JPH06257099A - キャスト塗被紙 - Google Patents

キャスト塗被紙

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JPH06257099A
JPH06257099A JP3903793A JP3903793A JPH06257099A JP H06257099 A JPH06257099 A JP H06257099A JP 3903793 A JP3903793 A JP 3903793A JP 3903793 A JP3903793 A JP 3903793A JP H06257099 A JPH06257099 A JP H06257099A
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JP
Japan
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coated paper
cast
cast coated
paper
polyethylene compound
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JP3903793A
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Hiroyuki Ohashi
弘幸 大橋
Shinichi Asano
晋一 浅野
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】白紙光沢、印刷適性、および耐摩擦適性に優れ
たキャスト塗被紙を提供するものである。 【構成】支持体上に顔料と接着剤とを主成分とするキャ
スト用塗被層を設け、塗被層が湿潤状態にある間に加熱
された鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより鏡面仕上
げされるキャスト塗被紙であり、特に塗被層中にポリア
ルキレンポリアミン、脂環式二塩基性カルボン酸、尿素
類およびアルキル化剤とを反応せしめてなる反応生成樹
脂、およびポリエチレン化合物とが含有せしめられたキ
ャスト塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙に関し、
特にキャスト塗被紙表面の白紙光沢、印刷適性、耐摩擦
適性に優れたキャスト塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢
紙の製造方法としては、顔料および接着剤を主成分とす
るキャスト塗被液を原紙に塗工した後、塗被層が湿潤状
態にある間に鏡面を有する加熱ドラムの表面に圧着(圧
接)、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、
湿潤状態の塗被層を一旦乾燥させた後、再湿潤液により
再度湿潤可塑化させ加熱ドラム面に圧接して仕上げるリ
ウェットキャスト法、あるいは湿潤状態の塗被層をゲル
化状態にして加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするゲ
ル化キャスト法等が一般に知られている。これらのキャ
スト仕上げ方法は、いずれも湿潤可塑化状態にある塗被
層表面を加熱ドラムに圧接、乾燥して鏡面を写しとる点
で共通している。
【0003】この様にして得られたキャスト塗被紙はス
ーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗被紙に比べて
高い白紙光沢と高度な表面平滑性を有し、優れた印刷効
果が得られることより、高級印刷物又は高級紙器等の用
途に専ら利用されている。
【0004】最近、印刷物や書籍の表紙、あるいは紙器
等の高級化指向に伴い、より豪華な表紙や耐摩擦適性に
優れた製品が要望されている。そのような要望に応える
ために、通常の塗被紙やキャスト塗被紙に透明な樹脂を
印刷等により塗被した、所謂ニス引き紙やプレスコート
紙、あるいは表面にポリエチレンや塩化ビニル等のプラ
スチックフィルムを貼合わせたラミネート紙が広く利用
されている。
【0005】ところで、ニス引き紙、プレスコート紙あ
るいはラミネート紙は、その上から通常の印刷インキで
直接印刷することができないために、予め印刷を行い、
その後にニス引きやラミネート等の光沢加工が行われて
いる。また、これらの中でも特に広く利用されているラ
ミネート紙では古紙としての再生離解が難しく、工程上
やコスト及び環境問題等の点でも通常の塗被紙やキャス
ト塗被紙に比べて不利な面が多い。それにもかかわらず
広く利用されるようになると、結果的にニス引き紙、プ
レスコート紙あるいはラミネート紙の代わりに、それら
と同等の品質を有するようなキャスト塗被紙の開発、即
ち、より優れた白紙光沢、印刷光沢、耐摩擦適性等を有
するキャスト塗被紙の出現が希求されている。
【0006】従来、キャスト塗被層用塗被組成物は塗被
紙用顔料および接着剤を主成分とし、接着剤には合成系
の物と天然系の物とが併用され、顔料100重量部に対
して通常5〜50重量部の割合で配合されるのが実状で
ある。この様にキャスト塗被層の主体は一般塗被紙用顔
料であるため、印刷インキの吸収あるいは保持性には優
れるものの、白紙光沢や耐摩擦適性においてはニス引き
紙、プレスコート紙あるいはラミネート紙には匹敵し得
ない。
【0007】一方、キャスト塗被紙の白紙光沢をより一
層高めるには、塗被組成物中の接着剤量を増やすこと
で、ある程度迄は可能である。しかしながら、ニス引き
紙やプレスコート紙あるいはラミネート紙並には至らな
い。本来、キャスト塗被層の塗被量は10〜40g/m
2 といった多量の固形分塗被量が必要な上に、接着剤を
増やすことで塗被層の多孔性が失われ、熱乾燥時の塗被
層の蒸気透過性および離型性の悪化により生産速度の低
下や、キャスト塗被紙の特徴である印刷適性、特にイン
キセットやインキの乾燥性が極端に悪化する等の難点を
