JPH06145386A - 導電性複合材料およびその製造方法 - Google Patents

導電性複合材料およびその製造方法

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JPH06145386A
JPH06145386A JP4323644A JP32364492A JPH06145386A JP H06145386 A JPH06145386 A JP H06145386A JP 4323644 A JP4323644 A JP 4323644A JP 32364492 A JP32364492 A JP 32364492A JP H06145386 A JPH06145386 A JP H06145386A
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芳章 池ノ上
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 疎水性材料または親水性材料支持体上に、一
般式(I) 【化1】 (HtはNH、SまたはO、RはR’またはOR’、
R’は炭素数1〜10の二価の炭化水素基で示される構
造単位を含みかつ分子量が2000以上の高分子化合物
を含有する導電性膜を形成させた導電性複合材料。 【効果】 支持体上の導電性膜は可撓性、加工性が良
く、膜の剥離がなく、外部からのドーパントを加えなく
とも高い電気伝導度を示し、更に外部ドーパントを用い
ることにより表面抵抗を調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性複合材料とその
製造方法に関するもので、更に詳しくは、疎水性材料、
その表面を親水性処理した疎水性材料または親水性材料
支持体上に水溶性の導電性高分子膜を形成させた導電性
複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気伝導度の低い高分子材料など
の材料からなる支持体に導電性を付与する方法として、
導電性物質、例えば、金属粉末、金属酸化物粉末、カー
ボンブラック、カーボン繊維、金属繊維、導電性高分子
粉末、導電性高分子繊維等を支持体中に分散する方法
や、支持体上に導電性物質を真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法等により物理的に積層す
る方法、あるいは化学反応法、熱分解法、スプレー法、
メッキ法、コーティング法、ラミネート法等により導電
性物質を積層するなどが知られている。
【0003】導電性物質として導電性高分子化合物を用
い、導電性複合体とするときは、非導電性のプラスチッ
クフィルム上に金属あるいは金属酸化物の層を介してポ
リチオフェンまたはその誘導体の薄膜を積層したポリチ
オフェン複合体フィルム(特開昭61−8344号参
照)とする方法、重合性複素環式単量体を支持体の内部
および/または表面で化学的に酸化重合させて導電性重
合体を形成させて導電性複合材料とする製造方法(特開
昭61−197636号参照)、有機溶媒に複素環式重
合体を溶解した溶液から溶剤を除去することによる導電
性製品の形成方法(特開昭61−278526号参照)
などが知られている。
【0004】上述した導電性複合体の製造方法におい
て、導電性物質を支持体中に分散する方法は、導電性を
必要な程度に維持するためには一定量以上の導電性物質
を分散させる必要があるため、支持体の機械的強度、可
撓性、製膜性が損なわれてしまうという欠点がある。ま
た、支持体表面に導電性物質を物理的または化学的に積
層させる方法は、支持体の種類、特性、形状あるいは導
電性物質の種類などにより制限があるほか、導電層の接
着性が悪く剥離しやすい、導電層が不均一で大面積化が
困難、設備投資、ランニングコストが大きいなどの欠点
がある。
【0005】これらの方法のうちコーティング法は支持
体表面に導電層を形成する溶液を塗工する方法である
が、大面積化、コストの面で有利であるものの、導電体
溶液の粘度、支持体の形状、表面状態などによる制限を
受けるという問題がある。
【0006】また導電性物質として、外部からドーパン
トを付与することにより導電性を付与する導電性高分子
化合物を用いる場合には、ドーパントが脱離し易いため
脱ドープによって導電性が維持できないという問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の問題点を解決し、支持体の種類、特性、
形状に係わらず支持体上に該支持体より電気伝導度が高
くしかも可撓性の、水溶性導電性高分子化合物を含む被
膜を付着性よく形成することにより、支持体の導電化を
可能とし、さらに経時的に安定な表面導電性を有する導
電性複合材料およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の表面
に、一般式(I)
【化15】 一般式(II)
【化16】 一般式(III)
【化17】 一般式(IV)
【化18】 一般式(V)
【化19】 一般式(VI)
【化20】 および一般式(VII)
【化21】 (式中、HtはNH、SまたはO、RはR’またはO
R’、R’は炭素数1〜10の線状または枝分かれのあ
る二価の炭化水素基またはエ−テル結合を含む二価の炭
