JPH0614498B2 - 磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

磁器コンデンサ及びその製造方法

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JPH0614498B2
JPH0614498B2 JP2125813A JP12581390A JPH0614498B2 JP H0614498 B2 JPH0614498 B2 JP H0614498B2 JP 2125813 A JP2125813 A JP 2125813A JP 12581390 A JP12581390 A JP 12581390A JP H0614498 B2 JPH0614498 B2 JP H0614498B2
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弘志 岸
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、誘電体磁器層を少なくとも2以上の内部電極
で挟持してなる単層または積層構造の磁器コンデンサ及
びその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 積層磁器コンデンサは、誘電体磁器原料粉末からなる未
焼結磁器シート(グリーンシート)に導電性ペーストを
所望パターンで印刷し、これを複数枚積み重ねて圧着
し、酸化性雰囲気中において1300℃〜1600℃で
焼成させて製造されている。
この焼成により、前記未焼結磁器シートは誘電体磁器層
となり、前記導電性ペーストは内部電極となる。
ところで、従来、前記導電性ペーストとしては白金また
はパラジウム等の貴金属を主成分とするものが使用され
ていた。
これは、導電性ペーストとして白金またはパラジウム等
の貴金属を主成分とするものを使用すれば、酸化性雰囲
気中において1300℃〜1600℃という高温で焼成
させても、導電性ペーストを酸化させることなく、所望
の内部電極に変形させることができるからである。
しかし、白金やパラジウム等の貴金属は高価であるた
め、必然的に積層磁器コンデンサがコスト高になるとい
う問題があった。
この問題を解決することができるものとして、本件出願
人に係わる特公昭60−20851号公報には、{(BaxC
aySr2)0}k(TinZr1-n)Oからなる基本成分と、Li
とSiOとMO(但し、MOはBaO,CaO及びS
rOから選択された1種または2種以上の酸化物)から
なる添加成分とを含む誘電体磁器組成物が開示されてい
る。
また、特開昭61−147404号公報には、{Ba1-x-y
CaxSry)0}k(Ti1-zZrz)Oからなる基本成分と、B
とSiOとLiOOからなる添加成分とを含む誘
電体磁器組成物が開示されている。
また、特開昭61−147405号公報には、{Ba1-x-y
CaxSry)0}k(Ti1-zZrz)Oからなる基本成分と、B
とSiOからなる添加成分とを含む誘電体磁器組成
物が開示されている。
また、特開昭61−147406号公報には、{Ba1-x-y
CaxSry)0}k(Ti1-zZrz)Oからなる基本成分と、B
とSiOとMO(但し、MOはBaO,CaO及び
SrOから選択された1種または2種以上の酸化物)か
らなる添加成分とを含む誘電体磁器組成物が開示されて
いる。
これらの公報には開示されている誘電体磁器組成物は、
還元性雰囲気中における1200℃以下の比較的低い温
度の焼成で得ることができるものであるが、その比誘電
率εは5000以上、抵抗率ρは1×10MΩ・cm
以上である。
[発明が解決しようとする課題] ところで、近年における電子回路の高密度化への進展は
著しく、積層磁器コンデンサの小型化の要求は非常に強
い。
このため、積層磁器コンデンサの誘電体層を構成する誘
電体磁器組成物の比誘電率εを、他の電気的特性を悪化
させることなく、上記各公報に開示されている誘電体磁
器組成物の比誘電率εよりも更に増大させることが望ま
れていた。
そこで、本発明の目的は、非酸化性雰囲気中における1
200℃以下の温度の焼成で得られるものであるにもか
かわらず、誘電体層を構成している誘電体磁器組成物の
比誘電率εが7000以上、誘電体損失tanδが2.
