JPH06142377A - ミシンの布端制御装置 - Google Patents

ミシンの布端制御装置

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Publication number
JPH06142377A
JPH06142377A JP29535692A JP29535692A JPH06142377A JP H06142377 A JPH06142377 A JP H06142377A JP 29535692 A JP29535692 A JP 29535692A JP 29535692 A JP29535692 A JP 29535692A JP H06142377 A JPH06142377 A JP H06142377A
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JP
Japan
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cloth
belt
work
sewing
cloth edge
Prior art date
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Pending
Application number
JP29535692A
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English (en)
Inventor
Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
Yoshiyuki Otsuka
佳行 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工布との当接部分の寿命を延ばし、布端の
制御を確実に行う。 【構成】 布端制御の開始時におけるタイミングベルト
の当接部分がどこであるかということをRAMに記憶し
ておき、縫製作業及び布端制御を開始する。加工布Wに
常にタイミングベルトを当接させておき、布端検出機構
の検出結果に基づいて、布の送り方向に対して略直交方
向に加工布Wの布端を移動させる。布端制御の終了後、
今回の布端制御の開始時におけるタイミングベルトの当
接部分と、次回の布端制御の開始時におけるタイミング
ベルトの当接部分を異ならせるために、加工布Wから離
脱しているタイミングベルトを空走させる(S212、
222)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、針落下点に対する加工
布のずれを解消するミシンの布端制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置で使用される移動手
段としては、例えば特公昭57−16834号公報に記
載されている下記の技術が知られている。
【0003】即ち、ミシンのベットの縫製点より布送り
込み側には、布送り方向に直交する方向に延びる支持ア
ームが、布送り方向に平行な軸線のまわりを揺動可能に
支持され、その支持アームの先端には、ピニオンが布送
り方向に平行な軸線のまわりを回動可能に支持されてお
り、そのピニオンが支持アームの揺動によりベッド上の
加工布に当接可能である。そのピニオンに噛合するクラ
ウンギヤが形成された伝動軸が布送り方向に直交する方
向に平行な軸線のまわりを回動可能に支持アームに挿通
されており、その伝動軸は支持アームの基端に固定され
た電動モータにより正逆転される。そして、支持アーム
を揺動させてピニオンを加工布に押圧するためのエアシ
リンダーと、縫製点と支持アームとの間には、加工布の
布端を検出するためのセンサが配設されている。
【0004】この種の布端制御装置においては、縫い代
を一定に保つために、その縫製作業と並行して加工布の
布端の目標位置からのずれが解消される。ピニオンがエ
アシリンダによって、ベッド上の加工布に押圧されて、
ピニオンがセンサの検出結果に基づき所定量、正逆転さ
せることにより、加工布の布端を縫製に伴う送り方向と
直交する方向に移動させ、縫製点に対する加工布のずれ
が解消される。
【0005】また、金属製や樹脂製のピニオンは滑り易
いので、摩擦抵抗を高めて加工布を確実に移動するため
に、電動モータには駆動プーリを取り付け、その駆動プ
ーリによって従動される従動プーリを布送り方向に対し
て平行な軸に回転可能に支持し、この駆動プーリと従動
プーリとにタイミングベルトを掛けて、そのタイミング
ベルトを加工布に当接させ、センサの検出結果に基づき
電動モータを回転させることによって、その加工布の布
端を送り方向と直交する方向に移動させる技術が考えら
れる。
【0006】更に、ピニオンを加工布に直接に当接させ
ず、ピニオンに同心で固定されると共に外周部にゴム材
等の滑り止め部が取り付けたローラを加工布に当接する
ことによって、同様に、センサの検出結果に基づき加工
布の布端を送り方向と直交する方向に移動させる技術が
考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後者2
つの技術、つまり、タイミングベルトや外周部にゴム材
等の滑り止め部を取り付けた回転部材を加工布に押し当
てて、加工布の布端を移動させる技術において、加工布
が縫製点に送られるとき、加工布はタイミングベルトや
回転部材の滑り止め部に対して相対移動しているので、
タイミングベルトや滑り止め部の加工布に対する当接部
分がすり減る。
【0008】加工布のズレを解消するための移動がほと
んど行われなかったり、或は、タイミングベルトや滑り
止め部の加工布との当接部分が、タイミングベルトや滑
り止め部の一部分だけに偶然にも偏ってしまと、その当
接部分だけが偏摩耗するので、タイミングベルトや滑り
止め部の寿命の短命化につながる。即ち、タイミングベ
ルトが切れやすくなり、或は、滑り止め部の欠損が発生
しやすくなるのである。そして、タイミングベルトや滑
り止め部を交換するには、縫製作業を中断しなければな
らず、その作業時間も長くかかってしまう。更に、偏摩
耗が著しいときには、加工布を正確に移動させることが
不可能になり、縫い外れなどが生じる恐れがある。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、ベルトや滑り止めを取り付けた
回転体を加工布に当接させて、加工布の布端を移動させ
る場合、ベルトや滑り止めの短命化を防止し得るミシン
の布端制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載のミシンの布端制御装置は、
縫製点よりも布送り込み側に配置され、縫製点に移送さ
れる加工布の布端位置を検出する布端検出手段と、回転
体に巻装されたベルトをそのベルトに対して相対移動す
る加工布に当接させると共に、布端検出手段の検出結果
に応答してベルトを所定の方向に走行させて加工布の布
端位置を補正する加工布補正手段と、ベルトを所定量、
加工布に対して空走させるベルト空走手段とを備えてい
る。
【0011】また、本発明の請求項2に記載のミシンの
布端制御装置は、加工布の布端位置を補正した時の補正
開始時と終了時におけるベルトの加工布への当接部位を
それぞれ検出するベルト位置検出手段を更に有し、その
ベルト位置検出手段の検出結果に基づき、補正開始時と
終了時の当接部位が略同じであるときは、ベルトを所定
量、加工布に対して空走させて、ベルトの当接部位を異
ならせるベルト空走手段を備えている。
【0012】更に、本発明の請求項3に記載のミシンの
布端制御装置は、次回の布端補正開始時までにベルトを
空走させるベルト空走手段を備えている。
【0013】そして、本発明の請求項4に記載のミシン
の布端制御装置は、縫製点よりも布送り込み側に配置さ
れ、縫製点に移送される加工布の布端位置を検出する布
端検出手段と、回転体に巻装されたベルトをそのベルト
に対して相対移動する加工布に当接させると共に、布端
検出手段の検出結果に応答してベルトを所定の方向に走
行させて加工布の布端位置を補正する加工布補正手段
と、縫製終了後、ベルトを所定量、走行させる終了後走
行手段とを備えている。
【0014】次に、本発明の請求項5に記載のミシンの
布端制御装置は、縫製点よりも布送り込み側に配置さ
れ、縫製点に移送される加工布の布端位置を検出する布
端検出手段と、回転体の外周部に設けられた滑り止め部
をその滑り止め部に対して相対移動する加工布に当接さ
せると共に、布端検出手段の検出結果に応答して回転体
を所定の方向に回転させて加工布の布端位置を補正する
