JPH1094602A - 注射器 - Google Patents

注射器

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JPH1094602A
JPH1094602A JP8274159A JP27415996A JPH1094602A JP H1094602 A JPH1094602 A JP H1094602A JP 8274159 A JP8274159 A JP 8274159A JP 27415996 A JP27415996 A JP 27415996A JP H1094602 A JPH1094602 A JP H1094602A
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plug
passage
air
outer cylinder
sliding
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JP8274159A
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Kazuya Araki
和也 荒木
Takao Yoshida
孝夫 吉田
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多成分用の注射器においての外筒内のエア抜
きが確実にでき、また投与前、投与中においても薬液同
士の混合が生じず、またガスケットの摺動性、及びコン
パクト化が維持できる予め注射剤が充填された注射器を
提供。 【構成】 予め外筒内に区分用栓体を境に二液以上の薬
液が収容される注射器において、上記外筒は樹脂素材か
らなり、上記区分用栓体の摺動域の上記外筒内壁に、該
内壁面と上記区分用栓体との液密性を解除して薬液を流
通させるバイパス手段及び該区分用栓体の後方に存在す
るエアを該外筒の射出口側に流出させるエア抜き通路が
形成され、また上記バイパス手段は上記エア抜き通路よ
り射出口側に位置し、上記エア抜き通路は、上記区分用
栓体の後方の薬液が通過中に生じる通過抵抗力(R1)
が摺動時の上記区分用栓体の摺動力(r)を上回るよう
に細く形成されていると共に、上記薬液と共存するエア
が通過中に生じる通過抵抗力(R0)が摺動時の上記区
分用栓体の摺動力(r)を下回るように太く形成されて
いるを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め注射剤が充填され
た注射器に関するものであり、より詳細には、2種以上
の薬液を外筒内に分けて収容し、且つ薬液と共に貯留し
ているエア等を投与前に完全に取り除いた後に注射する
ことのできる注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、医療事故を未然に防止するため
に、また院内感染等を極力防止するために、予め滅菌又
は無菌状態で外筒内に薬剤又は薬液等の注射剤が充填さ
れたプレフィールドシリンジと一般に称される注射器が
提案されている。また、かかるプレフィールドシリンジ
には二医薬成分以上の注射剤がその注射時まで分離して
充填されている多成分用注射器も提案されている。この
ような多成分用注射器として、従来から以下のものが提
案されている(特開平7−39582号公報)。図11
(A)及び(B)は従来の二成分用注射器の断面図であ
る。図11(A)に示す如く注射器71の外筒72は、
射出口部材73と筒部材74と指架け部材75とからな
る。射出口部材73には射出口が形成され、射出口には
注射針76が取り付けられる。また、射出口部材73の
内壁には軸方向に沿って端面から射出口にかけて凹条溝
77が形成される。かかる凹条溝77は内壁面と後述の
弾性栓体との間の液密性を解除して液を流通させるバイ
パス手段となっている。筒部材74内には密栓用栓体と
しての第1弾性栓体78及び区分用栓体としての第2弾
性栓体79が配され、更にプランジャー80を有したガ
スケット81が配されている。第1弾性栓体78と第2
栓体79との間には第一の注射剤82が一部の貯留エア
と共に収容され、第2栓体79とガスケット81との間
には第二の注射剤83が一部の貯留エアと共に収容され
ている。そして、射出口部材73の液溜部の長さL4
は、第1弾性栓体78と第2弾性栓体79との軸方向の
幅の総和より長く、更には、第1弾性栓体78と第2弾
性栓体79との間の第一の注射剤82の全量及び弾性栓
体78、79の軸方向の幅の総和より長く形成してあ
る。その一方、ガスケット81の軸方向の幅L5は第一
の注射剤の全量を貯留する液溜部の長さL6より長く設
