JPH0613692B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH0613692B2
JPH0613692B2 JP61312593A JP31259386A JPH0613692B2 JP H0613692 B2 JPH0613692 B2 JP H0613692B2 JP 61312593 A JP61312593 A JP 61312593A JP 31259386 A JP31259386 A JP 31259386A JP H0613692 B2 JPH0613692 B2 JP H0613692B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属部品の接着、密封シール、ボルト等の締
結材のゆるみ止め、あるいは嵌合部の固定等に使用され
る光硬化型嫌気性の接着剤組成物に関するものである。
〔発明の背景〕
光硬化型嫌気性の接着剤組成物とは空気または酸素に接
しかつ光から遮断されている間は硬化せず長期間安定で
あるが、例えば隣接する二つの部材面の間に挟んで空気
を遮断し、かつ一般的には紫外線のような光を照射する
ことによって容易に重合硬化する特性を有する硬化性接
着剤組成物である。
この種の接着剤組成物としては嫌気性条件下あるいは光
照射下において速やかに硬化すること、および衝撃強さ
や剥離接着強さが大なることが要求されることは云うま
でもない。
〔従来の技術〕
この種の接着剤組成物として従来から知られているのは
ラジカル重合可能な(メタ)アクリル酸エステル単量体
を主成分とする組成物に重合開始剤として有機過酸化物
および光重合開始剤を配合したものである。
このような接着剤組成物は酸素と接触している好気的条
件下においては重合を禁止されているが、使用に際して
被接着材である二つの部材面に塗布し挟むことにより空
気を遮断し嫌気的条件下に置けば重合を開始し、かつ外
周の酸素と接している部分は紫外線を照射して硬化させ
ようとするものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら上記従来の接着剤組成物は硬化後の物性が
硬く脆いために充分な大きさの衝撃強さや剥離接着強さ
を得ることが出来ないと云う問題があった。
上記接着剤組成物の硬化物の硬く脆い物性を改良するた
めに若干の可撓性を有する硬化物を与える接着材組成物
も従来提供されてはいるが嫌気的条件下あるいは光照射
下における硬化速度が遅く実用化に際して大きさ問題と
なっている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題を解決する手段として、水酸基を有す
る(メタ)アクリレート(A)と、有機ポリイソシアネー
ト(B)と、ポリカーボネートジオール(C)との反応
物である(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリカー
ボネートジオール変性ウレタンプレポリマー〔I〕の一
種または二種以上および/または、水酸基を有する(メ
タ)アクリレート(A)と、有機ポリイソシアネート
(B)と、ポリカーボネートジオール(C)と、ポリオ
ール(D)との反応生成物である(メタ)アクリロイル
オキシ基を有するポリカーボネートジオール変性ウレタ
ンプレポリマー〔II〕の一種または二種以上と、上記
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリカーボネート
ジオール変性ウレタンプレポリマー〔I〕および〔II〕
以外の(メタ)アクリル酸エステル酸エステル系化合物
〔III〕の一種または二種以上と、有機過酸化物〔IV〕
と、光重合開始剤〔V〕とからなる接着剤組成物を提供
するものである。
上記(メタ)アクリレート(A)とはアクリレートおよび
メタクリレートを総称し、上記ポリカーボネートジオー
ル変性ウレタンプレポリマー〔I〕とは(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有するポリカーボネートジオール変性ウ
レタンプレポリマーを総称するものであり、また(メ
タ)アクリル酸エステル系化合物〔III〕とは後記する
(メタ)アクリル酸エステル系化合物(1)〜(11)からな
る群からえらばれた一種または二種以上の(メタ)アク
リル酸エステル系化合物のことである。
以下に本発明の接着剤組成物を構成する各成分の詳細に
ついて説明する。
〈ポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
〔I〕〉 上記ウレタンプレポリマー〔I〕は水酸基を有する(メ
タ)アクリレート(A)と有機ポリイソシアネート
(B)と、ポリカーボネートジオール(C)との反応物
である。
上記合成原料(A),(B),(C)の具体例を挙げる
と以下のごとくである。
〔水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)〕
水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)の具体例は2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート,ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート,ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート,ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレー
ト,2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート,および2−ヒドロキシ−3−クロロプロ
ピル(メタ)アクリレートなどである。
〔有機ポリイソシアネート(B)〕
有機ポリイソシアネート(B)の具体例は、トルエンジ
