JPH0453972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、ボールの回転により筆記する型のペ
ン体を使用し、高速筆記が可能なプロツター用ペ
ンに関する。

ロ 従来の技術 従来のプロツター用ペンは、細管の先端にボー
ルを回転自在に保持し、細管内に嵌入したインキ
誘導芯の先端面をボールに当接して保持したペン
体を、インキ誘導芯の後端を軸筒内に内蔵したイ
ンキ吸蔵体に没入させて軸筒等に固着した構造の
ものがある。この構造では、インキ誘導芯がボー
ル受けの役目も兼ねているので、筆記時の筆圧に
よりボールが細管内を後退しないように、すなわ
ちインキ誘導芯自体が後退しないように、細管の
内部に設けた小突起をインキ誘導芯に没入させて
細管に固定している。

しかし、高速筆記を行うプロツター用ペンは、
外径が約0.5mmの細管であつて、その内部に小突
起を設けると、インキ誘導芯が圧縮されインキの
流出に支障をきたす欠点がある。

ハ 考案が解決しようとする問題点 細管の先端にボールを有し、内部にはボール受
けも兼ねてインキ誘導芯を嵌挿したペン体におい
て、筆記時の筆圧により、ボールが細管内を後退
しないように、かつインキ誘導芯を変形して高速
筆記時のインキの流出を損なわないように、イン
キ誘導芯を細管に固定することである。

ニ 問題を解決するための手段 本考案は、軸筒に、先端側に小径孔と、それに
連通して後端側に大径孔を設けたチツプを連結
し、チツプの小径孔に、硬質性の細管の先端内に
ボールを回転自在に保持し、細管内に嵌入したイ
ンキ誘導芯の先端面をボールに当接し後端面を細
管の後端面と面一または後端面より突出させたペ
ン体を、その後端を大径孔に突出させて嵌入し、
先端部で細管内のインキ誘導芯を移動しないよう
に保持し、後端部をチツプの後方より突出させ
た、インキ誘導芯より硬質で毛管力によりインキ
を誘導する機能を有した、ペン体の外径より大径
な保持部材をチツプの大径孔に固定し、保持部材
の後端部を軸筒に内蔵したインキ吸蔵体に没入さ
せてなるプロツター用ペンである。

保持部材で細管のインキ誘導芯を保持するに
は、ペン体の後端部を保持部材の先端部に埋設し
てインキ誘導芯を保持するか、またはペン体の後
端部を保持部材の先端部に衝接してインキ誘導芯
を保持する。

保持部材の材質は、インキ誘導芯を移動させな
いためにインキ誘導芯より硬質である必要があ
る。ペン体の後端部を保持部材の先端部に埋設し
て受け止める場合は、毛管力を有し容易に変形し
ない繊維束からなるものであるが、先端部が変形
してペン体の後端部を没入させることができるも
のでなくてはらない。ペン体の後端部を保持部材
の先端面に衝接して受け止める場合は、インキ通
路となる貫通孔を有するセラミツク、金属、合成
樹脂等からなる硬質性で押圧しても先端面が容易
に変形しないものがよい。

チツプの小径孔にはペン体を、大径孔には保持
部材を嵌入などにより固定するが、接着剤を併用
して固定してもよい。

ホ 作用 インキ誘導芯の後端部はチツプの大径孔に固定
した保持部材に保持されているので、ペン体の後
端部を保持部材の先端部に埋設して保持する場合
は、ペン体により保持部材が変形させられた部分
の繊維束が密となつて固くなり、この部分がスト
ツパーとなつて、インキ誘導芯の後端面を受け止
めているので、筆圧によりボールがインキ誘導芯
を押圧しても、インキ誘導芯は移動しない。

またペン体の後端部を保持部材の先端面に衝接
して保持する場合は、インキ誘導芯の後端面を保
持部材の先端面で受け止めているので、筆圧によ
りボールがインキ誘導芯を押圧しても、インキ誘
導芯は移動しない。

