JPH11169460A - 2室型プレフィルドシリンジ - Google Patents

2室型プレフィルドシリンジ

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JPH11169460A
JPH11169460A JP10234809A JP23480998A JPH11169460A JP H11169460 A JPH11169460 A JP H11169460A JP 10234809 A JP10234809 A JP 10234809A JP 23480998 A JP23480998 A JP 23480998A JP H11169460 A JPH11169460 A JP H11169460A
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JP
Japan
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syringe
chamber
plug
communication port
component
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JP10234809A
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Nobuyoshi Tanaka
伸佳 田中
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2室に収容された両成分を、両頭針等を使用
しない簡単な構造で容易に混合し、しかも、全長をコン
パクトに構成する。 【解決手段】 第1シリンジ(6)内に形成される第1室
(8)に第1成分(10)を収容し、第1シリンジ(6)の後端
側から挿入した第2シリンジ(7)の先端周囲に第1後栓
(13)を固着して両シリンジ(6・7)間を密封する。第2
シリンジ(7)の先端に連通口(14)を設けて、第2前栓(1
5)で摺動可能に密封する。第2シリンジ(7)内に形成さ
れる第2室(9)に第2成分(11)を収容して後端側を第2
後栓(17)で摺動可能に密封する。第2後栓(17)を上記連
通口(14)に対して前進させることにより、第2室(9)内
の圧力を高めて第2前栓(15)を前進させ、これにより連
通口(14)を開封して第1室(8)内と第2室(9)内とを互
いに連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射剤とその溶解
液等の2成分をそれぞれ別個の室内にあらかじめ収容し
た2室型プレフィルドシリンジに関し、さらに詳しく
は、2室間の連通に両頭針等を使用しない簡単な構造で
上記2成分を容易に混合できるものでありながら、しか
も、全長をコンパクトに構成した2室型プレフィルドシ
リンジに関する。
【0002】
【発明の背景】あらかじめ注射薬が充填されたいわゆる
プレフィルドシリンジには、注射薬を構成する複数の成
分が互いに混合されていると早期に分解や変質し易い場
合があるため、プレフィルドシリンジ内を2室に分け
て、所定の成分とその溶解液や分散液あるいは他の液体
成分等とを分離させた状態で収容する、2室型プレフィ
ルドシリンジがある。
【0003】
【従来技術】上記従来の2室型プレフィルドシリンジと
しては、例えば特開昭49−77487号公報に開示の
ように、それぞれ収容室を有する2つのシリンジから構
成されたもの(以下、従来技術1という)と、例えば特開
平6−142203号公報に開示のように、1つのシリ
ンジ内に2室を形成したもの(以下、従来技術2という)
とがある。
【0004】上記従来技術1は、例えば図12に示すよ
うに、先端に針装着部(51)を固定した送出口(52)を有す
る第1シリンジ(53)内に第1室(54)を形成してその後端
側を第1後栓(55)で密封し、その後方に第2シリンジ(5
6)の先端を挿入して、この第2シリンジ(56)の先端を第
2前栓(57)で密封し、この第2シリンジ(56)内に第2室
(58)を形成してその後端側を第2後栓(59)で密封してあ
る。上記第1後栓(55)の後方には上記第1シリンジ(53)
と第2シリンジ(56)との間に操作用の第3シリンジ(60)
が配置してあり、この第3シリンジ(60)の頭部(61)に上
記第1後栓(55)を固定してある。そしてこの第3シリン
ジ(60)の頭部(61)内に針支持体(62)を摺動可能に配置
し、この針支持体(62)に支持した両頭針(63)の各先端を
それぞれ上記第1後栓(55)と第2前栓(57)とに臨ませて
ある。
【0005】上記2成分の混合操作は、先ず第2シリン
ジ(56)を第3シリンジ(60)に対し前進させて、上記両頭
針(63)の後端で第2前栓(57)を刺通するとともに、針支
持体(62)も前進させて両頭針(63)の先端で上記第1後栓
(55)を刺通することにより行う。そしてこの両頭針(63)
を介して第1室(54)内と第2室(58)内とが互いに連通
し、上記第2後栓(59)をプランジャーロッド(64)で押圧
することにより第2室(58)内の液体成分を第1室(54)内
に注入して注射薬が調製される。
【0006】上記従来技術2は、例えば図13に示すよ
うに、シリンジ(71)内の中間部に中間栓(72)を配置して
