JPH05272093A - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

キャスト塗被紙の製造方法

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JPH05272093A
JPH05272093A JP6631892A JP6631892A JPH05272093A JP H05272093 A JPH05272093 A JP H05272093A JP 6631892 A JP6631892 A JP 6631892A JP 6631892 A JP6631892 A JP 6631892A JP H05272093 A JPH05272093 A JP H05272093A
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JP
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cast
coated paper
paper
polyethylene compound
resin
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JP6631892A
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Shinichi Asano
晋一 浅野
Tetsuo Imai
哲郎 今井
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キャスト塗被紙の製造方法に関し、特にキャス
ト塗被紙表面の白紙光沢、印刷適性、耐摩擦適性に極め
て優れたキャスト塗被紙を高効率で生産し得る製造方法
を提供する。 【構成】支持体上に顔料と接着剤とを主成分とするキャ
スト用塗被層を設け、塗被層が湿潤状態にある間に加熱
された鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより鏡面仕上
げするキャスト塗被紙の製造方法において、該塗被層中
にポリエチレン化合物と水溶性変性ポリアミン系樹脂及
び/又は水溶性変性ポリアミド系樹脂とを含有せしめた
キャスト塗被紙の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙の製造方
法に関し、特にキャスト塗被紙表面の白紙光沢、印刷適
性、耐摩擦適性に極めて優れたキャスト塗被紙を高効率
で生産し得るキャスト塗被紙の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢
紙の製造方法としては、顔料および接着剤を主成分とす
るキャスト塗被液を原紙に塗工した後、塗被層が湿潤状
態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムの表面に圧着
(圧接)、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト
法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥させた後、再湿潤液に
より再度湿潤可塑化させ鏡面を有する加熱ドラム面に圧
接して仕上げるリウェットキャスト法、或いは湿潤状態
の塗被層をゲル化状態にして加熱ドラム面に圧接して光
沢仕上げするゲル化キャスト法等が一般に知られてい
る。これらのキャスト仕上げ方法は、いずれも可塑化状
態にある塗被層表面を加熱ドラムに圧接、乾燥して加熱
ドラムより離型させて鏡面を写しとる点で共通してい
る。
【0003】この様にして得られたキャスト塗被紙はス
ーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗被紙に比べて
高い白紙光沢と高度な表面平滑性を有し、優れた印刷効
果が得られることより、高級印刷物又は高級紙器等の用
途に専ら利用されている。
【0004】最近、印刷物や書籍の表紙、あるいは紙器
等の高級化指向に伴い、より豪華な表紙や耐摩擦適性に
優れた製品が要望されている。そのような要望に答える
ために、通常の塗被紙やキャスト塗被紙に透明な樹脂を
印刷等により塗被した、所謂ニス引き紙やプレスコート
紙、あるいは表面にポリエチレンや塩化ビニル等のプラ
スチックフィルムを貼合わせたラミネート紙が広く利用
されている。
【0005】ところで、ニス引き紙、プレスコート紙あ
るいはラミネート紙は、その上から通常の印刷インキで
直接印刷することができない為、予め印刷を行い、その
後にニス引きやラミネート等の光沢加工が行われてい
る。また、これらの中でも特に広く利用されているラミ
ネート紙では古紙としての再生離解が難しく、工程上や
コスト及び環境問題等の点でも通常の塗被紙やキャスト
塗被紙に比べて不利な面が多い。それにもかかわらず広
く利用されるようになると、結果として、ニス引き紙、
プレスコート紙あるいはラミネート紙の代わりに、それ
らと同等の品質を有するようなキャスト塗被紙の改善、
即ち、より優れた白紙光沢、印刷光沢、耐摩擦適性等を
有するキャスト塗被紙の開発が望まれている。
【0006】従来、キャスト塗被層用塗被組成物は塗被
紙用顔料および接着剤を主成分とし、接着剤には合成系
の物と天然系の物とが併用され、顔料100重量部に対
して通常5〜50重量部の割合で配合されるのが実状で
ある。この様にキャスト塗被層の主体は一般塗被紙用顔
料であるため、印刷インキの吸収或いは保持性には優れ
るものの、白紙光沢や耐摩擦適性においてはニス引き
紙、プレスコート紙あるいはラミネート紙には匹敵し得
ない。
【0007】キャスト塗被紙の白紙光沢をより一層高め
