JPH0614189U - 自動車用電動ジャッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障の発生を抑制し、十分な出力にて安全か
つ簡便に取り扱うことのできる自動車用電動ジャッキを
提供する。 【構成】 駆動モータ３の出力ギヤ３ａとジャッキ用昇
降機構２側にある入力ギヤ１０との間に、ピニオン２
５、遊星ギヤ群２１、２２、内歯ギヤ筒２３を含む歯車
伝動型の減速装置２０が設けられており、その減速装置
２０にクラッチディスク３１、クラッチスプリング３
２、収納ケース３３を含むクラッチ型の安全装置３０が
組み合わされている。 【効果】 減速装置２０を介して駆動モータ３の出力を
向上させることができるほか、ジャッキ用昇降機構２側
に無理な荷重が加えられたとき、安全装置３０が駆動モ
ータ３側からジャッキ用昇降機構２側にわたる動力伝達
を自動的に切り離すので、駆動モータ３の燒損が発生せ
ず、各部の破損も起こりがたい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車をより安全確実に昇降させるために改良された自動車用ジャッ キに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に使用されている自動車用ジャッキは、その殆どが手動操作でラムを昇降 させる構成となっている。 このようなジャッキは、ラムの昇降に時間を要し、特に、非力の女性は操作に 苦労する。

【０００３】 これに代わるものとして、米国特許第４６０９１７９号の特許明細書に開示さ れた電動ジャッキが知られている。 この公知例の電動ジャッキは、図６に示すごとく、ジャッキ本体ａの一側に装 着された駆動モータｂの回転がウォームギヤｃ、従動ギヤｄを経て、ラムｆの最 終ギヤｅに伝達されるので、駆動モータｂの正逆回転にともない、ラムｆが昇降 する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した公知例の電動ジャッキは、駆動モータｂの出力側に減速手段がなく、 駆動モータｂの出力が多くのギヤｃ、ｄ、ｅを介してラムｆに伝達されるから、 重量物である自動車を持ち上げるとき、これらの伝達部品にかなりの無理がとも ない、これに起因した各伝達部品の早期摩耗、故障が起こりがちとなる。 特に、重装備車両のごとき重量自動車を持ち上げるとき、駆動モータの出力不 足によるモータの焼損、動力伝達機器の破損が起こりかねないので、安全面から みた技術的配慮にも欠ける。

【０００５】 本考案はこのような技術的課題に鑑み、故障の発生を抑制し、十分な出力にて 安全かつ簡便に取り扱うことのできる自動車用電動ジャッキを提供しようとする ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は所期の目的を達成するため、正逆回転自在な駆動モータの回転出力側 とジャッキ用昇降機構の回転入力側とにわたり、駆動モータの回転をジャッキ用 昇降機構へ伝達するための歯車伝動系が設けられている自動車用電動ジャッキに おいて、歯車伝動型の減速装置が、内周面に歯部を有する内歯ギヤ筒と、該内歯 ギヤ筒の内外にわたり配置されたピニオンと、該内歯ギヤ筒内にあるピニオンの 一端側に保持されて自転し、該ピニオンと共に公転する遊星ギヤ群とを含んで構 成されており、該遊星ギヤ群の各遊星ギヤが前記内歯ギヤ筒の歯部と相互に噛み 合っていること、および、当該減速装置が、前記駆動モータの回転出力側と前記 昇降機構の回転入力側との間に介在されて、前記遊星ギヤ群の少なくとも一部の 遊星ギヤが駆動モータの出力ギアと相互に噛み合い、前記ピニオンが昇降機構の 入力ギヤと相互に噛み合っていること、および、前記駆動モータから前記昇降機 構にわたる動力の伝達を該昇降機構側の荷重に応じて自動的に接断するためのク ラッチ型の安全装置が、クラッチディスクとクラッチスプリングと収納ケースと を含んで構成されていること、および、これらクラッチディスク、クラッチスプ リング、収納ケースのうち、前記駆動モータ側に取りつけられた収納ケースが、 前記減速装置の周囲に被されて前記ピニオンにより貫通されているとともに、ク ラッチディスクが収納ケース内において前記内歯ギヤ筒の端部に当てがわれ、ク ラッチスプリングが収納ケース内においてクラッチディスクを内歯ギヤ筒の端部 に押しつけていることを特徴とする。

