JPH0614012Y2 - スタンド式マフラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車の暖機運転時等に於いて、自動車に装備
されたマフラから発生する排気音を消音するためのスタ
ンド式マフラに関するものである。

従来の技術 自動車のエンジンの排気バルブから排気される燃焼ガス
は非常に高圧であり、直接大気中に排気すると騒音の発
生源となる。このため、エンジンの排気バルブから排気
された燃焼ガスは、一般にエキゾーストマニホールドか
らエキゾーストパイプに集められた後、マフラに送ら
れ、マフラ内で消音された後排気ガスとして大気中に放
散されるようにしてある。

このマフラによる消音方法には、排気ガス流路の断面積
を変化させることにより流れを拡張、収縮させて圧力変
動を抑える方法、内部の反射、干渉を利用する方法、特
定の周波数の共鳴空洞を設定する方法、吸音材を用いる
方法等があるが、一般には、一つのマフラ内にこれらの
方法の内のいくつかを併用することにより排気ガスの消
音を計っている。

考案が解決しようとする問題点 上記した如く、自動車のエンジンの排気系にマフラを装
備し、排気ガスの消音を行う場合、マフラによる消音効
果を大幅に高めようとすると、上記した何れの方法を併
用しても、マフラ自体が非常に大形化すると同時に、エ
キゾーストパイプの背圧を上昇させ、エンジン性能を低
下させるといった問題があった。従って、自動車に装備
されるマフラのみによって排気ガスの消音を十分に行う
ことは非常に困難であり、自動車のエンジンの駆動中に
はある程度の排気音が発生するのが現状である。このた
め、冬期の早朝等に於いて、自動車を自自宅ガレージに
駐車した状態のまま暖機運転を行うような場合、この時
の排気音が周囲に迷惑をかけるといった問題があった。

問題点を解決するための手段 スタンド式マフラを消音機構が組込まれたマフラ本体
と、マフラ本体の地面からの高さを調整自在に支持する
スタンドによって構成し、上記マフラ本体の前面に、マ
フラ本体内に排気ガスを吸入するための吸気孔を設け、
マフラ本体の底面に排気ガスを大気中に排気するための
排気孔を設け、かつ、上記吸気孔の外周前面に、自動車
に装備されたマフラの外周に被嵌する吸気筒を装着した
ものである。

作用 上記構造を有するスタンド式マフラを、例えば暖機運転
中の自動車に装備されたマフラに連結することにより、
排気音の消音を計るものである。

実施例 第１図乃至第７図は本考案に係るスタンド式マフラの第
１の実施例を示すものである。図中（１）は矩形状をし
たマフラ本体、（２）は排気ガスをマフラ本体（１）内
に吸入するため、マフラ本体（１）の前面に設けた吸気
孔、（３）は吸気孔（２）の外周前面に装着した吸気
筒、（４）はマフラ本体（１）内に流入した排気ガスを
消音した後外部に排気するため、マフラ本体（１）の底
面に設けた排気孔であり、上記吸気筒（３）の内径は、
自動車に装備されたマフラの外周に被嵌できるだけの径
にしておく。又、この実施例の場合、上記マフラ本体
（１）無いに形成する消音機構は第７図の断面図に示す
ようにしておく。即ち、マフラ本体（１）の内部の長手
方向の全長に渡って第１及び第２の仕切り板（５）
（６）を設置すると共に、マフラ本体（１）の内周面に
グラスウール等の吸音材（７）を張り付け、更に吸音材
（７）の表面にパンチグメタル（８）を配設した構造を
とっており、第１及び第２の仕切り板（５）（６）によ
って排気ガス流路の断面積を変化させ、流れを拡張、収
縮させて圧力変動を押さえると同時に、吸音材（７）に
よって排気音を吸収するようにしている。（９）はマフ
ラ本体（１）を地面より所望の高さに支持するためのス
タンドである。このスタンド（９）は地面に載置される
支持板(10)と、支持板(10)に固設した支柱(11)とからな
っており、この支柱(11)にマフラ本体（１）の背面に固
定したブラケット(12)を嵌合させることにより、マフラ
本体（１）を所望の高さに支持するようにしてある。
尚、この実施例の場合、ブラケット(12)は半円形状を
し、その両端に鍔部を有する第１及び第２の支持体(12
a)(12b)によって構成されており、第１の支持体(12a)を
マフラ本体（１）の背面に溶着し、第２の支持体(12b)
を第１の支持体(12a)にボルト止めし、この時両者間に
形成される円形の空間にて支柱(11)の外周を挾持するこ
とにより、マフラ本体（１）を支柱(11)に固定できるよ
うにしてある。

