JPH06136691A - キャスト塗被紙 - Google Patents

キャスト塗被紙

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JPH06136691A
JPH06136691A JP29018892A JP29018892A JPH06136691A JP H06136691 A JPH06136691 A JP H06136691A JP 29018892 A JP29018892 A JP 29018892A JP 29018892 A JP29018892 A JP 29018892A JP H06136691 A JPH06136691 A JP H06136691A
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弘幸 大橋
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哲郎 今井
Kazuhiro Nojima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面の白紙光沢、印刷適性、耐摩擦適性に極め
て優れたキャスト塗被紙を提供する。 【構成】キャスト塗被層中にポリエチレン化合物と多官
能性エポキシ化合物とを含有せしめたキャスト塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙に関し、
特にキャスト塗被紙表面の白紙光沢、印刷適性、耐摩擦
適性に極めて優れたキャスト塗被紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢
紙の製造方法としては、顔料および接着剤を主成分とす
るキャスト塗被液を原紙に塗工した後、塗被層が湿潤状
態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムの表面に圧着
(圧接)、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト
法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥させた後、再湿潤液に
より再度湿潤可塑化させ鏡面を有する加熱ドラム面に圧
接して仕上げるリウェットキャスト法、或いは湿潤状態
の塗被層をゲル化状態にして加熱ドラム面に圧接して光
沢仕上げするゲル化キャスト法等が一般に知られてい
る。これらのキャスト仕上げ方法は、いずれも可塑化状
態にある塗被層表面を加熱ドラムに圧接、乾燥して加熱
ドラムより離型させて鏡面を写しとる点で共通してい
る。
【0003】この様にして得られたキャスト塗被紙はス
ーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗被紙に比べて
高い白紙光沢と高度な表面平滑性を有し、優れた印刷効
果が得られることより、高級印刷物又は高級紙器等の用
途に専ら利用されている。
【0004】最近、印刷物や書籍の表紙、あるいは紙器
等の高級化指向に伴い、より豪華な表紙や耐摩擦適性に
優れた製品が要望されている。そのような要望に答える
ために、通常の塗被紙やキャスト塗被紙に透明な樹脂を
印刷等により塗被した、所謂ニス引き紙やプレスコート
紙、あるいは表面にポリエチレンや塩化ビニル等のプラ
スチックフィルムを貼合わせたラミネート紙が広く利用
されている。
【0005】ところで、ニス引き紙、プレスコート紙あ
るいはラミネート紙は、その上から通常の印刷インキで
直接印刷することができない為、予め印刷を行い、その
後にニス引きやラミネート等の光沢加工が行われてい
る。また、これらの中でも特に広く利用されているラミ
ネート紙では古紙としての再生離解が難しく、工程上や
コスト及び環境問題等の点でも通常の塗被紙やキャスト
塗被紙に比べて不利な面が多い。それにもかかわらず広
く利用されるようになると、結果として、ニス引き紙、
プレスコート紙あるいはラミネート紙の代わりに、それ
らと同等の品質を有するようなキャスト塗被紙の改善、
即ち、より優れた白紙光沢、印刷光沢、耐摩擦適性等を
有するキャスト塗被紙の開発が望まれている。
【0006】従来、キャスト塗被層用塗被組成物は塗被
紙用顔料および接着剤を主成分とし、接着剤には合成系
の物と天然系の物とが併用され、顔料100重量部に対
して通常5〜50重量部の割合で配合されるのが実状で
ある。この様にキャスト塗被層の主体は一般塗被紙用顔
料であるため、印刷インキの吸収或いは保持性には優れ
るものの、白紙光沢や耐摩擦適性においてはニス引き
紙、プレスコート紙あるいはラミネート紙には匹敵し得
ない。
【0007】一方、キャスト塗被紙の白紙光沢をより一
層高めるには、塗被組成物中の接着剤量を増やすこと
で、ある程度迄は可能である。しかしながら、ニス引き
紙やプレスコート紙あるいはラミネート紙並には至らな
い。本来、キャスト塗被層は塗被紙用顔料と接着剤とを
主成分とするため、10〜40g/m2 といった多量の
固形分塗被量が必要な上に、接着剤を増やすことで塗被
層の多孔性が失われ、熱乾燥時の塗被層の蒸気透過性お
よび離型性の悪化により生産速度の大巾な低下や、キャ
スト塗被紙の特徴である印刷適性、特にインキセットや
インキの乾燥性が極端に悪化する等の問題を抱えてい
る。
【0008】また、キャスト塗被紙の表面はその特性
上、容易に擦れ傷や損傷を受け易く、白紙品質を低下さ
