JPH061432Y2 - 筆記具用リフィル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、外装たる筆記具本体内にペン先のみ露出せし
めて着脱自在に収納配置し、インキがなくなり次第適宜
これをペン先ごと別のものと交換するタイプの筆記具用
リフィル、つまり、少なくとも小径部と大径部とからな
り、この小径部先端にはペン先を有するペン先ホルダー
を止着し、内部にはインキをペン先に導くための繊維収
束体等からなるインキ中継部材を収容した筆記具用リフ
ィルの改良に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 従来、筆記具の中には、少なくとも小径部と大径部とか
らなり、この小径部にペン先を有するペン先ホルダーを
止着し、内部にはインキをペン先に導くための繊維収束
体等からなるインキ中継部材を収容した筆記具用リフィ
ルを外装体となる筆記具本体内にペン先のみ露出して収
納配置し、インキが完全に消費されると別のリフィルと
交換するタイプのものがある。係るタイプの筆記具は、
リフィルだけ交換していけば、半永久的に使用が可能で
あることから高級品に向いており、また、ペン先の異な
るリフィルを何種類か用意すれば一つの外装で種々の筆
跡が楽しめるなどのメリットも有しており、益々汎用さ
れている。

然し乍ら、これについては近時になって一つの不都合点
が顕在化してきた。

即ち、この様な筆記具用リフィルは、外装内に収納配置
したペン先を外装体より露出しなければいけないと共
に、デザイン的な問題も重なり、リフィル自体には必然
的に小径部が必要となり、また一方で、インキ吸蔵部よ
りインキをペン先に導くためにインキ中継部材を両者間
に介在させなければならず、このインキ中継部材が先の
小径部内に位置するペン先ホルダーの内孔に配置される
都合上、どうしてもこれが細径化され、その結果、ペン
先へのインキ供給量が不足がちとなり、筆記時インキを
多く使用するペン先や、インキ吸引力の弱いペン先にお
いては早書き性に劣るという点である。

かような不都合点の解決策としては、インキ中継部材を
極力太くすればよいわけだが、前述のような従来技術で
は太くする限界がある。

つまり、インキ中継部材が大径化することによって、筆
記具用リフィルの小径部内でのペン先ホルダーの止着方
法として、熱や超音波などの溶着を採用する場合、ペン
先ホルダーの後部においてはこのための箇所（溶着し
ろ）を確保することが困難となる。また、筆記具用リフ
ィルの小径部をかしめることを採用した場合、円周かし
めではインキ中継部材の先端を集中的に圧迫することに
なり好ましくなく、点かしめでは、ペン先ホルダーに変
形が生じやすくなって、以後のリフィルの小径部に対す
る取付けに支承を来す恐れがある。更に、接着すること
を採用したではものではその作業表上煩雑となるなどの
問題である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、少なくとも小径部と大径部とからなり、該小
径部先端にペン先を有するペン先ホルダーを止着した筆
記具用リフィルにおいて、インキをペン先に導くための
インキ中継部材を筆記具用リフィルの小径部内に直接固
着すると共に、インキ中継部材の先端面をペン先ホルダ
ー後端に当接せしめてなることを特徴とする筆記具用リ
フィルを要旨とする。

（実施例） 以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき詳細に説
明する。

第１図において、参照符号１０は金属、樹脂などよりな
る筆記具用リフィルを示すもので、この筆記具用リフィ
ル１０は、中綿などのインキ吸蔵部１１を内部に収容せ
る大径部１０ａと、この大径部１０ａに連続した中径部
１０ｂ、この中継部に連続する小径部１０ｃには、ペン
先１２を保持せる金属、樹脂などよりなるペン先ホルダ
ー１３がその後部を筆記具用リフィルの小径部１０ｃの
内孔内に挿入すると共に小径部１０ｃの先端に係止する
ようなして小径部１０ｃに止着されている。このペン先
１２について述べれば、ペン先１２は、セラッミック、
金属などよりなる小管ペン先１２ａと、この小管ペン先
１２ａ内にその先端を僅か突出して遊挿され、後端を膨
大部とした細杆体１２ｂとからなっており、前記細杆体
１２ｂの膨大部は、ペン先ホルダー１３の後部内に配置
されたインキ含浸性を有するウレタンなどの弾性体１４
に当接することによって常時、細杆体１２ｂは前方に付
勢されている。参照符号１５は、前記インキ吸蔵部１１
よりペン先１２にインキを導くための各種繊維を収束し
たものなどよりなるインキ中継部材であって、このイン
キ中継部材１５は、リフィル１０における小径部１０ｃ
内に圧入によって直接固着されており、その先端を前記
ペン先ホルダー１３の後端に当接させている。ここで、
インキ中継部材１５の小径部１０ｃに対する固着手段と
しては、上記方法とともに、接着や小径部１０ｃを外方
より円周または点でもってかしめるなどの手段を併用し
てもよく、いずれにせよインキ中継部材１５を直接小径
部１０ｃ内に直接固着するものであるからその径を小径
部１０ｃ内において極力太く設定することが可能にな
り、もって、インキのペン先１２に対する供給を十分に
行うことができるものである。