イソシアネート,4,4′−ジフェニルジイソシアネー
ト,4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート,ジ
アニジンジイソシアネート,1,5−ナフタレンジイソ
シアネート,4,4′−ジフェニルエーテルジイソシア
ネート,p−フイニレンジアソシアネート,トリメチレ
ンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシアネー
ト,ヘキサメチレンジイソシアネート,エチレンジイソ
シアネート,シクロヘキシレンジイソシアネート,ノナ
メチレンジイソシアネート,オクタデカメチレンジイソ
シアネート,2−クロロプロパンジイソシアネート,
2,2′−ジエチルエーテルジイソシアネート,テトラ
クロロフェニレンジイソシアネート,キシレンジイソシ
アネート,および1,4,3−ヘプテンジイソシアネー
トなどのごとき低分子量有機ポリイソシアネート、過剰
量のこれら低分子量有機ポリイソシアネートを、即に知
られているように、第一級アミン,第二級アミン,また
は多価アルコール例えばグリセロール,ポリオキシエチ
レントリオール,ポリオキシプロピレントリオール,ポ
リオキシエチレンテトラオール,ポリオキシプロピレン
テトラオール,ポリプロピレングリコール,ポリエチン
グリコール,ポリカプロラクトンポリオール,ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール,ビスフェノールAに酸
化エチレン,および/または酸化プロピレンを付加して
得られるエーテル型グリコールのような多価アルコール
と反応させて得られる高分子量有機ポリイソシアネート
がある。
本発明において特に好適な有機ポリイソシアネートはト
ルエンジイソシアネート,4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートで
ある。
〔ポリカーボネートジオール(C)〕
ポリカーボネートジオールは、C2〜C12のアルキレン
基、および/またはC1〜C22のアルキル基、および/
またはC6〜C22の芳香族系炭化水素基、および/また
はC6〜C22シクロパラフイン系炭化水素基を有する炭
酸エステルとC2〜C22のアルキレン基、および/また
はC1〜C22のアルキル基、および/またはC6〜C22
芳香族系炭化水素基、および/またはC6〜C22シクロ
パラフィン系炭化水素基を有するジオールを反応させる
ことによって得られる。
炭酸エステルの具体例はエチレンカーボネート,ジメチ
ルカーボネート,ジエチルカーボネート,ジフェニルカ
ーボネート,およびジシクロヘキシルカーボネート等が
あげられる。
また、ジオールの具体例は、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール,3−メチル
1,5−ペンタンジオール,1,5−ペンタンジオー
ル,ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレ
ンジオール、ポリオキシブチレンジオール,ポリカプロ
ラクトンジオール,トリメチルヘキサンジオール,およ
び1,4−ブタンジオール等があげられる。
本発明のポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポ
リマー〔I〕の特に適した製法は、所定量の有機ポリイ
ソシアネート(B)とポリカーボネートジオール(C)
とをまず反応させて、未反応のイソシアネート基を有す
るポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
(E)を製造し、次いで該ウレタンプレポリマー(E)
と所定量の水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)と
を反応させる方法である。
(A)+(B)=(E)→(E)+(A)=(I) ポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
〔I〕製造時の反応温度は120℃以下とすることが望
ましく、その反応温度より高温に過ぎると反応生成物の
増粘あるいは、反応時におけるゲル化の原因になる。反
応温度がひく過ぎると反応物の粘度が高くなり、未反応
原料の分散・混合が不十分になって円滑な反応が難しく
なるため、50℃〜120℃更に望ましくは55℃〜1
00℃で行なうことが好ましい。ポリカーボネートジオ
ール変性ウレタンプレポリマー〔I〕の合成は、各段階
とも基−NCOが関与し、その消費を伴うものであり、
基−NCOは赤外吸収スペクトル分析をすると、225
0cm-1付近に強い吸収を示すため、反応の進行状態は、
反応物中の基−NCOについて赤外吸収スペクトル分析
を行い、吸収特性の強度変化からその消費量を追跡する
ことによって容易に確認することができ、基−NCOの
消費が停止したときをそれぞれの反応段階の終点とすれ
ば良い。又、反応を円滑に進行させる為の触媒として
は、トリエチレンジアミン等の第三級アミン、ジラウリ
ル酸ジブチルスズ等のスズをはじめとする金属化合物が
挙げられる。反応速度を調整するのには、後者のジラウ
リル酸ジブチルスズが好ましく、その添加量は反応物10
0 重量部に対して50〜2000ppm が好ましく、更に好まし
くは反応物100重量部に対して100〜1500ppmである。
又、ラジカル重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、およびフェノチアジン等を反応条件に合わ
せて適量添加してもよい。更に反応物の粘度が高くなり
過ぎる場合、トルエン、アセトン等の活性水素基を有し
ない有機溶剤、あるいは活性水素基を有しない(メタ)
アクリレートを反応希釈材剤として使用してもよい。
〈ポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
