JPH06141400A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JPH06141400A
JPH06141400A JP4287674A JP28767492A JPH06141400A JP H06141400 A JPH06141400 A JP H06141400A JP 4287674 A JP4287674 A JP 4287674A JP 28767492 A JP28767492 A JP 28767492A JP H06141400 A JPH06141400 A JP H06141400A
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Fujio Hayakawa
富士男 早川
Yutaka Kotani
豊 小谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカ位置が偏っている車室内で音声帯域
の音像を乗員の正面に定位させる音響装置を提供する。 【構成】 遮断周波数の高い1次の高域通過フィルタ1
2と遅延手段13を直列接続し、遅延手段13の出力と
遮断周波数の低い2次の低域通過フィルタ11の出力を
加算し、加算出力をアッテネータ15で減衰するように
構成し、上記遅延時間と上記減衰比で偏ったスピーカ1
7L,17Rから出力される音声帯域信号の到達時間差
と音圧差を補正する。遅延時間と高域通過フィルタ12
の位相と次数の高い低域通過フィルタ11の位相差がπ
/2になるように両フィルタの遮断周波数を違えること
で、加算信号の振幅特性のうねりを小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車室内などの非対称な
スピーカ配置でステレオ再生を行う音響再生装置に関す
るものである.
【0002】
【従来の技術】車室内では、ステレオ信号の左チャンネ
ル用スピーカが車室前方の左端に、右チャンネル用スピ
ーカが右端に取け付られることが多く、乗員からみると
偏ったスピーカ配置となっている。例えば、ドライバ席
では右スピーカがより近く、左スピーカがより遠い配置
となっている。この場合、右スピーカの音波がより速く
到達し、本来正面に定位すべき音像が右に偏って定位す
ることになる。これを解決するため右スピーカの信号を
遅延させ、左スピーカの信号と同時刻に到達させる処理
が知られている。
【0003】図10は特開昭59−115000号公報
に示された従来のステレオ再生装置を示すブロック回路
図である。図において、1Lは左チャンネルソース、2
Lは左チャンネルのプリアンプ、3Lは左チャンネルの
アナログ遅延素子、4Lは左チャンネルのアッテネー
タ、5Lは左チャンネルメインアンプ、6Lは左チャン
ネルのスピーカであり、同様に、1Rは右チャンネルソ
ース、2Rは右チャンネルのプリアンプ、3Rは左チャ
ンネルのアナログ遅延素子、4Rは右チャンネルのアッ
テネータ、5Rは右チャンネルメインアンプ、6Rは右
チャンネルのスピーカで、右チャンネルのスピーカ6R
が受聴者7に近い場合には、右チャンネルの信号をアナ
ログ遅延素子3Rで遅らせて左右のスピーカ6Lと6R
から同時に受聴者7に音波が届くようにして音像定位を
改善している。
【0004】自動車車室内では、このようなスピーカ
が、前方位置、後方位置に左右対称に4個程度配置され
る。この様なステレオ再生装置を自動車車室内で用いる
と、左右のスピーカ信号に時間差がつくとともに、前後
のスピーカ信号にも同じ時間差がつくことになる。この
時間差は、音声帯域だけでなく低音域信号にも生じる。
このため前後の低音域信号に位相差が生じ、乗員席の低
音音圧が変化することになる。この変化は、低音音圧を
増加させる場合もあるが逆に減少する場合もある。低音
域の音圧特性を適当にする前後スピーカの時間差と、音
像の定位を正面にする左右スピーカの時間差は必ずしも
同時間差ではないため、音像の定位を合わせると、低音
域の音圧周波数特性に凹凸が生じることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のステレオ再生装
置は、以上のように構成されているので、音声帯域だけ
でなく低音域にも位相差が生じ、音圧周波数特性に凹凸
が生じるなどの問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、音声帯域信号に遅延が与えら
れ、かつ音圧周波数特性が平坦な定位処理をもつ音響再
