JPH06145418A - 成形加工性改良剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
成形加工性改良剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH06145418A JPH06145418A JP4303767A JP30376792A JPH06145418A JP H06145418 A JPH06145418 A JP H06145418A JP 4303767 A JP4303767 A JP 4303767A JP 30376792 A JP30376792 A JP 30376792A JP H06145418 A JPH06145418 A JP H06145418A
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- tpp
- thermoplastic resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱可塑性樹脂の耐衝撃性、耐熱性の低下の少
ない成形加工性改良剤を提供すること。 【構成】 (1)下記一般式(1)のヒドロキシフェニ
ル基を有する有機リン化合物を主成分とする熱可塑性樹
脂の成形加工性改良剤。 【化1】 (式中、a,b,c,dは1〜3、nは0〜3であり、
R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、 【化2】 水素、炭素数1〜6のアルキル基を示し、n=0〜1の
時、化合物全体として、ヒドロキシル基または 【化3】 を1個有する。n=2〜3の時、化合物全体として、ヒ
ドロキシル基または 【化4】 を1〜2個有する) (2) (1)記載の成形加工性改良剤を含有する加工
性の優れた熱可塑性樹脂組成物。 (3) (1)記載の成形加工性改良剤と、難燃性改良
剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合物から選
ばれた一種以上の添加剤を含有してなる加工性と難燃性
の優れた熱可塑性樹脂組成物。
ない成形加工性改良剤を提供すること。 【構成】 (1)下記一般式(1)のヒドロキシフェニ
ル基を有する有機リン化合物を主成分とする熱可塑性樹
脂の成形加工性改良剤。 【化1】 (式中、a,b,c,dは1〜3、nは0〜3であり、
R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、 【化2】 水素、炭素数1〜6のアルキル基を示し、n=0〜1の
時、化合物全体として、ヒドロキシル基または 【化3】 を1個有する。n=2〜3の時、化合物全体として、ヒ
ドロキシル基または 【化4】 を1〜2個有する) (2) (1)記載の成形加工性改良剤を含有する加工
性の優れた熱可塑性樹脂組成物。 (3) (1)記載の成形加工性改良剤と、難燃性改良
剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合物から選
ばれた一種以上の添加剤を含有してなる加工性と難燃性
の優れた熱可塑性樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂の成形加工
性改良剤に関する。更に詳しくは、特殊な有機リン化合
物と、必要に応じて難燃性改良剤を配合することによ
り、熱可塑性樹脂に優れた加工性と難燃性とを付与する
ことが可能な成形加工性改良剤に関するものである。
性改良剤に関する。更に詳しくは、特殊な有機リン化合
物と、必要に応じて難燃性改良剤を配合することによ
り、熱可塑性樹脂に優れた加工性と難燃性とを付与する
ことが可能な成形加工性改良剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、ガラス等の無機物に比
較して成形性に優れることに加え、耐衝撃性に優れてい
ることから、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始
めとする多岐の分野で使用されるに至っている。
較して成形性に優れることに加え、耐衝撃性に優れてい
ることから、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始
めとする多岐の分野で使用されるに至っている。
【0003】近年、かかる分野で使用される熱可塑性樹
脂に対して、大型薄肉成形品の製造や成形サイクルの短
縮が求められ、流動性の改良の要求が高まっている。
脂に対して、大型薄肉成形品の製造や成形サイクルの短
縮が求められ、流動性の改良の要求が高まっている。
【0004】熱可塑性樹脂の流動性を改良するために、
種々の添加剤が提案されている。古くから工業的に実施
されているミネラルオイルの添加では、流動性は改良さ
れるものの耐熱性が著しく低下してしまう。更に多価ア
ルコールと脂肪酸とのエステル(特開昭61−2310
45号公報、特開昭61−275341号公報)、高級
脂肪酸とその金属塩(特開昭62−132951号公
報)、高級脂肪酸の金属塩と特定の亜リン酸エステル
(特開昭62−190242号公報)、脂肪酸アミドや
脂肪族アルコールとエチレンビスステアリルアミド(特
開昭62−257951号公報)、ステアリルステアレ
ート等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル(特
開平2−135219号公報)、イソシアヌル酸エステ
ル化合物(特開平2−194047号公報)等を配合す
る技術が開示されている。これらの技術でも、流動性の
改良が不充分だったり、耐熱性が著しく低下してしまっ
たりして満足な樹脂組成物は得られていない。
種々の添加剤が提案されている。古くから工業的に実施
されているミネラルオイルの添加では、流動性は改良さ
れるものの耐熱性が著しく低下してしまう。更に多価ア
ルコールと脂肪酸とのエステル(特開昭61−2310
45号公報、特開昭61−275341号公報)、高級
脂肪酸とその金属塩(特開昭62−132951号公
報)、高級脂肪酸の金属塩と特定の亜リン酸エステル
(特開昭62−190242号公報)、脂肪酸アミドや
脂肪族アルコールとエチレンビスステアリルアミド(特
開昭62−257951号公報)、ステアリルステアレ
ート等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル(特
開平2−135219号公報)、イソシアヌル酸エステ
ル化合物(特開平2−194047号公報)等を配合す
る技術が開示されている。これらの技術でも、流動性の
改良が不充分だったり、耐熱性が著しく低下してしまっ
たりして満足な樹脂組成物は得られていない。
【0005】また、トリフェニルフォスフェート、トリ
クレジルフォスフェート等の芳香族系リン酸エステル
は、熱可塑性樹脂の流動性の向上に対して有効である
が、耐熱性の低下が著しいだけでなく、射出成形時に分
解ガスが発生し、金型が凝縮した付着物で汚染され(モ
ールドディポジット)、製品外観を損なうという欠点を
有していた。例えばビニル芳香族樹脂、ポリフェニレン
エーテル、有機リン化合物、含窒素化合物よりなる樹脂
組成物が提案されている(特開昭54−38348号公
報、特開昭54−38349号公報、欧州特許第311
909号明細書)。しかしながら、該公報の樹脂組成物
は流動性の低いポリフェニレンエーテルを主体としてい
るため、樹脂組成物の成形性が劣り、更にはトリフェニ
ルフォスフェート等の芳香族系リン酸エステルを用いて
いるために耐熱性の低下とモールドディポジットの問題
があった。
クレジルフォスフェート等の芳香族系リン酸エステル
は、熱可塑性樹脂の流動性の向上に対して有効である
が、耐熱性の低下が著しいだけでなく、射出成形時に分
解ガスが発生し、金型が凝縮した付着物で汚染され(モ
ールドディポジット)、製品外観を損なうという欠点を
有していた。例えばビニル芳香族樹脂、ポリフェニレン
エーテル、有機リン化合物、含窒素化合物よりなる樹脂
組成物が提案されている(特開昭54−38348号公
報、特開昭54−38349号公報、欧州特許第311
909号明細書)。しかしながら、該公報の樹脂組成物
は流動性の低いポリフェニレンエーテルを主体としてい
るため、樹脂組成物の成形性が劣り、更にはトリフェニ
ルフォスフェート等の芳香族系リン酸エステルを用いて
いるために耐熱性の低下とモールドディポジットの問題
があった。
【0006】また、特開平1−223158号公報に
は、ヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステルとフェノ
ール樹脂との組合せが開示されている。しかしながら、
熱可塑性樹脂との組合せにより耐熱性、耐衝撃性、難燃
性を保持しつつ、流動性を大幅に向上させることは開示
されていないし、予想さえできなかった。
は、ヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステルとフェノ
ール樹脂との組合せが開示されている。しかしながら、
熱可塑性樹脂との組合せにより耐熱性、耐衝撃性、難燃
性を保持しつつ、流動性を大幅に向上させることは開示
されていないし、予想さえできなかった。
【0007】更には特開昭50−98956号公報に
は、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスフェートと、ポ
リエステルとの樹脂組成物が開示されているが、該公報
の有機リン化合物は一分子中に3個のヒドロキシル基を
含有しているために樹脂との相溶性が低下し、耐熱性、
流動性、耐衝撃性のバランス特性が劣る。
は、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスフェートと、ポ
リエステルとの樹脂組成物が開示されているが、該公報
の有機リン化合物は一分子中に3個のヒドロキシル基を
含有しているために樹脂との相溶性が低下し、耐熱性、
流動性、耐衝撃性のバランス特性が劣る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち流動性が向
上しても耐衝撃性の低下、耐熱性の低下、金型内付着物
の少ない成形加工性改良剤の研究を行ない、開発に成功
したものである。
状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち流動性が向
上しても耐衝撃性の低下、耐熱性の低下、金型内付着物
の少ない成形加工性改良剤の研究を行ない、開発に成功
したものである。
【0009】即ち、本発明は熱可塑性樹脂の耐衝撃性、
耐熱性の低下の少ない成形加工性改良剤を提供し、そし
て、この成形加工性改良剤を用いた加工性の優れた熱可
塑性樹脂組成物を提供し、更には特定の難燃性改良剤を
上記熱可塑性樹脂組成物に添加することによって、加工
性と難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
耐熱性の低下の少ない成形加工性改良剤を提供し、そし
て、この成形加工性改良剤を用いた加工性の優れた熱可
塑性樹脂組成物を提供し、更には特定の難燃性改良剤を
上記熱可塑性樹脂組成物に添加することによって、加工
性と難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意研究した結果、特定の有機リン化合物
を用いた場合にはじめて上記目的に達しうることを見出
し本発明を完成するに至った。
達成するため鋭意研究した結果、特定の有機リン化合物
を用いた場合にはじめて上記目的に達しうることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は; 1.下記一般式(1)のヒドロキシフェニル基を有する
有機リン化合物を主成分とする熱可塑性樹脂の成形加工
性改良剤。
有機リン化合物を主成分とする熱可塑性樹脂の成形加工
性改良剤。
【0012】
【化5】
【0013】(式中、a,b,c,dは1〜3、nは0
〜3であり、R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、
〜3であり、R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、