るには、塗被組成物中の接着剤量を増やすことで、ある
程度迄は可能である。しかしながら、ニス引き紙やプレ
スコート紙あるいはラミネート紙並には至らない。本
来、キャスト塗被層は塗被紙用顔料と接着剤とを主成分
とするため、10〜40g/m2 といった多量の固形分
塗被量が必要な上に、接着剤を増やすことで塗被層の多
孔性が失われ、熱乾燥時の塗被層の蒸気透過性および離
型性の悪化により生産速度の大巾な低下や、キャスト塗
被紙の特徴である印刷適性、特にインキセットやインキ
の乾燥性が極端に悪化する等の問題を抱えている。
【0008】また、キャスト塗被紙の表面はその特性
上、容易に擦れ傷や損傷を受け易く、白紙品質を低下さ
せ易い難点がある。そのために、塗被層面の耐損傷性
(以後、耐摩擦適性と呼ぶ)を高め、品質低下を防止す
るためにポリエチレンワックスや天然ワックス等の従来
公知の滑剤の添加が考えられる。しかし、キャスト塗被
紙表面の耐摩擦適性をニス引き紙やプレスコート紙ある
いはラミネート紙並にするには、これらの滑剤を多量に
添加しなければならない。その結果として、印刷ムラ、
インキセットや表面強度等の印刷適性の低下が懸念され
る。さらに、キャスト塗被層の強度や離型性が低下する
ため、該塗被層を湿潤状態で加熱された鏡面ドラムに圧
接してキャスト仕上げする際に、塗被層の一部が鏡面ド
ラムに残留する、所謂ドラムピックといわれる現象が発
生したり、生産速度が低下する等の難点がある。
【0009】このように、従来のキャスト塗被紙ではニ
ス引き紙、プレスコート紙或いはラミネート紙等の如き
光沢加工処理を施した製品並の白紙光沢や耐摩擦適性を
付与することが極めて難しいのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状によ
り、本発明者等は、書籍の表紙等に専ら利用されるニス
引き紙やプレスコート紙或いはラミネート紙並の白紙光
沢を有し、且つ印刷適性、耐摩擦適性および離型性に優
れたキャスト塗被紙を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果として、顔料と接着剤とを主成分とするキャスト用
塗被層中にポリエチレン化合物と水溶性変性ポリアミン
系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系樹脂とを併用
することにより、本発明者等が所望とする極めて優れた
光沢を有し、さらに耐摩擦適性に優れ、且つ印刷適性に
も優れたキャスト塗被紙が効率よく得られることを見出
したのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に顔
料と接着剤とを主成分とするキャスト用塗被層を設け、
塗被層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥することにより鏡面仕上げするキャスト塗被紙
の製造方法において、該塗被層中にポリエチレン化合物
と水溶性変性ポリアミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポ
リアミド系樹脂とを含有せしめたことを特徴とするキャ
スト塗被紙の製造方法である。
【0012】
【作用】本発明者等は、キャスト用塗被層について鋭意
検討を進めた結果、特定のポリエチレン化合物と、水溶
性変性ポリアミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミ
ド系樹脂を併用することにより、白紙光沢、印刷適性、
耐摩擦適性、離型性を同時に満足させ得ることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0013】ここに、ポリエチレン化合物と、水溶性変
性ポリアミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系
樹脂を併用することで本発明の所望の効果が得られる理
由については、必ずしも明かではないが、以下のように
推定している。即ち、ポリエチレン化合物はキャスト用
塗被層中で表層に集まり易く、部分的にポリエチレンの
皮膜を形成する傾向がある。そのために、キャスト塗被
紙の白紙光沢や耐摩擦適性は高められるが、その反面、
インキセット、印刷ムラや表面強度等の印刷適性が低下
したり、加熱鏡面ドラムからのキャスト塗被紙の離型性
を悪化させる等の難点がある。このような特性を持つポ
リエチレン化合物を水溶性変性ポリアミン系樹脂及び/
又は水溶性変性ポリアミド系樹脂と併用することによ
り、それらが互いに反応して複合体を形成し、ポリエチ
レン化合物のキャスト用塗被層中における偏在化や皮膜
の形成を防止し、その結果としてインキセット、印刷ム
ラや表面強度および離型性等が改善されるものと推定さ
れる。
【0014】而して、本発明におけるポリエチレン化合
物としては、特に限定されるものではないが、その物性
値である融点が105℃以上、好ましくは110℃以
上、針入度が5dmm以下、好ましくは2dmm以下、
さらに酸価として5〜50mgKOH、好ましくは5〜
35mgKOHといった物性値を有するポリエチレン化
合物が特に好ましく用いられる。因みに、融点が105
℃未満、および針入度が5dmmを越えるものは、本発明
が所望する白紙光沢、耐摩擦適性が得られ難い。また、
ポリエチレン化合物の酸価が5mgKOH未満では変性
ポリアミン系樹脂や変性ポリアミン系樹脂との反応性が
低いために、インキセット、印刷ムラや離型性の改良効
果が得られ難く、酸価が50mgKOHを越える場合に
は変性ポリアミン系樹脂や変性ポリアミン系樹脂との反
応性が強く、白紙光沢の低下やキャスト用塗被液の増粘
等を誘発させ易く、好ましくない。
