JPH06142203A - プレフィルドシリンジ - Google Patents

プレフィルドシリンジ

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JPH06142203A
JPH06142203A JP5102913A JP10291393A JPH06142203A JP H06142203 A JPH06142203 A JP H06142203A JP 5102913 A JP5102913 A JP 5102913A JP 10291393 A JP10291393 A JP 10291393A JP H06142203 A JPH06142203 A JP H06142203A
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cylindrical container
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Jotaro Kishimoto
丈太郎 岸本
Nobuo Tanaka
信夫 田中
Takayuki Hagiwara
隆幸 萩原
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筒状容器内が可動シール部材により第1室と
第2室に分割されたプレフィルドシリンジにおいて、第
2室内の溶解液、分散液または薬液を蒸気加熱滅菌した
後に、特別な処理を施すことなく第1室内に薬剤を充填
しても、この薬剤の安定性を損なうことのない構造のプ
レフィルドシリンジを提供する。 【構成】 筒状容器1の内部を第1室4と第2室5に仕
切る可動シール部材3を前方側3aと後方側3bに2分
割するとともに、筒状容器1の先端は前方側可動シール
部材3aを挿入可能に開口した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は注射器型の容器内に複数
の成分、すなわち粉末、マイクロカプセル、粒剤、錠剤
などの固形あるいは液状の薬剤と、その溶解液または分
散液もしくは他の薬液とが、容器内の個別の室内にそれ
ぞれあらかじめ充填された、いわゆるプレフィルドシリ
ンジに関する。
【0002】
【従来の技術】あらかじめ薬剤が充填された使い捨てタ
イプの注射器、いわゆるプレフィルドシリンジのうち、
所定の薬剤と、その溶解液または分散液、あるいは他の
薬液を分離させた状態で充填した2成分型のプレフィル
ドシリンジにおいて、従来、図14に例示するように、
先端部分に注射針の装着部を持つ筒状容器31内の後端
側からロッド付きプランジャ32を挿入するとともに、
容器31内にその軸方向に摺動可能な可動シール部材3
3を設けて先端側および後端側の第1室34および第2
室35に分割するとともに、各室内にはそれぞれの薬剤
または溶解液等を収容した構造のものがある(特公昭4
9−14465号)。
【0003】このタイプにおいては、可動シール部材3
3よりも先端側の第1室34において、容器31の側壁
に不連続部、通常は外側に突出する注入溝36、を設け
た構造とし、使用時にプランジャ32を押し込むことに
より、図15に示すように第2室35内の液体を介して
可動シール部材33を前進させるとともに、可動シール
部材33が注入溝36に差しかかったときにこの溝36
を介して第2室35内の液体を第1室34内に流入さ
せ、その後はプランジャ32の先端で可動シール部材3
3を押圧して第1室34内で溶解あるいは分散もしくは
混合後の液体を先端から押し出すようになっている。
【0004】また、可動シール部材33は、その直径が
容器31の内径よりも若干大で、通常、摺動時の抵抗を
弱めるために複数の円形リブ33aを持つ構造とし、第
1室34と第2室35との間の液密性を保ち、しかも容
器内での摺動性が良好となるように考慮されている。こ
れは、プランジャ32のシール部材についても同様であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な従来の2成分プレフィルドシリンジでは、通常、第1
室34内には粉末剤Pを直接充填するか、あるいは溶液
を充填後に凍結乾燥して粉末剤Pとするとともに、第2
室35内には溶解液あるいは分散液L等を充填して製品
化する。第2室35内の溶解液または分散液Lに対して
蒸気加熱滅菌を施す場合、図16に示すように第1室3
4内に粉末剤Pを充填して容器31の先端に封止部材3
7を装着した状態で、第2室35内の溶解液または分散
液Lを蒸気加熱滅菌することは、粉末剤Pの熱安定性を
考慮すると不可能である。また、図17に示すように、
第2室35内に充填した溶解液または分散液Lを蒸気加
熱滅菌した後に第1室34内に粉末剤Pを充填する方法
も考えられるが、この方法では、第1室34と第2室3
5とを仕切るシール部材33(材質は一般にゴム)に水
分が付着ないしは浸透し、乾燥が不十分な状態となる。
【0006】ここで、粉末注射剤は通常、水分が存在す
ると不安定となることから、可動シール部材33の第1
室34側に面する部分は十分に乾燥する必要があり、一
般には100°C以上で数時間の加熱を実施している
が、第2室35内の溶解液または分散液Lの熱安定性を
考えると、これを蒸気加熱滅菌した後に可動シール部材
33の乾燥のために100°C以上で数時間の加熱を加