加工布補正手段と、回転体を所定量、加工布に対して空
転させる回転体空転手段とを備えている。
【0015】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1に記載の
ミシンの布制御装置においては、布端検出手段が縫製点
に移送される加工布の布端位置を検出し、加工布補正手
段が回転体に巻装されたベルトをそのベルトに対して相
対移動する加工布に当接させると共に、布端検出手段の
検出結果に応答してベルトを所定の方向に走行させて加
工布を移動して、加工布の布端位置が補正される。ベル
ト空走手段はベルトを所定量、加工布に対して空走させ
るので、加工布に対するベルトの当接部位が変更され
る。
【0016】また、本発明の請求項2に記載のミシンの
布制御装置においては、ベルト位置検出手段が加工布の
布端を補正した時の補正開始時と終了時におけるベルト
の加工布への当接部位をそれぞれ検出し、ベルト空走手
段がそのベルト位置検出手段の検出結果に基づき、補正
開始時と終了時の当接部位が略同じであるときは、ベル
トを所定量、加工布に対して空走させるので、ベルトの
加工布に対する当接部位が異なる。
【0017】更に、本発明の請求項3に記載のミシンの
布制御装置においては、ベルト空走手段が次回の布端補
正開始時までにベルトを空走させるので、次に布端補正
をする時の加工布に対するベルトの当接部位が変更され
る。
【0018】そして、本発明の請求項4に記載のミシン
の布端制御装置においては、布端検出手段が縫製点に移
送される加工布の布端位置を検出し、加工布補正手段が
回転体に巻装されたベルトをそのベルトに対して相対移
動する加工布に当接させると共に、布端検出手段の検出
結果に応答してベルトを所定の方向に走行させて加工布
を移動して、加工布の布端位置が補正される。縫製終了
後に、終了後走行手段は加工布に当接しているベルトを
所定量、走行させるので、加工布に対するベルトの当接
部位が変更される。
【0019】次に、本発明の請求項5に記載のミシンの
布端制御装置においては、布端検出手段が縫製点に移送
される加工布の布端位置を検出し、加工布補正手段が回
転体の外周部に備えられた滑り止め部をその滑り止め部
に対して相対移動する加工布に当接させると共に、布端
検出手段の検出結果に応答して回転体を所定の方向に回
転させて加工布を移動して、加工布の布端位置が補正さ
れる。回転体空転手段は回転体を所定量、加工布に対し
て空転させるので、加工布に対する滑り止め部の当接部
位が変更される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。
【0021】本実施例は、工業用本縫いミシンに本発明
を適用した場合のものである。この本縫いミシンMにつ
いて説明するが、このミシンMは一般的な工業用本縫い
ミシンと同様なので簡単に説明するものとする。
【0022】この本縫いミシンMは、図2に示すよう
に、作業用テーブルTに装着され、ミシンベッド部1
と、そのベッド部1の右端部から立設された脚柱部2
と、その脚柱部2からベッド部1に対向するように左方
へ延びるアーム部3とから構成されている。ベッド部1
には、下送り歯8を上下動させる送り歯上下動機構(図
示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)
と、糸輪捕捉器(図示略)などが設けられている。
【0023】また、アーム部3には、縫針4(図17参
照)を下端に装着可能な針棒(図示略)を上下動させる
針棒駆動機構と、天秤(図示略)を針棒の上下動に調時
して上下動させる天秤駆動機構(図示略)などが設けら
れている。
【0024】前記針棒の後側のミシン機枠Fには、押え
棒が上下動可能に支持されており、その押え棒の下端に
は押え足6(図4参照)が取付けられている。ところ
で、この押え棒と、上布UWを布送りさせる上送り歯7
(図4参照)とは後述の押え足駆動用ソレノイド159
(図20参照)に連結されており、これら押え棒と上送
り歯7とは、押え足駆動用ソレノイド159の駆動によ
り上昇した退避位置に切換えられ、またこのソレノイド
159の駆動が停止されたときには、下降した作用位置
に位置切換えられる。
【0025】従って、この下送り歯8及び上送り歯7の
送り歯上下動機構と、針棒駆動機構と天秤駆動機構とは
ミシンモータ140で駆動される。また、下送り歯8
は、リニアソレノイド(図示略)の駆動量で変更される
送り制御器の傾きに応じた送り量で送り歯前後動機構を
介して前後駆動される。更に、上送り歯7は、上送り歯
用パルスモータ(図示略)の回転量で変更される送り制
御器の傾きに応じた送り量で送り歯前後動機構を介して
前後駆動される。
【0026】前記作業用テーブルTの直ぐ下側にはミシ
ンモータ140が配設され、作業用テーブルTを支持す
る作業台9に取付けられている。また、本縫いミシンM
には操作パネル10が取付けられ、この操作パネル10
には、縫製作業に必要な複数の操作スイッチが設けられ
ている。
【0027】ところで、布端制御装置15は、基本的に
は、ベッド部1とアーム部3との間に設けられた布受け
板駆動装置16及び上布移動装置17と、ベッド部1の
下側に設けられた下布移動装置18と、上布UWを補助
的に位置制御する補助上布移動装置19とを備えてお
り、先ず上布UWと下布DWとの間に設けられ、これら
両布UW・DWを支持する布受け板32を駆動する布受
け板駆動装置16について、図2〜図5に基いて説明す
る。
【0028】前記ベッド部1上には略矩形状のベースプ
レート25が固着され、このベースプレート25の上面
の前端部には、左右方向に延びる帯状のリニアクロスベ
アリング26が取付けられ、このリニアクロスベアリン
グ26には略矩形状の板材からなる布受け台27が左右
方向移動可能に載置されている。
【0029】そして、この布受け台27の直ぐ前側に左
右方向向きに配設された布受け台切換えシリンダ143
はブラケット28でベースプレート25に固着され、そ
のシリンダ143のピストンロッド143aの先端部
は、布受け台27に固着された駆動レバー29に連結さ
れている。従って、布受け台27は、布受け台切換えシ
リンダ143の左方への進出駆動により図3に実線で示
す左方縫製位置と、右方への退入駆動により2点鎖線で
示す右方退避位置とに位置切換えされる。
【0030】一方、布受け台27上には、正面視略逆L
字状の取付け板30の下端部がビス止めされ、この取付
け板30にはツインロッドタイプの布受け板上下駆動シ
リンダ144が下向きに取付けられ、このシリンダ14
4の一対のピストンロッド144aの下端部には布受け
板取付け板31が固着されており、この布受け板取付け
板31の下側には、図4に示すように、平面視略クラン
ク状の布受け板32の基端部がビス止めされている。こ
の布受け板32の先端部は、図7に示すように、半円形
の針板11を経て滑り板12に及んで左方へ延びてい
る。ここで、前記シリンダ144の下側に取付けられた
ボルト33(図5参照)は、布受け板取付け板31の上
昇位置を規制する為の高さ調節用のものである。
【0031】従って、布受け板32は、布受け板上下駆
動シリンダ144の下方への進出駆動により図5に実線
で示す下方縫製位置と、上方への退入駆動により2点鎖
線で示す上方退避位置とに位置切換えされる。また、布
受け板32は、前述したように、布受け台27の退避位
置への移動と同時に右方退避位置に移動される。
【0032】次に、上布移動装置17について、図3・
図4・図6に基いて説明する。
【0033】前記ベースプレート25の上面で布受け台
27の後側には、左右方向に延びる帯状のリニアクロス
ベアリング40が取付けられ、このリニアクロスベアリ
ング40には略矩形状の板材からなる移動台41が左右
方向移動可能に載置されている。この移動台41の直ぐ
後側に左右方向向きに配設された移動台切換えシリンダ
145の基端部は、ベースプレート25に支持ブラケッ
ト42を介して揺動可能に枢支され、このシリンダ14
5のピストンロッド145aの先端部は、移動台41に
固着された駆動レバー43に連結されている。
【0034】従って、移動台41は、移動台切換えシリ
ンダ145の左方への進出駆動により図3に実線で示す
左方縫製位置と、右方への退入駆動により2点鎖線で示
す右方退避位置とに位置切換えられる。
【0035】この移動台41上には、図4・図6に示す
ように、側面視L字状のブロック部材44が固着され、
ステッピングモータからなり上布UWを布送り方向Qと
直交する方向(左右方向)に移動させる為の上布移動用
モータ141がブロック部材44の垂直壁部44aに後
側から取付けられ、この上布移動用モータ141の駆動