【０００７】 本考案に係る自動車用電動ジャッキの場合、つぎに述べるような実施態様があ る。 その一つは、ピニオンの軸方向中間の外周に段部が形成されているとともに、 ピニオンにより貫通された収納ケースの底部内面に突部が形成されており、これ ら段部、突部が互いに当接していることである。 他の一つは、内歯ギヤ筒の端部に傾斜面を有する噛合凸部が形成されていると ともに、クラッチディスクのクラッチ面に傾斜面を有する噛合凹部が形成されて おり、これら噛合凸部、噛合凹部が互いに噛み合い自在に対応していることであ る。 さらに、他の一つは、ジャッキ用昇降機構の回転入力側にあるギヤの一つが、 軸ピンを介して該昇降機構側のフレームに止めつけられており、その軸ピンの一 端がフレーム外に露出していることである。

【０００８】

【作用】

本考案に係る自動車用電動ジャッキにおいて、駆動モータを正逆回転させたと き、これらの回転が、駆動モータの出力ギアから、減速装置の遊星ギヤ群、ピニ オンへ伝達され、さらに、ピニオンからジャッキ用昇降機構の入力ギヤへと伝達 されるので、その昇降機構のラムが昇降する。 このとき、内歯ギヤ筒に噛み合っている遊星ギヤ群は、自転しながらピニオン と共に公転するが、内歯ギヤ筒は、これに安全装置のクラッチディスクが押しつ けられているので回転しない。 このようなジャッキを自動車の車体下に配置し、既述の操作を行なうことによ り、自動車を持ち上げたり降ろすことができる。

【０００９】 上述したジャッキ上昇操作において、ジャッキ用昇降機構側に加わる荷重が駆 動モータの出力を上回るとき、その昇降機構が作動しないだけでなく、減速装置 のピニオンも回転しなくなる。 このような場合、駆動モータの出力ギアから動力伝達を受けて回転する減速装 置の遊星ギヤ群が、安全装置のクラッチスプリングに抗して、かつ、安全装置の クラッチディスクに対して滑りを生じさせながら、減速装置の内歯ギヤ筒を回転 させるので、運転状態にある駆動モータの回転が止められれることはない。 ゆえに、本考案に係る自動車用電動ジャッキの場合、過負荷による駆動モータ の焼損、無理な荷重による各部の破損などが発生しない。

【００１０】

【実施例】

本考案に係る自動車用電動ジャッキの実施例について、図面を参照して説明す る。 図１、図２に例示したフレーム１は、縦型の筒部１ａと上面が開口された平型 の中空台部１ｂとが一体形成されたものであり、これの下面には、リベットのご とき止具６を介して底板７が取りつけられている。 フレーム１の筒部１ａ内には、サドル、調整ネジ、ナット、ネジ棒、ネジ筒、 ラム、シリンダなどの組み合わせからなるジャッキ用昇降機構２が回転自在かつ 伸縮自在に内装されて、該昇降機構２の上端部（サドル２ａ）側が筒部１ａの上 端より突出しているとともに、該昇降機構２の下端部外周には、底板７との間に ボールが介在されて伝動ギヤ１２が取りつけられている。 フレーム１の中空台部１ｂ内においては、入力ギヤ１０、大小二つの歯部（ギ ヤとピニオン）１１ａ、１１ｂを有する伝動ギヤ１１が、それぞれ軸ピンを介し て回転自在に取りつけられており、入力ギヤ１０と伝動ギヤ１１の歯部１１ａと が互いに噛み合い、伝動ギヤ１１の歯部１１ｂと前記伝動ギヤ１２とが互いに噛 み合っている。 上記各ギヤのうち、伝動ギヤ１１は、角形の頭部を有する軸ピン１６を介して 前記中空台部１ｂ内に回転自在に保持されており、その軸ピン１６の頭部が、フ レーム１外に露出している。 この場合、伝動ギヤ１１と軸ピン１６とはスプライン嵌合している。