シリンジ(71)内を前方の第1室(73)と後方の第2室(74)
とに区画し、第1室(73)に第1成分(75)を収容するとと
もに、第2室(74)に第2成分(76)を収容し、この第2室
(74)の後方をプランジャーを構成する後栓(77)で密封し
てある。上記中間栓(72)の前方には、第1室(73)の周壁
にバイパス路(78)が形成してあり、後栓(77)をプランジ
ャーロッド(79)で押圧して第2室(74)内の圧力を高め、
中間栓(72)をバイパス路(78)の位置まで前進させると、
第1室(73)と第2室(74)とがこのバイパス路(78)を介し
て連通し、第2室(74)内の第2成分(76)がバイパス路(7
8)を経て第1室(73)内に流入するように構成してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1では、
第1後栓(55)と第2前栓(57)との間に両頭針(63)を配置
しなければならず、部品点数が多く、組付操作が容易で
ないうえ、第1シリンジ(53)内に両頭針(63)の収容スペ
ースを要するため組付け時の全長が長くなる問題があ
る。しかも、第1後栓(55)と第2前栓(57)とを両頭針(6
3)で刺通するには、第1後栓(55)を支持した状態で第2
前栓(57)を前進させなければならず、第3シリンジ(60)
を要するなど連通のための構造が複雑であるうえ、例え
ば第2前栓(57)のみが先に両頭針(63)で刺通された場合
にはこの両頭針(63)の収容スペース内に第2成分が漏出
する虞れもある。さらに、注射薬の調製操作は、両頭針
(63)による連通操作と第2室(58)内の液体成分を第1室
(54)内へ流入させる注入操作との2段階からなり煩雑で
ある問題もある。
【0008】一方、上記従来技術2では、簡単な構造で
確実に連通操作ができるものの、上記第1室(73)と第2
室(74)とがシリンジ(71)内に直列状に設けてあるため、
投薬時には上記プランジャーを構成する後栓(77)を、シ
リンジ(71)の後端部から前端部まで略全長に亘って前進
させなければならない。このため、プランジャーロッド
(79)を長く形成する必要があり、プレフィルドシリンジ
の組付け時の全長が長くなる問題がある。さらに上記中
間栓(72)をバイパス路(78)の位置まで前進させることに
より第1室(73)と第2室(74)とを連通させるため、シリ
ンジ(71)内にこの移動スペースを必要とするが、この中
間栓(72)はシリンジ(71)の断面全体を確実に封止するた
め比較的厚みのある栓体で構成する必要があり、従って
上記バイパス路(78)や中間栓(72)の移動スペースも長く
しなければならず、組付け時の全長が一層長くなる問題
がある。また、第2成分(76)を第1室(73)内に注入する
操作と注射薬の投薬操作とがいずれも後栓(77)を前進さ
せる同様の操作であるため、注入操作の終了時点を誤ら
ないように確認しながら慎重に操作しなければならない
問題もある。
【0009】本発明は上記問題点を解消し、2室間の連
通に両頭針等を使用しない簡単な構造で上記2成分を容
易に混合できるものでありながら、しかも、全長をコン
パクトに構成した2室型プレフィルドシリンジを提供す
ること技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1か
ら図9に基づいて説明すると、2室型プレフィルドシリ
ンジを次のように構成したものである。すなわち本発明
は、先端に送出口(2)を有する第1シリンジ(6)と、こ
の第1シリンジ(6)の後端側から先端を挿入した第2シ
リンジ(7)とを備え、上記第1シリンジ(6)内に形成さ
れる第1室(8)に注射薬の第1成分(10)を収容するとと
もに、上記第2シリンジ(7)の先端周囲に第1後栓(13)
を上記第1シリンジ(6)の内面に対して摺動可能に固着
して、この第1後栓(13)により第1シリンジ(6)の内面
と第2シリンジ(7)との間を密封し、上記第2シリンジ
(7)の先端に連通口(14)を設けてこの連通口(14)を第2
前栓(15)で摺動可能に密封し、上記第2シリンジ(7)内
に形成される第2室(9)に注射薬の第2成分(11)を収容
してこの第2シリンジ(7)の後端側を第2後栓(17)で摺
動可能に密封し、上記第2後栓(17)を上記連通口(14)に
対して前進させることにより、上記第2室(9)内の圧力
を高めて上記第2前栓(15)を前進させ、この第2前栓(1
5)の前進移動により上記連通口(14)を開封して上記第1
室(8)内と第2室(9)内とを互いに連通可能に構成した
ことを特徴とする。
【0011】上記第1成分とは、粉末、マイクロカプセ
ル、粒剤、錠剤などの固形や液体の成分をいう。また、
上記第2成分とは、第1成分の溶解液、分散液、希釈
液、もしくは他の液体薬剤等をいう。いずれも特定の成
分には限定されない。
【0012】
【作用】第2後栓を第2シリンジ内で前進させると、第
2室内の圧力が高まり、第2前栓が前進移動して第2シ
リンジ先端の連通口が開口し、第2室内の第2成分が第
1室内へ流入する。第2後栓を第2シリンジ内の先端ま
で押し進めると注入操作が完了し、第1室内で両成分を
十分に混合し均一に溶解又は分散させる。その後、第2
シリンジを第1シリンジ内に押し込むことにより第1後
