JPH0613852A - フリップフロップ回路 - Google Patents
フリップフロップ回路Info
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- JPH0613852A JPH0613852A JP4170312A JP17031292A JPH0613852A JP H0613852 A JPH0613852 A JP H0613852A JP 4170312 A JP4170312 A JP 4170312A JP 17031292 A JP17031292 A JP 17031292A JP H0613852 A JPH0613852 A JP H0613852A
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- circuit
- flip
- flop circuit
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- clock signal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速動作を損なうことなく、フリップフロッ
プ回路のα線によるソフトエラ−耐性を向上させる。 【構成】 少なくとも、クロック信号に基づき、入力さ
れた論理情報に対応する値を出力するデータ取得回路
と、このデータ取得回路の出力を帰還入力として、この
データ取得回路の出力状態を保持するデ−タ保持回路と
を具備し、入力された論理情報を一時的に記憶するフリ
ップフロップ回路において、データ保持回路で発生する
ノイズを吸収する容量と、クロック信号に基づき、この
容量の接続を制御する電界効果トランジスタなどからな
るスイッチ回路とを、データ取得回路の出力部分、もし
くは、デ−タ保持回路の入力部分に設ける。
プ回路のα線によるソフトエラ−耐性を向上させる。 【構成】 少なくとも、クロック信号に基づき、入力さ
れた論理情報に対応する値を出力するデータ取得回路
と、このデータ取得回路の出力を帰還入力として、この
データ取得回路の出力状態を保持するデ−タ保持回路と
を具備し、入力された論理情報を一時的に記憶するフリ
ップフロップ回路において、データ保持回路で発生する
ノイズを吸収する容量と、クロック信号に基づき、この
容量の接続を制御する電界効果トランジスタなどからな
るスイッチ回路とを、データ取得回路の出力部分、もし
くは、デ−タ保持回路の入力部分に設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エミッタ結合論理回路
で構成され、論理装置内などにおいて情報を一時的に記
憶するフリップフロップ回路に係り、特に、半導体のパ
ッケ−ジ材料などの中に含まれる微量の放射線物質から
放射されるα線によるソフトエラ−の発生を、動作の高
速性を損なうことなく防止するのに好適なフリップフロ
ップ回路に関するものである。
で構成され、論理装置内などにおいて情報を一時的に記
憶するフリップフロップ回路に係り、特に、半導体のパ
ッケ−ジ材料などの中に含まれる微量の放射線物質から
放射されるα線によるソフトエラ−の発生を、動作の高
速性を損なうことなく防止するのに好適なフリップフロ
ップ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フリップフロップ回路は、二つの安定状
態を持ち、一方の状態にあるとき、次に他方の状態へ遷
移させる入力が与えられるまで、現在の状態を保持する
回路であり、例えば、電子情報通信学会編「電子情報通
信ハンドブック」(1988年、オーム社発行)の第8
90頁から第894頁に記載のように、コンピュータの
記憶素子や、遅延素子などとして用いられる。
態を持ち、一方の状態にあるとき、次に他方の状態へ遷
移させる入力が与えられるまで、現在の状態を保持する
回路であり、例えば、電子情報通信学会編「電子情報通
信ハンドブック」(1988年、オーム社発行)の第8
90頁から第894頁に記載のように、コンピュータの
記憶素子や、遅延素子などとして用いられる。
【0003】図3は、従来のフリップフロップ回路の構
成の一例を示す回路図である。このフリップフロップ回
路は、エミッタ結合論理回路(以下、ECLと記載:E
mitter−Coupled Logic)と、シリ
−ズゲ−トECLを用いて構成されたもので、デ−タを
取り込むデータ取り込み部としてのECL順序回路31
6と、このECL順序回路316の出力状態を保持する
データ保持回路317と、データ保持回路317の出力
を、このデータ保持回路317の入力に帰還するエミッ
タフォロア回路318と、データ保持回路317で保持
するデータを出力する出力バッファ回路319とにより
構成されている。そして、図中、Dは入力デ−タ、CK
はクロック信号、QTは肯定側出力、QBは否定側出
力、VBB1は高電位側のレファレンス電圧、VBB2
は低電位側のレファレンス電圧、313は定電流源、V
EEはECL順序回路316とデータ保持回路317用
の負電源、VTTはエミッタフォロア回路318と出力
バッファ回路319用の負電源である。
成の一例を示す回路図である。このフリップフロップ回
路は、エミッタ結合論理回路(以下、ECLと記載:E
mitter−Coupled Logic)と、シリ
−ズゲ−トECLを用いて構成されたもので、デ−タを
取り込むデータ取り込み部としてのECL順序回路31
6と、このECL順序回路316の出力状態を保持する
データ保持回路317と、データ保持回路317の出力
を、このデータ保持回路317の入力に帰還するエミッ
タフォロア回路318と、データ保持回路317で保持
するデータを出力する出力バッファ回路319とにより
構成されている。そして、図中、Dは入力デ−タ、CK
はクロック信号、QTは肯定側出力、QBは否定側出
力、VBB1は高電位側のレファレンス電圧、VBB2
は低電位側のレファレンス電圧、313は定電流源、V
EEはECL順序回路316とデータ保持回路317用
の負電源、VTTはエミッタフォロア回路318と出力
バッファ回路319用の負電源である。