定されている。このような注射器71にあっては、図1
1(B)に示す如く、第一の注射剤82を排出すること
なく、第二の注射剤83と一緒に存在していたエアを放
出した後に、患者への注射が可能となる。もし、液溜部
84の長さL4が栓体78、79の幅及び注射剤82の
全量の長さL6の合計長さより短いと、図11(B)の
状態の時に、第二の注射剤83のエアが抜けない内に、
第一の注射剤82が排出し、患者に適用できなくなる。
もし、ガスケット81の幅L5が注射剤82の全量の長
さL6より短いと、図11(B)の状態からプランジャ
ー80を押し込むと、注射剤83が先端部へ流れた後に
ガスケット81が凹条溝77の領域に完全挿入され、ガ
スケット81の先端側と基端側とが連通され、注射剤8
3の逆流を招くおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
注射器71では、以下の問題がある。第一に、ガスケッ
ト81の幅は第一の注射剤82の液量に左右され、かか
る液量が多い場合はガスケット81幅を極端に長くする
必要がある。このため、ガスケット81幅を長くする
と、ガスケット81の摺動抵抗が過大となり、その使用
時の操作に問題が生じる。またガスケット81幅が長く
なった分だけ、外筒72自体を長くする必要があり、注
射器をコンパクトにできなくなる。第二に、エアを出し
た後、第一注射剤82を患者に投与する際、注射器の区
分用栓体である第2弾性栓体79が液流通用バイパス手
段の凹条溝77に位置した状態から投与を開始している
ため(図11(B))、投与中に注射剤82と83との
大部分が混合してしまう場合がある。かかる場合、その
用途により不都合が生じる。例えば、先端部に麻酔剤を
収容し、後端部にヒアルロン酸等を収容した場合、でき
る限り混合しない状態で患者に投与されることが望まし
いが、かかる問題を達成することができなくなる。
【0004】従って、本発明の目的は、多成分用の注射
器においての外筒内のエア抜きが確実にでき、また投与
前、投与中においても薬液同士の混合が生じず、またガ
スケットの摺動性、及びコンパクト化が維持できる予め
注射剤が充填された注射器を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め外筒内に
区分用栓体を境に二液以上の薬液が収容される注射器に
おいて、上記外筒は樹脂素材からなり、上記区分用栓体
の摺動域の上記外筒内壁に、該内壁面と上記区分用栓体
との液密性を解除して薬液を流通させるバイパス手段及
び該区分用栓体の後方に存在するエアを該外筒の射出口
側に流出させるエア抜き通路が形成され、また上記バイ
パス手段は上記エア抜き通路より射出口側に位置し、上
記エア抜き通路は、上記区分用栓体の後方の薬液が通過
中に生じる通過抵抗力(R1)が摺動時の上記区分用栓
体の摺動力(r)を上回るように細く形成されていると
共に、上記薬液と共存するエアが通過中に生じる通過抵
抗力(R0)が摺動時の上記区分用栓体の摺動力(r)
を下回るように太く形成されているを特徴とする注射器
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0006】上記外筒は透明性を有した樹脂成形物であ
る。廃棄等の点で外筒は樹脂成形物であることが好まし
く、樹脂成形物は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも良
い。また樹脂成形物は単一構造でも良く、また複数素材
の積層構造でも良い。熱硬化性樹脂としては、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂等が
ある。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、4−メチルペンテンー1、スチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、環状ジ
ェン系重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素系樹
脂等がある。特に、外筒は注射剤を収容するため、塩素
や金属等の溶出物のないオレフィン系樹脂が望ましく、
中でも耐熱性及び透明性を備えた、ポリプロピレン、4
−メチルペンテン−1、環状ジェン系重合体からなる樹
脂成形物が望ましい。特に、オートクレーブ滅菌処理等
により、100℃以上の加温をする場合には、非晶質の
耐熱性の環状ジェン系であるシクロペンタジェン、ジシ
クロペンタジェン、ノルボルナジェン等や4−メチルペ
ンテン1等が望ましい。
【0007】外筒は、基端の指架け部及び先端の針取付