えることも採用することはできない。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、第2室35内の溶解液または分散液を上記加熱
滅菌した後に、シール部材33に対して特別な処理を施
すことなく、そのまま第1室34内に粉末剤等を充填し
ても、粉末剤等の安定性を確保することのできるプレフ
ィルドシリンジを提供することを目的としており、ま
た、使用に際して、生体への投与前に注射液を確実に分
散ないし混合、あるいは注射液中の空気抜きをするため
の操作が簡単で、しかも、その注射液をロスなく生体に
注入することのできるプレフィルドシリンジを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例に対応する図1を参照しつつ説明す
ると、本発明は、筒状容器1の内部を第1室4と第2室
5に仕切る可動シール部材3を、前方側3aと後方側3
bに2分割するとともに、筒状容器1の先端は、前方側
の可動シール部材3aを挿入可能に開口したことによっ
て特徴づけられる。ここで、前方側と後方側の各可動シ
ール部材3aと3bとの間には、少しの空隙があっても
よい。そして、この空隙を形成するために、前方側と後
方側の可動シール部材3aと3bの互いに対向する面の
少なくともいずれか一方の面に適当な突起を形成しても
よい。
【0009】また、前方側および後方側の可動シール部
材3aおよび3bを、図12,図13に示すように、外
周に複数個の円形リブ300を形成するとともに、その
各円形リブ300の間には、各円形リブ300と略同等
の高さを持ち、各円形リブ300間に形成される円環状
の凹所を仕切る複数個の縦リブ301を形成した構造と
することが望ましい。ここで略同等の高さとは、縦リブ
301が円形リブ300よりも所定寸法だけ低い場合と
高い場合のほか、これら両者が全く同等の高さ場合をも
含む。この円形リブ300と縦リブ301とを組み合わ
せた構造は、プランジャ2のシール部材2aに対しても
同様に適用することができる。これらのリブは、筒状容
器1に対する摺動を良くするため、その摺動面を軸方向
に曲面形状としてもよい。また、各円形リブ300間の
凹所の深さについては、摺動性を阻害しない程度にでき
るだけ浅くすることが望ましい。
【0010】更に、筒状容器1とプランジャ2との間
に、プランジャ2の押圧によって前方側の可動シール部
材3aの先端が不連続部6の先端部よりも前方に到達
し、かつ、後方側の可動シール部材3bの後端面がプラ
ンジャ2の先端面と当接し、更にはプランジャ2のシー
ル部材の少なくとも後半部が不連続部6に入らず筒状容
器1の内壁に対して摺動を保持している位置で、当該プ
ランジャ2が一旦停止するよう、容器1とプランジャ2
を押圧するためのロッドに係止機構およびその解除機構
を設けることが好ましい。なお、不連続部6の先端部の
み、あるいは後端部のみを閉鎖する位置でプランジャ2
を停止させることも勿論可能である。
【0011】なお、プランジャ2を押圧するためのロッ
ドは、予めプランジャ2に固着されていてもよいし、あ
るいは着脱自在に構成されていてもよい。更にまた、前
方側の可動シール部材3aについて、その第1室4側の
端面を、第1室4側に向かって凸曲面形状に形成し、ま
た、筒状容器1の先端開口部1aには、その当該第1室
4側の端面が上記の凸曲面形状に沿って第1室4側に向
いた凹曲面形状に形成されたシール部材7(図8,図9
参照)を設けること、および、前方側の可動シール部材
3aと容器1の先端に装着されたシール部材7のそれぞ
れ第1室4側に向く端面のうち、いずれか一方に窪み7
aもしくは30a(図5〜図9参照)を形成することが
望ましい。
【0012】ここで、本発明におけるプレフィルドシリ
ンジでは、先端部分に注射針が装着可能な筒状容器の後
端からプランジャが挿入され、その筒状容器の先端部分
とプランジャの先端との間に可動シール部材が挿入され
るが、本明細書で言う筒状容器の先端部分とは、真に容
器の先端と、容器の先端から少し距離を置いた内部を含
むものであり、以下、これらを含めて単に先端部分と称
する。
【0013】
【作用】本発明の構造においては、図2に示すように、
後方側の可動シール部材3bを筒状容器1内に挿入して
第2室5内に注射用蒸留水、生理食塩水などの溶解液ま
たは分散液あるいはその他の薬液Lを充填した状態で蒸
気加熱滅菌を施した後、第1室4のシリンジ内面を乾燥
する。その後、筒状容器1の先端開口部1aから前方側
の可動シール部材3aを挿入した後、第1室4内に粉
末、マイクロカプセル、粒剤、錠剤などの固形ないしは
液状の薬剤P(以下、単に薬剤Pと称する)を充填し、
更に筒状容器1の先端にシール部材7を固着して先端開
口部1aを塞ぐ、という工程を採用することが可能とな
り、蒸気加熱滅菌により後方側の可動シール部材3bに
水分が付着ないしは浸透しても、その後に挿入する前方
側の可動シール部材3aは、あらかじめ十分に乾燥した
状態で挿入することで、薬剤Pを収容した第1室4への
水分の移行を阻止することができる。
【0014】前方側の可動シール部材3aと後方側の可
動シール部材3bの間に、僅かな空隙を設けておくこと
により、保管状態において第2室5側の湿気が第1室4
側に入り込んでしまうまでに要する期間が長くなって好
ましい。
【0015】可動シール部材3a,3b、あるいはそれ
に加えてプランジャ2のシール部材として、円形リブ3
00と縦リブ301を組み合わせた構造を採用すると、
複数の円形リブ300を設けただけの構造に比して、投