【0014】
【化6】
【0015】水素、炭素数1〜6のアルキル基を示し、
n=0〜1の時、化合物全体として、ヒドロキシル基ま
たは
n=0〜1の時、化合物全体として、ヒドロキシル基ま
たは
【0016】
【化7】
【0017】を1個有する。n=2〜3の時、化合物全
体として、ヒドロキシル基または
体として、ヒドロキシル基または
【0018】
【化8】
【0019】を1〜2個有する) 2.前記1記載の成形加工性改良剤を含有する加工性の
優れた熱可塑性樹脂組成物。
優れた熱可塑性樹脂組成物。
【0020】3.前記1記載の成形加工性改良剤と、難
燃性改良剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合
物から選ばれた一種以上の添加剤を含有してなる加工性
と難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物をその要旨とする
ものである。
燃性改良剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合
物から選ばれた一種以上の添加剤を含有してなる加工性
と難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物をその要旨とする
ものである。
【0021】本発明の成形加工性改良剤は、特殊な有機
リン化合物を主成分としており、これを熱可塑性樹脂と
組合せて得られる熱可塑性樹脂組成物は、驚くべき利点
を有する。
リン化合物を主成分としており、これを熱可塑性樹脂と
組合せて得られる熱可塑性樹脂組成物は、驚くべき利点
を有する。
【0022】上記熱可塑性樹脂組成物は、(A)熱可塑
性樹脂、(B)ヒドロキシフェニル基を有する有機リン
化合物を主成分とする成形加工性改良剤及び、必要に応
じて配合してなる、(C)赤リン、トリアジン骨格
含有化合物から選ばれた一種以上の難燃性改良剤からな
る。
性樹脂、(B)ヒドロキシフェニル基を有する有機リン
化合物を主成分とする成形加工性改良剤及び、必要に応
じて配合してなる、(C)赤リン、トリアジン骨格
含有化合物から選ばれた一種以上の難燃性改良剤からな
る。
【0023】上記(A)成分は成形用樹脂組成物の主成
分をなし、成形品の強度保持の役割を狙い、(B)成分
は耐熱性、耐衝撃性を保持しつつ、流動性を向上させる
ための成分であり、(C)成分は(B)成分と共に
(A)成分に難燃性を付与させるための成分である。
分をなし、成形品の強度保持の役割を狙い、(B)成分
は耐熱性、耐衝撃性を保持しつつ、流動性を向上させる
ための成分であり、(C)成分は(B)成分と共に
(A)成分に難燃性を付与させるための成分である。
【0024】ここで(A)熱可塑性樹脂と(B)成形加
工性改良剤との間に特定の極性[SP値:溶解性パラメ
ーター(Solubility paramete
r)]差のある組合せにおいて、耐熱性と耐衝撃性を保
持しつつ、流動性を向上させることが判明した。即ち
(A)成分と(B)成分の極性差が大きすぎると、相溶
性が低下し、相分離する。一方、両者の極性差が近いと
完全相溶化するために可塑効果が顕著となり、流動性は
向上するものの、耐熱性が大幅に低下するだけでなく、
高分子鎖のからみ合い(entanglement)が
ほぐれ、耐衝撃性が低下する。従って適度な極性差によ
る部分相溶化によって初めて、耐熱性、耐衝撃性及び流
動性のバランスを取ることが可能となった。熱可塑性樹
脂と成形加工性改良剤とのSP値差としては、0.5〜
2.0(cal/cm3)1/2が好ましい。
工性改良剤との間に特定の極性[SP値:溶解性パラメ
ーター(Solubility paramete
r)]差のある組合せにおいて、耐熱性と耐衝撃性を保
持しつつ、流動性を向上させることが判明した。即ち
(A)成分と(B)成分の極性差が大きすぎると、相溶
性が低下し、相分離する。一方、両者の極性差が近いと
完全相溶化するために可塑効果が顕著となり、流動性は
向上するものの、耐熱性が大幅に低下するだけでなく、
高分子鎖のからみ合い(entanglement)が
ほぐれ、耐衝撃性が低下する。従って適度な極性差によ
る部分相溶化によって初めて、耐熱性、耐衝撃性及び流
動性のバランスを取ることが可能となった。熱可塑性樹
脂と成形加工性改良剤とのSP値差としては、0.5〜
2.0(cal/cm3)1/2が好ましい。
【0025】本発明の上記(A)成分の熱可塑性樹脂と
は、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリフェニレンエーテル系、ポリアミド系、ポリ
フェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメ
タクリレート系等の熱可塑性樹脂であり、単独もしくは
二種以上を混合したものも含む。ここで特に熱可塑性樹
脂としてポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、
ポリカーボネート系の熱可塑性樹脂が好ましい。上記ポ
リスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂またはゴ
ム非変性スチレン系樹脂である。本発明の熱可塑性樹脂
として最も好ましい組合せは、ゴム変性スチレン系樹脂
とポリフェニレンエーテルとのポリマーブレンド体であ
る。
は、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリフェニレンエーテル系、ポリアミド系、ポリ
フェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメ
タクリレート系等の熱可塑性樹脂であり、単独もしくは
二種以上を混合したものも含む。ここで特に熱可塑性樹
脂としてポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、
ポリカーボネート系の熱可塑性樹脂が好ましい。上記ポ
リスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂またはゴ
ム非変性スチレン系樹脂である。本発明の熱可塑性樹脂
として最も好ましい組合せは、ゴム変性スチレン系樹脂
とポリフェニレンエーテルとのポリマーブレンド体であ
る。
【0026】本発明の上記(A)成分のゴム変性スチレ
ン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリッ
クス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体を
いい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び
必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて
単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重
合、または乳化重合することにより得られる。
ン系樹脂とは、ビニル芳香族系重合体よりなるマトリッ
クス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体を
いい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び
必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて
単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重
合、または乳化重合することにより得られる。
【0027】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。
【0028】ここで前記ゴム状重合体は、ガラス転移温
度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、−
30℃を越えると耐衝撃性が低下する。
度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、−
30℃を越えると耐衝撃性が低下する。
【0029】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0030】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体とは、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体とは、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0031】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。
【0032】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に重合体組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。上記ビニル芳香族単量体と共重合可能な
ビニル単量体が、単量体混合物中に占める含量は0〜4
0重量%である。
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に重合体組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。上記ビニル芳香族単量体と共重合可能な
ビニル単量体が、単量体混合物中に占める含量は0〜4
0重量%である。
【0033】本発明のゴム変性スチレン系樹脂における
ゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ま
しくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混
合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは
90〜50重量%の範囲にある。この範囲外では目的と
する重合体組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れな
くなる。更にはスチレン系重合体のゴム粒子径は、0.
1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが
好適である。上記範囲外では耐衝撃性が低下する傾向を
生ずる。
ゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ま
しくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混
合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは
90〜50重量%の範囲にある。この範囲外では目的と
する重合体組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れな
くなる。更にはスチレン系重合体のゴム粒子径は、0.
1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが
好適である。上記範囲外では耐衝撃性が低下する傾向を
生ずる。
【0034】本発明のゴム変性スチレン系樹脂の分子量
の尺度である還元粘度ηSP/C(0.5g/dl、トルエ
ン溶液、30℃測定)は、0.30〜0.80dl/g
の範囲にあることが好ましく、0.40〜0.60dl
/gの範囲にあることがより好ましい。ゴム変性スチレ
ン系樹脂の還元粘度ηSP/Cに関する上記要件を満たすた
めの手段としては、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動
剤量の調整等を挙げることができる。例えば還元粘度η
SP/Cを高めるためには、重合開始剤量、重合温度、連鎖
移動剤量を下げることにより達成される。また一方、上
記ηSP/Cを低下させるためには、上記因子を上げること
により達成される。
の尺度である還元粘度ηSP/C(0.5g/dl、トルエ