用射出口が一体成形されたもの、或いは基端の指架け部
材、筒部材、及び針取付用射出口部材を組み合わせたも
のであってもよい。また、筒部或いは筒部材内にはガス
ケットの他に弾性部材からなる区分用栓体が一以上配せ
られ、2以上の薬液が混ざらずに区分して充填されてい
る。プランジャーのガスケット及び区分用栓体は操作時
に外筒内を液密に摺動する弾性部材からなる。弾性部材
は外筒の内壁面を押圧して内壁面との間を液密に且つ摺
動可能に維持できるものであれば良く、具体的には熱可
塑性エラストマー、ゴム等の液密弾性体からなり、好ま
しくは、ゴム栓体であり、ゴムはシリコンゴム等が望ま
しい。ガスケット及び各栓体には滑剤等が注射剤に影響
を与えない程度に塗布されても良い。滑剤は抵抗を減ら
す潤滑剤であり、このような滑剤としては薬剤等にあま
り影響を与えないシリコン油等が望ましい。
【0008】上記区分用栓体の摺動域の外筒の内壁にエ
ア抜き通路が形成される。即ち、外筒内に配される区分
用栓体と外筒の射出口との間の所定の位置に形成され
る。通路は、後述するように外筒壁内部に形成されたも
の(添付図面の図2)ても良く、また外筒内壁面に形成
される溝条部のもの(添付図面の図8)でも良い。通路
は成形上、細くすることが望ましく、その断面径は後方
の薬液に貯留するエアが流通して射出口側に出る通過抵
抗力が、区分用栓体を摺動させない程度のものとなるよ
うな太さにする一方、後方の薬液が通過しようとする
時、或いは通過中に、区分用栓体を摺動させる程度に通
過抵抗力が生じる細さまで細くする。即ち、エア抜き通
路は、上記区分用栓体の後方の薬液が通過中に生じる通
過抵抗力(R1)が摺動時の上記区分用栓体の摺動力
(r)を上回るように細く形成されている。通過抵抗力
(R1)が摺動力(r)を下回る程度にエア抜き通路が
太く形成してあれば、プランジャーを押圧したときに、
区分栓体はエア抜き通路の間で停止した状態で、後方の
薬液がエア抜き通路を通過して前方の薬液と混ざるとい
う不具合が生じる。ここで、区分用栓体の後方の薬液が
通過中に生じる通過抵抗力(R1)とは、薬液がエア抜
き通路に入る途中での抵抗力或いは薬液がエア抜き通路
を定速で通過しているときの抵抗力である。一方、エア
抜き通路は、上記薬液と共存するエアが通過中に生じる
こと通過抵抗力(R0)が摺動時の上記区分用栓体の摺
動力(r)を下回るように太く形成されている。通過抵
抗力(R0)が区分用栓体の摺動力(r)を上回る程度
にエア抜き通路の径を細く形成したとすれば、エアが通
路を通過する前に区分用栓体がプランジャーに押圧され
てエア抜き通路間を摺動し、エアがエア抜け通路から外
れ、エアが抜けなくなってしまう。区分用栓体の静止状
態からの摺動力(r)は、外筒の内径によっても異なる
が、100g荷重乃至10kg荷重、特に200g荷重
乃至5kg荷重の範囲にあることが望ましい。摺動力
(r)が上記範囲を下回ると、区分用栓体の外筒の内壁
への液密性を十分に満たすことができず、また上記範囲
を上回ると、プランジャーの操作性に支障を来す。
【0009】上記エア抜き通路より更に射出口側の外筒
内壁には、液流通用バイパス手段が設けられ、バイパス
手段は外筒の内壁面と栓体との液密性を解除して区分用
栓体の後方の薬液を流通させることができるものであ
る。かかるバイパス手段の構造としては、上記外筒内径
が上記栓体の径より拡径にして構成された部分であるこ
と、上記外筒内壁面から突設形成される突条部であるこ
と、上記外筒内壁面に陥没形成される溝条部であるこ
と、及び外筒内円形状が扁平円形状であること等の構造
によって達成される。また、かかるバイパス手段の通路
となる断面積は、上述のエア抜き通路の断面積の1.5
倍以上、特に2.0倍以上必要とされる。上記外筒内に
は、区分用栓体を境に異なる薬液が充填されている。ま
た後方の薬液は、通過抵抗力(R0)及び(R1)と摺
動抵抗力(r)との上述の関係を満たすようにするた
め、粘度の高い薬液が望ましい。薬液は、中枢神経作用
薬、末梢神経作用薬、自律神経作用薬、抗ヒスタミン
薬、循環器作用薬、利尿薬、抗悪性腫瘍薬、病原微生物
に作用する薬物、ホルモン、ビタミン、或いは特殊な治
療薬、診断薬である。
【0010】このような注射器の製造に当たっては、所
定のエア抜け通路を内壁に形成した外筒を上記樹脂の押
出し、或いは射出成形により製造する。外筒内に区分用
栓体を所定の位置、即ち上記エア抜き通路の形成位置の
後方に液密に摺動可能に挿入して配し、射出口側に第一
の薬液を区分用栓体と密封用栓体との間に無菌充填す
る。また密封用栓体の代わりに射出口の密封用キャップ
を用いて無菌充填しても良い。次に、外筒の基端開口か
ら第二、或いは第三以降の薬液及び区分用栓体を交合に