抱えている。
【0008】また、キャスト塗被紙の表面はその特性
上、容易に擦れ傷や損傷を受け易く、白紙品質を低下さ
せ易い難点がある。そのために、塗被層面の耐損傷性
(以後、耐摩擦適性と呼ぶ)を高め、品質低下を防止す
るためにポリエチレンワックスや天然ワックス等の従来
公知の滑剤の添加が考えられる。しかし、キャスト塗被
紙表面の耐摩擦適性をニス引き紙やプレスコート紙ある
いはラミネート紙並にするには、これらの滑剤を多量に
添加しなければならない。その結果として、印刷ムラ、
インキセットや表面強度等の印刷適性の低下が懸念され
る。さらに、キャスト塗被層の強度や離型性が低下する
ため、該塗被層を湿潤状態で加熱された鏡面ドラムに圧
接してキャスト仕上げする際に、塗被層の一部が鏡面ド
ラムに残留する、所謂ドラムピックといわれる現象が発
生したり、生産速度が低下する等の難点がある。
【0009】このように、従来のキャスト塗被紙ではニ
ス引き紙、プレスコート紙或いはラミネート紙等の如き
光沢加工処理を施した製品並の白紙光沢や耐摩擦適性を
付与することが極めて難しいのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状によ
り、本発明者等は、書籍の表紙等に専ら利用されるニス
引き紙やプレスコート紙或いはラミネート紙並の白紙光
沢を有し、且つ印刷適性、耐摩擦適性および離型性に優
れたキャスト塗被紙を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果として、顔料と接着剤とを主成分とするキャスト用
塗被層中にポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基性
カルボン酸、尿素類およびアルキル化剤とを反応せしめ
てなる反応生成樹脂とポリエチレン化合物とを併用する
ことにより、本発明が所望とする極めて優れた光沢を有
し、さらに耐摩擦適性に優れ、かつ印刷適性に優れたキ
ャスト塗被紙が効率よく得られることを見出したのであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に顔
料と接着剤とを主成分とするキャスト用塗被層を設け、
塗被層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥することにより鏡面仕上げされるキャスト塗被
紙において、該塗被層中にポリアルキレンポリアミン、
脂環式二塩基性カルボン酸、尿素類およびアルキル化剤
とを反応せしめてなる反応生成樹脂と、ポリエチレン化
合物とが含有せしめられたことを特徴とするキャスト塗
被紙である。
【0012】
【作用】前述の如き実状より、本発明者等はキャスト用
塗被層について鋭意検討を進めた結果、特定の反応生成
樹脂、即ちポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基性
カルボン酸、尿素類およびアルキル化剤とを反応せしめ
てなる反応生成樹脂、およびポリエチレン化合物とを併
用することにより、白紙光沢、印刷適性、耐摩擦適性、
離型性を同時に満足させ得ることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0013】ここに、ポリアルキレンポリアミン、脂環
式二塩基性カルボン酸、尿素類およびアルキル化剤とを
反応せしめてなる反応生成樹脂と、ポリエチレン化合物
とを併用することで本発明が所望する効果が得られる理
由については、必ずしも明らかではないが、以下のよう
に推定される。即ち、ポリエチレン化合物はキャスト用
塗被層中で表層に集まり易く、部分的にポリエチレンの
皮膜を形成する傾向がある。そのために、キャスト塗被
紙の白紙光沢や耐摩擦適性は高められるが、その反面、
インキセット、印刷ムラ、表面強度等の印刷適性が低下
したり、加熱鏡面ドラムからのキャスト塗被紙の離型性
を悪化させる等の難点がある。このような特性を持つポ
リエチレン化合物を、ポリアルキレンポリアミン、脂環
式二塩基性カルボン酸、尿素類、およびアルキル化剤と
の反応生成樹脂とを併用することにより、それらが互い
に反応して複合体を形成し、キャスト用塗被層中におけ
るポリエチレン化合物の偏在化や皮膜の形成を防止し、
その結果としてインキセット、印刷ムラ、表面強度およ
び離型性等が効率的に改善されるものと推定される。
【0014】さらに、ポリアルキレンポリアミン、脂環
式二塩基性カルボン酸、尿素類、およびアルキル化剤反
応生成樹脂とポリエチレン化合物とを併用することによ
り、キャスト塗被紙の光沢ムラが改良されることも分か
った。この理由についても、必ずしも明らかではない
が、ポリエチレン化合物の偏在化による局部的な離型ム
ラに起因すると考えられる光沢ムラが、これらの反応生
成樹脂の作用により効果的にポリエチレン化合物の偏在
化が防止されることで解消されるものと推定される。ま
た、予想に反して本発明の方法で得られたキャスト塗被
紙の印刷適性、特にインキグロスが著しく改善されるこ
とも分かった。
【0015】而して、本発明におけるポリエチレン化合
物としては、特に限定されるものではないが、その物性
値である融点が105℃以上、好ましくは110℃以
上、針入度が5dmm以下、好ましくは2dmm以下、
さらに酸価として5〜50mgKOH、好ましくは5〜
40mgKOHといった物性値を有するポリエチレン化
合物が特に好ましく用いられる。因みに、融点が105
℃未満、および針入度が5dmmを越えるものは、本発
明が所望する白紙光沢、耐摩擦適性が得られ難い。ま
た、酸価が5mgKOH未満ではポリアルキレンポリア
ミン、脂環式二塩基性カルボン酸、尿素類、およびアル
キル化剤との反応生成樹脂との反応性が低くなり、イン
キセット、印刷ムラ、離型性の改良効果を期待し難い。
一方、酸価が50mgKOHを越える場合には上記反応
生成樹脂との反応性が強くなり、白紙光沢の低下や塗被
液の増粘等を誘発させ易く、好ましくない。
