JPH07300797A - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

キャスト塗被紙の製造方法

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JPH07300797A
JPH07300797A JP9029394A JP9029394A JPH07300797A JP H07300797 A JPH07300797 A JP H07300797A JP 9029394 A JP9029394 A JP 9029394A JP 9029394 A JP9029394 A JP 9029394A JP H07300797 A JPH07300797 A JP H07300797A
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cast coated
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Junichi Miyake
潤一 三宅
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表紙、表紙カバー、紙袋、紙器等の用途に、耐
折れ割れ適性に優れ(折り目の部分に塗工層の亀裂を生
じない)、優れた表面光沢と印刷適性を備えたキャスト
塗被紙を製造する。 【構成】塗被組成物の接着剤としてブタジエンモノマー
の構成比が50%以上の共重合体ラテックスを、全接着
剤量の70重量%以上、顔料100重量部に対して20
〜50重量部配合し、その塗被組成物を原紙上に塗工し
乾燥させて塗被層とした後、塗被層に再湿潤液を付与し
て湿潤可塑化させ、加熱された鏡面ドラムに圧接して強
光沢仕上げするキャスト塗被紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙の製造方
法に関し、特に表紙カバー、紙袋、紙器等の用途に、耐
折れ割れ適性に優れ(折り目の部分に塗工層の亀裂を生
じない)、優れた表面光沢と印刷適性を備えたキャスト
塗被紙を得る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙は表面光沢が非常に高
く、優れた平滑性を有し、印刷適性に極めて優れている
ため、高級印刷用紙として広く利用されている。キャス
ト塗被紙の製造方法としては、いずれも湿潤可塑状態に
ある塗被層表面を加熱ドラムに圧接、乾燥し、加熱ドラ
ムから離型させて、ドラムの鏡面を紙表面に写しとるこ
とについて共通している。その具体的な製造方法として
は、乾燥前の湿潤状態にある塗被層をそのまま鏡面仕上
げした加熱ドラムの表面に圧接して乾燥させて強光沢仕
上げするウェットキャスト法、湿潤状態のキャスト塗被
層を一旦乾燥した後に再湿潤液で可塑化させて加熱ドラ
ム面に圧接するリウェットキャスト法、さらに湿潤状態
の塗被層をゲル状態にして加熱ドラム面に圧接して光沢
仕上げするゲル化キャスト法等が一般に知られている。
【0003】このようなキャスト塗被紙の用途は、印刷
紙のビジュアル化、カラー化、高級化と共に、雑誌、パ
ンフレット、等の表紙や各種書籍の表紙カバーに使用さ
れることが多くなってきている。さらには、その強光
沢、高平滑性を活かしてショッピングバック等の紙袋に
も用いられている。しかし、いずれの場合も製本あるい
は製袋工程等で、印刷されたキャスト塗被紙に折り目が
付けられる時に折り目に亀裂が入り易く、さらに亀裂が
ひどくなると印刷部が裂けて原紙層が露出してしまうよ
うな問題点がある。一般のキャスト塗被紙では、この折
れ割れ現象が見受けられ、キャスト塗被紙の優れた外観
を損ない商品価値を低下させてしまう。
【0004】折り目に対するキャスト塗被紙の亀裂裂け
防止対策として、耐折れ割れ適性を付与する方法として
は、キャスト塗被紙に柔軟で透明な樹脂を印刷等により
塗布したニス引き紙やプレスコート紙、あるいは表面に
ポリエチレン、ポリプロピレンや塩化ビニル等のプラス
チックフィルムを貼り合わせたラミネート紙等を用いる
ことが提案されて広く利用されている。
【0005】しかし、ニス引き紙、プレスコート紙、ラ
ミネート紙等は、その上からさらに通常の印刷インキで
直接印刷することができない。そのために予め印刷を行
い、その後にニス引きやプレスコート、ラミネート等の
光沢加工が行われる。また、これらの中でも広範囲に利
用されているラミネート紙では、折り目の亀裂裂けに対
しては品質が飛躍的に向上するが、工程の複雑さがコス
トに大きく影響したり、古紙としての再生離解が難し
く、環境問題等の点でもキャスト塗被紙と比べて不利な
点がある。
【0006】このような実状から、ニス引き紙、プレス
コート紙、あるいはラミネート紙の代わりに、それらと
同等の品質を有するようなキャスト塗被紙の改善、即
ち、現状のキャスト塗被紙よりも優れた耐折れ割れ適性