栓が前進し、注射薬が投与される。なお、上記連通口
は、第1シリンジや第2シリンジの内径に比べて小さ
く、従ってこれを密封する第2前栓は小形に形成され
る。
【0013】上記第2前栓を前進させて第2シリンジ先
端の連通口を開口させる際に、第2前栓が第1室内に入
り込んで自由に移動する状態となると、投薬時に第1シ
リンジ先端を閉塞する虞れがあり、また、第1後栓等で
支持するように構成した場合には傾いて両室の連通を阻
害する虞れがある。しかしながら、上記第2前栓の後端
に、上記連通口の内径と略等しい外径を有する直進ガイ
ド部を延設し、この直進ガイド部に連通路を形成した場
合には、連通口を開口させる際に直進ガイド部が連通口
に支持され、第2前栓が所定の姿勢に維持され、しかも
連通路により両室が互いに連通される。なお、上記連通
路は、直進ガイド部の周面に設けてもよく、或いは内部
に形成して両端をそれぞれ直進ガイド部の外面に開口し
てもよい。
【0014】上記第2室に収容した第2成分に対し加熱
蒸気により殺菌処理を施した場合、この処理時に上記第
2前栓が水分を吸着し、この水分が第1室内の第1成分
に悪影響を及ぼす虞れがある。これに対し、上記第2前
栓の前方に乾燥栓体を配置してこの乾燥栓体で上記連通
口の先端部を密封し、この乾燥栓体による封止を上記第
2前栓の前進により開封可能に構成した場合には、第2
前栓が第1室内に直接露出することがなくなり、第1成
分への悪影響が防止される。
【0015】上記連通口を開口するため上記第2後栓を
前進させる際に、第1シリンジに対して第2シリンジも
前進すると第2室の内圧が高まりにくくなり、この結
果、第2前栓が相対移動せず連通口が開口しない虞れが
ある。これに対し、上記第1シリンジと上記第2シリン
ジとの間にスペーサーを配置して、上記第2後栓の上記
連通口に対する前進移動中は第1シリンジに対して第2
シリンジを前進移動不能に維持し、上記第2成分が上記
第1室に流入した後はこのスペーサーを離脱させて、上
記第2シリンジを第1シリンジに対して前進可能に構成
した場合には、連通・注入操作中はこのスペーサーによ
り第1シリンジに対して第2シリンジが前進移動するこ
とがなく、第2室の内圧が高まって前栓が確実に前進移
動し、連通口が開口する。しかも両成分を混合させ注射
薬を調製したのちは、投薬する際に上記スペーサーが簡
単に離脱され、第1シリンジに対する第2シリンジや第
1後栓の移動が可能となる。
【0016】なお、上記スペーサーは両シリンジの相対
位置を移動不能に維持できるものであればよく、特定の
形状や構造に限定されないが、例えば断面がC字形の、
一部を切り欠いた円筒に形成して第1シリンジの後端に
付設された第1フィンガーグリップと第2シリンジの後
端に付設された第2フィンガーグリップとの間に架設す
ると、着脱が容易である。さらにこのスペーサーの外面
に第3のフィンガーグリップを形成すると、この第3フ
ィンガーグリップを利用することにより上記連通操作や
注入操作を容易に行うことができ、しかもこの第3フィ
ンガーグリップを掴んでスペーサーを容易に離脱させる
ことができる。
【0017】また、上記第1シリンジの先端側を密封し
て上記第1室内を気密保持可能に構成した場合、第2後
栓の前進により第2シリンジや第1後栓が前進すると第
1室内の圧力が高まって第1後栓の前進が抑制される。
このとき第1シリンジ内面と第1後栓との摩擦力により
第2シリンジの前進は抵抗を受けるので、第2室内は第
1室内よりも圧力上昇が高くなり、この結果、第2前栓
が第1室側へ押圧されて連通口に対し前進移動し、連通
口が開口する。そして、この連通口の開口により両室内
が互いに連通すると、第2成分が第1室内へ流入すると
ともに、その流入による第1室内の圧力上昇で第1後栓
と第2シリンジとが後方へ押し戻される。これにより、
第1室内に十分な広さの空間が確保され、第2成分が第
1室内へ円滑に流入して第1成分と容易に混合溶解され
る。
【0018】上記第1後栓に上記第2前栓の外径と略等
しい摺動孔をこの連通口の前方に連なる状態に設けて、
この摺動孔内に上記前進移動した第2前栓を受入れ可能
に構成し、この摺動孔の内面に連通溝を形成して上記第
2室内の第2成分を第1室内へ案内可能に構成した場合
には、上記連通口が開口した後は、第2前栓がこの摺動
孔内に受け止められるので第1室内を自由に移動するこ
とがなく、しかも、上記連通溝を介して第1室と第2室
とが互いに良好に連通する。なお、上記摺動孔に第2前
栓が受け止められて連通口に支持されることから、この
場合には上記直進ガイド部は必ずしも必要とされない。
しかしながら、この場合にも第2前栓の後端に直進ガイ
ド部を延設すると、この直進ガイド部により第2前栓の
移動姿勢が保持され、摺動孔内へ円滑に案内することが
できる。また、上記連通溝の少なくとも先端部を螺旋方
向に形成した場合には、この連通溝を通過する際に第2
成分の第1室へ流入する勢いが削がれるうえ、第2成分
が連通溝から螺旋方向に飛び出すことから、第1シリン
ジの先端側へ勢いよく到達して第1前栓の周囲から一部
漏出してしまうような虞れがなく、両成分を確実に混合
して注射薬を調製することができる。
【0019】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1〜図5は本発明の第1実施形態を示