【００１１】 図１、図２に例示した外部ケース４は、上下に隣接する上部空間４ａと下部空 間４ｂとを有し、リベットのごとき止具８を介してフレーム１の中空台部１ｂ上 に取りつけられている。 図１、図２において、リード線１３を有する駆動モータ（動力源）３は、外部 ケース４の上部空間４ａ内に保持されていて、そのモータ軸が上部空間４ａの下 面を閉じている隔板９の孔９’と介在板９ａとを貫通しており、かつ、そのモー タ軸に取りつけられた出力ギヤ３ａが外部ケース４の下部空間４ｂ側に突出して いる。 図１、図２において、減速装置２０と安全装置３０とは、後述するように組み 合わされて外部ケース４の下部空間４ｂ内に配置され、かつ、後述する手段で外 部ケース４に固定される。

【００１２】 図１、図２に例示した減速装置２０は、駆動モータ３の出力を減速して前記昇 降機構２側へ伝えるためのものであり、かかる減速装置２０は、図３に明示する ように、第１の遊星ギヤ群２１と第２の遊星ギヤ群２２と内歯ギヤ筒２３とで構 成される。 第１の遊星ギヤ群２１は、一例として、三つの遊星ギヤ２１ａからなり、これ ら遊星ギヤ２１ａが、各ギヤピン２４ａを介して中心ギヤ２４の上面に回転自在 に取りつけられている。 第２の遊星ギヤ群２２も、一例として、三つの遊星ギヤ２２ａからなり、これ ら遊星ギヤ２２ａも、各ギヤピン２５ａを介してピニオン２５の上面に回転自在 に取りつけられている。 ピニオン２５の軸方向中間の外周には段部２５ｂが形成されている。 内歯ギヤ筒２３は、その内周面に歯部２３’が形成されており、その底面の外 周に複数の噛合凸部２３ａが互いに対称をなして形成されている。 さらに、各噛合凸部２３ａの両端面はそれぞれ傾斜面２３ａ’により形成され ている。

【００１３】 図１、図２に例示した安全装置３０は、前記駆動モータ３側から前記昇降機構 ２側にわたる動力伝達を接断（接続と遮断）するためのものであり、かかる安全 装置３０は、図３に明示するように、クラッチディスク３１とクラッチスプリン グ３２と収納ケース３３とで構成される。 クラッチディスク３１はリング状からなり、その上面には前述した各噛合凸部 ２３ａに対応する各噛合凹部３１ａが形成されているとともに、その外周面には 複数の突起３１ｂが互いに対称をなして形成されている。 さらに、各噛合凹部３１ａの両端面は、それぞれ傾斜面３１ａ’により形成さ れている。 クラッチスプリング３２は、一例として、周知のコイル巻きスプリングからな る。 収納ケース３３は、一例として、上面が開放され、底部中央に孔を有する円筒 体からなる。 収納ケース３３の底部内面には、その中央の孔に連続する環状の突部３３ａが 形成されており、収納ケース３３の胴部内周面には、上下方向に沿う複数の案内 溝３３ｂが形成されており、収納ケース３３の上端外周面には、締付孔３３ｃを 有する複数の突片が形成されている。 収納ケース３３の突部３３ａは、前記ピニオン２５の段部２５ｂと当接自在に 対応しており、収納ケース３３の各案内溝３３ｂは、前記クラッチディスク３１ の各突起３１ｂと係合自在に対応する。

【００１４】 上述した減速装置２０の場合、第１の遊星ギヤ群２１を保持した中心ギヤ２４ と第２の遊星ギヤ群２２を保持したピニオン２５とが、一方の遊星ギヤ群２２側 を下位にし、他方の遊星ギヤ群２１側を上位にして、内歯ギヤ筒２３内に嵌めこ まれており、かくて、両遊星ギヤ群２１、２２の各遊星ギヤ２１ａ、２２ａと内 歯ギヤ筒２３の歯部２３’とが相互に噛み合い、中心ギヤ２４と第２遊星ギヤ群 ２２の各遊星ギヤ２２ａとが相互に噛み合い、ピニオン２５が内歯ギヤ筒２３の 下部より突出している。