を有し、優れた白紙光沢と印刷適性を兼ね備えたキャス
ト塗被紙の開発が望まれている。
【0007】キャスト塗被紙用の塗被組成物は一般に印
刷用塗被紙の分野で用いられている塗被紙用顔料および
接着剤を主成分としている。その接着剤にはカゼイン、
澱粉、大豆蛋白などの天然バインダーとスチレンーブタ
ジエン共重合ラテックス等の合成バインダーとが併用さ
れ、その使用量は顔料100重量部に対してそれぞれ5
〜15重量部の割合で配合されるのが通常である。この
ようにキャスト塗被層の主体は顔料であるため、印刷適
性には優れているが、塗被層が弾性に乏しく、キャスト
塗被紙の折り加工時に塗被層が受ける引張力や圧縮力に
耐えきれず折れ割れが生じ易い。現状のキャスト塗被紙
は折れ割れ適性がニス引き紙やプレスコート紙、あるい
はラミネート紙にはとても匹敵し得ない。
【0008】キャスト塗被紙の耐折れ割れ適性を高める
ためには、塗被層が引張力や圧縮力に対して耐えるだけ
の弾性を有することが必要である。ところが、キャスト
塗被紙用の接着剤のうち、カゼインや澱粉、大豆蛋白等
の天然バインダーは合成バインダーに比べて硬く脆いた
め塗被層に弾性を与えることができない。
【0009】塗被層の弾性を向上させるために合成バイ
ンダーを高率配合させることが考えられるが、合成バイ
ンダーの高率配合はキャスト塗被紙の製造工程で鏡面ド
ラムからの離型を悪化させる。この離型の悪化は、塗被
層の一部が鏡面ドラムに残留するドラムピックという現
象やそのことに起因する紙切れの発生等があり、操業性
を著しく低下させる。また、合成バインダーの高率配合
は印刷時のインキ乾燥性の低下を引き起こして品質面に
も悪影響を及ぼす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の実状から、本発
明者等は、ラミネート紙に匹敵する耐折れ割れ適性を有
し、強光沢で印刷適性の優れたキャスト塗被紙を得るべ
く鋭意研究を重ねた結果、キャスト塗被組成物中に特定
のモノマー成分を特定の比率以上で共重合させたラテッ
クスを全接着剤量に対しては特定比率以上に、また顔料
に対しても特定比率の範囲で配合し、特定のキャスト法
で光沢仕上げすることにより、本発明が目的とする極め
て優れた耐折れ割れ適性を有し、白紙光沢、印刷適性に
優れたキャスト塗被紙が効率よく得られることを見出し
たのである。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明は、原紙上に顔料
および接着剤を主成分とする塗被組成物を塗工し、加熱
した鏡面ドラムによって仕上げるキャスト塗被紙の製造
方法において、接着剤としてブタジエンモノマーの構成
比が50%以上の共重合体ラテックスを、全接着剤中の
70重量%以上、顔料100重量部に対して20〜50
重量部配合した塗被組成物を、原紙上に塗工し乾燥させ
て塗被層とした後、塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可
塑化させて加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上
げすることを特徴とするキャスト塗被紙の製造方法であ
る。
【0012】
【作用】本発明者等は、キャスト塗被組成物中に特定の
モノマー成分を特定の比率以上で共重合させたラテック
スを全接着剤量に対して特定比率以上に、また顔料に対
しては特定比率の範囲で配合し、特定のキャスト仕上げ
をすることにより、優れた耐折れ割れ適性を有し、白紙
光沢、印刷適性に優れたキャスト塗被紙が得られること
を見いだし本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、接着剤として、ブタジエンモ
ノマーの構成比が50%以上の共重合体ラテックスを、
全接着剤量の70重量%以上用い、そのラテックス
の使用量を顔料100重量部に対して20〜50重量部
配合と特定した塗被組成物を用いてリウェットキャスト
法によってキャスト塗被紙を製造する。
【0014】一般にキャスト塗被紙に使用するラテック
スはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスやメチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ある
いはスチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重
合体ラテックス、であるが、白紙光沢、接着強度、離型
性を向上させるため、共重合させるモノマー材料の比率
が工夫されており、ブタジエンモノマーの比率は20〜
45%の範囲で使用されるのが通常である。そして、ウ
ェットキャスト法とゲル化キャスト法では、ブタジエン
モノマーの比率を50%以上に高めていくと、得られる
キャスト塗被紙は白紙光沢や印刷強度が低下してしま
う。