【0015】なお、上記の針入度とは、JIS K −2235
(1980)に規定されている針入度試験方法に準じた方法
で測定される値である。また、酸価とは下記(1)式に
基づいて測定した値である。即ち、試料Wg をトルエン
の沸点下で溶解し、指示薬としてフェノールフタレイン
を用い、N/10水酸化カリウム標準液(イソプロピル
アルコール溶液)で滴定し、淡紅色が30秒間持続する
ときのN/10水酸化カリウム標準液の規定量Amlを測
定して求めるものである。 酸価(mgKOH/g)=56.1(A−B)N/W (1) 〔ここに、N:N/10水酸化カリウム標準液の規定
度、B:空試験の滴定に要したN/10水酸化カリウム
標準液の量〕
【0016】なお、本発明で使用するポリエチレン化合
物としては、空気、酸素、オゾンまたはその他の各種酸
化剤を用いて酸化した酸化物、高分子量ポリエチレンの
熱および酸化分解物、ポリエチレンとエチレン性不飽和
カルボン酸グラフト重合物、あるいはエチレンとエチレ
ン性不飽和カルボン酸および必要によりその他の不飽和
単量体との共重合物等が適宜使用できる。
【0017】ポリエチレンの不飽和カルボン酸グラフト
重合体あるいはエチレンとエチレン性不飽和カルボン酸
との共重合体を構成するエチレン性不飽和カルボン酸と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和モノま
たはポリカルボン酸が挙げられる。また、必要に応じて
共重合させることのできるその他の不飽和単量体として
は、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無
水物基含有不飽和単量体、メチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ステアリルアクリレートやステア
リルメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸の
アルキルエステル、アクリロニトリルやメタクリロニト
リル等のニトリル基含有不飽和単量体、ヒドロキシアク
リレート、ヒドロキシメタクリレート、ジエチレングリ
コールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメ
タクリレート等のエチレン性不飽和アルコール類、酢酸
ビニル、酢酸アクリレートや酢酸メタクリレート等のエ
チレン性不飽和アルコールエステル類、スチレン、プロ
ピレン、ブテン、塩化ビニルやブタジエン等の炭化水素
系エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0018】本発明でいうポリエチレン化合物は、酸価
の一部あるいは全部を塩とすることも可能であり、一般
に使用される塩としては、モノエチルアミン、モノブチ
ルアミン、ジブチルアミンやトリブチルアミン等のアル
キルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
のエチレンジアミンやポリエチレンポリアミン類等のア
ミン化合物、ナトリウム、カリウムやリチウム等のアル
カリ金属類、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアル
カリ土金属類やアンモニア等が挙げられる。
【0019】これらの塩を形成する中でも、特に好まし
いものはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等である。
【0020】なお、本発明におけるポリエチレン化合物
は、一般に水溶液あるいは乳化分散体としてキャスト用
塗被液中に添加される。特に、ポリエチレン化合物の乳
化分散体を使用することが好ましく、ポリエチレンの乳
化に用いられる乳化分散剤としては、例えばポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキシド
付加物、脂肪酸アミドエチレンオキシド付加物、高級ア
ルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレン
グリコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸モノ、ジ、
トリグリセライド類、脂肪酸モノ、ジ、トリアルカノー
ルアミド等の非イオン界面活性剤類、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、硫酸化油脂塩、脂肪酸硫酸エステル
塩、脂肪酸塩やリン酸エステル塩等のアニオン性界面活
性剤類、アミノ酸型、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩
型、スルホン酸塩型やリン酸エステル塩型等の各種両性
界面活性剤類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カゼイ
ン、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム
等の水溶性高分子化合物類が挙げられ、これらのいずれ
か一種または二種以上が適宜用いられる。
【0021】また、キャスト用塗被液中に添加するポリ
エチレン化合物の使用量は、顔料100重量部に対し、
0.1〜20重量部、好ましくは0.4〜10重量部の
範囲で調節される。因みに、添加されるポリエチレン化
合物の量が0.1重量部未満の場合には、本発明が所望
とする効果を得にくい。他方、20重量部を越えるよう
な添加量はインキの着肉性が低下する等の懸念がある。
【0022】本発明で上記のポリエチレン化合物と併用
して使用する水溶性変性ポリアミン系樹脂および水溶性
変性ポリアミド系樹脂としては、以下のものが例示され