ン溶液、30℃測定)は、0.30〜0.80dl/g
の範囲にあることが好ましく、0.40〜0.60dl
/gの範囲にあることがより好ましい。ゴム変性スチレ
ン系樹脂の還元粘度ηSP/Cに関する上記要件を満たすた
めの手段としては、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動
剤量の調整等を挙げることができる。例えば還元粘度η
SP/Cを高めるためには、重合開始剤量、重合温度、連鎖
移動剤量を下げることにより達成される。また一方、上
記ηSP/Cを低下させるためには、上記因子を上げること
により達成される。
【0035】本発明の(A)成分の好ましいポリフェニ
レンエーテル(以下PPEと略称する)とは、下記式で
示される結合単位からなるホモ重合体及び/又は共重合
体である。
レンエーテル(以下PPEと略称する)とは、下記式で
示される結合単位からなるホモ重合体及び/又は共重合
体である。
【0036】
【化9】
【0037】但し、R1,R2,R3,R4は、それぞれ水
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニルエーテル、2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの
共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニルエーテル)が好ましい。かかるPP
Eの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば米
国特許第3,306,874号明細書記載の方法による
第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、
例えば、2,6−キシレノールを酸化重合することによ
り容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,30
6,875号明細書、米国特許第3,257,357号
明細書、米国特許第3,257,358号明細書及び特
公昭52−17880号公報、特開昭50−51197
号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明に
て用いる上記PPEの還元粘度ηSP/C(0.5g/d
l、クロロフォルム溶液、30℃測定)は、0.20〜
0.7dl/gの範囲にあることが好ましく、0.30
〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。
PPEの還元粘度に関する上記要件を満たすための手段
としては、前記PPEの製造の際の触媒量の調整などを
挙げることができる。
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニルエーテル、2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの
共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニルエーテル)が好ましい。かかるPP
Eの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば米
国特許第3,306,874号明細書記載の方法による
第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、
例えば、2,6−キシレノールを酸化重合することによ
り容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,30
6,875号明細書、米国特許第3,257,357号
明細書、米国特許第3,257,358号明細書及び特
公昭52−17880号公報、特開昭50−51197
号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明に
て用いる上記PPEの還元粘度ηSP/C(0.5g/d
l、クロロフォルム溶液、30℃測定)は、0.20〜
0.7dl/gの範囲にあることが好ましく、0.30
〜0.60dl/gの範囲にあることがより好ましい。
PPEの還元粘度に関する上記要件を満たすための手段
としては、前記PPEの製造の際の触媒量の調整などを
挙げることができる。
【0038】そして、本発明の(A)成分の好ましいポ
リカーボネートとは、2,2’−(4,4’−ジヒドロ
キシ−ジフェニル)−プロパンのカーボネート等の4,
4’−ジオキシジアリルアルカン系ポリカーボネートで
ある。
リカーボネートとは、2,2’−(4,4’−ジヒドロ
キシ−ジフェニル)−プロパンのカーボネート等の4,
4’−ジオキシジアリルアルカン系ポリカーボネートで
ある。
【0039】本発明の(B)成分の成形加工性改良剤と
は、下記式(1)のヒドロキシフェニル基を含有する有
機リン化合物である。
は、下記式(1)のヒドロキシフェニル基を含有する有
機リン化合物である。
【0040】また、この(B)成分に加えてさらに難燃
性改良剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合物
から選ばれた一種以上の添加剤を加えることにより加工
性、難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることがで
きる。
性改良剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合物
から選ばれた一種以上の添加剤を加えることにより加工
性、難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることがで
きる。
【0041】
【化10】
【0042】(式中、a,b,c,dは1〜3、nは0
〜3であり、R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、
〜3であり、R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、
【0043】
【化11】
【0044】水素、炭素数1〜6のアルキル基を示し、
n=0〜1の時、化合物全体として、ヒドロキシル基ま
たは
n=0〜1の時、化合物全体として、ヒドロキシル基ま
たは
【0045】
【化12】
【0046】を1個有する。n=2〜3の時、化合物全
体として、ヒドロキシル基または
体として、ヒドロキシル基または
【0047】
【化13】
【0048】を1〜2個有する) ここでヒドロキシフェニル基を、化合物中に3個以上含
有すると、熱可塑性樹脂に対して極性(SP値)が上が
り過ぎて相分離したり、相溶性が低下し、好ましくな
い。一方、ヒドロキシフェニル基を含有しない場合には
熱可塑性樹脂と相溶性が非常に良く、可塑性が増すため
に、耐熱性が著しく低下する。従って、前記式(1)に
おいてn=0〜1及びn=2〜3の時に、それぞれヒド
ロキシフェニル基が1個及び1〜2個含有することによ
って初めて、熱可塑性樹脂との適度な相溶性のために耐
熱性、耐衝撃性を保持しつつ、流動性を向上させること
が可能になった。
有すると、熱可塑性樹脂に対して極性(SP値)が上が
り過ぎて相分離したり、相溶性が低下し、好ましくな
い。一方、ヒドロキシフェニル基を含有しない場合には
熱可塑性樹脂と相溶性が非常に良く、可塑性が増すため
に、耐熱性が著しく低下する。従って、前記式(1)に
おいてn=0〜1及びn=2〜3の時に、それぞれヒド
ロキシフェニル基が1個及び1〜2個含有することによ
って初めて、熱可塑性樹脂との適度な相溶性のために耐
熱性、耐衝撃性を保持しつつ、流動性を向上させること
が可能になった。
【0049】本発明の(B)成分の成形加工性改良剤中
に式(1)で示される有機リン化合物は20重量%以上
含有することが好ましい。上記一般式で表わされるヒド
ロキシフェニル基を有する特殊有機リンは、塩化アルミ
ニウムを触媒とし、ホスホリルトリクロリド(オキシ塩
化リン)と芳香族ヒドロキシ化合物と芳香族ジヒドロキ
シ化合物の縮合反応によって得られ、例えば特開平1−
223158号公報に製造法が開示されている。本発明
におけるヒドロキシフェニル基を有する有機リンとして
は(3−ヒドロキシフェニル)ジフェニルフォスフェー
ト、ジ(3−ヒドロキシフェニル)フェニルフォスフェ
ート、1,3−フェニレンビス(3−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルフォスフェート、1,3−フェニレンジフ
ェニルフォスフェート、(3−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルフォスフェート、(3−ヒドロキシフェニル)ク
レジルフォスフェート、1,3−フェニレンビス(3−
ヒドロキシフェニル)クレジルフォスフェート、1,3
−フェニレンジクレジルフォスフェート、(3−ヒドロ
キシフェニル)クレジルフォスフェート、(3−ヒドロ
キシフェニル)ジ2,6−キシレニルフォスフェート、
ジ(3−ヒドロキシフェニル)2,6−キシレニルフォ
スフェート、1,3−フェニレンビス(3−ヒドロキシ
フェニル)2,6−キシレニルフォスフェート、1,3
−フェニレンジ−2,6−キシレニルフォスフェート
(3−ヒドロキシフェニル)2,6−キシレニルフォス
フェートおよび、これらの高縮合物等の一種または二種
以上の混合物を使用することができる。
に式(1)で示される有機リン化合物は20重量%以上
含有することが好ましい。上記一般式で表わされるヒド
ロキシフェニル基を有する特殊有機リンは、塩化アルミ
ニウムを触媒とし、ホスホリルトリクロリド(オキシ塩
化リン)と芳香族ヒドロキシ化合物と芳香族ジヒドロキ
シ化合物の縮合反応によって得られ、例えば特開平1−
223158号公報に製造法が開示されている。本発明
におけるヒドロキシフェニル基を有する有機リンとして
は(3−ヒドロキシフェニル)ジフェニルフォスフェー
ト、ジ(3−ヒドロキシフェニル)フェニルフォスフェ
ート、1,3−フェニレンビス(3−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルフォスフェート、1,3−フェニレンジフ
ェニルフォスフェート、(3−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルフォスフェート、(3−ヒドロキシフェニル)ク
レジルフォスフェート、1,3−フェニレンビス(3−
ヒドロキシフェニル)クレジルフォスフェート、1,3
−フェニレンジクレジルフォスフェート、(3−ヒドロ
キシフェニル)クレジルフォスフェート、(3−ヒドロ
キシフェニル)ジ2,6−キシレニルフォスフェート、
ジ(3−ヒドロキシフェニル)2,6−キシレニルフォ
スフェート、1,3−フェニレンビス(3−ヒドロキシ
フェニル)2,6−キシレニルフォスフェート、1,3
−フェニレンジ−2,6−キシレニルフォスフェート
(3−ヒドロキシフェニル)2,6−キシレニルフォス
フェートおよび、これらの高縮合物等の一種または二種
以上の混合物を使用することができる。
【0050】本発明においては上記特殊有機リン化合物
の他に下記の有機リン化合物を用いることができる。こ
のような場合には、下記有機リン化合物の使用量は比較
的少量であるため熱可塑性樹脂を難燃化した場合におい
ても従来技術の欠点である耐衝撃性の低下、耐熱性の低
下、射出成形金型内付着物による製品外観の悪化を改良
することは可能である。このような有機リン化合物とし
てはヒドロキシフェニル基を含有しない有機リン化合物
あるいは前記(B)成分の有する数以上のヒドロキシル
基含有置換基を有する有機リン化合物等で、例えばトリ
フェニルフォスフェート、トリトリルフォスフェート、
トリキシリルフォスフェート、トリ2−エチルヘキシル
フォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェート、1,3−フェニレン
ビスジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフ
ィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、トリトリ