5%以下、抵抗率ρが1×10MΩ・cm以上と、そ
の電気的特性が従来のものより更に優れた磁器コンデン
サ及びその製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る磁器コンデンサは、誘導体磁器組成物から
なる誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している
少なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサ
において、 前記誘導体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物が焼成
したものからなり、 前記基本成分が、 {(Ba1-xCax)0}k(Ti1-y-zZryRz)O2-z/2 (但し、Rは、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Y
b,Tb,Tm及びLuから選択された1種または2種
以上の元素、 x,y,z,kは、 0≦x≦0.27 0.05≦y≦0.26 0.002≦z≦0.04 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、 前記添加成分がBとSiOとLiOからな
り、 前記Bと前記SiOと前記LiOとの組成範
囲が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Bが1モル%、前記SiOが50モル%、
前記LiOが49モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Bが50モル%、前記SiOが1モル%、
前記LiOが49モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Bが80モル%、前記SiOが1モル%、
前記LiOが19モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Bが89モル%、前記SiOが10モル
%、前記LiOが1モル%の組成を示す第4の点D
と、 前記Bが19モル%、前記SiOが80モル
%、前記LiOが1モル%の組成を示す第5の点E
と、 前記Bが1モル%、前記SiOが80モル%、
前記LiOが19モル%の組成を示す第6の点Fと をこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあるもの
である。
ここで、基本成分の組成式中におけるCaの原子数の割
合、すなわちxの値を0≦x≦0.27としたのは、x
の値が、0≦x≦0.27の場合には、所望の電気的特
性を有する焼結体を得ることができるが、0.27を越
えた場合には、焼成温度が1250℃と高くなり、比誘
電率εも7000未満となるからである。
また、基本成分の組成式中におけるZrの原子数の割
合、すなわちyの値を0.05≦y≦0.26としたの
は、yの値が、0.05≦y≦0.26の場合には、所
望の電気的特性を有する焼結体を得ることができるが、
この範囲から外れた場合には、比誘電率εが7000
未満となるからである。
また、基本成分の組成式中におけるRの原子数の割合、
すなわちzの値を0.002≦z≦0.04としたの
は、zの値が0.002≦z≦0.04の場合には所望
の電気的特性を有する焼結体を得ることができるが、
0.002未満になった場合には、誘電体損失tanδ
が大幅に悪化し、抵抗率ρも1×10MΩ・cm未満
となり、また、0.04を越えた場合には、焼成温度が
1250℃であっても緻密な焼結体を得ることができな
いからである。
なお、R成分のSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Y
b,Tb,Tm及びLuはほゞ同様に働き、これ等から
選択された1つを使用しても、または複数を使用しても
同様な結果が得られる。
基本成分の組成式中における{(Ba1-xCax)0}の割合、す
なわちkの値を1.00≦k≦1.04としたのは、k
の値が、1.00≦k≦1.04の場合には、所望の電