無菌充填或いは挿入して最後にガスケットで密封する。
かかる充填の際に外筒中からエア等が抜けきらずに薬液
と共存して貯留する場合がある。充填後、薬液の滅菌保
証を確実にするために外筒と共に、薬液をオートクレー
ブ滅菌することが望ましく、オートクレーブ滅菌処理は
100℃乃至140℃、特に好ましくは105℃乃至1
15℃で行う。次に、プランジャーロッドをガスケット
に取付け、注射針を射出口に取付け、そして、無菌包装
を行って製品とする。
【0011】このように構成された注射器においては、
使用操作に際して以下の利点が見られる。先ず、射出口
を上にして注射器を持ち、ガスケットを押圧操作し、ガ
スケット、薬液及び区分用栓体を外筒内で射出口に向け
て摺動させる。そして、ガスケットと区分用栓体との間
に上記エア抜け通路の開口が位置したとき、区分用栓体
の後方の薬液と共に貯留しているエアがエア抜け通路か
ら射出口側の空間に出る。従って、エア抜けの際には区
分用栓体は押圧力を受けず、一旦停止する。エア抜けが
完了し、または射出口からのエア抜けが完了した時点
で、患者に注射針を刺通する。刺通状態でプランジャー
の押圧を再会する。この操作時、後方の薬液はエア抜け
通路を介して射出口側に流通しようとする。しかし、流
通には通過抵抗が生じ、通過抵抗力(R1)が区分用栓
体の摺動抵抗力(r)を上回ったとき、区分用栓体が外
筒内を再び摺動し始める。このため、区分栓体の前方の
薬液と後方の薬液は混ざらない状態で、患者への投与が
開始され、投与中も前方の薬液が完全に抜けるまで混ざ
らない状態で行われる。即ち、射出口側の薬液が患者に
ほぼ完全に投与された後に、区分用栓体が後段の液流通
バイパス手段に位置し、かかるバイパス手段を通過して
後方の薬液が患者内に投与される。
【0012】従って、本発明の注射器は従来のようにガ
スケットを長くして摺動性を悪くすることもなく、また
注射器自身を長いものに採用することなく、区分用栓体
の後方のエアを安全に射出口側に抜き去ることができ
る。またエア抜きをしたからと言って、前方の薬液の投
与開始時に、区分用栓体がバイパス手段に位置していな
いため、前方の薬液と後方の薬液が混合した状態で患者
に投与するおそれもない。このため、特殊薬液の使用用
途により不都合が生じることがない。例えば、先端部に
粘度の低い麻酔剤を収容し、後端部に粘度の高いヒアル
ロン酸等を収容した場合、両者を殆ど混合させることな
く患者に投与することができる。
【0013】請求項2又は3記載の注射器は、請求項1
記載の注射器における外筒に形成されるエア抜き通路を
簡単且つ容易に形成することを目的とするものである。
即ち、請求項2記載の注射器において、上記外筒を射出
口部材と基端筒部材とから構成し、上記エア抜き通路は
上記部材の接合部に形成されていることを特徴とする。
また請求項3記載の注射器において、上記エア抜き通路
は、上記区分用栓体の摺動域の外筒の内壁面に形成され
る溝条部であり、且つ上記区分用栓体が上記溝条部に位
置したときの上記外筒内壁面と栓体外壁面との間に形成
される空隙であることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の注射器は、請求項1記載の
注射器において上記区分用栓体の後方に貯留するエアが
確実にエア抜き通路を通過するようにすることを目的と
している。即ち、上記通路の端部には液濡れ防止穴が形
成されていることを特徴とする。後方の薬液、例えば、
ヒアルロン酸溶液等は非常に粘度が高い場合がある。こ
のため、その操作時にエア抜け通路の端部開口に貯留エ
アと接触する前にヒアルロン酸溶液が接触すれば、貯留
エアがスムースにエア抜け通路から出なくなるおそれが
ある。このため、上述の液濡れ防止穴を設けておけば、
注射器の射出口を上にして操作する限り、エア抜け通路
の端部開口にヒアルロン酸溶液がエア接触より先になる
心配がない。これは確実なエア抜け操作ができる効果に
繋がる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る注射器の好ましい実施例
を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係
る注射器の第一実施例における側断面図である。図2は
第一実施例の注射器における要部断面図である。図3
(A)及び(B)は第一実施例の注射器における筒部材
の側面図及び横断面図である。図4は第一実施例の注射
器における操作時の要部断面図である。図5は第一実施
例の注射器における操作時の要部断面図である。図6は
第一実施例の注射器における操作時の要部断面図であ