【0004】ECL順序回路316は、抵抗301、3
02と、トランジスタ303、304、307とにより
構成され、クロック信号CKに基づき、入力データDに
対応する値を、ノードA1、A2に出力する。データ保
持回路317は、トランジスタ305、306、308
により構成され、クロック信号CKの変化時に係わら
ず、入力データDに対応するECL順序回路316のノ
ードA1、A2の値を保持する。エミッタフォロア回路
318は、トランジスタ314と抵抗315により構成
され、データ保持回路317の出力、すなわち、ECL
順序回路316のノードA1の出力を、データ保持回路
317に帰還する。出力バッファ回路319は、トラン
ジスタ309、310と、抵抗311、312からな
り、データ保持部317で保持しているECL順序回路
316のノードA1、A2の値を、それぞれ、不定側出
力QBと肯定側出力QTとして出力する。
02と、トランジスタ303、304、307とにより
構成され、クロック信号CKに基づき、入力データDに
対応する値を、ノードA1、A2に出力する。データ保
持回路317は、トランジスタ305、306、308
により構成され、クロック信号CKの変化時に係わら
ず、入力データDに対応するECL順序回路316のノ
ードA1、A2の値を保持する。エミッタフォロア回路
318は、トランジスタ314と抵抗315により構成
され、データ保持回路317の出力、すなわち、ECL
順序回路316のノードA1の出力を、データ保持回路
317に帰還する。出力バッファ回路319は、トラン
ジスタ309、310と、抵抗311、312からな
り、データ保持部317で保持しているECL順序回路
316のノードA1、A2の値を、それぞれ、不定側出
力QBと肯定側出力QTとして出力する。
【0005】このフリップフロップ回路において、クロ
ック信号CKがハイレベル(低電位側のレファレンス電
圧VBB2よりも高い)の時、トランジスタ308がオ
フして、トランジスタ307がオンするため、ノ−ドA
2と肯定側出力QTには入力データDの肯定出力が、ま
た、ノ−ドA1と否定側出力QBには入力データDの否
定(反転)出力が現れる。例えば、入力データDがハイ
レベルの時には、ノ−ドA2はハイレベルで、ノ−ドA
1はロ−レベルとなり、出力QTはハイレベルで、出力
QBはロ−レベルとなる。また、ノ−ドA3は、出力Q
Bと同相でロ−レベルとなる。
ック信号CKがハイレベル(低電位側のレファレンス電
圧VBB2よりも高い)の時、トランジスタ308がオ
フして、トランジスタ307がオンするため、ノ−ドA
2と肯定側出力QTには入力データDの肯定出力が、ま
た、ノ−ドA1と否定側出力QBには入力データDの否
定(反転)出力が現れる。例えば、入力データDがハイ
レベルの時には、ノ−ドA2はハイレベルで、ノ−ドA
1はロ−レベルとなり、出力QTはハイレベルで、出力
QBはロ−レベルとなる。また、ノ−ドA3は、出力Q
Bと同相でロ−レベルとなる。
【0006】この時、クロック信号CKがロ−レベルに
なると、今までオフ状態にあったトランジスタ308が
オン、トランジスタ307がオフし、定電流源313の
電流がトランジスタ308に流れる。この結果、トラン
ジスタ305と306からなるカレントスイッチが活性
化され、ノ−ドA3がロ−レベルで、高電位側のレファ
レンス電圧VBB1よりも低いため、トランジスタ30
5がオン、トランジスタ306がオフとなり、ノ−ドA
1はロ−レベル、ノ−ドA2はハイレベルとなり、肯定
側出力QT、否定側出力QBは、それぞれ、ハイレベ
ル、ロ−レベルとなる。すなわち、肯定側出力QT、否
定側出力QBは、共に、クロック信号CKがロ−レベル
に切り替わる直前(ハイレベル)の時の出力状態を保持
することになる。
なると、今までオフ状態にあったトランジスタ308が
オン、トランジスタ307がオフし、定電流源313の
電流がトランジスタ308に流れる。この結果、トラン
ジスタ305と306からなるカレントスイッチが活性
化され、ノ−ドA3がロ−レベルで、高電位側のレファ
レンス電圧VBB1よりも低いため、トランジスタ30
5がオン、トランジスタ306がオフとなり、ノ−ドA
1はロ−レベル、ノ−ドA2はハイレベルとなり、肯定
側出力QT、否定側出力QBは、それぞれ、ハイレベ
ル、ロ−レベルとなる。すなわち、肯定側出力QT、否
定側出力QBは、共に、クロック信号CKがロ−レベル
に切り替わる直前(ハイレベル)の時の出力状態を保持
することになる。
【0007】しかし、近年、素子の微細化が進むに連
れ、パッケ−ジなどから発生するα線によるソフトエラ
−が無視できない状況となっている。図7は、半導体チ
ップにα線が入射したときの様子を示す説明図である。
図7(a)は、バイポ−ラトランジスタの断面を示し、
701は絶縁膜、702は配線材、708はエピタキシ
ャル層、712は絶縁体、703、704、705はそ
れぞれコレクタ電極、エミッタ電極、ベース電極、70
6、707、709はそれぞれエミッタ領域、ベ−ス領
域、コレクタ領域であり、710はコレクタ709と基
板711で形成されるPN接合の空乏層である。このバ
イポ−ラトランジスタにα線が入射すると、その軌跡に
沿って電子(図中「−」で記載)と正孔(図中「+」で
記載)の対が発生する。各領域で発生した電子と正孔と
の対は、その場に加わっている電界と拡散によって、コ
レクタ電極703、エミッタ電極704、ベ−ス電極7
05、基板711のいずれかに移動し、図7(b)に示
すような電流ノイズとなる。このα線による電流ノイズ
によって引き起こされる回路の誤動作をソフトエラ−と
言う。
れ、パッケ−ジなどから発生するα線によるソフトエラ
−が無視できない状況となっている。図7は、半導体チ
ップにα線が入射したときの様子を示す説明図である。
図7(a)は、バイポ−ラトランジスタの断面を示し、
701は絶縁膜、702は配線材、708はエピタキシ
ャル層、712は絶縁体、703、704、705はそ
れぞれコレクタ電極、エミッタ電極、ベース電極、70
6、707、709はそれぞれエミッタ領域、ベ−ス領
域、コレクタ領域であり、710はコレクタ709と基
板711で形成されるPN接合の空乏層である。このバ