る。例えば、特公昭46-7607 号公報、特開昭61-123633
号公報に開示されているポリアミドポリアミン樹脂とエ
ピクロロヒドリンからなる樹脂、特公昭53-44567号公報
に開示されている脂肪族アミンとエピハロヒドリンの反
応物、特開昭61−55286 号公報に開示されているポリア
ルキレンポリアミンあるいはアルキレンジアミンとエピ
ハロヒドリンの反応物、特開昭61-195124 号公報に開示
されている特定のモノアミンとエピハロヒドリンの反応
物、特開昭61-252396 号公報に開示されている上記と同
様の化合物を4級化した樹脂、特開昭61-281127 号公報
に開示されているポリアミドポリアミン及び/又はポリ
尿素ポリアミドと尿素の脱アンモニア物とホルマリン及
びエピハロヒドリンからなる反応生成物に亜硝酸水素ナ
トリウムを反応させた樹脂や特開昭63-227893 号公報に
開示されているアミノ化合物と亜硝酸塩類とエピハロヒ
ドリンの反応生成物等がある。
【0023】上述のポリエチレン化合物と水溶性変性ポ
リアミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系樹脂
の混合比は、特に限定されるものではないが、固形分の
重量比で20:1〜10:10、好ましくは10:1〜
10:5の範囲で用いるのが望ましい。因みに、ポリエ
チレン化合物と水溶性変性ポリアミン系樹脂及び/又は
水溶性変性ポリアミド系樹脂の混合比がこの範囲外の場
合には、本発明の所望の効果が得られ難いだけでなく、
キャスト用塗被組成物の塗料粘度が上昇する等の懸念が
ある。
【0024】さらに、ポリエチレン化合物と、水溶性変
性ポリアミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系
樹脂のキャスト用塗被液中への添加方法としては、特に
限定されるものではないが、キャスト用塗被液中にそれ
ぞれを前もって混合、添加するか、あるいは別々に添加
してもよい。また、その添加時期についても特に限定さ
れるものではない。さらに、リウェットキャスト法やゲ
ル化キャスト法では、再湿潤液やゲル化液中に含有せし
めてキャスト仕上げすることもできる。
【0025】本発明の方法において、キャスト用塗被層
を構成する顔料としては、例えばカオリン、水酸化アル
ミニウム、サチンホワイト、硫酸バリウム、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、プラスチック
ピグメント、焼成クレー、酸化亜鉛や二酸化チタン等の
キャスト塗工分野で従来公知の各種顔料が単独或いは2
種類以上を併用する。
【0026】また、キャスト用塗被層成分の1つである
接着剤としては、例えばカゼインや大豆蛋白等の蛋白質
類、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体
ラテックス、或いはこれらの各種重合体や共重合体をカ
ルボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基変性
したアルカリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合体ラ
テックス、ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マ
レイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系の接着剤、
陽性化澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用として知ら
れる従来公知の接着剤が単独、或いは併用して用いられ
る。なお、接着剤の使用量は顔料100重量部に対し、
5〜50重量部、一般には10〜30重量部程度の範囲
で調節される。
【0027】他方、塗被層の耐水性、耐ブロッキング性
を向上させる目的でジグリセロールポリグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、やアジピン酸ジグリ
シジルエステル等の多官能性エポキシ化合物、炭酸ジル
コニウムアンモニウム、酢酸ジルコニウム等のジルコニ
ウム化合物、尿素−ホルムアルデヒド系、メラミン−ホ
ルムアルデヒド系、グリオキザール等の各種耐水化剤や
印刷適性向上剤を適宜添加することもでき、これらの添
加割合は前記樹脂成分100重量部に対して0〜30重
量部の範囲で使用される。
【0028】キャスト塗被層の加熱鏡面ドラム面からの
離型性を改良するために、適宜離型剤が添加される。こ
の場合の離型剤としては、例えばステアリン酸、オレイ
ン酸、パルミチン酸等の脂肪酸およびそれらのカルシウ
ム、亜鉛、ナトリウム、アンモニウム等の塩類、ステア
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドおよび
メチレンビスステアリン酸アミド等のアミド類、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化
水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の
高級アルコール、ロート油やレシチン等の油脂類、含フ
ッ素界面活性剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレン
ポリマーやエチレン−四フッ化エチレンポリマー等のフ
ッ素系ポリマー等が例示される。これらの離型剤は顔料
100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは
0.2〜10重量部の範囲で添加される。