し、図1は注射薬の第1成分である粉末薬剤と第2成分
である溶解液を互いに分離して収容した保管状態の2室
型プレフィルドシリンジの断面図、図2は第2シリンジ
先端近傍の破断斜視図、図3は連通・注入操作中の第2
シリンジ先端近傍の断面図、図4は2成分を互いに混合
・溶解して投薬準備を完了した状態の2室型プレフィル
ドシリンジの断面図、図5は断面がC字形の、一部を切
り欠いた円筒形のスペーサーの斜視図である。
【0020】図1に示すようにこの2室型プレフィルド
シリンジ(1)は、先端の送出口(2)に針装着部(3)を固
定して針ケース(4)で保護された注射針(5)を装着した
第1シリンジ(6)と、この第1シリンジ(6)の後端側か
ら先端を挿入した第2シリンジ(7)とを備え、第1シリ
ンジ(6)内に形成される第1室(8)に注射薬の第1成分
である粉末薬剤(10)を収容するとともに、第2シリンジ
(7)内に形成される第2室(9)に第2成分である溶解液
(11)を収容してある。
【0021】上記第1室(8)の先端側は第1前栓(12)で
摺動可能に密封してあり、後端側は上記第2シリンジ
(7)の先端周囲に第1後栓(13)を第1シリンジ(6)の内
面に対して摺動可能に固定して、第1シリンジ(6)の内
面と第2シリンジ(7)との間を密封してある。
【0022】また、上記第2室(9)は、上記第2シリン
ジ(7)の先端に連通口(14)を設けて上記第1室(8)と連
通可能に構成するとともに、この連通口(14)を第2前栓
(15)で摺動可能に密封し、保管中は両室(8・9)間の連
通を互いに遮断してある。なお、上記第2前栓(15)の前
方には乾燥栓体(16)を配置してこの第2前栓(15)が第1
室(8)内に直接露出しないように上記連通口(14)の先端
部を密封し、上記第2前栓(15)の前進によりこの乾燥栓
体(16)を前方へ移動可能に構成してある。一方、上記第
2室(9)の後端側にはプランジャーを構成する第2後栓
(17)で摺動可能に密封してあり、この第2後栓(17)の後
方にプランジャーロッド(18)の先端を螺着固定してあ
る。このプランジャーロッド(18)の周面には、図1に示
すように突起が設けてあり、この突起を後述の第2フィ
ンガーグリップ(20)に受け止めてプランジャーロッド(1
8)が後退しないようにしてある。上記第2後栓(17)を誤
って後退させると第2室(9)内が負圧になって第2前栓
(15)や乾燥栓体(16)が第2室(9)内に引き込まれる虞れ
があり、これを防止するためである。
【0023】上記第1シリンジ(6)の後端に第1フィン
ガーグリップ(19)を、上記第2シリンジ(7)の後端に第
2フィンガーグリップ(20)をそれぞれ固定し、両フィン
ガーグリップ(19・20)間に、図5に示す断面がC字形
の、一部を切り欠いた円筒形のスペーサー(21)を配置し
て、第2シリンジ(7)が第1シリンジ(6)に対して前進
移動しないように構成してある。なお、このスペーサー
(21)の外面には第3フィンガーグリップ(22)が付設して
あり、プランジャーロッド(18)の移動操作の際に指先を
掛けて操作し易いようにしてある。さらに、スペーサー
(21)の先端内面には上記第1フィンガーグリップ(19)の
所定位置に固定できるように係合部(23)が設けてある。
【0024】図2に示すように、上記第2前栓(15)の後
端には上記連通口(14)の内径と略等しい外径を有する直
進ガイド部(24)を延設してあり、この直進ガイド部(24)
の外面には連通路(25)を形成してある。
【0025】また、上記第1後栓(13)には上記第2前栓
(15)の外径と略等しい摺動孔(26)をこの連通口(14)の前
方に連なる状態に設けてあり、後述の連通操作時に前進
移動した第2前栓(15)及び乾燥栓体(16)をこの摺動孔(2
6)内に上記受入れ可能に構成してある。この摺動孔(26)
の内面には先端部が螺旋方向に捩られた連通溝(27)を形
成してあり、上記連通口(14)が開封された後は上記第2
室(9)内の溶解液(11)を第1室(8)内へ案内可能に構成
しある。なお、上記摺動孔(26)の先端内面には上記乾燥
栓体(16)や第2前栓(15)の飛び出しを防止するための停
止突起(28)を突設してある。また、上記乾燥栓体(16)の
先端に突起部(29)を形成して、投薬時に上記摺動孔(26)
内に残る注射薬をできるだけ少なくするように構成して
ある。
【0026】なお、上記図1に示す2室型プレフィルド
シリンジ(1)は、例えば次の手順で組付けられる。最初
に第2シリンジ(7)を、先端の連通口(14)を第2前栓(1
5)で密封し溶解液(11)を収容して後端側を第2後栓(17)
により密封した状態で加熱蒸気等により滅菌する。次い
で、上記連通口(14)内の第2前栓(15)の前方に乾燥栓体
(16)を嵌入するとともに、この第2シリンジ(7)の先端
に第1後栓(13)を固定する。この状態で先端を第1シリ
ンジ(6)の後方から挿入するとともに、第1シリンジ
(6)内に粉末薬剤(10)を収容し、先端側を第1前栓(12)
で密封する。或いは、先端側を第1前栓(12)であらかじ
め密封し粉末薬剤(10)を収容した第1シリンジ(6)の後
端側に上記第2シリンジ(7)の先端側を挿入してもよ
い。その後、第1シリンジ(6)先端の送出口(2)に針装