化水素基、ZはOR’SO3 H、H、OHまたはOR’
Hをそれぞれ表す)で示される構造単位の少なくとも一
つを繰り返し単位として含みかつ分子量が2000以上
の水溶性導電性高分子化合物を含有する導電性高分子膜
を形成させたことを特徴とする導電性複合材料および、
一般式(I)
【化22】 一般式(II)
【化23】 一般式(III)
【化24】 一般式(IV)
【化25】 一般式(V)
【化26】 一般式(VI)
【化27】 および一般式(VII)
【化28】 (式中、HtはNH、SまたはO、RはR’またはO
R’、R’は炭素数1〜10の線状または枝分かれのあ
る二価の炭化水素基またはエ−テル結合を含む二価の炭
化水素基、ZはOR’SO3 H、H、OHまたはOR’
Hをそれぞれ表す)で示される構造単位の少なくとも一
つを繰り返し単位として含みかつ分子量が2000以上
の水溶性導電性高分子化合物を含有する水溶液を支持体
に塗布し乾燥させることを特徴とする導電性複合材料の
製造方法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0009】本発明は、本発明に係る水溶性の導電性高
分子化合物を含む被膜を支持体表面に形成することによ
り、高い電気伝導度を有し、それを長期的に維持するこ
とが可能な導電性複合材料を提供するものである。また
該水溶性導電性高分子化合物を含有する水溶液は、他の
水溶性高分子化合物を含む高分子混合物水溶液であって
も良く、更に界面活性剤を加えたり、疎水性の支持体表
面に親水性処理を行うことなどにより、従来水溶性の導
電性高分子化合物を塗布することが困難であった疎水性
支持体から容易に導電性複合材料を製造することが可能
になった。
【0010】本発明の導電性複合材料において用いられ
る水溶性導電性高分子化合物とは、前記一般式(I)乃
至(VII) で示される構造単位の少なくとも一つを繰り返
し単位として含みかつ分子量が2000以上の水溶性導
電性高分子化合物である。該水溶性導電性高分子化合物
とは、前記一般式(I)乃至(VII)で示される構造単位
のいずれか一つを繰り返し単位とする単独重合体であっ
ても、あるいは該構造単位の少なくとも一つを繰り返し
単位として10モル%以上を有し、他の繰り返し単位を
含み、かつ分子量が2000以上の共重合体からなる水
溶性導電性高分子化合物であっても良い。
【0011】一般式(I)乃至(VII) で示される構造単
位とは、例えば、ピロール、チオフェン、フラン、セレ
ノフェン、テルルフェンなどの、二価の5員環式複素環
基に直接あるいは線状または分岐状のアルキレン基等を
介してスルホン酸基が置換したπ電子共役系高分子鎖の
繰り返し単位(一般式(II)あるいは(I))、ベンゼ
ン環に線状または分岐状のアルキレンオキシ基等を介し
てスルホン酸基が置換したフェニレンビニレン構造を有
するπ電子共役系高分子鎖の繰り返し単位(一般式(II
I) )あるいはアニリンのベンゼン環に直接あるいは線
状または分岐状のアルキレン基等を介してスルホン酸基
が置換したポリアニリン誘導体の繰り返し単位(一般式
(V)あるいは(IV))、アニリンの窒素原子に線状ま
たは分岐状のアルキレン基等を介してスルホン酸基が置
換したポリアニリン誘導体の繰り返し単位(一般式(V
I))、カルバゾール基の窒素原子に線状または分岐状
のアルキレン基等を介してスルホン酸基が置換したポリ
カルバゾール誘導体の繰り返し単位(一般式(VII) )な
どを表す。なお、これら式中、HtはNH、Sまたは
O、RはR’またはOR’、R’は炭素数1〜10の線
状または枝分れのある二価の炭化水素基またはエーテル
結合を含む二価の炭化水素基、ZはOR’SO3 H、
H、OHまたはOR’Hをそれぞれ表す。
【0012】本発明の導電性複合材料において用いられ
る水溶性導電性高分子化合物が共重合体の場合には、上
記一般式(I)乃至(VII) で示される構造単位以外の繰
り返し単位として、ビニレン、チエニレン、ピロリレ
ン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテニ
レン、フリレン、カルバゾリレンおよびこれらの置換誘
導体構造が挙げられる。
【0013】かかる共重合体においては、上記一般式
(I)乃至(VII) で示される構造単位以外の繰り返し単
位は、共重合体組成中のモル分率として0.9未満、即
ち重合体の繰り返し単位として90モル%未満であるこ
とが好ましく、それ以上の場合には重合体の共重合組成
にもよるが、多くの場合水溶性を示さなくなるなどの理
由から本発明に係る水溶性の導電性高分子化合物として
好ましくない。
【0014】分子量が2000未満の低分子の化合物で
あっては、可撓性の導電性高分子化合物被膜を付着性よ
く形成させることができず、高分子自体の導電性も小さ
く好ましくない。
【0015】本発明の一般式(I)及び(II)の構造単
位を繰り返し単位として含む水溶性の導電性高分子化合
物としては、例えば3−スルホ−2,5−チエニレン、
3−スルホメチル−2,5−チエニレン、3−スルホエ
チル−2,5−チエニレン、3−スルホプロピル−2,
5−チエニレン、3−スルホブチル−2,5−チエニレ
ン、3−スルホペンチル−2,5−チエニレン、3−ス
ルホヘキシル−2,5−チエニレン、3−スルホヘプチ