【0029】また、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネ
シウム、硫酸第1鉄、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム、第1燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カル
シウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナト
リウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、モノクロル酢酸ナトリウム、マ
ロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナト
リウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、メチルアミ
ン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジイ
ソプロピルアミン等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩
や金属塩、およびアミン等を光沢付与助剤として直接あ
るいはキレートないしは錯塩の形で添加することもでき
る。
【0030】さらに、一般の塗被紙およびキャスト塗被
紙の製造に用いられている分散剤、消泡剤、着色剤、蛍
光染料、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤も適宜添加併
用される。
【0031】而して、上記材料をもって構成されるキャ
スト塗被用組成物は、一般に固形分濃度が40〜65重
量%程度に調製される。次いで、米坪が35〜400g
/m 2 程度の原紙、或いは多孔性フィルム等の支持体上
に乾燥重量で1〜40g/m 2 、好ましくは5〜20g
/m2 程度になるように塗被された後、キャスト仕上さ
れる。
【0032】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般にキャスト塗工紙分野で使用
される酸性紙、或いは中性紙が適宜使用される。なお、
原紙の片面又は両面に必要に応じて、一般の顔料塗被組
成物をあらかじめ、予備塗工した塗被紙をキャスト塗被
紙用原紙として用いることも可能である。その場合の塗
工量は片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望ま
しい。さらに必要に応じて、この予備塗工した紙を前も
ってスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理
を施した後に、キャスト仕上げを施すこともできる。勿
論、二度続けてキャスト仕上げを行うこともできる。
【0033】かくして上記のキャスト塗被層用組成物を
ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコー
ター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バ
ーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗被装置
により上記の各種支持体上に塗布され、塗布後は、ウェ
ットキャスト法、リウェットキャスト法、又はゲル化キ
ャスト法のいずれかによって光沢仕上することになる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、特に断らない限り例中の部及び%は、それぞれ重量
部及び重量%を示す。
【0035】実施例1 キャスト用塗被液として、カオリン80部、軽質炭酸カ
ルシウム20部、アンモニアで溶解した15%カゼイン
水溶液10部(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合
体ラッテクス15部(固形分)、離型剤としてステアリ
ン酸アンモニウム1部、さらにポリエチレン化合物とし
て表1に示したポリエチレン化合物Aを5部およびポリ
アミン・ポリアミド系樹脂として表2に示した樹脂Vを
0.5部添加した濃度45%のキャスト塗被液を調製
し、ウェットキャスト方式によるキャスト仕上を行なっ
た。
【0036】即ち、予めカオリン70部、炭酸カルシウ
ム30部、SBRラテックス15部および澱粉2部から
なる下塗り塗被液をブレードコーターで乾燥重量が15
g/m2 となるように塗抹したキャスト用原紙(120
g/m2 )上に、上記により調製されたキャスト塗被液
をロールコーターで乾燥重量が10g/m2 となるよう
に塗被し、直ちにこの紙をプレスロールでキャストドラ
ム(表面温度80℃)に圧接し、乾燥後キャストドラム
から剥離してキャスト塗被紙を得た。
【0037】実施例2 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0038】実施例3 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0039】実施例4 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0040】実施例5 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に示し
た樹脂Wを用いた以外は、実施例4と同様にしてキャス
ト塗被紙を得た。
【0041】実施例6 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2