与時にそれぞれのシール部材が筒状容器1の不連続部6
を通過する際に各円形リブ300間の凹所に入り込んで
しまう液の量が少なくなり、注射液のロス量を削減でき
る。
【0016】プランジャ2と筒状容器1との間の係止機
構とその解除機構は、投与前の2成分の混合ないし分散
を確実化させるための動作を容易化する機能を持つ。す
なわち、注射液の実際の投与に当たっては、第1室4内
の薬剤Pと第2室5内の液体Lとが均一に分散ないし混
合するように、第2室5内の液体Lが第1室4内にほぼ
完全に注入された状態でシリンジをよく振る必要があ
る。第2室5内の液体は、前方側の可動シール部材3a
の先端面が不連続部6の先端部手前で停止した状態で、
可動シール部材3aの後面とプランジャ2の前面が当接
した時点でほぼ第1室4内に注入しつくされる。そこ
で、プランジャ2の押圧によりプランジャ2の前面が可
動シール部材3bの後面に到達し、前方側可動シール部
材3aの少なくとも先端が不連続部6の先端部よりも前
方に到達し、かつ、プランジャ2の後半部分が不連続部
6に入らず筒状容器1の内壁と摺動状態を保っている位
置で、このプランジャ2が一旦停止するような係止機構
を設けると、可動シール部材3aの行き過ぎを防止でき
るとともに、上述の投与前の混合等の動作を溶解液の流
失なく確実化することができる。そして混合等が終わる
と、解除機構によりその係止を解除することで、生体へ
の投与が可能となる。
【0017】また、前方側の可動シール部材3aおよび
筒状容器1の先端開口部1aに装着されるシール部材7
の第1室4側に向く端面を、それぞれ第1室4側に向く
凸曲面および凹曲面としておくことにより、投与時にお
いて第1室4内で混合された液中の気泡を抜くに当た
り、針を上に向けた状態で気泡が第1室4内の上方中央
部分に集中することになり、空気抜き作業が容易化さ
れ、使用の簡便性が向上する。そして、前方側可動シー
ル部材3aと容器1の先端のシール部材7の第1室4側
に向く端面のいずれか一方に窪み30aまたは7aを形
成することにより、シール部材7に両頭針を装着してそ
の後端部が第1室4内に突出しても、その突出部分が窪
み7aまたは30aに入り込むことから、投与時におい
て筒状容器1内に残存する注射液の量(ロス量)を少な
くできる。
【0018】
【実施例】図1は本発明実施例の基本的構成を示す断面
図である。筒状容器1は後述する注入溝6を除いて全体
として一様な円筒形を有し、その両端はそれぞれ全開し
ている。
【0019】この筒状容器1の後端側からロッド付きプ
ランジャ2が挿入されているとともに、その内部には、
容器1内を第1室4と第2室5に仕切る可動シール部材
3が挿入されているが、この可動シール部材3は、前方
側可動シール部材3aと後方側可動シール部材3bに2
分割されている。この前方側可動シール部材3aと後方
側可動シール部材3aとは、互いに当接していてもよい
し、あるいは図示のように所定の空隙を有していてもよ
い。このような空隙を設けることを目的として、前方側
可動シール部材3aと後方側可動シール部材3bの互い
に対向する面の少なくともいずれか一方の面に適当な突
起を形成してもよい。
【0020】筒状容器1の先端開口部1aには、シール
部材7が装着されている。なお、この筒状容器1の先端
部には、後述する注射液の投与時に、例えば針つきのキ
ャップを装着したり、あるいは保持部材を介して両頭針
を装着してその後端をシール部材7に刺通するという公
知の手段により、注射針が装着される。
【0021】そして、第1室4内には粉末薬剤Pが、第
2室5内にはその溶解液もしくは分散液、あるいは他種
の薬液Lがそれぞれ充填されており、筒状容器1の第1
室4の側壁には、所定の幅で外側に突出する注入溝6が
形成されており、この注入溝6の容器1の軸方向への長
さは、前方側可動シール部材3aと後方側可動シール部
材3bの合計の厚さよりも所定量だけ長くなっている。
更に、可動シール部材3aと3bおよびプランジャ2の
シール部材の合計の軸方向における長さは、注入溝6の
軸方向長さよりも所定量長くなるようにしてある。この
長さの調整は、プランジャ2のシール部材の長さを加減
することにより容易にできる。
【0022】以上の構成の本考案実施例を使用するとき
は、従来と同様、ロッド付きプランジャ2を先端側に押
圧することにより、第2室5内の液体Lを介して前方側
可動シール部材3aおよび後方側可動シール部材3bが
ともに前進し、これらが注入溝6の形成位置に到達して
第1室4と第2室5が連通した時点で第2室5内の液体
Lが第1室4内に流入し、この流入が完了してプランジ
ャ2の先端が後方側可動シール部材3bの後端に当接し
た後は直接これを押圧して前方側および後方側可動シー
ル部材3aおよび3bを前進させ、前方側可動シール部
材3aの少なくとも前半部分が注入溝6の先端部よりも
前方に到達し、かつ、プランジャ2のシール部材の少な
くとも後半部が注入溝6に入らず筒状容器1の内壁に摺
動状態を保持している位置で押圧を停止し、筒状容器1
を振って薬剤の混合等を行った後に、容器1の先端に装
着された注射針を介して溶解、分散または混合された注
射液を射出させる。
【0023】次に、以上のような本考案実施例における
粉末薬剤や溶解液等の充填を含めた組み立ての手順を図
2に示す。まず、(A)に示すように、筒状容器1内に
後方側可動シール部材3bを挿入した状態で、第2室5
内に溶解液、分散液もしくは薬液Lを充填してプランジ
ャ2を挿入する。この状態でその溶解液、分散液もしく