軸141aにはタイミングプーリ45が固着されてい
る。この上布移動用モータ141には、エンコーダ14
1bが備えられており、上布移動用モータ141の回転
方向及び回転量が検出可能である。
【0036】前記垂直壁部44aには円筒状のブッシュ
46が固着され、このブッシュ46には鍔部を有する円
筒状の第1枢支部材47が内嵌され、この鍔部の前端面
をタイミングプーリ45の後端面に当接させて、第1枢
支部材47が抜け止めされている。
【0037】そして、この第1枢支部材47の鍔部の直
ぐ後側に配設された帯状で板材からなる第1揺動アーム
49は、鍔部にビス止めされるとともに、スペーサ48
を介してブッシュ46に当接している。そして、この第
1揺動アーム49の一部分が上方に突出した取付け部4
9aには、移動台41に取付けた支持部材50に回動可
能に枢支されたアーム回動用シリンダ146のピストン
ロッド146aの先端部が回動可能に連結されている。
【0038】更に、前記タイミングプーリ45の前側に
配設され、且つ鍔部を有する第2枢支部材51は、駆動
軸141aに外嵌されるとともに、移動台41に固着さ
れた枢支部材53に回動可能に枢支されている。そし
て、この第2枢支部材51の鍔部の直ぐ前側に配設され
た帯状で板材からなり、しかも前記第1揺動アーム49
と対向状の第2揺動アーム54が鍔部にビス止めされる
とともに、スペーサ52を介して枢支部材53に当接し
ている。
【0039】これら第1揺動アーム49と第2揺動アー
ム54とは、一対の連結部材55により一体的に連結さ
れ、第1・第2揺動アーム49・54の先端部にビス5
6で夫々固着された一対の枢支部材57により、タイミ
ングプーリ58が回転可能に枢支され、これら両タイミ
ングプーリ45・58間にはタイミングベルト59が張
架されている。また、第1・第2揺動アーム49・54
は、ブロック部材44に固着した一対のボルト60を連
結部材55の上側と下側とに当接させてその回動範囲が
規制されている。また、両揺動アーム49・54間の内
部には、図6に示すように、タイミングベルト59に張
力を付与する為の一対のテンション用プーリ61が枢着
されている。
【0040】従って、上布移動用モータ141の正転駆
動又は逆転駆動により、両タイミングプーリ45・58
を介してタイミングベルト59が正転又は逆転され、タ
イミングベルト59の下側に配設された上布UWが左方
又は右方に移動される。更に、両揺動アーム49・54
は、アーム回動用シリンダ146の左方への進出駆動に
より図5に実線で示す縫製回動位置と、右方への退入駆
動により2点鎖線で示す退避回動位置とに位置切換えら
れる。ここで、両揺動アーム49・54が退避回動位置
且つ左方縫製位置に切換えられ、しかも布受け板32が
上方退避位置且つ左方縫製位置に位置切換えられたとき
に、針板11の上側に下布DWが載置可能になってい
る。
【0041】次に、針板11上面に配設され、上布UW
の布送りと下布DWの布送りとを夫々独立させて正確に
実行する為の分離板66を駆動する分離板駆動機構65
について、図4・図8〜図10に基いて説明する。
【0042】この分離板66は板状で平面視クランク状
のものであり、針板11と布受け板32との間に位置す
るとともに、その先端部は、下送り歯8と上送り歯7と
の間に後方屈曲状に延び、その基端部は一段高く形成さ
れ、取付け部材67の左端部にビス止めされている。一
方、図4・図10に示すように、前記布受け板取付け板
31にL字取付け部材68が固着され、このL字取付け
部材68に分離板前後駆動シリンダ147が取付けら
れ、このシリンダ147のピストンロッド147aの先
端に固着されたL字取付け具69は取付け部材67にビ
ス止めされている。即ち、分離板66は取付け部材67
とL字取付け具69とを介してピストンロッド147a
に連結されている。
【0043】従って、分離板66は、分離板前後駆動シ
リンダ147の後方への進出駆動により図8に実線で示
す後方縫製位置と、前方への退入駆動により2点鎖線で
示す前方退避位置とに位置切換えられる。しかも、この
分離板66は、分離板前後駆動シリンダ147及びL字
取付け部材68を介して布受け板取付け板31に取付け
られているので、布受け板32の上昇した退避位置への
移動と同時に上方の退避位置に移動される。
【0044】次に、下布DWを左右方向に移動させる下
布移動装置18について、図2・図11〜図13に基い
て説明する。
【0045】前記ベッド部1内において、左右方向に延
びる下軸13(図2参照)が配設され、この下軸13の
左端部には回転釜75が連結され、この回転釜75内に
ボビンケース76が収納されている。また、作業用テー
ブルTの下側には、この回転釜75を覆うようにオイル
パン77が配設されている。
【0046】このオイルパン77の下側には、下方に延
びる板状の支持枠78が取付けられ、この支持枠78に
は、下布移動機構80を上下に駆動するシリンダであっ
て、マグネット方式によるロッドレスタイプの下布駆動
用シリンダ148が上端部を右方に傾けた状態で取付け
られている。従って、下布移動機構80は、下布駆動用
シリンダ148の上方への進出駆動により、図11に実
線で示す上方縫製位置と、下方への退入駆動により2点
鎖線で示す下方退避位置とに位置切換えられる。
【0047】次に、この下布駆動用シリンダ148の可
動部148aに連結された下布移動機構80について説
明する。
【0048】この可動部148aには、下布DWを左右
方向に移動する為の下布移動用モータ142が固着され
るとともに、正面視略台形状の支持プレート81の下端
部がビス止めされている。更に、この支持プレート81
の上端部分にはスペーサ82を介して支持レバー83の
下端部が連結され、この支持レバー83の上端部にはス
ペーサ84を介して一対の枢支部材85・86がビス止
めされ、更に、これら一対の枢支部材85・86の上端
部には、部分的にテーパを施した下布送りローラ87が
ピン88で回転可能に枢支されている。
【0049】そして、この下布送りローラ87と下布移
動用モータ142の駆動軸142aに固着したプーリ8
9との間にタイミングベルト90が張架されている。従
って、下布移動用モータ142の正転駆動又は逆転駆動
により、プーリ89及びタイミングベルト90を介して
下布送りローラ87が正転又は逆転され、タイミングベ
ルト90の上側に配設された下布DWが左方又は右方に
移動される。この下布移動用モータ142には、エンコ
ーダ142bが備えられており、下布移動用モータ14
2の回転方向及び回転量が検出可能である。
【0050】ここで、図13に示すように、下布移動機
構80が上方縫製位置に位置切換えられたときには、下
布送りローラ87は、すべり板12に形成した矩形状の
切欠き11aを介して布受け板32の直ぐ下側に露出す
るまで上昇するので、オイルパン77に形成されたボビ
ン取出し口77aはこの下布移動機構80で覆われてい
る。しかし、下布移動機構80が下方退避位置に位置切
換えられたときには、下布送りローラ87はオイルパン
77の下側まで下降することになり、この状態のとき
に、操作者はこのボビン取出し口77aを介してボビン
ケース76の取出しが可能になる。
【0051】次に、上布UWの布端位置を検出する為の
上布端検出機構95について、図8〜図10・図17・
図18に基いて説明する。
【0052】前記針板11に対応する布受け板32の上
側には、平面視略矩形状のセンサ取付けブロック96が
配設され、布受け板32にビス止めされている。そし
て、このセンサ取付けブロック96の左端部分において
は、図17・図18に示すように、上布UWをセットす
る為にその約下半部が切取られたセンサ収容部96aが
形成され、この収容部96a内に、プリズムからなる上
布端検出センサ97がその下部をセンサ収容部96aの
下側に臨むように収容されている。即ち、上布端検出セ
ンサ97は、縫針4よりも布送り方向Qの上流側に設け
られている。
【0053】この上布端検出センサ97は、図18に示
すように、頂角を90°とする直角プリズムである第1
プリズム98と第2プリズム99との組合せで構成さ
れ、第1プリズム98の1つの端面と第2プリズム99
の1つの端面とが張り合わされ、第2プリズム99が布
端と直交状に配設されている。そして、第1プリズム9
8の右端面(光線入力面)には、ファイバー径を約0.5m
m とする10本の光ファイバーA1〜A10からなる上布
ファイバー群FAの先端面が一列状に夫々接続されてい
る。更に、光ファイバーA1〜A10の基端部には、ハー
フミラーHM1 〜HM10を介して、発光ダイオードなど