せ易い難点がある。そのために、塗被層面の耐損傷性
(以後、耐摩擦適性と呼ぶ)を高め、品質低下を防止す
るためにポリエチレンワックスや天然ワックス等の従来
公知の滑剤の添加が考えられる。しかし、キャスト塗被
紙表面の耐摩擦適性をニス引き紙やプレスコート紙ある
いはラミネート紙並にするには、これらの滑剤を多量に
添加しなければならない。その結果として、印刷ムラ、
インキセットや表面強度等の印刷適性の低下が懸念され
る。さらに、キャスト塗被層の強度や離型性が低下する
ため、該塗被層を湿潤状態で加熱された鏡面ドラムに圧
接してキャスト仕上げする際に、塗被層の一部が鏡面ド
ラムに残留する、所謂ドラムピックといわれる現象が発
生したり、生産速度が低下する等の難点がある。
【0009】このように、従来のキャスト塗被紙ではニ
ス引き紙、プレスコート紙或いはラミネート紙等の如き
光沢加工処理を施した製品並の白紙光沢や耐摩擦適性を
付与することが極めて難しいのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状によ
り、本発明者等は、書籍の表紙等に専ら利用されるニス
引き紙やプレスコート紙或いはラミネート紙並の白紙光
沢を有し、且つ印刷適性、耐摩擦適性および離型性に優
れたキャスト塗被紙を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果として、顔料と接着剤とを主成分とするキャスト用
塗被層中にポリエチレン化合物と多官能性エポキシ化合
物とを併用することにより、本発明者等が所望とする極
めて優れた光沢を有し、さらに耐摩擦適性に優れ、且つ
印刷適性にも優れたキャスト塗被紙が効率よく得られる
ことを見出したのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に顔
料と接着剤とを主成分とするキャスト用塗被層を設け、
塗被層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥することにより鏡面仕上げされるキャスト塗被
紙において、該塗被層中にポリエチレン化合物と多官能
性エポキシ化合物とを含有せしめたことを特徴とするキ
ャスト塗被紙である。
【0012】
【作用】前述の如き実状より、本発明者等はキャスト用
塗被層について鋭意検討を進めた結果、特定のポリエチ
レン化合物と多官能性エポキシ化合物とを併用すること
により、白紙光沢、印刷適性、耐摩擦適性、離型性を同
時に満足させ得ることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0013】ここに、ポリエチレン化合物と多官能性エ
ポキシ化合物を併用することで本発明の所望の効果が得
られる理由については、必ずしも明らかではないが、以
下のように推定される。即ち、ポリエチレン化合物はキ
ャスト用塗被層中で表層に集まり易く、部分的にポリエ
チレンの皮膜を形成する傾向がある。そのために、キャ
スト塗被紙の白紙光沢や耐摩擦適性は高められるが、そ
の反面、インキセット、印刷ムラや表面強度等の印刷適
性が低下したり、加熱鏡面ドラムからのキャスト塗被紙
の離型性を悪化させる等の難点がある。このような特性
を持つポリエチレン化合物を多官能性エポキシ化合物と
併用することにより、それらが互いに反応して複合体を
形成し、ポリエチレン化合物のキャスト用塗被層中にお
ける偏在化や皮膜の形成を防止し、その結果としてイン
キセット、印刷ムラや表面強度および離型性等が改善さ
れるものと推定される。さらに、予想に反して本発明の
方法で得られたキャスト塗被紙の印刷適性、特にインキ
グロスが極めて改善されることも分かった。
【0014】而して、本発明におけるポリエチレン化合
物としては、特に限定されるものではないが、その物性
値である融点が105℃以上、好ましくは110℃以
上、針入度が5dmm以下、好ましくは2dmm以下、
さらに酸価として5〜50mgKOH、好ましくは5〜
40mgKOHといった物性値を有するポリエチレン化
合物が特に好ましく用いられる。因みに、融点が105
℃未満、および針入度が5dmmを越えるものは、本発明
が所望する白紙光沢、耐摩擦適性が得られ難い。また、
ポリエチレン化合物の酸価が5mgKOH未満では多官
能性エポキシ化合物との反応性が低いために、インキセ
ット、印刷ムラや離型性の改良効果が得られ難く、酸価
が50mgKOHを越える場合には多官能性エポキシ化
合物との反応性が強く、白紙光沢の低下やキャスト用塗
被液の増粘等を誘発させ易く、好ましくない。
【0015】なお、上記の針入度とは、JIS K −2235
(1980)に規定されている針入度試験方法に準じた方法
で測定される値である。また、酸価とは下記(1)式に
基づいて測定した値である。即ち、試料Wg をトルエン
の沸点下で溶解し、指示薬としてフェノールフタレイン
を用い、N/10水酸化カリウム標準液(イソプロピル
アルコール溶液)で滴定し、淡紅色が30秒間持続する
ときのN/10水酸化カリウム標準液の規定量Amlを測
定して求めるものである。 酸価(mgKOH/g)=56.1(A−B)N/W
(1) 〔ここに、N:N/10水酸化カリウム標準液の規定
度、B:空試験の滴定に要したN/10水酸化カリウム
標準液の量〕
【0016】なお、本発明で使用するポリエチレン化合
物としては、空気、酸素、オゾンまたはその他の各種酸
化剤を用いて酸化した酸化物、高分子量ポリエチレンの
熱および酸化分解物、ポリエチレンとエチレン性不飽和