〔II〕〉 上記ウレタンプレポリマー〔II〕は水酸基を有する(メ
タ)アクリレート(A)と、有機ポリイソシアネート
(B)と、ポリカーボネートジオール(C)と、ポリオ
ール(D)との反応物である。
上記合成原料(A)、(B)、(C)は上記ウレタンプ
レポリマー〔I〕と同様であり、ポリオール(D)の具
体例を挙げれば以下のごとくである。
〔ポリオール(D)〕
ポリオール(D)の具体例は、ジオールとしては1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール,3−メチル−1,5−ペンタンジオール,1,5
−ペンタンジオール,ポリオキシエチレンジオール、ポ
リオキシプロピレンジオール、ポリオキシブチレンジオ
ール,ポリカプロラクトンジオール,トリメチルヘキサ
ンジオール,および1,4−ブタンジオール等があり、
又三価以上のポリオールとしては、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトール,トリメチロールプロパン、
ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシブロピレン
トリオール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト、ポリオキシエチレンテトラオール、ポリオキシプロ
ピレンテトラオール、グリセリン、及びポリリン酸等が
ある。
本発明のポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポ
リマー〔II〕の特に適した製法は、所定量の有機ポリイ
ソシアネート(B)とポリカーボネートジオール(C)
とをまず反応させて、未反応のイソシアネート基を有す
るポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
(E)を製造し、次いで該ウレタンプレポリマー(E)
と所定量の水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)と
を反応させて未反応のイソシアネート基を有する(メ
タ)アクリロイルオキシ化合物(F)を製造し、更に該
(メタ)アクリロイルオキシ化合物と所定量のポリオー
ル(D)とを反応させる方法である。
(A)+(B)=(E)→(E)+(A)=(F) →(F)+(D)=〔II〕 上記製法における反応条件はウレタンプレポリマー
〔I〕の場合と同一である。
〈(メタ)アクリル酸エステル系化合物〔III〕〉 上記(メタ)アクリル酸エステル系化合物〔III〕とは
上記ウレタンプレポリマー〔I〕および〔II〕以外の
(メタ)アクリル酸エステル系化合物を云い、本発明の
接着剤の凝集力と界面接着力とを向上せしめるものであ
り、例えば下記の(メタ)アクリル酸エステル系化合物
(1)〜(11)からなる群から選ばれた一種または二種以
上の(メタ)アクリル酸エステル系化合物があげられ
る。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(1)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(1)は下記の一
般式を有する。
式中Rは水素または−CH3、R2は炭素数2〜4の直
鎖もしくは分枝アルキル基の任意の個所の水素の一個ま
たは二個以上を−OHおよび/またはハロゲンで置換し
た置換アルキル基を示す。
上記(メタ)アクリレート(1)は、具体的には2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(2)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(2)は下記の一
般式を有する。
式中Rは水素または−CH胃、R4は水素,−C
3,−C25,−CH2OH,または 5は水素,塩素,−CH3または−C25、R6は水
素, −OH、または を示し、mは1〜8の整数、nは1〜20の整数、pは
0または1を示す。
上記(メタ)アクリレート(2)は具体的には、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
−グリセロールテトラ(メタ)アクリレート等があげら
れる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(3)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(3)は下記の一
般式を有する。
式中Rは水素または−CH38は水素または炭素数1
〜4の直鎖または分岐アルキル基、は炭素数C2〜C4
の直鎖または分岐アルキレン基を示し、mは1〜10の
整数を示す。
上記(メタ)アクリレート(3)は具体的には、2,2
−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシトリ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アク
リロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2−2ビ
ス(4−メタクリロキシヘキサエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アクリロキシヘプタエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキ
シオクタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタクリロキシトリプロポキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジプ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタク
リロキシオクタブトジキシフェニル)プロパン、2−
(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)−2−(4
−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2
−(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)−2−
(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン等
である。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(4)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(4)は下記の一
般式を有する。
式中R10は水素または−CH3、R11は水素または炭素
数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、を示し、nは0
または1〜10の整数を示す。
上記(メタ)アクリレート(4)は具体的には、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ルオキシメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等である。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(5)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(5)は下記の一
般式を有する。
式中R12は水素または−CH3、R13は水素または炭素
数1〜18の直鎖または分岐アルキル基、あるいは炭素
数5〜20の環状アルキル基、フェニル基、テトラヒド
ロフルフリル基、またはこれらの基を有する炭素数5〜
20の直鎖または分枝アルキル基を示す。
上記(メタ)アクリレート(5)は具体的には、メタク
リル酸、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(6)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(6)は下記の一
般式を有する。
式中R14は水素または−CH3、R15は炭素数3または
4の直鎖または分枝アルキル基の任意の個所の水素を−
OHで置換した置換アルキレン基、R16は炭素数1〜1
8の直鎖または分岐アルキル基を示す。
上記(メタ)アクリレート(6)は具体的には、2−ヒ
ドロキシ−3−フエキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキサノキシ−β−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフロキシ−β−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルオキシ
−β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(7)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(7)は下記の一
般式を有する。
式中R17は水素または−CH3、R18は炭素数1〜20
の直鎖または分岐アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アラルキル基、あるいは直鎖または分岐アルコキシ
アルキル基を示す。
上記(メタ)アクリレート(7)は具体的には、メトキ
シカルボニルメチル(メタ)アクリレート、エトキシカ
ルボニルメチル(メタ)アクリレート、ヘプトキシカル
ボニルメチル(メタ)アクリレート、イソプロボキシカ
ルボニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(8)〕 式中R19は水素または−CH3、R20は炭素数2〜4の
直鎖または分枝アルキレン基を示し、mは1〜10の整
数、nは1または2である。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(9)〕 (メタ)アクリル酸エステル系化合物(9)は下記の一
般式を有する。
式中R21は水素または−CH3、mは1〜10の整数、
nは1または2である。
上記(メタ)アクリレート(8)および(9)は具体的
には、アシツドホスホキシエチル(メタ)アクリレー
ト、3−クロロ−2−アシツドホスホオキシプロピル
(メタ)アクリレート、アシツドホスホオキシプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(10)〕 水酸気を有する(メタ)アクリレート(A)と、有機ポ
リイソシアネート(B)との反応生成物である。
〔(メタ)アクリル酸エステル系化合物(11)〕 水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)と、有機ポ
リイソシアネート(B)と、三価以上のポリオールおよ
び/またはジオール(D)との反応生成物である。
上記(メタ)アクリル酸エステル系化合物(10)および
(11)における水酸基を有する(メタ)アクリレート
(A)、有機ポリイソシアネート(B)ポリオール
(D)はウレタンプレポリマー〔I〕および〔II〕の原
料と同一のものである。
上記(メタ)アクリル酸エステル系化合物(1)〜(1
1)の中、本発明の接着剤として最も好ましい化合物は
下記の通りである。