からなる10個の発光素子OSU1〜OSU10 が対応づけて設
けられるとともに、フォトトランジスタなどからなる1
0個の受光素子ISU1〜ISU10 が設けられている。
【0054】従って、発光素子OSU1〜OSU10 の各々から
投射されたレーザ光などの検出光の各々は、ハーフミラ
ーHM1 〜HM10を通過してこれら光ファイバーA1〜
A10を経て第1プリズム98に入射されて第2プリズム
99側に直角に全反射され、更に第2プリズム99で下
側に直角に全反射され、第2プリズム99から下側に位
置する上布UW又は布受け板32に略直交する方向から
投射される。そして、上布UW又は布受け板32で反射
した反射光は、第2プリズム99と第1プリズム98と
で夫々全反射されて投射の際と同一の光ファイバーA1
〜A10を経てハーフミラーHM1 〜HM10で反射され、
この反射光が受光素子ISU1〜ISU10 で夫々受光される。
【0055】即ち、両プリズム98・99を介して10
本の光ファイバーA1〜A10の先端側から、上布UWの
布端に交差するドット列状に検出光を投射し、その反射
光から上布UWの布端位置を検出可能になっている。こ
こで、受光素子ISU1〜ISU10で受光される受光量は、上
布UWで反射したときの受光量より布受け板32で反射
したときの受光量の方が大きくなっている。
【0056】次に、下布DWの布端位置を検出する為の
下布端検出機構100について、図4・図7・図14・
図15・図17・図19に基いて説明する。
【0057】前記上布移動用モータ141の下側に対応
するベースプレート25上には、図4に示すように、セ
ンサ支持板101が固着され、このセンサ支持板101
の左端部の下側には、連結板102が取付けられてい
る。また、針板11には、平面視略コ字状の切欠き11
bが形成されており、前記連結板102の前端部分には
平面視及び側面視略クランク状のセンサ取付けブロック
103が固着され、このセンサ取付けブロック103の
段落ち部分は切欠き11b内に位置している。
【0058】そして、センサ取付けブロック103の前
端部分の左右方向に長いセンサ収容部103a内に、プ
リズムからなる下布端検出センサ104がその上部をセ
ンサ収容部103aの上側に臨むように収容されてい
る。即ち、下布端検出センサ104は、前記上布端検出
センサ97と略対向し且つ縫針4よりも布送り方向Qの
上流側に設けられている。
【0059】この下布端検出センサ104は、図19に
示すように、頂角を90°とする直角プリズムである第
1プリズム105と第2プリズム106との組合せで構
成され、第1プリズム105の1つの端面と第2プリズ
ム106の1つの端面とが張り合わされ、第2プリズム
106が布端と直交状に配列されている。そして、この
第1プリズム105の右端面(光線入力面)には、ファ
イバー径を約0.5mm とする10本の光ファイバーB1〜
B10からなる下布ファイバー群FBの先端面が一列状に
夫々接続されている。更に、光ファイバーB1〜B10の
基端部には、ハーフミラーHM11〜HM20を介して、発
光ダイオードなどからなる10個の発光素子OSD1〜OSD1
0 が対応づけて設けられるとともに、フォトトランジス
タなどからなる10個の受光素子ISD1〜ISD10 が設けら
れている。
【0060】従って、発光素子OSD1〜OSD10 の各々から
投射されたレーザ光などの検出光の各々は、ハーフミラ
ーHM11〜HM20を通過してこの光ファイバーB1〜B
10を、経て第1プリズム105に入射されて第2プリズ
ム106側に直角に全反射され更に第2プリズム106
で上側に直角に全反射され、第2プリズム106から上
側に位置する下布DW又は布受け板32に略直交する方
向から投射される。そして、下布DW又は布受け板32
で反射した反射光は、第2プリズム106と第1プリズ
ム105とで夫々全反射されて投射の際と同一の光ファ
イバーB1〜B10を経てハーフミラーHM11〜HM20で
反射され、この反射光が受光素子ISD1〜ISD10 で夫々受
光される。
【0061】即ち、両プリズム105・106を介して
10本の光ファイバーB1〜B10の先端側から、下布D
Wの布端に交差するドット列状に検出光を投射し、その
反射光から下布DWの布端位置を検出可能になってい
る。ここで、受光素子ISD1〜ISD10 で受光される受光量
は、下布DWで反射したときの受光量より布受け板32
で反射したときの受光量の方が大きくなっている。
【0062】ところで、図7・図14・図15に示すよ
うに、針板11に形成された針孔11cの直ぐ右側に
は、上布UWと下布DWとの布端位置を夫々規制する為
の規制輪110が配設され、この規制輪110は、前記
連結板102に基端部が固着され左方へ延びる保持部材
111の先端部に回転自在に枢着されている。
【0063】次に、補助上布移動装置19について、図
2・図16に基いて説明する。
【0064】前記作業用テーブルTの左端部には、枢支
部材115が立設され、この枢支部材115に回動板1
16がボルト117で回動可能に枢支され、更にこの回
動板116の上端部には、ツインロッドタイプの補助上
布支持シリンダ149が右下がりの状態で取付けられて
いる。
【0065】この補助上布支持シリンダ149のピスト
ンロッド149aの先端部には、シリンダ取付け部材1
18が取付けられ、このシリンダ取付け部材118には
補助上布押圧シリンダ150が右方向きに取付けられ、
更にこの補助上布押圧シリンダ150のピストンロッド
150aの先端部には、正面視L字状の補助布受け部材
119が取付けられている。従って、図16に示すよう
に、補助布受け部材119は、補助上布支持シリンダ1
49の右方への進出駆動により図16に実線で示す右方
縫製位置と、補助上布支持シリンダ149の左方への退
入駆動により図16に2点鎖線で示す(図2に実線で示
す)左方退避位置とに位置切換えられる。
【0066】また、補助布受け部材119が右方縫製位
置に位置切換えられ、しかも両揺動アーム49・54が
退避回動位置に位置切換えられているときに、補助上布
押圧シリンダ150が進出駆動されたときには、タイミ
ングベルト59とこの補助布受け部材119の右端部と
で上下方向向きに配設された上布UWを補助的に支持可
能になっている。ここで、枢支部材115にビス止めさ
れたボルト支持部材120に螺合されたボルト121
は、前記補助上布支持シリンダ149の傾きを調節する
為のものである。
【0067】次に、本縫いミシンMと布端制御装置15
との制御系は、図20のブロック図に示すように構成さ
れている。
【0068】制御装置Cの入出力インターフェース18
5には、操作パネル10に設けられたプログラムスイッ
チ130、プログラム修正スイッチ131、縫製準備ス
イッチ132、縫製開始スイッチ133、作動スイッチ
134、解除スイッチ135、テンキー136、セット
スイッチ137、アーム部3内に設けられたミシン主軸
の回転位相を検出して針棒の移動位置に対応する針位置
信号を出力する為の針位置信号発生器138が夫々接続
されている。
【0069】更に、入出力インターフェース185に
は、ミシンモータ140の為の駆動回路170、上布移
動用モータ141の為の駆動回路171、下布移動用モ
ータ142の為の駆動回路172、布受け台切換えシリ
ンダ143を駆動する電磁切換え弁151の為の駆動回
路173、布受け板上下駆動シリンダ144を駆動する
電磁切換え弁152の為の駆動回路174、移動台切換
えシリンダ145を駆動する電磁切換え弁153の為の
駆動回路175、アーム回動用シリンダ146を駆動す
る電磁切換え弁154の為の駆動回路176、分離板前
後駆動シリンダ147を駆動する電磁切換え弁155の
為の駆動回路177、下布駆動用シリンダ148を駆動
する電磁切換え弁156の為の駆動回路178、補助上
布支持シリンダ149を駆動する電磁切換え弁157の
為の駆動回路179、補助上布押圧シリンダ150を駆
動する電磁切換え弁158の為の駆動回路180、押え
足駆動用ソレノイド159の為の駆動回路181、上布
UWの布端検出用の発光素子OSU1〜OSU10 及び受光素子
ISU1〜ISU10 、下布DWの布端検出用の発光素子OSD1〜
OSD10 及び受光素子ISD1〜ISD10 が夫々接続されてい
る。
【0070】また、この入出力インターフェース185
には、上布移動用モータ141,下布移動用モータ14
2の各エンコーダ141b・142bが接続されてお
り、制御装置Cは上布移動用モータ141,下布移動用
モータ142の回転方向及び回転量を検出することが可
能である。尚、その上布移動用モータ141,下布移動