カルボン酸グラフト重合物、あるいはエチレンとエチレ
ン性不飽和カルボン酸および必要によりその他の不飽和
単量体との共重合物等が適宜使用できる。
【0017】ポリエチレンの不飽和カルボン酸グラフト
重合体あるいはエチレンとエチレン性不飽和カルボン酸
との共重合体を構成するエチレン性不飽和カルボン酸と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和モノま
たはポリカルボン酸が挙げられる。また、必要に応じて
共重合させることのできるその他の不飽和単量体として
は、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無
水物基含有不飽和単量体、メチルアクリレート,メチル
メタクリレート,エチルアクリレート,エチルメタクリ
レート,プロピルアクリレート,プロピルメタクリレー
ト,2−エチルヘキシルアクリレート,2−エチルヘキ
シルメタクリレート,ステアリルアクリレートやステア
リルメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸の
アルキルエステル,アクリロニトリルやメタクリロニト
リル等のニトリル基含有不飽和単量体、ヒドロキシアク
リレート,ヒドロキシメタクリレート,ジエチレングリ
コールモノアクリレート,ジエチレングリコールモノメ
タクリレート等のエチレン性不飽和アルコール類、酢酸
ビニル,酢酸アクリレートや酢酸メタクリレート等のエ
チレン性不飽和アルコールエステル類、スチレン,プロ
ピレン,ブテン,塩化ビニルやブタジエン等の炭化水素
系エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0018】本発明でいうポリエチレン化合物は、酸価
の一部あるいは全部を塩とすることも可能であり、一般
に使用される塩としては、モノエチルアミン,モノブチ
ルアミン,ジブチルアミンやトリブチルアミン等のアル
キルアミン類、モノエタノールアミン,ジエタノールア
ミン,トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類、ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン等
のエチレンジアミンやポリエチレンポリアミン類等のア
ミン化合物、ナトリウム,カリウムやリチウム等のアル
カリ金属類、カルシウム,マグネシウム,亜鉛等のアル
カリ土金属類やアンモニア等が挙げられる。
【0019】これらの塩を形成する中でも、特に好まし
いものはアンモニア,モノエタノールアミン,ジエタノ
ールアミン,トリエタノールアミン,ナトリウム,カリ
ウム,マグネシウム,カルシウムや亜鉛等である。
【0020】なお、本発明におけるポリエチレン化合物
は、一般に水溶液あるいは乳化分散体としてキャスト用
塗被液中に添加される。特に、ポリエチレン化合物の乳
化分散体を使用することが好ましく、ポリエチレンの乳
化に用いられる乳化分散剤としては、例えばポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルエス
テル,多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキシド
付加物,脂肪酸アミドエチレンオキシド付加物,高級ア
ルキルアミンエチレンオキシド付加物,ポリプロピレン
グリコールエチレンオキシド付加物,脂肪酸モノ、ジ、
トリグリセライド類、脂肪酸モノ、ジ、トリアルカノー
ルアミド等の非イオン界面活性剤類、アルキルベンゼン
スルホン酸塩,α−オレフィンスルホン酸塩,ジアルキ
ルスルホコハク酸塩,アルキルスルホン酸塩,アルキル
硫酸エステル塩,硫酸化油脂塩,脂肪酸硫酸エステル
塩,脂肪酸塩やリン酸エステル塩等のアニオン性界面活
性剤類、アミノ酸型,カルボン酸塩型,硫酸エステル塩
型,スルホン酸塩型やリン酸エステル塩型等の各種両性
界面活性剤類、カルボキシメチルセルロース,ヒドロキ
シエチルセルロース,アルギン酸ナトリウム,カゼイ
ン,ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム
等の水溶性高分子化合物類が挙げられ、これらのいずれ
か一種または二種以上が適宜用いられる。
【0021】また、キャスト用塗被液中に添加するポリ
エチレン化合物の使用量は、顔料100重量部に対し、
0.1〜20重量部、好ましくは0.4〜10重量部の
範囲で調節される。因みに、添加されるポリエチレン化
合物の量が0.1重量部未満の場合には、本発明が所望
とする効果を得にくい。他方、20重量部を越えるよう
な添加量ではインキの着肉性が低下する等の懸念があ
る。
【0022】本発明で上記のポリエチレン化合物と併用
して使用する多官能性エポキシ化合物としては、以下の
ものが例示される。例えば、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル,プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル,ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル,
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル,1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル,ジブロモネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル,o−フタ