(1): 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート (2): トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート (3): 2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン (4): ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート (5): メチル(メタ)アクリレート (6): 2−ヒドロキシ−3−フエノキシプロピル
(メタ)アクリレート (7): エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレ
ート (8): アシツドホスホオキシプロピル(メタ)アク
リレート (9): 3−クロロ−2アシツドホスホオキシプロピ
ル(メタ)アクリレート (10):2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、
ビスフェノールAエチレンオキサイドのトリレンジイソ
シアネート変性物との反応生成物 (11): (10)の2成分とトリメチロールプロパンとの反
応生成物 〈有機過酸化物〔IV〕〉 本発明において組成物に配合されるべき有機過酸化物
〔IV〕を具体的に例示すると、過酸化ベンゾイル、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジターシ
ャリブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキ
シベンゾエート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、及びジクミル
パーオキサイド等が挙げられる。その種類及びその添加
量は既に良くしられているように重合開始剤としてはた
らき、組成物に嫌気硬化性を与えるに十分な触媒量論的
な量であればよく、一般に常用されている量とすれば足
りる。
〈光重合開始剤〔V〕〉 本発明において組成物に配合されるべき光重合開始剤
〔V〕を具体的に例示すると、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキシサントン、
2,4−ジエチルチオキシサントン、ベンゾイン、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインオクチルエーテル、ジエトキシアセトフ
ェノン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、ジアセチル、メチルアント
ラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルピロビオフェノン、アントラキノン、及び3,3′,
4,4′−テトラ−(ターシャリーブチルパーオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
以上に述べた各成分の混合比率は下記の通りである。
ポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマー
〔I〕および/または〔II〕は本発明の接着剤組成物10
0 重量部中10〜80重量部が好ましく、更に好ましくは20
〜65重量部である。
(メタ)アクリル酸エステル系化合物〔III〕は本発明
の接着剤組成物100 重量部中20〜90重量部が好ましく、
更に好ましくは35〜80重量部である。
光重合開始剤〔V〕は本発明の接着剤組成物100 重量部
に対して0.1〜20重量部が好ましく、更に好ましくは0.1
〜10重量部である。
〈所望添加成分〉 本発明の組成物には以上に述べた各成分の他に、種々の
目的で各種物質が添加されてもよい。例えば、適当量の
重合促進剤を添加混合してもよく、重合促進剤としては
例えば、1,2,3,4−テトラハイドロキノリン、サ
ッカリン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリ
ン等が用いられ、その添加量は重合促進剤の種類等によ
って異なり、一概にいえないが、一例を示すと、〔(メ
タ)アクリル酸エステル系化合物(III)〕100 重量部
に対して、1,2,3,4−テトラハイドロキノリン0.
1〜5重量部、サッカリン0.1〜3重量部、トリエチルア
ミン0.1〜1重量部が好ましい。
更に、安定性を向上させる目的でシュウ酸、ジニトロソ
レゾルシノール、およびキノン類を、着色の目的で染料
や顔料を、チクソトロピー性付与の目的でシリカ等のチ
クソトロピー化剤を、増粘や増量の目的でアクリル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリカ、等をそれぞ
れ配合することができる。
本発明にかかる接着剤組成物の調整は、以上述べた様な
成分を常温、または加熱下で混合溶解することによって
容易に行なえる。
〔硬化手段〕
本発明にかかる接着剤組成物は、従来の光硬化型嫌気性
接着剤組成物と同様に使用することができる。
(光硬化) 光硬化型嫌気性接着剤組成物に対して、紫外光を照射す
ることによって、容易に重合硬化が達成できる。
(一液嫌気硬化) 被着材料が金属の場合、隣接する被着材二面間に本発明
の光硬化型嫌気性接着剤組成物を挟み、空気を遮断する
ことによって、容易に重合硬化が達成できる。
(硬化促進用プライマー併用嫌気硬化) 接着速度を数秒〜数分に速めたい場合、あるいはプラス
チックやセラミックを接着したい場合、片方の被着材に
硬化促進用プライマーを塗布し、もう片方の被着材に本
発明の光硬化型嫌気性接着剤組成物を塗布し、双方を張
り合わせ、空気を遮断することによって、容易に重合硬
化が達成できる。この場合に用いられる硬化促進用プラ
イマーとは、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、およ
び特公昭53−24231号公報に記載されている金属
有機酸塩、ジメチルパラトルイジン、ジメチルアニリ
ン、1,2,3,4−テトラハイドロキノリン等の第三