ル−2,5−チエニレン、3−(2−メチル−3−スル
ホプロピル)−2,5−チエニレン、3−(2−メチル
−4−スルホブチル)−2,5−チエニレン、3−スル
ホメトキシ−2,5−チエニレン、3−スルホエトキシ
−2,5−チエニレン、3−スルホプロポキシ−2,5
−チエニレン、3−スルホブトキシ−2,5−チエニレ
ン、3−(2−スルホエトキシエチル)−2,5−チエ
ニレン、3−(2−スルホプロポキシエチル)−2,5
−チエニレン、3−(2−スルホエトキシエトキシ)−
2,5−チエニレン、3−(3−スルホプロポキシエト
キシ)−2,5−チエニレン、3−スルホ−2,5−フ
リレン、3−スルホメチル−2,5−フリレン、3−ス
ルホエチル−2,5−フリレン、3−スルホプロピル−
2,5−フリレン、3−スルホブチル−2,5−フリレ
ン、3−スルホペンチル−2,5−フリレン、3−スル
ホヘキシル−2,5−フリレン、3−スルホ−2,5−
ピロリレン、3−スルホメチル−2,5−ピロリレン、
3−スルホエチル−2,5−ピロリレン、3−スルホブ
チル−2,5−ピロリレン、3−スルホペンチル−2,
5−ピロリレン、3−スルホヘキシル−2,5−ピロリ
レン等の二価の5員環式複素環基からなる構造単位を繰
り返し単位として含有する高分子化合物を例示できる。
【0016】一般式(III) の構造単位を繰り返し単位と
して含む水溶性の導電性高分子化合物としては、例えば
2−メトキシ−5−スルホプロポキシ−1,4−フェニ
レンビニレン、2−エトキシ−5−スルホプロポキシ−
1,4−フェニレンビニレン、2−プロポキシ−5−ス
ルホプロポキシ−1,4−フェニレンビニレン、2−ブ
トキシ−5−スルホプロポキシ−1,4−フェニレンビ
ニレン、2,5−ビス(スルホプロポキシ)−1,4−
フェニレンビニレン、2,5−ビス(スルホエトキシ)
−1,4−フェニレンビニレン、2,5−ビス(スルホ
ブトキシ)−1,4−フェニレンビニレン、5−スルホ
エトキシ−1,4−フェニレンビニレン、5−スルホプ
ロポキシ−1,4−フェニレンビニレン、5−スルホブ
トキシ−1,4−フェニレンビニレン、5−スルホペン
チルオキシ−1,4−フェニレンビニレン等の構造単位
を繰り返し単位として含有する高分子化合物を例示でき
る。
【0017】一般式(IV)の構造単位を繰り返し単位と
して含む水溶性の導電性高分子化合物としては、例えば
2−スルホエチル−1,4−イミノフェニレン、2−ス
ルホプロピル−1,4−イミノフェニレン、2−スルホ
ブチル−1,4−イミノフェニレン、2−スルホペンチ
ル−1,4−イミノフェニレン、2−スルホヘキシル−
1,4−イミノフェニレン、2−スルホヘプチル−1,
4−イミノフェニレン、2−(2−メチル−3−スルホ
プロピル)−1,4−イミノフェニレン、2−(2−メ
チル−4−スルホブチル)−1,4−イミノフェニレン
等の構造単位を繰り返し単位として含有する高分子化合
物を例示できる。
【0018】一般式(V)の構造単位を繰り返し単位と
して含む水溶性の導電性高分子化合物としては、例えば
2−スルホ−1,4−イミノフェニレンを繰り返し単位
として含有する高分子化合物が例示できる。
【0019】一般式(VI)の構造単位を繰り返し単位と
して含む水溶性の導電性高分子化合物としては、例え
ば、N−スルホエチル−1,4−イミノフェニレン、N
−スルホプロピル−1,4−イミノフェニレン、N−ス
ルホブチル−1、4−イミノフェニレン、N−スルホペ
ンチル−1、4−イミノフェニレン、N−スルホヘキシ
ル−1、4−イミノフェニレン、N−スルホヘプチル−
1、4−イミノフェニレン、N−(2−メチル−3−ス
ルホプロピル)−1、4−イミノフェニレン、N−(2
−メチル−4−スルホブチル)−1、4−イミノフェニ
レン等の構造単位を繰り返し単位として含有する高分子
化合物が例示できる。
【0020】一般式(VII) の構造単位を繰り返し単位と
して含む水溶性の導電性高分子化合物としては、例えば
N−スルホメチル−3,6−カルバゾリレン、N−スル
ホエチル−3,6−カルバゾリレン、N−スルホプロピ
ル−3,6−カルバゾリレン、N−スルホブチル−3,
6−カルバゾリレン、N−スルホペンチル−3,6−カ
ルバゾリレン、N−スルホヘキシル−3,6−カルバゾ
リレン、N−スルホヘプチル−3,6−カルバゾリレ
ン、N−(2−メチル−3−スルホプロピル)−3,6
−カルバゾリレン、N−(2−メチル−4−スルホブチ
ル)−3,6−カルバゾリレン、N−(2−スルホエト
キシエチル)−3,6−カルバゾリレン、N−(3−ス
ルホプロポキシエチル)−3,6−カルバゾリレン、N
−(2−スルホエトキシエトキシエチル)−3,6−カ
ルバゾリレン等の構造単位を繰り返し単位として含有す
る高分子化合物が例示できる。
【0021】本発明において支持体表面に塗布するため
に用いられる水溶性導電性高分子化合物を含有する水溶
液は他の水溶性高分子を含有する混合液であっても良
い。かかる他の水溶性高分子としては例えばポリビニル
アルコール(PVA)、セルロース系の親水性高分子、
ポリアクリルアミドあるいはアクリルアミド共重合体、
ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸共重合体等が例示