気的特性を有する焼結体を得ることができるが、1.0
0未満になった場合には、抵抗率ρが1×10MΩ・
cm未満と、大幅に低くなり、1.04を越えた場合に
は、緻密な焼結体を得ることができないからである。
なお、基本成分の組成式中におけるR成分のうちで、T
b,Tm及びLuは後記する第1表中に記載しなかった
が、これらも他のR成分と同様の作用効果を有するもの
である。
また、基本成分の中には、本発明の目的を阻害しない範
囲で微量のMnO(好ましくは0.05〜0.1重量
%)等の鉱化剤を添加し、焼結性を向上させてもよい。
また、その他の物質を必要に応じて添加してもよい。
また、基本成分を得るための出発原料としては、実施例
で示した以外の酸化物を使用してもよいし、水酸化物ま
たはその他の化合物を使用してもよい。
次に、添加成分の添加量を、100重量部の基本成分に
対して0.2〜5.0重量部としたのは、添加成分の添
加量がこの範囲内にある場合は1190〜1200℃の
焼成で所望の電気的特性を有する焼結体を得ることがで
きるが、0.2重量部未満になると、焼成温度が125
0℃であっても緻密な焼結体を得ることができないし、
また、5.0重量部を越えると、比誘電率εが700
0未満とならからである。
添加成分の組成を、BとSiOとLiOとの
組成をモル%で示す三角図において、前記した点A〜F
をこの順に結ぶ6の直線で囲まれた範囲内としたのは、
添加成分の組成をこの範囲内のものとすれば、所望の電
気的特性を有する焼結体を得ることができるが、添加成
分の組成をこの範囲外とすれば、緻密な焼結体を得るこ
とができないからである。
次に、本発明に係る磁器コンデンサの製造方法は、前記
の基本成分と添加成分とからなる未焼結の磁器粉末から
なる混合物を調製する工程と、前記混合物からなる未焼
結磁器シートを形成する工程と、前記未焼結磁器シート
を少なくとも2以上の導電性ペースト膜で挟持させた積
層物を形成する工程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中
において熱処理する工程と、前記熱処理を受けた積層物
を酸化性雰囲気中において熱処理する工程とを備えたも
のである。
ここで、非酸化性雰囲気としては、NやCOなどの還
元性雰囲気のみならず、NやArなどの中性雰囲気で
あってもよい。
また、非酸化性雰囲気中における熱処理の温度は、電極
材料を考慮して種々変更することができる。ニッケルを
内部電極とする場合には、1050℃〜1200℃の範
囲でニッケル粒子の凝集をほとんど生じさせることなく
熱処理することができる。
また、酸化性雰囲気中における熱処理の温度は、焼結温
度より低い温度であればよく、500〜1000℃の範
囲が好ましい。どのような温度にするかは、電極材料
(ニッケル等)の酸化と誘電体磁器層の酸化とを考慮し
て種々変更する必要がある。後述する実施例ではこの熱
処理の温度を600℃としたが、この温度に限定される
ものではない。
なお、本発明は積層磁器コンデンサ以外の一般的な単層
の磁器コンデンサにも勿論適用可能である。
[実施例] まず、第1表中の試料No.1の場合について説明す
る。
基本成分の調製 配合1の化合物を各々秤量し、これらの化合物をポット
ミルに、複数個のアルミナボール及び2.5の水とと
もに入れ、15時間撹拌混合して、混合物を得た。
ここで、配合1の各化合物の重量(g)は、前記基本成
分の組成式 {(Ba1-xCax)0}k(Ti1-y-zZryRz)O2-z/2が、 {(Ba0.93Ca0.07)0}0.10-(Ti0.83Zr0.15Dy0.02)01.99
(1) となるように計算して求めた値である。
次に、前記混合物をステンレスポットに入れ、熱風式乾
燥器を用い、150℃で4時間乾燥し、この乾燥した混
合物を粗粉砕し、この粗粉砕した混合物をトンネル炉を
用い、大気中において約1200℃で2時間仮焼し、前
記組成式(1) で表わされる組成の基本成分の粉末を得
た。
添加成分の調製 また、配合2の化合物を各々秤量し、これらの化合物を
ポリエチレンポットに、複数個のアルミナボール及び3
00mlのアルコールとともに加え、10時間攪拌混合