【0015】またウェットキャスト法とゲル化キャスト
法では、使用するカゼイン等の天然接着剤量を少なくし
てラテックス量を多くすることによってラテックスの使
用比率を全接着剤量の70重量%以上にしたり、顔料1
00重量部に対しラテックスを20重量部以上に多く添
加すると、鏡面ドラムからの離型性が悪化する。そのた
め、ウェットキャスト法とゲル化キャスト法では、ラテ
ックス等の合成接着剤の種類やその添加量によって塗被
層の弾性を向上させるには限界がある。
【0016】本発明の製造方法はリウェットキャスト法
であることに特徴がある。リウェットキャスト法は、一
旦乾燥された塗被層を再湿潤してキャストするので、ウ
ェットキャスト法やゲル化キャスト法に比べて鏡面ドラ
ムからの離型性が優れている。そのため、共重合体ラテ
ックスの高率配合やカゼイン等の天然バインダーの添加
量を下げることが可能となる。また、ラテックスのモノ
マー組成としてブタジエンモノマーを高率に配合するこ
とによってインキ乾燥性を速くし、ガラス転移温度を低
くして塗工層の弾性を与えて耐折れ割れ適性を向上させ
ることができる。しかも、ブタジエン比率の高いラテッ
クスを使用する場合の印刷強度低下の問題もラテックス
量の増量で解消される。さらに、リウェットキャスト法
では、鏡面ドラムへの圧接の圧力が高いために光沢低下
の問題もない。
【0017】即ち、上記のとおり、ブタジエンモノマー
を構成比50%以上共重合させたラテックスを全接着剤
量の70重量%以上になるようにして、同時に顔料10
0重量部に対し20〜50重量部添加させ、その塗被組
成物でリウェットキャストして光沢仕上げすることによ
って初めて、優れた耐折れ割れ適性を有し、強光沢と印
刷適性に優れたキャスト塗被紙が得られる。上記の条件
のひとつでも満たしていなければ、本発明の目的の効果
を得ることができない。
【0018】共重合させるブタジエンモノマーが構成
比50%未満の場合、共重合させるブタジエンモノマ
ーが構成比50%以上であっても、そのラテックスの使
用比率が全接着剤量の70重量%に満たない場合、そ
のラテックスの塗被組成物における割合が顔料100重
量部に対し20重量部に満たない場合は、いずれも得ら
れたキャスト塗被紙は耐折れ割れ適性が劣ってしまう。
また、ラテックスの配合量が顔料100重量部に対して
50重量部を越える場合は、塗被層のポーラス性が失わ
れ、キャスト塗被紙表面にピンホール状の光沢ムラが生
じるので好ましくない。
【0019】次に本発明のキャスト塗被紙の製造方法に
ついてさらに詳細に記述する。本発明においてキャスト
塗被紙の塗被層を形成する塗被組成物は、顔料および接
着剤を主配合とするものである。そして、まず接着剤と
しての共重合体ラテックスとしては前述のように、ブタ
ジエンモノマーを50%以上共重合させたラテックスが
使用される。なお、共重合体のブタジエンモノマー比率
の上限は、接着力等のバランスから70%程度までが好
ましく、最も好ましくはブタジエンモノマーを55〜6
5%程度の範囲で共重合させたラテックスが使用され
る。
【0020】ブタジエン以外に共重合させるモノマーと
しては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレン、クロロスチレン等のオレフィン系芳香族系モ
ノマーや、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、および酢
酸ビニル等のオレフィン系脂肪族系モノマー等が挙げら
れる。その中でも、ブタジエンモノマーとスチレンモノ
マーもしくはブタジエンモノマーとメチルメタクリレー
トモノマーを主成分して共重合させたスチレン−ブタジ
エン共重合ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合ラテックス、スチレン−メチルメタクリレー
ト−ブタジエン共重合ラテックスを用いると、キャスト
塗被紙の白紙光沢、印刷強度、鏡面ドラムからの離型性
が良好である。
【0021】なお、必要に応じて、アクリルアミド、メ
タアクリルアミド、Nメチロールアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸
アミドや、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等の
不飽和ニトリル系単量体を一種もしくは二種以上組み合
わせてもよい。
【0022】また、上記のラテックス以外に、例えば、
カゼイン、大豆蛋白、メタノール、酢酸等の単細胞質化
性菌体からの抽出蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコ
ール、オレフィン無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等