は薬液Lに対して蒸気加熱滅菌を施した後、第1室4の
内面を乾燥させる。ここでの蒸気加熱滅菌処理に際して
は、第2室5内の溶解液、分散液もしくは薬液Lが活性
物質を含む場合には、それを破壊しない程度の温度、例
えば50〜60°C以下の温度で処理する。
【0024】その後、(B)に示すように、前方側可動
シール部材3aをあらかじめ十分に乾燥させた状態で筒
状容器1の先端開口部1aから挿入し、後方側可動シー
ル部材3bに密着させるか、あるいは僅かな空隙を開け
て接近させる。その状態で先端開口部1aから第1室4
内に粉末薬剤Pを充填した後、先端開口部1aに固定シ
ール部材7を装着することにより、図1に示した構造の
2成分プレフィルドシリンジを得る。
【0025】以上のような組み立て手順において、第2
室5内の溶解液、分散液もしくは薬液Lの蒸気加熱滅菌
時に後方側可動シール部材3bには水分が付着ないしは
浸透してしまうが、この蒸気加熱滅菌および乾燥・冷却
工程の後に乾燥した前方側可動シール部材3aを挿入
し、その後に第1室4内に粉末薬剤Pを充填すること
で、この粉末薬剤P側への水分の移行を防止できる。
【0026】また、前方側と後方側の各可動シール部材
3aと3b間に空隙を設けた構造とすると、組立後の保
管状態において第2室5側からの湿気が後方側可動シー
ル部材3bを経て前方側可動シール部材3aに入り込む
に要する時間が長くなり、第1室4側の薬剤に湿気が達
するまでの期間を長くすることができる。
【0027】以上のような本考案に係る2成分プレフィ
ルドシリンジは、その筒状容器1の先端に注射針を装着
した状態で使用されることは既述したが、以下、注射針
の装着機構並びに筒状容器1の先端開口部1aのシール
部材7および可動シール部材3a等についてのより具体
的な構成例について述べる。
【0028】図3は筒状容器1の先端開口部に挿入され
るシール部材7として可動タイプのものを用いた例を示
す断面図である。この例は筒状容器1の先端に針付きキ
ャップ8を装着する例で、針付きキャップ8は、カップ
状のキャップ本体81の先端に注射針82が固着され、
かつ、その本体81の内周には注射針82に連通する溝
81aが形成された構造を持つ。また、本体81は筒状
容器1の先端開口部1aから所定長さだけ先端側に突出
した空隙81bを有しており、その内部にシール部材7
が入り込むことができるようになっている。
【0029】このような構成において、使用時にロッド
付きプランジャ2を押圧して第2室5内の溶解液もしく
は分散液あるいは他種の薬液を注入溝6を介して第1室
4内に流入させるとき、あるいは流入が完了したとき
に、図4に示すようにシール部材7が針付きキャップ8
の本体81の空隙内に移動する。この状態で更にロッド
付きプランジャ2を押圧すると、第1室4内で分散また
は溶解された後の注射液が針付きキャップ8の本体81
に形成された溝81aを経由して注射針82内に入り込
んで注射できるようになっている。なお、針付きキャッ
プ8には、注射針81を投与時に取り付けるもの、また
はそれ以前に既に取り付けた構造のもののいずれでもか
まわない。
【0030】また、上記の構造に代えて、シール部材7
は筒状容器1の先端より少し距離をとって容器1の内側
に配置し、プランジャ2の押圧により第2室5の液が第
1室4内に流入完了したとき、そのシール部材7が筒状
容器1の先端部分に留まるように構成してもよい。こう
することにより、後述する係止機構の機能と相まって、
第1室4内の前後は完全に密閉されるので、溶解、分散
時に容器1を振動させても液はどこからも漏れることが
ななくなる。
【0031】図5はシール部材7に非可動タイプのもの
を用いた例を示す断面図である。このタイプでは、筒状
容器1の先端部に針保持部材を兼用するキャップ9を装
着し、このキャップ9を介して両頭針10を所定の位置
まで挿入することにより、両頭針10の後端部がシール
部材7を貫通して第1室4内に突出するような構造とな
っている。
【0032】この構造では、両頭針10の装着により針
は直ちに第1室4に連通することになり、上記と同様に
第1室4内で溶解または分散された注射液を直接両頭針
10内を通して注射することができる。
【0033】両頭針10を用いる方式のものにおいて
は、針10の後端部がシール部材7を貫通して第1室4
内に入り込む関係上、図5に示したようにシール部材7
の第1室4側の端面に針の突出代を収容可能な窪み7a
を形成しておくことにより、投与時において筒状容器1
内に残存する注射液の量(ロス量)を少なくすることが
できる。
【0034】以上のような両頭針10を用いる方式のも
のにおいては、筒状容器1の先端部1aに装着するシー
ル部材7と、前方側の可動シール部材3aの端面形状と
して、図5に示したもののほか、図6ないし図9にそれ
ぞれ断面図で例示するような種々の組み合わせを採用す
ることができる。
【0035】図6の例は、図5に例示したシール部材7
の先端側の端面に更に窪み7bを形成したもので、両頭
針10の装着時においてシール部材7の刺通を容易化し
たものである。
【0036】図7の例は、シール部材7の先端側端面に
両頭針10の刺通を容易化するための窪み7bを形成
し、前方側の可動シール部材3aの先端側端面に、両頭
針10の第1室側への突出代を収容するための窪み30
aを形成した例である。この場合、シール部材7の後端
面がフラットとなるため、両頭針10の刺通確認が容易
化される等のメリットがある。