イポ−ラトランジスタにα線が入射すると、その軌跡に
沿って電子(図中「−」で記載)と正孔(図中「+」で
記載)の対が発生する。各領域で発生した電子と正孔と
の対は、その場に加わっている電界と拡散によって、コ
レクタ電極703、エミッタ電極704、ベ−ス電極7
05、基板711のいずれかに移動し、図7(b)に示
すような電流ノイズとなる。このα線による電流ノイズ
によって引き起こされる回路の誤動作をソフトエラ−と
言う。
【0008】以下、図3の回路において、α線がトラン
ジスタ305に入射した場合に関して、図4を用いて説
明する。図4は、図3におけるフリップフロップ回路の
α線入射時の動作を示すタイミングチャートである。本
図では、クロック信号CK、及び、入力データDがロー
レベル、そして、ノードA1、A3、否定側出力QBが
ハイレベルの状態で、図3のデータ保持部317のトラ
ンジスタ305に、α線が入射された時の状態変化が示
されている。すなわち、クロック信号CKがロ−レベル
で保持状態の場合、図3において、トランジスタ305
がオフ、トランジスタ306がオンで、ノ−ドA1がハ
イレベル、ノ−ドA2がロ−レベルの時に、α線がトラ
ンジスタ305に入射すると、図7で説明した電流ノイ
ズによって、トランジスタ305のコレクタ電位、すな
わちノ−ドA1の電位が瞬間的に低下する。さらに、こ
のノ−ドA1の電圧ノイズがノ−ドA3に伝わり、この
電位も低下することになる。
ジスタ305に入射した場合に関して、図4を用いて説
明する。図4は、図3におけるフリップフロップ回路の
α線入射時の動作を示すタイミングチャートである。本
図では、クロック信号CK、及び、入力データDがロー
レベル、そして、ノードA1、A3、否定側出力QBが
ハイレベルの状態で、図3のデータ保持部317のトラ
ンジスタ305に、α線が入射された時の状態変化が示
されている。すなわち、クロック信号CKがロ−レベル
で保持状態の場合、図3において、トランジスタ305
がオフ、トランジスタ306がオンで、ノ−ドA1がハ
イレベル、ノ−ドA2がロ−レベルの時に、α線がトラ
ンジスタ305に入射すると、図7で説明した電流ノイ
ズによって、トランジスタ305のコレクタ電位、すな
わちノ−ドA1の電位が瞬間的に低下する。さらに、こ
のノ−ドA1の電圧ノイズがノ−ドA3に伝わり、この
電位も低下することになる。
【0009】このノ−ドA3の電位が、高電位側のレフ
ァレンス電圧VBB1よりも低下してしまうと、今まで
オンしていた図3のトランジスタ306がオフ、図3の
トランジスタ305がオンし、ノ−ドA1はロ−レベ
ル、図3のノ−ドA2はハイレベルとなり、情報の反
転、すなわちソフトエラ−が起こる。従って、図3の回
路では、素子の微細化による寄生容量の減少や回路の低
電力化で、ノ−ドA1のノイズ量が増加し、ソフトエラ
−を起こしやすい。
ァレンス電圧VBB1よりも低下してしまうと、今まで
オンしていた図3のトランジスタ306がオフ、図3の
トランジスタ305がオンし、ノ−ドA1はロ−レベ
ル、図3のノ−ドA2はハイレベルとなり、情報の反
転、すなわちソフトエラ−が起こる。従って、図3の回
路では、素子の微細化による寄生容量の減少や回路の低
電力化で、ノ−ドA1のノイズ量が増加し、ソフトエラ
−を起こしやすい。
【0010】このようなソフトエラーを防止するため
に、図3におけるエミッタフォロア回路318を改良し
たものがある。図5は、α線によるソフトエラー対策済
のフリップフロップ回路の構成の一例を示す回路図であ
る。本図のフリップフロップ回路も、基本的に図3の回
路と同様な動作となる。図3の回路と本図の回路の違い
は、図3の回路のエミッタフォロア回路318が、図5
の回路では、ノ−ドA2のレベルでエミッタフォロア用
のトランジスタ503の電流を制御する構成のエミッタ
フォロア回路518となっている点である。
に、図3におけるエミッタフォロア回路318を改良し
たものがある。図5は、α線によるソフトエラー対策済
のフリップフロップ回路の構成の一例を示す回路図であ
る。本図のフリップフロップ回路も、基本的に図3の回
路と同様な動作となる。図3の回路と本図の回路の違い
は、図3の回路のエミッタフォロア回路318が、図5
の回路では、ノ−ドA2のレベルでエミッタフォロア用
のトランジスタ503の電流を制御する構成のエミッタ
フォロア回路518となっている点である。
【0011】ノ−ドA1の電位がハイレベルで、ノ−ド
A2の電位がロ−レベルの時には、ノ−ドA4のレベル
もロ−レベル(VBB1よりも低い)となり、トランジ
スタ502がオフ、トランジスタ501がオンし、抵抗
506を流れる電流は、ほとんど全てトランジスタ50
1を流れ、トランジスタ503には電流がほとんど流れ
ない。一方、ノ−ドA2の電位がハイレベルの時には、
ノ−ドA4の電位もハイレベルとなるため、トランジス
タ501がオフ、トランジスタ502がオンし、抵抗5
06を流れる電流は、ほとんど全てトランジスタ50
2、503を流れることになる。
A2の電位がロ−レベルの時には、ノ−ドA4のレベル
もロ−レベル(VBB1よりも低い)となり、トランジ
スタ502がオフ、トランジスタ501がオンし、抵抗
506を流れる電流は、ほとんど全てトランジスタ50
1を流れ、トランジスタ503には電流がほとんど流れ
ない。一方、ノ−ドA2の電位がハイレベルの時には、
ノ−ドA4の電位もハイレベルとなるため、トランジス
タ501がオフ、トランジスタ502がオンし、抵抗5
06を流れる電流は、ほとんど全てトランジスタ50
2、503を流れることになる。
【0012】このような構成の回路の場合には、ノ−ド
A1がハイレベルで、ノ−ドA2の電位がロ−レベルの
時、エミッタフォロア用のトランジスタ503にほとん
ど電流が流れず、ノ−ドA3の応答速度が遅いため、後
述の図6に示すように、ノ−ドA1の電圧ノイズがノ−
ドA3に減衰して伝わり、情報の反転が起こりにくい。
すなわち、本図のフリップフロップ回路は、図3の回路
に比べ、ソフトエラ−を起こしにくいと言え、エミッタ
フォロア用のトランジスタ503の電流を減らせば減ら
すほど、ノ−ドA3のα線による電圧ノイズを低減でき