して、混合物を得た。
ここで、配合2の各化合物の重量(g)は、B
1モル%、SiOが50モル%、LiOが49%の
組成となるように計算して求めた値である。
次に、前記混合物を大気中において約1000℃の温度
で2時間仮焼し、これをアルミナポットに複数庫のアル
ミナボール及び300mlの水とともに入れ、15時間
粉砕し、その後、150℃で4時間乾燥させ、前記組成
の添加成分の粉末を得た。
スラリーの調製 次に、100重量部(1000g)の前記基本成分と、
2重量部(20g)の前記添加成分とをボールミールに
入れ、更に、これらの基本成分と添加成分との合計重量
に対して15重量%の有機バインダーと50重量%の水
を入れ、これらを混合及び粉砕して誘電体磁器組成物の
原料となるスラリーを得た。
ここで、有機バインダーとしては、アクリル酸エステル
ポリマー、グリセリン及び縮合リン酸塩の水溶液からな
るものを使用した。
未焼結磁器シートの形成 次に、上記スラリーを真空脱泡機に入れて脱泡処理し、
この脱泡処理したスラリーをポリエステルフィルム上に
リバースコータを用いて所定の厚さで塗布し、この塗布
されたスラリーをこのポリエステルフィルムとともに1
00℃で加熱して乾燥させ、厚さ25μmの長尺な未焼
結磁器シートを得た。そして、この長尺な未焼結磁器シ
ートを裁断して10cm角の未焼結磁器シートを得た。
導電性ペーストの調製と印刷 また、粒径平均1.5μmのニッケル粉末10gと、エ
チルセルロース0.9gをブチルカルビトール9.1g
に溶解させたものとを攪拌機に入れて10時間攪拌し、
内部電極用の導電性ペーストを得た。
そして、前記未焼結磁器シートの片面にこの導電性ペー
ストからなるパターン(長さ14mm、幅7mm)を5
0個、スクリーン印刷法によって形成させ、乾燥させ
た。
未焼結磁器シートの積層 次に、この未焼結磁器シートを、導電性ペーストからな
るパターンが形成されている側を上にして2枚積層し
た。この積層の際、隣接する上下の未焼結磁器シート間
におい、導電性ペーストからなるパターンが長手方向に
半分程ずれるようにした。
そして、更に上記のようにして積層したものの上下両面
に厚さ60μmの未焼結磁器シートを各々4枚ずつ積層
して積層物を得た。
積層物の圧着と裁断 次に、約50℃の温度下において、この積層物に厚さ方
向から約40トン荷重を加えて、この積層物を構成して
いる未焼結磁器シート相互を圧着させた。そして、この
積層物を格子状に裁断して、50個の積層体チップを得
た。
積層体チップの焼成 次に、この積層体チップを雰囲気焼成が可能な炉に入
れ、この炉内を大気雰囲気にし、100℃/hの速度で
600℃まで昇温させ、未焼結磁器シート中の有機バイ
ンダーを燃焼除去させた。
その後、炉内の雰囲気を大気雰囲気から還元雰囲気{H
2(2体積%)+N2(98体積%)}に変え、炉内の温度を
600℃から1120℃まで、100℃/hの速度で昇
温させ、1120℃の温度を3時間保持し、その後、1
00℃/hの速度で降温させ、炉内の雰囲気を大気雰囲
気(酸化性雰囲気)に変え、600℃の温度を30分間
保持して酸化処理を行い、その後、室温まで冷却して積
層焼結体チップを得た。
外部電極の形成 次に、この積層焼結体チップの対向する側面のうちで、
内部電極の端部が露出している側面に一対の外部電極を
形成し、第1図に示すような、三層の誘電体磁器層1
2,12,12と二層の内部電極14,14からなる積
層焼結体チップ15の端部に一対の外部電極16,16
が形成された積層磁器コンデンサ10が得られた。
ここで、外部電極16は、前記側面に亜鉛とガラスフリ
ット(glass frit)とビヒクル(vehicle)とからなる導電
性ペーストを塗布し、この導電性ペーストを、乾燥後、
大気中において550℃の温度で15分間焼き付けて亜
鉛電極層18とし、更にこの亜鉛電極層18の上に無電
解メッキ法で銅層20を形成し、更にこの銅層20の上
に電気メッキ法でPb−Sn半田層22を設けることに
よって形成した。
なお、この積層磁器コンデンサ10の誘電体磁器層12
の厚さは0.02mm、一対の内部電極14,14の対