【0037】図8の例は、シール部材7の後端面(第1
室4側の端面)を、第1室4側に向く凹曲面とするとと
もに、前方側の可動シール部材3aの先端面(第1室4
側の端面)を、これに合わせて第1室4側に向く凸曲面
とし、また、この前方側の可動シール部材3aの端面に
両頭針10の第1室側への突出代を収容するための窪み
30aを形成した例である。
【0038】このような構造によると、第1室4内で2
成分を混合して注射液を生成後、投与に先立って注射液
内の気泡を抜くべく筒状容器1の先端を上方に向けたと
き、注射液内の気泡はシール部材7の凹曲面の中央部分
に集中するので、針10を介して容易に気泡を抜くこと
ができ、使用の簡便性の向上に寄与するところ大とな
る。
【0039】このようなシール部材7の後端面の凹曲面
と前方側の可動シール部材3aの先端面の凸曲面の組み
合わせる場合において、両頭針10の突出代収容用の窪
みを先端のシール部材7側に形成することもでき、図9
にはシール部材7の後端面の凹曲面に窪み7aを設けた
例を示している。
【0040】なお、図6ないし図9の例においては、シ
ール部材7の先端部に、筒状容器1の先端面と密着させ
た移動を防止するためのフランジ部を形成した例を示し
ているが、いずれの例においても、必ずしもこのフラン
ジ部を形成する必要はなく、筒状容器1の内周面に固く
装着可能な程度にシール部材7の外周寸法を考慮するこ
とによっても、シール部材7の移動を防止することがで
きる。
【0041】ここで、先端部のシール部材7、前後の可
動シール部材3aと3b、およびプランジャ2のシール
部材はの材質は、いずれもエラストマー、例えば合成ラ
バーを採用することができる。
【0042】さて、2成分プレフィルドシリンジにおい
ては、実際の投与に先立ち、第1室4内で2成分が均一
に溶解、分散または混合するように、ロッド付きプラン
ジャ2を押圧して第2室5内の液体Lが第1室4内にほ
ぼ完全に流入した状態で、しかも容器1の先端から未だ
流出しない状態で、プランジャ2を一旦停止させ、その
状態でシリンジをよく振る必要がある。また、この振動
付与作業時に、第1室4内に移動した溶解液ないしは分
散液等が、注入溝6を逆流して、元の第2室5側、すな
わちプランジャ2を越えて筒状容器1の後部へ流出させ
ないためには、このロッド付きプランジャ2を最適な位
置で一旦停止させる操作は、熟練しないと容易ではな
く、誤ってプランジャ2を行き過ぎさせてしまうことも
生じる。
【0043】図10ないし図11に、このような操作を
容易化した実施例を示す。図10に示す例では、筒状容
器1の後端部に装着されるフィンガーグリップ100の
内周面に、筒状容器1の内周面よりも内側に円周状に突
出する凸部101を形成するとともに、ロッド付きプラ
ンジャ2のロッド20には、その軸方向の所定位置の同
一円周上に複数の突起201を形成している。各突起2
01のロッド20の軸方向上への形成位置は、プランジ
ャ2の押圧により前方側可動シール部材3aの先端面が
注入溝6の先端部より前方に到達し、かつ、後方側可動
シール部材3bの後端面がプランジャ2の先端面と当接
し、更にはプランジャ2の後半部分が注入溝6に入らず
に筒状容器1の内壁と摺動状態を保っている状態におい
て、突起201がフィンガーグリップ100の凸部10
1と接するような位置であり、また、ロッド20の中心
軸と各突起の先端との距離は、フィンガーグリップ10
0の凸部101の内径寸法よりも僅かに大としている。
更に、フィンガーグリップ100の材質は、例えば合成
樹脂等の可撓性のあるものとしている。
【0044】以上の構成によると、図10(A)の不使
用状態からロッド付きプランジャ2を押し込んでいく
と、液が移動する間は前方側可動シール部材3aは図
(B)のように注入溝6の先端付近にに止まっている
が、更に押し込むと(C)に示すように突起201が凸
部101に当接することによる抵抗で、プランジャ2は
一旦停止する。その状態では第2室5内の液体は第1室
4内に完全に注入され、かつ、注入溝6の先端部も後端
部もともに閉鎖されて液の逆流、流失は完全に防止され
ているから、その状態でシリンジを振って2成分を均一
に溶解、分散ないし混合させる。その後、プランジャ2
を強く押し込むことにより、フィンガーグリップ100
が撓んで突起201が凸部101を通過し、溶解、分散
ないしは混合後の注射液の生体への投与が可能となる。
【0045】一方、図11に示す例では、筒状容器1の
後端部に装着されるフィンガーグリップ100の内周面
に同様にして凸部101を形成し、この凸部101に、
同図(B)に軸方向から見た図を示すように、複数の切
り欠き溝102を形成するとともに、ロッド付きプラン
ジャ2のロッド20には、同数のブレード202を形成
している。ロッド20の中心から各ブレード202の先
端までの距離は、フィンガーグリップ100の凸部10
1の内径寸法よりも大で、かつ、フィンガーグリップ1
00の中心と各切り欠き溝102の底面との距離よりも
短くしている。また、各ブレード202の先端側の端面
位置は、プランジャ2の押圧により前方側可動シール部
材3aの先端面が注入溝6の先端部より前方に到達し、
かつ、後方側シール部材3bの後端面とプランジャ2の
先端面が当接し、更にはプランジャ2の後半部分が注入
溝6に入らずに容器1の内壁に対して摺動状態を保って
いる状態において、ブレード202がフィンガーグリッ
プ100の後端面に接するような位置である。