生装置を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る音響再生
装置は、音声信号を遮断周波数の低い2次の低域通過フ
ィルタと遮断周波数の高い1次の高域通過フィルタとに
入力し、上記高域通過フィルタの出力を遅延手段に通し
て上記2次の低域通過フィルタの出力と加算し、加算後
の出力のレベルを調節する構成とした。
【0008】また、音声信号を遮断周波数の低い2次の
低域通過フィルタと遮断周波数の高い1次の高域通過フ
ィルタと全帯域通過フィルタを具備し、上記低域通過フ
ィルタと第一の遅延手段と全帯域通過フィルタを直列接
続し、上記高域通過フィルタと第二の遅延手段を直列接
続し、上記第一の遅延手段の出力と上記第二の遅延手段
の出力を加算し、加算後の出力のレベルを調節する構成
とした。
【0009】また、遮断周波数の低い2次の低域通過フ
ィルタと遮断周波数の高い1次の高域通過フィルタで帯
域分割し、上記1次の高域通過フィルタの出力を1次の
低域通過フィルタと2次の高域通過フィルタで帯域分割
し、上記1次の低域通過フィルタの出力を遅延手段で遅
延し、上記2次の高域通過フィルタの出力を複数の全帯
域通過フィルタで位相回転し、上記2次の低域通過フィ
ルタの出力と上記遅延手段の出力と上記全帯域通過フィ
ルタの出力を加算して、加算後の出力のレベルを調節す
る構成とした。
【0010】
【作用】この発明における定位処理部の高域通過フィル
タと遅延手段は音声帯域信号に必要な遅延を与え、遮断
周波数の低い低域通過フィルタは音声帯域以下の信号を
分割するとともに、分割する周波数以下の帯域で、上記
遅延手段の位相回りと上記高域通過フィルタの位相回り
の和で表わされる位相回りとの間にπ/2の差を保ちな
がら加算するので、加算された信号の振幅が平坦にな
る。
【0011】また、定位処理部の高域通過フィルタと第
二の遅延手段は音声帯域信号を必要な時間だけ遅延さ
せ、遮断周波数の低い低域通過フィルタと第一の遅延手
段と全帯域通過フィルタは音声帯域以下の信号を分割
し、遅延させるとともに、分割する周波数以下の帯域
で、上記遅延手段の遅延時間差の位相回りと上記高域通
過フィルタの位相回りの和で表わされる位相回りとの間
にπ/2の差を保ちながら加算するので、加算された信
号の振幅が平坦になる。
【0012】また、定位処理部にさらに追加された第二
の低域通過フィルタは、第一の高域通過フィルタと遅延
手段と相まって音声帯域信号だけに必要な遅延を与え、
第二の高域通過フィルタは音声帯域以上の信号を分割す
るとともに、複数の全帯域通過フィルタと相まって、分
割する周波数以上の帯域で上記遅延手段から出力された
出力信号の位相回りとの間にπ/2の差を保ちながら加
算するので、加算された信号の振幅が平坦になる。
【0013】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1において10Lは左チャンネルの
入力端子、10Rは右チャンネルの入力端子、11L,
11R,18L,18Rは2次の低域通過フィルタ、1
2L,12R,19L,19Rは1次の高域通過フィル
タ、13L,13R,20L,20Rは遅延処理部、1
4は加算器、15L,15R,21L,21Rはアッテ
ネータ、16L,16R,22L,22Rは電力増幅
器、17L,17R,23L,23Rはスピーカ、24
は定位処理部、25は車室である。
【0014】入力端子10Lから入力された左チャンネ
ルのステレオ信号は、低域通過フィルタ11Lと高域通
過フィルタ12Lで帯域分割される。帯域分割は音像の
定位にとって重要な音声帯域の成分を多く含む帯域と、
それ以外の帯域に分割する。高域通過フィルタ12Lを
通った信号は、遅延処理部13Lで定位を補正するため
に必要な時間だけ遅延され、低域通過フィルタ11Lを
通った信号と加算器14で加算され、全帯域の成分を含
む信号となる。加算器14で加算された信号は、アッテ
ネータ15Lでレベル調節されて電力増幅器16Lで増
幅され、車室25内の左前方位置のあるスピーカ17L
から車室25に音波として放射される。
【0015】また、同じく入力端子10Lから入力され
た左チャンネルのステレオ信号は、低域通過フィルタ1
8L、高域通過フィルタ19L、遅延処理部20L、加
算器14、アッテネータ21L、電力増幅器22Lによ
って遮断特性、遅延時間、減衰比は異なるが同様の処理
が行われ、車室25の左後方にあるスピーカ23Lから
放射される。
【0016】入力端子10Rから入力された右チャンネ
ルのステレオ信号は、右前方用と右後方用に分けられ、