ルフォスフィンオキサイド、トリノニルフェニルフォス
フィンオキサイド、トリス(n−ブチル)フォスフィン
オキサイド、ベンジルビスフェニルフォスフィンオキサ
イド等を一種又は二種以上を用いることができる。
の他に下記の有機リン化合物を用いることができる。こ
のような場合には、下記有機リン化合物の使用量は比較
的少量であるため熱可塑性樹脂を難燃化した場合におい
ても従来技術の欠点である耐衝撃性の低下、耐熱性の低
下、射出成形金型内付着物による製品外観の悪化を改良
することは可能である。このような有機リン化合物とし
てはヒドロキシフェニル基を含有しない有機リン化合物
あるいは前記(B)成分の有する数以上のヒドロキシル
基含有置換基を有する有機リン化合物等で、例えばトリ
フェニルフォスフェート、トリトリルフォスフェート、
トリキシリルフォスフェート、トリ2−エチルヘキシル
フォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェート、1,3−フェニレン
ビスジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフ
ィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、トリトリ
ルフォスフィンオキサイド、トリノニルフェニルフォス
フィンオキサイド、トリス(n−ブチル)フォスフィン
オキサイド、ベンジルビスフェニルフォスフィンオキサ
イド等を一種又は二種以上を用いることができる。
【0051】本発明の樹脂組成物に更に高度な難燃性を
付与する場合には、(C)難燃性改良剤を配合すること
ができる。上記(C)難燃性改良剤とは、赤リン、
トリアジン骨格含有化合物から選ばれた一種以上の化合
物からなる。上記赤リンとは一般の赤リンの他に、そ
の表面をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属
水酸化物の皮膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン
より選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる皮
膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる
金属水酸化物の皮膜の上に熱硬化性樹脂の皮膜で二重に
被覆処理されたもの、無電解メッキ赤リンなども好適に
用いることができる。
付与する場合には、(C)難燃性改良剤を配合すること
ができる。上記(C)難燃性改良剤とは、赤リン、
トリアジン骨格含有化合物から選ばれた一種以上の化合
物からなる。上記赤リンとは一般の赤リンの他に、そ
の表面をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属
水酸化物の皮膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン
より選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる皮
膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる
金属水酸化物の皮膜の上に熱硬化性樹脂の皮膜で二重に
被覆処理されたもの、無電解メッキ赤リンなども好適に
用いることができる。
【0052】ここで特に樹脂組成物の押出し混練時にホ
スフィンの発生を著しく低下させる必要が生じた場合に
は、イ.無電解メッキ赤リン及び/または、ロ.無電解
メッキ赤リンと水和金属化合物の混合物を熱可塑性樹脂
でカプセル化した赤リン系難燃剤を用いることができ
る。
スフィンの発生を著しく低下させる必要が生じた場合に
は、イ.無電解メッキ赤リン及び/または、ロ.無電解
メッキ赤リンと水和金属化合物の混合物を熱可塑性樹脂
でカプセル化した赤リン系難燃剤を用いることができ
る。
【0053】本発明に使用するイ.無電解メッキした赤
リンは、赤リンの表面を還元触媒で処理した後、水中に
懸濁し錯化剤の存在下に、金属塩と燐酸系の還元剤を反
応させる事により得られる。
リンは、赤リンの表面を還元触媒で処理した後、水中に
懸濁し錯化剤の存在下に、金属塩と燐酸系の還元剤を反
応させる事により得られる。
【0054】本発明における赤リンの粒径は5〜50μ
の範囲が好ましい。無電解メッキ皮膜としては特に限定
するところではないが、Fe,Ni,Co,Cu,Z
n,Mnまたはこれらの合金から選ばれた金属メッキ皮
膜が好ましく、特にNiまたはNiの合金が好ましい。
無電解メッキ被膜の好ましい厚みは、使用する金属によ
って異なるがメッキ被膜の耐久性が充分に保てる範囲で
あることが好ましい。ホスフィンガス発生の抑制を完全
にするためには5〜10μの厚みが好ましい。また、上
記ロ.無電解メッキ赤リンのカプセル化赤リン系難燃剤
は、上記無電解メッキ赤リンと水和金属化合物の混合物
を熱可塑性樹脂でカプセル化することにより得られる。
の範囲が好ましい。無電解メッキ皮膜としては特に限定
するところではないが、Fe,Ni,Co,Cu,Z
n,Mnまたはこれらの合金から選ばれた金属メッキ皮
膜が好ましく、特にNiまたはNiの合金が好ましい。
無電解メッキ被膜の好ましい厚みは、使用する金属によ
って異なるがメッキ被膜の耐久性が充分に保てる範囲で
あることが好ましい。ホスフィンガス発生の抑制を完全
にするためには5〜10μの厚みが好ましい。また、上
記ロ.無電解メッキ赤リンのカプセル化赤リン系難燃剤
は、上記無電解メッキ赤リンと水和金属化合物の混合物
を熱可塑性樹脂でカプセル化することにより得られる。
【0055】水和金属化合物としては水酸化セリウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化スズ
が好ましく、本発明の樹脂カプセル中に均一に分散する
ためには粒子径は小さいことが好ましく5〜10μ、特
に好ましくは3〜5μである。無電解メッキした赤リン
100重量部に対して水和金属化合物の割合は50〜1
50重量部が適当である。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化スズ
が好ましく、本発明の樹脂カプセル中に均一に分散する
ためには粒子径は小さいことが好ましく5〜10μ、特
に好ましくは3〜5μである。無電解メッキした赤リン
100重量部に対して水和金属化合物の割合は50〜1
50重量部が適当である。
【0056】本発明において無電解メッキ赤リンと水和
金属化合物の混合物を熱可塑性樹脂によってカプセルす
る方法は熱可塑性樹脂の良溶媒であり、かつ水に可溶性
の有機溶媒に熱可塑性樹脂を溶解し、該樹脂溶液に無電
解メッキした赤リン粒子と、水和金属化合物を均一に分
散させ、この分散液を、水を凝固浴として用いることに
より、顆粒状に成形した後、乾燥することにより得られ
る。
金属化合物の混合物を熱可塑性樹脂によってカプセルす
る方法は熱可塑性樹脂の良溶媒であり、かつ水に可溶性
の有機溶媒に熱可塑性樹脂を溶解し、該樹脂溶液に無電
解メッキした赤リン粒子と、水和金属化合物を均一に分
散させ、この分散液を、水を凝固浴として用いることに
より、顆粒状に成形した後、乾燥することにより得られ
る。
【0057】本発明の(C)難燃性改良剤の第2番目の
成分であるトリアジン骨格含有化合物は、含リン化合
物の難燃助剤として作用し、その具体例としては、メラ
ミン、メラム[下記式(2)]、メレム[下記式
(3)]、メロン(600℃以上でメレム3分子から3
分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレ
ート[下記式(4)]、メラミンホスフェート[下記式
(5)]、サクシノグアナミン[下記式(6)]、アジ
ポグアナミン、メチルグルタログアナミン、リン酸メラ
ミン、メラミン樹脂[下記式(7)]、BTレジン[下
記式(8)]等を挙げることができる。
成分であるトリアジン骨格含有化合物は、含リン化合
物の難燃助剤として作用し、その具体例としては、メラ
ミン、メラム[下記式(2)]、メレム[下記式
(3)]、メロン(600℃以上でメレム3分子から3
分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレ
ート[下記式(4)]、メラミンホスフェート[下記式
(5)]、サクシノグアナミン[下記式(6)]、アジ
ポグアナミン、メチルグルタログアナミン、リン酸メラ
ミン、メラミン樹脂[下記式(7)]、BTレジン[下
記式(8)]等を挙げることができる。
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】本発明の樹脂組成物を構成する(A)熱可
塑性樹脂と(B)成形加工性改良剤と(C)難燃性改良
剤との量比については、(A)が100重量部に対し
て、(B)が5〜50重量部、好ましくは10〜30重
量部、(C)が0〜30重量部、好ましくは5〜20重
量部の範囲にあることが好適である。上記範囲内では、
加工性(流動性)、耐熱性、耐衝撃性、難燃性とのバラ
ンス特性が優れる。
塑性樹脂と(B)成形加工性改良剤と(C)難燃性改良
剤との量比については、(A)が100重量部に対し
て、(B)が5〜50重量部、好ましくは10〜30重
量部、(C)が0〜30重量部、好ましくは5〜20重
量部の範囲にあることが好適である。上記範囲内では、
加工性(流動性)、耐熱性、耐衝撃性、難燃性とのバラ
ンス特性が優れる。
【0061】また、本発明の樹脂組成物の流動性を向上
させる必要のある場合には、(D)高級脂肪酸アミド化
合物を配合することができ、それは高級脂肪酸と、
(イ)ジアミン類または(ロ)アミノアルコール類との
反応物である。ここで、高級脂肪酸とは炭素数11〜2
1のアルキル基またはアルケニル基を有する脂肪酸であ
り、特にステアリン酸が好ましい。
させる必要のある場合には、(D)高級脂肪酸アミド化
合物を配合することができ、それは高級脂肪酸と、
(イ)ジアミン類または(ロ)アミノアルコール類との
反応物である。ここで、高級脂肪酸とは炭素数11〜2
1のアルキル基またはアルケニル基を有する脂肪酸であ
り、特にステアリン酸が好ましい。
【0062】また、上記ジアミン類とは炭素数2〜10
の炭化水素のジアミン類であり、特にエチレンジアミン
が好ましい。更には上記アミノアルコール類とは炭素数
2〜10の炭化水素のアミノアルコール類であり、例え
ばモノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノー
ル、4−アミノ−1−ブタノール等が挙げられる。
の炭化水素のジアミン類であり、特にエチレンジアミン
が好ましい。更には上記アミノアルコール類とは炭素数
2〜10の炭化水素のアミノアルコール類であり、例え
ばモノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノー
ル、4−アミノ−1−ブタノール等が挙げられる。
【0063】本発明の(D)成分の高級脂肪酸アミド化
合物としては特にエチレン・ビス・ステアリルアミド
(Ethylene bis stearamide)
が好ましく、難燃性と耐熱性と耐衝撃性を保持しつつ、
流動性を向上させる。
合物としては特にエチレン・ビス・ステアリルアミド
(Ethylene bis stearamide)
が好ましく、難燃性と耐熱性と耐衝撃性を保持しつつ、
流動性を向上させる。
【0064】本発明の樹脂組成物は、上記各成分を市販
の単軸押出機あるいは、二軸押出機などで、例えば溶融
混練することにより得られるが、その際にヒンダードフ
ェノール等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールやヒンダ
ードアミン等の紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、その他の
無機系やハロゲン系難燃剤、ステアリン酸やステアリン
酸亜鉛等の滑剤、充填剤、ガラス繊維等の補強剤、染料
や顔料等の着色剤等を必要に応じて添加することができ
る。このようにして得られた本発明の組成物を例えば、
射出成形機又は押出成形することにより、難燃性、流動