【0046】以上の構成において、(A)に示す使用前
の状態では、ロッド20は、(C)に示すように、その
各ブレード202がフィンガーグリップ100の切り欠
き溝102の形成位置と一致しないような状態で筒状容
器1内に挿入しておく。そして、使用に際しては、まず
(C)の状態のままロッド付きプランジャ2を押し込
む。これにより、液が移動する間は前方側可動シール部
材3aは(D)のように注入溝6の先端に止まっている
が、更に押し込むと(E)に示すように、ブレード20
2がフィンガーグリップ100の後端面に接した時点で
プランジャ2が停止する。その状態では前記したように
第2室5内の液体は第1室4内に完全に注入され、か
つ、注入溝6を介して逆流することも防止されているか
ら、その状態でシリンジを振って2成分を均一に溶解、
分散ないし混合させる。その後、ロッド付きプランジャ
2を回転させて各ブレード202を各切り欠き溝102
の形成位置と一致させると、(F)に示すようにロッド
付きプランジャ2の押し込みが可能となるから、溶解、
分散ないしは混合後の注射液の生体への注入を行うこと
ができる。
【0047】なお、以上のような図10または図11に
示した構造を採用することなく、注入溝6の先端部より
前方の所定位置、例えば注入溝6の先端部よりも2mm
程度前方位置の筒状容器1の外周または内周面に、その
円周方向に沿ったライン状のマークを設けるだけでも効
果的である。すなわち、前方側可動シール部材3aの先
端面がそのマークを越えないようにプランジャ2を押圧
すると、第2室5内の液体がほぼ完全に第1室4内に注
入された状態となるから、その状態でシリンジを振れば
よい。
【0048】ところで、既に述べた各実施例において、
前方側および後方側の各可動シール部材3aおよび3
b、あるいはロッド付きプランジャ2の先端に設けてい
るシール部材は、それぞれ、その外周面に円周状に突出
する複数のリブ、すなわち複数の円形リブを持つ構造と
して、第1室4と第2室5間の液密性、あるいは第2室
5と容器1の外部との液密性を保ち、しかも容器1内で
の摺動性が良好となるように考慮されている。このよう
な構造では、ロッド付きプランジャ2の押圧により各可
動シール部材3a,3b、あるいはプランジャ2自体の
シール部材が注入溝6を通過する際に、注入溝6内に溜
まっている液が各シール部材3a,3bないしはプラン
ジャ2のシール部材のそれぞれの円形リブ間に形成され
ている円環状の凹所に入り込み、その分だけ注射液が投
与されずにロスになってしまう。これを解決するために
は、その凹所を、シール部材の摺動性を阻害しない程度
に浅くすることが考えられるが、更にそのロス量を少な
くするための対策を以下に述べる。
【0049】図12にその対策を施した実施例の断面図
を示す。この実施例における特徴部分は、前方側可動シ
ール部材3aと後方側可動シール部材3b、およびロッ
ド付きプランジャ2のシール部材2aの形状であり、こ
れらに共通の構造を図13に外観斜視図で示す。
【0050】すなわち、前方側可動シール部材3a、後
方側可動シール部材3bおよびロッド付きプランジャ2
のシール部材2aには、それぞれ複数の円形リブ300
が形成されているとともに、各円形リブ300の間に、
これらと略同等の高さを持つ複数個の縦リブ301が形
成されており、この各縦リブ301によって、各円形リ
ブ300間に形成される空隙がそれぞれ複数個の小空隙
に仕切られている。
【0051】この例では、各シール部材3a、3bおよ
び2aのそれぞれの外周を4等分する位置に、各空隙内
に4個の縦リブ301が形成されており、これによって
円形リブ300間の各空隙がそれぞれ4等分されてい
る。
【0052】このような構成の採用により、ロッド付き
プランジャ2の押圧によって前方側可動シール部材3
a、後方側可動シール部材3bおよびプランジャ2のシ
ール部材2aが注入溝6を通過する際、この注入溝6を
介して注射液が各円形リブ300間の空隙のうち、縦リ
ブ301で仕切られた小空隙のいずれかに入り込むが、
縦リブ301の存在によって隣接する小空隙には侵入し
得ず、従って、この例においては円形リブ300のみを
設けた場合に比して、各シール部材の空隙に残存する注
射液は約1/4に減少する。
【0053】なお、円形リブ300間の各空隙内に設け
る縦リブ301の数は4個に限定されず、2個以上の任
意個数とすることができ、個数を増やすほど注射液のロ
ス量を減少させることができる反面、各シール部材の摺
動性がそれに従って低下するから、これらの兼ね合いに
より適当な個数とすることが望ましい。また、縦リブ3
01については、前方側および後方側の可動シール部材
3aおよび3bにのみ形成してもよい。
【0054】また、前後の可動シール部材3aと3b、
およびプランジャ2のシール部材2aの各円形リブ30
0並びに縦リブ301については、その軸方向形状を図
示のように筒状容器1の内壁面に沿った直線状とするほ
か、筒状容器1との摩擦抵抗をより軽減させるべく、軸
方向に適宜に曲面状の膨らみを持たせた、いわゆるクラ
ウニング状にすることもできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
筒状容器を第1室と第2室とに仕切る可動シール部材を
前方側と後方側に分割するとともに、筒状容器の先端に
は前方側の可動シール部材を挿入可能な開口部を設けた
構造としているので、後方側の可動シール部材を装着し
た状態で第2室側に溶解液、分散液ないしは薬液を充填