ヘ 実施例 本考案の実施例を図面において説明する。

第１図の実施例では、ペン体１は細管２の先端
３を内方にかしめて回転自在にボール４を保持
し、細管２内に嵌入したインキ誘導芯５の先端面
６をボール４に当接してある。インキ誘導芯５の
後端面７は細管２の後端面８と面一となつてい
る。

チツプ９はペン体１を保持する先端部１０と軸
筒１１内に嵌入する後端部１２とからなり、先端
部１０に小径孔１３を後端部１２に大径孔１４を
互いに連通して設けてある。側面には、先端部１
０と後端部１２に連通した凹溝１５を設けてあ
る。

チツプ９をその後端部１２を軸筒１１の先端に
嵌入して取り付け、チツプ９の凹溝１５は軸筒１
１内外を連通した通気孔を形成している。

保持部材１６はペン体１の外径より大径で、イ
ンキ誘導芯５の後端への移動を防ぐ役目をするの
で、インキ誘導芯５より固めで、毛管力を有する
繊維束からなる。

軸筒１１内には、保持部材１６より大径なイン
キ吸蔵体１７を内蔵してある。

ペン体１をその後端部を大径孔１４内に突出さ
せて、チツプ９の小径孔１３に嵌入してある。

チツプ９の大径孔１４には、保持部材１６をそ
の先端部にペン体１の後端部を没入させ、後端部
をチツプ９の後端より突出させて、固定してあ
る。保持部材１６の後端は軸筒１１に内蔵された
インキ吸蔵体１７に没入している。

第２図の実施例では、ペン体１，チツプ９、軸
筒１１およびインキ吸蔵体１７は前記実施例と同
様に構成されている。

保持部材１６′はペン体１の外径より大径で、
中心部にインキ通路となる複数の小径の貫通孔１
８を軸方向に有する硬質性の合成樹脂からなる。

前記実施例同様にチツプ９に嵌入したペン体１
の後端部すなわちインキ誘導芯５の後端面７に、
保持部材１６′の先端面を衝接させ、かつ後端部
をチツプ９の後端より突出させて、保持部材１
６′をチツプ９の大径孔１４に固定してある。保
持部材１６′の後端は軸筒１１に内蔵されたイン
キ吸蔵体１７に没入している。

その他の構造は、前記実施例と同様である。

ト 考案の効果 本考案は、細管内にボールを保持したインキ誘
導芯の後端面をチツプに固定した保持部材の先端
部分がストツパーとなつて、インキ誘導芯の後端
面を受け止めているので、筆記時におけるボール
からの押圧力をインキ誘導芯の先端面に受けて
も、インキ誘導芯を移動することなく固定でき
る。また、細管内に小突起を設けないので、イン
キ誘導芯を変形させてインキ通路を塞ぐことがな
く、筆記時に良好なインキ出が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の、ペン体の後端部を
保持部材の先端部に埋設して保持したプロツター
用ペンの断面図、第２図は他の実施例で、ペン体
の後端部を保持部材の先端面に衝接して保持した
プロツター用ペンの断面図である。 １……ペン体、２……細管、４……ボール、５
……インキ誘導芯、９……チツプ、１１……軸筒
部、１３……小径孔、１４……大径孔、１６，１
６′……保持部材、１７……インキ吸蔵体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒１１に、先端部１０に小径孔１３と、それ
   に連通して後端部１２に大径孔１４を設けたチツ
   プ９を連結し、チツプ９の小径孔１３に、硬質性
   の細管２の先端３内にボール４を回転自在に保持
   し、細管２内に嵌入したインキ誘導芯５の先端面
   ６をボール４に当接し、後端面７を細管２の後端
   面８と面一または後端面８より突出させたペン体
   １を、その後端を大径孔１４に突出させて嵌入
   し、先端部で細管２内のインキ誘導芯５を移動し
   ないように保持し、後端部をチツプ９の後方より
   突出させた、インキ誘導芯５より硬質で毛管力に
   よりインキを誘導する機能を有した、ペン体１の
   外径より大径な保持部材１６，１６′をチツプ９
   の大径孔１４に固定し、保持部材１６，１６′の
   後端部を軸筒１１に内蔵したインキ吸蔵体１７に
   没入させてなるプロツター用ペン。