定位処理部24により遮断特性、遅延時間、減衰比は異
なるが左チャンネルのステレオ信号と同様の処理が行わ
れ、各々車室25の右前方のスピーカ17Rと右後方の
スピーカ23Rから放射される。
【0017】遅延処理部13L,13R,20L,20
Rの遅延時間とアッテネータ15L,15R,21L,
21Rの減衰比は、どの席に座っている乗員にたいして
定位の補正を行うかによって違える。例えば、車室前方
右のドライバ席では、遅延処理部13Rの遅延時間をス
ピーカ17Lと17Rの距離差に相当する1ms前後と
し、アッテネータ15Rの減衰比はスピーカ17Rの音
声帯域音圧がスピーカ17Lの音圧と等しくなるよう−
6dBから0dBとする。
【0018】リアチャンネルのアッテネータ21L,2
1Rの減衰比は、音声帯域の音圧がフロントのスピーカ
17L,17Rの音圧とほぼ等しくなるよう−10dB
から0dBとする。
【0019】2次の低域通過フィルタ11R、1次の高
域通過フィルタ12Rと遅延処理13Rの伝達関数は、
数1中の式(1)から式(3)のようになることが知ら
れている。
【0020】
【数1】
【0021】2次の低域通過フィルタの位相は、周波数
が大きくなるにつれて0(ラシ゛ア)から−πまで変化し、
1次の高域通過フィルタの位相は、π/2から0まで変
化する。遮断周波数W0における位相は、2次の低域通
過フィルタが−π/2、1次の高域通過フィルタがπ/
4である。遅延処理部13Rでは、遅延時間の逆数の1
/2の奇数倍となる周波数で±πとなる位相回転が生じ
る。直列接続された1次の高域通過フィルタ12Rと遅
延処理部13Rの位相は、両方の位相が足し合わされた
結果、位相まわりが大きくなる。この位相と上記2次の
低域通過フィルタ11Rの位相差が、遮断周波数付近で
π/2であれば加算された信号の振幅が平担となること
が知られている。上記高域通過フィルタ12Rの遮断周
波数と低域通過フィルタ11Rの遮断周波数が同じ場合
には位相差がπ/2とならないが、高域通過フィルタ1
2Rの遮断周波数と遅延処理13Rの遅延時間にあわせ
て、2次の高域通過フィルタの遮断周波数をより小さい
周波数に選ぶと、位相差がほとんどπ/2になるように
することができる。
【0022】上記低域通過フィルタ11L、高域通過フ
ィルタ12L、遅延処理部13Lは、アナログ回路で構
成できることはもちろん、ディジタルシグナルプロセッ
サなどの周知の手段を用いても構成することができる。
ディジタルシグナルプロセッサを用いた構成では、ディ
ジタル信号処理によりフィルタ処理が実行される。図2
に1次のIIRディジタルフィルタの構成例を示す。図
において26は乗算器、27は1サンプル遅延器、28
は加算器である。乗算器26でステレオ信号に乗算する
3個の係数によりフィルタ特性が決定できる。
【0023】図示していないが、ディジタル信号処理の
前後に周知のアナログ−ディジタル回路とディジタル−
アナログ回路が挿入される。周知のアナログ−ディジタ
ル回路で離散化されたステレオ信号は順次図2の処理が
され、高域遮断された信号となる。高域遮断された信号
は図示していないが、周知のディジタル−アナログ回路
によりアナログ信号に戻される。
【0024】図3は2次のIIRディジタルフィルタの
他の構成例を示す図で、2次IIRフィルタでは5個の
係数を与えると、乗算器26が実行され、2次の低域通
過フィルタとして動作する。
【0025】また、定位処理部24のアッテネータ15
Lは周知のごとく乗算処理で実行できるので、定位処理
部24をディジタルシグナルプロセッサで構成すること
もできる。この場合、周知のごとく電力増幅器16Lの
前段にディジタル−アナログ回路を挿入することにな
る。
【0026】図4にフィルタ特性の計算結果の例を示
す。図中の特性は図2,図3に示した1次と2次のII
Rディジタルフィルタの特性の計算結果である。図中、
遮断周波数が250Hzの高域通過フィルタ12Lと遅
延時間1msの遅延処理部13Lの振幅特性を破線H
で、位相特性を実線Hで示し、遮断周波数が165Hz
の2次の低域通過フィルタ11Lの振幅特性を破線L
で、位相特性を実線Lで示した。破線Hと破線Lの振幅
特性は周波数fcで交差しており、この交差する周波数
fcは数2に示す式(4)から求められる。
【0027】
【数2】
【0028】また、実線Lと実線Hの位相差は、周波数
fcより低い帯域でほとんどπ/2となっている。この
ときの加算器14で加算された信号の振幅特性と群遅延
特性の実測値を図5に示す。図5は、図2と図3のII
Rフィルタをディジタルシグナルプロセッサで構成し、