用モータ142の回転量は、エンコーダ141a,14
2bから出力されるパルス数により検出可能であり、回
転方向は異なる位相のパルスにより検出可能である。
【0071】制御装置Cは、周知のCPU187と、こ
のCPU187にデータバスなどのバス186を介して
接続された入出力インターフェース185、ROM18
8及びRAM189とから構成されている。
【0072】ROM188には、各種スイッチ130〜
137の操作に応じてモータ140〜142や電磁切換
え弁151〜158を夫々駆動する駆動制御プログラ
ム、後述の本発明特有の布端揃え縫い制御しつつ、タイ
ミングベルト59・90を加工布Wから離脱させた状態
で空走させるプログラムやそれらのプログラムに必要な
定数などが格納されている。
【0073】更に、その後者のプログラムで用いられ
る、タイミングベルト59・90を空走させる距離UQ
・DQは、エンコーダ141a,142bの出力パルス
数で表されており、ROM188に記憶されている。
尚、この出力パルス数UQ,DQに対応するタイミング
ベルト59・90の空走量は、タイミングベルト59・
90が略整数回転しない量である。
【0074】また、タイミングプーリ45・89の歯数
UG・DGと、タイミングベルト59・90の歯数UH
・DHと、上布移動用モータ141,下布移動用モータ
142が一回転する時のエンコーダ141a・142b
の出力パルス数UP・DPとに基づき、タイミングベル
ト59・90が一回転する時のエンコーダ141a・1
42bの出力パルス数はUJ=UH*UP/UG,DJ
=DH*DP/DGと求められ、ROM188に記憶さ
れている。
【0075】RAM189には、CPU187で演算し
た演算結果を一時的に格納するバッファ、カウンタ、ポ
インタ、などの各種メモリが設けられている。また、こ
のRAM189には、エンコーダ141b・142bか
らの出力パルスの累積数であるカウント値DC・UCが
記憶されている。このカウント値DC・UCは、上布移
動用モータ141,下布移動用モータ142が正回転な
らば加算され、逆回転ならば減算されて順次更新され
る。
【0076】上布端検出機構95、下布端検出機構10
0などが本発明の布端検出手段に相当する。また、タイ
ミングベルト59・90が本発明の請求項1のベルトに
相当し、制御装置C、上布移動装置17、下布移動装置
18などが請求項1の加工布補正手段に相当する。制御
装置C、エンコーダ141b・142bが請求項2のベ
ルト位置検出手段に相当する。更に、制御装置C、上布
移動装置17、下布移動装置18、アーム回動用シリン
ダ146・147などが本発明の請求項3のベルト空走
手段に相当する。
【0077】次に、本縫いミシンM及び布端制御装置1
5の制御装置Cで行なわれる布端揃え縫い制御のルーチ
ンについて、図21〜図31のフローチャートに基いて
説明する。尚、図中符号Si(i=10、11、12・
・・・)は各ステップである。
【0078】本縫いミシンMに電源が投入されると、こ
の制御が開始され、先ず、RAM189の各メモリをク
リアするとともに、各電磁切換え弁151〜158を駆
動して、各シリンダ143〜150が所定の順序で夫々
退避位置に切換え駆動される。また、押え足駆動用ソレ
ノイド159が駆動されるので、押え棒と上送り歯7と
が上昇した退避位置に移動される。更に、RAM189
に記憶されているエンコーダ141b・142bのカウ
ンタ値UC・DCがリセットされるなど、一連の初期設
定処理が実行される(S10:布端制御開始前の設
定)。
【0079】即ち、この初期設定処理の実行の結果、針
板11上に下布DW及び上布UWが載置可能な状態にな
ると共に、布端制御の開始時から終了時までタイミング
ベルト59・90での加工布Wに対する当接部分がどれ
だけ移動したかを検出可能な状態になる。
【0080】次に、操作パネル10のプログラムスイッ
チ130が操作されたときには(S11・S12:Ye
s)、縫製する上布UWや下布DWに関する縫製用パラ
メータ設定処理制御(図22参照)が実行される(S1
3)。
【0081】この制御が開始されると、先ずテンキー1
36を操作して、所望のプログラム番号が入力設定され
(S25)、更に上布UWに関して、縫製開始位置から
縫製終了位置までの縫製区間数Dが入力設定される(S
26)。ここで、縫製区間とは、上布UWの布端形状に
おいて、曲率半径が同一である縫製範囲を縫製区間とす
る。例えば、図29に示すように、上布UWの縫製開始
位置から縫製終了位置までの布端形状において、曲率半
径が同一である縫製範囲を順次縫製区間1、縫製区間
2、縫製区間3、・・・・と設定し、この縫製区間数D
がテンキー136操作により入力される。
【0082】次に、RAM189に設けた縫製区間カウ
ンタのカウンタ値Dnとして初期値「1」がセットされ
(S27)、この縫製区間Dnについて、縫製する針数
Pnと、そのときの布端位置に対応する上布ファイバー
群FAの基準光ファイバー番号Asとが入力され、セッ
トキー137の操作でこれら針数Pnと基準光ファイバ
ー番号Asとが縫製区間Dnに対応づけてRAM189
のワークメモリに記憶される(S28)。次に、縫製区
間カウント値Dnが1つインクリメントされ(S2
9)、このカウンタ値Dnが縫製区間数D以下のときに
は(S30:No)、S28〜S30が繰り返される。
【0083】そして、このカウンタ値Dnが縫製区間数
Dよりも大きくなったときには(S30:Yes)、下
布DWに関して前記上布UWと同様に、設定された下布
DWの縫製区間数Eの各々について、縫製する針数Pn
と、そのときの布端位置に対応する下布ファイバー群F
Bの基準光ファイバー番号Bsとが夫々入力され、セッ
トキー137を操作する毎に、これら針数Pnと基準光
ファイバー番号Bsとが縫製区間Enに対応づけてRA
M189のワークメモリに記憶される(S31〜S3
5)。そして、全ての縫製区間Eについて針数Pnと基
準光ファイバー番号Bsとが設定されると(S35:Y
es)、この制御を終了して、図21に示す布端揃え縫
い制御のS11にリターンする。従って、RAM189
のテーブルメモリには、例えば、図30に示すように、
上布UWに関して、各縫製区間Dnについて、基準布端
位置に対応する基準光ファイバー番号Asと針数Pnと
を対応づけた上布パラメータテーブルPTUが記憶され
る。また、下布DWに関しても同様に下布パラメータテ
ーブルが記憶される。
【0084】次に、プログラム修正スイッチが操作され
たときには(S11:Yes、S12:No、S14:
Yes)、修正するプログラムの番号がテンキー136
を操作して入力され(S15)、そのプログラム番号の
内容について、針数Pや布端位置に対応する基準光ファ
イバー番号As・Bsを逐次訂正する修正処理が実行さ
れ(S16)、前記S11に戻る。
【0085】次に、縫製準備スイッチ132が操作され
たときには(S11:Yes、S12・S14:No、
S17:Yes)、縫製準備処理制御(図23参照)が
実行される(S18)。
【0086】この制御が開始され、先ず作動スイッチ1
34が操作されたときに(S40・S41:Yes)、
RAM189に設けられたフラグメモリのフラグデータ
に基いて、第1作動フラグ1MFがセットされていない
場合、つまり各シリンダ143〜150が退避位置に夫
々駆動されている場合には(S42:No)、先ず布受
け台切換えシリンダ143が進出駆動され(S43)、
更に、移動台切換えシリンダ145が進出駆動され(S
44)、第1作動フラグ1MFがセットされ(S4
5)、前記S40に戻る。従って、両揺動アーム49・
54が退避回動位置に保持された状態で左方縫製位置に
切換えられ、しかも布受け板32が上方退避位置に保持
した状態で左方縫製位置に位置切換えられる。このと
き、図9に示すように、下布DWの布端位置を規制輪1
10に左方から当接させるとともに、縫製開始位置を針
落ち位置に合致させて、下布DWが針板11の上側で且
つ布受け板32の下側にセットされる。
【0087】次に、作動スイッチ134が再度操作され
たときに(S40・S41:Yes)、第1作動フラグ
1MFがセットされているが(S42:Yes)、第2
作動フラグ2MFがリセットされている場合には(S4
6:No)、先ず布受け板上下駆動シリンダ144が進
出駆動され(S47)、次に、分離板前後駆動シリンダ
147が進出駆動される(S48)。更に、下布駆動用
シリンダ148が進出駆動され(S49)、第2作動フ
ラグ2MFがセットされ(S50)、前記S40に戻
る。従って、布受け板32が左方縫製位置に保持した状
態で下方縫製位置に切換えられ、分離板66が後方縫製