性、耐熱性及び耐衝撃性の優れた成形品が得られる。
の単軸押出機あるいは、二軸押出機などで、例えば溶融
混練することにより得られるが、その際にヒンダードフ
ェノール等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールやヒンダ
ードアミン等の紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、その他の
無機系やハロゲン系難燃剤、ステアリン酸やステアリン
酸亜鉛等の滑剤、充填剤、ガラス繊維等の補強剤、染料
や顔料等の着色剤等を必要に応じて添加することができ
る。このようにして得られた本発明の組成物を例えば、
射出成形機又は押出成形することにより、難燃性、流動
性、耐熱性及び耐衝撃性の優れた成形品が得られる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものでは
ない。なお、実施例、比較例における測定は、以下の方
法もしくは測定機器を用いて行った。
するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものでは
ない。なお、実施例、比較例における測定は、以下の方
法もしくは測定機器を用いて行った。
【0066】(1)ゴム重量平均粒子径:ゴム変性スチ
レン系樹脂の重量平均粒子径は、樹脂組成物の超薄切片
法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中のブタジエン
系重合体粒子径を求め、次式により算出する。
レン系樹脂の重量平均粒子径は、樹脂組成物の超薄切片
法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中のブタジエン
系重合体粒子径を求め、次式により算出する。
【0067】 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3 (ここにNiは、粒子径がDiであるブタジエン系重合
体粒子の個数である。 (2)還元粘土ηsp/c ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振盪し、5℃、18000rpmで30分間遠心分
離する。上澄液を取り出しメタノールで樹脂分を析出さ
せた後、乾燥した。
体粒子の個数である。 (2)還元粘土ηsp/c ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振盪し、5℃、18000rpmで30分間遠心分
離する。上澄液を取り出しメタノールで樹脂分を析出さ
せた後、乾燥した。
【0068】このようにして得られた樹脂0.1gをト
ルエンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液とし、この
溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度計に入れ、
30℃でこの溶液流下秒数t1を測定した。一方、別に
同じ粘度計で純トルエンの流化秒数t0を測定し、以下
の数式により算出した。
ルエンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液とし、この
溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度計に入れ、
30℃でこの溶液流下秒数t1を測定した。一方、別に
同じ粘度計で純トルエンの流化秒数t0を測定し、以下
の数式により算出した。
【0069】
【数1】
【0070】一方、(A)成分のPPEの還元粘度ηs
p/cについては、0.1gをクロロホルムに溶解し、
濃度0.5g/dlの溶液とし、上記と同様に測定し
た。
p/cについては、0.1gをクロロホルムに溶解し、
濃度0.5g/dlの溶液とし、上記と同様に測定し
た。
【0071】(3)アイゾット衝撃強度:ASTM−D
256に準拠した方法で23℃で測定した(Vノッチ、
1/8インチ試験片) (4)ビカット軟化温度:ASTM−D1525に準拠
した方法で測定し、耐熱性の尺度とした。 (5)メルトフローレイト(MFR):流動性の指標で
ASTM−D−1238に準拠した方法で測定した。荷
重5kg、溶融温度200℃の条件で1分間あたりの押
出量(g/10min)から求めた。 (6)難燃性及びドリップ性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した(1/8インチ試験片での
評価)。
256に準拠した方法で23℃で測定した(Vノッチ、
1/8インチ試験片) (4)ビカット軟化温度:ASTM−D1525に準拠
した方法で測定し、耐熱性の尺度とした。 (5)メルトフローレイト(MFR):流動性の指標で
ASTM−D−1238に準拠した方法で測定した。荷
重5kg、溶融温度200℃の条件で1分間あたりの押
出量(g/10min)から求めた。 (6)難燃性及びドリップ性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した(1/8インチ試験片での
評価)。
【0072】(7)ホスフィンの測定方法 サンプリング方法:押出機ベントガス、燃焼試験時の燃
焼ガスの真上にロートを置き、フィルターを通して自動
サンプラーで10mlのガスをガスクロマトグラフのカ
ラムに導入した。ガステックのクロマトテックGGC−
01、検出器は定電位電解式ガス検出器PED、充填剤
はポラパック−QSを用いた。
焼ガスの真上にロートを置き、フィルターを通して自動
サンプラーで10mlのガスをガスクロマトグラフのカ
ラムに導入した。ガステックのクロマトテックGGC−
01、検出器は定電位電解式ガス検出器PED、充填剤
はポラパック−QSを用いた。
【0073】実施例1〜5、比較例1〜6 (イ)熱可塑性樹脂の製造 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−1)製造 ポリブタジエン[(シス1,4結合/トランス1,4結
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3) を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3) を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。
【0074】 ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 72.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% ミネラルオイル 2.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン 0.03重量% 次いで、上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連
続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
℃、第2段は50rpm、133℃、第3段は20rp
m、140℃、第4段は20rpm、155℃で重合を
行った。引き続きこの固形分73%の重合液を脱揮装置
に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム変性スチ
レン樹脂を得た(HIPS−1と称する)。得られたゴ
ム変性スチレン樹脂を分析した結果、ゴム含量は14重
量%、ゴムの重量平均粒子径は2.4μm、還元粘度η
sp/cは0.53dl/gであった。
続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
℃、第2段は50rpm、133℃、第3段は20rp
m、140℃、第4段は20rpm、155℃で重合を
行った。引き続きこの固形分73%の重合液を脱揮装置
に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム変性スチ
レン樹脂を得た(HIPS−1と称する)。得られたゴ
ム変性スチレン樹脂を分析した結果、ゴム含量は14重
量%、ゴムの重量平均粒子径は2.4μm、還元粘度η
sp/cは0.53dl/gであった。
【0075】 ポリフェニレンエーテル(PPE)の製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間
重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPEと称する)。還元粘度は0.55dl/g
であった。
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間
重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPEと称する)。還元粘度は0.55dl/g
であった。
【0076】また、このPPEとポリスチレン[旭化成
工業(株)製,旭化成ポリスチレン685]を重量比で
70/30で混合し、2軸押出機で350℃で溶融押出
を行った。得られたペレットをPPE−MBと称す。
工業(株)製,旭化成ポリスチレン685]を重量比で
70/30で混合し、2軸押出機で350℃で溶融押出
を行った。得られたペレットをPPE−MBと称す。
【0077】(ロ)成形加工性改良剤 ヒドロキシフェニル基を含有した有機リン化合物の
製造(FR−1) フェノール122.7重量部(モル比2.0)、塩化ア
ルミニウム0.87重量部(モル比0.01)をフラス
コに取り90℃でオキシ塩化リン100重量部(モル比
1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中間体
(I)にレゾルシン71.7重量部(モル比1.0)を
加え、更に反応させた。反応を完結させるために、徐々
に昇温し最終的には180℃まで温度を上げてエステル
化を完了させた。次いで反応生成物を冷却し、水洗して
触媒及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下
FR−1と称する)を得た。この混合物をGPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)により分析した
ところ、ジフェニルレゾルシニルホスフェート(以下T
PP−OHと称する)とトリフェニルホスフェート(以
下TPPと称する)と、芳香族縮合リン酸エステル(以
下TPPダイマーと称する)からなり、重量比がそれぞ
れ54.2/18.3/27.5であった。
製造(FR−1) フェノール122.7重量部(モル比2.0)、塩化ア
ルミニウム0.87重量部(モル比0.01)をフラス
コに取り90℃でオキシ塩化リン100重量部(モル比
1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中間体
(I)にレゾルシン71.7重量部(モル比1.0)を
加え、更に反応させた。反応を完結させるために、徐々
に昇温し最終的には180℃まで温度を上げてエステル
化を完了させた。次いで反応生成物を冷却し、水洗して
触媒及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下
FR−1と称する)を得た。この混合物をGPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)により分析した
ところ、ジフェニルレゾルシニルホスフェート(以下T
PP−OHと称する)とトリフェニルホスフェート(以
下TPPと称する)と、芳香族縮合リン酸エステル(以
下TPPダイマーと称する)からなり、重量比がそれぞ
れ54.2/18.3/27.5であった。
【0078】
【化16】
【0079】 ヒドロキシフェニル基非含有有機リン
化合物(TPP) 市販のトリフェニルホスフェート[(大八化学工業
(株)製)(TPPと称する)]を用いた。
化合物(TPP) 市販のトリフェニルホスフェート[(大八化学工業
(株)製)(TPPと称する)]を用いた。
【0080】(ハ)組成物の調製及び評価 表1に記載した配合比率で機械的に混合し、東洋精機製