る。図7(A)及び(B)は第一実施例の注射器におけ
る液流通用バイパス手段の変形例を示す外筒の横断面図
である。図8は本発明に係る注射器の第二実施例におけ
る側断面図である。図9(A)乃至(C)は第二実施例
の注射器における操作時の側断面図である。図10は第
二実施例の注射器におけるエア抜き通路部分の外筒の横
断面図である。図11(A)及び(B)は従来の注射器
における側断面図である。
【0016】図1〜図6に示す第一実施例の注射器1
は、予め外筒2内に区分用栓体6を境に二液の薬液3、
4が収容されている。注射器1において、外筒2は樹脂
素材からなり、区分用栓体6の摺動域の外筒2内壁に、
内壁面と区分用栓体6との液密性を解除して薬液4を流
通させるバイパス手段8、及び区分用栓体6の後方に存
在するエア22を外筒2の射出口7側に流出させるエア
抜き通路21が形成され、またバイパス手段8はエア抜
き通路21より射出口7側に位置し、上記エア抜き通路
21は、区分用栓体6の後方の薬液4が通過中に生じる
通過抵抗力(R1)が摺動時の区分用栓体6の摺動力
(r)を上回るように細く形成されていると共に、薬液
4と共存するエアが通過中に生じる通過抵抗力(R0)
が摺動時の区分用栓体6の摺動力(r)を下回るように
太く形成されている。また、本実施例の注射器1は、外
筒2を射出口部材9と基端筒部材10とから構成し、エ
ア抜き通路21は部材9、10の接合部9A、10Aに
形成されている。更に、本実施例の注射器1は、エア抜
き通路21の端部に液濡れ防止穴24が形成されてい
る。
【0017】本実施例を更に説明すると、図1に示す如
く、注射器1の外筒2は、射出口部材9と、筒部材10
と、指架け部材11とを組み立てて形成されており、こ
れらは樹脂成形物からなる。射出口部材9及び筒部材1
0の外径は14.0mm、内径は10.5mmである。
射出口部材9と筒部材10とを組み合わせた長さは8
0.0mmである。樹脂は耐熱性のポリプロピレンから
なる。また本実施例では用いないが、樹脂として密度が
1.00乃至1.05g/cm3の範囲で、熱変形温度
(ASTM D648、4.6kg/cm2)が110℃以上、特
に120乃至140℃の範囲の環状ポリオレフィンが望
ましい。このような耐熱性樹脂を筒部材10とすると、
オートクレーブ滅菌処理の加熱時、内壁面2Aにガスケ
ット12や栓体5、6の弾性力が常にかかっていても熱
変形を起こすおそれがすくない。尚、外筒2の各部材は
上記樹脂に限ることはなく、その他のポリオレフィン系
樹脂の使用が可能であり、また成形方法は射出成形に限
ることはない。
【0018】組立外筒2内にはガスケット12、区分用
栓体6及び密栓用栓体5が所定の位置に挿入され、これ
らの部材5、6、12はゴム製で外筒2内壁面を液密に
摺動できるように配されている。密栓用栓体5及び区分
用栓体6は幅が7.5mmであり、各栓体5、6のリブ
部が外筒2の内壁面から受ける圧縮率7.5%である。
そして、各栓体5、6のそれぞれの摺動開始時の摺動抵
抗力(r)は1.5kg荷重であり、可動時の摺動抵抗
力は0.8kg荷重である。予め外筒2に充填される注
射剤は、麻酔剤からなる薬液3と粘度が25poisのヒア
ルロン酸溶液からなる薬液4とからなる。薬液3は外筒
2における密栓用栓体5と区分用栓体6との間に無菌的
に充填され、薬液4は区分用栓体6とガスケット12と
の間に無菌的に充填されている。また、本実施例では薬
液3、4は熱的に比較的安定であり、滅菌保証を高める
ため筒部材10と共にオートクレーブ滅菌処理しても良
い。薬液3は1.0ml充填され、充填時にエアがほぼ
0.25ml共存している。また薬液4は2.5ml充
填され、充填時にエアがほぼ0.5ml共存している。
尚、注射器1の最終組立の段階で、注射針14が射出口
7に取り付けられ、プランジャーロッド13がガスケッ
ト12に取付られる。
【0019】図1に示す如く、外筒2の射出口部材9の
内周面2Aには軸方向に沿って形成された複数の突条部
からなる液流通用バイパス手段8が設けられ、バイパス
手段8の全長は、栓体5及び栓体6のそれぞれの幅の総
和より長く、栓体5、6及びガスケット12の幅より短
く形成されている。但し、本発明では、できる限り、密
栓用栓体5の幅及び区分用栓体6の幅の総和とほぼ等し
くなることが望ましい。バイパス手段8をかかる総和よ
り極端に長く形成すると、前方の薬液3が外筒2内から
完全に排出されない状態で、後方の薬液4が射出口7側
に流出して混合する危険性が生じるからである。従っ
て、バイパス手段8の長さは、上記総和の1.5倍以下
であることが望ましい。本実施例では突条部が長さ1
6.0mm、高さ0.6mmに形成されている。かかる