に示した樹脂Xを0.2部用いた以外は、実施例4と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0042】実施例7 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を2
部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に示し
た樹脂Yを0.5部用いた以外は、実施例4と同様にし
てキャスト塗被紙を得た。
【0043】実施例8 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
0部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に示
した樹脂Zを0.5部用いた以外は、実施例4と同様に
してキャスト塗被紙を得た。
【0044】実施例9 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.5部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂Wを1部用
いた以外は、実施例5と同様にしてキャスト塗被紙を得
た。
【0045】実施例10 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.05部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂Wを0.
05部用いた以外は実施例5と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0046】実施例11 実施例5においてポリエチレン化合物Dの添加量を20
部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂Wを0.5部用い
た以外は実施例5と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0047】比較例1 実施例1においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加し
なかった以外は実施例1と同様にしてキャスト塗被紙を
得た。
【0048】比較例2 実施例2においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加し
なかった以外は実施例2と同様にしてキャスト塗被紙を
得た。
【0049】比較例3 実施例4においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加し
なかった以外は実施例4と同様にしてキャスト塗被紙を
得た。
【0050】比較例4 実施例1においてポリエチレン化合物およびポリアミン
・ポリアミド樹脂を添加しなかった以外は実施例1と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0051】実施例12 カオリン80部、軽質炭酸カルシウム20部、ポリアク
リル酸ソーダ0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調製した。
【0052】このスラリーに消泡剤としてトリブチルフ
ォスフェート0.5部、離型剤としてステアリン酸カル
シウム1.0部、接着剤としてアンモニアを用いて溶解
した15%カゼイン水溶液10部(固形分)及びスチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス16部(固形分)を
加え、更に硫酸亜鉛2部、ポリエチレン化合物として表
1のポリエチレン化合物A5部およびポリアミン・ポリ
アミド樹脂として表2の樹脂Vを0.5部加え、固形分
濃度が45%のキャスト用塗被液を調製し、リウェット
キャスト方式によるキャスト仕上げを行なった。
【0053】即ち、上記により調製されたキャスト用塗
被液を110g/m2 のキャスト用原紙に乾燥重量が2
0g/m2 となるようにエアーナイフコーターで塗被
し、エアーフローティングドライヤーで乾燥した。次
に、この塗被紙をプレスロールとキャストドラムで形成
されるプレスニップに通紙し、ここでノズルから供給さ
れたヘキサメタリン酸ナトリウムから成るリウェット液
(0.5%濃度)によって塗被層表面を再湿潤した後、
表面温度105℃のキャストドラムにプレス圧200k
g/cmで圧接、乾燥した後テークオフロールでキャス
トドラムから剥離することによってキャスト塗被紙を得
た。
【0054】実施例13 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0055】実施例14 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0056】実施例15 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は実施
例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0057】実施例16 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
1部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に示
した樹脂Wを用いた以外は、実施例15と同様にしてキ
ャスト塗被紙を得た。
【0058】実施例17 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2
に示した樹脂Xを0.2部用いた以外は実施例15と同