るため、ソフトエラ−に対する耐性が向上できる。
A1がハイレベルで、ノ−ドA2の電位がロ−レベルの
時、エミッタフォロア用のトランジスタ503にほとん
ど電流が流れず、ノ−ドA3の応答速度が遅いため、後
述の図6に示すように、ノ−ドA1の電圧ノイズがノ−
ドA3に減衰して伝わり、情報の反転が起こりにくい。
すなわち、本図のフリップフロップ回路は、図3の回路
に比べ、ソフトエラ−を起こしにくいと言え、エミッタ
フォロア用のトランジスタ503の電流を減らせば減ら
すほど、ノ−ドA3のα線による電圧ノイズを低減でき
るため、ソフトエラ−に対する耐性が向上できる。
【0013】図6は、図5におけるフリップフロップ回
路のα線入射時の動作を示すタイミングチャートであ
る。クロック信号CK、及び、入力データDがローレベ
ル、そして、ノードA1、A3、否定側出力QBがハイ
レベルの状態で、図5のデータ保持部317のトランジ
スタ305に、α線が入射されても、図5のノ−ドA3
の応答速度が遅いため、ノ−ドA1の電圧ノイズがノ−
ドA3に減衰して伝わり、情報の反転が起こりにくい。
そして、図5のエミッタフォロア用のトランジスタ50
3の電流を減らせば減らすほど、ノ−ドA3のα線によ
る電圧ノイズを低減できる
路のα線入射時の動作を示すタイミングチャートであ
る。クロック信号CK、及び、入力データDがローレベ
ル、そして、ノードA1、A3、否定側出力QBがハイ
レベルの状態で、図5のデータ保持部317のトランジ
スタ305に、α線が入射されても、図5のノ−ドA3
の応答速度が遅いため、ノ−ドA1の電圧ノイズがノ−
ドA3に減衰して伝わり、情報の反転が起こりにくい。
そして、図5のエミッタフォロア用のトランジスタ50
3の電流を減らせば減らすほど、ノ−ドA3のα線によ
る電圧ノイズを低減できる
【0014】しかしながら、図5のトランジスタ503
の電流を減らすと、ノ−ドA3の電位の立ち下がりが遅
く、すなわち、デ−タを取り込む際の図5のECL順序
回路316の出力が、図5のデータ保持回路317に帰
還される時間Tfbが大きくなる。この時間が大きくな
ると、クロック信号CKのパルス幅を広くとる必要があ
り、高速化の障害となる。従って、図5の回路では、さ
らに、高速化を追及すると、ソフトエラ−耐性の向上と
の両立が難しくなる。
の電流を減らすと、ノ−ドA3の電位の立ち下がりが遅
く、すなわち、デ−タを取り込む際の図5のECL順序
回路316の出力が、図5のデータ保持回路317に帰
還される時間Tfbが大きくなる。この時間が大きくな
ると、クロック信号CKのパルス幅を広くとる必要があ
り、高速化の障害となる。従って、図5の回路では、さ
らに、高速化を追及すると、ソフトエラ−耐性の向上と
の両立が難しくなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術では、α線によるソフトエラ−耐性を
向上すると、クロックパルス幅を広く取る必要があり、
高速動作ができない点である。本発明の目的は、これら
従来技術の課題を解決し、高速動作を損なうことなく、
α線によるソフトエラ−耐性の向上を可能とするフリッ
プフロップ回路を提供することである。
点は、従来の技術では、α線によるソフトエラ−耐性を
向上すると、クロックパルス幅を広く取る必要があり、
高速動作ができない点である。本発明の目的は、これら
従来技術の課題を解決し、高速動作を損なうことなく、
α線によるソフトエラ−耐性の向上を可能とするフリッ
プフロップ回路を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のフリップフロップ回路は、(1)少なくと
も、クロック信号に基づき、入力された論理情報に対応
する値を出力するデータ取得回路と、このデータ取得回
路の出力を帰還入力として、このデータ取得回路の出力
状態を保持するデ−タ保持回路とを具備し、入力された
論理情報を一時的に記憶するフリップフロップ回路にお
いて、データ保持回路で発生するノイズを吸収する容量
と、クロック信号に基づき、この容量の電源端子への接
続を制御するスイッチ回路とを設けることを特徴とす
る。また、(2)上記(1)に記載のフリップフロップ
回路において、容量を、データ取得回路の出力部分に接
続することを特徴とする。また、(3)上記(1)に記
載のフリップフロップ回路において、容量を、デ−タ保
持回路の入力部分に接続することを特徴とする。また、
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載のフリッ
プフロップ回路において、スイッチ回路は、電界効果ト
ランジスタからなることを特徴とする。また、(5)上
記(1)から(4)のいずれかに記載のフリップフロッ
プ回路において、デ−タ保持回路で保持するデータ取得
回路の出力状態を、バッファ処理して出力すると共に、
デ−タ保持回路の入力に帰還するエミッタフォロア・出
力バッファ回路を設けることを特徴とする。また、
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載のフリッ
プフロップ回路において、スイッチ回路は、クロック信
号の逆相信号でオンして、容量を電源端子へ接続するす
ることを特徴とする。
め、本発明のフリップフロップ回路は、(1)少なくと
も、クロック信号に基づき、入力された論理情報に対応
する値を出力するデータ取得回路と、このデータ取得回
路の出力を帰還入力として、このデータ取得回路の出力
状態を保持するデ−タ保持回路とを具備し、入力された
論理情報を一時的に記憶するフリップフロップ回路にお
いて、データ保持回路で発生するノイズを吸収する容量
と、クロック信号に基づき、この容量の電源端子への接
続を制御するスイッチ回路とを設けることを特徴とす
る。また、(2)上記(1)に記載のフリップフロップ
回路において、容量を、データ取得回路の出力部分に接
続することを特徴とする。また、(3)上記(1)に記
載のフリップフロップ回路において、容量を、デ−タ保
持回路の入力部分に接続することを特徴とする。また、
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載のフリッ