の合成樹脂系接着剤、陽性澱粉、酸化澱粉等の澱粉類、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用接着剤の
一種以上を用いてもよいが、本発明においては上記の特
定のラテックスの配合比率が全接着剤量の70重量%以
上でなければならない。
【0023】次に顔料としては、例えばカオリン、クレ
ー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、珪酸ア
ルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫
酸バリウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、タルク、二酸化チタン、スチレン系プラスチックピ
グメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾ
グアナミン系プラスチックピグメント等、塗被紙製造分
野で公知公用の各種顔料が使用できる。
【0024】また、上記の顔料と接着剤の他に、塩化ナ
トリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム、
第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシウ
ム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、モノクロル酸ナトリウム、マロン酸
ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のア
ンモニウム塩や金属塩類、メチルアミン、ジエタノール
アミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン
等の各種添加剤を適宜使用することができる。そしてさ
らに、助剤として消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性
剤、耐水化剤、防腐剤等を必要に応じて用いることもで
きる。
【0025】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般に塗工紙分野で使用される酸
性紙、あるいは中性紙が適用される。なお、原紙の片面
または両面には必要に応じて、一般の顔料塗被組成物を
あらかじめ予備塗工しておいても良く、その場合の塗工
量は片面当り乾燥重量で5〜30g/m2程度が望ましい。
さらに必要であればこの予備塗工した紙を前もってスー
パーキャレンダー、ブラシ掛け、キャスト仕上げ等の平
滑化処理を施してもよい。
【0026】上記材料をもって構成されるキャスト用塗
被組成物は、一般に固形分濃度を20〜70重量%程度
に調製し、米坪が20〜400g/m2程度の原紙上に乾燥
重量で10〜50g/m2、より好ましくは20〜30g/m2
程度になるように、ブレードコーター、エアーナイフコ
ーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレ
ックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の
各種公知の塗被装置により塗被後乾燥される。
【0027】本発明のキャスト塗被紙の製造方法は、上
記の方法でキャスト用塗被組成物の塗被を行なった後、
再湿潤液を付与して塗被層を再湿潤させ、加熱させた鏡
面ドラムに圧接して光沢仕上げするリウエットキャスト
法によってキャスト仕上げを行う。
【0028】本発明における再湿潤液は、離型剤として
例えばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸の塩類やその
誘導体、マイクロクリスタリンワックス、ロート油など
を水に溶解または分散させた液が使用される。また、ヘ
キサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、有機酸の塩類等を
乾燥塗被層の可塑化を促進させるために併用することも
可能である。
【0029】さらに、塗被層の再湿潤前にスーパーキャ
レンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を行うことも有効
である。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例を上げて説明するが、こ
れらに限定されるものではない、また、例中の部と%は
特に断らない限りそれぞれ重量部と重量%を示す。
【0031】実施例1〜5、比較例1〜5 カオリン70部、炭酸カルシウム30部、ポリアクリル
酸ナトリウム0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調成した。
このスラリーに消泡剤としてトリブチルフォスフェート
0.5部、離型剤としてステアリン酸アンモニウム1.