様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0059】実施例18 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
2部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に示
した樹脂Yを0.5部用いた以外は、実施例15と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0060】実施例19 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
10部とし、ポリアミン・ポリアミド樹脂として表2に
示した樹脂Zを0.5部用いた以外は実施例15と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0061】実施例20 実施例12において、キャスト用塗被液中にポリエチレ
ン化合物とポリアミン・ポリアミド樹脂を添加せず、リ
ウェット液として表1のポリエチレン化合物D1.0
%、表2の樹脂W0.1%、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム0.5%を代わりに用いた以外は実施例12と同様に
してキャスト塗被紙を得た。
【0062】比較例5 実施例12において、ポリアミン・ポリアミド樹脂を添
加しなかった以外は、実施例12と同様にしてキャスト
塗被紙を得た。
【0063】比較例6 実施例13において、ポリアミン・ポリアミド樹脂を添
加しなかった以外は実施例13と同様にして、キャスト
塗被紙を得た。
【0064】比較例7 実施例15において、ポリアミン・ポリアミド樹脂を添
加しなかった以外は、実施例15と同様にしてキャスト
塗被紙を得た。
【0065】比較例8 実施例12において、ポリエチレン化合物およびポリア
ミン・ポリアミド樹脂を添加しなかった以外は、実施例
12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0066】実施例21 カオリン80部、軽質炭酸カルシウム20部、ポリアク
リル酸ソーダ0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調製した。
これに消泡剤としてトリブチルフォスフェート0.5
部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム1.0部、接
着剤としてアンモニアで溶解した15%カゼイン水溶液
13部(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス15部、さらにポリエチレン化合物として表1に
示したポリエチレン化合物Aを5部とポリアミン・ポリ
アミド樹脂として表2に示した樹脂Vを0.5部加え、
固形分濃度50%のキャスト用塗被液を得た。この塗被
液を用いてゲル化キャスト方式によるキャスト仕上げを
行なった。
【0067】即ち、米坪110g/m2 のキャスト用原
紙に乾燥重量が20g/m2 となるように上記塗被液を
ロールコーターで塗被し、次いでの蟻酸カルシウム0.
5%からなる凝固液に接触させて塗被層をゲル化した。
この塗被した紙をプレスロールで表面温度98℃のキャ
ストドラムにプレス圧100kg/cmで圧着し、乾燥
後テークオフロールでキャストドラムから剥離すること
によってキャスト塗被紙を得た。
【0068】実施例22 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンBを用い、ポリアミン・ポリアミド樹
脂として表2に示した樹脂Wを用いた以外は実施例21
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0069】実施例23 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンCを用い、ポリアミン・ポリアミド樹
脂として表2に示した樹脂Xを用いた以外は実施例21
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0070】実施例24 実施例21においてポリエチレン化合物として表1に示
したポリエチレンDを用い、ポリアミン・ポリアミド樹
脂として表2に示した樹脂Yを用いた以外は実施例21
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0071】実施例25 実施例21においてキャスト用塗被液中にポリエチレン
化合物とポリアミン・ポリアミド樹脂を添加せず、凝固
液として表1のポリエチレンD1.0%、表2の樹脂Z
0.1%、蟻酸カルシウム0.5%を代わりに用いた以
外は実施例21と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0072】比較例9 実施例21においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加
しなかった以外は実施例21と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0073】比較例10 実施例22においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加
しなかった以外は実施例22と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0074】比較例11 実施例24においてポリアミン・ポリアミド樹脂を添加
しなかった以外は実施例24と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0075】比較例12 実施例21においてポリエチレン化合物およびポリアミ