作所製ラボブラストミルを用いて、溶融温度250℃回
転数50rpmで5分間溶融した。このようにして得ら
れた重合体組成物から加熱プレスにより1/8インチ厚
の試験片を作製し、ビカット軟化温度、アイゾット衝撃
強さ及びMFRの評価を行った。表1、図1にその結果
を示す。
作所製ラボブラストミルを用いて、溶融温度250℃回
転数50rpmで5分間溶融した。このようにして得ら
れた重合体組成物から加熱プレスにより1/8インチ厚
の試験片を作製し、ビカット軟化温度、アイゾット衝撃
強さ及びMFRの評価を行った。表1、図1にその結果
を示す。
【0081】表1及び図1によると、ヒドロキシフェニ
ル基を含有する有機リン化合物は、耐衝撃性と耐熱性を
保持して流動性を向上させることが分かる。
ル基を含有する有機リン化合物は、耐衝撃性と耐熱性を
保持して流動性を向上させることが分かる。
【0082】
【表1】
【0083】 実施例6〜8 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1、PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1、下記のFR−2、FR−3を用いた。 ヒドロキシフェニル基を含有した有機リン化合物の製
造(FR−2) 前出の成形加工性改良剤FR−1の製造において、レゾ
ルシンの代わりにハイドロキノンを用いること以外、同
一の実験を行なった。このようにして得られたリン酸エ
ステル混合物をFR−2と称する。この混合物をGPC
により分析したところ、ジフェニルハイドロキノニルホ
スフェート(TPP−OH−Pと称する)、トリフェニ
ルホスフェート(TPP)、芳香族縮合リン酸エステル
(TPPダイマーと称する)及び芳香族縮合リン酸エス
テル(TPPオリゴマーと称する)からなり、重量比が
それぞれ64.6/12.4/17.0/6.0であっ
た。
造(FR−2) 前出の成形加工性改良剤FR−1の製造において、レゾ
ルシンの代わりにハイドロキノンを用いること以外、同
一の実験を行なった。このようにして得られたリン酸エ
ステル混合物をFR−2と称する。この混合物をGPC
により分析したところ、ジフェニルハイドロキノニルホ
スフェート(TPP−OH−Pと称する)、トリフェニ
ルホスフェート(TPP)、芳香族縮合リン酸エステル
(TPPダイマーと称する)及び芳香族縮合リン酸エス
テル(TPPオリゴマーと称する)からなり、重量比が
それぞれ64.6/12.4/17.0/6.0であっ
た。
【0084】
【化17】
【0085】 なお、n=1 TPPダイマー n≧2 TPPオリゴマー と称する。
【0086】ヒドロキシフェニル基を含有した有機リ
ン化合物の製造(FR−3) 成形加工性改良剤FR−1の製造において、原料の組成
比を変更した。即ち、フェノール61.4重量部(モル
比1.0)、塩化アルミニウム0.87重量部(モル比
0.01)をフラスコに取り90℃でオキシ塩化リン1
00重量部(モル比1.0)を1時間かけて滴下した。
生成した中間体(II)にレゾルシン143.4重量部
(モル比2.0)を加え、更に反応させて得られた中間
体(III)と、FR−1の製造において得られた中間体
(I)との等モル比での反応を続けた。反応を完結させ
るために、除々に昇温し最終的には180℃まで温度を
上げてエステル化を完了させた。
ン化合物の製造(FR−3) 成形加工性改良剤FR−1の製造において、原料の組成
比を変更した。即ち、フェノール61.4重量部(モル
比1.0)、塩化アルミニウム0.87重量部(モル比
0.01)をフラスコに取り90℃でオキシ塩化リン1
00重量部(モル比1.0)を1時間かけて滴下した。
生成した中間体(II)にレゾルシン143.4重量部
(モル比2.0)を加え、更に反応させて得られた中間
体(III)と、FR−1の製造において得られた中間体
(I)との等モル比での反応を続けた。反応を完結させ
るために、除々に昇温し最終的には180℃まで温度を
上げてエステル化を完了させた。
【0087】次いで反応生成物を冷却し、水洗して触媒
及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下、F
R−3と称する)を得た。この混合物をGPCにより分
析したところ、TPP−OH、ビス(レゾルシニル)フ
ェニルホスフェート(TPP−(OH)2と称する)、
ヒドロキシル基含有芳香族縮合リン酸エステル(TPP
ダイマー−OHと称する)、TPP、TPPダイマー及
びTPPオリゴーからなり、重量比がそれぞれ3.2/
5.8/25.3/2.1/34.7/28.9であっ
た。
及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下、F
R−3と称する)を得た。この混合物をGPCにより分
析したところ、TPP−OH、ビス(レゾルシニル)フ
ェニルホスフェート(TPP−(OH)2と称する)、
ヒドロキシル基含有芳香族縮合リン酸エステル(TPP
ダイマー−OHと称する)、TPP、TPPダイマー及
びTPPオリゴーからなり、重量比がそれぞれ3.2/
5.8/25.3/2.1/34.7/28.9であっ
た。
【0088】
【化18】
【0089】(ハ)組成物の調製及び評価 表2に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
【0090】表2にその結果を示す。
【0091】
【表2】
【0092】*1 PPE−MB:ポリフェニレンエー
テル(PPE)/ポリスチレン(GPPS)=70/3
0(重量比) *2 TPP−OH:ジフェニルレゾルシニルホスフェ
ート *3 TPP−OH−P:ジフェニルハイドロキノニル
ホスフェート *4 TPP−(OH)2:ジレゾルシニルフェニルホ
スフェート *5 TPPダイマー−OH:n=1の化合物のOH基
付加体 *6 TPP:トリフェニルホスフェート *7 TPPダイマー:n=1 *8 TPPオリゴマー:n≧2 実施例9〜11、比較例7〜10 (イ)熱可塑性樹脂 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−2):ゴム変性
スチレン系樹脂として市販のHIPSを用いた。
テル(PPE)/ポリスチレン(GPPS)=70/3
0(重量比) *2 TPP−OH:ジフェニルレゾルシニルホスフェ
ート *3 TPP−OH−P:ジフェニルハイドロキノニル
ホスフェート *4 TPP−(OH)2:ジレゾルシニルフェニルホ
スフェート *5 TPPダイマー−OH:n=1の化合物のOH基
付加体 *6 TPP:トリフェニルホスフェート *7 TPPダイマー:n=1 *8 TPPオリゴマー:n≧2 実施例9〜11、比較例7〜10 (イ)熱可塑性樹脂 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS−2):ゴム変性
スチレン系樹脂として市販のHIPSを用いた。
【0093】a)HIPS−2 組成: ポリブタジエン[(シス1,4結合/トランス1,4結 合/ビニル1,2結合=95/2/3(重量比)] 12.3重量% ポリスチレン 87.53重量% ミネラルオイル 0.17重量% 還元粘度 ηsp/c=0.79 ゴムの重量平均粒子径 1.25μm (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1とTPPを用いた。
【0094】(ハ)組成物の調製及び評価 表3に記載した配合比率に変更し、かつラボプラストミ
ルの溶融温度を230℃に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。表3、
図2にその結果を示す。
ルの溶融温度を230℃に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。表3、
図2にその結果を示す。
【0095】
【表3】
【0096】*1 TPP−OH:ジフェニルレゾルシ
ニルホスフェート *2 TPP:トリフェニルホスフェート *3 TPPダイマー:n=1 *4 TPPオリゴマー:n≧2 表3、図2によると、ヒドロキシフェニル基を有する有
機リン化合物は耐衝撃性と耐熱性を保持しつつ、流動性
を向上させることが分かる。
ニルホスフェート *2 TPP:トリフェニルホスフェート *3 TPPダイマー:n=1 *4 TPPオリゴマー:n≧2 表3、図2によると、ヒドロキシフェニル基を有する有
機リン化合物は耐衝撃性と耐熱性を保持しつつ、流動性
を向上させることが分かる。
【0097】実施例12,13、比較例11〜14 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1、PPE−MB、HIPS−2及び
下記のABS,PCを用いた。上記ABSは、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体[アクリロニ
トリル/ブタジエン/スチレン=26/14/60(重
量比)]を用いた。上記PCは、ポリカーボネートであ
り、三菱化成工業(株)製、商品名ノーバレックス70
25Aを用いた。
下記のABS,PCを用いた。上記ABSは、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体[アクリロニ
トリル/ブタジエン/スチレン=26/14/60(重
量比)]を用いた。上記PCは、ポリカーボネートであ
り、三菱化成工業(株)製、商品名ノーバレックス70
25Aを用いた。
【0098】(ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1、TPPを用いた。 (ハ)組成物の調製及び評価 表4に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。表4に
その結果を示す。
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。表4に
その結果を示す。
【0099】
【表4】
【0100】表4によると、HIPS/PPE、HIP
S、ABS、PCはヒドロキシフェニル基含有有機リン
化合物(一例として、前出のTPP−OH)を有する成
形加工性改良剤により、優れた物性バランスの組成物を
形成するが、ヒドロキシル基を有しない有機リン化合物
(一例として、前出のTPP)を用いた場合には、流動
性は優れているものの、耐熱性は低い。
S、ABS、PCはヒドロキシフェニル基含有有機リン
化合物(一例として、前出のTPP−OH)を有する成
形加工性改良剤により、優れた物性バランスの組成物を
形成するが、ヒドロキシル基を有しない有機リン化合物
(一例として、前出のTPP)を用いた場合には、流動
性は優れているものの、耐熱性は低い。
【0101】この理由については、極性つまりSP値で
説明できる。図3には、熱可塑性樹脂と成形加工性改良
剤の、Small−Hoy式によって算出されたSP値
のダイアグラムを示した。このSP値の算出方法は、
「Polymer Handbook」(John W
iley & Sons,New York)のIV−33
9に記載のSP値(δ)の算出方法により、下記式で示
される。
説明できる。図3には、熱可塑性樹脂と成形加工性改良
剤の、Small−Hoy式によって算出されたSP値
のダイアグラムを示した。このSP値の算出方法は、
「Polymer Handbook」(John W
iley & Sons,New York)のIV−33
9に記載のSP値(δ)の算出方法により、下記式で示
される。
【0102】δ=d Σ G/M (ここで、ΣG:Small−Hoyによる原子または
分子のgroup molar attraction
constantの和、d:密度、M:分子量を示
す) 図3によると、HIPS、PPEはTPPとSP値が非
常に近く、完全相溶性を示すが、TPP−OHとはやや
SP値が離れるために相溶性を示すことが分かる。この
ために、特に前出のTPP−OHを含有した成形加工性
改良剤と、HIPSまたはHIPS/PPEとからなる
組成物は良好な物性バランスを有する。一方、ABS
[アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン=26/1