【００１５】 上述した安全装置３０の場合、クラッチスプリング３２を下位にし、クラッチ ディスク３１を上位にして、これらが収納ケース３３内に嵌めこまれており、か つ、クラッチディスク３１の各突起３１ｂが収納ケース３３の各案内溝３３ｂと 相対係合している。 この場合、クラッチディスク３１は、収納ケース３３内を上下動することがで きるが、各突起３１ｂと各案内溝３３ｂとが相対係合しているので、回転するこ とができない。

【００１６】 安全装置３０の収納ケース３３内には、クラッチディスク３１の上に減速装置 ２０が内装され、かかる収納ケース３３においては、内歯ギヤ筒２３の各噛合凸 部２３ａとクラッチディスク３１の各噛合凹部３１ａとが互いに係合するととも に、ピニオン２５の段部２５ｂと収納ケース３３の環状突部３３ａとが互いに当 接するようになり、かつ、ピニオン２５が収納ケース３３の下部より突出するよ うになる。

【００１７】 このようにして減速装置２０をも保持した安全装置３０の収納ケース３３は、 前述した隔板９の下面に当てがわれ、かつ、外部ケース４、隔板９の透孔、収納 ケース３３の締付孔３３ｃを貫通する止具（例：ボルト）５を介して、外部ケー ス４の下部空間４ｂ内に固定される。 この場合、前記第１遊星ギヤ群２１の各遊星ギヤ２１ａは、前記駆動モータ３ の出力ギヤ３ａと互いに噛み合い、前記ピニオン２５は、前記フレーム１の中空 台部１ｂ内に進入して前記入力ギヤ１０と互いに噛み合い、前記クラッチディス ク３１は、圧縮状態になった前記クラッチスプリング３２を介して、前記内歯ギ ヤ筒２３に押しつけられる。

【００１８】 前述した駆動モータ３のリード線１３には、図５に示すように、プラグ１４を 含む操作スイッチ１５が接続されている。 ちなみに、駆動モータ３の電源として、自動車のバッテリを用いるとき、プラ グ１４は、車室内にあるシガーライタ用のコンセント（ジャック）に対応したプ ラグ形状を有する。

【００１９】 本考案係る自動車用電動ジャッキは、これを通常の要領で自動車の車体下に潜 らせ、車体下面の所定部にジャッキ用昇降機構２のサドル２ａを当てがった後、 操作スイッチ１５を介して駆動モータ３を正回転または逆回転させる。

【００２０】 上記において駆動モータ３を正回転させたとき、この回転が駆動モータ３の出 力ギヤ３ａから第１遊星ギヤ群２１の各遊星ギヤ２１ａに伝えられ、これら遊星 ギヤ２１ａが回転する。 このとき、各遊星ギヤ２１ａに噛み合っている内歯ギヤ筒２３は、その内歯ギ ヤ筒２３の噛合凸部２３ａが、図４（ａ）のごとく、回転しないクラッチディス ク３１の噛合凹部３１ａと係合しているので、回転が阻止される。 したがって、回転しない内歯ギヤ筒２３の歯部２３’に噛み合った各遊星ギヤ ２１ａは、各ギヤピン２４ａを支点に自転しながら、内歯ギヤ筒２３の内周面に 沿って中心ギヤ２４と共に公転する。 さらに、中心ギヤ２４の回転にともない、これに噛み合っている第２の遊星ギ ヤ群２２の各遊星ギヤ２２ａも、各ギヤピン２５ａを支点にして自転するととも に、前記内歯ギヤ筒２３との噛み合いにおいてピニオン２５と共に公転する。 かくて、駆動モータ３の回転が減速されてピニオン２５まで伝達されたとき、 当該ピニオン２５の回転が入力ギヤ１０を介して伝動ギヤ１１、１２へと伝えら れ、これにともない、ジャッキ用昇降機構２のラムが上昇してサドル２ａ上の自 動車を所望の高さまで持ち上げる。

【００２１】 上記において駆動モータ３を逆回転させたとき、駆動モータ３の出力ギヤ３ａ も逆回転し、これにともない、第１の遊星ギヤ群２１と中心ギヤ２４、第２の遊 星ギヤ群２２とピニオン２５、入力ギヤ１０、伝動ギヤ１１、１２など、これら 全てが前記の逆方向に回転するので、ジャッキ用昇降機構２のラムがサドル２ａ と共に下降し、自動車が地上に降ろされる。