ン・ポリアミド樹脂を添加しなかった以外は実施例21
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0076】かくして得られたキャスト塗被紙の光沢、
インキセット、印刷ムラ、表面強度、耐摩擦適性、およ
び操業可能な最高速度を下記の方法で評価し、その結果
を表3〜5に示した。
【0077】〔白紙光沢〕JIS−P8142に準じて
測定した。
【0078】〔インキセット〕RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製G
raf−G墨)0.6ccを用いてキャスト塗被紙表面
に印刷し、印刷直後、印刷から2分後、および印刷から
5分後に、キャスト塗被紙表面上に上質紙を重ね合わせ
て一定の圧力で加圧し、上質紙に転移したインキ濃度を
以下の基準で判定した。 ◎:2分後には、インキが殆ど転移しない。 ○:5分後には、インキがほとんど転移しない。 △:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度が半分程度である。 ×:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度がやや薄くなっている。
【0079】〔印刷ムラ〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.1ccを用いてキャスト塗被紙表面に印
刷し、一昼夜放置後の印刷面のインキ濃度やインキ着肉
ムラを以下の基準に準じて目視判定した。 ○:インキの着肉に優れ、印刷ムラもない。 △:印刷ムラが見られるが、実用上問題ない。 ×:印刷ムラが著しく悪い。
【0080】〔表面強度〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.4ccを用いてキャスト塗被紙表面を5
回印刷し、キャスト塗被紙表面の状態を以下の基準に準
じて観察、判定を行った。 ○:表面強度に優れ、キャスト塗被紙表面のコート層の
剥けがまたっくない。 △:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けがわずかに見
られるが、実用上問題ない。 ×:キャスト塗被紙表面のコート層の剥けが著しい。
【0081】〔耐摩擦適性〕RI−1型印刷試験機でシ
ートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gr
af−G赤)0.3ccを用いてキャスト塗被紙表面に
印刷し、一昼夜室温で乾燥させた後、印刷面と白紙面を
摩擦試験機を用いて600gの加重をかけて20回擦り
合わせた後の印刷面と白紙面の傷および汚れ具合を以下
の基準により判定した。 ○:ほとんど汚れや傷がない。 △:汚れや傷が見られる。 ×:汚れや傷が著しく見られる。
【0082】〔キャスト塗被紙の最高生産速度〕キャス
ト塗被紙を上記の方法において生産した場合に、キャス
ト塗被紙がキャストドラムに貼り付いたり、ドラムピッ
クやドラムピックが発生せず、安定して生産が可能な最
高速度を示した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【発明の効果】表3〜5より明らかなように、本発明の
実施例によって得られたキャスト塗被紙は白紙光沢、印
刷適性および耐摩擦適性に極めて優れ、且つ効率良く生
産することが可能であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に顔料と接着剤とを主成分とする
    キャスト用塗被層を設け、塗被層が湿潤状態にある間に
    加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより鏡面
    仕上げするキャスト塗被紙の製造方法において、該塗被
    層中にポリエチレン化合物と水溶性変性ポリアミン系樹
    脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系樹脂とを含有せし
    めたことを特徴とするキャスト塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエチレン化合物として、融点が105 ℃
    以上、針入度が5dmm以下、および酸価が5 〜50mg
    KOHである請求項1記載のキャスト塗被紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】ポリエチレン化合物と、水溶性変性ポリア
    ミン系樹脂及び/又は水溶性変性ポリアミド系樹脂の配
    合重量比が20:1〜10:10である請求項1または
    請求項2記載のキャスト塗被紙の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015077750A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 北越紀州製紙株式会社 インクジェット記録用キャスト塗工紙

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03137295A (ja) * 1989-10-24 1991-06-11 Sannopuko Kk 顔料塗被紙用潤滑剤
JPH03167386A (ja) * 1989-11-27 1991-07-19 Mitsui Toatsu Chem Inc コート紙用塗料組成物

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