ル酸ジグリシジルエステル,グリセロールポリグリシジ
ルエーテル,トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル,ジグリセロールポリグリシジルエーテル,ポリ
グリセロールポリグリシジルエーテル,ソルビトールポ
リグリシジルエーテル等がある。
【0023】上述のポリエチレン化合物と多官能性エポ
キシ化合物の混合比は、特に限定されるものではない
が、固形分重量比で20:1〜10:10、好ましくは
10:1〜10:5の範囲で用いるのが望ましい。因み
に、ポリエチレン化合物と多官能性エポキシ化合物の混
合比がこの範囲外の場合には、本発明の所望の効果が得
られ難いだけでなく、キャスト用塗被組成物の塗料粘度
が上昇する等の懸念がある。
【0024】さらに、ポリエチレン化合物と多官能性エ
ポキシ化合物のキャスト用塗被液中への添加方法として
は、特に限定されるものではないが、キャスト用塗被液
中にそれぞれを前もって混合、添加するか、あるいは別
々に添加してもよい。また、その添加時期についても特
に限定されるものではない。さらに、リウェットキャス
ト法やゲル化キャスト法では、再湿潤液やゲル化液中に
含有せしめてキャスト仕上げすることもできる。
【0025】本発明の方法において、キャスト用塗被層
を構成する顔料としては、例えばカオリン,水酸化アル
ミニウム,サチンホワイト,硫酸バリウム,重質炭酸カ
ルシウム,軽質炭酸カルシウム,タルク,プラスチック
ピグメント,焼成クレー,酸化亜鉛や二酸化チタン等の
塗工紙分野で使用される従来公知の各種顔料が単独或い
は2種類以上が用いられる。
【0026】また、キャスト用塗被層成分の1つである
接着剤としては、例えばカゼインや大豆蛋白等の蛋白質
類、スチレン・ブタジエン共重合体,メチルメタクリレ
ート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテ
ックス,アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体
ラテックス、或いはこれらの各種重合体や共重合体をカ
ルボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基変性
したアルカリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合体ラ
テックス、ポリビニルアルコール,オレフィン・無水マ
レイン酸樹脂,メラミン樹脂等の合成樹脂系の接着剤、
陽性化澱粉,酸化澱粉,エステル化澱粉等の澱粉類、カ
ルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用として知ら
れる従来公知の接着剤が単独、或いは併用して用いられ
る。なお、接着剤の使用量は顔料100重量部に対し、
5〜50重量部、一般には10〜30重量部程度の範囲
で調節される。
【0027】他方、塗被層の耐水性、耐ブロッキング性
を向上させる目的で炭酸ジルコニウムアンモニウム,酢
酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物,尿素−ホルム
アルデヒド系樹脂,メラミン−ホルムアルデヒド系樹
脂,ポリアミド−尿素−ホルムアルデヒド系樹脂,グリ
オキザール等の各種耐水化剤や印刷適性向上剤を適宜添
加することもでき、これらの添加割合は前記樹脂成分1
00重量部に対して0〜30重量部の範囲で使用され
る。
【0028】キャスト塗被層の加熱鏡面ドラム面からの
離型性を改良するために、適宜離型剤が添加される。こ
の場合の離型剤としては、例えばステアリン酸、オレイ
ン酸、パルミチン酸等の脂肪酸およびそれらのカルシウ
ム、亜鉛、ナトリウム、アンモニウム等の塩類、ステア
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドおよび
メチレンビスステアリン酸アミド等のアミド類、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化
水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の
高級アルコール、ロート油やレシチン等の油脂類、含フ
ッ素界面活性剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレン
ポリマーやエチレン−四フッ化エチレンポリマー等のフ
ッ素系ポリマー等が例示される。これらの離型剤は顔料
100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは
0.2〜10重量部の範囲で添加される。
【0029】また、塩化ナトリウム,塩化アンモニウ
ム,塩化亜鉛,塩化マグネシウム,硫酸ナトリウム,硫
酸カリウム,硫酸アンモニウム,硫酸亜鉛,硫酸マグネ
シウム,硫酸第1鉄,硝酸ナトリウム,硝酸アンモニウ
ム,第1燐酸ナトリウム,燐酸アンモニウム,燐酸カル
シウム,ポリリン酸ナトリウム,ヘキサメタリン酸ナト
リウム,蟻酸ナトリウム,蟻酸アンモニウム,酢酸ナト
リウム,酢酸カリウム,モノクロル酢酸ナトリウム,マ
ロン酸ナトリウム,酒石酸ナトリウム,酒石酸カリウ
ム,クエン酸ナトリウム,クエン酸カリウム,乳酸ナト
リウム,グルコン酸ナトリウム,アジピン酸ナトリウ