プフロップ回路において、スイッチ回路は、電界効果ト
ランジスタからなることを特徴とする。また、(5)上
記(1)から(4)のいずれかに記載のフリップフロッ
プ回路において、デ−タ保持回路で保持するデータ取得
回路の出力状態を、バッファ処理して出力すると共に、
デ−タ保持回路の入力に帰還するエミッタフォロア・出
力バッファ回路を設けることを特徴とする。また、
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載のフリッ
プフロップ回路において、スイッチ回路は、クロック信
号の逆相信号でオンして、容量を電源端子へ接続するす
ることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、例えば、クロック信号がハ
イレベルで、フリップフロップ回路が保持状態にある時
には、スイッチ回路がオンする。スイッチ回路がオンす
ると、容量が、ECL順序回路の出力、または、エミッ
タフォロア・出力バッファ回路の出力のいずれかと、電
源端子との間に接続され、この容量により、α線などに
よって生じるデータ保持回路での電圧ノイズを吸収す
る。このことにより、半導体のパッケ−ジ材料などの中
に含まれる微量の放射線物質から放射されるα線に起因
するフリップフロップの誤動作を防止できる。また、ク
ロック信号がロ−レベルで、フリップフロップ回路がデ
−タを取り込む際には、スイッチ回路がオフし、容量は
電気的に切り離される。このことにより、エミッタフォ
ロアの応答速度の低下を回避できる。
イレベルで、フリップフロップ回路が保持状態にある時
には、スイッチ回路がオンする。スイッチ回路がオンす
ると、容量が、ECL順序回路の出力、または、エミッ
タフォロア・出力バッファ回路の出力のいずれかと、電
源端子との間に接続され、この容量により、α線などに
よって生じるデータ保持回路での電圧ノイズを吸収す
る。このことにより、半導体のパッケ−ジ材料などの中
に含まれる微量の放射線物質から放射されるα線に起因
するフリップフロップの誤動作を防止できる。また、ク
ロック信号がロ−レベルで、フリップフロップ回路がデ
−タを取り込む際には、スイッチ回路がオフし、容量は
電気的に切り離される。このことにより、エミッタフォ
ロアの応答速度の低下を回避できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図1は、本発明のフリップフロップ回路の本
発明に係わる構成の一実施例を示す回路図である。本実
施例のフリップフロップ回路は、図3、および、図5で
示す従来のフリップフロップ回路を構成するECL順序
回路316、データ保持回路317、バッファ回路31
9のそれぞれと同じ、データ取得回路としてのECL順
序回路119、データ保持回路120、および、エミッ
タフォロア・主力バッファ回路122と、本発明に係わ
る容量109、110と、クロック信号CKの逆相信号
であるクロック信号CK1でオンするスイッチ回路11
1、112とからなる直列回路121を設けて構成され
ている。本図において、その他の117の定電流源や、
VBB1の高電位側のレファレンス電圧、および、EC
L順序回路119、データ保持回路120、バッファ回
路122の内部構成などに関しては、それぞれ、図3、
および、図5で示す従来のフリップフロップ回路で説明
するものと同じであり、重複を避けるために説明を省略
する。
説明する。図1は、本発明のフリップフロップ回路の本
発明に係わる構成の一実施例を示す回路図である。本実
施例のフリップフロップ回路は、図3、および、図5で
示す従来のフリップフロップ回路を構成するECL順序
回路316、データ保持回路317、バッファ回路31
9のそれぞれと同じ、データ取得回路としてのECL順
序回路119、データ保持回路120、および、エミッ
タフォロア・主力バッファ回路122と、本発明に係わ
る容量109、110と、クロック信号CKの逆相信号
であるクロック信号CK1でオンするスイッチ回路11
1、112とからなる直列回路121を設けて構成され
ている。本図において、その他の117の定電流源や、
VBB1の高電位側のレファレンス電圧、および、EC
L順序回路119、データ保持回路120、バッファ回
路122の内部構成などに関しては、それぞれ、図3、
および、図5で示す従来のフリップフロップ回路で説明
するものと同じであり、重複を避けるために説明を省略
する。
【0019】尚、本実施例においては、スイッチ回路1
11、112には、しきい値電圧VTのn型MOSFE
T(電界効果トランジスタ)を用い、電源端子VSSと
ゲ−トとの電位差が、しきい値電圧VTよりも大きい時
にオンする。また、図3、および、図5におけるエミッ
タフォロア回路318、518は用いず、エミッタフォ
ロア・出力バッファ部122の出力を、データ保持回路
120へ帰還する構成としている。
11、112には、しきい値電圧VTのn型MOSFE
T(電界効果トランジスタ)を用い、電源端子VSSと
ゲ−トとの電位差が、しきい値電圧VTよりも大きい時
にオンする。また、図3、および、図5におけるエミッ
タフォロア回路318、518は用いず、エミッタフォ
ロア・出力バッファ部122の出力を、データ保持回路
120へ帰還する構成としている。
【0020】以下、本実施例のフリップフロップ回路の
動作について述べる。クロック信号CKがハイレベル
(VBB2よりも高い)の時、トランジスタ108がオ
フし、トランジスタ107がオンするため、ノ−ドA2
と出力QTには入力データDの肯定出力が、また、ノ−
ドA1と出力QBには入力データDの否定(反転)出力
が現れる。
動作について述べる。クロック信号CKがハイレベル
(VBB2よりも高い)の時、トランジスタ108がオ
フし、トランジスタ107がオンするため、ノ−ドA2
と出力QTには入力データDの肯定出力が、また、ノ−
ドA1と出力QBには入力データDの否定(反転)出力
が現れる。
【0021】例えば、入力データDがハイレベルの時に
は、ノ−ドA2はハイレベル、ノ−ドA1はロ−レベル
となり、出力QTはハイレベル、出力QBはロ−レベル
となる。この時、スイッチ回路111、112は、クロ