バイパス手段8の突条部に栓体5、6が位置したとき、
それぞれのリブが突条部で折り曲げ変形するため内周面
2Aと栓体5、6の外周面との液密性が失われて連通路
が生じる。また、バイパス手段8の形成位置は後述のエ
ア抜き通路21より射出口7側に形成されている。
【0020】図2及び図3に示す如く、射出口部材9及
び筒部材10には互いに熱溶着される接合部9A、10
Aが形成され、射出口部材9の接合部9Aはその内壁面
がくり貫かれて大径に形成され、筒部材10の接合部1
0Aはその外壁面が削られて小径に形成されている。接
合部9Aと接合部10Aとは互いに嵌着し、外部からの
超音波溶着により液密に接合される。図3に示す如く、
筒部材10の小径化された接合部10Aには四本の溝条
部23が軸方向に向けて形成され、またその溝条部23
の端部の内壁には円形状の液濡れ防止用穴24が形成さ
れている。かかる溝条部23は射出口部材9の接合部9
Aが筒部材10の接合部10Aに接合したときにエア抜
き通路21となる。かかる溝条部23の軸方向の長さは
区分用栓体6の幅より長く形成され、ガスケット12の
長さより短くなっていることが望ましい。本実施例では
9.0mmに形成してある。溝条部17の深さは0.3
mmで幅が0.1mmである。かかる溝条部23から形
成されたエア抜き通路21においては、区分用栓体6が
かかる通路21の間に位置したときに、ガスケット12
と区分用栓体6との間のエアがエア抜き通路をスムース
に流れる。一方、薬液4を外筒内に満たし、且つ区分用
栓体6を押さえ治具で固定した状態で、プランジャーロ
ッド13に5kg荷重を5秒間行ったが、薬液4は9m
mの通路から抜け出さない状態にある。
【0021】次に、本実施例の注射器1の製造方法につ
いて詳述する。上述のポリプロピレンを射出成形によ
り、外径14.0mm、内径10.5mmの筒部材10
に成形する。筒部材10の全長を57.0mmとし、成
形の際に外径が小径化された接合部10Aの長さを1
0.0mmに形成する。また、筒部材10の所定の内壁
に液濡れ防止用穴24を形成する。かかる筒部材10の
接合部10Aの外壁面に厚さ0.08mmの熱溶断カッ
タで切れ込みを付けて、深さ0.3mmで幅0.1mm
の溝条部23を形成して筒部材10の成形を完了する。
上述のポリプロピレンを射出成形により、外径14.0
mm、内径10.5mmの筒部及び外径3.0mm、内
径1.0mmの射出口部を含む射出口部材9を成形す
る。射出口部材9の筒部の全長を33.0mmとし、成
形の際に、筒部基端の内径が大径化された接合部9Aの
長さを10.0mmに形成し、筒部の射出口付近に軸方
向に形成される4本の突条部23を長さ16.0mm、
高さ0.6mmに形成する。上述のポリプロピレンを射
出成形により、指架け部材11を成形する。上記射出口
部材9と上記筒部材10を接合部9A、10Aで熱接着
により液密に接合する。そして、指架け部材11を筒部
材10の基端に嵌合固着して外筒2を形成する。
【0022】次に、密栓用栓体5を外筒2の所定位置に
挿入し、次に、麻酔液である薬液3を1.0ml無菌充
填し、区分用栓体6を外筒2の所定位置に挿入しする。
次に、ヒアルロン酸溶液である薬液4を2.5ml無菌
充填する。そして、ガスケット12を外筒2内に挿入
し、薬液4を液密に収容する。尚、薬液3及び4の充填
の際に多少のエアが貯留しても良い。また、必要によ
り、かかる外筒2と共に注射液3、4をオートクレーブ
滅菌処理しても良い。滅菌温度は105℃乃至140
℃、特に、筒部材2Aが樹脂素材を考慮して105℃乃
至115℃の範囲で行う。
【0023】次に、第一実施例の注射器1の操作方法を
詳述する。図2に示す如く、注射器1のガスケット12
と区分用栓体6の間には粘度の高い薬液4の他にエア2
2が貯留された状態になっており、かかる状態で、プラ
ンジャーロッド13をほぼ1.5kgで押圧する。これ
により、ガスケット12が外筒2内を摺動し、それと共
に密栓用栓体5及び区分用栓体6も摺動される。そし
て、図4に示す如く、区分用栓体6がエア抜け通路21
の開口の位置を超える。図4に示す注射器1において
は、ガスケット12が押圧されるにも拘わらず、区分用
栓体6が停止する。これは、薬液4と共存するエア22
がエア抜け通路21を介して薬液3の収容側に抜け、更
には薬液3に貯留しているエアと共に射出口7側にバイ
パス手段8を介して流出する。この場合、エア抜け通路
21の開口には濡れ防止用穴24が形成され、かかる防
止用穴24があるが故に、高粘度の薬液4が先に通路2
1の開口に浸るおそれが少なくなる。このため、エア2
2より先に濡れてこれが開口を塞ぐ原因とならない。図
5に示す如く、エア22が完全にガスケット12と区分