実測したものである。図から振幅特性の凹凸は2dB以
内に収まっていることがわかる。
【0029】2次の低域通過フィルタの遮断周波数W0
が、1次の高域通過フィルタの遮断周波数W1にかなり
近ければ、振幅が交差する周波数fcでの位相差がπ/
2にならず、また遮断周波数W0が低すぎると、交差周
波数付近の振幅特性に落込みが生じる。1次の高域通過
フィルタの遮断勾配は、−6dB/octで緩やかに減
衰するため、交差周波数fc以下の周波数で上記位相差
がπ/2となるように、2次の低域通過フィルタの遮断
周波数W0を決めればよい。遅延時間が1ms前後の場
合には、低域通過フィルタの遮断周波数W0は、高域通
過フィルタの遮断周波数W1の0.5から0.8の間がよ
い。
【0030】実施例2.図6はこの発明の第二の実施例
の定位処理部24の構成を示す図である。図において、
30L, 30R, 32L, 32Rは第二の遅延処理部、
31L, 31R, 33L, 33Rは全帯域通過フィルタ
である。遅延処理部30L, 30R, 32L, 32R
は、低域通過フィルタ11L, 11R, 18L, 18R
の出力信号に遅延を与え、全帯域通過フィルタ31L,
31R, 33L, 33Rは、出力信号の特定帯域の位相
を回転させるよう構成されており、この実施例2では、
第一の遅延処理部13L, 13R, 20L, 20Rは音
声帯域の信号に遅延を与え、第二の遅延処理部30L,
30R,32L,32Rは、音声帯域以下の信号に遅延
を与える。
【0031】車室25の左スピーカ17Lの信号を例に
とると、高域通過フィルタ12Lと第一の遅延処理部1
3Lの位相回りと低域通過フィルタ11Lと第二の遅延
処理部30Lの位相回りの差がπ/2となればよい。全
帯域通過フィルタ31Lは低域通過フィルタ11Lと高
域通過フィルタ12Lの振幅特性が交差する帯域近傍で
その位相差がπ/2に近くなるように位相回転する。
【0032】2次の全帯域通過フィルタの伝達関数は、
数3に示す式(5)で表わされ、上記(1),(2),
(3)式から位相差がπ/2となる条件は数3中に示す
(6)式である。
【0033】
【数3】
【0034】図7にフィルタ特性の計算結果の一例を示
す。図において、波線Lは遮断周波数が100Hzの低
域通過フィルタ11Lと遮断周波数270Hzの全帯域
通過フィルタと遅延時間2.5msの遅延処理部30L
の振幅特性、破線Hは遮断周波数が250Hzの高域通
過フィルタ12Lと遅延時間3.5msの遅延処理部1
3Lの振幅特性である。実線Lは上記低域通過フィルタ
11Lと上記全帯域通過フィルタと遅延処理部30Lの
位相特性、実線Hは高域通過フィルタ12Lと遅延処理
部13Lの位相特性である。両者の位相差は振幅特性が
交差する帯域でほぼπ/2であり、加算器14の出力信
号の振幅周波数特性は平坦になる。
【0035】この実施例2では、第一の遅延処理部13
Lの遅延時間で音像の定位を補正し、第二の遅延処理部
の遅延時間で音声帯域以下の信号に遅延を与えて、車室
25内の乗員席位置で低音域の音圧周波数特性を平坦に
している。表1は、車室全長が2.6mの3000cc
クラスの乗用車における遅延時間と減衰比の一例を示
す。
【0036】
【表1】
【0037】例えば、表1の中で運転席の場合には、車
室前方のズピーカ17Lと17Rの遅延時間差をそれぞ
れ2.3msと3.45msにしている。スピーカ17
Lと17Rの時間差は1.15msであり、左スピーカ
の時間遅れを補正している。車室後方のスピーカ23
L,23Rとの時間差は2.3msと3.45msであ
り、前方スピーカ17L,17Rを遠ざけるためと、低
音域の音圧周波数特性の平坦化のために選ばれた遅延時
間である。上記第一,第二の遅延時間は、車室25の全
長,全幅などの室内寸法、スピーカの位置、乗員座席の
位置によって異なるが、スピーカと乗員座席距離を計測
し、その距離を目安に遅延時間を変えて乗員位置の音圧
特性を測定することで最適値の選択と効果の確認ができ
る。全長2.6mの車室では、音速340m/secの
とき遅延時間は8ms以内である。
【0038】実施例3.図8はこの発明の第三の実施例
の定位処理部24の中で車室25の左前方スピーカ17
Lの信号系の構成を示す図である。図において、40L
は1次の低域通過フィルタ、41Lは2次の高域通過フ
ィルタ、42L,43L,44Lは全帯域通過フィルタ
で、第二の低域通過フィルタ40Lは音声帯域を含むよ
り低い帯域を分離し、第二の高域通過フィルタ41Lは
音声帯域より高い帯域を分離する。全帯域通過フィルタ