ック信号CK1が、クロック信号CKと逆相のロ−レベ
ル(電源端子VSSとゲ−トとの電位差が、しきい値電
圧VTよりも小さい)となっているため、オフしてい
る。このため、容量109、110は、フロ−ティング
状態となる。
は、ノ−ドA2はハイレベル、ノ−ドA1はロ−レベル
となり、出力QTはハイレベル、出力QBはロ−レベル
となる。この時、スイッチ回路111、112は、クロ
ック信号CK1が、クロック信号CKと逆相のロ−レベ
ル(電源端子VSSとゲ−トとの電位差が、しきい値電
圧VTよりも小さい)となっているため、オフしてい
る。このため、容量109、110は、フロ−ティング
状態となる。
【0022】デ−タの保持状態、すなわち、クロック信
号CKがロ−レベルになると、今までオフ状態であった
トランジスタ108がオンして、トランジスタ107が
オフし、定電流源117の電流がトランジスタ108に
流れる。この結果、トランジスタ105、106からな
るカレントスイッチが活性化され、ノ−ドA3がロ−レ
ベル(VBB1よりも低い)であるため、ノ−ドA1は
ロ−レベル、ノ−ドA2はハイレベルとなり、出力Q
T、QBは、それぞれ、ハイレベル、ロ−レベルとな
る。すなわち、出力QT、QBは共に、クロック信号C
Kがロ−レベルに切り替わる直前(ハイレベル)の時の
出力状態を保持することになる。
号CKがロ−レベルになると、今までオフ状態であった
トランジスタ108がオンして、トランジスタ107が
オフし、定電流源117の電流がトランジスタ108に
流れる。この結果、トランジスタ105、106からな
るカレントスイッチが活性化され、ノ−ドA3がロ−レ
ベル(VBB1よりも低い)であるため、ノ−ドA1は
ロ−レベル、ノ−ドA2はハイレベルとなり、出力Q
T、QBは、それぞれ、ハイレベル、ロ−レベルとな
る。すなわち、出力QT、QBは共に、クロック信号C
Kがロ−レベルに切り替わる直前(ハイレベル)の時の
出力状態を保持することになる。
【0023】この時、CK1がハイレベル(電源端子V
SSとゲ−トとの電位差がしきい値電圧VTよりも大き
い)となるため、スイッチ回路111、112はオンす
る。したがって、この保持状態では、容量109、11
0は、電気的に電源VSSに接続されることになる。こ
の時、α線がトランジスタ105に入射し、図7で示し
たようなノイズ電流がコレクタに流れても、そのノイズ
電流を、容量109に蓄えられた電荷で吸収するため、
ノ−ドA1の電位はほとんど変化せず、フリップフロッ
プ回路は誤動作しない。
SSとゲ−トとの電位差がしきい値電圧VTよりも大き
い)となるため、スイッチ回路111、112はオンす
る。したがって、この保持状態では、容量109、11
0は、電気的に電源VSSに接続されることになる。こ
の時、α線がトランジスタ105に入射し、図7で示し
たようなノイズ電流がコレクタに流れても、そのノイズ
電流を、容量109に蓄えられた電荷で吸収するため、
ノ−ドA1の電位はほとんど変化せず、フリップフロッ
プ回路は誤動作しない。
【0024】さらに、クロック信号CKがロ−レベルか
らハイレベルに立上る際、すなわち、デ−タを取り込み
のために回路が遷移している場合には、クロック信号C
Kの立ち上がりにより、ECL順序回路119が活性化
され、入力データに応じたレベルがノ−ドA1、A2に
現れる。例えば、入力データDがハイレベルの時には、
クロック信号CKの立ち上がりと同時に、ノ−ドA1は
ロ−レベルに、また、ノ−ドA2はハイレベルになる。
この時、クロック信号CK1は、ハイレベルからロ−レ
ベルに立ち下がり、スイッチ回路111、112がオフ
し、容量109、110が電気的に電源端子VSSから
切り離される。このため、容量109、110は、フロ
−ティング状態となるため、ノ−ドA1、あるいは、A
2の電位が変化しても、ほとんど電荷が充放電しないこ
とになる。従って、この直列回路121は、この時(デ
−タの取り込み動作時)の回路の動作速度にほとんど影
響を与えない。
らハイレベルに立上る際、すなわち、デ−タを取り込み
のために回路が遷移している場合には、クロック信号C
Kの立ち上がりにより、ECL順序回路119が活性化
され、入力データに応じたレベルがノ−ドA1、A2に
現れる。例えば、入力データDがハイレベルの時には、
クロック信号CKの立ち上がりと同時に、ノ−ドA1は
ロ−レベルに、また、ノ−ドA2はハイレベルになる。
この時、クロック信号CK1は、ハイレベルからロ−レ
ベルに立ち下がり、スイッチ回路111、112がオフ
し、容量109、110が電気的に電源端子VSSから
切り離される。このため、容量109、110は、フロ
−ティング状態となるため、ノ−ドA1、あるいは、A
2の電位が変化しても、ほとんど電荷が充放電しないこ
とになる。従って、この直列回路121は、この時(デ
−タの取り込み動作時)の回路の動作速度にほとんど影
響を与えない。
【0025】このような動作を、図2を用いて説明す
る。図2は、図1におけるフリップフロップ回路の本発
明に係わる動作の一実施例を示すタイミングチャートで
ある。本図では、クロック信号CKと入力データD、お
よび、ノードA2がローレベルで、また、クロック信号
CKと逆相のクロック信号CK1とノードA1、およ
び、否定側出力QBがハイレベルの状態で、図1のデー
タ保持部120のトランジスタ105に、α線が入射さ
れた時の状態変化を示すと共に、入力データDのハイレ
ベルへの変化後に、クロック信号CKが立ち上がる時点
(データ取り込み)でのノードA1、A2と、否定側出
力QBの状態変化を示している。
る。図2は、図1におけるフリップフロップ回路の本発
明に係わる動作の一実施例を示すタイミングチャートで
ある。本図では、クロック信号CKと入力データD、お
よび、ノードA2がローレベルで、また、クロック信号
CKと逆相のクロック信号CK1とノードA1、およ
び、否定側出力QBがハイレベルの状態で、図1のデー
タ保持部120のトランジスタ105に、α線が入射さ
れた時の状態変化を示すと共に、入力データDのハイレ
ベルへの変化後に、クロック信号CKが立ち上がる時点
(データ取り込み)でのノードA1、A2と、否定側出