できる。該混合液を用いる場合、水溶性導電性高分子化
合物の配合量は良好な導電性の確保のためには少なくと
も混合液中の高分子中の10重量%以上にしなければな
らない。
【0022】本発明において用いられる支持体とは、水
溶性の導電性高分子膜の電気伝導度より低い電気伝導度
を有するもので、表面に塗膜を形成できるものならばい
かなるものでもよく、親水性高分子支持体、疎水性高分
子支持体、セラミックス、セメント、硝子性無機物、木
材、ダンボール類または紙類等をあげることができる
が、表面が親水性である支持体であれば一層好適に使用
することができる。
【0023】親水性高分子支持体としては、例えば、P
VA、セルロース系の親水性高分子、またはナフィオン
などのカチオンあるいはアニオンを有するイオン交換膜
等が挙げられ、また疎水性高分子支持体としては、例え
ばポリオレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブテ
ンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンの単独もしく
は共重合体)、ポリスチレン、ポリフ 化ビニリデン、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS)、ポ
リパラフェニレンスルフィド(PPS)、ポリメチルメ
タクリレート(PMMS)、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)、ナイロン−6、ポリビニルカルバゾー
ル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル類(ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)
等の熱可塑性樹脂が挙げられるが、この限りではない。
支持体の形状としては、フィルム、シート、ファイバ
ー、成形体、粒状物等を挙げることができるがこの限り
ではない。
【0024】本発明の導電性複合材料は、前記一般式
(I)乃至(VII) で示される構造単位の少なくとも一つ
を繰り返し単位として含む水溶性導電性高分子化合物を
含有する水溶液を、前記支持体の表面に塗布した後、乾
燥することによって得られる。塗布とは、表面に膜を形
成する操作であればよいが、本発明においては、ディッ
プ法、キャスト法などのコーティング法、スプレー法ま
たはバーコーターを用いて塗布する方法などを用いて、
簡便に支持体表面に水溶性導電性高分子膜を形成するこ
とが可能である。
【0025】支持体表面に塗布するために用いるかかる
導電性高分子化合物の濃度は、塗布を行うに際し支障の
ない濃度であれば特に限定されるものではなく、例えば
0.01重量%から極粘稠な水溶液として用いることが
できる。更に、高濃度であって該高分子化合物が均一な
ゲル状で存在する水性液であっても使用可能である。
【0026】従来、水溶性の導電性高分子化合物を水溶
液の状態で支持体の表面に塗布する場合、表面が親水性
の支持体には比較的容易に塗膜を形成することが出来る
が、表面が疎水性の支持体上に、均一に接着性良く塗膜
を形成することは困難であった。
【0027】本発明に係る水溶性導電性高分子化合物
は、化合物自体がポリソープ的な界面活性作用を有する
ため、疎水性の高い支持体表面においても単独で均一に
塗布することが可能である。また、疎水性支持体によっ
ては水溶性の導電性高分子化合物に対してイオン性また
は非イオン界面活性剤を単独、または適当な割合で混合
し使用することによって、より好適に疎水性支持体表面
に水溶性の導電性高分子膜を作成することが可能になっ
た。この場合1種類もしくは複数の界面活性剤を前記水
溶性の導電性高分子化合物に対して重量比で0.001
〜20倍量、好ましくは0.005〜5倍量、更に好ま
しくは0.01〜1倍量含有させることにより、水溶性
導電性高分子化合物の塗膜の形成が可能となった。ここ
で界面活性剤の含量が0.001倍量未満であると接着
性が悪くなり、20倍量よりも多いと導電性が阻害さ
れ、機械的強度も低下する。
【0028】界面活性剤としては、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、および非イオン界面活性剤な
どが使用できるが、酸型のアニオン界面活性剤と非イオ
ン界面活性剤がより好適に使用できる。酸型のアニオン
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸、ジオクチル
サクシン硫酸、ミリスチル硫酸、ステアリル硫酸等のア
ルキル硫酸または、ラウリルスルホン酸、ジオクチルサ
クシンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、ミリスチルスルホン酸、ケリルベンゼ
ンスルホン酸、ステアリルスルホン酸等のアルキル及び
アリールスルホン酸等が挙げられる。また、非イオン界
面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
特に、スルホン酸等の水溶液中でプロトン放出する酸型
の界面活性剤を使用した場合は、本発明の複合材料の水
溶性導電性高分子化合物が脱ドープされてしまうのを防
ぎ、導電性を長く維持させる効果が高くなる。