位置に切換えられ、更に下布移動機構80が上方縫製位
置に切換えられて、タイミングベルト90の上端部及び
下布送りローラ87で下布DWが布受け板32に押圧保
持される。
【0088】そして、このとき、図9に示すように、上
布UWの布端を規制輪110に左方から当接させなが
ら、その布端を下布DWの布端に合致させ且つその縫製
開始位置を針落ち位置に合致させて布受け板32の上側
にセットされる。
【0089】その後、作動スイッチ134が再度操作さ
れたときに(S40・S41:Yes)、第1作動フラ
グ1MFと第2作動フラグ2MFとがセットされている
が(S42・S46:Yes)、第3作動フラグ3MF
がセットされていない場合には(S55:No)、アー
ム回動用シリンダ146が進出駆動され(S56)、第
3作動フラグ3MFがセットされ(S57)、前記S4
0に戻る。従って、両揺動アーム49・54が縫製回動
位置に切換えられ、タイミングベルト59の下端部で上
布UWが布受け板32に押圧保持される。
【0090】更に、作動スイッチ134が再度操作され
たときに(S40・S41:Yes)、第1・第2・第
3作動フラグ1MF、2MF、3MFが夫々セットされ
ている場合には(S42・S46・S55:Yes)、
押え足駆動用ソレノイド150の駆動が停止され(S5
8)、押え足6と上送り歯7とが押え位置に位置切換え
られ、この制御を終了して、図21に示す布端揃え縫い
制御のS11にリターンする。
【0091】しかし、押え足駆動用ソレノイド150の
駆動が停止される前に、解除スイッチ135が操作され
たときに(S40:Yes、S41:No、S51:Y
es)、第2作動フラグ2MF又は第3作動フラグ3M
Fがセットされている場合には(S52:Yes)、シ
リンダ143・145以外の進出駆動されているシリン
ダ144・146〜148の全てが所定の順序で順次退
入駆動され(S53)、両作動フラグ2MF、3MFが
夫々リセットされ(S54)、前記S40に戻る。その
結果、下布DWから再セットが可能になる。
【0092】次に、縫製開始スイッチ133が操作され
たときには(S11:Yes、S12・S14・S1
7:No、S19:Yes)、縫製処理制御(図24参
照)が実行される(S20)。
【0093】この制御が開始されると、先ず針数Pをカ
ウントするカウント値pがリセットされ(S60)、ミ
シンモータ140が駆動される(S61)。従って、上
送り歯7と下送り歯8とが予め設定された布送り量とな
るように布送り動作が夫々実行されるので、上布UWと
下布DWの布端揃え縫いが開始される。
【0094】次に、針位置信号発生器138からの針位
置信号に基いて、縫針4が上布UWを刺挿する所謂針布
一致タイミングのときには(S62:Yes)、針数カ
ウント値pが1つインクリメントされ(S63)、この
針数カウント値pと前記上布・下布パラメータテーブル
PTに基いて、縫製処理が終了でないときには(S6
4:No)、先ず上布UWについてその布端位置検出処
理制御(図25参照)が実行される(S65)。
【0095】この制御が開始されると、先ず光ファイバ
ーカウンタのカウント値fとして初期値「1」がセット
され(S77)、この光ファイバーカウント値fで指示
する上布用発光素子OSUnが点灯される(S78)。その
結果、前述したように、発光素子OSUnから投射された検
出光は、この発光素子OSUnに対応する光ファイバーAn
を経て、第1プリズム98及び第2プリズム99を通過
して上布UW又は布受け板32で反射され、この反射光
は同様の光ファイバーAnを経て、ハーフミラーHMn
で反射され、発光素子OSUnに対応する受光素子ISUnで受
光される。そして、光ファイバーカウント値fで指示す
る上布用受光素子ISUnで受光された受光量に基づく受光
値r(デジタル値)が求められる(S79)。
【0096】次に、この受光値rが所定のしきい値Kよ
りも大きいときには(S80:Yes)、この光ファイ
バーAnに対応して上布UWが存在しないことになり、
光ファイバーカウント値fをパラメータとするファイバ
ーフラグFF〔f〕がセットされる(S81)。一方、
この受光値rがしきい値K以下のときには(S80:N
o)、この光ファイバーAnに対応して上布UWが存在
することになり、ファイバーフラグFF〔f〕がリセッ
トされる(S82)。
【0097】次に、光ファイバーカウント値fで指示す
る上布用発光素子OSUnが消灯され(S83)、カウント
値fが1つインクリメントされ(S84)、このカウン
ト値fが上布ファイバー群FAの光ファイバー数A以下
のときには(S85:No)、S78〜S85が繰り返
される。そして、全ての光ファイバーAnについて、上
布UWの布端に交差するドット列状の検出光を順次投射
し、それらの受光値rが求められたときには(S85:
Yes)、光ファイバー数Aに対応するA個のファイバ
ーフラグFF〔f〕のフラグデータに基いて、上布UW
の布端位置に対応する光ファイバー番号Am、即ち、そ
れらのフラグデータが「1」から「0」に変化するとき
の光ファイバー番号Amが決定され(S86)、この制
御を終了して、図24に示す縫製処理制御のS66にリ
ターンし、上布ズレ量演算処理制御(図26参照)が実
行される。
【0098】この制御が開始されると、針数カウント値
pと上布パラメータテーブルPTUとに基いて、現在の
縫製位置つまり現在の縫製区間番号Dnが求められ(S
105)、上布パラメータテーブルPTUからこの縫製
区間番号Dnに対応する基準光ファイバー番号Asが読
出される(S106)。そして、この基準光ファイバー
番号Asと、布端光ファイバー番号Amと、光ファイバ
ーの直径とに基いて、基準光ファイバー番号Asに対す
る布端位置のズレ量が演算されるとともに、そのズレ方
向が求められ(S107)、この制御を終了して縫製処
理制御のS67にリターンし、このズレ量とズレ方向と
に基いて上布移動用モータ141が駆動されると共に、
上布移動用モータ141の回転に伴いエンコーダ141
bがパルスを出力する。そのパルスに基づき、RAM1
89に記憶されているカウンタ値UCが順次更新され
る。
【0099】その結果、上布UWの布端形状の曲率半径
が変化しても、縫製区間Dnが変更される毎に、その縫
製区間Dnの基準光ファイバー番号Asに対する布端位
置のズレ量が求められるので、上布UWに関して、常に
所定の縫い代を確実に保持できる。また、タイミングベ
ルト59の布端制御の開始からの移動量が求められる。
【0100】次に、下布DWについてその布端位置検出
処理制御(図27参照)が実行される(S68)。この
制御は、前記上布布端位置検出処理制御と同様なので、
簡単に説明すると、光ファイバーカウント値fが1つず
つインクリメントされる毎に、この光ファイバーカウン
ト値fで指示する下布用発光素子OSDnが点灯され、発光
素子OSDnから投射された検出光が、この発光素子OSDnに
対応する光ファイバーBn、第1プリズム105及び第
2プリズム106を経て下布DW又は布受け板32で反
射され、この反射光は同様の光ファイバーBnを経てハ
ーフミラーHMnで反射され、発光素子OSDnに対応する
受光素子ISDnで受光される。そして、この受光素子ISDn
で受光された受光量に基づく受光値rの大小により、光
ファイバーカウント値fをパラメータとするファイバー
フラグFF〔f〕がセット又はリセットされる(S90
〜S98)。
【0101】そして、全ての光ファイバーBnについ
て、下布DWの布端に交差するドット列状の検出光を順
次投射し、それらの受光値rが求められたときには(S
98:Yes)、光ファイバー数Bに対応するB個のフ
ァイバーフラグFF〔f〕のフラグデータに基いて、下
布DWの布端位置に対応する光ファイバー番号Bmが決
定され(S99)、この制御を終了して、縫製処理制御
のS69にリターンし、下布ズレ量演算処理制御(図2
8参照)が実行される。
【0102】この制御が開始されると、前述の上布ズレ
量演算処理制御と同様に、現在の縫製区間番号Enに対
応する基準光ファイバー番号Bsが読出され(S11
0、S111)、基準光ファイバー番号Bsに対する布
端位置のズレ量が演算されるとともに、そのズレ方向が
求められ(S112)、この制御を終了して図24に示
す縫製処理制御のS70にリターンし、このズレ量とズ
レ方向とに基いて下布移動用モータ142が駆動される
と共に、下布移動用モータ142の回転に伴いエンコー
ダ142bがパルスを出力する。そのパルスに基づき、
RAM189に記憶されているカウンタ値DCが順次更
新され、S62に戻る。その結果、下布DWの布端形状