力QBの状態変化を示している。
【0026】クロック信号がローレベルで、ノードA
1、A2のそれぞれが、保持された状態においては、ク
ロック信号CK1がハイレベルとなっており、図1のス
イッチ回路111、112がオンで、容量109、11
0が電気的に電源VSSに接続された状態であり、この
時に、α線が、図1のトランジスタ105に入射したと
しても、α線によるノイズ電流を、図1の容量109に
蓄えられた電荷で吸収するため、ノ−ドA1、および、
否定側出力QBの電位はほとんど変化しない。
1、A2のそれぞれが、保持された状態においては、ク
ロック信号CK1がハイレベルとなっており、図1のス
イッチ回路111、112がオンで、容量109、11
0が電気的に電源VSSに接続された状態であり、この
時に、α線が、図1のトランジスタ105に入射したと
しても、α線によるノイズ電流を、図1の容量109に
蓄えられた電荷で吸収するため、ノ−ドA1、および、
否定側出力QBの電位はほとんど変化しない。
【0027】さらに、入力データDがハイレベルとなっ
た状態で、クロック信号CKがロ−レベルからハイレベ
ルに立上る際、すなわち、デ−タを取り込みのために回
路が遷移する場合には、クロック信号CKの立ち上がり
により、図1のECL順序回路119が活性化され、ノ
−ドA1はロ−レベルに、また、ノ−ドA2はハイレベ
ルになる。この時、クロック信号CK1は、ハイレベル
からロ−レベルに立ち下がり、図1において、スイッチ
回路111、112がオフし、容量109、110がフ
ロ−ティング状態となり、ほとんど電荷の充放電を行な
わず、ノ−ドA1、A2の電位変化の速度に影響を与え
ない。
た状態で、クロック信号CKがロ−レベルからハイレベ
ルに立上る際、すなわち、デ−タを取り込みのために回
路が遷移する場合には、クロック信号CKの立ち上がり
により、図1のECL順序回路119が活性化され、ノ
−ドA1はロ−レベルに、また、ノ−ドA2はハイレベ
ルになる。この時、クロック信号CK1は、ハイレベル
からロ−レベルに立ち下がり、図1において、スイッチ
回路111、112がオフし、容量109、110がフ
ロ−ティング状態となり、ほとんど電荷の充放電を行な
わず、ノ−ドA1、A2の電位変化の速度に影響を与え
ない。
【0028】以上、図1、および、図2を用いて説明し
たように、本実施例のフリップフロップ回路では、容量
を設けて、データ保持回路120で発生する電流ノイズ
を吸収し、α線による電流ノイズが起因となるソフトエ
ラ−を防止できる。また、スイッチ回路111、112
により、クロック信号CKの立ち上がり時に、容量の電
荷の充放電を停止させることにより、デ−タの取り込み
速度の低下を防止することができる。また、ECL順列
回路119の出力を安定させているので、データ保持回
路へ帰還する入力を、出力バッファ回路から直接取るこ
とができ、特別なエミッタフォロア回路が不要となる。
たように、本実施例のフリップフロップ回路では、容量
を設けて、データ保持回路120で発生する電流ノイズ
を吸収し、α線による電流ノイズが起因となるソフトエ
ラ−を防止できる。また、スイッチ回路111、112
により、クロック信号CKの立ち上がり時に、容量の電
荷の充放電を停止させることにより、デ−タの取り込み
速度の低下を防止することができる。また、ECL順列
回路119の出力を安定させているので、データ保持回
路へ帰還する入力を、出力バッファ回路から直接取るこ
とができ、特別なエミッタフォロア回路が不要となる。
【0029】尚、本発明は、例えば、図1において、容
量111、112のそれぞれを、ECL順列回路119
の出力部分ではなく、データ保持回路120の入力部分
に設けるなどの構成とするものでも良く、図1、およ
び、図2を用いて説明した実施例に限定されるものでは
ない。
量111、112のそれぞれを、ECL順列回路119
の出力部分ではなく、データ保持回路120の入力部分
に設けるなどの構成とするものでも良く、図1、およ
び、図2を用いて説明した実施例に限定されるものでは
ない。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、α線による電圧ノイズ
を低減して、フリップフロップ回路のソフトエラ−耐性
を高めると共に、デ−タの取り込み速度の低下を防止で
き、フリップフロップ回路の性能を向上させることが可
能である。
を低減して、フリップフロップ回路のソフトエラ−耐性
を高めると共に、デ−タの取り込み速度の低下を防止で
き、フリップフロップ回路の性能を向上させることが可
能である。
【0031】
【図1】本発明のフリップフロップ回路の本発明に係わ
る構成の一実施例を示す回路図である。
る構成の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1におけるフリップフロップ回路の本発明に
係わる動作の一実施例を示すタイミングチャートであ
る。
係わる動作の一実施例を示すタイミングチャートであ
る。
【図3】従来のフリップフロップ回路の構成の一例を示
す回路図である。
す回路図である。
【図4】図3におけるフリップフロップ回路のα線入射
時の動作を示すタイミングチャートである。
時の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】α線によるソフトエラー対策済のフリップフロ
ップ回路の構成の一例を示す回路図である。
ップ回路の構成の一例を示す回路図である。
【図6】図5におけるフリップフロップ回路のα線入射
時の動作を示すタイミングチャートである。
時の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】半導体チップにα線が入射したときの様子を示
す説明図である。
す説明図である。