【0016】なお、上記の針入度とは、JIS−K−2
235(1980)に規定されている針入度試験方法に準拠
して得られる測定値である。また、酸価とは下記(1)
式に基づいて測定した値である。即ち、試料Wg をトル
エンの沸点下で溶解し、指示薬としてフェノールフタレ
インを用い、N/10水酸化カリウム標準液(イソプロ
ピルアルコール溶液)で滴定し、淡紅色が30秒間持続
するときのN/10水酸化カリウム標準液の規定量Aml
を測定して求めるものである。 酸価(mgKOH/g)=56.1(A−B)N/W …… (1) 〔ここに、N=N/10水酸化カリウム標準液の規定
度、B=空試験の滴定に要したN/10水酸化カリウム
標準液の量〕
【0017】なお、本発明で使用するポリエチレン化合
物としては、空気、酸素、オゾンまたはその他の各種酸
化剤を用いて酸化した酸化物、高分子量ポリエチレンの
熱および酸化分解物、ポリエチレンとエチレン性不飽和
カルボン酸グラフト重合物、あるいはエチレンとエチレ
ン性不飽和カルボン酸および必要によりその他の不飽和
単量体との共重合物等が適宜使用できる。
【0018】ポリエチレンの不飽和カルボン酸グラフト
重合体あるいはエチレンとエチレン性不飽和カルボン酸
との共重合体を構成するエチレン性不飽和カルボン酸と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和モノま
たはポリカルボン酸が挙げられる。また、必要に応じて
共重合させることのできるその他の不飽和単量体として
は、無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無
水物基含有不飽和単量体、メチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ステアリルアクリレートやステア
リルメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸の
アルキルエステル、アクリロニトリルやメタクリロニト
リル等のニトリル基含有不飽和単量体、ヒドロキシアク
リレート、ヒドロキシメタクリレート、ジエチレングリ
コールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメ
タクリレート等のエチレン性不飽和アルコール類、酢酸
ビニル、酢酸アクリレートや酢酸メタクリレート等のエ
チレン性不飽和アルコールエステル類、スチレン、プロ
ピレン、ブテン、塩化ビニルやブタジエン等の炭化水素
系エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0019】本発明でいうポリエチレン化合物は、酸価
の一部あるいは全部を塩とすることも可能であり、一般
に使用される塩としては、モノエチルアミン、モノブチ
ルアミン、ジブチルアミンやトリブチルアミン等のアル
キルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
のエチレンジアミンやポリエチレンポリアミン類等のア
ミン化合物、ナトリウム、カリウムやリチウム等のアル
カリ金属類、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアル
カリ土金属類やアンモニア等が挙げられる。
【0020】これらの塩を形成する中でも、特に好まし
いものはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウムや亜鉛等である。
【0021】なお、本発明におけるポリエチレン化合物
は、一般に水溶液あるいは乳化分散体としてキャスト用
塗被液中に添加される。特に、ポリエチレン化合物の乳
化分散体を使用することが好ましく、ポリエチレンの乳
化に用いられる乳化分散剤としては、例えばポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキシド
付加物、脂肪酸アミドエチレンオキシド付加物、高級ア
ルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレン
グリコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸モノ,ジ,
トリグリセライド類、脂肪酸モノ,ジ,トリアルカノー
ルアミド等の非イオン界面活性剤類、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、硫酸化油脂塩、脂肪酸硫酸エステル
塩、脂肪酸塩やリン酸エステル塩等のアニオン性界面活
性剤類、アミノ酸型、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩
型、スルホン酸塩型やリン酸エステル塩型等の各種両性
界面活性剤類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カゼイ
ン、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム
等の水溶性高分子化合物類が挙げられ、これらのいずれ
か一種または二種以上が適宜用いられる。
【0022】また、キャスト用塗被液中に添加するポリ
エチレン化合物の使用量は、顔料100重量部に対し、
0.1〜20重量部、好ましくは0.4〜10重量部の
範囲で調節される。因みに、添加されるポリエチレン化
合物の量が0.1重量部未満の場合には、本発明が所望
とする効果を得難い。他方、20重量部を越えるような
添加量ではインキの着肉性が低下する等の懸念があるの
で好ましくない。
【0023】本発明で上記のポリエチレン化合物と併用
して使用するポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基
性カルボン酸、尿素類、およびアルキル化剤との反応生
成樹脂とは、ポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基