ム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム,メチルアミ
ン,ジエタノールアミン,ジエチレントリアミン,ジイ
ソプロピルアミン等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩
や金属塩、およびアミン等を光沢付与助剤として直接あ
るいはキレートないしは錯塩の形で添加することもでき
る。
【0030】さらに、一般の塗被紙およびキャスト塗被
紙の製造に用いられている分散剤,消泡剤,着色剤,蛍
光染料,帯電防止剤や防腐剤等の各種助剤も適宜添加併
用される。
【0031】而して、上記材料をもって構成されるキャ
スト塗被用組成物は、一般に固形分濃度が40〜65重
量%程度に調製される。次いで、米坪が35〜400g
/m 2 程度の原紙、或いは多孔性フィルム等の支持体上
に乾燥重量で1〜40g/m 2 、好ましくは5〜20g
/m2 程度になるように塗被された後、キャスト仕上さ
れる。
【0032】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般にキャスト塗工紙分野で使用
される酸性紙、或いは中性紙が適宜使用される。なお、
原紙の片面又は両面に必要に応じて、一般の顔料塗被組
成物をあらかじめ、予備塗工した塗被紙をキャスト塗被
紙用原紙として用いることも可能である。その場合の塗
工量は片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望ま
しい。さらに必要に応じて、この予備塗工した紙を前も
ってスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理
を施した後に、キャスト仕上げを施すこともできる。勿
論、二度続けてキャスト仕上げを行うこともできる。
【0033】かくして上記のキャスト塗被層用組成物を
ブレードコーター,エアーナイフコーター,ロールコー
ター,ブラシコーター,チャンプレックスコーター,バ
ーコーター,グラビアコーター等の各種公知の塗被装置
により上記の各種支持体上に塗布され、塗布後は、ウェ
ットキャスト法,リウェットキャスト法,又はゲル化キ
ャスト法のいずれかによって光沢仕上げされることにな
る。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、特に断らない限り例中の部及び%は、それぞれ重量
部及び重量%を示す。
【0035】実施例1 キャスト用塗被液として、カオリン80部、軽質炭酸カ
ルシウム20部、アンモニアで溶解した15%カゼイン
水溶液10部(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合
体ラッテクス15部(固形分)、離型剤としてステアリ
ン酸アンモニウム1部、さらにポリエチレン化合物とし
て表1に示したポリエチレン化合物Aを5部および多官
能性エポキシ化合物として表2に示した化合物(a)を
0.5部添加した濃度45%のキャスト塗被液を調製
し、ウェットキャスト方式によるキャスト仕上を行なっ
た。
【0036】即ち、予めカオリン70部、炭酸カルシウ
ム30部、SBRラテックス15部および澱粉2部から
なる下塗り塗被液をブレードコーターで乾燥重量が15
g/m2 となるように塗抹したキャスト用原紙(120
g/m2 )上に、上記により調製されたキャスト塗被液
をロールコーターで乾燥重量が10g/m2 となるよう
に塗被し、直ちにこの紙をプレスロールでキャストドラ
ム(表面温度80℃)に圧接し、乾燥後キャストドラム
から剥離してキャスト塗被紙を得た。
【0037】実施例2 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0038】実施例3 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0039】実施例4 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0040】実施例5 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した化
合物(b)を用いた以外は、実施例4と同様にしてキャ
スト塗被紙を得た。
【0041】実施例6 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示
した化合物(c)を0.2部用いた以外は、実施例4と
同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0042】実施例7 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を2
部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した化
合物(d)を0.5部用いた以外は、実施例4と同様に
してキャスト塗被紙を得た。
【0043】実施例8 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
0部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した