上記構成に於いて、本考案に係るスタンド式マフラによ
り、例えば自宅のガレージに駐車した状態のまま暖機運
転を行っている自動車の排気音の消音を行うには、第８
図に示す如く、マフラ本体（１）に装着した吸気筒
（３）の地面からの高さと、自動車（Ａ）に装備された
マフラ（Ｂ）の地面からの高さとが予め一致するよう
に、マフラ本体（１）のスタンド（９）の支柱(11)に対
する取付位置を予め調整しておいた後、マフラ本体
（１）の吸気筒（３）を自動車（Ａ）に装備されたマフ
ラ（Ｂ）の外周に被嵌させる。すると、自動車（Ａ）に
装備されたマフラ（Ｂ）から排気された排気ガスは、ス
タンド式マフラのマフラ本体（１）内に流入し、マフラ
本体（１）内に設けた消音機構により消音された後、マ
フラ本体（１）の底面に設けた排気孔（４）から大気中
に排気される。このように、自動車（Ａ）のマフラ
（Ｂ）から排気される排気ガスを、スタンド式マフラの
マフラ本体（１）内に導き、マフラ本体（１）内で更に
消音した後大気中に排気すれば、駐車状態に於ける暖機
運転時等に於いて、排気音を周囲にほとんど聞こえない
レベルまで低下させることができる。

第９図乃至第15図は本考案に係るスタンド式マフラの第
２の実施例を示すものであり、この実施例に示すスタン
ド式マフラは、マフラ本体(20)の形状を円筒形にし、マ
フラ本体(20)の前面に吸気孔(21)を形成し、マフラ本体
(20)の底面に排気孔(22)を形成し、かつ、吸気孔(21)の
外周前面に吸気筒(23)を装着したものであり、この実施
例の場合も支持板(24)及び支柱(25)からなるスタンド(2
6)の支柱(25)に、マフラ本体(20)の側面に固着したブラ
ケット(27)を嵌合させることにより、マフラ本体(20)を
所望の高さに支持するようにしてある。又マフラ本体(2
0)内に設ける消音機構として、この実施例の場合は、第
15図に示す如く、マフラ本体(20)の内周面の全面に吸音
材(28)を張り付け、この吸音材(28)の表面にパンチング
ボード(29)を配置すると共に、第１の仕切り板(30)によ
ってマフラ本体(20)内を前室(20a)と後室(20b)に分割
し、両室(20a)(20b)を第１の仕切り板(30)に設けた半円
形の開口部(30a)によって連通し、更に後室(20b)内に第
２の仕切板(31)を配置した構造をとっている。尚、この
第２の実施例に示すスタンド式マフラも、その使用方法
は第１の実施例のスタンド式マフラと同様である。

考案の効果 上記した如く、例えば自宅のガレージに駐車した状態の
まま暖機運転を行っている自動車のマフラに、本考案に
係るスタンド式マフラを連結し、自動車のマフラから排
気される排気ガスをスタンド式マフラのマフラ本体内に
導くようにすれば、排気音をスタンド式マフラによって
消音することができ、排気音を周囲にほとんど聞こえな
いレベルにまで低下させることができる。従って、自宅
のガレージに自動車を駐車した状態のまま暖機運転を行
うような場合、排気音によって周囲に迷惑をかけるのを
防止できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係るスタンド式マフラの第１の実施例
を示す正面図、第２図は背面図、第３図は右側面図、第
４図は左側面図、第５図は平面図、第６図は底面図、第
７図は第１図のＩ−Ｉ線に沿う断面図、第８図はスタン
ド式マフラの使用状態を示す使用状態説明図である。第
９図は本考案に係るスタンド式マフラの第２の実施例を
示す正面図、第10図は背面図、第11図は右側面図、第12
図は左側面図、第13図は平面図、第14図は底面図、第15
図は第９図II-II線に沿う断面図である。 （１）(20)……マフラ本体、 （２）(21)……吸気孔、（３）(23)……吸気筒、 （４）(22)……排気孔、（９）(26)……スタンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】消音機構が組込まれたマフラ本体と、マフ
   ラ本体の地面からの高さを調整自在に支持するスタンド
   からなり、上記マフラ本体の前面に、マフラ本体内に排
   気ガスを吸入するための吸気孔を設け、マフラ本体の底
   面に排気ガスを大気中に排気するための排気孔を設け、
   かつ、上記吸気孔の外周前面に、自動車に装備されたマ
   フラの外周に被嵌する吸気筒を装着したことを特徴とす
   るスタンド式マフラ。