向面積は5mm×5mm=mmである。また、焼結後
の誘電体磁器層12の組成は、焼結前の基本成分及び添
加成分の混合物の組成と実質的に同じである。
電気的特性の測定 次に、積層磁器コンデンサ10の電気的特性を測定し、
その平均値を求めたところ、第1表に示すように、比誘
電率εが16400、tanδが1.6%、抵抗率ρ
が3.37×10MΩ・cmであった。
なお、電気的特性は次の要領で測定した。
(A) 比誘電率εは、温度20℃、周波数1kHz、電
圧(実効値)1.0Vの条件で静電要領を測定し、この
測定値と、一対の内部電極14,14の対向面積(25
mm)と一対の内部電極14,14間の誘電体磁器層
12の厚さ(0.02mm)から計算で求めた。
(B) 誘電体損失tanδ(%)は、上記した比誘電率ε
の測定の場合と同一の条件で測定した。
(C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてD
C100Vを1分間印加した後に、一対の外部電極1
6,16間の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基
づいて計算で求めた。
以上、試料No.1について述べたが、試料No.2〜
79についても、基本及び添加成分の組成を第1表の左
欄に示すように変え、還元性雰囲気中における焼成温度
を第1表に右欄に示すように変えた他は、試料No.1
と全く同一の方法で積層磁器コンデンサを作成し、同一
の方法で電気的特性を測定した。
試料No.2〜79の電気的特性は第1表の右欄に示す
通りとなった。
なお、第1表において、1−xの欄には基本成分の組成
式におけるBaの原子数の割合が、xの欄には基本成分
の組成式におけるCaの原子数の割合が、1−y−zの
欄には基本成分の組成式におけるTiの原子数の割合
が、yの欄には基本成分の組成式におけるZrの原子数
の割合が、zの欄には基本成分の組成式におけるRの原
子数の割合が、kの欄には基本成分の組成式における
{(Ba1-xCax)0}の割合が示されている。
また、zの欄のSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Y
bは基本成分の組成式中におけるRの内容を示し、これ
等の元素の各欄にはこれ等の元素の原子数の割合が示さ
れ、合計の欄にはこれ等の元素の原子数の割合の合計値
(z値)が示されている。
また、添加成分の内容の欄の添加量層は基本成分100
重量部に対する重量部で示されている。
第1表から明らかなように、本発明に従う試料によれ
ば、非酸化性雰囲気中における1200℃以下の焼成
で、比誘電率εが7000以上、誘電体損失tanδ
が2.5%以下、抵抗率ρが1×10MΩ・cm以下
の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を備えた磁器コ
ンデンサを得ることができるものである。
これに対し、No.12〜16,21,22,27,3
3,39,40,44,45,49,59,64,6
5,69,70,74,75及び79の試料によれば、
所望の電気的特性を有する磁器コンデンサを得ることが
できない。従って、これらのNo.の試料本発明の範囲
外のものである。
次に、本発明に係る磁器コンデンサに用いられている誘
電体磁器組成物の組成範囲の限定理由について説明す
る。
まず、基本成分の組成式中におけるCaの原子数の割
合、すなわちxの値について説明する。
xの値が、試料No.32及び38に示すように、0.
27の場合には、所望の電気的特性を有する焼結体を得
ることができるが、試料No.33及び39に示すよう
に、0.30の場合には、焼成温度が1250℃と高く
なり、比誘電率εも7000未満となる。従って、x
の値の上限は0.27である。
また、Caは温度特性を平坦にする作用及び抵抗率ρを
向上させる作用を有するが、xの値が零であっても所望
の電気的特性の焼結体を得ることができる。従って、x
の値の下限は零である。
次に、基本成分の組成式中におけるZrの原子数の割
合、すなわちyの値について説明する。
yの値が、試料No.41及び46に示すように、0.