4/600]、PCは、前出のTPP−OHのSP値に
やや近づき、相溶性が増大するために、HIPS、PP
Eに比較して、耐熱性の向上効果は小さい。
分子のgroup molar attraction
constantの和、d:密度、M:分子量を示
す) 図3によると、HIPS、PPEはTPPとSP値が非
常に近く、完全相溶性を示すが、TPP−OHとはやや
SP値が離れるために相溶性を示すことが分かる。この
ために、特に前出のTPP−OHを含有した成形加工性
改良剤と、HIPSまたはHIPS/PPEとからなる
組成物は良好な物性バランスを有する。一方、ABS
[アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン=26/1
4/600]、PCは、前出のTPP−OHのSP値に
やや近づき、相溶性が増大するために、HIPS、PP
Eに比較して、耐熱性の向上効果は小さい。
【0103】実施例14,15比較例15、16 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1、PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1、TPP、下記のFR−4及びFR−1
/FR−4の60/40(重量比)の混合物を用いた。
FR−4は市販の芳香族縮合リン酸エステル[(大八化
学工業(株)製、商品名CR733S)(以下、FR−
4と称する)]を用いた。
/FR−4の60/40(重量比)の混合物を用いた。
FR−4は市販の芳香族縮合リン酸エステル[(大八化
学工業(株)製、商品名CR733S)(以下、FR−
4と称する)]を用いた。
【0104】また、上記芳香族縮合リン酸エステルは、
GPC分析によると、TPPダイマーとTPPオリゴマ
ーからなり、重量比でそれぞれ65/35であった。
GPC分析によると、TPPダイマーとTPPオリゴマ
ーからなり、重量比でそれぞれ65/35であった。
【0105】
【化19】
【0106】 なお、n=1 TPPダイマー n≧2 TPPオリゴマー と称する。
【0107】(ハ)難燃性改良剤 赤リン 赤リンとして、市販の赤リン粉末[燐化学工業(株)
製、商品名ノーバエクセル150]を用いた。(RP−
1と称する。) トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、市販のメラミン[三
井東圧化学(株)製]を用いた。(MLと称する) (ニ)組成物の調製及び評価 表5に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
製、商品名ノーバエクセル150]を用いた。(RP−
1と称する。) トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として、市販のメラミン[三
井東圧化学(株)製]を用いた。(MLと称する) (ニ)組成物の調製及び評価 表5に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
【0108】また、難燃性の測定も行なった。表5にそ
の結果を示す。
の結果を示す。
【0109】表5によると、ヒドロキシフェニル基を含
有する有機リン化合物は、難燃性、流動性、耐熱性及び
耐衝撃性のバランス特性が優れていることが分かる。
有する有機リン化合物は、難燃性、流動性、耐熱性及び
耐衝撃性のバランス特性が優れていることが分かる。
【0110】
【表5】
【0111】*1 TPP−OH:ジフェニルレゾルシ
ニルホスフェート *2 TPP:トリフェニルホスフェート *3 TPPダイマー:n=1 *4 TPPオリゴマー:n≧2 *5 ML:メラミン 実施例16〜18 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1、PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1、FR−2及び下記のFR−5を用い
た。 ヒドロキシフェニル基を含有する有機リン化合物の
製造(FR−5) 前出の成形加工性改良剤FR−1の製造において、フェ
ノール122.7重量部(モル比2.0)の代わりにク
レゾール141.0重量部(モル比2.0)を用いるこ
と以外、同一の実験を行なった。このようにして得られ
たリン酸エステル混合物をFR−5と称する。この混合
物をGPCにより分析したところ、ジクレジルレゾルシ
ニルホスフェート(TCP−OHと称する)とトリクレ
ジルホスフェート(TCPと称する)、芳香族縮合リン
酸エステル(TCPダイマーと称する)、芳香族縮合リ
ン酸エステル(TCPオリゴマーと称する)、芳香族縮
合リン酸エステル(TCPオリゴマーと称する)からな
り、重量比がそれぞれ54.5/11.2/31.2/
3.1であった。
ニルホスフェート *2 TPP:トリフェニルホスフェート *3 TPPダイマー:n=1 *4 TPPオリゴマー:n≧2 *5 ML:メラミン 実施例16〜18 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1、PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1、FR−2及び下記のFR−5を用い
た。 ヒドロキシフェニル基を含有する有機リン化合物の
製造(FR−5) 前出の成形加工性改良剤FR−1の製造において、フェ
ノール122.7重量部(モル比2.0)の代わりにク
レゾール141.0重量部(モル比2.0)を用いるこ
と以外、同一の実験を行なった。このようにして得られ
たリン酸エステル混合物をFR−5と称する。この混合
物をGPCにより分析したところ、ジクレジルレゾルシ
ニルホスフェート(TCP−OHと称する)とトリクレ
ジルホスフェート(TCPと称する)、芳香族縮合リン
酸エステル(TCPダイマーと称する)、芳香族縮合リ
ン酸エステル(TCPオリゴマーと称する)、芳香族縮
合リン酸エステル(TCPオリゴマーと称する)からな
り、重量比がそれぞれ54.5/11.2/31.2/
3.1であった。
【0112】
【化20】
【0113】 なお、n=1 TCPダイマー n≧2 TCPオリゴマー と称する。
【0114】(ハ)難燃性改良剤 トリアジン骨格含有化合物 トリアジン骨格含有化合物として市販のメラミンシアヌ
レート[日産化学(株)製商品名MC610(MCと称
する)]を用いた。
レート[日産化学(株)製商品名MC610(MCと称
する)]を用いた。
【0115】(ニ)高級脂肪族アミド 高級脂肪酸アミドとして、市販のエチレンビスステアリ
ルアミド{花王(株)製商品名花王ワックスEB FF
を用いた(EBSと称する)} (ホ)組成物の調製及び評価 表6に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
ルアミド{花王(株)製商品名花王ワックスEB FF
を用いた(EBSと称する)} (ホ)組成物の調製及び評価 表6に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。
【0116】また、難燃性の測定も行なった。表6にそ
の結果を示す。
の結果を示す。
【0117】
【表6】
【0118】*1 PPE−MB:ポリフェニレンエー
テル(PPE)/ポリスチレン(GPPS)=70/3
0(重量比) *2 MC:メラミンシアヌレート *3 EBS:エチレンビスステアリルアミド *4 FR−1:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH/TPP/TPPダイマー=54.
2/18.3/27.5(重量比) *5 FR−2:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH−P/TPP/TPPダイマー/T
PPオリゴマー=64.6/12.4/17.0/6.
0(重量比) *6 FR−5:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TCP−OH/TCP/TCPダイマー/TCP
オリゴマー=54.5/11.2/31.2/3.1
(重量比) 実施例19、比較例17,18 (イ)熱可塑性樹脂 下記のHIPS−3及び前出のPPE−MBを用いた。
テル(PPE)/ポリスチレン(GPPS)=70/3
0(重量比) *2 MC:メラミンシアヌレート *3 EBS:エチレンビスステアリルアミド *4 FR−1:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH/TPP/TPPダイマー=54.
2/18.3/27.5(重量比) *5 FR−2:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH−P/TPP/TPPダイマー/T
PPオリゴマー=64.6/12.4/17.0/6.
0(重量比) *6 FR−5:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TCP−OH/TCP/TCPダイマー/TCP
オリゴマー=54.5/11.2/31.2/3.1
(重量比) 実施例19、比較例17,18 (イ)熱可塑性樹脂 下記のHIPS−3及び前出のPPE−MBを用いた。
【0119】HIPS−3は、前出のHIPS−1の製
造において、ミネラルオイル2.0重量%を、スチレン
2重量%に変更すること以外、同一の実験を繰り返して
得られたゴム変性スチレン系樹脂である。ゴム含量は1
4重量%、ゴムの重量平均粒子径は2.4μm、還元粘
度ηsp/cは0.53dl/gであった。
造において、ミネラルオイル2.0重量%を、スチレン
2重量%に変更すること以外、同一の実験を繰り返して
得られたゴム変性スチレン系樹脂である。ゴム含量は1
4重量%、ゴムの重量平均粒子径は2.4μm、還元粘
度ηsp/cは0.53dl/gであった。
【0120】(ロ)成形加工性改良剤 前出のTPP、FR−1、及び下記のFR−6を用い
た。
た。
【0121】ヒドロキシフェニル基を含有した有機リ
ン化合物の製造(FR−6) 成形加工性改良剤FR−3の製造において、中間体(II
I)を単離精製した。得られたリン酸エステル混合物
(以下、FR−6と称する)をGPCにより分析したと
ころ、TPP−(OH)2、TPPダイマー、TPPオ
リゴマーからなり、重量比がそれぞれ44.1/35.
3/20.6であった。
ン化合物の製造(FR−6) 成形加工性改良剤FR−3の製造において、中間体(II
I)を単離精製した。得られたリン酸エステル混合物
(以下、FR−6と称する)をGPCにより分析したと
ころ、TPP−(OH)2、TPPダイマー、TPPオ
リゴマーからなり、重量比がそれぞれ44.1/35.
3/20.6であった。
【0122】
【化21】
【0123】(ハ)難燃性改良剤 前出のMLを用いた。
【0124】(ニ)高級脂肪族アミド 前出のEBSを用いた。 (ホ)組成物の調製及び評価 表7に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。また、
難燃性の測定も行なった。表7にその結果を示す。
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。また、
難燃性の測定も行なった。表7にその結果を示す。
【0125】
【表7】
【0126】*1 TPP:トリフェニルフォスフェー
ト *2 FR−1:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH/TPP/TPPダイマー=54.
2/18.3/27.5(重量比) *3 FR−6:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−(OH)2/TPPダイマー/TPPオ
リゴマー=44.1/35.3/20.6(重量比) *4 HB:UL−94,V−0,V−1,V−2のい
ずれの燃焼ランクにも達していないことを示す。
ト *2 FR−1:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−OH/TPP/TPPダイマー=54.