着部(3)を固定し、注射針(5)を針ケース(4)とともに
装着し、第2後栓(17)にプランジャーロッド(18)を取付
け、スペーサー(21)を装着して組付を完了する。
【0027】上記2室型プレフィルドシリンジ(1)は、
上記プランジャーロッド(18)を押圧することにより、投
薬準備の操作、即ち第2室内の溶解液を第1室に注入し
て粉末薬剤を溶解する操作が行なわれる。即ち、図1の
状態から上記プランジャーロッド(18)を押圧すると第2
後栓(17)が第2シリンジ(7)内を前進して第2室(9)内
の圧力が高まり、第2前栓(15)が乾燥栓体(16)とともに
連通口(14)内を前方へ押圧されて第1後栓(13)内の摺動
孔(26)内を前進し、図3に示すように、上記連通口(14)
が開封される。これに連れて前記直進ガイド部(24)が連
通口(14)内に挿嵌され、この直進ガイド部(24)と上記摺
動孔(26)により上記第2前栓(15)が所定の姿勢に保持さ
れる。なお、上記スペーサー(21)の先端は内面の係合部
(23)を第1フィンガーグリップ(19)に係合してあるの
で、例えば第3フィンガーグリップ(22)とプランジャー
ロッド(18)の後端(30)との間に指を掛けて操作しても、
上記連通・注入操作中に第1シリンジ(6)はこのスペー
サー(21)を介して後方へ引き付けられ、このスペーサー
(21)に支持されて第2シリンジ(7)との相対位置が保持
される。
【0028】上記直進ガイド部(24)の周面には連通路(2
5)が形成してあり、また上記第1後栓(13)の摺動孔(26)
の内面に連通溝(27)が形成してあるので、この連通路(2
5)と連通溝(27)とを介して上記第1室(8)内と第2室
(9)内とが互いに連通し、上記第2後栓(17)に押圧され
た溶解液(11)はこの連通路(25)と連通溝(27)とを順に経
て第1室(8)内へ注入される。このとき、上記連通溝(2
7)の先端は螺旋状に形成してあるので、溶解液(11)は第
1室(8)内に広がりながら緩やかに流入する。
【0029】上記溶解液(11)の流入による体積増加によ
り第1室(8)内の圧力が高まろうとするが、第1前栓(1
2)が前進し、針装着部(3)内の空気が注射針(5)を経て
針ケース(4)を装着部した隙間から流出して、第1室
(8)内の圧力上昇が抑制されるので溶解液(11)が第1室
(8)内へ円滑に流入する。なお、第1シリンジ(6)の先
端が注射針(5)の装着やその他の手段により確りと密封
され気密保持されている場合は、上記第1室(8)内の圧
力上昇により第1後栓(13)や第2シリンジ(7)が後方へ
押し戻されようとするが、この第1後栓(13)は第1シリ
ンジ(6)の後端から十分長く挿入されており、また仮に
この第1後栓(13)が第1シリンジ(6)の後端にまで後退
しても第1フィンガーグリップ(19)の内面に係止される
ので、第1後栓(13)が第1シリンジ(6)の後端から抜け
外れる虞れはない。
【0030】第2後栓(17)が第2シリンジ(7)の先端に
達すると溶解液(11)の第1室(8)内への注入が完了し、
第1室(8)内の粉末薬剤(10)をこの溶解液(11)に溶解さ
せて投薬準備が完了する。なお上記注入操作の終了時点
は、図4に示すように、上記プランジャーロッド(18)の
後端(30)を第2シリンジ(7)後端の第2フィンガーグリ
ップ(20)に係合させることで明確に認知できるようにし
てあり、またこの係合により注入完了後は第2後栓(17)
が第2室(9)内を後退することがないように構成してあ
る。また、上記準備完了状態では上記スペーサー(21)を
第2シリンジ(7)の周囲に付設しておいてもよいが、投
薬時には取り外す必要があり、この第1実施形態では第
3フィンガーグリップ(22)を掴んで第2シリンジ(7)の
周囲から取り外したのち、前後を反転させて第1シリン
ジ(6)の周囲に装着し、前記係合部(23)を第1フィンガ
ーグリップ(19)の前端部に係止してある。
【0031】上記粉末薬剤(10)と溶解液(11)とから調製
された注射薬(31)は、針ケース(4)を外してプランジャ
ーロッド(18)とともに第2シリンジ(7)を押し進めて第
1後栓(13)を前進させることにより、通常の注射器と同
様に操作して投与される。なお図2に示すように、上記
第2シリンジ(7)の外面の中間部は上記第1フィンガー
グリップ(19)の内面で支持されており、プランジャーロ
ッド(18)を押圧するだけで第2シリンジ(7)を円滑に前
進させることができる。また、投薬が進みこのプランジ
ャーロッド(18)の後端(30)が第1フィンガーグリップ(1
9)に近づくとプレフィルドシリンジ(1)全体を安定して
支持し難くなる虞れがあるが、この場合には上記スペー
サー(21)外面の第3フィンガーグリップ(22)を利用する
ことにより安定してプレフィルドシリンジ(1)を支持す
ることができ、安全に投薬することができる。
【0032】上記実施形態では断面がC字形の、一部を
切り欠いた円筒形のスペーサー(21)を用いたが、上記ス
ペーサーは第1シリンジと第2シリンジとの相対位置を
移動不能に構成してあればよく、特定の形状や構造に限
定されない。例えば図6に示す第1変形例では、断面が
楔形でゴム製の円環状スペーサー(32)を用いてある。な
お、この円環状スペーサー(32)は円周の一部で切断して
