
が着脱自在に装着される。

第２図は本考案の一実施例の遊技盤の固定装置における
締付具10と固定具11の関連構成を説明するための要部の
分解斜視図、第３図は遊技盤の固定状態を示す要部の斜
視図、第４図はその固定状態の断面図、第５図は締付具
10の分解斜視図である。締付具10は、左右両側に支持壁
12,12を対設した断面コ字状の枠体13を備えている。支
持壁12,12には長手方向に沿ったガイド用の長孔14,14が
それぞれ穿設され、底部15には前面に貫通する縦長の開
孔16が形成されている。前記支持壁12,12の間にはレバ
ー17の下端が軸18により前後方向へ回動可能に枢支され
ている。また、レバー17の下方に位置した支持壁12,12
の間には係合部材19が上下方向へ移動可能に設けられて
いる。係合部材19は、先端にローラー状の係合部20を備
え、該係合部20の両側から上方へ延びる連結腕21,21の
基端がレバー17の側面の略中間位置にピン22にて枢支連
結されている。また係合部20の両側には突起23,23が突
設されており、該突起23,23は支持壁12,12の長孔14,14
内に挿通されている。なお、前記長孔14,14の上端部に
は突起23,23が係止される係止用凹孔部14a,14aを形成し
ている。この係止用凹孔部14a,14aは、レバー17を第５
図鎖線で示す締付解除位置に保持する機能を有する。ま
た、枠体13の上側辺には中心にねじ挿入孔24を穿設した
嵌合筒部25が形成され、下側辺には係止辺26が形成され
ている。

前記締付具10は、例えば機構板９の裏面の周縁部分の左
右上下位置に固定的に取付けられる。本実施例の場合、
機構板９の裏面の取付個所には第２図に示したように低
くしたリブ壁27を突出させて枠体13の外形状に合致する
取付部28を形成し、その取付部28の上下位置に中心にね
じ孔34を有するねじ筒30と差込み係止部31を設けてい
る。また、取付部28に位置した機構板９には枠体13の開
孔16に合致する挿入孔32が穿設される。そして、締付具
10の取付けは、枠体13の係止片26を係止部31に差込み、
嵌合筒部25をねじ筒30に嵌装させ、ねじ33を嵌合筒部25
のねじ挿入孔24からねじ筒30のねじ孔34に螺着すること
によって達せられる。

一方、固定具11は、金属板により広幅の取付片部35を形
成し、この取付片部35に取付用孔36,36を穿設すると共
に、先端に鉤状片37を一体に突出させて前記した締付具
10の係合部20が係合する係合溝38を形成して成る。そし
て、この固定具11は、機構板９を遊技盤５の裏面に密着
した場合に鉤状片37が機構板９の挿入孔32及び締付具10
の枠体13の開孔16を貫通して前面へ突出し、係合溝38が
締付具10の係合部20と対応するように位置決めして遊技
盤５の取付枠４の側面にねじ39により固着される。

上記した構成からなる遊技盤の固定装置は、締付具10の
レバー17を第５図鎖線で示した締付解除位置に回動し、
係合部材19の係合部20を固定具11の鉤状片37が支えない
上方位置に移動させた状態で機構板９を遊技盤５の裏面
に密着させる。なお、この際に係合部20の両側に突起2
3,23を長孔14,14の係止用凹孔部14a,14aに係合させるこ
とによって、レバー17をその締付解除位置に停止保持さ
せておくことができる。従って、機構板９の装着作業が
極めて容易にできる。

そして、この状態からレバー17を第５図実線に示した締
付位置に回動させると、係合部材19がピン22を支点とし
て回動し、この回動に伴い係合部20が突起23,23を介し
て長孔14,14に沿い前方へ移動して固定具11の係合溝38
に係合することになり、その結果、固定具11が引き寄せ
られると同時にその反作用によって機構板９が遊技盤５
の裏面に強く圧接され、それによって遊技盤５を取付枠
４に強固に固定することができる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているので、以
上に記載されるような効果を奏する。

回動自在に支持されたレバーに係合部を有する係合部材
の一端を枢着し、この係合部材をレバー回動に伴い長孔
に沿って移動させる構成を採用することによって、係合
部を固定具の係合溝に確実に係合させることができるの
で、遊技盤の固定作業を容易に行うことができる。

また、上記のような構成を採用することによって、係合
部が変形したり伸びたりするようなことがなくなるか
ら、長期間に亘って強力な締付力が維持できる。

さらに、係合部材の突起を挿通して移動案内する長孔に
係止用凹孔部を形成し、その係止用凹孔部に突起を係合
させることにより、レバーを締付解除位置に停止保持さ
せておくことができるので、遊技盤の裏面に機構板を装
着する作業を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパチンコ機の裏面図、第２図は締付具と固定具
の関連構成を説明するための要部の分解斜視図、第３図
は遊技盤の固定状態を示す要部の斜視図、第４図はその
固定状態の断面図、第５図は締付具の分解斜視図、第６
図及び第７図は従来技術の説明図である。 10…締付具、11…固定具、12,12…支持壁、13…枠体、1
4,14……長孔、14a,14a…係止用凹孔部、15…底部、16
…開孔、17…レバー、18…軸、19…係合部材、20…係合
部、23,23…突起、38…係合溝。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイド用の長孔を有する一対の支持壁を左
   右両側に対設して断面コ字状に形成された枠体の底部に
   開孔を設けると共に、支持壁間にレバーを軸により回動
   自在に枢支し、該レバーには、先端に係合部を備え、か
   つ両側に突設した突起を長孔に挿通して移動自在に支持
   される係合部材の基端を枢着して成る締付具と、 この締付具の枠体の開孔から前面に突出位置し、前記係
   合部材の係合部が係合する係合溝を備えた固定具とによ
   り構成してなるパチンコ機における遊技盤の固定装置。
2. 【請求項２】長孔の一端に、レバーを締付解除位置に保
   持するための係止用凹孔部を形成した請求項(1)記載の
   パチンコ機における遊技盤の固定装置。