実際に筆記を行うに際しては、細杆体１２ｂを小管ペン
先１２ａ内において前後に摺動せしめることにより、イ
ンキ吸蔵部１１から、大径のインキ中継部材１５を経て
弾性体１４に導かれた十分量のインキを確実にペン先１
２先端に供給して筆記が可能となるものである。よっ
て、従来にないインキ中継部材１５の大径化によって通
常筆記は勿論のこと、早下記時においても特に優れた筆
記特性を示すものである。

第２図は本願考案の他の実施例を示すもので、２０は大
径部２０ａと中径部２０ｂと小径部２０ｃとからなる筆
記具用リフィルであり、２１は大径部２０ａ内に収容さ
れたインキ吸蔵部、２３は小管ペン先２２ａを保持する
ペン先ホルダー、そして２２ｂはこの小管ペン先２２ａ
内に遊挿され弾性体２４によって前方に付勢された細杆
体であり、単に、インキ中継部材２５の先端をペン先ホ
ルダー２３に当接させている点は上記実施例と同様とな
る。異なる点は、インキ吸蔵部２１よりペン先２２にイ
ンキを導くためのインキ中継部材２５においてその前方
に大径部２５ａを設け、またこれと共に、小径部２０ｃ
内先方に段部２０ｄを設け、これによってインキ中継部
材２５を小径部２０ｃ内に直接固着するに際し、前記大
径部２５ａと段部２０ｄをもって段係止した点にある。
したがってインキ中継部材２５はこの段部２０ｄとペン
先ホルダー２３の後端とに挟まれ小径部２０ｃ内に確実
に固着し、且つペン先部材に確実にインキ接続すること
となり、インキ中継部材２５が衝撃時に移動してしま
い、ペン先部材とのインキ接続を阻害することなどを極
力防止するという観点から特に好ましい。

尚、本考案では上記２実施例ともそのペン先を小管ペン
先のものをもって示したが、これに限ることはなく、例
えばボールペン、合成樹脂製ペン先などを採用し得るこ
と勿論であり、また、インキ中継部とインキ吸蔵部は一
体物であることも勿論良い。

（効果） 以上詳細に説明した如く本願考案は、少なくとも小径部
と大径部とからなり、該小径部先端にペン先を有するペ
ン先ホルダーを止着した筆記具用リフィルであって、イ
ンキをペン先に導くためのインキ中継部材を直接筆記具
用リフィルの小径部内に固着すると共に、インキ中継部
材の先端をペン先ホルダー後端に当接せしめてなるの
で、従来生じていた筆記具用リフィル小径部とペン先ホ
ルダーとの結合には何ら問題がなく、インキ中継部材は
極力その大径化が可能となるためペン先に対するインキ
の供給が充分に行え、もって早書き性に優れた筆記具用
リフィルが提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図、第２図は
夫々筆記具用リフィルの要部縦断面図である。 １０、２０……筆記具用リフィル、 １０ａ、２０ａ……大径部、 １０ｃ、２０ｃ……小径部、 １２、２２……ペン先、 １５、２５……インキ中継部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも小径部と大径部とからなり、該
   小径部先端にペン先を有するペン先ホルダーを止着した
   筆記具用リフィルにおいて、インキをペン先に導くため
   のインキ中継部材を筆記具用リフィルの小径部内に直接
   固着すると共に、インキ中継部材の先端面をペン先ホル
   ダー後端に当接せしめてなることを特徴とする筆記具用
   リフィル。