の曲率半径が変化しても、縫製区間Enが変更される毎
に、その縫製区間Enの基準光ファイバー番号Bsに対
する布端位置のズレ量が求められるので、下布DWに関
して、常に所定の縫い代を確実に保持できる。また、タ
イミングベルト59の布端制御の開始からの移動量が求
められる。
【0103】そして、縫製が終了したときには(S6
4:Yes)、針上位置となるタイミングのときに、ミ
シンモータ140の駆動が停止され(S71)、押え足
駆動用ソレノイド159が駆動され(S72)、全ての
シリンダ143〜148が所定の順序で順次退入駆動さ
れ(S73)、この制御を終了して、ベルト空走制御
(図31参照)を実行する。
【0104】この制御が開始されると、現在のタイミン
グベルト59の位置を表すカウンタ値UCがRAM18
9から読み出されると共に、タイミングベルト59を一
回転させるための出力パルス数UJがROM188から
読み出され、このカウント値UCが出力パルス数UJで
除算される(S210)。そして、この除算の余りが
「0」に近い場合、タイミングベルト59の上布UWに
対する当接部分が布端制御を始めたとき(S11)の位
置と、布端制御を終了したとき(S70)の位置とが略
一致であることが判別される(S211:YES)。
【0105】続いて、ROM188に記憶されたパルス
数UQだけ、エンコーダ141bからパルスが出力され
るまで、上布移動用モータ141が駆動される(S21
2)。従って、タイミングベルト59の上布UWに対す
る当接部分が布端制御を始めたとき(S11)の位置
と、布端制御を終了したとき(S70)の位置とが略一
致しないように、タイミングベルト59が上布UWと離
脱した状態で空走される。この結果、次回の布端制御を
開始する時と、今回の布端制御を開始した時との、タイ
ミングベルト59の当接部分が異なることになり、タイ
ミングベルト59の偏摩耗が防止される。
【0106】そして、次回の布端制御の際に再びベルト
空走制御を行うために、RAM189に記憶されている
カウンタ値UCがリセットされる(S213)。
【0107】現在のタイミングベルト90の位置を表す
カウンタ値DCがRAM189から読み出されると共
に、タイミングベルト90を一回転させるための出力パ
ルス数DJがROM188から読み出され、このカウン
ト値DCが出力パルス数DJで除算される(S22
0)。そして、この除算の余りが「0」に近い場合、タ
イミングベルト90の上布DWに対する当接部分が布端
制御を始めたとき(S11)の位置と、布端制御を終了
したとき(S70)の位置とが略一致していることが判
別される(S221:YES)。
【0108】続いて、ROM188に記憶されたパルス
数DQだけ、エンコーダ142bからパルスが出力され
るまで、下布移動用モータ142が駆動される(S22
2)。従って、タイミングベルト90の下布DWに対す
る当接部分が布端制御を始めたとき(S11)の位置
と、布端制御を終了したとき(S70)の位置とが略一
致しないように、タイミングベルト59が下布DWした
状態で空走される。その結果、次回の布端制御を開始す
る時と、今回の布端制御を開始した時との、タイミング
ベルト90の当接部分が異なることになり、タイミング
ベルト59の偏摩耗が防止される。
【0109】そして、次回の布端制御の際に再びベルト
空走制御を行うために、RAM189に記憶されている
カウンタ値DCがリセットされる(S213)。
【0110】以上説明したように、縫製処理の進行に応
じた現在の縫製区間に対応する基準光ファイバー番号A
s・Bsが変更して設定され、その変更された基準光フ
ァイバー番号As・Bsと布端光ファイバー番号Amと
に基いて求められた上布UWと下布DWの布端位置のズ
レ量を解消するように、上布UWの布端が布送り方向Q
と直交する方向へ移動されるとともに、下布DWの布端
も布送り方向Qと直交する方向へ移動されるので、予め
設定する基準光ファイバー番号As・Bs如何で、上布
UWや下布DWの布端形状が、異なる曲率半径からなる
複数種類の曲線や直線を含む複雑な形状であっても、常
に所定の縫い代量を確実に保持でき、見栄の良い倣い縫
をすることができる。
【0111】また、タイミングベルト59・90が加工
布Wのズレを解消するためのほとんど移動されない場合
や、布端制御の開始時における、タイミングベルト59
・90の加工布Wとの当接部分と、終了時に置ける当接
部とが偶然に一致した場合、次回の布端制御の開始時に
おいては、タイミングベルト59・90の加工布Wに対
する当接部分が異なっているように、タイミングベルト
59・90を加工布Wから離脱した状態で空走させてい
るので、タイミングベルト59・90が偏摩耗すること
が防止されて、タイミングベルト59・90の寿命が延
びる。このため、タイミングベルト59・90を交換す
る頻度が低減されるので縫製作業の能率が良い。更に、
偏摩耗が起こりにくいので、加工布Wを正確に移動させ
ることが可能でき、縫い外れなどが生じにくい。
【0112】特に、同一形状の加工布を多数枚繰り返し
縫製する場合、タイミングベルト59・90の偏摩耗が
発生し易く、そのようなミシンについてはこのようなタ
イミングベルト59・90の寿命を延ばす機能が特に必
要である。
【0113】尚、タイミングベルト59・90を加工布
Wから離脱した状態で空走させるタイミングは、布端制
御の終了時に限らず、タイマーをセットして所定時間毎
に行ったり、単にランダムに行っても良い。その他、空
走制御をするタイミングは、縫製終了後や縫製開始前に
行っても良い。しかしながら、本実施例のように、縫製
終了後に空走制御を行えば、その空走制御と並行して、
加工布WをミシンMにセットしたりできるので作業効率
が向上する。また、縫製中に必要に応じて、空走制御を
可能にできるようにしても良い。
【0114】本実施例においては、布端制御の開始時と
終了時とにおけるタイミングベルト59・90の加工布
Wとの当接部分をそれぞれ検出すると共に、その布端制
御の開始時と終了時の、タイミングベルト59・90の
加工布Wとの当接部分が略一致である場合に、タイミン
グベルト59・90を加工布Wから離脱した状態で空走
させたが、当接部分の位置の検出や位置の比較などを行
わず、単に、布端制御が終了したら、タイミングベルト
59・90を加工布Wから離脱した状態で空走させても
(図32参照:S320、S321)、布端制御の開始
時と終了時におけるタイミングベルト59・90の加工
布Wとの当接部分が異なる場合が多いので、偏摩耗が発
生する場合が増して、前記実施例と同様の効果が期待で
き、更に、エンコーダ141b・142bを設ける必要
がなく構造が簡単になる。
【0115】尚、タイミングベルト59・90の当接部
分の位置の検出や位置の比較をしない場合は、その空走
量をマニュアル調整可能にしておけば良い。
【0116】また、本実施例においては、布端制御の度
に、タイミングベルト59・90においての加工布Wと
の当接部分の位置データをリセットしているが、そのデ
ータを長期に蓄積して、最も布端制御に使われていない
部分を割り出して、その部分が当接部分になるようにタ
イミングベルト59・90を空走させれば、より減り方
を均一化でき、寿命が延びる。或は、均一に減りを発生
させ、タイミングベルト59・90の全体が摩耗の限界
に達しつつあることを警告できるようにして、タイミン
グベルト59・90の交換を促すようにしても良い。
【0117】更に、請求項4に係る布端制御装置におい
ては、布端制御が終了したら、タイミングベルト59・
90を加工布Wに当接させたままの状態で走行させても
(図33参照:S200)、布端制御の開始時と終了時
におけるタイミングベルト59・90の加工布Wとの当
接部分が異なることが多いので、偏摩耗が発生する確率
が減る。このように、タイミングベルト59・90を加
工布Wに当接させたままの状態で走行させる場合、加工
布を取り出し易いように、加工布を移動させても良い。
尚、その空走量は、タイミングベルト59・90が整数
回転しない量である。
【0118】そして、請求項5に係る布端制御装置にお
いては、タイミングベルト59・90という構造にとら
われず、ローラや球などの回転体300を加工布Wに当
接して布端制御をする布端制御装置において、その摩擦
係数を高めるためにその回転体300の表面に設けられ
た滑り止め部分302を、長持ちさせるために、回転体
300を加工布Wに対して空走させても良い(図34参
照)。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
の布端制御装置によれば、加工布に対してベルトを空走