0部、接着剤として表1に示した共重合体ラテックスと
アンモニアを用いて溶解した15%カゼイン水溶液をそ
れぞれ表1に示した固形分の部数だけ添加し、さらにZ
nSO4 2部と水を加えアンモニアでpH8に調整し
て、仕上がり固形分濃度45%のキャスト用塗被液を調
整した。
【0032】このキャスト用塗被液を、米坪105g/m2
の原紙上にエアーナイフコーターを用いて乾燥重量で2
3g/m2になるように塗布後、エアーフローティングドラ
イヤーで乾燥した。次にこの塗被紙をプレスロールとキ
ャストドラムで形成されるプレスニップに通紙し、ここ
でノズルから供給されたポリエチレンエマルジョンから
なるリウエット液(1.0%濃度)によって塗被層表面
を再湿潤した後、表面温度105℃のキャストドラムに
プレス圧200Kg/cmで圧接、乾燥した後ドラムか
ら剥離することによってキャスト塗被紙を得た。
【0033】比較例6と7 顔料として、カオリン80部、重質炭酸カルシウム20
部、接着剤として酸化澱粉4部と単層のスチレン・ブタ
ジエンラテックス15部および耐水化剤として炭酸ジル
コニウムアンモニウム0.5部をコーレス分散機で混合
し、濃度55%の下塗り塗被液を調成した。かくして得
た下塗り塗被液を米坪104g/m2の原紙に12g/m2とな
るようにブレードコーターで塗被、乾燥して、キャスト
塗被紙用下塗り原紙を得た。
【0034】次いでカオリン80部、軽質炭酸カルシウ
ム20部、離型剤としてステアリン酸アンモニウム1部
と表1からなる共重合ラテックスとアンモニアで溶解し
た15%カゼイン水溶液をそれぞれ表1に示した部数だ
け加え、攪拌機で混合し固形分濃度45%のキャスト塗
被液を調製し、上記のキャスト塗被紙用下塗り原紙に乾
燥重量で12g/m2となるようロールコーターで塗布し、
表面温度90℃のキャストドラムにプレス圧30Kg/cm
で圧接、ウェットキャスト仕上げを行い、乾燥した後ド
ラムから剥離することによってキャスト塗被紙を得た。
【0035】比較例8と9 カオリン80部、炭酸カルシウム10部、水酸化アルミ
ニウム10部、ポリアクリル酸ナトリウム0.5部をコ
ーレス分散機を用いて水中に分散し、固形分濃度65%
の顔料スラリーを調成した。このスラリーに消泡剤とし
てトリブチルフォスフェート0.5部、離型剤としてロ
ート油1.5部、接着剤として表1に示した共重合体ラ
テックスとアンモニアを用いて溶解した15%カゼイン
水溶液をそれぞれ表1に示した部数だけ添加し、さらに
硫酸アルミニウム0.1部を加え固形分濃度が38%の
ゲル化キャスト用塗被液を調成した。
【0036】この塗被液を、米坪105g/m2の原紙上に
エアーナイフコーターを用いて乾燥重量で23g/m2にな
るように塗布後、エアーフローティングドライヤーで塗
工後の水分が10%になるまで予備乾燥した。ついで、
蟻酸1%水溶液で塗被層をゲル化した後、表面温度10
5℃のキャストドラムにプレス圧150Kg/cm で圧接、
ゲル化キャストしあげ行い、乾燥した後ドラムから剥離
することによってキャスト塗被紙を得た。
【0037】このようにして得られたキャスト塗被紙の
耐折れ割れ適性、白紙光沢、光沢ムラ、印刷強度、イン
キセット性およびドラムからの離型性を表2に示した。
【0038】評価は下記のとおり行なった。 〔耐折れ割れ適性〕RI型印刷試験機でシートオフセッ
ト用インキ(大日本インキ化学工業製Graf−G墨)
0.3ccを用いてキャスト塗被紙表面を1回印刷し、1
日後キャスト塗被紙表面を外側に折りたたみ(以下、山
折と呼ぶ)、重さ10Kgの真ちゅう製ローラーを折り目
に対し直角方向に1往復転がし、同じ操作をキャスト塗
被紙表面を内側に折りたたんだ(以下、谷折と呼ぶ)場
合についても行い、折り目の状態を以下の基準に従って