性カルボン酸、尿素類を任意の順序で反応させて得られ
た生成物に、アルキル化剤、および必要に応じてホルム
アルデヒドおよび/またはグリオキザールを任意の順序
で反応させて得られる生成物である。
【0024】なお、ポリアルキレンポリアミンとして
は、以下のものが例示される。例えばジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−
1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−
ジアミン等、およびこれらの混合物がある。また、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン等の脂肪族ジアミン
を併用してもよい。
【0025】なお、脂環式二塩基性カルボン酸として
は、以下のものが例示される。例えばテトラハイドロフ
タル酸、ヘキサハイドロフタル酸、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸、4−メチルテトラハイドロフタ
ル酸等のカルボン酸およびこれらのエステル類、テトラ
ハイドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、
4−メチルテトラハイドロ無水フタル酸、4−メチルヘ
キサハイドロ無水フタル酸、Δ4 −テトラハイドロ無水
フタル酸、4−メチル△4 −テトラハイドロ無水フタル
酸等の酸無水物、およびこれらの混合物等である。ま
た、アジピン酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸
や、テレフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸を
併用してもよい。
【0026】なお、上記の脂環式二塩基性カルボン酸
は、グリコール類と反応させたものを使用することもで
きる。この場合のグリコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール
等のアルキレングリコール類、シクロペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール等のシクロアルキレングリ
コール類、ブテンジオール、オクテンジオール等のアル
ケニレングリコール類、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポ
リアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレ
ンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物等がある。
【0027】尿素類としては、尿素、チオ尿素、グアニ
ル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素等を挙げることがで
きるが、これらの中でも特に尿素が好ましい。
【0028】さらに、アルキル化剤としては、以下のも
のが例示される。例えば塩化メチル、塩化エチル、塩化
プロピル、塩化アリル、塩化ベンジル、塩化フェノキシ
エチル、およびこれら塩化物に対応する臭化物およびヨ
ウ化物等のハロゲン含有化合物、ジメチルサルフェー
ト、ジエチルサルフェート等のジアルキルサルフェー
ト、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト等の
ジアルキルサルファイト、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イド、グリシドール等のエチレンオキサイド誘導体、エ
ピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒ
ドリン、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒド
リン等のモノハロヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール等の
ジハロヒドリン、およびこれらの混合物がある。
【0029】上述の反応生成樹脂とポリエチレン化合物
との混合比は、特に限定されるものではないが、固形分
重量比で1:20〜10:10、好ましくは1:10〜
5:10の範囲で用いるのが望ましい。因みに、両者の
混合比がこの範囲外の場合には、本発明の所望の効果が
得られ難いだけでなく、塗被液の粘度上昇が懸念される
ので、好ましくない。
【0030】さらに、ポリアルキレンポリアミン、脂環
式二塩基性カルボン酸、尿素類、およびアルキル化剤と
の反応生成樹脂とポリエチレン化合物とをキャスト用塗
被液中へ添加する方法としては、特に限定されるもので
はないが、塗被液中にそれぞれを前もって混合、添加す
るか、あるいは別々に添加してもよい。また、その添加
時期についても特に限定されるものではない。さらに、
リウェットキャスト法やゲル化キャスト法では、再湿潤
液やゲル化液中に含有せしめてキャスト仕上げすること
もできる。
【0031】本発明において、キャスト用塗被層に使用
される顔料としては、例えばカオリン、水酸化アルミニ
ウム、サチンホワイト、硫酸バリウム、重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、プラスチックピグ
メント、焼成クレー、酸化亜鉛や二酸化チタン等の一般
の塗工紙分野で使用される従来公知の各種顔料が単独あ
るいは2種類以上が適宜組合されて用いられる。
【0032】また、キャスト用塗被層の主成分である接
着剤としては、例えばカゼインや大豆蛋白等の蛋白質
類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体
ラテックス、あるいはこれらの各種重合体や共重合体を
カルボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基変