用栓体6との間から抜け出たとき、薬液4がエア抜け通
路21に侵入しようとするが、上述のように通過抵抗力
(R)が高く、通路21の途中で止まった時点で、区分
用栓体6が1.5kg荷重の押圧力を受け再び区分用栓
体6が摺動する。
【0024】図6に示す如く、再び区分用栓体6が摺動
することにより、密栓用栓体5はバイパス手段8に位置
し、区分用栓体6の前方の薬液3が射出口7側に流出
し、かかる部分にエアを完全に抜いた状態で一旦止め
る。そして、図6に示す状態で完全にエアを抜いた後、
患者に注射針14を刺通し、その注射を開始する。注射
を開始すると、先ず、薬液3が投与され、かかる投与中
に薬液4が薬液3に混入してくるおそれは従来のように
ない。即ち、薬液4は区分用栓体6が未だバイパス手段
8に位置しないため、薬液3と区分された状態で押し込
まれる。そして、薬液3がほぼ完全に注射器1内から流
出した時点で、区分用栓体6がバイパス手段8の位置に
達し、後方の薬液4がバイパス手段8を介して患者へと
投与される。以上のことから本実施例の注射器1は、薬
液4と共存するエアを簡単かつ容易に除去した後に患者
に適用することができる。また、注射器1の構造におい
ては特別のガスケット構造を用いることがないため、コ
ンパクトな注射器となる。また、従来のように前方の薬
液と後方の薬液が混ざった状態で患者に投与されるおそ
れも少ない。
【0025】次に、本実施例に係る注射器に用いられる
バイパス手段の変形例を図7に従って説明する。即ち、
バイパス手段は図7(A)に示す如く、射出口部材33
の内壁面に形成される溝条部34、34、34、34で
あっても良い。このような溝条部34も液流通を可能に
するバイパス手段となる。また、バイパス手段は図7
(B)に示す如く、外筒35内円形状が扁平円形状であ
り、栓体6が外筒35に位置すると内壁面の一部が栓体
6から離間するように構成されている。そして、離間部
が液流通路となる。上記実施例の注射器1は、外筒2を
3つの部材に分けて構成したが、これに限るものではな
く、射出口部材及び指架け部材と共に、外筒2を一体成
形しても良い。また、射出口7にゴムキャップを設けた
ものとしても良い。
【0026】次に、本発明に係る注射器の第二実施例に
ついて詳述する。図8は本発明に係る注射器の第二実施
例の断面図である。図9(A)乃至(C)は第二実施例
の注射器の操作時の断面図である。図10は第二実施例
の注射器のエア抜き通路が形成される外筒の横断面図で
ある。図8乃至図10の注射器41は、第一実施例の注
射器1とほぼ同様な部材及び構造が用いられており、類
似の部材及び構造については第一実施例の注射器1と同
一の符号を付してその詳しい説明を省略する。第二実施
例の注射器41が第一実施例の注射器1と異なる点は以
下の部分である。外筒42内には密封用栓体がなく、そ
の代わりに射出口部材9の射出口7に密封用キャップ4
3が設けられている。従って、区分用栓体6の前方の薬
液3は射出口7と区分用栓体6の間にエアを存在させな
がら充填されている。射出口部材9に形成されるバイパ
ス手段44は、その外筒42部分としての摺動内径
(S)が区分用栓体6の径より拡径にして構成されてい
る。このような拡径部分に区分用栓体6が位置すると、
これらの外壁面と内壁面との液密性が解除され、液流通
可能となる(図9(C))。図10に示す如く、筒部材
10には軸方向に区分用栓体6より長い深さ0.2mm
で幅が0.2mmの2本の溝条部46、46がエア抜き
通路として形成されている。区分用栓体6がかかる溝条
部46、46に位置した時、区分用栓体6のリブが外筒
42の内壁面を押圧しているため、溝条部46における
外筒42の内壁面とリブの外壁面とで形成される空隙通
路の面積は0.02mm2程度になる。そして、かかる
エア抜き通路での通過抵抗力(R1)は区分用栓体6の
摺動抵抗力(r)より大であり、通過抵抗力(R0)は
区分用栓体6の摺動抵抗力(r)より小であった。
【0027】このような構成においても、注射器41の
プランジャー13を図8の状態から押圧すると、先ず、
区分用栓体6がエア抜け通路45の位置で一旦停止し
(図9(A))、薬液4と共に貯留するエア22が溝条
部46を通過して薬液3が貯留する射出口7側に抜け
る。エア22が完全に抜けたとき、薬液4がエア抜け通
路45を通過しようとするが、通過抵抗力(R)が摺動
抵抗力(r)を上回るため、区分用栓体6が再び摺動を
はじめ、薬液3と共に貯留しているエアが射出口7から
完全に排出し、図9(B)に示す如く、患者へのエアな
し状態での投与が可能となる。また、投与中に、区分用
栓体6が薬剤3が排出されるまで完全にバイパス手段4