あり、上記連通・注入操作ののちこの切断箇所から取り
外される。
【0033】また、上記第1実施形態では、スペーサー
の外面に第3フィンガーグリップを形成してこのフィン
ガーグリップを投薬時に利用できるように構成してある
が、これに代えて、例えば図7に示す第2変形例のよう
に、単独のフィンガーグリップ(33)を第1シリンジ(6)
の周囲に付設して用いてもよい。即ちこの第2変形例で
は内面に摩擦係数の高いゴムライニング(34)を施したフ
ィンガーグリップ(33)で第1シリンジ(6)の周面を挟着
するように構成してあり、投薬中に指先を掛けても容易
に移動しないようにしてある。
【0034】上記第1実施形態では第2前栓の後方に直
進ガイド部を設けたが、第2室内の高まった圧力により
第2前栓が第1後栓の摺動孔内を円滑に前進する構成で
あれば、上記直進ガイド部を省略してもよい。また、上
記直進ガイド部に設ける連通路は直進ガイド部内に設け
てもよい。さらにこの直進ガイド部は連通口内に支持さ
れて第2前栓を円滑に前進できる構成であれば形状や構
造などは特定のものに限定されない。
【0035】例えば図8に示す第2実施形態では、第2
前栓(15)の後方にU字形のプラスチック製直進ガイド部
(24)を固定してあり、この直進ガイド部(24)の内方に連
通路(25)を形成してある。なお、連通・注入操作時にこ
の連通路(25)内に残る溶解液(11)の液量を少なくするた
め、第2後栓(17)の先端には上記連通路(25)内に嵌合す
る突起(35)が設けてある。
【0036】上記直進ガイド部を設けた場合には、この
直進ガイド部で第2前栓を支持できるので、上記実施形
態で説明した第1後栓の摺動孔は省略することができ
る。すなわち、図9に示す第3実施形態では、第1後栓
(13)を第2シリンジ(7)の先端周囲にのみ配置してあ
り、第2前栓(15)は第2室内の高まった圧力で押される
と第1室(8)内に突出し、直進ガイド部(24)で支持され
る。この場合、前記乾燥栓体(16)は第2前栓(15)の先端
に固定してあり、連通・注入操作時や投薬時に容易に離
脱しないようにしてある。なお、投薬時にこの第2前栓
(15)の周囲に残る注射薬(31)の液量を少なくするため、
第1前栓(12)の後部に上記乾燥栓体(16)や第2前栓(15)
が侵入する凹部(36)が形成してある。
【0037】上記実施形態では、いずれも第1シリンジ
先端の送出口に針装着部を固定し、この針装着部に注射
針を装着した場合について説明したが、本発明のプレフ
ィルドシリンジは、上記送出口に注射針を一体的に固定
したものであってもよく、或いは、注射針を装着せずに
先端を密封して第1室内を気密保持可能に構成し、投薬
時に開封して注射針を装着するように構成してもよい。
さらには前記従来技術1に説明されるシリンジのよう
に、第1シリンジの先端をバイアル形状の送出口に形成
してゴム栓で密封し、このゴム栓の前方に両頭針形状の
注射針を配置し、投薬時に注射針の後端で刺通すること
により開封するように構成したものであってもよい。
【0038】図10及び図11は本発明の第4実施形態
を示し、図10は保管状態の2室型プレフィルドシリン
ジの断面図、図11は混合・溶解操作を完了した状態の
2室型プレフィルドシリンジの断面図である。
【0039】この第4実施形態の第1シリンジ(6)先端
に固定された針装着部(3)には、注射針に代えて気密性
キャップ(37)が装着されており、これにより第1前栓(1
2)の前方空間(38)内および第1室(8)内が気密保持され
ている。また、第1シリンジ(6)と第2シリンジ(7)と
の間には、上記第1実施形態と異なってスペーサーが配
置されておらず、第2シリンジ(7)が第1シリンジ(6)
に対し相対移動できるように構成してある。その他の構
成は上記第1実施形態と同様であるので説明を省略す
る。
【0040】第2後栓(17)の後方に螺着固定したプラン
ジャーロッド(18)を押圧すると、第2室(9)内の圧力が
高まって第2シリンジ(7)とともに第1後栓(13)が前進
し、第1室(8)内の圧力が高まって上記第1前栓(12)が
前進しようとする。しかしこの第1前栓(12)の前方空間
(38)は上記気密性キャップ(37)により密封されており、
この空間(38)内の空気が圧縮される分だけ第1前栓(12)
は前進するが、この空間(38)内の圧力上昇により第1前
栓(12)は許容寸法以上に前進する虞れがない。そして上
記第1室(8)内も圧力が上昇して第1後栓(13)の前進が
抑制される。このとき、上記第1後栓(13)の前進移動は
第1シリンジ(6)の内面との摩擦抵抗を受けて制限され
るので第2室(9)内の圧力上昇が第1室(8)内よりも高
くなる。この結果、第2前栓(15)が第1室(8)側へ押圧
されて連通口(14)に対し前進移動し、連通口(14)が開口
する。
【0041】上記連通口(14)が開口すると、第2成分(1
1)が第2室(9)から第1室(8)へ流入するとともに、そ
の流入による第1室(8)内の圧力上昇で第1後栓(13)と
第2シリンジ(7)とが後方へ押し戻される。これによ
り、第1室(8)内が広がって第2成分(11)が第1室(8)
内へ円滑に流入するとともに第1成分(10)との混合溶解
操作に必要な空間が第1室(8)内に確保される。そし
て、第2後栓(17)を第2シリンジ(7)の先端に達するま