性したアルカリ溶解性あるいはアルカリ非溶解性の重合
体ラテックス、ポリビニルアルコール、オレフィン−無
水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系の接着
剤、陽性化澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉
類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体等、一般の塗被紙用とし
て知られる従来公知の接着剤が単独で、あるいは併用し
て用いられる。なお、接着剤の使用量は顔料100重量
部に対し、5〜50重量部、一般には10〜30重量部
程度の範囲で調節される。
【0033】他方、塗被層の耐水性、耐ブロッキング性
を向上させる目的でジグリセロールポリグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシ
ジルエステル等の多官能性エポキシ化合物、炭酸ジルコ
ニウムアンモニウム、酢酸ジルコニウム等のジルコニウ
ム化合物、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−
ホルムアルデヒド系樹脂、ポリアミド−尿素−ホルムア
ルデヒド系樹脂、グリオキザール等の各種耐水化剤や印
刷適性向上剤を適宜添加することもでき、その場合の添
加割合としては前記樹脂成分100重量部に対して0.
1〜30重量部の範囲で使用される。
【0034】さらに、キャスト塗被層用塗被液中には、
離型剤として、例えばステアリン酸、オレイン酸、パル
ミチン酸等の脂肪酸およびそれらのカルシウム、亜鉛、
ナトリウム、アンモニウム等の塩類、ステアリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミドおよびメチレンビ
スステアリン酸アミド等のアミド類、マイクロクリスタ
リンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素類、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコ
ール、ロート油やレシチン等の油脂類、含フッ素界面活
性剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレンポリマーや
エチレン−四フッ化エチレンポリマー等のフッ素系ポリ
マー等が適宜添加される。その場合の添加量は顔料10
0重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.
2〜10重量部の範囲で調節される。
【0035】また、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネ
シウム、硫酸第1鉄、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム、第1燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カル
シウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナト
リウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、モノクロル酢酸ナトリウム、マ
ロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナト
リウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、メチルアミ
ン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジイ
ソプロピルアミン等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩
や金属塩、およびアミン等を光沢付与助剤として直接あ
るいはキレートないしは錯塩の形で添加することもでき
る。
【0036】さらに、一般の塗被紙およびキャスト塗被
紙の製造に用いられている分散剤、消泡剤、着色剤、蛍
光染料、帯電防止剤や防腐剤等の各種助剤も適宜添加併
用される。
【0037】而して、上記材料をもって構成されるキャ
スト塗被層用組成物は、一般に固形分濃度が40〜65
重量%程度に調製される。次いで、米坪が35〜400
g/m2 程度の原紙、或いは多孔性フィルム等の支持体
上に乾燥重量で1〜40g/m2 、好ましくは5〜20
g/m2 程度になるように塗被された後、キャスト仕上
される。
【0038】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般にキャスト塗工紙分野で使用
される酸性紙、或いは中性紙が適宜使用される。なお、
予め原紙の片面又は両面に必要に応じて、一般の顔料塗
被組成物を予備塗工した塗被紙をキャスト塗被紙用原紙
として用いることも可能である。その場合の塗工量は片
面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望ましい。さ
らに必要に応じて、この予備塗工した紙を前もってスー
パーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施した
後に、キャスト仕上げを施すこともできる。勿論、二度
続けてキャスト仕上げを行うこともできる。
【0039】かくして得られる上記のキャスト塗被層用
組成物をブレードコーター、エアーナイフコーター、ロ
ールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコー
ター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の
塗被装置により支持体上に塗被され、塗被後は、ウェッ