し、その状態で蒸気加熱滅菌を施した後に第1室のシリ
ンジ内面を乾燥させ、その後、容器先端開口部から乾燥
状態の前方側の可動シール部材を挿入して、第1室内に
薬剤を充填した後、先端開口部にシール部材を固定する
という薬剤の充填〜組み立て手順を採ることが可能とな
り、第2室内の溶解液、分散液または薬液の蒸気加熱滅
菌により後方側可動シール部材に水分が付着ないしは浸
透しても、後でこれを加熱乾燥することなく第1室内の
薬剤に水分が移行することを防止でき、簡単な工程のも
とに、薬剤の安定性を損なうことなく、高歩留りで2成
分プレフィルドシリンジを得ることが可能となった。
【0056】また、前方側の可動シール部材の先端面を
第1室側に向く凸曲面に、筒状容器先端のシール部材の
後端面を第1室側に向く凹曲面としておくことで、投与
に先立つ注射液内の気泡抜き作業が容易化される。
【0057】更に、プランジャの押圧により前方側の可
動シール部材の先端が筒状容器の不連続部の先端部より
も前方に到達し、かつ、後方側可動シール部材の後端面
とプランジャの先端面とが当接し、更にはプランジャ後
半部が不連続部に入らず容器内壁と摺動状態を保ってい
る位置で、このプランジャが一旦停止するよう、当該プ
ランジャを押圧するためのロッドと筒状容器との間の係
止機構を設けるとともに、その解除機構を設けることに
より、投与に先立つ2成分の均一な溶解、分散ないしは
混合に際しての作業が容易化され、しかもその際に液の
逆流を防止でき、上記した気泡抜き作業の容易化と相ま
って、使用の簡便性を大幅に向上させることが可能とな
る。
【0058】更にまた、前方側および可動シール部材、
あるいはそれに加えてロッド付きプランジャのシール部
材に、円形リブ間の空隙を仕切る複数個の縦リブを設け
ることにより、これらのシール部材が不連続部を通過す
る際に各円形リブ間の空隙に注射液が入り込む量が少な
くなり、注射液の投与のロス量を減少させることができ
る。
【0059】また、前方側の可動シール部材および容器
先端に装着されたシール部材のそれぞれ第1室側に向く
端面のうち、いずれか一方に窪みを形成することによ
り、両頭針を使用してもその針の後端が第1室内でその
窪み内に収容されることになり、このことによっても投
与に際して第1室内に残存してロスとなる注射液の量を
少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の基本的構成を示す断面図
【図2】その薬剤等の充填を含む組み立て工程の説明図
【図3】筒状容器の先端開口部に可動タイプのシール部
材を用いる場合の本考案の具体的実施例の構成を示す断
面図
【図4】図3の例の使用時における作用説明図
【図5】筒状容器の先端開口部に非可動タイプのシール
部材を用い、注射針として両頭針を用いる場合の本考案
の他の実施例の構成を示す断面図
【図6】図5のタイプにおけるシール部材7と前方側の
可動シール部材3aの形状の組み合わせ例の説明図
【図7】同じく図5のタイプにおけるシール部材7と前
方側の可動シール部材3aの形状の他の組み合わせ例の
説明図
【図8】同じく図5のタイプにおけるシール部材7と前
方側の可動シール部材3aの形状の更に他の組み合わせ
例の説明図
【図9】同じく図5のタイプにおけるシール部材7と前
方側の可動シール部材3aの形状の更にまた他の組み合
わせ例の説明図
【図10】本考案におけるロッド付きプランジャ2と筒
状容器1との間の係止機構およびそ解除機構の例の説明
【図11】同じく本考案におけるロッド付きプランジャ
2と筒状容器1との間の係止機構およびその解除機構の
他の例の説明図
【図12】本考案の2成分プレフィルドシリンジにおい
て、その注射液の投与ロス量を減少させるための対策を
施した例を示す断面図
【図13】その各シール部材3a,3bおよび2aの外
観斜視図
【図14】従来の2成分プレフィルドシリンジの構成を
示す断面図
【図15】その作用説明図
【図16】従来の2成分プレフィルドシリンジにおける
第2室35内の溶解液、分散液等の蒸気加熱滅菌法の手
順説明図
【図17】同じく従来の2成分プレフィルドシリンジに
おける第2室35内の溶解液、分散液等の他の蒸気加熱
滅菌法の手順説明図
【符号の説明】
1 筒状容器 1a 先端開口部 100 フィンガーグリップ 101 突起 102 切り欠き 2 ロッド付きプランジャ 2a シール部材 20 ロッド 201 凸部 202 ブレード 3 可動シール部材 3a 前方側可動シール部材 3b 後方側可動シール部材 300 円形リブ 301 縦リブ 4 第1室 5 第2室 6 注入溝 7 シール部材 7a 窪み 8 針付きキャップ 81 キャップ本体 81a 溝 81b 空隙 82 注射針 9 キャップ 10 両頭針 P 粉末等の薬剤 L 溶解液、分散液もしくは他の薬液

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部分に注射針が装着可能な筒状容器
    の後端からプランジャが挿入されているとともに、当該
    筒状容器の先端部分とプランジャの先端との間には摺動
    自在の可動シール部材が挿入され、この可動シール部材
    により上記筒状容器の内部が先端側の第1室と後端側の
    第2室に分割され、第1室内には所定の薬剤が、第2室
    内にはその分散液、溶解液もしくは薬液が収容され、上
    記プランジャの押圧による上記可動シール部材の摺動変