【００２２】 既述のごとく自動車を持ち上げる際、ジャッキ用昇降機構２側に駆動モータ３ の出力を上回る無理な荷重が作用すると、駆動モータ３の出力にてピニオン２５ を回転させることができないために、ジャッキ用昇降機構２のラムが上昇しなく なる。 このような場合、安全装置３０が自動的に作動するので、ピニオン２５に代わ り、内歯ギヤ筒２３が回転する。 すなわち、第１遊星ギヤ群２１の各遊星ギヤ２１ａと中心ギヤ２４とが、駆動 モータ３の出力ギヤ３ａを介して前記と同様に自公転し、第２遊星ギヤ群２２の 各遊星ギヤ２２ａも、中心ギヤ２４を介して自転する。 しかも、これら遊星ギヤ２１ａ、２２ａによるトルクが、クラッチスプリング ３２の力を上回るので、内歯ギヤ筒２３とクラッチディスク３１との接触部間で スリップが発生し、噛合凸部２３ａと噛合凹部３１ａとを図４（ａ）（ｂ）のご とく交互嵌脱させながら、内歯ギヤ筒２３が回転する。 したがって、ジャッキ用昇降機構２側に無理な荷重が作用し、ピニオン２５の 回転が停止したとしても、駆動モータ３の焼損原因となる過負荷が発生したり、 各部の破損の原因となる破壊的な荷重が作用しない。

【００２３】 仮に、前記のごとく自動車を持ち上げているときに、駆動モータ３の焼損、各 装置２０、３０の破損など、不測の故障が発生し、駆動モータ３によるジャッキ 操作が不能になったとしても、一端がフレーム１外に露出している軸ピン１６を スパナのごとき工具で回し、伝動ギヤ１１を回転させることができるので、かか る手動操作により、ジャッキ用昇降機構２のサドル２ａを下降させることができ る。

【００２４】 減速装置２０としては、図示例のごとく、第１遊星ギヤ群２１と第２遊星ギヤ 群２２とが上下２段に組み合わされるほか、駆動モータ３の出力と昇降機構２の ラム昇降速度とを勘案して、遊星ギヤ群の段数が図示例の場合よりも増減される ことがある。

【００２５】

【考案の効果】

本考案に係る自動車用電動ジャッキは、つぎのような効果を有する。 その一つは、駆動モータ（回転出力側）とジャッキ用昇降機構（回転入力側） との間に、ピニオン、遊星ギヤ群、内歯ギヤ筒を含む歯車伝動型の減速装置が設 けられているので、当該減速装置を介して、駆動モータの出力を向上させること ができる。 他の一つとして、前記減速装置にクラッチディスク、クラッチスプリング、収 納ケースを含むクラッチ型の安全装置が組み合わされており、ジャッキ用昇降機 構側に無理な荷重が加えられたとき、当該安全装置が駆動モータ側からジャッキ 用昇降機構側にわたる動力伝達を自動的に切り離して、駆動モータに過負荷が生 じるのを防止するので、駆動モータの燒損が発生せず、各部の破損も起こりがた い。 特に、ジャッキ用昇降機構の回転入力側にあるギヤの一つが、これの軸ピンを 介して外部から手動操作できる場合は、駆動系統に不測の故障が生じた非常時に において、駆動モータに依存せずとも、当該ジャッキを安全に作動させることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自動車用電動ジャッキの一実施例
において各構成部を分離して示した斜視図である。