【0029】さらにまた、前記界面活性剤の併用以外の
方法として、支持体表面を物理的、および/または化学
的に親水性処理をすることにより、本来疎水性の強い支
持体表面に水溶性の導電性高分子膜を容易に作成するこ
とができる。
【0030】疎水性支持体の水に対する濡れ性を改善
し、表面を親水性にする方法としては、物理化学的な方
法として、表面のコロナ放電処理、プラズマ酸化、紫外
線照射または電子線照射等による表面酸化方法などがあ
る。また、化学的な方法としては薬液等による表面の酸
化、還元反応処理方法も行われる。さらには、各種薬
剤、例えばシランカップリング剤、モノアルコキシ・チ
タネートカップリング剤、ジルコネート系カップリング
剤またはアルミネート系カップリング剤等を塗布した
後、前記物理化学的な表面処理を施して支持体表面にシ
ランカップリング剤等を化学反応させることによって、
支持体表面の濡れ性向上を図る方法が知られている。こ
のように、支持体表面の濡れ性を改善する方法に関して
は、例えば、接着(1987年第31巻 9号423 頁)、Macrom
olecules(1986 年第19巻1804頁)、特開昭59−85466 号
公報、特開昭60−101124号公報、特開昭61−119768号公
報、特開昭63−236285号公報等に記載されている方法を
使用することが出来る。
【0031】また複合材料の工業的用途における要求性
能から、前記の界面活性剤併用と支持体表面の親水性化
との併用をあわせて行うことも行われる。
【0032】本発明に係る水溶性の導電性高分子化合物
は置換基側鎖の末端にドーパントとして働くスルホン酸
基を有するため、外部から化合物をドーパントとして加
えて酸化または還元することなしに高い電気伝導度を示
し、さらに脱ドープしにくいため電気伝導度を長期的に
安定して維持するという特性を有する。電気伝導度は安
定的に10-8〜103 S/cm、さらに好ましくは10
-4〜103 S/cmを示すものであり、導電性複合材料
の導電層として特に有効である。
【0033】本発明の導電性複合材料は、ドーピングな
しでも高い電気伝導度を示すが、外部からドーピング操
作を行うことによって更に電気伝導度を上げることも可
能である。この場合、外部からのド−ピング操作は、水
溶性の導電性高分子化合物を含む導電性高分子膜を所望
の支持体に被膜形成した後、化学的ドーピング、電気化
学的ドーピングのいずれの方法を採用してもよい。ま
た、これらは被膜を形成した後、例えば化学的ドーピン
グ操作によって電気伝導度を変化させることも可能であ
る。
【0034】化学的にドーピングを行う方法としては、
ドーパントあるいはドーパントを含有するガスにさらす
方法、あるいはこれらを含有する溶液に浸す方法等によ
って行われる。化学的にドーピングするドーパントとし
ては種々の電子受容性化合物および電子供与性化合物が
使用され、例えばヨウ素、臭素の如きハロゲン類、五弗
化ヒ素、五弗化アンチモン、四弗化珪素、五塩化燐、五
弗化燐、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムおよび弗
化アルミニウムの如き金属ハロゲン化物、硫酸、硝酸、
フルオロ硫酸、トリフルオロメタン硫酸およびクロロ硫
酸の如きプロトン酸、三酸化硫黄、二酸化窒素、ジフル
オロスルフォニルパーオキシドの如き酸化剤、過塩素酸
銀、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ
ベンゾキノン、2,3−ジブロモ−5,6−ジシアノベ
ンゾキノンやLi、Na、Kの如きアルカリ金属等、そ
の他還元剤等を用いることができるが必ずしもこれらに
限定されるものではない。
【0035】一方、電気化学的にドーピングする方法と
しては、導電性複合材料を電気化学的セルを構成する電
極とし、任意の電解質溶液中で酸化、あるいは還元を行
うことによりドーピングすることができる。ここで、ド
ーパントとして利用できるものとしては、PF6 -,As
6 -,SbF6 -,SbCl6 -の如きVa族の元素のハロ
ゲン化物アニオン、BF4 -の如きIII a族の元素のハロ
ゲン化物アニオン、I- (I3 -)、Br- ,Cl- の如
きハロゲンアニオン、ClO4 -の如き過塩素酸アニオン
等の陰イオン・ドーパントおよび、Li+ ,Na+ ,K
+ ,Rb+ ,Cs+ の如きアルカリ金属イオン、一般式
41 + またはR32 + (式中、Rは線状または分
岐状の炭素数1から10のアルキル基またはフェニル、
ハロフェニル、アルキルフェニル等のアリ−ル基、M1
は、N,PまたはAs,M2 はOまたはSを表す。)で
示されるテトラアルキルアンモニウムイオン、テトラア
ルキルホスホニウムイオン、テトラアルキルアルセニウ
ム、トリアルキルオキソニウム、トリアルキルスルホニ
ウムイオン等の陽イオン・ドーパント等を挙げることが
できる。
【0036】
【実施例】本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明す
るが、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものでは
ない。
【0037】実施例に用いた水溶性導電性高分子化合物
は、具体的には以下の式 (Ia)