級アミン、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素等
のチオアミド化合物が挙げられる。
実施例1 反応器に有機ポリイソシアネート(B)としてトルエン
ジイソシアネートを約12.7重量部、及びジラウリル
酸ジブチルスズを約200ppm入れ、反応温度を約7
0℃に維持しながら、ポリカーボネートジオール(C)
として分子量約2000のポリカーボネートジオール
(東亜合成化学工業(株)製:エチレンカーボネートと
1,6−ヘキサンジオールの反応物)約77.8重量部
を撹拌下で徐々に加え約1時間撹拌して反応させた後、
ジラウリル酸ジブチルスズを約200ppm加え更に、
水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)として2−
ヒドロキシエチルメタクリレート約9.5重量部を撹拌
下でかつ反応温度を70℃に維持しながら徐々に加えて
反応させ、赤外吸収スペクトルで反応液を分析して、基
−NCOの特性吸収(2250cm-1付近)が消失するの
が確認されるまで反応を継続した。
その結果常温でゴム状の固形物のポリカーボネートジオ
ール変性ウレタンプレポリマー〔I〕が100重量部得
られた。また、該ポリカーボネートジオール変性ウレタ
ンプレポリマー〔I〕を赤外吸収スペクトルで分析した
結果、次の主要ピークが確認できた。
−NHCOO−の吸収; 1520〜1550cm-1,1720〜1740cm-1 の吸収; 930〜960cm-1 実施例2 反応器に有機ポリイソシアネート(B)としてトルエン
ジイソシアネートを約13.1重量部、およびジラウリ
ル酸ジブチルスズを約200ppm入れ、反応温度を約
70℃に維持しながら、ポリカーボネートジオール
(C)として分子量約2000のポリカーボネートジオ
ール(東亜合成化学工業(株)製:エチレンカーボネー
トと1,6−ヘキサンジオールの反応物)約80.3重
量部を撹拌下で徐々に加え約1時間撹拌して反応させた
後、ジラウリル酸ジブチルスズを約200ppm加え更
に、水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)として
2−ヒドロキシエチルメタクリレート約4.9重量部を
撹拌下でかつ反応温度を70℃に維持しながら徐々に加
え、約2時間反応させた後、ポリオール(D)としてト
リメチロールプロパンを約1.7重量部を撹拌下でかつ
反応温度を70℃に維持しながら徐々に加えて反応さ
せ、赤外吸収スペクトルで反応液を分析して、基−NC
Oの特性吸収(2250cm-1付近)が消失するのが確認
されるまで反応を継続した。
その結果常温でゴム状の固形物のポリカーボネートジオ
ール変性ウレタンプレポリマー〔II〕が100重量部得
られた。また、該ポリカーボネートジオール変性ウレタ
ンプレポリマー〔II〕を赤外吸収スペクトルで分析した
結果、次の主要ピークが確認できた。
−NHCOO−の吸収; 1520〜1550cm-1,1720〜1740cm-1 の吸収; 930〜960cm-1 実施例3 実施例1〜2で得たポリカーボネートジオール変性ウレ
タンプレポリマー〔I〕,〔II〕を用いて、第1表に示
す組成の光硬化型嫌気性接着剤組成物No.1〜No.
6を調整した。嫌気硬化接着性能は、炭素鋼製被着材を
使用し、片方の被着材に硬化促進用プライマー(東亜合
成化学工業(株)製:AT.Quicka V3)を塗
布し、もう片方の被着材に第1表に示すNo1〜No6の光
硬化型嫌気性接着剤組成物を塗布し、双方を張り合わ
せ、空気を遮断することによって、嫌気硬化接着をさ
せ、JIS K−6850に準じて引っ張りせん断接着
強さを、JIS K− 6855に準じて衝撃接着強さ
を、またJIS K−6854に準じてT型剥離接着強
さを測定した。嫌気硬化接着養生時間は室温下で3日間
とした。
また、光硬化性能はガラス板上に第1表に示すNo.1
〜No.6の光硬化型嫌気性接着材組成物を膜圧約50
μで塗布して紫外光を照射し、表面タックがなくなる迄
の時間を測定した。
光硬化性能、および嫌気硬化性能の調査結果を第2表に
示す。
〔発明の効果〕 本発明に係る組成物はこれを光効化型嫌気性接着剤組成
物として金属部品などの接着、密封シール、ゆるみ止
め、及び嵌合部の固定等に使用した場合、高い衝撃接着
強さ、及び剥離接着強さを発現するという優れたもので
あり、又光硬化速度が速いため、光硬化工程のスピード
の向上も達成できるという優れたものであり、従来のも
のと比較して接着強度の信頼性、及び生産性の面で著し
く改善された光硬化型嫌気性接着剤組成物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)
    と、有機ポリイソシアネート(B)と、ポリカーボネー
    トジオール(C)との反応物である(メタ)アクリロイル
    オキシ基を有するポリカーボネートジオール変性ウレタ
    ンプレポリマー〔I〕の一種または二種以上および/ま
    たは、水酸基を有する(メタ)アクリレート(A)と、
    有機ポリイソシアネート(B)と、ポリカーボネートジ
    オール(C)と、ポリオール(D)との反応生成物であ
    る(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリカーボネ
    ートジオール変性ウレタンプレポリマー〔II〕の一種ま
    たは二種以上と、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有
    するポリカーボネートジオール変性ウレタンプレポリマ
    ー〔I〕および〔II〕以外の(メタ)アクリル酸エステ
    ル酸エステル系化合物〔III〕の一種または二種以上
    と、有機過酸化物〔IV〕と、光重合開始剤〔V〕とから
    なる接着剤組成物
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