2/18.3/27.5(重量比) *3 FR−6:ヒドロキシフェニル基含有有機リン化
合物、TPP−(OH)2/TPPダイマー/TPPオ
リゴマー=44.1/35.3/20.6(重量比) *4 HB:UL−94,V−0,V−1,V−2のい
ずれの燃焼ランクにも達していないことを示す。
【0127】表7、図3によると、ヒドロキシル基が化
合物全体に2個ある場合は、SP値が樹脂成分と大きく
離れるために相分離し、物性バランスが低下することが
分かる。
合物全体に2個ある場合は、SP値が樹脂成分と大きく
離れるために相分離し、物性バランスが低下することが
分かる。
【0128】実施例20〜28 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−2、PPEを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1を用いた。 (ハ)難燃性改良剤(赤リン) 無電解メッキにより安定化した赤リンの調製(RP
−2) 平均粒子径20μ工業用赤リン100gを0.1g/1
の濃度の三塩化パラジウム−1規定塩酸溶液1Lの入っ
た3Lのビーカに入れ室温で10分反応させた後濾過、
乾燥した。
−2) 平均粒子径20μ工業用赤リン100gを0.1g/1
の濃度の三塩化パラジウム−1規定塩酸溶液1Lの入っ
た3Lのビーカに入れ室温で10分反応させた後濾過、
乾燥した。
【0129】錯化剤として塩化アンモニュウムを含む2
0g/1の水溶液1Lに、上記塩化パラジウムで処理し
た赤リンをいれ、撹拌し懸濁状態にする。60℃に加温
した後、224g/1の硫酸ニッケル41mlと還元液
として226g/1次亜燐酸ナトリウムと128g/1
の水酸化ナトリウム混合液41mlを別々にビーカー連
続フィードし、混合液に加え、30分反応させた。
0g/1の水溶液1Lに、上記塩化パラジウムで処理し
た赤リンをいれ、撹拌し懸濁状態にする。60℃に加温
した後、224g/1の硫酸ニッケル41mlと還元液
として226g/1次亜燐酸ナトリウムと128g/1
の水酸化ナトリウム混合液41mlを別々にビーカー連
続フィードし、混合液に加え、30分反応させた。
【0130】得られた安定化された赤リン(RP−2)
を光学顕微鏡で観察したところ、赤リンの粒子表面に完
全に均一に、金属光沢する被膜が形成されていた。使用
したNiの98%、は被膜形成に使用されていた。
を光学顕微鏡で観察したところ、赤リンの粒子表面に完
全に均一に、金属光沢する被膜が形成されていた。使用
したNiの98%、は被膜形成に使用されていた。
【0131】 非安定化赤リン(RP−3) 安定化操作をしていない赤リン[日本工業(株)製]を
用いた。(RP−3と称する) 無電解メッキ赤リンの熱可塑性樹脂カプセル体(R
P−4) ポリスチレン樹脂(旭化成ポリスチレン 685)10
0gwoジメチルフォルムアミド400mlに溶解し、
この溶液に上記の反応によって得られた安定化赤リン
RP−2150g、平均粒子径5μの水酸化マグネシウ
ム110gを添加、撹拌する。次に直径4mmの穴が同
心円上に20個ある内径5cmの円筒カップが軸受けを
介してモーターに接続され、この円筒カプセルの外周半
径25cmの所に円筒状に水膜が流下するように装備さ
れた回転円盤蒸留装置の800rpmで回転する円筒カ
ップに注ぎ生成した液滴を流下する水膜と接触させ樹脂
を析出させる。
用いた。(RP−3と称する) 無電解メッキ赤リンの熱可塑性樹脂カプセル体(R
P−4) ポリスチレン樹脂(旭化成ポリスチレン 685)10
0gwoジメチルフォルムアミド400mlに溶解し、
この溶液に上記の反応によって得られた安定化赤リン
RP−2150g、平均粒子径5μの水酸化マグネシウ
ム110gを添加、撹拌する。次に直径4mmの穴が同
心円上に20個ある内径5cmの円筒カップが軸受けを
介してモーターに接続され、この円筒カプセルの外周半
径25cmの所に円筒状に水膜が流下するように装備さ
れた回転円盤蒸留装置の800rpmで回転する円筒カ
ップに注ぎ生成した液滴を流下する水膜と接触させ樹脂
を析出させる。
【0132】続いて、生成した粒状体を洗浄して溶媒を
取り除き、乾燥して顆粒体をえた。この顆粒体の平均粒
子径は0.8mm、液浸法で測定した空孔率は64%の
球形粒子であり、顆粒体の赤リン含有量は38重量%で
ある。
取り除き、乾燥して顆粒体をえた。この顆粒体の平均粒
子径は0.8mm、液浸法で測定した空孔率は64%の
球形粒子であり、顆粒体の赤リン含有量は38重量%で
ある。
【0133】(ニ)組成物の調製及び評価 表8に記載した配合比率に変更すること以外、実施例1
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。また、
難燃性及び、押出成形時と燃焼時のホスフィン発生量の
測定も行なった。表8にその結果を示す。
〜5、比較例1〜6と同一の実験を繰り返した。また、
難燃性及び、押出成形時と燃焼時のホスフィン発生量の
測定も行なった。表8にその結果を示す。
【0134】
【表8】
【0135】*1 TPP−OH/TPP/TPPダイ
マー=54.2/18.3/27.5(重量比) *2 RP−2:無電解メッキ *3 RP−3:非安定化赤リン *4 RP−4:無電解メッキ赤リンの熱可塑性樹脂カ
プセル体 実施例28,29、比較例19,20 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1,PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1,TPP,下記のFR−4及びFR−1
/FR−4の60/40(重量比)の混合物を用いた。
FR−4は市販の芳香族縮合リン酸エステル[(大八化
学工業(株)製、商品名CR733S)(以下、FR−
4と称する)]また、上記芳香族縮合リン酸エステル
は、GPC分析によると、TPPダイマーとTPPオリ
ゴマーからなり、重量比でそれぞれ65/35であっ
た。
マー=54.2/18.3/27.5(重量比) *2 RP−2:無電解メッキ *3 RP−3:非安定化赤リン *4 RP−4:無電解メッキ赤リンの熱可塑性樹脂カ
プセル体 実施例28,29、比較例19,20 (イ)熱可塑性樹脂 前出のHIPS−1,PPE−MBを用いた。 (ロ)成形加工性改良剤 前出のFR−1,TPP,下記のFR−4及びFR−1
/FR−4の60/40(重量比)の混合物を用いた。
FR−4は市販の芳香族縮合リン酸エステル[(大八化
学工業(株)製、商品名CR733S)(以下、FR−
4と称する)]また、上記芳香族縮合リン酸エステル
は、GPC分析によると、TPPダイマーとTPPオリ
ゴマーからなり、重量比でそれぞれ65/35であっ
た。
【0136】
【化22】
【0137】 なお、n=1 TPPダイマー n≧2 TPPオリゴマー と称する。
【0138】
【発明の効果】本発明の成形加工性改良剤は、熱可塑性
樹脂と組み合わすことにより、流動性が向上しても耐衝
撃性の低下、耐熱性の低下、金型内付着物の少ない熱可
塑性樹脂組成物を提供することが可能である。またその
上更に、必要に応じて難燃性改良剤を配合した場合に
は、優れた流動性と難燃性と耐熱性及び耐衝撃性を兼備
した熱可塑性樹脂を形成し得る。この組成物は、家電部
品、OA機器部品等に好適であり、特に優れた流動性に
より、大型薄肉成形品を無理なく成形できるだけでな
く、成形温度を低目に設定できることにより成形サイク
ルの短縮が期待でき、これら産業界に果たす役割は大き
い。
樹脂と組み合わすことにより、流動性が向上しても耐衝
撃性の低下、耐熱性の低下、金型内付着物の少ない熱可
塑性樹脂組成物を提供することが可能である。またその
上更に、必要に応じて難燃性改良剤を配合した場合に
は、優れた流動性と難燃性と耐熱性及び耐衝撃性を兼備
した熱可塑性樹脂を形成し得る。この組成物は、家電部
品、OA機器部品等に好適であり、特に優れた流動性に
より、大型薄肉成形品を無理なく成形できるだけでな
く、成形温度を低目に設定できることにより成形サイク
ルの短縮が期待でき、これら産業界に果たす役割は大き
い。
【図1】実施例1〜5、比較例1〜6の樹脂組成物にお
いて、ヒドロキシフェニル基含有有機リン化合物(FR
−1)と上記非含有有機リン化合物(TPP)の添加量
と、アイゾット衝撃強さ、ビカット軟化温度、MFRの
関係を示したグラフである。[但し、熱可塑性樹脂とし
て、HIPS−1/PPE−MB=67/33(重量
比)を用いた。]
いて、ヒドロキシフェニル基含有有機リン化合物(FR
−1)と上記非含有有機リン化合物(TPP)の添加量
と、アイゾット衝撃強さ、ビカット軟化温度、MFRの
関係を示したグラフである。[但し、熱可塑性樹脂とし
て、HIPS−1/PPE−MB=67/33(重量
比)を用いた。]
【図2】実施例9〜11、比較例7〜10の樹脂組成物
において、ヒドロキシフェニル基含有有機リン化合物
(FR−1)と上記非含有有機リン化合物(TPP)の
添加量とアイゾット衝撃強さ、ビカット軟化温度、MF
Rの関係を示したグラフである。(但し、熱可塑性樹脂
として、HIPS−2を用いた。)
において、ヒドロキシフェニル基含有有機リン化合物
(FR−1)と上記非含有有機リン化合物(TPP)の
添加量とアイゾット衝撃強さ、ビカット軟化温度、MF
Rの関係を示したグラフである。(但し、熱可塑性樹脂
として、HIPS−2を用いた。)
【図3】表4、7に記載の熱可塑性樹脂と成形加工性改
良剤の一部の、small−Hoy式により算出された
SP値(溶解性パラメーター)を示したグラフである。
良剤の一部の、small−Hoy式により算出された
SP値(溶解性パラメーター)を示したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 三上 宏 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1)のヒドロキシフェニル
基を有する有機リン化合物を主成分とする熱可塑性樹脂
の成形加工性改良剤。 【化1】 (式中、a,b,c,dは1〜3、nは0〜3であり、
R1,R2,R3,R4はヒドロキシル基、 【化2】 水素、炭素数1〜6のアルキル基を示し、n=0〜1の
時、化合物全体として、ヒドロキシル基または 【化3】 を1個有する。n=2〜3の時、化合物全体として、ヒ
ドロキシル基または 【化4】 を1〜2個有する) - 【請求項2】 請求項1記載の成形加工性改良剤を含有
する加工性の優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の成形加工性改良剤と、難
燃性改良剤として赤リン、トリアジン骨格含有化合
物から選ばれた一種以上の添加剤を含有してなる加工性
と難燃性の優れた熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303767A JPH0794574B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 成形加工性改良剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303767A JPH0794574B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 成形加工性改良剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145418A true JPH06145418A (ja) | 1994-05-24 |
JPH0794574B2 JPH0794574B2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=17925040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4303767A Expired - Fee Related JPH0794574B2 (ja) | 1992-11-13 | 1992-11-13 | 成形加工性改良剤及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0794574B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997038051A1 (fr) * | 1996-04-08 | 1997-10-16 | Kaneka Corporation | Composition de resine de plastique ignifuge |
JP2014208730A (ja) * | 2013-04-16 | 2014-11-06 | 株式会社ジェイエスピー | 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 |
-
1992
- 1992-11-13 JP JP4303767A patent/JPH0794574B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997038051A1 (fr) * | 1996-04-08 | 1997-10-16 | Kaneka Corporation | Composition de resine de plastique ignifuge |
US6329451B2 (en) | 1996-04-08 | 2001-12-11 | Kaneka Corporation | Flame retardant plastic resin composition |
JP2014208730A (ja) * | 2013-04-16 | 2014-11-06 | 株式会社ジェイエスピー | 難燃剤溶融混練物及びこれを用いたポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0794574B2 (ja) | 1995-10-11 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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