トキャスト法、リウェットキャスト法、またはゲル化キ
ャスト法のいずれかによって光沢仕上げされることにな
る。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、特に断らない限り例中の部および%は、それぞれ重
量部および重量%を示す。
【0041】実施例1 キャスト塗被層用の塗被液として、カオリン80部、軽
質炭酸カルシウム20部、アンモニアで溶解した15%
カゼイン水溶液10部(固形分)、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラッテクス15部(固形分)、離型剤として
ステアリン酸アンモニウム1部、さらにポリエチレン化
合物として表1に示したポリエチレン化合物Aを5部、
およびポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基性カル
ボン酸、尿素類、およびアルキル化剤との反応生成樹脂
(以下、反応生成樹脂と略す)として表2に示した生成
樹脂Vを0.5部を添加してなる濃度45%の塗被液を
調製し、ウェットキャスト方式によるキャスト仕上を行
なった。
【0042】即ち、予めカオリン70部、炭酸カルシウ
ム30部、SBRラテックス15部および澱粉2部から
なる下塗り塗被液をブレードコーターで乾燥重量が15
g/m2 となるように塗被したキャスト用原紙(120
g/m2 )上に、上記のキャスト塗被液をロールコータ
ーで乾燥重量が10g/m2 となるように塗被し、直ち
にこの紙をプレスロールで鏡面を有するキャストドラム
(表面温度80℃)に圧接し、乾燥後キャストドラムか
ら剥離してキャスト塗被紙を得た。
【0043】実施例2 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0044】実施例3 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0045】実施例4 実施例1において、ポリエチレン化合物Aの代わりに表
1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0046】実施例5 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
部とし、反応生成樹脂として表2に示した樹脂Wを用い
た以外は、実施例4と同様にしてキャスト塗被紙を得
た。
【0047】実施例6 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹
脂Xを0.2部用いた以外は、実施例4と同様にしてキ
ャスト塗被紙を得た。
【0048】実施例7 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を2
部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂Yを
0.5部用いた以外は、実施例4と同様にしてキャスト
塗被紙を得た。
【0049】実施例8 実施例4において、ポリエチレン化合物Dの添加量を1
0部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂Z
を0.5部用いた以外は、実施例4と同様にしてキャス
ト塗被紙を得た。
【0050】実施例9 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.5部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹
脂Vを1部用いた以外は、実施例5と同様にしてキャス
ト塗被紙を得た。
【0051】実施例10 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.05部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成
樹脂Vを0.05部用いた以外は、実施例5と同様にし
てキャスト塗被紙を得た。
【0052】実施例11 実施例5において、ポリエチレン化合物Dの添加量を2
0部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂V
を0.5部用いた以外は、実施例5と同様にしてキャス
ト塗被紙を得た。
【0053】比較例1 実施例1において、反応生成樹脂を添加しなかった以外
は実施例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0054】比較例2 実施例2において、反応生成樹脂を添加しなかった以外
は実施例2と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0055】比較例3 実施例4において、反応生成樹脂を添加しなかった以外
は実施例4と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0056】比較例4 実施例1において、ポリエチレン化合物および反応生成
樹脂を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてキャ
スト塗被紙を得た。
【0057】実施例12 キャスト塗被層用の塗被液として、カオリン80部、軽
質炭酸カルシウム20部、ポリアクリル酸ソーダ0.5
部をコーレス分散機を用いて水中に分散し、固形分濃度
65%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに消泡
剤として、トリブチルフォスフェート0.5部、離型剤
としてステアリン酸カルシウム1.0部、接着剤として
アンモニアを用いて溶解した15%カゼイン水溶液10
部(固形分)及びスチレン−ブタジエン共重合体ラテッ
クス16部(固形分)を加え、さらに硫酸亜鉛2部、ポ
リエチレン化合物として表1に示すポリエチレン化合物
A5部、および反応生成樹脂として表2の樹脂Vを0.