させているので、ほとんどベルトの移動がされない場合
や、布端制御の開始時におけるベルトの加工布との当接
部位と、終了時における当接部位とが偶然に一致した場
合、次回の布端制御の開始時におけるベルトの当接部位
が前回の開始時における当接部位と異なっている場合が
多く、ベルトの一部分だけの偏摩耗が防止され得るの
で、ベルトの寿命が延びる。そのため、ベルトを交換す
る頻度が低減されるので、作業能率が良い。更に、著し
い偏摩耗が生じず、加工布を正確に移動させることが可
能である。
【0120】また、請求項2の布端制御装置によれば、
布端制御の開始時と終了時における当接部位を検出する
共にその当接部位を比較し、同じ時には、加工布に対し
てベルトを空走させているので、次回の布端制御の開始
時におけるベルトの当接部位が前回の開始時における当
接部位と異なり、より確実にベルトの偏摩耗が防止され
得るので、ベルトの寿命が延びる。そのため、ベルトを
交換する頻度が低減されるので、作業能率が良い。更
に、著しい偏摩耗が生じず、加工布を正確に移動させる
ことが可能である。
【0121】更に、請求項3の布端制御装置によれば、
ベルト空走手段が次回の布端補正開始時までに、加工布
に対してベルトを空走させるので、次回の布端補正の開
始時に置けるベルトの当接部位が変更されて、次回の布
端制御の開始時におけるベルトの当接部位が前回の開始
時における当接部位と異なる場合が多く、ベルトの一部
分だけの偏摩耗が防止され得るので、ベルトの寿命が延
びる。そのため、ベルトを交換する頻度が低減されるの
で、作業能率が良い。更に、著しい偏摩耗が生じず、加
工布を正確に移動させることが可能である。
【0122】更に、請求項4の布端制御装置によれば、
縫製終了後、加工布に当接しているベルトを走行させて
いるので、ほとんどベルトの移動がされない場合や、布
端制御の開始時におけるベルトの加工布との当接部位
と、終了時における当接部位とが偶然に一致した場合、
次回の布端制御の開始時におけるベルトの当接部位が前
回の開始時における当接部位と異なっている場合が多
く、ベルトの一部分だけの偏摩耗が防止され得るので、
ベルトの寿命が延びる。そのため、ベルトを交換する頻
度が低減されるので、作業能率が良い。更に、著しい偏
摩耗が生じず、加工布を正確に移動させることが可能で
ある。
【0123】更に、請求項5の布端制御装置によれば、
布端制御終了後、加工布に対して滑り止め部を空転させ
ているので、ほとんど滑り止め部の移動がされない場合
や、布端制御の開始時における滑り止め部の加工布との
当接部位と、終了時における当接部位とが偶然に一致し
た場合、次回の布端制御の開始時における滑り止め部の
当接部位が前回の開始時における当接部位と異なってい
る場合が多く、滑り止め部の一部分だけの偏摩耗が防止
され得るので、滑り止め部の寿命が延びる。そのため、
滑り止め部を交換する頻度が低減されるので、作業能率
が良い。更に、著しい偏摩耗が生じず、加工布を正確に
移動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】布端制御装置を備えた本縫いミシンの正面図で
ある。
【図3】布端制御装置の平面図である。
【図4】要部を拡大した図3相当図である。
【図5】要部部分縦断正面図である。
【図6】上布移動装置を示す要部部分縦断正面図であ
る。
【図7】下布端検出センサを示す要部部分拡大平面図で
ある。
【図8】上布端検出センサを示す要部部分拡大平面図で
ある。
【図9】上布と下布とを縫製位置にセットした要部部分
拡大平面図である。
【図10】図8のL−L線縦断側面図である。
【図11】下布移動装置を示す部分拡大正面図である。
【図12】下布移動装置の拡大側面図である。
【図13】下布移動装置とオイルパンとの部分拡大斜視
図である。
【図14】図7のG−G線縦断正面図である。
【図15】図7のJ−J線縦断正面図である。
【図16】補助上布移動装置の拡大正面図である。
【図17】布端制御装置の機構図である。
【図18】上布端検出機構の構成図である。
【図19】下布端検出機構の構成図である。
【図20】本縫いミシン及び布端制御装置の制御系のブ
ロック図である。
【図21】布端揃え縫い制御のルーチンの概略フローチ
ャートである。
【図22】縫製用パラメータ設定処理制御のルーチンの
概略フローチャートである。
【図23】縫製準備処理制御のルーチンの概略フローチ
ャートである。
【図24】縫製処理制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【図25】上布布端位置検出処理制御の概略フローチャ
ートである。
【図26】上布ズレ量演算処理制御の概略フローチャー
トである。
【図27】下布布端位置検出処理制御の概略フローチャ
ートである。
【図28】下布ズレ量演算処理制御の概略フローチャー
トである。
【図29】上布の縫製区間を説明する上布の部分平面図
である。
【図30】上布パラメータテーブル内のデータ構成を説
明する図表である。
【図31】ベルト空走制御の概略フローチャートであ
る。
【図32】ベルト空走制御の概略フローチャートであ
る。
【図33】ベルト空走制御の概略フローチャートであ
る。
【図34】回転体で布端制御をする場合を機構を表す略
図である。
【符号の説明】
17 上布移動装置 18 下布移動装置 45 タイミングプーリ 58 タイミングプーリ 59 タイミングベルト 90 タイミングベルト 95 上布端検出機構 100 下布端検出機構 141b エンコーダ 142b エンコーダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫製点よりも布送り込み側に配置され、
    縫製点に移送される加工布の布端位置を検出する布端検
    出手段と、 回転体に巻装されたベルトをそのベルトに対して相対移
    動する加工布に当接させると共に、前記布端検出手段の
    検出結果に応答して前記ベルトを所定の方向に走行させ
    て加工布の布端位置を補正する加工布補正手段と、 前記ベルトを所定量、加工布に対して空走させるベルト
    空走手段とを備えたことを特徴とするミシンの布端制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記加工布の布端位置を補正した時の補
    正開始時と終了時における前記ベルトの加工布への当接
    部位をそれぞれ検出するベルト位置検出手段を更に有
    し、前記ベルト空走手段がそのベルト位置検出手段の検
    出結果に基づき、補正開始時と終了時の前記当接部位が
    略同じであるときは、前記ベルトを所定量、加工布に対
    して空走させて、前記ベルトの当接部位を異ならせるこ
    とを特徴とする請求項1記載のミシンの布端制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルト空走手段が次回の布端補正開
    始時までに前記ベルトを空走させることを特徴とする請
    求項1、及び請求項2に記載のミシンの布端制御装置。
  4. 【請求項4】 縫製点よりも布送り込み側に配置され、
    縫製点に移送される加工布の布端位置を検出する布端検
    出手段と、 回転体に巻装されたベルトをそのベルトに対して相対移
    動する加工布に当接させると共に、前記布端検出手段の
    検出結果に応答して前記ベルトを所定の方向に走行させ
    て加工布の布端位置を補正する加工布補正手段と、 縫製終了後に、前記ベルトを所定量、走行させる終了後
    走行手段とを備えたことを特徴とするミシンの布端制御
    装置。
  5. 【請求項5】 縫製点よりも布送り込み側に配置され、
    縫製点に移送される加工布の布端位置を検出する布端検
    出手段と、 回転体の外周部に設けられた滑り止め部をその滑り止め
    部に対して相対移動する加工布に当接させると共に、前
    記布端検出手段の検出結果に応答して前記回転体を所定
    の方向に走行させて加工布の布端位置を補正する加工布
    補正手段と、 前記回転体を所定量、加工布に対して空転させる回転体
    空転手段とを備えたことを特徴とするミシンの布端制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110424108A (zh) * 2019-08-26 2019-11-08 宁波舒普机电股份有限公司 一种腰绳套结机的进料校准机构

Cited By (2)

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