【化29】 (Ib)
【化30】 (Ic)
【化31】 (Id)
【化32】 (Ie)
【化33】 (IIa)
【化34】 (III a)
【化35】 (IVa)
【化36】 (Va)
【化37】 (VIa)
【化38】 および(VIIa)
【化39】 で示す化学構造で表される。
【0038】上記水溶性の導電性高分子化合物の製造方
法および分子量を以下に示す。
【0039】ポリ[3−スルホプロピル−2,5−チエ
ニレン](Ia) 第39回高分子学会予稿集(Polymer Preprints Japan
)第39巻、561頁(1990年)に記載されてい
る方法を用いて製造した。平均分子量は、Mw=1×1
5 (プルラン換算GPC測定。以下同様)であった。
但しGPCの測定条件等は、ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサイエティー、ケミカル・コミュニケーション
(J. Chem. Soc., Chem.Commun. )、1990年、16
94頁を参考にした。
【0040】ポリ[3−(2−スルホエトキシエチル)
−2,5−チエニレン](Ib) 市販のチオフェンエタノールからクロロエチルトシレー
ト等のアルコ−ルを保護したハライドを反応させ、得ら
れた(3−チエニルエチルオキシ)エチルトシレ−トの
トシル基を脱離して、(3−チエニルエチルオキシ)エ
タノ−ルを得たのち、シンセチックメタルズ(Syntheti
c Metals)、第30巻、305頁(1989年)に記載
の方法でスルホン酸を導入し、得られたモノマーを(I
a)と同様の方法を用いて重合して製造した。得られた
化合物は、Mw=3×104
【0041】ポリ[3−(4−スルホブチル)−2,5
−ピロリレン](Ic) ポリマーブリテン、ベルリン(Polymer Bulletin, Berl
in)第18巻、277頁(1987年)に記載の方法を
用いて、ピロール−3−(4−ブタンスルホン酸)ナト
リウムを合成し、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサイテイ (Journal of American Chemical Soc
iety)第109巻、1858頁(1987年)記載の方
法と同様の方法で電解重合を行い、(Ib)と同様の方
法を用いてスルホン酸ナトリウム型からスルホン酸型に
変換して製造した。Mw=5×104
【0042】ポリ[3−(3−スルホプロピル)−2,
5−フリレン](Id) 市販の3−ブロモフランを原料にして、前記第39回高
分子学会予稿集(Polymer Preprints Japan )第39
巻、561頁(1990年)に記載の方法を参考にして
同様な方法で合成した。Mw=2.5×104
【0043】3−(3’−チエニル)プロパンスルホン
酸とチオフェンとの共重合体(Ie) ポリマーブリテン、ベルリン(Polymer Bulletin, Berl
in)第18巻、277頁(1987年)に記載の方法を
用いて、カリウム塩を合成した後、酸型に変換して製造
した。Mw=9×103
【0044】ポリ[3−スルホ−2,5−ピロリレン]
(IIa) ポリマーコミュニケーション(Polymer Communication
)第32巻、412頁(1991年)に記載されてい
る方法を用いて製造した。Mw=3×104
【0045】ポリ[5−メトキシ−2−スルホプロポキ
シ−1,4−フェニレンビニレン](IIIa) プロシーディング・オブ・ザ・エーシーエス・ディビジ
ョン・オブ・ポリメリック・マテリアルズ:サイエンス
・アンド・エンジニアリング、ロスアンゼルス、カリフ
ォルニア州、米国(Proceeding of The ACS Division o
f Polymeric Materials: Science and Engineering, Lo
s Angeles, California, USA)第59巻、第1164頁
(1988年、秋季大会)に記載の方法を用いて製造し
た。Mw=1.4×105
【0046】ポリ[2−(スルホプロピル)−1,4−
イミノフェニレン](IVa) 特開昭63−39916号を参照して製造した。Mw=
8×104
【0047】ポリ[2−スルホ−1,4−イミノフェニ
レン](Va) ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテ
イ(Journal of American Chemical Society)第112
巻、2800頁(1990年)に記載されている方法を
用いて製造した。Mw=2×104
【0048】ポリ[N−スルホプロピル−1,4−イミ
ノフェニレン](VIa) ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエテイ、ケミカル
・コミュニケ−ション(Journal of Chemical Society,
Chemical Communication )180頁(1990年)に
記載されている方法を用いて製造した。Mw=4×10
4
【0049】ポリ[N−スルホプロピル−3,6−カル
バゾリレン](VIIa) ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサイエティ
(Journal of Electrochemical Society)137巻、9
00頁(1990年)に記載されている方法を用いて製
造した。平均分子量Mw=1×104
【0050】(実施例1)まずポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム(厚さ75μm、面積100c
2 )の表面にバーコーター#4で有機シラン化合物
(アリルトリエトキシシラン;TEAS)の5重量%オ
クタン溶液を2.0μm(有機シランとして0.1μ
m)の膜厚で塗布し、5分間風乾した後、Ar等の不活
性ガス中で254nmの紫外線(0.4mW/cm2
を20分間その表面に照射しPET表面を親水性化処理
をした後、有機シラン膜をオクタンで洗浄除去した。こ
の支持体表面上に、0.1重量%のラウリル硫酸を含ん
だ前記水溶性導電性高分子化合物(Ia)の1重量%水
溶液をスピンコーター(室温下、回転数2000rpm )
を用いて製膜し、平均厚さ約0.05μmの導電性高分
子膜を形成した。得られた複合材料において、該膜と支
持体との密着性は良好で、表面抵抗値(抵抗測定装置は
シシド静電気(株)製 MODEL HT-301 )は2×106 Ω
/□であった。さらに化合物(Ia)と同様に、(I
b)、(Ic)、(IIIa)についても同様の方法で複合
化を行い、得られた複合材料の導電性高分子膜の平均厚
さおよび表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例2)ポリメチルメタクリルレート
(PMMA)フィルム(厚さ50μm、面積100cm
2 )を支持体として、その表面に0.1重量%のドデシ
ルベンゼンスルホン酸を含んだ前記水溶性導電性高分子
化合物(Ib)の1重量%水溶液をスピンコーター(室
温下、回転数2000rpm )を用いて製膜し、厚さ約
0.03μmの導電性高分子膜を形成した。該膜と支持
体との密着性は良好で、表面抵抗値は3×107 Ω/□
であった。さらに化合物(Ib)と同様に、(IVa)、
(Va)、(VIa)についても同様の方法で複合化を行
った。(VIa)による複合材料の表面抵抗性は2×10
10Ω/□であった。(VIa)による複合材料については
気相中ヨウ素を作用させて化学的ドーピングを行った。
得られた複合材料の導電性高分子膜の平均厚さ、表面抵
抗を測定した。測定結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】(実施例3)高密度ポリエチレン(HDP
E)フィルム(厚さ20μm、面積225cm2)にバ
ーコーター#4を用い、有機シラン化合物としてアリル
トリエトキシシラン(TEAS)の5重量%オクタン溶
液を2.0μm(有機シランとして0.1μm)の膜厚
で塗布し、5分間風乾した後、電子線を5.0Mrad照射
して親水化処理を行った。得られた支持体表面に、前記
水溶性導電性高分子化合物(Ib)の2重量%水溶液を
スピンコーター(室温下、回転数1500rpm )を用い
て製膜し、平均厚さ約0.15μmの導電性高分子膜を
形成した。該膜と支持体との密着性は良好で、表面抵抗
値は約7×106 Ω/□であった。更に、(Ib)と同
様に前記水溶性導電性高分子化合物(IIa)及び(VII
a)についても同様な方法で複合化を行った。複合材料
の表面抵抗性は(IIa)の場合1×109 Ω/□、(VII
a)の場合3×1011Ω/□であった。得られた(II
a)及び(VIIa)による複合材料は気相中臭素を作用さ
せて化学的ドーピングを行った。得られた複合材料の導
電性高分子膜の平均厚さ、表面抵抗を測定した。測定結
果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】(実施例4)実施例3と同様な方法で親水
性化処理した高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム
(厚さ20μm、面積225cm2 )を支持体として、
その表面に0.2重量%のドデシルベンゼンスルホン酸
を含んだ前記水溶性の導電性高分子化合物(Id)の1
0重量%水溶液をスピンコーター(室温下、回転数20
00rpm )を用いて製膜し、厚さ約0.5μmの導電性
高分子膜を形成した。該膜と支持体との密着性は良好
で、その表面抵抗値は、約2×1012Ω/□であった。
さらに、これを気相中ヨウ素を作用させて化学的ドーピ
ングした結果、この複合材料の表面抵抗値は、約2×1
4 Ω/□を示した。
【0057】(実施例5)実施例4と同様な方法を用い
て前記水溶性導電性高分子化合物(Ie)と高密度ポリ
エチレン(HDPE)フィルムの複合材料を作成した。
導電性高分子膜とHDPEとの密着性は良好で、その表
面抵抗値は、約2×1014Ω/□であった。さらに、気
相中でヨウ素を作用させて化学的ドーピングした結果、
複合材料の表面抵抗値は、約2×107 Ω/□を示し
た。
【0058】(実施例6)親水性処理を行っていない高
密度ポリエチレン(HDPE)フィルム(厚さ20μ
m、面積225cm2 )を支持体として、この表面に3
0重量%の前記水溶性導電性高分子化合物(Ia)を含
んだ含水ポリビニルアルコール(PVA)をバーコータ
ーを用いて厚さ約20μmの導電性高分子膜を形成し