5部加え、固形分濃度が45%の塗被液を調製し、リウ
ェットキャスト方式によるキャスト仕上げを行なった。
【0058】即ち、上記により調製されたキャスト用塗
被液を110g/m2 のキャスト用原紙に乾燥重量が2
0g/m2 となるようにエアーナイフコーターで塗被
し、エアーフローティングドライヤーで乾燥した。次
に、この塗被紙をプレスロールとキャストドラムで形成
されるプレスニップに通紙し、ここでノズルから供給さ
れたヘキサメタリン酸ナトリウムからなるリウェット液
(0.5%濃度)によって塗被層表面を再湿潤した後、
表面温度105℃のキャストドラムにプレス圧200k
g/cmで圧接、乾燥した後、テークオフロールでキャ
ストドラムから剥離することによってキャスト塗被紙を
得た。
【0059】実施例13 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Bを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0060】実施例14 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Cを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0061】実施例15 実施例12において、ポリエチレン化合物Aの代わりに
表1に示したポリエチレン化合物Dを用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0062】実施例16 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
1部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂W
を用いた以外は、実施例15と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0063】実施例17 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
0.2部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹
脂Xを0.2部用いた以外は、実施例15と同様にして
キャスト塗被紙を得た。
【0064】実施例18 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
2部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂Y
を0.5部用いた以外は、実施例15と同様にしてキャ
スト塗被紙を得た。
【0065】実施例19 実施例15において、ポリエチレン化合物Dの添加量を
10部とし、反応生成樹脂として表2に示した生成樹脂
Zを0.5部用いた以外は、実施例15と同様にしてキ
ャスト塗被紙を得た。
【0066】実施例20 実施例12において、キャスト用塗被液中にポリエチレ
ン化合物と尿素−環状尿素、グリオキザール縮合物を添
加せず、リウェット液として表1のポリエチレン化合物
Dを1.0%、表2の生成樹脂V0.1%、ヘキサメタ
リン酸ナトリウム0.5%を代わりに用いた以外は、実
施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0067】比較例5 実施例12において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は、実施例12と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0068】比較例6 実施例13において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は実施例13と同様にして、キャスト塗被紙を得た。
【0069】比較例7 実施例15において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は、実施例15と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0070】比較例8 実施例12において、ポリエチレン化合物および反応生
成樹脂を添加しなかった以外は、実施例12と同様にし
てキャスト塗被紙を得た。
【0071】実施例21 キャスト塗被層用の塗被液として、カオリン80部、軽
質炭酸カルシウム20部、ポリアクリル酸ソーダ0.5
部をコーレス分散機を用いて水中に分散し、固形分濃度
65%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに消泡
剤として、トリブチルフォスフェート0.5部、離型剤
として、オレイン酸アンモニウム1.0部、接着剤とし
て、アンモニアで溶解した15%カゼイン水溶液13部
(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
15部、さらにポリエチレン化合物として、表1に示し
たポリエチレン化合物Aを5部と反応生成樹脂として表
2に示した生成樹脂Vを0.5部加え、固形分濃度が5
0%の塗被液を得た。この塗被液を用いてゲル化キャス
ト方式によるキャスト仕上げを行なった。
【0072】即ち、米坪110g/m2 のキャスト用原
紙に乾燥重量が20g/m2 となるように上記塗被液を
ロールコーターで塗被し、次いで、蟻酸カルシウム0.
5%からなる凝固液に接触させて塗被層をゲル化した。
この塗被した紙をプレスロールで表面温度98℃のキャ
ストドラム表面にプレス圧100kg/cmで圧着し、
乾燥後テークオフロールでキャストドラムから剥離する
ことによってキャスト塗被紙を得た。
【0073】実施例22 実施例21において、ポリエチレン化合物として表1に
示したポリエチレンBを用い、反応生成樹脂として表2
に示した生成樹脂Wを用いた以外は、実施例21と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0074】実施例23 実施例21において、ポリエチレン化合物として表1に
示したポリエチレンCを用い、反応生成樹脂として表2
に示した生成樹脂Xを用いた以外は、実施例21と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0075】実施例24 実施例21において、ポリエチレン化合物として表1に
示したポリエチレンDを用い、反応生成樹脂として表2