化合物(e)を0.5部用いた以外は、実施例4と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0044】実施例9 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.5部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示
した化合物(a)を1部用いた以外は、実施例5と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0045】実施例10 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.05部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に
示した化合物(a)を0.05部用いた以外は実施例5
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0046】実施例11 実施例5においてポリエチレン化合物Dの添加量を20
部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した化
合物(a)を0.5部用いた以外は実施例5と同様にし
てキャスト塗被紙を得た。
【0047】比較例1 実施例1において、多官能性エポキシ化合物を添加しな
かった以外は実施例1と同様にしてキャスト塗被紙を得
た。
【0048】比較例2 実施例2において、多官能性エポキシ化合物を添加しな
かった以外は実施例2と同様にしてキャスト塗被紙を得
た。
【0049】比較例3 実施例4において多官能性エポキシ化合物を添加しなか
った以外は実施例4と同様にしてキャスト塗被紙を得
た。
【0050】比較例4 実施例1において、ポリエチレン化合物および多官能性
エポキシ化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0051】実施例12 カオリン80部、軽質炭酸カルシウム20部、ポリアク
リル酸ソーダ0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調製した。
【0052】このスラリーに消泡剤としてトリブチルフ
ォスフェート0.5部、離型剤としてステアリン酸カル
シウム1.0部、接着剤としてアンモニアを用いて溶解
した15%カゼイン水溶液10部(固形分)及びスチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス16部(固形分)を
加え、更に硫酸亜鉛2部、ポリエチレン化合物として表
1のポリエチレン化合物A5部および多官能性エポキシ
化合物として表2の化合物(a)を0.5部加え、固形
分濃度が45%のキャスト用塗被液を調製し、リウェッ
トキャスト方式によるキャスト仕上げを行なった。
【0053】即ち、上記により調製されたキャスト用塗
被液を110g/m2 のキャスト用原紙に乾燥重量が2
0g/m2 となるようにエアーナイフコーターで塗被
し、エアーフローティングドライヤーで乾燥した。次
に、この塗被紙をプレスロールとキャストドラムで形成
されるプレスニップに通紙し、ここでノズルから供給さ
れたヘキサメタリン酸ナトリウムから成るリウェット液
(0.5%濃度)によって塗被層表面を再湿潤した後、
表面温度105℃のキャストドラムにプレス圧200k
g/cmで圧接、乾燥した後テークオフロールでキャス
トドラムから剥離することによってキャスト塗被紙を得
た。
【0054】実施例13 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0055】実施例14 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0056】実施例15 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は実施
例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0057】実施例16 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
1部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した
化合物(b)を用いた以外は、実施例15と同様にして
キャスト塗被紙を得た。
【0058】実施例17 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示
した化合物(c)を0.2部用いた以外は実施例15と
同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0059】実施例18 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
2部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示した
化合物(d)を0.5部用いた以外は、実施例15と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0060】実施例19 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
10部とし、多官能性エポキシ化合物として表2に示し
た化合物(e)を0.5部用いた以外は実施例15と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0061】実施例20 実施例12において、キャスト用塗被液中にポリエチレ