た。該膜と支持体との密着性は良好で、その表面抵抗値
は、約1×104 Ω/□であった。さらに、気相中でヨ
ウ素を作用させて化学的ドーピングした結果、複合材料
の表面抵抗値は、約5×103 Ω/□を示した。
【0059】(実施例7)1重量%の前記水溶性導電性
高分子化合物(Ia)をナフィオン117(デュポン社
製商品名)フィルム(厚さ100μm、面積225cm
2 )上にスピンコーター(室温下、回転数2000rpm
)を用いて製膜し、平均厚さ約0.05μmの導電性
高分子膜を作成した。該膜と支持体との密着性は良好
で、表面抵抗値は約2×106 Ω/□を示した。実施例
1〜7において得られた導電性複合材料は、導電性高分
子膜と支持体との密着性が良好で、高い表面抵抗値を示
した。この表面抵抗値は空気中で約6か月以上にわたっ
て極めて安定で、その変動値は20%以下であった。
【0060】
【発明の効果】本発明の導電性複合材料は、従来の導電
性複合材料と比べて以下のような利点を有している。 水溶性の導電性高分子化合物を支持体表面に形成す
る導電性高分子膜に用いており、その導電性高分子化合
物が可撓性がよいため、かかる膜を積層した後の複合材
料においても加工性がよく、また加工操作によって支持
体から該膜が剥離することがない。 本発明において水溶性の導電性高分子化合物は分子
内に存在するスルホン酸基の働きで、外部からドーパン
トを加えることなく高い電気伝導度を示し、また脱ドー
プが起こりにくいため、電気伝導度が長期的安定に維持
できる。また外部から化学的もしくは電気化学的手段に
よってドーピング、脱ドーピング操作ができ、任意に表
面抵抗を変化させることもできる。 導電性の低い支持体であっても浸漬法やキャスト法
などの成膜法を用いることにより簡単にその表面を導電
化することができ、また連続処理が可能で大面積の支持
体を導電化でき、しかも設備コスト、ランニングコスト
が低い。 本発明において、水溶性の導電性高分子化合物は、
分子内に界面活性作用を与えるスルホン酸基を有するた
め、これまで水溶性化合物が塗布できなかった疎水性の
強い支持体表面にも容易に塗布できる。また、水溶性の
導電性高分子化合物に界面活性剤、特に酸型の界面活性
剤を加えたり、支持体表面に親水性処理を行ったりする
ことによって、より好適に塗布することが可能になっ
た。
【0061】本発明の導電性複合材料は以上のような特
長を有し、広範な支持体に関して表面の導電化が可能で
あるので、写真フィルム用帯電防止材料等の帯電防止材
料、電極、電磁波遮蔽材など幅広い用途に使用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の表面に、一般式(I) 【化1】 一般式(II) 【化2】 一般式(III) 【化3】 一般式(IV) 【化4】 一般式(V) 【化5】 一般式(VI) 【化6】 および一般式 (VII) 【化7】 (式中、HtはNH、SまたはO、RはR’またはO
    R’、R’は炭素数1〜10の線状または枝分かれのあ
    る二価の炭化水素基またはエ−テル結合を含む二価の炭
    化水素基、ZはOR’SO3 H、H、OHまたはOR’
    Hをそれぞれ表す)で示される構造単位の少なくとも一
    つを繰り返し単位として含みかつ分子量が2000以上
    の水溶性導電性高分子化合物を含有する導電性高分子膜
    を形成させたことを特徴とする導電性複合材料。
  2. 【請求項2】 水溶性導電性高分子化合物が、一般式
    (I)乃至(VII) で示される構造単位の少なくとも一つ
    を繰り返し単位として10モル%以上含む重合体である
    請求項1記載の導電性複合材料。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化8】 一般式(II) 【化9】 一般式(III) 【化10】 一般式(IV) 【化11】 一般式(V) 【化12】 一般式(VI) 【化13】 および一般式(VII) 【化14】 (式中、HtはNH、SまたはO、RはR’またはO
    R’、R’は炭素数1〜10の線状または枝分かれのあ
    る二価の炭化水素基またはエ−テル結合を含む二価の炭
    化水素基、ZはOR’SO3 H、H、OHまたはOR’
    Hをそれぞれ表す)で示される構造単位の少なくとも一
    つを繰り返し単位として含みかつ分子量が2000以上
    の水溶性導電性高分子化合物を含有する水溶液を支持体
    に塗布し乾燥させることを特徴とする請求項1または2
    記載の導電性複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性導電性高分子化合物を含有する水
    溶液が、他の水溶性高分子化合物を含んでおり、水溶性
    導電性高分子化合物が、かかる高分子混合物の少なくと
    も10重量%以上である請求項3記載の導電性複合材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性導電性高分子化合物を含有する水
    溶液に界面活性剤を配合する請求項3または4記載の導
    電性複合材料の製造方法。
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