で前進させて第2成分(11)の第1室(8)への注入を完了
し、図11に示すように両成分(10・11)を互いに溶解・
混合させたのち、針装着部(3)から気密性キャップ(37)
を外して患者に適した注射針を装着し、投薬準備を完了
する。
【0042】なお、上記実施形態では第1室内に粉末薬
剤を、第2室内に溶解液を収容する場合について説明し
たが、本発明の第1室に収容する第1成分は粉末に限ら
ず、各種の固体成分や液体成分であってもよく、また、
第2室に収容される第2成分は希釈液や他の液状薬剤等
であってもよい。さらに第1成分が水溶液である場合な
ど、上記第2シリンジの滅菌時に上記第2前栓へ吸着さ
れた水分がこの第1成分に悪影響を与える虞れがない場
合には、上記乾燥栓体を省略してもよいことはいうまで
もない。
【0043】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0044】(イ)第2シリンジ先端に設けた連通口を
第2前栓で密封し、この第2前栓を第2室内の高まった
圧力で移動させるだけの構成であるので、前記従来技術
1で用いた両頭針などが不要であり、両室の連通構造を
簡略にすることができる。
【0045】(ロ)連通口を開口させる連通操作と、第
2成分を第1室内へ注入する注入操作とを一連に行うこ
とができ、投薬前に両成分を容易に混合して注射薬を確
実に調製することができる。しかもこの調製操作と注射
薬の投薬操作とは操作内容が異なり明確に区別できるの
で、注入操作を簡単にかつ正確に終了することができ、
注射薬の調整操作を一層容易にかつ確実に行うことがで
きる。
【0046】(ハ)連通時に移動させる第2前栓は、第
2シリンジ先端の小さな連通口を密封するだけであるの
で小形に形成されることから、この第2前栓の前後方向
の長さや移動スペースを小さくすることができる。ま
た、第2シリンジ内の第2後栓は第2シリンジ内を前進
するだけであり、これを操作するために第2後栓に付設
するプランジャーロッドを短くすることができる。この
結果、プレフィルドシリンジの組付け時の全長をコンパ
クトに構成することができる。
【0047】(ニ)上記第2前栓の後端に、上記連通口
の内径と略等しい外径を有する直進ガイド部を延設し、
この直進ガイド部に連通路を形成した場合には、連通口
を開口させる際に第2前栓が直進ガイド部を介して所定
の姿勢に維持され、しかも連通路により両室が互いに連
通することから、第2前栓で第1シリンジ先端を閉塞し
たり、両室の連通を阻害したりする虞れがなく、両成分
を確実に混合して注射薬を調製することができる。
【0048】(ホ)上記第2前栓の前方に乾燥栓体を配
置してこの乾燥栓体で上記連通口の先端部を密封した場
合には、第2前栓が第1室内に直接露出することがなく
なるので、上記第2室に収容した第2成分を加熱蒸気に
より殺菌処理しても第2前栓に吸着された水分が第1室
内の第1成分に悪影響を及ぼす虞れがなく、両成分を安
定した状態で分離保管することができる。
【0049】(ヘ)上記第1シリンジと上記第2シリン
ジとの間にスペーサーを配置して、上記第2後栓の上記
連通口に対する前進移動中は第1シリンジに対して第2
シリンジを前進移動不能に維持し、上記第2成分が上記
第1室に流入した後はこのスペーサーを離脱させて、上
記第2シリンジを第1シリンジに対して前進可能に構成
した場合には、連通・注入操作中はこのスペーサーによ
り第1シリンジに対して第2シリンジや第1後栓が移動
することがないので、上記連通口を確実に開口して両成
分を混合させることができ、しかも、調製された注射薬
を投薬する際にはこのスペーサーを離脱させるだけでよ
く、簡単に投薬することができる。
【0050】(ト)上記第1シリンジの先端側を密封し
て上記第1室内を気密保持可能に構成した場合には、第
1室内と第2室内との圧力バランス等により連通口を開
口させて第2成分を第1室内へ流入させ、第1成分と混
合・溶解させることができるので、上記スペーサーな
ど、第2シリンジを前進移動不能に維持する構成を省略
でき、安価に実施することができる。また第1シリンジ
の先端側を密封することにより注射針を未装着の状態に
しておけるので、2室型プレフィルドシリンジ全体をコ
ンパクトに包装できるうえ、患者に応じた適切な注射針
を投薬時に選択してこの2室型プレフィルドシリンジと
組み合わせることができるので、あらかじめ種々の注射
針を装着した複数種の2室型プレフィルドシリンジを用
意する場合に比べて生産管理や在庫管理などを簡略にす
ることができる。
【0051】(チ)上記第1後栓に上記第2前栓の外径
と略等しい摺動孔をこの連通口の前方に連なる状態に設
けて、この摺動孔内に上記前進移動した第2前栓を受入
れ可能に構成し、この摺動孔の内面に連通溝を形成して
上記第2室内の第2成分を第1室内へ案内可能に構成し
た場合には、上記連通口が開口した後、第2前栓をこの
摺動孔内に受け止めることができるうえ、上記連通溝を
介して第1室と第2室とが互いに良好に連通するので、
第2前栓で第1シリンジ先端を閉塞したり、両室の連通
を阻害したりする虞れがなく、両成分を確実に混合して
注射薬を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、保管状態の2室
型プレフィルドシリンジの断面図である。