42L,43L,44Lは、分離する帯域近傍において
第二の低域通過フィルタ40Lと遅延処理部13Lを通
過した信号の位相が、第二の高域通過フィルタ41Lを
通過した信号の位相とπ/2の差になるように位相を回
転させる。この場合の位相条件は数4に示す次式のよう
になる。
【0039】
【数4】
【0040】ディジタルフィルタでは、フィルタ特性を
きめる係数を16ビット以上の高精度で選択でき、しか
もほとんど連続した値から選択できる利点がある。本実
施例ではIIRディジタルフィルタの特性計算例を示し
たが、アナログフィルタでもほぼ同様のフィルタ特性を
実現できることは周知である。アナログフィルタで構成
する場合では、容易に使用できる抵抗やコンデンサの値
が限られているが、フィルタ次数が高くないため、規模
の小さい回路で構成できる利点がある。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、次数
の低い帯域遮断特性をもつ帯域フィルタと遅延処理部を
直列接続し、次数の高い帯域遮断特性をもつ帯域フィル
タと加算するように構成したので、音声帯域信号を定位
しても遅延振幅特性が平坦に保てる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による音響再生装置の構成
を示すブロック回路図である。
【図2】実施例1の定位処理部のディジタルフィルタの
一構成例を示すブロック回路図である。
【図3】実施例1の定位処理部のディジタルフィルタの
他の構成例を示すブロック回路図である。
【図4】実施例1の定位処理部のフィルタ特性の計算例
を示す図である。
【図5】実施例1の定位処理部の実測フィルタ特性例を
示す図である。
【図6】この発明の実施例2の定位処理部の構成を示す
ブロック回路図である。
【図7】実施例2の定位処理部のフィルタ特性の計算例
を示す図である。
【図8】この発明の実施例3の定位処理部の構成を示す
ブロック回路図である。
【図9】従来の音響再生装置の構成を示すブロツク回路
図である。
【符号の説明】
11 低域通過フィルタ 12 高域通過フィルタ 13 遅延処理部 14 加算器 15 アッテネータ 18 低域通過フィルタ 19 高域通過フィルタ 20 遅延処理部 21 アッテネータ 24 定位処理部 30 遅延処理部 31 全帯域通過フィルタ 32 遅延処理部 33 全帯域通過フィルタ 40 低域通過フィルタ 41 高域通過フィルタ 42 全帯域通過フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 1/00 J 8421−5H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンネルごとに、入力音声信号を異な
    る遮断周波数でわける1次の高域通過フィルタと2次の
    低域通過フィルタ、上記高域通過フィルタの出力に時間
    遅れを与える遅延手段、この遅延手段の出力と上記2次
    の低域通過フィルタの出力を加算する手段、およびこの
    加算出力のレベルを調節する手段とを備えた音響再生装
    置。
  2. 【請求項2】 チャンネルごとに、入力音声信号を異な
    る遮断周波数でわける1次高域通過フィルタと2次の低
    域通過フィルタ、上記高域通過フィルタの出力に時間遅
    れを与える第一の遅延手段、上記低域通過フィルタの出
    力に時間遅れを与える第二の遅延手段、この第二の遅延
    手段の出力の位相を調節する全帯域通過フィルタ、上記
    第一の遅延手段の出力と上記全帯域通過フィルタの出力
    を加算する手段、およびこの加算出力のレベルを調節す
    る手段とを備えた音響再生装置。
  3. 【請求項3】 チャンネルごとに、入力音声信号を異な
    る遮断周波数でわける1次高域通過フィルタと2次の低
    域通過フィルタ、上記高域通過フィルタの出力を帯域分
    割する第二の低域通過フィルタと第二の高域通過フィル
    タ、上記第二の低域通過フィルタの出力に時間遅れを与
    える遅延手段、上記第二の高域通過フィルタの出力の位
    相を回転させる複数の全帯域通過フィルタ、上記第一の
    低域通過フィルタの出力と上記遅延手段の出力と上記全
    帯域通過フィルタの出力とを加算する手段、およびこの
    加算出力のレベルを調節する手段とを備えた音響再生装
    置。
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