4内に位置しないため、薬液3と薬液4との混合も生じ
ない。上記各実施例の注射器1、41では、外筒2、4
2を3つの部材に分けて構成したが、これに限るもので
はなく、射出口部材及び指架け部材と共に、外筒2、4
2を一体成形しても良い。上記各実施例の注射器1、4
1では、外筒2、42内に区分用栓体を1個設けたが、
薬液の分割数に応じて更に設けても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る予め外
筒内に区分用栓体を境に二液以上の薬液が収容される注
射器において、上記外筒は樹脂素材からなり、上記区分
用栓体の摺動域の上記外筒内壁に、該内壁面と上記区分
用栓体との液密性を解除して薬液を流通させるバイパス
手段及び該区分用栓体の後方に存在するエアを該外筒の
射出口側に流出させるエア抜き通路が形成され、また上
記バイパス手段は上記エア抜き通路より射出口側に位置
し、上記エア抜き通路は、上記区分用栓体の後方の薬液
が通過中に生じる通過抵抗力(R1)が摺動時の上記区
分用栓体の摺動力(r)を上回るように細く形成されて
いると共に、上記薬液と共存するエアが通過中に生じる
通過抵抗力(R0)が摺動時の上記区分用栓体の摺動力
(r)を下回るように太く形成されているので、多成分
用の注射器においての外筒内のエア抜きが確実にでき、
また投与前、投与中においても薬液同士の混合が生じ
ず、またガスケットの摺動性、及びコンパクト化が維持
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る注射器の第一実施例におけ
る側断面図である。
【図2】図2は第一実施例の注射器における要部断面図
である。
【図3】図3(A)及び(B)は第一実施例の注射器に
おける筒部材の側面図及び横断面図である。
【図4】図4は第一実施例の注射器における操作時の要
部断面図である。
【図5】図5は第一実施例の注射器における操作時の要
部断面図である。
【図6】図6は第一実施例の注射器における操作時の要
部断面図である。
【図7】図7(A)及び(B)は第一実施例の注射器に
おける液流通用バイパス手段の変形例を示す外筒の横断
面図である。
【図8】図8は本発明に係る注射器の第二実施例におけ
る側断面図である。
【図9】図9(A)乃至(C)は第二実施例の注射器に
おける操作時の側断面図である。
【図10】図10は第二実施例の注射器におけるエア抜
き通路部分の外筒の横断面図である。
【図11】図11(A)及び(B)は従来の注射器にお
ける側断面図である。
【符号の説明】
1、41 注射器 2、42 外筒 3、4 薬液 5 密栓用栓体 6 区分用栓体 7 射出口 8 バイパス手段 9 射出口部材 10 筒部材 11 指架け部材 12 ガスケット 13 プランジャー 14 注射針

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め外筒内に区分用栓体を境に二液以上
    の薬液が収容される注射器において、 上記外筒は樹脂素材からなり、上記区分用栓体の摺動域
    の上記外筒内壁に、該内壁面と上記区分用栓体との液密
    性を解除して薬液を流通させるバイパス手段及び該区分
    用栓体の後方に存在するエアを該外筒の射出口側に流出
    させるエア抜き通路が形成され、また上記バイパス手段
    は上記エア抜き通路より射出口側に位置し、 上記エア抜き通路は、上記区分用栓体の後方の薬液が通
    過中に生じる通過抵抗力(R1)が摺動時の上記区分用
    栓体の摺動力(r)を上回るように細く形成されている
    と共に、上記薬液と共存するエアが通過中に生じる通過
    抵抗力(R0)が摺動時の上記区分用栓体の摺動力
    (r)を下回るように太く形成されているを特徴とする
    注射器。
  2. 【請求項2】 上記外筒を射出口部材と基端筒部材とか
    ら構成し、上記通路は上記部材の接合部に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の注射器。
  3. 【請求項3】 上記エア抜き通路は、上記区分用栓体の
    摺動域の外筒の内壁面に形成される溝条部であり、且つ
    上記区分用栓体が上記溝条部に位置したときの上記外筒
    内壁面と栓体外壁面との間に形成される空隙であること
    を特徴とする請求項1記載の注射器。
  4. 【請求項4】 上記エア抜き通路の端部には液濡れ防止
    穴が形成されていることを特徴とする請求項2又は3記
    載の注射器。
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