【図2】第1実施形態の、第2シリンジ先端近傍の破断
斜視図である。
【図3】第1実施形態の連通・注入操作中の第2シリン
ジ先端近傍の断面図である。
【図4】投薬準備を完了した状態の2室型プレフィルド
シリンジの断面図である。
【図5】断面がC字形の、一部を切り欠いた円筒形のス
ペーサーの斜視図である。
【図6】第1変形例を示す、第2シリンジ先端近傍の断
面図である。
【図7】第2変形例を示す、投薬準備を完了した状態の
2室型プレフィルドシリンジの側面図である。
【図8】第2実施形態を示す、第2シリンジ先端近傍の
断面図である。
【図9】第3実施形態を示す、投薬時の第1室近傍の断
面図である。
【図10】第4実施形態を示す、保管状態の2室型プレ
フィルドシリンジの断面図である。
【図11】第4実施形態の、混合・溶解操作を完了した
状態の2室型プレフィルドシリンジの断面図である。
【図12】従来技術1を示す、連通操作の開始直前の2
室型プレフィルドシリンジの断面図である。
【図13】従来技術2を示す保管状態の2室型プレフィ
ルドシリンジの断面図である。
【符号の説明】
2…送出口、 6…第1シリンジ、 7…第2シリンジ、 8…第1室、 9…第2室、 10…第1成分(粉末薬剤)、 11…第2成分(溶解液)、 13…第1後栓、 14…連通口、 15…第2前栓、 16…乾燥栓体、 17…第2後栓、 21…断面がC字形の、一部を切り欠いた円筒形のスペー
サー、 24…直進ガイド部、 25…連通路、 26…摺動孔、 27…連通溝 32…円環状スペーサー。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に送出口(2)を有する第1シリンジ
    (6)と、この第1シリンジ(6)の後端側から先端を挿入
    した第2シリンジ(7)とを備え、 上記第1シリンジ(6)内に形成される第1室(8)に注射
    薬の第1成分(10)を収容するとともに、上記第2シリン
    ジ(7)の先端周囲に第1後栓(13)を上記第1シリンジ
    (6)の内面に対して摺動可能に固着して、この第1後栓
    (13)により第1シリンジ(6)の内面と第2シリンジ(7)
    との間を密封し、 上記第2シリンジ(7)の先端に連通口(14)を設けてこの
    連通口(14)を第2前栓(15)で摺動可能に密封し、 上記第2シリンジ(7)内に形成される第2室(9)に注射
    薬の第2成分(11)を収容してこの第2シリンジ(7)の後
    端側を第2後栓(17)で摺動可能に密封し、 上記第2後栓(17)を上記連通口(14)に対して前進させる
    ことにより、上記第2室(9)内の圧力を高めて上記第2
    前栓(15)を前進させ、この第2前栓(15)の前進移動によ
    り上記連通口(14)を開封して上記第1室(8)内と第2室
    (9)内とを互いに連通可能に構成したことを特徴とす
    る、2室型プレフィルドシリンジ。
  2. 【請求項2】 上記第2前栓(15)の後端に、上記連通口
    (14)の内径と略等しい外径を有する直進ガイド部(24)を
    延設し、この直進ガイド部(24)に連通路(25)を形成し
    た、請求項1に記載の2室型プレフィルドシリンジ。
  3. 【請求項3】 上記第2前栓(15)の前方に乾燥栓体(16)
    を配置してこの乾燥栓体(16)で上記連通口(14)の先端部
    を密封し、この乾燥栓体(16)による封止を上記第2前栓
    (15)の前進により開封可能に構成した、請求項1又は請
    求項2に記載の2室型プレフィルドシリンジ。
  4. 【請求項4】 上記第1シリンジ(6)と上記第2シリン
    ジ(7)との間にスペーサー(21・32)を配置して、上記第
    2後栓(17)の上記連通口(14)に対する前進移動中は第1
    シリンジ(6)に対して第2シリンジ(7)を前進移動不能
    に維持し、 上記第2成分(11)が上記第1室(8)に流入した後はこの
    スペーサー(21・32)を離脱させて、上記第2シリンジ
    (7)を第1シリンジ(6)に対して前進可能に構成した、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の2室型プ
    レフィルドシリンジ。
  5. 【請求項5】 上記第1シリンジ(6)の先端側を密封し
    て上記第1室(8)内を気密保持可能に構成した、請求項
    1から請求項3のいずれか1項に記載の2室型プレフィ
    ルドシリンジ。
  6. 【請求項6】 上記第1後栓(13)に上記第2前栓(15)の
    外径と略等しい摺動孔(26)をこの連通口(14)の前方に連
    なる状態に設けて、この摺動孔(26)内に上記前進移動し
    た第2前栓(15)を受入れ可能に構成し、 この摺動孔(26)の内面に連通溝(27)を形成して、上記第
    2室(9)内の第2成分(11)を第1室(8)内へ案内可能に
    構成した、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載
    の2室型プレフィルドシリンジ。
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