    位時に上記第1室の側壁に形成された不連続部を介して
    上記第2室内の液体が第1室内に流入して薬剤を分散、
    溶解もしくは混合させるよう構成し、上記可動シール部
    材は前方側と後方側に分割されているとともに、上記筒
    状容器の先端は上記前方側の可動シール部材を挿入可能
    に開口していることを特徴とするプレフィルドシリン
    ジ。
  2. 【請求項2】 上記前方側と後方側の可動シール部材
    は、互いに密着していることを特徴とする請求項1に記
    載のプレフィルドシリンジ。
  3. 【請求項3】 上記前方側と後方側の可動シール部材
    が、筒状容器の軸方向に所定距離の空隙を介して隣接配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載のプレフ
    ィルドシリンジ。
  4. 【請求項4】 上記前方側と後方側の可動シール部材の
    互いに対向する面の少なくともいずれか一方の面に、当
    該前方側および後方側の可動シール部材の間に空隙を形
    成するための突起が形成されていることを特徴とする請
    求項3に記載のプレフィルドシリンジ。
  5. 【請求項5】 上記前方側および後方側の各可動シール
    部材は、それぞれ、外周に複数個の円形リブが形成され
    ているとともに、その各円形リブの間には、各円形リブ
    と略同等の高さを持ち、各円形リブ間に形成される円環
    状の凹所を仕切る複数個の縦リブが形成されていること
    を特徴とする請求項1、2、3、または4に記載のプレ
    フィルドシリンジ。
  6. 【請求項6】 上記プランジャのシール部材は、外周に
    複数個の円形リブが形成され、かつ、その各円形リブの
    間には、各円形リブと略同等の高さを持ち、各円形リブ
    間に形成される円環状の凹所を仕切る複数個の縦リブが
    形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4
    または5に記載のプレフィルドシリンジ。
  7. 【請求項7】 上記プランジャの押圧により、上記前方
    側の可動シール部材の先端が上記筒状容器の不連続部の
    先端部より前方に到達し、かつ、後方側の可動シール部
    材の後端面が上記プランジャの先端面と当接し、しかも
    プランジャのシール部材の少なくとも後半部が不連続部
    に入らず筒状容器内壁に対し摺動状態を保持している位
    置で、当該プランジャが一旦停止するよう、当該プラン
    ジャを押すロッドと筒状容器との間に係止機構が設けら
    れているとともに、その解除機構が設けられていること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、または6に記
    載のプレフィルドシリンジ。
  8. 【請求項8】 上記筒状容器の後端部近傍にフィンガー
    グリップが装着され、かつ、このフィンガーグリップに
    は上記筒状容器の内周面よりも内側に突出する凸部が形
    成されているとともに、上記プランジャを押すロッドに
    は、その軸方向所定位置に突起が形成され、このロッド
    の突起と上記凸部とは当該ロッドを押し込むことによっ
    て相互に係合してプランジャが一旦停止し、かつ、ロッ
    ドを更に押し込むことでその係合が解除されるよう構成
    されていることを特徴とする請求項7に記載のプレフィ
    ルドシリンジ。
  9. 【請求項9】 上記筒状容器の後端部近傍にフィンガー
    グリップが装着されているとともに、このフィンガーグ
    リップには上記筒状容器の内周面よりも内側に突出する
    凸部が形成され、かつ、この凸部には半径方向に伸びる
    少なくとも1個の切り欠きが形成される一方、上記プラ
    ンジャを押すロッドには、上記切り欠きに対応して半径
    方向に伸びる少なくとも1個のブレードが形成されてな
    り、このブレードと上記凸部はロッドを押し込むことに
    よって相互に係合してプランジャが一旦停止し、かつ、
    ロッドを筒状容器に対して回動させて上記ブレードと切
    り欠きの位置を合致させた状態では、当該ブレードは切
    り欠きを通過して上記係合が解除されるよう構成されて
    いることを特徴とする請求項7に記載のプレフィルドシ
    リンジ。
  10. 【請求項10】 上記前方側の可動シール部材の第1室
    側の端面が、当該第1室側に向く凸曲面形状に形成さ
    れ、上記筒状容器の先端には、上記第1室側の端面が上
    記凸曲面形状に沿って当該第1室側に向く凹曲面形状に
    形成されたシール部材が装着されていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または9に
    記載のプレフィルドシリンジ。
  11. 【請求項11】 上記前方側の可動シール部材および容
    器先端に装着されたシール部材のそれぞれ第1室側に向
    く端面のうち、いずれか一方に窪みが形成されているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、または10に記載のプレフィルドシリンジ。
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