目視観察して判定を行った。 ◎:折り目に亀裂、裂け部分が見られない。 ○:折り目に若干の亀裂が見られるが印刷部が裂けて原
紙層が露出していることはない。 △:折り目に印刷部が裂けて原紙層が露出している部分
が一部ある。 ×:折り目全体に印刷部が裂けて原紙層が露出してい
る。
【0039】〔白紙光沢〕JIS P8142に準じて
測定した。
【0040】〔光沢ムラ〕キャスト塗被紙表面の光沢ム
ラを以下の基準にしたがって目視で評価した。 ◎:光沢ムラが見られない。 ○:光沢ムラが僅かに見られるが、実用上問題ない。 △:光沢ムラが見られる。 ×:光沢ムラが多く見られる。
【0041】〔印刷強度〕RI型印刷試験機でシートオ
フセット用インキ(大日本インキ化学工業製Graf−
G墨)0.4ccを用いてキャスト塗被紙表面を5回印刷
し、キャスト塗被紙表面の状態を以下の基準に従って目
視観察して判定を行った。 ○:表面強度に優れキャスト塗被紙表面のコート層の剥
けがまったくない。 △:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けがわずかに見
られるが、実用上問題ない。 ×:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けが著しい。
【0042】〔インキセット性〕RI型印刷試験機でシ
ートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gr
af−G墨)0.6ccを用いて、キャスト塗被紙表面を
1回印刷し印刷直後、印刷から2分後、および4分後
に、キャスト塗被紙表面上に上質紙を重ね合わせて一定
の圧力で加圧し、上質紙に転移したインキ濃度を以下の
基準に従って判定してインキセット性を評価した。 ◎:2分後には、上質紙にインキが殆ど転移しない。イ
ンキセットが良好。 ○:4分後には、上質紙にインキが殆ど転移しない。 △:印刷直後のインキ転移濃度に対して4分後の転移濃
度が半分程度である。 ×:印刷直後のインキ転移濃度に対して4分後の転移濃
度がやや薄くなっている程度にしかインキセットしてい
ない状態である。
【0043】〔離型性〕キャスト仕上げの連続生産操業
において、ドラムピックの有無によってドラムからの離
型性を次のように評価した。 ◎:ドラムピックが発生せず連続生産が可能。 ○:ドラムピックが若干発生するが連続生産が可能。 ×:ドラムピックが多発し連続生産が不可能。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法では、鏡面ドラムから
の離型性に優れ操業性も問題なしにキャスト塗被紙を製
造することができた。そして、表2から明らかなよう
に、得られたキャスト塗被紙は、光沢ムラがなく、耐折
れ割れ適性、白紙光沢、印刷強度、インキセット性に極
めて優れたものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に顔料および接着剤を主成分とする
    塗被組成物を塗工し、加熱した鏡面ドラムによって仕上
    げるキャスト塗被紙の製造方法において、接着剤として
    ブタジエンモノマーの構成比が50%以上の共重合体ラ
    テックスを、全接着剤中の70重量%以上、顔料100
    重量部に対して20〜50重量部配合した塗被組成物
    を、原紙上に塗工し乾燥させて塗被層とした後、塗被層
    に再湿潤液を付与して湿潤可塑化させて加熱された鏡面
    ドラムに圧接して強光沢仕上げすることを特徴とするキ
    ャスト塗被紙の製造方法。
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