ン化合物と多官能性エポキシ化合物を添加せず、リウェ
ット液として表1のポリエチレン化合物D1.0%、表
2の多官能性エポキシ化合物(a)0.1%、ヘキサメ
タリン酸ナトリウム0.5%を代わりに用いた以外は実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0062】比較例5 実施例12において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は、実施例12と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0063】比較例6 実施例13において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は実施例13と同様にして、キャスト塗被
紙を得た。
【0064】比較例7 実施例15において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は、実施例15と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0065】比較例8 実施例12において、ポリエチレン化合物および多官能
性エポキシ化合物を添加しなかった以外は、実施例12
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0066】実施例21 カオリン80部、軽質炭酸カルシウム20部、ポリアク
リル酸ソーダ0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調製した。
これに消泡剤としてトリブチルフォスフェート0.5
部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム1.0部、接
着剤としてアンモニアで溶解した15%カゼイン水溶液
13部(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス15部、さらにポリエチレン化合物として表1に
示したポリエチレン化合物Aを5部と多官能性エポキシ
化合物として表2に示した化合物(a)を0.5部加
え、固形分濃度50%のキャスト用塗被液を得た。この
塗被液を用いてゲル化キャスト方式によるキャスト仕上
げを行なった。
【0067】即ち、米坪110g/m2 のキャスト用原
紙に乾燥重量が20g/m2 となるように上記塗被液を
ロールコーターで塗被し、次いでの蟻酸カルシウム0.
5%からなる凝固液に接触させて塗被層をゲル化した。
この塗被した紙をプレスロールで表面温度98℃のキャ
ストドラムにプレス圧100kg/cmで圧着し、乾燥
後テークオフロールでキャストドラムから剥離すること
によってキャスト塗被紙を得た。
【0068】実施例22 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンBを用い、多官能性エポキシ化合物と
して表2に示した化合物(b)を用いた以外は実施例2
1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0069】実施例23 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンCを用い、多官能性エポキシ化合物と
して表2に示した化合物(c)を用いた以外は実施例2
1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0070】実施例24 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンDを用い、多官能性エポキシ化合物と
して表2に示した化合物(d)を用いた以外は実施例2
1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0071】実施例25 実施例21においてキャスト用塗被液中にポリエチレン
化合物と多官能性エポキシ化合物を添加せず、凝固液と
して表1のポリエチレンD1.0%、表2の多官能性エ
ポキシ化合物(e)を0.1%、蟻酸カルシウム0.5
%を代わりに用いた以外は実施例21と同様にしてキャ
スト塗被紙を得た。
【0072】比較例9 実施例21において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は実施例21と同様にしてキャスト塗被紙
を得た。
【0073】比較例10 実施例22において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は実施例22と同様にしてキャスト塗被紙
を得た。
【0074】比較例11 実施例24において、多官能性エポキシ化合物を添加し
なかった以外は実施例24と同様にしてキャスト塗被紙
を得た。
【0075】比較例12 実施例21においてポリエチレン化合物および多官能性
エポキシ化合物を添加しなかった以外は実施例21と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0076】かくして得られたキャスト塗被紙の光沢、
インキセット、インキグロス、印刷ムラ、表面強度、耐
摩擦適性、および操業可能な最高速度を下記の方法で評
価し、その結果を表3〜5に示した。