【図２】上記一実施例における自動車用電動ジャッキの
縦断面図である。

【図３】上記一実施例における自動車用電動ジャッキの
要部を分解した斜視図である。

【図４】上記一実施例における安全装置の各作動状態を
示した切欠正面図である。

【図５】本考案における駆動モータの電気配線を例示し
た説明図である。

【図６】従来例に係る電動ジャッキの斜視図である。

【符号の説明】

１ フレーム １ａ フレームの筒部 １ｂ フレームの中空台部 ２ ジャッキ用昇降機構 ２ａ ジャッキ用昇降機構のサドル ３ 駆動モータ ３ａ 出力ギヤ ４ 外部ケース ４ａ 外部ケースの上部空間 ４ｂ 外部ケースの下部空間 ７ フレームの底板 １０ 入力ギヤ １１ 伝動ギヤ １１ａ 伝動ギヤの歯部 １１ｂ 伝動ギヤの歯部 １２ 伝動ギヤ １６ 軸ピン ２０ 減速装置 ２１ 第１の遊星ギヤ群 ２１ａ 遊星ギヤ ２２ 第２の遊星ギヤ群 ２２ａ 遊星ギヤ ２３ 内歯ギヤ筒 ２３’ 内歯ギヤ筒の歯部 ２３ａ 内歯ギヤ筒の噛合凸部 ２３ａ’ 噛合凸部の傾斜面 ２４ 中心ギヤ ２４ａ ギヤピン ２５ ピニオン ２５ａ ギヤピン ２５ｂ ピニオンの段部 ３０ 安全装置 ３１ クラッチディスク ３１ａ クラッチディスクの噛合凹部 ３１ａ’ 噛合凹部の傾斜面 ３１ｂ クラッチディスクの突起 ３２ クラッチスプリング ３３ 収納ケース ３３ａ 収納ケースの突部 ３３ｂ 収納ケースの案内溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 正逆回転自在な駆動モータの回転出力側
   とジャッキ用昇降機構の回転入力側とにわたり、駆動モ
   ータの回転をジャッキ用昇降機構へ伝達するための歯車
   伝動系が設けられている自動車用電動ジャッキにおい
   て、歯車伝動型の減速装置が、内周面に歯部を有する内
   歯ギヤ筒と、該内歯ギヤ筒の内外にわたり配置されたピ
   ニオンと、該内歯ギヤ筒内にあるピニオンの一端側に保
   持されて自転し、該ピニオンと共に公転する遊星ギヤ群
   とを含んで構成されており、該遊星ギヤ群の各遊星ギヤ
   が前記内歯ギヤ筒の歯部と相互に噛み合っていること、
   および、当該減速装置が、前記駆動モータの回転出力側
   と前記昇降機構の回転入力側との間に介在されて、前記
   遊星ギヤ群の少なくとも一部の遊星ギヤが駆動モータの
   出力ギアと相互に噛み合い、前記ピニオンが昇降機構の
   入力ギヤと相互に噛み合っていること、および、前記駆
   動モータから前記昇降機構にわたる動力の伝達を該昇降
   機構側の荷重に応じて自動的に接断するためのクラッチ
   型の安全装置が、クラッチディスクとクラッチスプリン
   グと収納ケースとを含んで構成されていること、およ
   び、これらクラッチディスク、クラッチスプリング、収
   納ケースのうち、前記駆動モータ側に取りつけられた収
   納ケースが、前記減速装置の周囲に被されて前記ピニオ
   ンにより貫通されているとともに、クラッチディスクが
   収納ケース内において前記内歯ギヤ筒の端部に当てがわ
   れ、クラッチスプリングが収納ケース内においてクラッ
   チディスクを内歯ギヤ筒の端部に押しつけていることを
   特徴とする自動車用電動ジャッキ。
2. 【請求項２】 ピニオンの軸方向中間の外周に段部が形
   成されているとともに、ピニオンにより貫通された収納
   ケースの底部内面に突部が形成されており、これら段
   部、突部が互いに当接している請求項１記載の自動車用
   電動ジャッキ。
3. 【請求項３】 内歯ギヤ筒の端部に傾斜面を有する噛合
   凸部が形成されているとともに、クラッチディスクのク
   ラッチ面に傾斜面を有する噛合凹部が形成されており、
   これら噛合凸部、噛合凹部が互いに噛み合い自在に対応
   している請求項１項記載の自動車用電動ジャッキ。
4. 【請求項４】 ジャッキ用昇降機構の回転入力側にある
   ギヤの一つが、軸ピンを介して該昇降機構側のフレーム
   に止めつけられており、その軸ピンの一端がフレーム外
   に露出している請求項１項記載の自動車用電動ジャッ
   キ。