05の場合には、所望の電気的特性を有する焼結体を得
ることができるが、試料No.40及び45に示すよう
に、0.03の場合には、比誘電率εが7000未満
となる。従って、yの値の下限は0.05である。
一方、yの値が、試料No.43及び48に示すよう
に、0.26の場合には所望の電気的特性の焼結体を得
ることができるが、試料No.44及び49に示すよう
に、0.29の場合には、比誘電率εが7000未満
となる。
従って、yの値の上限は0.26である。
次に、基本成分の組成式中におけるRの原子数の割合、
すなわちzの値について説明する。
zの値が、試料No.60及び66に示すように、0.
002の場合には所望の電気的特性を有する焼結体を得
ることができるが、試料No.59及び65に示すよう
に、0.001の場合には、誘電体損失tanδが大幅
に悪化し、抵抗率ρも1×10MΩ・cm未満とな
る。従って、zの値の下限は0.002である。
一方、zの値が、試料No.63及び68に示すよう
に、0.04の場合には所望の電気的特性を有する焼結
体を得ることができるが、試料No.64及び69に示
すように、0.06の場合には、焼成温度が1250℃
であっても緻密な焼結体を得ることができない。従っ
て、zの値の上限は0.04である。
なお、R成分のSc,Y,Dy,Ho,Er,Ybはほ
ゞ同様に働き、これ等から選択された1を使用しても、
または複数を使用しても同様な結果が得られる。
次に、前記基本成分の組成式中における{(Ba1-xCax)0}
の割合、すなわちkの値について説明する。
kの値が、試料No.71及び76に示すように、1.
00の場合には、所望の電気特性を有する焼結体を得る
ことができるが、試料No.70及び75に示すよう
に、0.99の場合には、抵抗率ρが1×10MΩ・
cm未満と、大幅に低くなる。従って、kの値の下限は
1.00である。
一方、kの値が、試料No.73及び78に示すよう
に、1.04の場合には所望の電気的特性の焼結体を得
ることができるが、試料No.74及び79に示すよう
に、1.05の場合には、緻密な焼結体を得ることがで
きない。
従って、kの値の上限は1.04である。
次に、添加成分の添加量について説明する。
添加成分の添加量が、試料No.17及び23に示すよ
うに、100重量部の基本成分に対して0.2重量部の
場合には、1190〜1200℃の焼成で所望の電気的
特性を有する焼結体を得ることができるが、添加成分の
添加量が零の場合には、試料No.16及び22に示す
ように、焼成温度が1250℃であっても緻密な焼結体
を得ることができない。従つて、添加成分の下限値は、
100重量部の基本成分に対して0.2重量部である。
一方、添加成分の添加量が、試料No.20及び26に
示すように、100重量部の基本成分に対して5重量部
の場合には、所望の電気的特性を有する焼結体を得るこ
とができるが、添加成分の添加量が、試料No.21及
び27に示すように、100重量部の基本成分に対して
7重量部の場合には、比誘電率εが7000未満とな
る。従って、添加成分の添加量の上限値は、100重量
部の基本成分に対して5重量部である。
次に添加成分の好ましい組成範囲について説明する。
添加成分の好ましい組成範囲は、第2図のB−S
iO−LiOの組成比を示す三角図に基づいて決定
することができる。
三角図の第1の点Aは、試料No.1のBが1モ
ル%、SiOが50モル%、LiOが49モル%の
組成を示し、第2の点Bは、試料No.2のB
50モル%、SiOが1モル、LiOが49モル%
の組成を示し、第3の点Cは、試料No.3のB
が80モル%、SiOが1モル%、LiOが19モ
ル%の組成を示し、第4の点Dは、試料No.4のB
が89モル%、SiOが10モル%、LiOが
1モル%の組成を示し、第5の点Eは、試料No.5の
が19モル%、SiOが80モル%、Li
Oが1モル%の組成を示し、第6の点Fは、試料No.