【0077】〔白紙光沢〕JIS−P8142に準じて
測定した。
【0078】〔インキセット〕RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製G
raf−G墨)0.6ccを用いてキャスト塗被紙表面
に印刷し、印刷直後、印刷から2分後、および印刷から
5分後に、キャスト塗被紙表面上に上質紙を重ね合わせ
て一定の圧力で加圧し、上質紙に転移したインキ濃度を
以下の基準で判定した。 ◎:2分後には、インキが殆ど転移しない。 ○:5分後には、インキがほとんど転移しない。 △:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度が半分程度である。 ×:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度がやや薄くなっている。
【0079】〔インキグロス〕RI−1型印刷試験機
(明製作所製)でシートオフセット用インキ〔F−グロ
ス(墨)/大日本インキ製〕0.2ccを用いて印刷を
行い、一昼夜放置後、村上色彩技術研究所製の光沢度計
を用いて60°の光沢を測定した。値が大きい程インキ
光沢がある。
【0080】〔印刷ムラ〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.1ccを用いてキャスト塗被紙表面に印
刷し、一昼夜放置後の印刷面のインキ濃度やインキ着肉
ムラを以下の基準に準じて目視判定した。 ○:インキの着肉に優れ、印刷ムラもない。 △:印刷ムラが見られるが、実用上問題ない。 ×:印刷ムラが著しく悪い。
【0081】〔表面強度〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.4ccを用いてキャスト塗被紙表面を5
回印刷し、キャスト塗被紙表面の状態を以下の基準に準
じて観察、判定を行った。 ○:表面強度に優れ、キャスト塗被紙表面のコート層の
剥けがまたっくない。 △:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けがわずかに見
られるが、実用上問題ない。 ×:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けが著しい。
【0082】〔耐摩擦適性〕RI−1型印刷試験機でシ
ートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gr
af−G赤)0.3ccを用いてキャスト塗被紙表面に
印刷し、一昼夜室温で乾燥させた後、印刷面と白紙面を
摩擦試験機を用いて600gの加重をかけて20回擦り
合わせた後の印刷面と白紙面の傷および汚れ具合を以下
の基準により判定した。 ○:ほとんど汚れや傷がない。 △:汚れや傷が見られる。 ×:汚れや傷が著しく見られる。
【0083】〔キャスト塗被紙の最高生産速度〕キャス
ト塗被紙を上記の方法において生産した場合に、キャス
ト塗被紙がキャストドラムに貼り付いたり、ドラムピッ
クやドラムピックが発生せず、安定して生産が可能な最
高速度を示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【発明の効果】表3〜5より明らかなように、本発明の
実施例によって得られたキャスト塗被紙は白紙光沢、印
刷適性(インキグロス)および耐摩擦適性に極めて優
れ、且つ効率良く生産することが可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 一博 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に顔料と接着剤とを主成分とする
    キャスト用塗被層を設け、塗被層が湿潤状態にある間に
    加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより鏡面
    仕上げされるキャスト塗被紙において、該塗被層中にポ
    リエチレン化合物と多官能性エポキシ化合物とを含有せ
    しめたことを特徴とするキャスト塗被紙。
  2. 【請求項2】ポリエチレン化合物として、融点が105
    ℃以上、針入度が5dmm以下、および酸価が5〜50
    mgKOHである請求項1記載のキャスト塗被紙。
  3. 【請求項3】ポリエチレン化合物と多官能性エポキシ化
    合物の配合重量比が20:1〜10:10である請求項
    1または請求項2記載のキャスト塗被紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003076202A1 (fr) * 2002-03-11 2003-09-18 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Moyen d'enregistrement a jet d'encre et son procede de production

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JPH02221488A (ja) * 1989-02-17 1990-09-04 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd 両面キャスト塗被紙の製造方法

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