101、102 抵抗 103〜108 トランジスタ 109、110 容量 111、112 スイッチ回路 113、114 トランジスタ 115、116 抵抗 117 定電流源 119 ECL順序回路 120 データ保持回路 121 直列回路 122 エミッタフォロア・出力バッファ回路 301、302 抵抗 303〜310 トランジスタ 311、312 抵抗 313 定電流源 314 トランジスタ 315 抵抗 316 ECL順序回路 317 データ保持回路 318 エミッタフォロア回路 319 出力バッファ回路 501〜504 トランジスタ 505、506 抵抗 518 エミッタフォロア回路 701 絶縁膜 702 配線材 703 コレクタ電極 704 エミッタ電極 705 ベース電極 706 エミッタ領域 707 ベ−ス領域 708 エピタキシャル層 709 コレクタ領域 710 空乏層 711 基板 712 絶縁体 A1〜A4 ノード CK、CK1 クロック信号 D 入力デ−タ QB 否定側出力 QT 肯定側出力 VBB1 高電位側のレファレンス電圧 VBB2 低電位側のレファレンス電圧 VEE、VTT 負電源
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも、クロック信号に基づき、入
力された論理情報に対応する値を出力するデータ取得手
段と、該データ取得手段の出力を帰還入力として、該デ
ータ取得手段の出力状態を保持するデ−タ保持手段とを
具備し、上記入力された論理情報を一時的に記憶するフ
リップフロップ回路において、上記データ保持手段で発
生するノイズを吸収する容量と、上記クロック信号に基
づき、該容量の電源端子への接続を制御するスイッチ手
段とを設けることを特徴とするフリップフロップ回路。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフリップフロップ回路
において、上記容量を、上記データ取得手段の出力部分
に接続することを特徴とするフリップフロップ回路。 - 【請求項3】 請求項1に記載のフリップフロップ回路
において、上記容量を、上記デ−タ保持手段の入力部分
に接続することを特徴とするフリップフロップ回路。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
のフリップフロップ回路において、上記スイッチ手段
は、電界効果トランジスタからなることを特徴とするフ
リップフロップ回路。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
のフリップフロップ回路において、上記デ−タ保持手段
で保持する上記データ取得手段の出力状態を、バッファ
処理して出力すると共に上記デ−タ保持手段の入力に帰
還するエミッタフォロア・出力バッファ手段を設けるこ
とを特徴とするフリップフロップ回路。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
のフリップフロップ回路において、上記スイッチ手段
は、上記クロック信号の逆相信号でオンして、上記容量
を電源端子へ接続することを特徴とするフリップフロッ
プ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4170312A JPH0613852A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | フリップフロップ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4170312A JPH0613852A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | フリップフロップ回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0613852A true JPH0613852A (ja) | 1994-01-21 |
Family
ID=15902641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4170312A Pending JPH0613852A (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | フリップフロップ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0613852A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009111634A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Fujitsu Microelectronics Ltd | 半導体装置 |
WO2009063542A1 (ja) * | 2007-11-12 | 2009-05-22 | Fujitsu Microelectronics Limited | 半導体装置 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP4170312A patent/JPH0613852A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009111634A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Fujitsu Microelectronics Ltd | 半導体装置 |
WO2009063542A1 (ja) * | 2007-11-12 | 2009-05-22 | Fujitsu Microelectronics Limited | 半導体装置 |
JP5182291B2 (ja) * | 2007-11-12 | 2013-04-17 | 富士通セミコンダクター株式会社 | 半導体装置 |
US8816739B2 (en) | 2007-11-12 | 2014-08-26 | Fujitsu Semiconductor Limited | Semiconductor device |
US9287857B2 (en) | 2007-11-12 | 2016-03-15 | Socionext Inc. | Semiconductor device |
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