6のBが1モル%、SiOが80モル%、Li
Oが19モル%の組成を示す。
本発明の組成範囲に属する試料の添加成分は、第2図に
示す三角図の第1〜6の点A〜Fをこの順に結ぶ6本の
直線で囲まれた範囲内となっている。
添加成分の組成をこの範囲内のものとすれば、所望の電
気的特性を有する焼結体を得ることができる。
一方、試料No.12〜15のように、添加成分の組成
を本発明で特定した範囲外とすれば、緻密な焼結体を得
ることができにない。
[発明の効果] 本発明によれば、磁器コンデンサの誘電体層を構成して
いる誘電体組成物の組成を前述したように構成したの
で、非酸化性雰囲気中における1200℃以下の焼成で
あるにもかかわらず、その比誘電率εを7000〜2
1300と飛躍的に向上させることができ、従って、磁
器コンデンサの小型大容量化を図ることが可能になっ
た。
そして、磁器コンデンサの小型大容量化を図ることがで
きるようになったので、ニッケル等の卑金属の導電性ペ
ーストを内部電極の形成に用いることと相まって、磁器
コンデンサの低コスト化を図ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る積層型磁器コンデンサの
断面図、第2図は添加成分の組成範囲を示す三角図であ
る。 12……誘電体磁器層、14……内部電極 15……積層焼結体チップ、16……外部電極 18……亜鉛電極層、20……銅層 22……Pb−Sn半田層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体磁器組成物からなる誘電体磁器層
    と、この誘電体磁器層を挟持している少なくとも2以上
    の内部電極とを備えた磁器コンデンサにおいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物が焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、 {(Ba1-xCax)0}k(Ti1-y-zZryRz)O2-z/2 (但し、Rは、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Y
    b,Tb,Tm及びLuから選択された1種または2種
    以上の元素、 x,y,z,kは、 0≦x≦0.27 0.05≦y≦0.26 0.002≦z≦0.04 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、 前記添加成分がBとSiOとLiOからな
    り、 前記Bと前記SiOと前記LiOとの組成範
    囲が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Bが1モル%、前記SiOが50モル%、
    前記LiOが49モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Bが50モル%、前記SiOが1モル%、
    前記LiOが49モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Bが80モル%、前記SiOが1モル%、
    前記LiOが19モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Bが89モル%、前記SiOが10モル
    %、前記LiOが1モル%の組成を示す第4の点D
    と、 前記Bが19モル%、前記SiOが80モル
    %、前記LiOが1モル%の組成を示す第5の点E
    と、 前記Bが1モル%、前記SiOが80モル%、
    前記LiOが19モル%の組成を示す第6の点Fと をこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあること
    を特徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製す
    る工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形成
    する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以上
    の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工程
    と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において熱処理する
    工程と、前記熱処理を受けた積層物を酸化性雰囲気中に
    おいて熱処理する工程とを備え、 前記未焼結の磁器粉末からなる混合物が、100.0重
    量部の基本成分と、0.2〜5重量部の添加成分とから
    なり、 前記基本成分が、 {(Ba1-xCax)0}k(Ti1-y-zZryRz)O2-z/2 (但し、Rは、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Y
    b,Tb,Tm及びLuから選択された1種または2種
    以上の元素、 x,y,z,kは、 0≦x≦0.27 0.05≦y≦0.26 0.002≦z≦0.04 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、 前記添加成分がBとSiOとLiOからな
    り、 前記Bと前記SiOと前記LiOとの組成範
    囲が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Bが1モル%、前記SiOが50モル%、
    前記LiOが49モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Bが50モル%、前記SiOが1モル%、
    前記LiOが49モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Bが80モル%、前記SiOが1モル%、
    前記LiOが19モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Bが89モル%、前記SiOが10モル
    %、前記LiOが1モル%の組成を示す第4の点D
    と、 前記Bが19モル%、前記SiOが80モル
    %、前記LiOが1モル%の組成を示す第5の点E
    と、 前記Bが1モル%、前記SiOが80モル%、
    前記LiOが19モル%の組成を示す第6の点Fと をこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあること
    を特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
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