に示した生成樹脂Yを用いた以外は、実施例21と同様
にしてキャスト塗被紙を得た。
【0076】実施例25 実施例21において、塗被液中にポリエチレン化合物と
反応生成樹脂を添加せず、凝固液として表1のポリエチ
レンD1.0%、表2の反応生成樹脂Zを0.1%、蟻
酸カルシウム0.5%を代わりに用いた以外は、実施例
21と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0077】比較例9 実施例21において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は、実施例21と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0078】比較例10 実施例22において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は、実施例22と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0079】比較例11 実施例24において、反応生成樹脂を添加しなかった以
外は、実施例24と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0080】比較例12 実施例21において、ポリエチレン化合物および反応生
成樹脂を添加しなかった以外は、実施例21と同様にし
てキャスト塗被紙を得た。
【0081】かくして得られたキャスト塗被紙の光沢、
光沢ムラ、インキセット、インキグロス、印刷ムラ、表
面強度、耐摩擦適性、および操業可能な最高速度を下記
の方法で評価し、その結果を表3〜5に示した。
【0082】〔白紙光沢〕JIS−P8142に準じて
測定した。
【0083】〔光沢ムラ〕キャスト塗被紙表面の光沢ム
ラを以下の基準に従って、目視判定した。 ○:ほとんど光沢ムラがない △:光沢ムラが見られるが、実用上問題ない。 ×:光沢ムラが多い。
【0084】〔インキセット〕RI−1型印刷試験機
(明製作所製)でシートオフセット用インキ(大日本イ
ンキ化学工業製Graf−G墨)0.6ccを用いてキ
ャスト塗被紙表面に印刷し、印刷直後、印刷から2分
後、および印刷から5分後に、キャスト塗被紙表面上に
上質紙を重ね合わせて一定の圧力で加圧し、上質紙に転
移したインキ濃度を以下の基準で判定した。 ◎:2分後には、インキが殆ど転移しない。 ○:5分後には、インキがほとんど転移しない。 △:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度が半分程度である。 ×:印刷直後のインキの転移濃度に対して5分後の転移
濃度がやや薄くなっている。
【0085】〔インキグロス〕RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製F
−gross墨)0.2ccを用いて印刷を行い、一昼
夜放置後、村上色彩技術研究所製の光沢度計を用いて6
0°の光沢を測定した。値が大きい程インキ光沢があ
る。
【0086】〔印刷ムラ〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.1ccを用いてキャスト塗被紙表面に印
刷し、一昼夜放置後の印刷面のインキ濃度やインキ着肉
ムラを以下の基準に従って、目視判定した。 ○:インキの着肉に優れ、印刷ムラもない。 △:印刷ムラが僅か散見されるが、実用上問題ない。 ×:印刷ムラが著しく悪い。
【0087】〔表面強度〕RI−1型印刷試験機でシー
トオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gra
f−G墨)0.4ccを用いてキャスト塗被紙表面を5
回印刷し、キャスト塗被紙表面の状態を以下の基準に従
って、観察、判定を行った。 ○:表面強度に優れ、キャスト塗被紙表面のコート層の
剥けがまたっくない。 △:キャスト塗被紙表面の塗被層の剥けが僅かに見られ
るが、実用上問題ない。 ×:キャスト塗被紙表面の塗被層の剥けが著しい。
【0088】〔耐摩擦適性〕RI−1型印刷試験機でシ
ートオフセット用インキ(大日本インキ化学工業製Gr
af−G赤)0.3ccを用いてキャスト塗被紙表面に
印刷し、一昼夜室温で乾燥させた後、印刷面と白紙面を
摩擦試験機を用いて600gの加重をかけて20回擦り
合わせた後の印刷面と白紙面の傷および汚れ具合を以下
の基準により判定した。 ○:ほとんど汚れや傷がない。 △:汚れや傷が見られる。 ×:汚れや傷が著しく見られる。
【0089】〔キャスト塗被紙の最高生産速度〕キャス
ト塗被紙を上記の方法において生産した場合に、キャス
ト塗被紙がキャストドラムに貼り付いたり、ピンホール
やドラムピックが発生せず、安定して連続生産が可能な
最高速度を示した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
【発明の効果】表3〜5より明らかなように、本発明の
実施例によって得られたキャスト塗被紙は白紙光沢、印
刷適性および耐摩擦適性に優れ、且つ効率良く生産する
ことができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に顔料と接着剤とを主成分とする
    キャスト用塗被層を設け、塗被層が湿潤状態にある間に
    加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥することにより鏡面
    仕上げされるキャスト塗被紙において、該塗被層中にポ
    リアルキレンポリアミン、脂環式二塩基性カルボン酸、
    尿素類およびアルキル化剤とを反応せしめてなる反応生
    成樹脂と、ポリエチレン化合物とが含有せしめられたこ
    とを特徴とするキャスト塗被紙。
  2. 【請求項2】ポリエチレン化合物として、融点が105
    ℃以上、針入度が5dmm以下、および酸価が5〜50
    mgKOHであるポリエチレン化合物である請求項1記
    載のキャスト塗被紙。
  3. 【請求項3】ポリアルキレンポリアミン、脂環式二塩基
    性カルボン酸、尿素類およびアルキル化剤とを反応せし
    めてなる反応生成樹脂とポリエチレン化合物との配合重
    量比が1:20〜10:10である請求項1または請求
    項2記載のキャスト塗被紙。
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